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水銀燈「ギャンブルぅ?」新たな出会い編etc 驚異の逆美人

2009年11月10日 03:15

水銀燈「ギャンブルぅ?」新たな出会い編etc

169 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE[ポケ板orVIPからきますた]:2009/07/11(土) 12:51:54.55 ID:jh4E7Go0

【驚異の逆美人】

下の名前で呼ばれるのがデフォルトだったカイジだがそれは昔の話だ

現在のカイジのあだ名は《13》である

由来は前回の国語で素数を数えていた時に当てられて《13》と答えたからだ

そんな事までネタにするなんて中学生にもなって幼稚な奴等だとカイジはためいきをつく

しかしこのため息はその事に対してだけではない

むしろその事なんてためいきをつくに値しないぐらいどうだっていい

どうだっていいからこそため息が出るのかもしれないが

それとは別の悩みがカイジにはあるのだ

そう、あの時・・・

あの時から運命は狂わされていたのだ

あの近道を通ったときから・・・

誤った、道を・・・


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水銀燈「ギャンブルぅ?」 子供の面倒見に定評のある零

2009年08月19日 21:48

水銀燈「ギャンブルぅ?」新たな出会い編etc

1 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE [ポケ板orVIPからきますた]:2009/06/22(月) 09:46:47.50 ID:egN8JiQ0
前回までのあらすじ
アカギに基本的なことを教えてもらい麻雀を大分覚えた翠星石
カイジの元に水銀燈、アカギの元に翠星石
三体目は誰の手に・・・?

前スレhttp://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1245480800/l50

ヘタレですが頑張ります


2 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE [ポケ板orVIPからきますた]:2009/06/22(月) 09:49:16.15 ID:egN8JiQ0


【子供の面倒見に定評のある零】


もうじき四月も終わりである

水銀燈の食い意地には困ったものである

オマケに食い方がこれまた凄い

筆舌に尽くしがたいが強いて言うなら《半端無い》

そう、ダディとでもいうべきだろうか

それに最近は凄く機嫌が悪いようだ

カイジの帰りが遅いからというのが理由らしい

部活や委員会に興味がなく帰宅部だったカイジ

しかし零とアカギに誘われ図書委員になったのだ

断る理由も特にないカイジは誘われるがままに入ったのである

「(意外と楽しいんだな図書委員って、あの二人と駄弁ってるだけでいいんだし)」

普段の生活態度からは似つかわしくない程に目を輝かせてTVを凝視する水銀燈

これを刮目というのだろうか

「わかったぞ・・・犯人は・・・」

いやらしく舌を出している探偵犬が犯人を特定する

その時後ろに怪しい影

これを見て水銀燈がソファから立ち上がる

「後ろ!後ろよぉ“くんくん”!」

探偵犬の名前はくんくんというらしい

くんくんという探偵犬が主人公の人形劇にはまっているらしい

人形が人形劇を見るというのもいかがなものか

それを言えば人間が人間の出ているドラマを見るのも・・・いや、それとこれとは別である

しかしこんな無邪気な水銀燈は見てて和む

この水銀燈を盗撮して翠星石に売りつけてやろうか

脅し用として高く買い取ってくれそうだ

後ろから近づいてい来る影に気がついたくんくんを見て歓喜する水銀燈

「私の声が届いたのね、くんくん!」

このアホはほっておいてさっさと学校に行こう

カイジはそう思いためいきをつく

しかし何故こんな時間帯に放送時間が変わったのだろうか

朝から水銀燈が五月蝿くてかなわない

しかし水銀燈にTVを見るなというわけにもいかない

娯楽は人生(人形だけど)の一興とも言える

それを奪う権利など自分にはない

結局のところ楽しそうな水銀燈を愛でるしかないのだ

「行ってくる」

カイジはそういって靴を履いた

今までなら見送ってくれたのに今じゃスルー

華麗にスルー・・・!

それはくんくんがやっているからというだけではない

毎週木曜日にやっているわけだが木曜以外でも見送ってくれないのだ

カイジの帰りが遅いというのがそんなにもきにくわないのだろうか

それだけ好かれているのだろうか

カイジは少しさみしそうに家をでる

「しかしあの犬の名前今日始めて知ったぞ、舌なんか出してやらしい犬だよ」

わいわいとにぎわう教室に一人で入るというのも何だかきまずい気分である

これからはもう少し早く登校したほうがいいのだろうか

いや、そんな杞憂のために貴重な朝の怠惰タイムを無駄にできない

だが最近朝は水銀燈といるのはきまずいから早く家をでるのも悪くない

そんな今日の夕飯は何にしようか等と同レベルのくだらない事を考えていたら同級生の佐原が話し掛けてくる

「カイジさん、おはよう」

さん付けはやめろって何度言えば分かる

しかしお前学校に来るなら黒髪に染めてこいよ

お前みたいな輩がいると風紀が乱れる

カイジは冗談交じりに指摘してやる

しかし佐原は更に冗談を重ねる

気の抜けるような声でカイジの落ち度を口にする

「それをいったらカイジさんの長髪はいかがなものですかねぇ」

自称風紀委員の俺に口答えするかこのイソフラボンめ

金髪より絶対マシだと俺は思うが

休んでた時にノートを見せてもらったしあんまり文句を言うつもりはない

学校で殴り合いをした俺が風紀云々言うのもアレだしまあここは見逃してやろう

だが俺は後輩を守るために喧嘩したんだからきっと無罪である

寧ろ半殺しにしていたアカギの方が・・・

それはそうとこの現象はどうにかならないものだろうか

ワイワイにぎわう教室のドアを開けるとやはり何人かがこちらを見てくる

こっち見んなと言ってやりたい気分だ

カイジは視線を華麗にスルーして席につく

「本を読むにしちゃ中途半端な時間だな・・・寝よ・・・」

数分で眠れる道理がないがとりあえず机に顔を伏せる

数分で本を読むと中途半端なところで終わってしまいそうで怖い

いや別に怖くはないが中途半端というのもアレである

中途半端はもっとも忌嫌うべきものである

学校についた早々さっさと家に帰りたいという衝動に駆られるカイジ

この衝動に駆られている以上上の空になるのは必然的といえる

午前の授業はボォーっとしている内に終わった

運悪く当てられた時だけ我に返りタイムラグを発生させて答えるという嫌味な事をやってのける

ノートだけはちゃんと写しているので休み時間にそれを頭に入れるという偉業をこなす

そんな面倒なことをするぐらいならば授業をちゃんと聞いていればいいのに

丹精こめて作った弁当を持ってカイジは図書室に行く

図書室で食事というのもいかがなものだろうか

しかしこれは致し方なかった

「佐原は食いながら喋ってくるから鬱陶しいしな・・・一人で食うか」

図書室に行くとそこには既に零とアカギが居た

先客がいるとは予想外だったがこの二人なら別にいいだろう

図書室で弁当を食う習慣でもあるのだろうか

入ってきたカイジを見て零は軽く会釈する

アカギは相変わらず不気味である

二人で食事をとっている間にカイジは入っていく

「一緒していいか?」

零は勿論ですと、アカギは無言で返す

アカギの無=OKと解釈してカイジは弁当を広げる

どうやらこの二人も食べ始めたところらしい

弁当の残量がそれを物語っている

カイジはあたりをキョロキョロと見回す

「しかし俺達以外誰もいないな」

三日後には忘れてそうな情報を交換しあう三人

いや、アカギは適当に聞き流していただけのようだったが

もう少し打ち解けてくれてもいいような気がするが

元々の量が少ない零は逸早く食い終わる

配分をミスった白ご飯を処理しているカイジを横目に分厚いハードカバーの本を読みふけている零

長門かコイツは・・・と突っ込みたくなったが自重する

その時ヒラッと紙が零の読んでいた本の隙間から落ちる

貸出表にしては少し・・・いや、大分大きいような気がする

この時カイジは感じる

戦慄なるものを・・・!

ざわ・・・ざわ・・・

「(な、何だ?この筆舌に尽くしがたいデジャブ感は・・・!)」

零は怪訝そうに紙を拾う

紙には確かにこう書いてあった

《まいてほしいのー》

ざわ・・・ざわ・・・

何だ?この巻く一択の紙は

アカギとカイジは分かっていた

巻けばローゼンメイデンが零の元にやってくると

というかアカギにしろカイジにしろ巻いてないのに人形がきた

厚かましい人形がカイジの元に

性悪な人形がアカギの元に

それならば零の元に来るのは?

今のところいい性格はない

なら次は傲慢な人形か?それとも狂気に犯された・・・

零は紙を手に首をかしげる

「何ですかねコレ・・・」

本当に何でしょうかねとカイジは相槌を打つ

少し様子がおかしいカイジに零は少し気を取られる

隠しとおせそうにないと感じたカイジは弁当箱の大半を占めている白ご飯を口の中にさっさと放り込む

ポンポンと零の肩を叩いてためいきをつく

不可解な行動を取るカイジに対して零は少し混乱する

カイジは失恋した人を慰めるような声で零に言う

「災厄と狂気が同時に押し寄せてくるだろうけど早まるなよ」

突然理解しがたいことを言い出すカイジに零は呆気にとられる

どう反応していいかわからないようだ

アカギは相変わらずこの状況でも落ち着いている

コイツが挙動不審なところなんて永劫見れそうに無い

拳銃を額に突きつけられていても冷静に相手を煽りそうだ

カイジは突然真剣な声になる

「高級そうな鞄を発見したら戦争だと思え」

零はますます混乱する

カイジ先輩はこんなわけの分からない人だったか・・・?

何が何やらさっぱりである

アカギは食事をする手を止める

この時長く黙っていたアカギが口を開く

「戦争は自然に起きるんじゃない、きっかけがある」

それだけいうとまた食事に戻る

言っていることはカイジと大して変わらない様な気もする

アカギがわかりにくい奴だという事はわかっていたので別にコレは不思議に思わない

しかしカイジは何を言いたいのか

それがさっぱりわからない零

これはドッキリか何かだろうか

零は苦笑いをして誤魔化す

「い、悪戯かな、良く分からないなこの紙に書いてある意味が、ハハ」

この表情と声は反応に困った人間のなせるものである

カイジは、またためいきをつく

抑えようにもコレでは抑えれない

こんな非日常と背中合わせではためいきの一つや二つでてしまうものである

カイジはチラッとアカギを見る

「(まあ例外はいるがな・・・)」

カイジは零のもっていた紙を取り上げる

零は抵抗などは一切しなかった

それにしても・・・

それにしてもコレは・・・

「それにしても汚い字だな・・・」

カイジは汚い字のかいた紙を零に返す

どうせならそのまま処分してくれたら有難かったと心の中でつぶやく

そんな零の視線をどう受け取ったのかカイジは親指でゴミ箱を指す

ヒッチハイクではない

やはり捨てた方がいいというのは万国共通の考えらしい

勝手に捨てていいのだろうかと思いつつも零はゴミ箱に紙を捨てる

ぐしゃぐしゃにしないところが零らしい

「さて・・・蛇(じゃ)が出るか蛇(へび)が出るか・・・」

カイジはあたりを見回す

突込み検定1級の腕の持ち主の零は平坦な声で、尚且つさりげなく突っ込みを入れる

「どっちも蛇じゃないですか」

めざといアカギは逸早く例の物を発見する

レーダーでもついているんじゃないだろうか

例の物は学習用の机の裏側にあった

学習用の机と普通の机の違いは一つ

しきりがあることである

しきりがあることによって集中力が増す

ただし校長お手製の物なのでよく外れたりして静かな図書室に騒音が響き渡る

怪我人が未だにいないのが不思議なくらいである

しかし、しきりの後ろにあった鞄を良く発見できたものである

くまなく探したわけではない

ただ一直線にアカギは学習机に向かって行っただけである

元々知っていたかのように・・・!

無論そんな事はあるはずがない

これはアカギの異端の感性・・・!

零は不思議そうな顔で鞄を見つめる

「ヤフオクに出したら高く売れそうだ・・・」

この三人はヤフオクのことしか頭にないのではないだろうか

意外にも現金な零に苦笑いをするカイジ

カイジは掌を上向けて鞄を指す

「これはいわゆるパンドラの箱・・・何とかの猫ともいえる・・・さあ開示してみろ」

カイジが開示という言葉を使うと何だか受け狙いに聞こえて仕方ない

零はドッキリか何かかと思いながら鞄を開ける

そこにいたのは金髪の童顔の人形だ

なるほど、字が汚いわけだ・・・とカイジは納得をする

零はポカンと口を開ける

カイジはそんな零の顔を見て言ってやる

「アホの子みたいな顔してるぞ」

カイジは少し躊躇してから携帯電話を取り出す

ボタンを押すカイジを黙って見つめる二人

こっち見んなと思いながらカイジは電話を耳に当てる

何度かコールし連絡先の人が電話に出る

「もしもしぃ~どちらさまぁ?」

相変わらず猫撫で声だなとカイジは冷たい声でいう

それにしても妙にドキドキするのは何故だろうか

冷たい声で誰かわかったらしく水銀燈は不機嫌そうになる

「・・・どうしたのよ、この淫乱男」

あ・・・?

聞き間違いかな?

今淫乱男とか何とか・・・

「あら?耳までジャンクになったのかしら?このすけこまし」

いかん・・・

何か誤解されているようだ

最近冷たいのと何か関係でもあるのだろうか

水銀燈には常に優しく接してるつもりなのだが

「わからないな、何の事だかさっぱり」

この反応の仕方はまずかったと後悔するカイジ

まるでとぼけているようではないか

「まだしらをきるのねぇ」

しらも何も・・・

一体何故何をどう誤解しているのだろうか

すけこましでもなければ淫乱でもない

ありえぬ誤解をされているようだ

痴話喧嘩を後輩に聞かせるのもアレなので少し席を外してもらうことにした

「貴方の帰りが遅い理由はわかってるわ」

図書委員会のせいだが・・・話したっけ?

そういうと水銀燈はカイジに怒声をあびせる

「嘘おっしゃい!女の所に行ってるのはわかってるわよぉ!」

・・・?

あ・・・?

ん・・・?

・・・女?

何をおっしゃいますか貴女は

「くんくんでやってたわよ!帰りの遅い男の9割は女のところに言ってるってね」

駄目だコイツ・・・

早く何とかしないと・・・

胃を治すには胃薬

風邪を治すには風邪薬

虫刺されにはムヒ

じゃあ馬鹿を治すには何が必要なのだろうか

とりあえずPCやTVを取り上げるべきだろうか

「図星なんでしょぉ?謝るなら許してやっても・・・」

「アホか」

思わず声が裏返ってしまった

適当に話をあわせるという方法もあるがそんなのはお茶を濁すに過ぎない

一時凌ぎは一生後悔する

「あら?あくまでもしらをきるつもりぃ?くんくんを毎週見てる私を誤魔化せるとでも?」

女のところに行っていない1割の男と思っておいてくれ

とりあえずその9割とかなんとかっていうわけのわからん鉄板は否定しないでおこう

水銀燈がみじめになってしまう

鞄に入っているドールの事を聞こうとしてたのに・・・

気付けば痴話喧嘩じみた会話に・・・

その時不意に何かがとびついてくる

思わず椅子から落ちそうになったがカイジはもちこらえる

とびついてきたものはカイジの首にまとわりついている

「カイジ登りなのー」

まさしく幼児の声だ

もう何もかも予想していた

巻いたな・・・

おそらくはアカギがネジを巻くように催したんだろうな

しかし名前を知っているということはアカギが意図的に・・・

何がカイジ登りだよ・・・

しかしこのタイミングでこんな事をされると・・・

「あ、貴方今の・・・不倫相手は子供!?このロリコン!」

当惑、驚愕、憤慨の順番で喋る水銀燈

何とも言えない三拍子だ

誰がロリコンだ、誰が

「って・・・不倫って・・・お前とは付き合っても無いのに」

首にまとわりついているドールはカイジの顔の横に自分の顔を持ってくる

「電話の相手は水銀燈ぅ?」

カイジは頷いて電話を交代する

こんな誤解すぐに解いてやると決意する

そういえばコイツの名前なんていうんだろう

「水銀燈~~~」

ロリドールは水銀燈の名前を嬉しそうに呼ぶ

そうか、仲良しの姉妹なんだなきっと

きっとそうだ、そうに違いない

二人がどんな会話しているのか気になるが今はやるべき事がある

カイジは勉強机でウォーリーを探している二人の頭に同時にげんこつをかます

アカギなら難なくかわせただろうが空気を読んでよけなかったらしい

「何勝手なことしてんだお前等は・・・」

零は微笑しながら謝罪した

しかし人形が動き出したのに平気の平左だなお前

喋るドールに耐性があるのかお前は

「ホラ、一流の人が作った人形は髪が伸びたりするっていうでしょ?だからこういうのもあるかなって・・・」

そうか、お前実はアホなんだな

成績優秀だけどアホなんだな

馬鹿と天才はなんとやらってな

それにしてもどうして俺も混ぜくれないんだ?

「混ぜてくれないって何がですか?」

カイジはウォーリーをさがせを指差す

しかもその指先は的確にウォーリーを指していた・・・!

「ククク・・・もう発見しましたか」

たまたまだよ、たまたま

確率的には非常に薄いパーセンテージだが

そういいながらカイジは話が余計にこじれていないか心配していた

「アイツの名前は?」

「雛苺ですよ」

そんな《ごはんですよ》みたいな言い方するなよ

雛苺ねぇ、まあ水銀燈の方がいい名前だな

何かすかにムッとしてるんだよ零

零は突然真剣な顔になる

何それやめて怖い

「ローゼンメイ・・・」

ペラッ

「さあ次のページ行きましょう」

零飛ばされる

アカギ無法のスキップ・・・!

コイツあえて言葉を遮ったんじゃないか?

ありうる・・・この男なら

ん・・・

難しいなコレは・・・

カイジは直感する・・・

このあたりにいると・・・!

ウォーリーはこの建物の中にいると・・・!

アカギを出し抜ける・・・!

カイジは本を凝視する

カイジの直感は的中

零やアカギよりも先に発見する

「いたっ、ここだ」

カイジが指差そうとしたその刹那・・・!

アカギが先にウォーリーを指差す・・・!

出し抜かれる・・・!

紙一重で負ける・・・!

「(コイツ・・・あえて今気付いたフリをしていたに違いない・・・!)」

ざわ・・・ざわ・・・

アカギは発見していたのだ

おそらくはページをめくった瞬間に・・・!

あえて気付かないフリ

何故そんな事がわかるか

カイジが指差そうとするまでアカギは全く違う方向を見ていた・・・!

しかしカイジが指差そうとするのを見るや否やウォーリーを指差す

これはカイジに対する挑発・・・!

ざわ・・・ざわ・・・

「(17歩での仕返しか・・・?)」

奮闘中の彼等とは別に二体のドールは会話をしている

「貴女カイジをどうやってたぶらかしたのよぉ!」

「たぶ・・たぶ・・?」

いまいち話がかみあっていないようだ

それもそうである

目覚めたばかりで面識も大してないカイジと雛苺の関係などあってないものである

水銀燈のありえぬ誤解・・・!

どうやらこの誤解簡単にはとけそうにない

その時水銀燈はとんでもないことを宣言しだす

「もう怒ったわぁ、ジャンクにしてあげるわ、待ってなさぁい今すぐ行ってやるから~」

宣戦布告をしてから水銀燈はすぐに家を飛び出す

雛苺は笑顔でカイジ達のもとへ行く

「あのねあのね、水銀燈が遊びにくるって~」

ざわ・・・ざわ・・・

あ・・・?

「ジャンクとかなんとかいってたのー」

ざわ・・・ざわ・・・

さてと・・・

辞世の句でも用意するかな、今からでも遅くは・・・

パリーン

カイジはこの時悟る

遅かった・・・

用意する前にジャンクにされる運命にあるらしい

「雛苺~~~!」

窓から大胆不敵にも入ってきた水銀燈は雛苺に歩み寄る

おま・・・なにするだー!

弁償するのは俺なんだぞ・・・!

第一飛んできたとはいえこの距離をこの短時間で飛んでくるってお前・・・

心の中で色々言ってる内に水銀燈と雛苺の距離は着々と縮まっていく

ざわ・・・ざわ・・・

「落ち着け水銀燈、素数を数えて落ち着け!」

カイジは雛苺の前に立って水銀燈をなだめる

この行動で水銀燈は確信する

雛苺とカイジはできていると

カイジはロリコンだと

水銀燈は翼をカイジの骨格並に鋭利にしてカイジの喉元につきつける

「おっ、おっ、おっ、おちつけー!」

お前が落ち着けと言いたい

カイジは両手を上げて降参ですという意志を表明する

乳酸菌取って落ち着け、な?

そもそも争いは何も生み出さないんだ

戦争の後に残るのは絶望・・・憎悪・・・空虚・・・

カイジの言い訳を悪魔アカギが妨害する

「でも戦争で発展する事もありますよ、コンピューターとか典型的な例ですよ」

もうやだコイツ

あの時DQNに撲殺されてれば良かったんだ

恨むぜくんくん&アカギ&雛苺

貴様等のせいで俺の命日が決まってしまった

死ぬ直前に言うセリフで最もカッコイイ物はないかと必死に語彙を探る

人がゴミのようだ・・・いや何か違う

カイジ死すとも自由は死せず・・・いや、俺は自由のために戦ってたわけじゃないし

俺が死んでも代わりは・・・何の代わりだよ

水銀燈は悪戯っぽく笑う

「弁明があるなら言ってみなさぁい、一応聞いてあげる」

どうする・・・?

なんていえば一番刺激を与えずにこいつの誤解を解くことができる?

顔面を膝蹴りして気絶させるという方法もあるがそれはリスキーだ

「まずえっと・・・雛苺だっけ?コイツが目覚めたのはついさっきだ」

そういって零とアカギと雛苺を順番に見る

零と雛苺はうんうんと頷く

アカギ・・・!

頷け・・・アホ・・・馬鹿・・・カス・・・!

カイジは両手をひろげて一気に水銀燈の誤解を氷解させにかかった

「そもそも俺はロコン・・・じゃなくてロリコンじゃない・・・」

こういう受け攻めは押しが命・・・!

相手に発言権を与えずにどんどん言ってやればいい

そうすりゃ押さえれるはず・・・!

「第一お前がいるのにこんな餓鬼になびくわけないだろ」

「ヒナは餓鬼じゃないのー」

はいはい・・・今はそんなことを言ってる場合じゃないでしょ

それはそうと決まったんじゃないか?

今までの経験からいうとこれは成功のはず

水銀燈はこういうセリフに弱いという事は自明の理ともいえる

しかし今回はそう簡単にいかなかった

裏目に出る・・・!

水銀燈はカイジに向けて羽を飛ばす

ピュッ

カイジの左眼の下を羽が通過し頬を切る

タラタラと頬を伝って顎を伝って床に血が落ちる

水銀燈の顔は鬼のような形相だった

「この期に及んでそんな事を言うのねぇ、このお馬鹿さぁん」

水銀燈はカイジに歩み寄る

カイジは床に落ちる血を見て戦慄を感じる

殺される・・・?

本当に死ぬのか・・・?

こんなところで・・・?

「浮気している男に限ってそういうことを言うって・・・」

くんくんが言ってたってか?

「惜しいわねぇ、くんくんに出てくるキャラが言ってたのよぉ」

アニメの見すぎだアホ

カイジはポケットからハンカチを取り出して血を拭う

「全く・・・傷が残るかもしれないぞコレ・・・」

カイジはふぅっとため息をつく

まだ死ぬ事は決定していない

上手く持ち直せば何とかなるはず

それにしても小さいなコイツ

水銀燈は思い切り羽を横振りする

カイジは反射的にしりもちをついてかわす

水銀燈はフフフと笑いしりもちをついているカイジを見下ろす

「心配しなくても傷が残ろうが残らまいが殺せば関係ないわぁ」

何々?コイツ俺を殺すの?

さてと・・・

どうするかな

臭い言葉も駄目だし、どういえばいいのか

半ば死ぬ覚悟で行くしかないのか

どうしようか考えいていると零が助け舟を出す

「カイジさんの言っている事は本当だ」

零がそういうと水銀燈は羽を零に向けて飛ばす

カイジが気づいた時には勝手に体が動いていた

零を庇って自分が羽を受ける

パサッ

カイジの長い髪が少し切れてしまう

傷こそなかったものの髪の一部を失う

この時空気が変わる

カイジは亡霊のような足取りで水銀燈に歩み寄る

突然の変貌に水銀燈はビクッとするがすぐに羽を構える

「な,何よぉ文句あるの?」

寧ろ文句しかないというのが本音だ

水銀燈が鋭利な羽でカイジを突き刺そうとする

先ほどの攻撃と重ね合わしてみると本気で殺そうとしているようだ

本心は殺したくないのだろう

しかし怒りというか憤りで感情がコントロールできなくなっているのだ

迫り来る鋭利な羽

「カ、カイジさん!」

零は大声でカイジに呼びかける

ガシッ

カイジは真顔で羽を素手で掴む

ダラダラと手から血が流れる

そのまま前進するカイジ

水銀燈は羽で体を覆って丸くなる

「ご、ごめんなさぁい!」

真顔で亡霊のような足取りのカイジに水銀燈は戦慄以上の物を感じ取っていた

「お前よくも髪を・・・」

カイジの息を殺しきった声に水銀燈はビクビクする

ポタポタと頬から手から血を流すカイジ

そんな事微塵にも気にせずに冷たい目で水銀燈の前に立ちはだかる

どうやら髪にはただならぬ愛着がわいていたらしい

カイジは血が出ていないほうの手で水銀燈の頭を撫でてやる

水銀燈は恐る恐る顔を上げる

カイジは爽快な笑顔を見せる

それだけで水銀燈はすくわれたような気がした

カイジはニコッと笑いながら思い切り手を振る

パチン

カイジは水銀燈の頬を思い切りビンタする

ピンピンピン

水銀燈が唖然としている間に連続でデコピンをかます

「ざけんな!ざけんな!ざけんな!もう少しで死ぬところだっただろうが!」

デコピンを終えると水銀燈は涙目になっていた

頬と額が物凄く赤くなっているのがわかった

涙目でカイジを見つめる水銀燈

カイジは水銀燈の両肩に手を置く

水銀燈はビクッとして体を震わせている

また殴られる・・・と覚悟して目を思い切りつぶる

今度は頭突き・・・?

「どうして俺を信じてくれない?」

意表をつかれる

カイジは優しい声で水銀燈に問いかけきたのだ

頭突きを予想していた水銀燈は呆気にとられる

ピン

隙をついてカイジはもう一発デコピンを入れる

「もう少し俺を信じてくれてもいいだろ、そんなに俺が信用ならないか?」

カイジの声は怒りというよりも悲哀にくれていた

自分を信じてくれなかった水銀燈に対する悲しみ

ふりたくなかった暴力をふるってしまったことに対する悲しみ

そんな悲しみが感じられた

そんな悲しみを感じ取った水銀燈は心が痛む

どうして自分はカイジを信用できなったのか

どうしてカイジを殺しかけてしまったのだろうか

どうしてカイジをこんなに悲しませてしまったのだろうか

自分の行動が全て嘘のように思える

自分は本当にこんな事をしてしまったのだろうか

先ほどの怒りと打って変わって自分に対する怒りがわいてくる

水銀燈は突然泣き崩れる

「うぅ・・・ごめんなさいごめんなさい・・・」

泣きじゃくる水銀燈の頭をカイジは撫でてやる

「そんなに泣くなよ、悪かったのはお前だけじゃないさ」

そういってカイジはアカギを見る

元凶とも言えなくもないお前が何故ウォーリーを読んでいる

バキッ

ウォーリーを取り上げてアカギを思い切り殴る

「…」

アカギは3点リーダで返す

反省しているつもりなのだろうか

カイジは肩をすくめてため息をつく

「やれやれ・・・」

カイジは傷を保健室で治療してもらい午後の授業は普通に参加していた

どうしてこんな怪我をしたのかという質問には黙秘権を行使した

カイジの命令により水銀燈は雛苺の鞄を持って家に帰ることになった

授業がすべて終わりいざ帰ろうと思った時に首根っこを教師につかまれる

「何帰ろうとしている」

そういえば呼び出しくらっていたんだっけな

そりゃあガラス割れてて血塗れになってりゃなぁ

図書室で三人は事情聴取をうけている

三人というのは言うまでもなくカイジ、アカギ、零の三人だ

「だからカラスが入ってきたって言ってるでしょ、一条先生」

もうこの言い訳は何度目だろうか

数える気にもなれない

「ところがどっこいありえません、現実です、これが現実」

この人はこればっかりだ

端から信じようとしていないのがわかる

最初から疑ってかかっているのだ

零は羽を拾い上げて一条に見せつける

「この羽が物語っていますよ、カラスが入ってきたと」

同じ問答を何度も何度も繰り返しているうちに一条が痺れを切らす

盛大にためいきをつく

ためいきは俺の専売特許だと心の中で突っ込むカイジ

「わかったわかった、わかったからカラスの代わりにガラス代をお前等が払え、以上」

そういって一条は図書室を後にする

カラスとガラスをかけたつもりなのだろうか

いや、たまたまだろう

不機嫌なまま帰路につく三人

カイジは別れ際零に言っておく

「明日雛苺を引き取りにきてくれ、俺は水銀燈だけで手がいっぱいだ」

ああ、ハイと零は頷く

雛苺と仲良くしたらまた水銀燈に怒られる

今度は殺されるだろう

不恰好になった髪を惜しみつつ帰宅する

か細い声でカイジは挨拶する

「・・・ただいま」

ガシッ

突然何かがとんでくる

「おかえりなのー」

ああ雛苺だな

顔が見えずとも分かるさ

靴を脱ぐから待ってくれといって雛苺を抱っこする

雛苺を抱っこしたまま部屋に入ると水銀燈が吹雪のような視線を浴びせてくる

戦慄を感じていた時既にカイジは雛苺をおろしていた

凄く不機嫌そうに水銀燈はなげやりに言う

「・・・おかえり」

いくらなんでも不機嫌すぎやしないか?

時計を見るともう5時だった

そろそろ食事の準備をするか

雛苺に何をたべたいか聞いてみる

「うにゅ~がいいのー」

・・・?

ハハハ、参ったな

何言ってるか全くわからないや

何か新しい食べ物だろうか

新発売《海原も認めるうにゅ~》

何で新発売の商品を数百年ぐらい眠っていた奴が知ってんだよ

こういうことは姉妹の水銀燈が良く知ってるだろう

うにゅ~とは何ですか?

「知らないわよ」

ハハハ、参ったな

デコピンを根に持ってるようだ

それとも本当に知らないのか

カイジはしばし長考する

うにゅ~・・・

まずはヒントだ、ヒントがなければ話にならない

うにゅ~とは牛乳か何かだろうか

「うにゅ~ってどんな食べ物だ?」

そういうと雛苺は顎に人指し指をあてて天井を見上げる

これで舌を出したらあのマスコットキャラっぽくなるな

雛苺は満面の笑みで答える

「フワッとしててうにゅ~なのー」

雛苺専用翻訳機でも売ってないかな

英語は結構得意だが雛苺語(略してひないち語)ばっかりは理解できそうにない

どうやらヒントらしいヒントは望めないらしい

わかったことといえばフワッ・・・

何故かアカギを思い浮かべる

いやいや、アカギは食えないだろう

逆に食われそうだし

「甘いものか?」

うんと元気いっぱい頷く雛苺

甘いって事はお菓子か?

うんとまたまた元気良く頷く

俺が聞いてるのは夕食に何を食べたいかと聞いているんだが・・・

「うにゅ~の正体は天才零に暴いてもらおう・・・だから夕食は何がいい?」

「えっとねえっとね、花丸ハンバーグがいいのー」

あ・・・?

聞いた事ないな

誰かのオリジナルか

「どんなのだ?」

コイツの説明なんて大して期待していない

とりあえず聞くだけ聞こう

ノーヒントより幾分か楽だろう

雛苺は分かりにくい説明を繰り広げる

何度も何度も聞き返してようやく理解する

花形の目玉焼きの乗ったハンバーグか

花形なんて作ったことがないな

まあそれはそれとして

一行で説明できるこれを何故説明にここまで時間をかけるのだ?

昨日ミンチ肉を買ってきたのは偶然だろうか

今日の事を予想していたみたいだ

「わかった、でも花丸なんてやったことないから失敗するかもしれないけどいいか?」

雛苺はブーブーとブーイングするがなだめてやる

こりゃ失敗できないなと思いカイジは気合を入れる

「水銀燈、できるまで雛苺と遊んでてくれ」

雛苺のお守りを水銀燈に頼もうとしたが水銀燈はプイッとそっぽをむく

これはこれで可愛いかもしれないが今はそれどころじゃない

「頼むよ」

またもスルー

また殴られたいのだろうか

何すねてんだよ

頼むってば

「五月蝿いわねぇ、何で私が貴方の言う事を聞かなきゃいけないのよ」

なるほどな

そっちがその気なら考えがあるさ

チラッと雛苺を見る

「手伝ってくれるか?雛苺」

手伝うのーといって雛苺はとびついてくる

雛苺は偉いなぁ、どこかの居候とは大違いだ

そういうと水銀燈は立ち上がって抗議をする

「私は居候じゃないわ!家族って行ってくれたじゃないのぉ!」

確かに言いましたね

前回の17歩で確かに言ったとも

水銀燈はもはや居候なんかじゃないと、かけがえのない家族だと

「そうだな、じゃあ家族として手伝ってくれよ」

まんまとひっかかる水銀燈

今はしぶしぶながらも雛苺と遊んでいる

「水銀燈登り~」

大して身長差がないからやめておいたほうがいい

案の定重い重いと嘆いている

首が折れないといいが

「ちょっと~重いわよ~」

水銀燈は笑いながら雛苺を降ろす

何だかんだいって楽しそうではないか

そんな二人を見てカイジは微笑む

明日には雛苺とさようならをしなければいけない

今の内に遊んでおくか、雛苺のためにも自分のためにも

「零に雛苺を渡すのが惜しいぐらいだな」

零なら大事にしてくれるだろうと思いながら調理をする

花丸というのは難しそうで意外と簡単にできた

やはり日頃頑張っているのが出たのだろうか

母親より上手いだけある

というか母親が下手すぎるのだ

何をやっても駄目で偉そうなだけの母親に父親

そんな両親に嫌気がさして自立しているのだ

孤立せよ・・・という感じだ

そういえばアカギは何で家族がいないのだろうか

あっ・・・

カイジは気付いてしまった

恐ろしいことに気付いてしまった

零には家族がいる・・・!

じゃあ雛苺はどうする?

普通の人間が動く人形を受け入れられるのか?

まさか隠して暮らすわけにもいかないだろう

「気味悪がって倒れないといいが・・・母さんは体が弱いらしいし」

それはそうと花丸ハンバーグというのはおいしいのだろうか

ハンバーグはハンバーグだけのままがいいと思うのだが

しかし雛苺が食べたいといっているのだから仕方ない

「水銀燈~雛苺~ちょっと手伝ってくれ」

運ぶのを手伝わせるべく二人を呼ぶ

雛苺は嬉しそうに、水銀燈はしぶしぶ手伝いに来る

しかし水銀燈は先程より何だか楽しそうである

なんだかんだいって仲がいいのではないだろうか

その事を考えるとカイジは胸が痛む

どうして・・・?

どうして仲のいい姉妹で戦わなきゃいけない・・・?

そんな事を考えるカイジ

ボォーっとしていたのだろう

雛苺が顔を覗きこむ

「うゆー?どうしたのー?」

「ん・・・?ああ何でもない」

そういってカイジは微笑む

それを聞いて雛苺は首をかしげる

「じゃあ何でカイジは泣いてるの~?」

ざわ・・・ざわ・・・

どうやら自分でも知らない内に泣いていたらしい

カイジは涙をぬぐって笑顔を見せる

「ハンバーグに入れる玉葱を切ってたら涙が出てきたんだよ、鼻からくるらしいな」

そういってカイジは早足お盆を運ぶ

馬鹿か俺は・・・!

こんな小さな子に心配かけてどうするんだよ

今回はたまたま玉葱をきっていたから言い訳できたがいつもいつもこんな好都合な事はない

「(それにしてもうにゅ~ってなんだろうな・・・甘くてフワッと・・・綿菓子か?)」

食事を終えると二人はまた遊びだした

しかし二人でババ抜きってあまり面白そうには見えないな

まあ水銀燈とやったときはまあまあ楽しめたけど

しかしあの時の罰ゲームは面白かったな

洗濯バサミをつけるたびに涙目になっていた水銀燈

そんな事を考えていたせいかまたボォーっとしてらしく水銀燈と目があう

「・・・?何よぉ」

「ん・・・何でもない」

カイジは立ち上がって食器を運ぶ

駄目だ俺・・・早く何とかしないと

それにしてもガラスの修理費どうしようか

悪いのは水銀燈なんだし俺が全額負担かなこりゃ・・・
 
「水銀燈、雛苺、もう風呂入っていいぞ」

「カイジも一緒に入るのー」

とんでもないことを言い出す雛苺

思わず飲んでいたコーヒーを吹き出してしまう

水銀燈がいなくてよかったよ、何となく

「俺はいいよ、二人で入って来いよ」

そう言ってカイジは噴出してしまったコーヒーを拭く

このまま仲良くしてればいいのに

アリスゲームなんか馬鹿馬鹿しい

水銀燈が壊されるのも水銀燈に姉妹を壊させるのもゴメンだ

「今のうちに零に確認を取るか・・・」

カイジは零に電話をかける

雛苺を引き取るのを無理だといわれたらどうしようか

自分が雛苺を引き取るのは別に嫌ではない

しかし・・・

巻いたのは零だ、零の元にいってしかるべきだ

『もしもし』

零が電話に出てくる

カイジは少し躊躇してから話始める

雛苺の事を

すると零は意外にも

『任せてくださいよカイジさん、家族も大歓迎ですよ』
大歓迎・・・?

それっておかしくないか?

喋る人形がいる、明日からその人形を居候させてほしい

そんな事を家族にいって家族が納得するだろうか

そもそも理解できるだろうか

『でも何かおかしいんですよ』

家族からしてみれば一番お前がおかしいんだけどな

あえて言わないでおこう

何がおかしいんだ?

『母さんも父さんも俺を見る目が変貌したんです』

それもそうだろう

おそらくは悪い方にだろう

そうなんだろ?

『あれ?何でわかったんですか?』

わからないほうがおかしいだろうな

アレか?何かかわいそうなものを見る目か?それとも申し訳なさそうな目か?

『カイジさんって凄いですね、根拠もなく当てるんですから』

むしろ根拠しかないがな

俺は理で生きてるんだよ

お前一日に何時間勉強してる?

そう聞くと零は少し恥ずかしそうに答える

『ん~・・・恥ずかしい話ですが休みの日はたったの5時間ぐらいしか勉強してません・・・良くても7時間ぐらいです』

なるほどね、納得したよ

そりゃそんな目で見られるよ

親はきっとこう思ってるのさ

勉強ばっかりさせてるからもろくなった精神が変な妄想をさせたと

だから親はさぞ自分達を責めてるだろうな

お前今日は早く寝ろとか言われなかったか?

『え?カイジさんそこまでわかるんですか?』

まあな、貴重な休みに5時間も7時間も勉強してたらそりゃなあ・・・

それで恥ずかしいってお前にとって何時間が普通なんだよ

俺は少し迷ったさ

零に雛苺を渡すかどうか

渡せば零の誤解も解けるであろう

しかし何だか危ない気がしてくる

それはそうと・・・

『零、お前にとって白くてフワッとしててうにゅ~といえばなんだ?』

自分で聞いておいて何をいってんだという感じである

しばらく沈黙が続く

すまん、さっきのは忘れてくれと言おうとしたその時

『苺大福じゃないですか?』

白くてフワッでうにゅ~=苺大福

良くわからんがそうかもしれない

雛苺って名前だから苺が好きなのかもしれない

しかし数百年前に苺大福ってあったのか?

昭和60年ごろに生まれたって聞いたんだがな・・・

まあそれをいったら花丸ハンバーグもアレだし

時系列の矛盾なんて上げていったらキリがないさ、もしかしたら雛苺が前に目覚めたのは数年前かもしれないし

「零、勉強もやりすぎると気が滅入るぞ、たまには遊べよ」

『え・・・でも結構遊んでますよ?』

アホか、5時間勉強してたら遊ぶ時間なんてあるか

というか遊ぶ気力なんてなくなるぞ

コイツと話してたらなんか疲れるな

「まあいい、じゃあな」


ドールが風呂に入る必要があるのかどうか知らないが二人は楽しそうに仲良く入浴していた

「水銀燈の胸うにゅ~みたいなのー」

そういって雛苺は水銀燈にだきついて胸を揉む

水銀燈は痛い痛いといいながら雛苺を離れさせる

「体洗ってあげるからこっちにきなさぁい」

そういって水銀燈は雛苺を椅子に座らせる

椅子が一つしかないので水銀燈は立って洗うしかないがそれは致し方ない

無邪気な雛苺と何だかんだで妹思いの水銀燈

二人の仲を引き裂くのは気が引ける

水銀燈はこの残酷な運命に二つの意味で胸が痛む(雛苺に揉まれた痛み+精神的な物

「(お父様のためにいつかこの子も倒さなくちゃならないのかしら・・・)」

「あ、熱い熱い熱い!」

水銀燈はじたばたと暴れだす

カイジは焦げ臭さに鼻を押さえながらためいきをつく

「腕短いからドライヤーをすると髪こげちゃうんだな、綺麗な髪なのに台無しだぞ」

水銀燈は涙目でドライヤーを投げ捨てる

雛苺が二の舞にならないようにカイジは雛苺を膝の上に乗せて髪をかわかす

何だか水銀燈が涙目ながらも何か他の感情のこもった目で見てるような気がするがおそらく気のせいだろう

雛苺の髪を乾かし終えると水銀燈が歩み寄ってくる

見放すような見下すような声でカイジに言う

「このロリコン駄目人間」

何だろうか、ここら辺が凄く痛い

胸のあたりが凄く痛いんだ

何といえばいいのか

この筆舌に尽くしがたい胸の痛み

先ほどから水銀燈がずっと自分に対して冷たい

話し掛けても「五月蝿いわね、このロリコン」と言ったふうに冷たくあしらわれるのだ

何を言うにしても絶対語尾にロリコンとつけるのだ

どうやら奴の中で俺はロリコン決定らしい

9時になると雛苺は大あくびをする

おやすみなさいといって鞄の中に入っていく

息苦しくはないのだろうか

少し早いが自分も寝ようと思っていたら先ほどまで自分をスルーしていた水銀燈が自分からやってくる

「・・・?」

「ど、どうした?」

カイジは少し困惑する

冷たかった水銀燈が自分から近づいてくるなんて何かおかしい

何だよその目は

何がいいたい、何がしたい

「貴方はとても寂しがりやね」

あ・・・?

何言ってんだお前は

「貴方は一人で寝るのが寂しい、そうでしょ?」

何?

何を言っているのかさっぱりわからないな

普通寝るのは一人だろう

「仕方がないから一緒に寝てあげるわぁ、感謝なさぁい」

やれやれ・・・

何を言っているんだこのヤクルトさんは

別に寂しくないんだがな

というかこの時期に二人で寝るのは暑いと思うぞ

冬ならまだしもな

そういうと水銀燈はわざとらしくためいきをつく

ためいきは俺の専売特許だってば

本当はお前が寂しいんじゃないのか?

「な、何を言ってるのかしらこのロリコンは」

お前こそ何を言ってるのかしら

まあ水銀燈が寂しがったりはしないとは思うがな

何たって誇り高きローゼンメイデンの第一ドールなんだから

しかしスルーをやめてくれたんだしココは逆らわない方が吉だろう

わざとらしくてもいいから感謝しておくか

「そうか一緒に寝てくれるというのか、優しいな水銀燈は」

「勘違いしないでほしいわぁ、貴方が寂しさで孤独死したら面倒だからよぉ」

そうかそうか、いやぁ優しいなぁ、うんうん、優しい優しい

まあそれはそれとして

「でも鞄で寝ないと負担がかかるとか何とか言ってなかったか?」

前に聞いた事がある

ドールは鞄で寝ないといけないと

理屈は良く分からんがとにかく鞄で寝ないといけないらしいな

「私を誰だと思ってるの?」

ヤクルト

「・・・」

そのどういい返していいかわからないって顔いいねぇ、そそるよ

二人で寝るならクーラーは低く設定しておこうか

この時期にクーラーの世話になるとはな

「いい?私の様な完璧なドールは一日やそこら鞄で寝なくても平気なの」

ほうほう、それは凄いな

そこまで完璧ならすでにアリスとやらになってるんじゃないのか?

と言いたいがとりあえず自重、この発言は自分の首をしめるだけだ

とりあえず半ば本音で半ば冗談ってのが望ましい

「水銀燈の様な完璧なドールが家にやってきて良かったよ」

消灯したのは9時20分ごろだったかな

現在11時

一向に眠れそうにない

水銀燈も全く寝ようとしていないというのが分かった

腕にずっとしがみついているので寝ようにも寝れない

股で腕を挟むのはやめてほしいな理性がもたない

「寝たか?」

チラッと水銀燈を見る

目をつぶってはいるものの眠ってはいなさそうだ

タヌキ寝入りだというのが何となく気配でわかった

「残念だな起きてたらそこらに散歩でも行こうと思っていたのに」

そうわざとらしくつぶやくと水銀燈は飛び起きる

「あら、何か急に目が醒めちゃったわぁ」

どちらかといえばこちらのほうがわざとらしいな

コイツは絶対クラスの劇でいつも木の役だ

これはこれで可愛らしいから良しとしよう

今度は俺がタヌキ寝入りをしてやる

「何だか歩きたいきぶんねぇ、どこかいいとこ知らなぁい?・・・あら?」

ゆさゆさと水銀燈はカイジを揺さぶる

しかしカイジはスルーする

カイジ無法のタヌキ寝入り返し・・・!

「起きなさぁい、このロリコン」

しかしカイジ動かない

あくまでもスルーする

一生治らないかもしれない傷をつけた奴にロリコン呼ばわりされたくない

コイツのせいで左眼の下には生々しい傷がついてしまった

それに掌も負傷してしまった

あの時かわさなければ首をはねられていたかもしれない

ここはあくまでもスルーする

「カイジ~起きてるんでしょぉ?」

ガバッ

カイジは布団の中にもぐりこむ

本格的にスルーをするようだ

水銀燈の中で何かがきれる

「ふぅん、そっちがその気なら・・・」

水銀燈も布団に潜りカイジにまとわりつく

しかしカイジ動かない

「まだ寝てないのはわかってるわぁ」

水銀燈はカイジのわき腹をくすぐる

まだ眠っていないならくすぐりは効くはず

そう踏んだのだ

しかしカイジ、腹に力を入れてこらえる

「痩せ我慢は~よくないわ」

水銀燈は作戦2に移る

ハムッ

「っ!」

水銀燈は突然カイジの耳を甘噛みする

さすがのカイジも反応してしまう

降参するカイジに水銀燈は微笑む

「ほぉらタヌキ寝入りは続かないの」



夜の散歩というのも悪くない

深夜徘徊で捕まらないように気をつけなければならないというのが難点だが

しかし一人じゃないというのが心の支えである

「なぁ水銀燈・・・」

カイジは文字通り肩の重みになっている水銀燈に話し掛ける

水銀燈は笑顔で反応する

うん、いい笑顔だ

まあそれはそれとして

「単刀直入に言おう、重い」

三文字、漢字にすると二文字で全てが伝わってしまう

それもむべなるかな

小さいとは言えそれでも1m近くはあるドールを肩に乗せるというのは結構疲れる

水銀燈も女だ、カイジは気を使って黙っていようとしたがさすがに業を煮やした

このままだと脱臼しかねない

「レディに重いだなんてなってないわねぇ」

すまない・・・とカイジは小さく謝る

やはり自重すべきだったと少し反省する

「で・・・結局降りてくれないのか」

これはこれでいいか・・・と開き直ることにする

人生開き直った者勝ちだ

何でも柔軟に対応する事が大事だ

こういうものだと妥協する事が大事なのだ

そんな考えだから平山先生に志が低いと言われるのだろう

しかし嫌なものは嫌だと逃げていたら芽は吹き出さない

まあそれはそれとしよう

それよりも今不可解なのは・・・

「何でお前がいるんだよ、アカギ」

アカギもドールをつれて夜の散歩をしていたようだ

カイジが水銀燈を肩に乗せているのに大してアカギは翠星石と手をつないでいる

どっちが親密なのだろうか

手か肩、どっちが親密なのだろうか

やはり手だろうか

肩に乗せているというのは何か上下関係を感じる

それにひきかえ手をつなぐというのは同等の立場

肩に乗せているのは手をつなぐというのは柄じゃないからだろう

「げっ、水銀燈が居やがるです、せっかくのいい気分が台無しですよ」

翠星石よ、あまり刺激しないでやってほしい

ヤクルトをヤケのみされては困る

しかし他人の餓鬼をしかれるのは昔の人間ぐらいでありヘタレな自分にはしかれないと思い困っているカイジ

そんなカイジの心境を察してかアカギは翠星石の右頬をつねってやる

「はひふふへふは!ひへふ!(何するですか!しげる!)」

しかし夜中に散歩とは暇なんだな

まあそれはお互い様だろうが

「翠星石が眠れないから散歩に付き合えって五月蝿くて・・・」

へぇ可愛いところあるじゃないか

翠星石は顔を赤くしてアカギのすねを蹴る

最近アカギは空気を読んでかわさないのだ

もっと他のところで空気を読んで欲しいな

それにしても仲がよろしいようで

「ククク・・・乱暴で言葉遣いが悪いですけどね」

乱暴で言葉遣いが悪いがいい子じゃないか

誰かさんは勘違いして人をロリコン呼ばわりした上に手と左頬を負傷させて挙句の果てに殺そうとまでしやがったしな

俺は水銀燈がベッドに来たせいで寝れなくてな

実を言うとどっちにしろ左眼の下がひりひりして眠れないのである

この時カイジは閃く

「そういえば翠星石、雛苺の好物って分かるか?」

翠星石なら知っているかもしれない

面倒見がよさそうだし、妹のことなんてろくにしらないアホとは違うだろうしな

なあ水銀燈?

パチッ

水銀燈は平手でカイジの顔面を真正面から叩く

これは痛い

頬を平手打ちよりも痛い

真正面から殴られる事により鼻を強打することになる

鼻血が出ていないというのが唯一の救いである

カイジは涙目になりながら少し引いている翠星石に再度訊ねてみる

翠星石は答えようとして少し止まる

「(いいこと思いついたですぅ~ククク・・・)」

少しアカギに似てきている翠星石

少し意地悪してやろうという顔だ

「雛苺は辛いものが好きですよ」

嘘だな

カイジは一蹴する(決して蹴るという意味ではない、辞書を引いてみよう

「な、何を根拠に嘘といえるですか!」

その嘘をついてやろうという気持ちを隠せないアホ面で確信したのさ

その顔を見て嘘だと見抜けない奴はよっぽど素直な奴だろうな

ヒュッ

「おっと」

カイジは翠星石のすね蹴りを上手くかわす

アカギが空気を読めるようになった分空気を読めなくなったのだろうか

いや、かわすのにKYも何もないはず

それにしてもすぐにすねを蹴る癖直したほうがいいぞ

というか重いぞ水銀燈

そろそろ本気で肩を凝りそうだ

パチッ

そういうともう一発顔面を真正面から叩かれる

「どぉの口が言うのかしらねぇ」

意地でも降りないのかこの傲慢人形め

しかし誘導と駆け引きはこちらが上のはず・・・!

カイジはわざとらしく言ってみる

「あ~あ、翠星石は自分で歩いて偉いなぁ、一番アリスに近しいだろうなぁ」

少し露骨すぎただろうか

いや、露骨でかまわない

肝心なのは水銀燈の性格を極限まで利用する事だ

「こんな泣き虫で性格の捻じ曲がった餓鬼がアリスに近しいですって!?」

思ったとおり水銀燈はムキになった

計画通り・・・

と思ったのだが・・・

何事も計画どおりいかないなんて事はざらだ

今回も例外ではなかった

そう上手く行かないのが人生、計画

水銀燈の辛辣な暴言に翠星石は近くにいたアカギのすねを思い切り蹴る

やつあたりもはなはだしい

「てめぇもういっぺん言ってみやがれですぅ!」

どうやら俺は余計な事をしてしまったようだ

今二人は取っ組み合いの喧嘩している

こんな時間帯にこんな目立つところで喧嘩すると・・・

「っ!そこで何をやっている!」

パトロールしている巡査がきちゃうのさ

カイジとアカギは喧嘩している二人をひっぺがしてお姫様抱っこをする

顔を赤くする二人だがそんなのに構ってられない

「逃げるぞお姫様」

近づく巡査から逃げるべくもうダッシュをする

それにしても重いなコイツ

しかしこれじゃ誘拐しているみたいで嫌だな

今水銀燈が叫べば捕まってしまうだろう、誘拐犯として

分かれ道に直面する

やはりまくには二手にわかれるのが一番だろう

「二手に分かれるぞ」

何故こんなことに

純粋に夜の散歩を満喫したかっただけなのに

気付けば辛酸悪夢

そして何故・・・

何故よりによってこっちを追ってくる・・・!

更に二手にわかれるべきか?

しかし水銀燈を一人にするわけにはいかない

水銀燈を飛ばせるという方法もある

しかし人前で飛ばせるわけにはいかない

結局のところ走って逃げるしかないのだ

お姫様抱っこしているから腕が使えず上手く走りづらいが致し方ない

「カイジ・・・」

水銀燈が水銀燈らしくない声を出す

もう少しで聞き逃すところだった

しかしそれどころではない

今は逃げることで精一杯だ、話なら後にしてほしい

「(はぁはぁ・・・重いなこのお姫様は・・・)」

「・・・」

カイジは逃げている最中に時間をかせげる物を発見する

「もう少しスマートにいきたかったが・・・」

ゲシッ

カイジは電柱の近くにあったゴミ箱を思い切り蹴る

ゴミ箱は転がりゴミを撒き散らす

巡査がそれに気をとられている間にさっさと逃げる

「(ここを右に曲がれば複雑な道の連続・・・まける・・・!)」

言うまでもないがここで言うまけるというのは負けるという意味ではない

心の中で巡査にゴメンと謝ってカイジは右折する

巡査が何やら騒いでいるが気にしてられない

何を言おうが負け犬の遠吠えだ、悔しかったら捕まえてみろ、いややっぱりそれは困るかな

「コラー!待ちなさい!」

大の字になって倒れたい気分だがそんなことはしてられない

もう一踏ん張りだ

後もう少し走ればまけるであろう

カイジは出せる限りの根性で何とか巡査を巻く

水銀燈をおろして近くにあった公園のベンチに倒れ込む

よく頑張ったと褒めて欲しいものである

カイジは息遣いが荒くなる

高鳴る心臓をおさえてゲホゲホとむせる

そのせいか涙目になっている

水銀燈は話し掛けるタイミングを考えている

「(今話し掛けても無駄ねぇ・・・今にも吐きそうだし)」

少し落ち着いてきたカイジは起き上がってきちんとベンチに座る

まだ少ししんどそうだ

もう少しそっとしてやることにする

薄暗い夜空

二人は肩を並べて空を見上げている

言葉などもはや不要だ

タオルを持って来て正解だった

顔の汗をタオルでふき取る

背中もパンツも汗でびしょびしょで不快な気分だ

元々気温自体は高かった

そんな中で重いもの(水銀燈)を持って走るのは容易なことではない

カイジの心拍数が徐々に戻ってきたという事を感じて話し掛ける

「・・・カイジ」

水銀燈らしくもない声を出す

先ほどの逃走中に出したか細い声は間違いじゃなかったようだ

このか細い声にカイジは真剣な顔つきになる

「・・・何だ?」

こんな水銀燈は見たことがなかった

こんな元気のない水銀燈なんて水銀燈じゃない

何か申し訳なさそうな顔だ

水銀燈はうつむいたまま黙る

「・・・?」

一体何が言いたいのだろうか

カイジはどう言葉をかけていいのかわからなかった

水銀燈は小さな声でカイジに謝る

「ゴメンなさぁい・・・私のせいで・・・」

それを聞くとカイジは一瞬呆けたような顔をする

うつむいたまま反省する水銀燈

カイジは少し呆けてから笑顔になる

グイッ

カイジは水銀燈の肩に腕を回してたぐいよせる

カイジは笑顔を見せて言う

「何だ何だ?そんな事気にしてたのか?お前らしくもないな」

どうして?

何故?

何でまた怒らないのだろうか

いつだってそうだ

昼間はデコピンやビンタを受けたが基本的にカイジは優しい

いつだって優しくて傲慢な自分を大事にしてくれる

どうして今もこうやって笑っているのだろう

「カイジ・・・」

どうして自分がこんなに変わったか分かった

それはカイジが優しいからだ

自然と甘えてしまう

甘えさせ上手なのだカイジは

「本当にごめんなさい・・・」

水銀燈はもう一度謝る

それを見てカイジはためいきをつく

ピンッ

二度も謝る水銀燈にデコピンを入れる

「・・・っ?」

「だから気にするなよ」

そういってカイジは立ち上がって肩を小さく回す

首を軽く回すだけでコキコキと程よい音程の音がなる

ふう・・・とカイジは小さく息をはく

それを見て本当に疲れていたんだなと思い水銀燈はまた軽い罪悪感に包まれる

それを世界でカイジは振り返って悪戯っぽく笑う

「本当にすまないと思うなら自分で歩いてくれよな」

そういってカイジは歩き出す

その後姿を見て水銀燈はムッとする

やはりカイジは甘えさせ上手だ

何故なら・・・

気づいた時にはカイジの背中に飛び乗っていたのだから

「さぁ私を安全に送り届けなさぁい」

一本道をを想像してほしい

一本道を二人で競争したとしよう

圧倒的な差をつけたとする

もう相手の存在など忘れてしまうぐらいだ

その道を引き返せばどうなるだろうか

必然的に出くわすであろう

それはカイジ達と巡査にも同じ事がいえた

交差する運命

「あ・・・」

遠回りしてでも避けるべきだった

迂闊・・・圧倒的迂闊・・・

カイジは呆けている巡査の横を通り抜ける

「ま、待ちなさい!」



バタッ

家についた途端カイジは倒れる

玄関で仰向けになってはぁはぁと息を荒げている

また不覚にも汗をかいてしまった

しばらく休んだ後もう一度風呂に入ろう

「はぁはぁ・・・何か飲むか?」

こんな時でも水銀燈を気遣うカイジ

しかし水銀燈もそこまでわがままじゃない

首を横に振る

「はぁ・・・はぁ・・・俺はちょっと休むから先に風呂入って来てくれよ」

そういってカイジは椅子に座って呆けた顔をする

水銀燈はカイジのために早く風呂を上がろうと決意して風呂場に向かう

「夜の散歩はもうやめとこう・・・」



チュンチュンと小鳥のさえずりが響き渡る

カイジは疲れていたため熟睡できたが水銀燈はあまり眠れずに目がうつろだ

自分も走っておくべきだったのだろうか

鞄で寝なかったのはやはり体に悪かった

今日はくんくんが無いからもう一眠りしようと思う

鞄に戻ってもいいのだがもう少しカイジと一緒に寝たい

ガシッとカイジの腕を股の間にはさみカイジの腕にしがみついて目を閉じる

「(小鳥が五月蝿いわぁ・・・)」

7時ごろになり自然と目が覚めるカイジ

体を起こそうとすると右腕が何者かに引っ張られていて起き上がれない

右を見てみると水銀燈がきっちりと腕にしがみついていた

「そんな服で寝て暑くないのか?」

そっちかよと突っ込みたくなる

腕を股にはさまれていて何か違和感を感じる

「(起こすのは可哀想だが致し方ないな、俺が遅刻する)」

起こそうかどうか考えていると・・・

ガチャリ

すっかり存在を忘れていた雛苺が鞄から出てくる

「うゆー・・・あっカイジ!おはようなのー」

ああ、おはよう

それとできればこれは見なかったことにして欲しいな

「あれ?水銀燈は鞄で寝なくても大丈夫なのー?」

よかったよかった

そういう思考なのかお前は

カイジは水銀燈を起こさないように慎重にはがそうとする

これが結構難しい

「完璧なドールは鞄で寝なくても平気なんだとよ」

結果的に水銀燈を起こしてしまった

悪かったな気持ちよく寝てたところを起こしちまって

謝るからそっぽをむかないでくれよ

「私は貴方が私を置いて学校に行こうとしたから怒ってるのよ」

水銀燈の文句を黙って聞いてやる

水銀燈は少し間を空けて文句を続ける

いや、文句というより願望という方が適切だろうか

「朝は一緒に起きて一緒に食事してそして私が見送って、それが日常でしょ?」

意外といい事を言うじゃないか

でも最近は見送ってくれないよな?

「そ、それは貴方が浮気を・・・まあ誤解だったんだけど」

誤解していたといってからカイジの顔を見る

水銀燈はカイジの左頬の傷を見てまた申し訳なさそうな顔をする

だから気にするなと言っておろう

「だって私は貴方を疑って・・・」

ピンッ

何度も何度もしつこいんだよ・・・と低い声で言ってデコピンをかます

水銀燈はまたムッとする

やっぱり優しい

カイジは誰よりも優しい

私のカイジは誰よりも優しい

「早く朝食を用意なさい,相変わらずノロマだこと」

これから学び舎に向かうカイジを水銀燈と雛苺は見送る

雛苺と仲良くしろよ

「まあ不本意だけどしてあげるわ、貴方のためじゃないわよ」

はいはい、水銀燈さんは立派なお姉さんですね

さぁ絶望の城(学校)に行くか

気は乗らないが不登校には戻りたくないし行くしかない

気が乗らないのには違う理由があった

カイジは少し懸案事項を抱えているのだ

「零・・・本当に雛苺を引き取れるんだろうな・・・」

世の中・・・いや、個人個人の人生の転機何てささいな事がきっかけなのである

良い方向に行くにしろ悪い方向に行くにしろ大方は些末な事がきっかけなのだ

問題はどっちに行くかだ

悪い方に行くか良い方に行くか

できれば良い方に行きたいものである

ところがどっこい人生というか運命というのは本当にひねくれたものである

まるで図ったかのように悪い方に行ってしまう

その度合いもこれまた酷い

そう・・・

言うなら辛酸悪夢、超絶不運

パラレルワールドを思い浮かべてみる

近道をした今の自分としなかった自分の運命

近道を行かなかった世界の自分が羨ましい事この上ない

タイムマシーンがあるなら近道をさせなかっただろう

近道をしたせいでこうなったのだ・・・

ドニッ

走っていたカイジは誰かにぶつかってしまう

体重差でカイジは吹っ飛ばなかったが相手はぶっとんでしまう

「きゃっ!」

ぶつかった相手は女だ

違う中学校の制服を着ている

ここは確か・・・

治安は良いが学力が全体的に低いところだったが気がする

曲がり角で誰かにぶつかるというのは運命を感じるが、そんなのは二次元の世界だ

実際は上手く行かないものである

しりもちをついて痛がっている女はこの上なく醜い

とんでもない醜態の持ち主だ

ここは何事も無かったかのように走り去りたいが良心がそれを止める

良心なんて邪魔な枷がなければカイジの運命は変わっていた、恐らくはいい方に

カイジは怪物のような女に手を差し伸べる

「すまない、大丈夫か?」

「大丈夫じゃないわよ、どこみ・・・・・・」

悪態をつこうとした女はカイジの顔を見て急に言葉をにごらす

・・・?

困惑するカイジ

ガシッ

その刹那カイジの腕を女が掴む

地獄に引きずり込まれそうでならない

「あ、貴方名前は?」

そっちから名乗れよ、と言いたいところだがこんな奴の名前知りたくない

何故ぶつかった相手に名前を聞かれなければならない

学校に文句でも言いに行くつもりだろうか

「・・・カイジ、伊藤開司」

偽名でも使ってやろうかと思ったがとりあえず正直に答えてやることにする

それよりも早く腕を離してくれない

「きゃっ、美心(みここ)ったら恥ずかしい///」

何故顔を赤らめる、気持ち悪いな

まるで茹蛸(ゆでだこ)だな

それにしても美心か・・・

変な名前・・・

「じゃ、じゃあ俺急いでるから」

カイジは逃げ出した

しかしまわりこまれてしまった

「あ、あの良かったらメアドを・・・」

「良くないから遠慮する」

カイジは逃げ出した

しかしまわ(ry

何だ何だ?

コイツはバスケでもやってるのか?

物凄いディフェンスだ

貴様にメアドを公開すると後悔しそうだから金輪際交換しない

「急いでるからゴメン、じゃあな」

昨日の巡査よりもやっかいだった

これだけの縁なら良かったのだが

この出来事が後のカイジの人生を狂わせる事になるとは思いもよらなかった

それにしても思い出すだけで気分が悪くなる

幾人の人間を見てきたがあそこまで醜い人間は見たことが無い

とりあえずあの女の事は忘れる事にする

そんなこんなで学校につく

ついた途端靴箱でからまれてしまう

この前のDQNどもに

「この前の餓鬼じゃねえか、顔貸せやコラ」

何だか前より威勢が良くなってないか?

アレほど痛い目にあったくせに

カイジは遅刻しないかどうか不安まじりにためいきをつく

「一難去ってまた一難って言うしな・・・」



ガラッ

「遅れてすみません、いやホントすみません、焼き土下座だけは勘弁です」

カイジは教室に入ってすぐに土下座をする

一条先生を怒らせると後々困る

罪人は購買部で強制労働させられるというのは有名な話だ

「それよりも男子生徒数人の悲鳴が聞こえてきたんだが何かしらないか?」

一条は遅刻の事など気にせずに先ほど聞こえてきた悲鳴について聞き出す

言うまでも無く犯人はこの大名行列が通り過ぎるのを待っているような体勢の男だ

カイジは立ち上がって首を軽く横に振る

そして満面の笑みを見せる

「何のことだかさっぱりです キリッ」



催眠念波を出しつづけている国語の先生

国語の授業というのはどうも眠くなる

しかし眠れば国語辞典の角で頭を殴られる

素数でも数えていれば目が覚めるはずだ

カイジは心の中で素数を数える

「(1・・・あれ?1は素数に含むんだっけ?含まないんだっけ?まあいいや、2・3・5・7・9・11・・・)」

ちなみに1は素数に含まない

先生の質問に誰も答えられないので答えられそうなカイジを当てる

突然話を振られたカイジは困惑する

「13?」

何だか空気が重くなったような気がする

疑問系で数字を言われても困る

カイジは顔を赤らめてうつむく

故にその後の授業なんて全く耳に入らずに昼休みになる

今日もまた図書室に向かう

おそらくあの二人がいるだろう

ガラッ

「よっアカギ・・・ついでに零」

アカギは無言で弁当を食べている

零はついでにという言葉を気にせずに会釈する

こいつ等はどうしてこんなに早いんだろう

距離的にはこちらのほうが若干近いのだが

「さてと・・・零、話がある、何だか分かるよな?」

「雛苺の事ですか?」

その通りだ

俺は雛苺のおかげでロリコン呼ばわりされてるんだぜ

いや、雛苺にされてるわけじゃないぞ

「ところでアカギ、昨日はどうなったんだ?」

どうなったと言いますと?という顔で見上げてくる

ちゃんと言葉にしてくれないかな

あのまま家に帰ったのか?

コクッと頷くアカギ

良いよな、俺なんか死にかけたからな

話にまるでついていけない零

まあ無理に入らなくていいぞ

「まあ話を戻すぞ」

弁当を貪りながらドールのことについて話す

水銀燈や翠星石のことではない

雛苺についてだ

「雛苺を本当に預かるのか?」

「勿論ですよ」

親は・・・?

大歓迎ですよ

本気にしてないんじゃないか?

そうかもしれません

実物見せたら卒倒するんじゃないか?

零は両掌を上に向けて肩をすくめる

「困ったものです」

お前が一番困ったものだよ

喋るドールの存在を受け入れれる俺達は結構野太いのではないだろうか

それはそうとアカギ

話に興味が無いからといって一人でウォーリーを探すな

お前だってドールを持ってるだろうが

しかも俺は契約してないのにお前は契約している

良く分からないが敗北感を感じるのは何故だ

雛苺を引き取らせるのは色々とまずい

しかし雛苺は零の元にいってしかるべきだ

困ったものだ、これは手詰まり

「最小公約数的な方法が望ましいんだ」

自分で言っておいて何だが良くわからないな

一番上手い方法は何だろうか

その時アカギ、若き天才が不意に盲点をつく

「先輩が引き取って零がたまに遊びにいけばいいでしょ」

そういってアカギはウォーリーを探しつづける

なるほど、その手があったか

無理に引き取らせる事はない

そうと決まれば今日は家に来い

「元々そのつもりでしたよ」

それもそうだな

ハハハ、こやつめ

解決策も見つかった事だし三人でウォーリーを探すか

「先輩、顔が近いです」



チャイムがなると同時にカイジは靴箱にダッシュする

靴を履き替えてアカギと零を待つ

しかし待てど待てど二人はこない

何をしているのだろうか

何人か帰っているという事は一応終わりの会はしたのだろう

まさか呼び出しか?

いや、あの二人・・・いやアカギは知らんが零はまずないだろう

あっ!

カイジは何かを思い出したかのように靴をもう一度履き替えてダッシュする

「図書委員忘れてた・・・」

ガラッ

「帰るぞ」

入ってすぐに二人の首根っこを掴む

「カ、カイジさん、図書委員・・・」

そんなものほっとけよ

放課後に本を読みに来る奴なんて中々いねぇよ

今日は休業だ休業

雛苺に会いたくないのか?

「う・・・うう」

さあわかったら行くぞ

って、またウォーリー探してたのかお前らは

「帰りにちょっと苺大福を買っていくぞ、お前の推理を当たってたみたいだしな」

零が苺大福だと言っていたので雛苺に確認をとってみた

すると雛苺はそれがうにゅーだと答えた

しかし何故あんなヒントでわかったんだよ?

「白くてフワッといえば綿菓子、それに加えてうにゅ~といえば苺大福、くんくんで勉強しました」

ようやく気がついたんだ

俺の周り・・・俺を含めて馬鹿ばっかりだという事に

苺大福の代金を零に負担させて家に向かう

先ほどから零はとても嬉しそうだ

いつもよりも声のトーンが高い

話の9割は雛苺についてだ

良く知らないくせによくそこまで話せるものだ

零は少し黙って欲しい、そしてアカギはもう少し喋れ

そうこうしている内に家(うち)につく

胡乱なギャグだがスルーしていただきたい

カイジは両手は広げて二人を家に招き入れる

「我が家は誰でもウェルカム、どうぞどうぞ」

一条のマネをしてみたんだがどうだ?

「さすがカイジさん、50点」

零よ、それはほめているのかそれは

「ククク・・・まるで白痴ですね・・・」

お前帰れ、今すぐ

そもそもお前は来る必要ないだろ

図書委員だってお前が残れば無問題だったろう

しかし後輩にそんなにガチャガチャとクツワムシのように騒ぐのはみっともない

やはり人情溢れる男だ、俺は

ボフッ

靴を脱いでいる途中に奴がとびついてくる

「おかえりなのー」

うぐっ貴様・・・顔にくっつくな

ほらほら、そっちにいるのが零、お前のミーディアム候補さ

そういって零を指差すと雛苺は零に飛びつく

「わーい、零登りなのー」

一瞬よろめいたが零は満更でもなさそうだ

これでカイジ登りは卒業だな

まあ上がれよ二人とも

カイジは二人を家の中にご案内する

零とアカギを見て水銀燈は不機嫌そうな顔をする

この二人が嫌いなのだろうか

零はこの前の事もあり水銀燈を見て一瞬ビクッとした

零は何か思い出したような顔をして苺大福を雛苺に渡す

「もしかして・・・」

雛苺は宝箱を開ける冒険家のような顔で袋を開ける

中にあったものを取り出して歓喜、喜悦

「うにゅ~なのー」

苺大福を一つ食べてから雛苺は零登りをする

「零大好きなのー!」

きっと苺大福をくれる人間は全員好きなのだろう

苺大福をあげるから来いと言われたら言ってしまうだろう

おそらくこういうタイプの人間(人形)が誘拐されるのであろうと思いながらカイジは水銀燈の機嫌を窺う

「何なのよこの二人は・・・」

俺と死闘を繰り広げた男とお前に対して戦慄を感じた男だよ

まあそう不機嫌そうな声を出すなよ

ちゃんとお前にもお土産を買ってきたからさ

しかし水銀燈はそっぽを向く

「どうせくだらないものでしょう、そんな物で機嫌取ろうなんてお馬鹿さ・・・」

お土産に対して興味を抱かなかった水銀燈

しかしお土産を見て御託が止まる

口をパクパクさせる

こうして見るとまさにアホの子である

水銀燈はカイジが手渡す前にお土産を奪い取る

お土産の人形・・・

舌を出しているやらしい犬の人形・・・探偵くんくんを抱きしめる

やっぱり喜んでくれたな

喜んでくれないようだったら雛苺にあげるところだったが

雛苺は水銀燈が抱きしめているくんくんの人形を見て零からカイジへと飛び移る

「カイジカイジー、雛の分は?雛の分は?」

二度も言うな、大事な事だから・・・ってやつか?

カイジカイジーって芸名みたいだな

カイジは雛苺をだっこして床に降ろす

「お前にはうにゅ~があるだろうが」

そういって雛苺をなだめるが雛苺はギャーギャーと騒ぐ

ああ五月蝿いなお前は

今度もっといい奴を買ってあげるから落ち着け

それを聞くと今度は水銀燈がギャーギャー騒ぐ

「良いのなら私に買いなさい」

それも十分いい奴だけどな

お前に対するプレゼントが安物なわけないだろう?

零が買ってきた苺大福だって高級な物だぞ

少ない小遣いで買った高級な苺大福だぞ

それを聞いて零はボソッとつぶやく

「少ないは余計ですよ・・・」

零は雛苺と遊ぶのが天才的に上手かった

保育士にでもなればいい

水銀燈よりも上手いんじゃないか?

ゲシッ

水銀燈はカイジのスネを蹴る

「私は子供の相手なんて元々向いてないのよぉ」

その割には楽しそうにしてたけどな

その時アカギが立ち上がる

「じゃあ俺はこの辺で」

早くないか?

飯食っていけよ

食事に誘ってみたがアカギは首を横に振る

「翠星石に怒られますんで」

すっかり尻にしかれてるな

いい夫婦だぜ

「先輩ほどじゃありませんよ」

そうかも知れないことを言ってアカギはカイジ宅を後にする

零はどうする?食べていくか?

「え?何をですか?」

聞いてなかったのかよ

まあそれほど夢中だったのだろう

晩御飯食べていくか?って聞いてるんだよ

俺がそう言うと零が答える前に雛苺が喋る

「零、食べていってほしいの」

そういって零の体を揺さぶる

いいんですか?と零は少し遠慮している

ああ勿論だとも

しかし水銀燈は異を唱える

「駄目よ、認めないわ」

認めないってお前にそんな事言う権利はあるのか?

何が不服なんだ?

「こんな男と食事なんて冗談じゃないわ」

零がお前に何をしたんだよ

カイジの反論よりも先に雛苺が反論する

「零は今日ここで食べていくの、文句があるなら水銀燈がどこかにいけばいいのー」

おお、正論だ

しかし水銀燈には道理が通じない

それどころか雛苺に飛びついている

やめろ、零の首が折れる

「貴女、人に世話をしてもらっておいて・・・」

お前人じゃねえだろ

と言いたいところだが自重しておこう

ジャンクにされるのはごめんだ

雛苺はまとわりつく水銀燈の顔面を蹴る

「水銀燈!いい加減にしてほしいの!」

雛苺に顔面を蹴られた水銀燈は零から落ちてしりもちをつく

うつむいたまま糸の切れたマリオネットのように動かなかった

カイジは直感する

これは何かの予兆・・・!

所謂嵐の前の静けさだ

水銀燈は体をワナワナと震わせる

気づいた時にはカイジは水銀燈を羽交い絞めにしていた

「離しなさい!この!」

水銀燈はじたばたと暴れる

駄目だ、今離したら雛苺及び零が死んでしまう

水銀燈は全力でじたばたと暴れてカイジから逃げ出そうとしている

「おっ、おっ、おっ、おっ、落ち着けー!」

アンタが落ち着けと零は心の中でつぶやく

零は雛苺を降ろして代わりに謝る

「わ、悪かったよ水銀燈」

しかし零が謝ったところで水銀燈の怒りが収まるわけではない

水銀燈は羽交い絞めしているカイジの腹をかかとで思い切り蹴る

「がっ・・・」

カイジは水銀燈を離してうずくまってむせている

そんなカイジを余所目に雛苺に飛びつく

バキッ

懐に飛び込んできた水銀燈を雛苺が殴る

異様なタイミングで突きを決めた雛苺

もしかすると雛苺の方が強いのではないだろうか

水銀燈が冷静さを失っていたというのもある

しかしそれだけではない

雛苺自身が強いというのもあった

にらみ合う二人を零がなだめようとする

「ふ、二人とも、落ち着いて」

紆余曲折あったが零が帰るということで可決した

呆気ない幕開けのように見えるが被害は凄かった

二人が取っ組み合いをしたせいで部屋がメチャクチャだ

互いに目をあわそうとせずに対立している

喧嘩した後だから致し方ないだろう

カイジは自然と仲直りするのを待つことにして零と一緒に部屋を片付ける

この二人といたら破滅するのではないかと先を案じて不安になるカイジ

当分は零に雛苺を預けた方が良いのではないだろうか

しかし隠れて世話をするというのは容易な事ではない

人形のくせに食事はするしトイレにいくし、風呂にも入る

人間の居候のようなものだ

隠れて世話など容易ではない

零は申し訳なさそうに言う

「カイジさん、すみません」

あ?

何でお前が謝るんだよ

「だって俺のせいで二人が喧嘩しちゃって」

何言ってんだよ、お前は悪くないさ

悪いのは今くんくんの人形を抱きしめてベッドの上で拗ねている奴だよ

この会話が聞こえていたのか水銀燈はベッドの上にあった枕をカイジに投げつける

「拗ねてなんか無いわ、このお馬鹿さぁん」

そうか

でもそれは傍から見たら拗ねているも同然だぞ

こりゃ困ったな

この二人が自然に仲直りするのを待ってたら気まずいままだ

しかし水銀燈が自分から頭を下げるとは考えづらい

やはり雛苺から謝らせるべきだろうか

しかしそう上手く行くだろうか

どうすればいいか考えているカイジに助け舟を出す零

「カイジさん、俺が雛苺をなだめてみます」

零は仲裁を買って出る

それは有難い

確かに零なら上手く行くかもしれない

カイジが手懐けれるのは水銀燈だけだ

雛苺なら零の方が専門家だ

何しろ好物を当てたのだから

零は二階の部屋でふてくされていてる雛苺の下に向かう

その間に水銀燈をなだめることにする

「なあ水銀燈、いい加減にすね・・・」

「すねてなんか無いわよ」

そうかい

まあそれはそれとしよう

喧嘩なんかしてたら気まずいぞ?同じ屋根の下なんだから

「今回はお前も悪いと思うぞ、素直に謝ったらどうだ?」

カイジがそういうと水銀燈は黙り込んでワナワナと体を震わせる

何か嫌な予感が脳裏を過ぎる

やってしまったのだろうか

所謂墓穴を掘ってしまったのではないだろうか

「私は悪くなんかない!」

カイジは思わずビクッとする

心の底から自分は悪くないと思っているのが伝わってくる

駄目だコイツ、早くなんとかしないと

このままでは刺々しすぎて誰も近寄ってこなくなってしまう

そんな社会不適合者になる前に何とかしないと

しかし下手に動けばジャンクになってしまう

五体不満足にならずに水銀燈の腐った性根を直すにはどうすればいいのか

カイジは思考をめぐらせる

「(まず根本的な考えが間違っているな・・・)」

確かに今回は水銀燈が悪い

しかし水銀燈の気持ちがわからないわけじゃない

今まで水銀燈は雛苺の世話をしてやっていた

傍から見れば仲の良い姉妹だった

本当に可愛がっていたというのが手にとるように分かる

そんな妹からあんな事を言われたのだ

頭にくるというのもわからないでもない

カイジには水銀燈を心から怒る事ができなかった

「そりゃ雛苺も悪いけ・・・」

二人とも悪い、と言う事を言おうとした時水銀燈はカイジの胸倉を掴む

冷たい目でカイジを睨みつける

「《雛苺も》ってどういうこと?私も悪いってふうにとれるわ」

そういってんだよ

そりゃまあお前の気持ちもわかる

わかった上で言ってんだよ

じゃあ言い方を変えるよ

「雛苺を許してやってくれよ」

これならいいだろう?

雛苺が悪い、だから悪い雛苺を許せ

これなら文句なかろう

お前は悪くない、そうだ、お前は全く悪くない

そうなんだろ?

水銀燈は歯切れ悪く言う

「・・・そうよぉ・・・私は悪くないわぁ」

それでいいのか本当に?

まあお前が良いというなら別に良いさ

寛容な精神で許してやってくれ

水銀燈は何か思いつめた顔でくんくんを抱きしめる

カイジには水銀燈が何を考えているかわかっていた

しかしあえて気付いていないふりをして片付けを再開する

そんなカイジを思いつめた顔で見つめる水銀燈

「(やっぱりな・・・水銀燈は不器用なだけなんだな)」

水銀燈は不器用なだけなのだ

すまないと思っている、謝りたい

しかしそれができない

そんなことぐらいはわかっていた

「(これはこれで水銀燈らしくていいさ)」

コンコン

零は雛苺が引き篭もっている部屋にノックをする

しかし応答がない

再度ノックをする

しかし反応は無し

どうやら本格的に拗ねているようだと零は確信する

入るよ、といってドアノブに手をかける

どうやらドアにカギはかかっていないようだ

この部屋は何の部屋なのだろうか

第二の部屋・・・といったところだろうか

一人暮らしだったカイジが何故こんな家を購入したのだろうかと思いながらあたりを見渡す

パッと見たところ雛苺の姿はない

しかしどこにいるからは明々白々だ

「不自然に盛り上がっているベッド・・・間違いないな」

布団をめくるとそこには案の定雛苺がいた

ベッドにはいつくばって頬を膨らませて零を睨む

しかし水銀燈の睨み方と違って敵意を感じない

「なぁ雛苺、水銀燈と仲直りしたらどうだ?」

零がそういうと雛苺は起き上がる

両手の拳を軽く握り締めて反論する

「ヒナは悪くないもん!」

確かにそうかもしれないけども

殴りあったのは事実だろう

二人が頭を下げて仲直りすれば全て解決

しかし謝れ謝れと馬鹿の一つ覚えみたいに言うのは逆効果だ

二人の気持ちをくむというのがただしい仲裁

少なくとも零はそう考えている

零はベッドに腰をおろす

「(カイジさんは上手くやってるかな?)」

まずはどこから話そうかとしばし考える零

そんな零を余所に雛苺はふてくされている

零は雛苺の頭を撫でてやる

取りあえず心を許してもらう事が大事だと踏んだのだ

「確かに今回は水銀燈が悪いかもしれないけど・・・水銀燈にも事情があったんじゃないかな」

そういう零の顔を雛苺は見上げる

雛苺は首をかしげる

「事情?」

どうやら話を聞く気になってくれたようだ

下手に動くと仲裁が失敗に終わってしまう

ヘマを踏まないように零は気をつけて喋る

「きっと水銀燈は雛苺やカイジさんと家族仲良く食事をしたかったんだよ」

この推理は間違っていないと零は自信があった

家族水入らずとは良く言ったものである

そう言うと雛苺は零に飛びつく

次の一言に零は心を打たれる

「零も家族なのー」

「零もカイジも水銀燈も翠星石も、えっと・・・あの人も家族なの、皆家族なの」

あの人というのはおそらくアカギの事だろう

零は雛苺に心を打たれてしまう

零がいて・・・カイジがいて・・・水銀燈がいて・・・翠星石がいて・・・アカギがいて・・・雛苺がいて・・・

それで家族・・・アカギは名前を忘れられているがそれでも家族・・・

雛苺を抱っこして零は微笑む

「じゃあ仲直りしにいこうか?大事な家族と」

そういうと雛苺も笑顔を見せる

「うん!」

元気いっぱいに頷く

やはり零には素質があるようだ

子供の面倒を見る素質が

子供の立場に立って親身になって考えれる

そんな才能があるようだ

雛苺の素直さに救われる零

しかし少し気がかりなことがある

水銀燈・・・!

カイジが水銀燈をなだめていないとこの仲直りが成立しなくなる可能性がでる

そうなってはアウツ・・・!

「(後はカイジさん・・・頼みますよ・・・)」

文句を言わずに部屋を片付けるカイジに水銀燈はゆっくりと近づく

あまりに気配がないのでカイジは肩を触られるまで気付かなかった

「・・・ん?」

カイジがゆっくりと振り向くと水銀燈はカイジの肩に飛び乗る

あまりの事にカイジは一瞬前のめりになる

いきなり何だよ?

「私を二階に連れて行きなさぁい」

・・・え?

お前を二階に?

何でまた・・・・・っ!

まさか・・・

「私は全く、全く悪くないけど雛苺と仲良くしてあげるわ、感謝なさぁい」

全くというのを強調する水銀燈

どうやら仲直りをする決意をしたようだ

全く悪くないと口では言っているが反省しているというのが伝わってくる

本人は隠しているつもりだがカイジには伝わる

カイジは水銀燈をお姫様抱っこして二階に連れて行く

仲直りという重大な問題に直面しているのにカイジは違う事に気が行ってしまう

「(・・・やっぱり重いな)」

「じゃあ雛苺、仲直りしにいくか」

零は雛苺を抱っこして立ち上がる

ドアノブにてをかけようとした瞬間

ガチャ

外側からドアが開く

ナイスタイミングとしかいいようがない

これのせいで少し気まずくなってしまう

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

四つの沈黙

四者の表情は同じ、圧倒的に同じ

この重くなった空気を雛苺が破る

「水銀燈・・・」

「水銀燈、ごめんなさいなの」

雛苺は零から飛び降りて頭を下げる

それを見て水銀燈はカイジから降りて華麗に着地する

「今回は特別に許してあげるわ、感謝なさぁい」

そういってそっぽを向く

これだけ見れば全く反省していないように見える

しかし三人には水銀燈の誠意が伝わってきた

これが水銀燈なりの謝罪、和睦、氷解

仲直りというヤツだ

学校だったら怒られるような謝罪の仕方だがこの家では通る

この三人は官僚的な屑教師とは違う

水銀燈は赤らめている顔を隠すようにカイジに飛びつく

「(ああ良かった良かった・・・それにしても重いな)」

四人は1階に降りる

零は帰ろうと靴をはいたその時水銀燈が呼び止める

予想外の事に少し困惑する零

予想外の事というのはカイジと雛苺も同様

圧倒的に同様

水銀燈は思いもよらぬ事を言い出す

「特別に夕食を食べさせてあげるわ、感謝なさい」

水銀燈は零に心を開く

それを聞いて雛苺は零と顔を見合わせて笑う

認められたのだ

零を家族として認めたのだ水銀燈は

「有難う、じゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」

零はそういって微笑する

雛苺は身長に似つかわしくない跳躍力で零に飛びつく

零が夕食を食べていく事が決まると水銀燈は居丈高に命令する

「さぁカイジ、早く用意しなさぁい、零、貴方はさっさと部屋を片付けなさい」


子供の面倒見に定評のある零編 完



後書きみたいなもの


後半になるにつれて書き方が雑になると言うことで定評のあるこの作品
雛苺が目覚めるという事を書きたかっただけなのに美心が出てきてしまった
とにもかくにも三体のドールが目覚め友情が芽生える
話をまとめるとこうなる

?雛苺目覚める
?美心とフラグが立ってしまう
?雛苺はカイジの下に居候
?零に心を許す水銀燈
?皆家族仲良し
?そして伝説へ


次回予告みたいなもの

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   「{ l7l7       //
   { !_ノ! (ニ=== /,へノ!
   `- '´       丶'^ ‐'
           /⌒ 、
     , '"⌒Y:::::::::::::::ヽ
     ノ:::::::::::/ヘ:::::::::::::::::゙ 、
   /:::::::_,,ノ、  >、_;;;:::::::i
   /,.::|r、==、  ,==,,i;;::::l    やさし――
   l:|Fl|く_ ・ ,. 、・ _ノ |lュl:l
   l::ヒl///ij~i_ _j~u///ソ:!    カイジくん・・・・・・・・!
   |::::::|{r,ェェェェェェェヽ|::::::|
   |:::::::llヒェェェェェェェェェェリ::::::|
  ノ:::::::ヽ ̄ ̄三 ̄ ̄,.':::::::l
  /:::ハ::::r'`¨i'''‐-‐''i¨´ヘ:::::」
 └r'"~ ヽ ヽ、_,,シ _ノ `゙ヽ、
 r'"\  ヽ、_      ノ  /`''、

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/ /   /|::::\ \;;lll:||::ll:::|:::::/ /, -'´  ,、...:|, ヽ..::|   .l  l  l  倒すっ……!
  .l  /|.l:::::::|llllヽ、||::|::llll::l:::ヽ/''´。 ,、lllllll:::u::|, ヽ,::l  u  ,、-'´
  l  / |.| |ヽ====、::::ll:::::u::::::`''-''´llllllulll/::|,  l `ヽ、 /l |     ………
  | ./ .||  ヽ'ー-゚‐'/::::lll ::::::::: lllllll lllll::llll/lll:::::|  | ;: ,l/ ||      おまえだけは
  |/.   |   ヽllllll/:::u:::ll iju  lll llllll/:llll::llll::::|  | :: |  /`丶ー    ………!
  ||   |    ヽ/:::::u:::::::    llu/  :::::::: _ll::|  | : |./
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.   イイ/lイ/|/|/イ/Vv,ィ,   i    俺は他人に流されたりしませんから安心してくださいよ
     /´           〃  |  
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    l.` ‐-/  ゙ ー--‐ ' .|.!‐、}|    
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      __....ヽ `´ ∠
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   /     /|/1     ヾ
    lイ  /|/   .|/|/レ   ヾ   馬鹿だなお前・・・・・・
     |/レ|芒。〉 芒。テ| n .|    くぐっちゃえばいいのさ 生死の境目とやらを・・・・・・
      l / 、   .|.|リ |
       l `----  .||´ハ
      __l ≡ / |/  |‐- ..__
_.. -‐ '' " /ヽ_/   |  |
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             <  ヽ/: : : :/: : : : : : /: :.l: : :、: : :ヽ/   >
              丶、/: : : ::/: : : : ::::〃:/:.|:: : :.l: : : :.', /
              l:l: :-:、l.: :::::::://://:∧:::._;l:-!: l:.|!
             ,l:l: : : ::|><__/ ' / '_,. へ:.|: l: :|::!l  だから翠ちゃんって呼ぶなです!
             l:.|:|: : : ::lz=ュ   ′ z=ュ.リ:://: l
            l: :Nヽ: : :ヽ     '       /:://: : :.l
             l: : /il ヽ、ヽヽ   /二ヽ  / '// ̄`ヽ!
             l: /   il  li、``  |   |  /' li:.   ヽ
              l:/    il   li `丶、ヽ-- ,' ィ .il  li::.    ヽ
            ,/     il.※.li    ,.ィ`不ヽ、 il.※.li::::::..   ヽ
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     ?/  ?/:/?|:| 丁   / l l  | l     |   |     l
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/ト、    イ  ?/|    |             `ー'イ/イ |:|             いい事ばかりが通るわけじゃないわ!
  ヾ:..、 l::{ ?/?/?l     ト      、   '    / /|:l  |:|
\ト、}::ヽ|:::∨/?|   | \    ``;'   / |  `  |:|
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/, ――― 、く::::::〉、 l{:{.::.::/;小`l:l    |  /
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二.,,_ ―- ::.::.::.::.:|::.::.::.::.::.:..\  | く({廻}>::.:.\
::.::.::.::.:: ̄ ''ー- >::.::.|::.::.::.::.::.::.::.:..\  `¬くヽ::.::.:.?\
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.::.::.::.::.::.::.::.l処ァ ヽ ヽ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::{:{.::.::.}{::.ヾl'
::.::.::.::.::.::.::.:l |   \ヽ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:ゞ=彳ト=イ
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::.::.::.::.::.::.::.! |    厶イ::.::.::.::.::.::.:∠二二ニノ;ハ:〉ト、
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       ∠             ´   ,.>    
.     /                 ̄`>
     /           ,、      `\ か、勘違いするなよ
.    !             / \    \. トゝ 死が怖いんじゃない
   │       , ,.イ /、._, uヽ |ゝ、  N   無意味な死はゴメンだと言っているんだ
.    |      /レ' レ\,/  /V '´ l\!   デメリットから逃げるための死なんて結局それもデメリットだ
     |. r;=、 .ノ=a=== ,, ,/a===!    特に一番のデメリット要素は・・・
    | |.ト、| | u` ー--‐ " u\ーァ"!    
    | l ヒ |:|.    u  r __   \l   
     |  `ー 1|、 ヾニ二二二二フ 7′    
    ノ     | \     ___  /      
.   /   ,ヘ、  ト、 \ u  ̄ ̄ /l      
  /  ./\.ヽ. ヽヽ、 \   , ' ,'
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    /  '´,イ'' ! i/ ' i:  i  l  l  :!  i ハ \`  馬鹿も休み休みいえなのー
  ム=ィ{i'´ ,イ ll  i l|:  l  |  l  |l  |! l l-‐ ハ
.   /¨/- '´_.| |l ,!┼! l  l ハ‐-!、 ,イ !リ,イ ニ!
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  ト-レ'´-_、 〉}| i'f::ハ:i`  `  f:ハ::!}レ/≦ュ-/
  てヾr'´-ュ7イリ_ ヒ:Vリ       ヒVリ lrくァ/´/
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    、トヾ ヽヘ〈 { tヘ      、ヾノィ //〈::::::::::ハ|| |l
     \l\ヽ\ ヾ彡       ̄  , ∧::ヽ/ー┴ッ  l|
      |  \ ヽ    ‘   _,,. u// / 厂::::::::fア >'⌒ヽ、
      |    ` >、  ヽニ´'´   イ ' /.:::::::::::fア /.::::::::::::::::::l
      ∧   〈 |||>,、 __  <__l l l::::::::::::fア /.:::::::::::::::::::::|
     〔 ̄ヽ   ヽl| l:::::|{ム::::::::仁ヽ_| |:l|:::::::::fア /.::::::::::::::::::::::::ト、
    _〕ーt__,、 イl |:::::| {ム:::::::}_ ィト| |:l|::::::fア /.::::::::::::::::::::::::::::い、
   八__ト、    ̄ヽ|l |:::::| `{ム::::::/::|∥ |::|:::fア /.::::::::::::::::::::::::::::::::.\ヽ
     廴__人}   ∥(|l:::ト、 `ヾイ::::|∥ |:::fア r'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉
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    N、/ \|||,, - '" ヽ ,彡 彡ノ
    |ミ/  ー--‐    ヽ彡 彡7  フフ……
    |/‐- 、 ー‐ , -ー‐  〉彡 ノ   名言だろう……?
`ー、  |-==。=、  _=。==- |r、彡7
-、 ヽ  | `ニニ',| ~`ニニ  ||ヨ=ノ   どうだカイジ?
  'i ) 'i,.r‐' ,斗ャ、 `ー、  i!ノ=/    実らぬ愛に必死・・・
__'、'_∧/_,x '`x'─' '/| /ト--
__`寸・托7, / イ  / ,|' |─   醜女が失敗するパターン
    〈  / / / |/  /;|  'i,     その典型──!
      |   ' / /   /;;;;|  |
.     |     /   /;;;;;;;|  'i,
    ∧    /i   /;;;;;;;;;;;|   |
   ∧;;`,- _ /;;;;|  /;;;;;;;;;;;;;;|   'i,


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水銀燈「ギャンブルぅ?」アカギの麻雀講座 基本の役編

2009年08月17日 15:20

水銀燈「ギャンブルぅ?」アカギの麻雀講座編etc

1 :マリオネット ◆1pQi23JR8gnL :2009/06/20(土) 15:53:20.91 ID:GhXQa5PR0

前回までのあらすじ

交差する運命
アカギが翠星石を所有、カイジが水銀燈を所有という事を互いに知る事になる
未曾有の大勝負となった17歩
すり替えで辛くも勝利するカイジ
アカギと一緒に遊びたい翠星石は必死に麻雀を覚えようとする

バイ猿と時間に気をつけながらいきたいです

前スレ http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1244447512/


2 :マリオネット ◆1pQi23JR8gnL :2009/06/20(土) 15:54:55.93 ID:GhXQa5PR0

【アカギの麻雀講座 基本の役編】

「待ちは1-4-7・2-5-8筒のえっと・・・6面待ちです!間違いないです!」

やっとの事で翠星石は前回のカイジの元待ちを当てる

遅すぎてアカギも少しうつらうつらとしていた

「上出来だ、コングラッチュレーション」

アカギらしくもない言葉だ、とりあえず褒めておこうという魂胆が見え見えである

翠星石は胸を張って威張る

そんな翠星石に意地悪をするアカギ

「さて、どうしてカイジ先輩の待ちは2筒と東のシャボになったか・・・いってみろ」

やっとのことで6面待ちをつむぎだした翠星石に対してこれは酷である

さすが悪魔アカギといったところだろうか

混乱する翠星石を見かねたアカギはヒントを出そうとする

しかしアカギの助言を拒む翠星石

自力で開示しようとする姿勢を見てアカギはクククと笑う

カイジに対しては悪魔なアカギだが翠星石に対しては優しいアカギ

これは意外な一面だろう

「すり替えですよね?6面待ちがわかったからにはコレは簡単にトリックを見抜けそうです!」


簡単に解けそう宣言をしてから30分後

「ん~~~・・・ん~~~・・・」

完全に混乱している翠星石

それを見かねて助言しようとするアカギを何度も何度も止める翠星石

何が何でも自力で解きたいらしい

が・・・

やたらとイライラしているのがわかった

「しげる!お茶を入れてくるです!」

顎で使われることにすっかりと慣れてしまったアカギ

意外と犬体質かもしれない

いや、それはないだろう

翠星石は考えつかれてアカギのベッドにダイブする

良くこんな長時間考える事ができたものだ

これは賞賛に値するだろう

いくら考えても解けない翠星石は自信を無くす一方だ

「はぁ・・・やっぱり翠星石は才能がないんですかね・・・」

「そうでもないさ」

「ひゃっ?!」

突然アカギに話し掛けられ飛び起きる翠星石

何でいつもいつもこういうタイミングで出てくるのだろうか

本当に性質が悪い男である

翠星石は顔を赤くして枕を投げつける

パシッ

アカギは見事にキャッチして翠星石を諭す

「麻雀の才能はおいておくとして、努力の才能はあるだろう・・・ククク・・・」

やはり一言多いアカギ、どうして素直に認めれやらないのだろうか

また泣かしてしまったらどうするつもりなのだろうか

素直に褒めてやれば良いのに難しい男である

「まあちょっと休めば閃くさ、カイジ先輩の姑息で安易なトリックが」

そういってアカギは部屋から出ていく,最後まで嫌味なヤツである

嫌味でありながら優しい、そんな神域の男

翠星石は紅茶を飲むとすぐに卓についた

意外にも真面目なところが可愛らしい

「う~ん・・・ん?」

翠星石は卓の隅でたった一枚裏返っている牌を見つける

こんなものさっきまでなかったはず

いぶかしみながらもひっくり返してみる

裏返っていた牌は2筒だ

「2筒・・・?ん・・・?」

右手にある2筒と手牌を見比べる翠星石

しばらく見比べて全てを悟る

「あっ!わかったです!これと東を・・・」

翠星石は東の暗刻を対子にして2筒を入城させる

これで完成・・・! 紛れも無いシャボ・・・!

「で、できたです!シャボ・・・!」

6面待ちより簡単なこのトリック

これに気付くのに時間がかかったのにはワケがある

大きな理由の一つとしてアカギの負けがショックだったということ

二つ目疲れていた事

三つ目は難しく考えすぎていた事

アカギが出し抜かれたという事実に簡単なトリックではないと勝手に思い込んでしまっていたのだ

勝手な思い込み・・・錯覚が原因だったのだ

偉業を成し遂げ翠星石はベッドの上に大の字になりご満悦の様子

「やっぱり翠星石は天才ですぅ・・・」

不自然に卓の隅に裏向きで置かれてあった2筒

これはおそらくアカギがやったのだろう

日本の文化ツンデレボーイというヤツだろうか

「しげる・・・手助けは無用といったはずなのに何を考えてやがるんですか・・・」

誰もいない部屋でつぶやく翠星石、しかし文句とは別のニュアンスを感じる

体を起こしてアカギがいないことを確認する

アカギが近くにいないという事がわかるともう一度ベッドの上に大の字になる

「・・・ありがとうです・・・」

ありがとうというセリフの後にタイミング良く戻って来るアカギ

もしや聞いていたのではないだろうか

卓についたアカギの膝の上に翠星石は乗る

アカギは休憩する間も与えずに本題に入る

「役なんて物はやってりゃすぐに覚えるさ、のび太でも理解できる役から教えてやるよ」

そう前置きしてからアカギは3面子と対子を1つ作る

「こういう6-9萬待ちを成立させる7・8萬などをターツというんだ、これの待ちは分かるか?」

分かるも何も今自分で答えを言ったではないか

翠星石は自信満々に答える

「モチのロンです、ズバリ6-9萬です」

そんな言葉どこで覚えたんだよと心の中で呟くアカギ

しかし突っ込まない、そんなものはカイジに任せていればいいのだ

「こういう風にポンやチー、明カンをしていない状態だとリーチをかけれる」

暗カン(自力で4枚集める)の場合はセーフである

「麻雀は役が一個でもないと和了できない、面前(ポンやチーをしていない状態)なら最低でもリーチのみで和了できる」

翠星石は、うんうんと頷く

これくらいは理解できるようだ

まあこれくらいは理解してくれないと困るとアカギは心の中で呟く、もう少し喋ってほしい

「リーチはメリットとデメリットがたくさんある」


リーチのメリットその1 和了したときの点数が上がる
リーチのメリットその2 裏ドラがめくれる
リーチのメリットその3 敵を降ろせる
リーチのメリットその4 一発の可能性が出てくる


「その1は分かるですけど他がよくわからんです」

その1がわかるだけでも上出来だと言ってアカギは説明する

「裏ドラというのは和了したときのお楽しみだ」

お楽しみ?と翠星石は首をかしげる

アカギは3×2くらいのヤマをつくる

「これをドラとする、そしてリーチをかけて和了・・・するとこのドラの下をめくれる」

そういってアカギは裏をめくる

十七歩でドラの下をめくっていたのはコレかと納得する翠星石

「つまりこれもドラとして扱うんですね?」

アカギは翠星石の頭を撫でる

「ああ、相変わらずいい勘してるぜ」

頭を撫でられるたびに心なしか嬉しそうな顔をする翠星石

アカギはその3について説明する

「まずフリテンについて説明するか」

アカギは牌を河に並べる

6-9萬待ちの手を指差して説明をする

「この場合6-9萬を敵が捨ててくれてもロンできない」

それを聞いて翠星石は後ろに勢い良く振り返る

「ええ!?それはどういう・・・」

声がでかいとアカギは翠星石の唇の前で人指し指を立てる

「まずは捨て牌を見てくれ」


捨て牌
東 南 北 1萬 9萬


「9萬を捨てているのが見えるな?」

コクッと翠星石は頷く

アカギが説明をしようとした時に翠星石は直感する

「もしかして自分が捨ててる牌じゃロンできないんですか?」

いい勘してるぜとアカギは翠星石の頭をなでる

そして50点と付け足す

またも半分な事に不服な翠星石

「捨ててる牌に限らず《和了牌を一つでも切れば和了できない》というのがフリテンだ」

理解するまで少しかかる

少し時間をかけてからコクコクと頷く

「つまり6萬でも和了できない・・・という事ですね?」

無言で頭を撫でて説明を続ける

肝心なのはツモならOKという事だ

つまりフリテンリーチでもツモなら和了できるという事

「それでフリテンと何の関係があるんですか?えっと・・・相手を降ろすってのは」

「ロンとツモじゃ支出が変わる、ロンは一人払い、ツモは親が多めで三人払い」

翠星石はコクコクと頷く

「つまりロンはできるだけ避けたほうがいいということですね?」

今度はあえて頭をなでないアカギ

その通りだ・・・とだけ言っておく

頭を撫でてもらえなかった翠星石は少し寂しそうな顔をしていたような気がする

その表情を楽しんでから頭を撫でてやる

「じゃあフリテンとそのロンを避けたほうがいいという事実で何か気づく事は?」

その分かりづらい質問に少し悩まされる翠星石

カイジのすり替えのトリックには中々気付けなかったがこれにはすぐ気付く

「わかったですぅ!ロンされたくなければ相手の捨て牌にある牌を捨てればいいんですね?」

頭を撫でてからすぐに説明に入る

「相手を降ろせるってのもわかったか?」

翠星石はコクッと頷く

中々理解力があるようだと感心する

「最後の一発ってヤツは《偶然役》だ」

「偶然役?」

読んで字の如くだと前置きしてから説明する

「一発というのはリーチした順に和了できたらつく役だ、ツモでもロンでもいい」

だから字の如くかと納得する

確かに偶然役だ、狙ってできる役じゃない

「役にはハン数というものがある、当然高ければ高い程高得点だ」

ちなみにリーチは1ハン、一発も1ハン

面前でツモならそれだけで1ハン

「つまりリーチした順でツモればそれだけで3ハンというわけだ」

続いてデメリットだと前置きしてから説明に入る


リーチのデメリットその1 手の変更ができない
リーチのデメリットその2 危険な牌もビシビシきらなきゃいけない
リーチのデメリットその3 1000点を供託しなければいけない
リーチのデメリットその4 相手を降ろせるが逆に言えばロンしにくくなる


翠星石の質問を受け付けずにビシビシと説明をする

「その1はそのまんまの意味だ、カンチャンから両面になったからって変えられない」

「カンチャン?両面?」

説明しなかったか?とアカギ

どうやら説明していないようだ


6-9待ちなどの待ち・・・両面(リャンメン)
7・9の8待ち・・・カンチャン
1・2の3待ち・・・ペンチャン
東東・西西の東・西待ち・・・シャボ
3のみの待ち・・・単騎


簡潔すぎてわかりづらいがおいおい覚えろというアカギ

アカギは手をびしっびしっと振って説明する

「その2もそのまんまだ、手が変えれないならドラでもビシビシきらないといけない」

「その3だがこれもそのまんまだ、リーチをする時に1000点を出さないといけない」

初めの持ち点は大抵25000だと前置きしてから説明をする

「出した1000点は和了したヤツの元にいく、和了し損ねればとられてしまう」

1000点がどれくらいの価値なのかわからない翠星石にはピンとこなかった

その4も言わずもがなだなと説明を割愛する

どんどん説明が適当になっていないかと翠星石は言うがアカギはスルーする

「それとこういう役もある」


./  ̄/  ̄  / _|__ ___|_
    ―/     /   |/   /|
    _/  _/    |  _/|
                                  /\___/ヽ
    (.`ヽ(`> 、                      /''''''   ''''''::::::\
     `'<`ゝr'フ\                  +  |(●),   、(●)、.:| +
  ⊂コ二Lフ^´  ノ, /⌒)                   |  ,,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
  ⊂l二L7_ / -ゝ-')´                 + |   `-=ニ=- ' .:::::::| +
       \_  、__,.イ\           +     \   `ニニ´  .:::/    +
        (T__ノ   Tヽ        , -r'⌒! ̄ `":::7ヽ.`- 、   ./|
         ヽ¬.   / ノ`ー-、ヘ<ー1´|  ヽ | :::::::::::::ト、 \ (  ./ヽ
          \l__,./       i l.ヽ! |   .| ::::::::::::::l ヽ   `7ー.、‐'´ |\-、
  ___________________________  __
 │二│三│四│二│三│四│二│三│四│◎│◎│◎│伍│|伍|
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│◎│◎│◎│萬│|萬|


「こういった2~8だけでつくる手をタンヤオという、これも基本的な役だ」

ちなみに1ハンだと付け加える

無論リーチにも複合するとも付け加えておく

これは面前じゃなくともOKなクイタンというルールもある

それは事前に確認しておこう、喧嘩になりかねない

「ここまでは大丈夫だな、混乱しかねないからゆっくりでいい」


簡単なまとめ

その1 聴牌したらリーチをかけれる
その2 リーチした順に和了すれば一発という役がつく
その3 自分で捨てている牌では出和了りできない
その4 2~8だけでつくる役をタンヤオという


「基本役にはピンフというものがあるがそれは複雑だからよく聞いてくれ」

翠星石は心して説明をきく、ここまでついてこれているのは優秀な証だ


条件その1 全て順子
その2 頭が三元牌や自風場風じゃないこと
その3 待ちは両面
その4 面前


「別にややこしくねーですよ?自風場風ってのがわからないですけど」

「三元牌は刻子にすれば1ハン分の役になる、しかし風牌は1ハンつくときとつかないときがある」

三元牌というのは白・發・中の事だ

風牌というのは東・南・西・北の事だ

基本的に一戦は8局まである (半荘)

東1~4局までいくと南になる

南1~4局が終わった時点で持ち点の多いものが一位となる

「場風ってのは何となく読めるです、東1~4までは東、南1~4までは南ですね」

翠星石の勘の良さにアカギは少々呆気に取られる

先読みがいい、コレは教えるのが楽でいい

「最初の親を起家(ティーチャ)という、起親を東として半時計回りに東南西北の順番になっている」

これだけの説明で自風を翠星石は理解する

その割り当てられたものが自風だと

理解力の良さを称えて頭を撫でてやる

「親も一局ごとに半時計回りに動く、すると必然的に自風も変わる」

「自風場風じゃない風をオタ風という」

つまりピンフの頭は風牌でもオタ風に限りOKということだ

「全然ややこしくねーです、翠星石を馬鹿にしすぎです」

それは失敬と翠星石の頭を撫でる

もう描写するのが面倒なくらい習慣になっている

「自風場風や三元牌を三つ集めた役を役牌という、1ハン役な」

ついでに・・・と前置きしてからリーチ・タンヤオ・ピンフの複合した呼び方を教える

「リーチ、タンヤオ、ピンフの三つを複合させた形をメンタンピン(役名ではない)という」

アカギは牌をバラバラにする

分解したわけではない、散らばらせるという意味だ

「メンタンピンの聴牌をつくってみな、コレができたらもう馬鹿にしない」

それを聞いて翠星石はマジモードに入る

馬鹿扱いから免れるチャンス、これを逃さない手はない

数分もかからぬうちに聴牌をつくり上げる

翠星石は胸を張ってアカギに言う

「さあ、かつもくするです!紛れも無いメンタンピンです!」

確かに出来ていると翠星石の頭を撫でる

いつもよりも心をこめて

心をこめているというのが翠星石にもちゃんと伝わる

「基本の役はこれで以上だ、復習しておけよ」

そういってアカギは夕食の準備に取り掛かる

翠星石もトコトコと後を追う

「す、翠星石も手伝うです!」


アカギの麻雀講座 基本の役編 完



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水銀燈「ギャンブルぅ?」17歩編

2009年08月17日 00:02

水銀燈「ギャンブルぅ?」17歩編

46 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE :2009/05/31(日) 17:02:55.33 ID:M2FbHwS60


【アカギとの17歩は通常の歩数に換算して170歩である】


カイジは生活費をかけてギャンブルをするはめになる

負ければ自分だけでなく水銀燈にも負担をかけてしまう

それだけはゴメン被りたい

金目の物を持っていかれそうな勢いだ

水銀燈が心配そうに勝負を見守る

何故こんな大勝負を・・・

事の発端はある出来事からなった


「お前見かけによらず食うよな、もうダディにしか見えないぜ」


               。    _|\ _
            。 O   / 。  u `ー、___
          ゚  。 \ヽ / u ⌒'ヽ゛  u /   ゚
          -  ・。 / ; ゚(●)  u⌒ヽ i   @ 。
        ,  ゚ 0 ─ { U u r-(、_, )(●) .| / 。  ,'´ ̄ ̄`',
         ゚ ,,、,r-'⌒l u //トェェェ、 ) 。゚ / o    ,! ハ ハ !
      。 ゚ r-'⌒`ー-'´ヾ,. ir- r 、//u / 。 ・゚  l フ ム l
        ヾヽ、_,,,、-、/ミ,ヽヽ/ ノ_, -イ-、\   ∠  ハ ッ j
          ー = ^~、 ̄r'´ ̄`''jヽ、  〃ヾ ゚ 。 ヽ フ   /
 jヽjvi、人ノl__     / /  ヽ´{ミ,_   ̄`'''-ヽヾ    ` ̄ ̄
 )   ハ   7      /  / `'='´l  ̄i'-、_,,ン ノ 。
 )   フ    て   /  /   !。 l  l  - ニ
 7   ッ    (  __ヽ、__l ___ .!。 l__l__,-=-,___
  )   !!     ( ,-=-, ∠ヾゞゝヽ ,-≡-,l  l-=二=-,
  ^⌒~^⌒^~⌒^└==┘   ̄ ̄ ̄ ヽ==ノヽ=ノ\__/
                ↑
               水銀燈


これからの生活費をどうしようかと考えるカイジ

カイジは今まで死ぬ気で貯めた貯金を30万ぐらい引き落とす事にした

ダディ・・・いや、水銀燈が大食いだからってあんまり食うなとは言いたくない

水銀燈には不自由なく生活してほしいというわけで惜しみつつも金を引き落とす

そこにかかってきた一通の電話

「先輩・・・」

声のトーンで誰か一発でわかった

「アカギか?」

無言で切り返す電話の相手

「先輩、家に行っていいですか?」

突然何をおっしゃるのだこの人は

水銀燈がいるのに家に来ていいわけがない、何か誤解される

「(や、やべぇどうしよう・・・断るべきか・・・?)」

カイジはチラッと水銀燈の方を見る

保留ボタンを押してから水銀燈に話し掛ける

「アカギってヤツが家に来たいらしいんだが良いか?」

水銀燈は顎に手をあてて何かを思い出そうとしている

そういえばアカギの話をチラッとした事がある、情けない話だが

「それって例の?」

そう、例のカイジを不登校にした男だ、本当に情けない

「いいわよぉ、どんな男か見てみたいしぃ」

そうか、それは何よりだ

「じゃあどこかに隠れててくれよ、いくらアカギでも動く人形はさすがにな・・・」

カイジは保留ボタンをもう一度押す

「もしもし、アカギ?」

「いいんですね?」

良く分かったなとカイジ

それには何も答えずにアカギは一つ聞く

「ちょっと他のヤツも連れてっていいですか?」

他のヤツ?

零か・・・?

もしくは他の友達だろう

一人ぐらいならとカイジは答える

「それは良かった・・・ククク・・・」

奇妙な笑いの後アカギはすぐに行くといって電話を切った

カイジは少し腑に落ちないところがあった

どうして突然家に来たいなどと言い出したのだろうか

いささか疑問である、しかしもっと疑問な事がある

「水銀燈・・・お前はヤクルト中毒なのか?」

ゴミ箱の中にある大量のヤクルトの容器を見てカイジは言う

最初の3袋なんてすぐになくなってしまった

5袋買いだめすれば一週間はもつと考えていた自分が馬鹿だったとカイジは思う

明後日までもてば上等だろうというぐらいの勢いだ

「まあとりあえずどこかに隠れてくれ、もしも見つかったらただの人形のフリをしててくれよ」

ただの人形のフリをしていたらそれはそれで問題な気がする

カイジがそんな趣味を持っていると誤解されかねない

ちょうど部屋を片付け終わったところでアカギがやってくる

「お邪魔しますよ、ククク・・・」

家に来てまでそんな不気味な笑い方をするのはやめてほしい

それにしても良く家を覚えていたな、この家の前を通る時にちょっと紹介しただけなのに

「お邪魔するですぅ」

ずいぶんと高い声だ

アカギは女を連れてきたのだろうか

取り合えずカイジは客人を出迎える

「ゆっくりしていってね・・・って・・・」

アカギ・・・いや、アカギの横にいる奴を見てカイジは驚愕する

自分に近しい者に少し似ている・・・というか酷似している

喋る人形・・・!

「ア、アカギ・・・」

カイジは思わず戸惑う

人形が喋っている・・・という事実ではなくアカギがコレを持っていることに驚いている

「やいトンガリ人間、さっさとお茶を出すですぅ」

誰がトンガリ人間だと突っ込む事よりも優先される驚き

しかしあだ名がアカギと同じというのがまた

アカギがこの人形について話そうとしたその刹那、隠れていた水銀燈が飛び出す

「す、翠星石!」

「す、水銀燈・・・!」

対峙する二人、いや二体だろうか

取り合えず二人と表現しておく

カイジの思ったとおり知り合いだ

「へぇ・・・先輩もローゼンメイデンと関わってたんですね・・・ククク・・・」

カイジはこれで今までのモヤモヤが消えうせる

少しおかしいと思っていたのだ

洒落っ気など無いアカギが突然変な指輪とつけだしたのだから

これは契約のアカギ・・・じゃなくて契約の証・・・!

とりあえずカイジは二人が出している妙な空気から逃げ出す

「こ、紅茶入れてくる」

水銀燈が隠れる必要がなくなったので4人分用意する

「お茶菓子ぐらい出しやがれです、気のきかねぇヤツです」

ローゼンメイデンはそろいもそろって傲慢のようだ

水銀燈のおかげでもうちょっとの事で怒ったりしなくなったカイジである

「悪いな・・・誰かさんが凄い勢いで食うからさ」

カイジは急に寒気がする、風邪かな

失言だったかと思いつつも笑顔を作る

「そ、それよりさ、何しにきたんだ?」

「先輩と少し遊びたくなりましてね・・・ククク・・・」

アカギの奇妙な笑い方に少し引く水銀燈

遊びと聞いてカイジは直感する

「健全な遊びだろうな?」

「ククク・・・」

どうやら違うらしい、予感的中だ

アカギの遊びというとアレしかない

それはギャンブル・・・!

身構えるカイジを見て翠星石は馬鹿にする

「こんなトンガリ人間じゃしげるには勝てないです」

それは聞き捨てならないと水銀燈が言い返す

「トンガリって貴女のミーディアムもどっこいどっこいじゃない」

「水銀燈の尻にしかれている時点でダメに決まってるです、つくづく運が悪い証拠です!」

確かにそうかもしれないとカイジは言い返すに言い返せない

ムキになった水銀燈はカイジに飛びつく

「あんなヤツ倒しちゃってよぉ、カイジなら勝てるわぁきっと」

そんな保証はない

というか勝てる気がしない・・・!

いくらなんでも相手が悪い

「それはそれとして、翠星石だっけ?」

「何ですか?このトンガリ人間」

「俺はカイジだ、トンガリ人間はやめてくれよ」


ここから冒頭に至るわけである、少しはしょっている気もするが

種目は二人麻雀17歩だ

ルールは至って簡単だ

聴牌から始まる二人麻雀といえば麻雀を知る人にとっては理解がいい

全自動卓で牌をシャッフル

先攻となったものが右でも左でもどちらでもいいからドラをめくる

先攻となったものが三分の砂時計をひっくり返してスタート

目の前のヤマ(17×2)をチョイス

その34牌で聴牌をつくるという非常に簡単なルールだ

「(これはこれで面白いがアカギはどれくらいの力量なのだろうか、通常の麻雀よりは劣るはず・・・)」

聴牌を作る上での枷はただ一つ

満貫以上・・・ということだ

三色だろうがチャンタだろうが何でもいい

とにかく満貫以上・・・!

それをつくり後はお互いに牌を切りあう

相手のロン牌を捨てれば当然和了され金を失う

倒した手によって戻りは色々

基本掛け金を1万と仮定しよう

満貫なら1万、跳ね満なら1、5倍の1万5千、倍満なら2倍の2万、三倍満なら3倍の3万

役満ならば4倍の4万、もしもダブル役満なんて事になれば8倍の8万・・・!

もしも17順で決着がつかなければ同額を卓に積む、つまり掛け金二倍だ

「始めるか・・・そろそろ」

この二人麻雀で掛け金は肝心要だ

二人の同意があれば1000・・・1万・・・10万だっていい

しかし軍資金の乏しいカイジに10万なんて高レート受けれる道理がない

それはアカギも同じはず・・・

が・・・

どこまでも予想外な男・・・それがアカギしげる

アカギは卓に10万積む

基本掛け金10万・・・!無法の10万・・・!

さすがのカイジもそればかりはうけれない

「あ、アカギ!いくらなんでもそれは・・・」

勝負を受けようとしないカイジ

しかしそれも無理はない

初っ端から10万なんて無理に決まっている

相手があの鬼神・・・悪魔・・・アカギなら尚更だ

「なるほど・・・凡夫だ・・・」

え・・・?

きょとんとする一同

アカギは淡々という

「それくらい持ってるでしょ?」

ざわ・・・ざわ・・・

「な、なにを・・・」

図星・・・!

カイジは確かに持っている、30万を

「出してくださいよ、10万」

「ふ、ふざけるな!そんな法外な賭けできるわけねぇだろ!」

アカギ相手に10万張り・・・それはあまりにも暴挙

二人麻雀の腕がどれほどなのか知らないが並みの人間より強いことぐらいわかる

そりゃあ普通の麻雀とは大分異なるがそれでもアカギは強いはず・・・!

そこに翠星石が横入りする

「し、しげる!いくらなんでもそんな大金は・・・」

水銀燈も同意見だ

こんな無茶苦茶な賭けは認められない

千円ぐらいなら遊びの範囲だ

しかし10万はいくらなんでもありえない・・・!

手によっては15万・・・20万だってあり得る

そんな勝負を受けれる道理がない

「がっかりだ・・・先輩がそこまで臆病だなんて」

「あ・・・?」

「博打の申し子とうたわれたカイジ先輩が大勝負に乗らないなんて・・・がっかりだ」

この時のアカギの顔は煽っているような顔とは少し違った

何かに失望しているような顔だ

大好きなアニメが打ち切りしてしまったような子供のような顔をしていた

そんなアカギに水銀燈は反論する

「大勝負も何もないわよぉ、振った振らないで10万?このお馬鹿さぁん」

正論だ、まさしく

ロン牌を振り込んだが故に10万なんてありえない

しかしカイジ・・・

バサッ

卓に十万を積む

「カ、カイジ?何をする気ぃ?」

カイジはアカギの表情を見て思い返した

自分の百戦錬磨伝説を

勝負を直感と理でかいくぐってきた

時にイカサマ返しをしたり時には誰かと結託し

とにもかくにも生き残ってきたのだ、地獄くぐりを

もはや直感は自分の血肉・・・!

それなのに勝負から逃げてどうする?

負けたら金を失う・・・?

だったら勝てばいい、それだけの事だ

とりあえず遊びの範囲で賭ける?

ケッ・・・馬鹿じゃねえの?

10万あるなら10万、20万あるなら20万、どんどん張っていけばいい

カイジは高らかに宣言する

「受けよう・・・基本10万の17歩・・・!」

カイジ・・・道を開く

道を指す・・・!

カイジ・・・開示・・・!

「ククク・・・さすがカイジ先輩・・・」

アカギの表情はどことなく楽しそうだった

これから遊園地に連れて行ってもらえる子供のような雰囲気だ

アカギの表情は長門程はないが読みづらい

特に考えていることは読みづらい・・・!

カイジの暴挙を見かねて水銀燈が止めに入る

「カ、カイジ!挑発に乗る事なんかないわよぉ!」

水銀燈の制止を聞かないカイジ

ここまで来たら引くに引けない

ここまで来たら勝負だろうが・・・!

カイジは自分にそう言い聞かせる

相手が悪魔でも鬼神でも勝ち抜いてみせる・・・!

そういってカイジは牌を全自動卓に流し込む

ヤマが上がってくる

カイジはアカギに向かって啖呵を切る

「アカギ、俺は負けるわけにはいかない、全てを背負ってるんだ俺は・・・!」

先攻後攻を決めるじゃんけんをする

カイジはグーを出せば勝てると直感・・・!

・・・あいこ

引き分けたのでもう一度だ

カイジはもう一度・・・もう一度グーを出すべきだと直感する

・・・結果はあいこだ

カイジは無駄に汗をかく

この緊迫した感じがたまらない

もしかするとアカギはわざとあいこにしているのではないだろうか

グー、グー、ときたから次はチョキ・・・

が・・・

「(狙われるかもしれない、俺のそういう発想・・・!)」

カイジとしては後攻を選びたいところだ

ならば勝ってここで選択権を得たいところ・・・!

チョキ・・・?それともパー・・・?

気付けば二択・・・!

「(ここはパー・・・いや・・・)」

最初に走った直感

それはチョキで勝つというイメージ

直感は信じたい・・・

直感は・・・

「(直感は俺の歴史・・・俺の血肉・・・!)」


カイジ・・・チョキ・・・!

アカギ・・・グー・・・!


 ヽ.\    \           ノ ノ ィ
   \ `'<_ ̄ `          {. ( /-─:ァ
    ,> 、_ ヽ、              \ヽ. ∠.__
.    / ./   \\| ,イ  ,.ィ      ヽヽ <
   |,イ ,   ,〃ゝ.ニ'_ー<.丿.ト、    l l  ヽ`
ヽ   |,イ __ /{ |/l,イハV「iヘヽ∧ヘ.ト、   l l トノ
| l.   f´ _{{u〉   o レ, Vrヘ\  ソ〉、j ル'
ヽヽ.   ヽ.( iひ‐'^uく<::::) o ヽ.`くr' /ト{{
 ヽ.\   l |‐||. v (^ソ )‘ー'ひ‐ヘ. Vソ.ハ.ヽ.
─-;>、ヽ.Lニ!Lrェェミュ' J,.ィT゙「フ,ハ V  \ヽ.
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ー-ゝ、:_:::レi く: :/ `ー 、_ u } l  rく´{. トゝ  \ヽ
-─‐-..二ニ''.Y\   _7rヘ`く  l:::`:-ゝ.._
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カイジ・・・選択権を得れず・・・!

ジャンケンぐらいで何泣いているんだという顔で水銀燈と翠星石はカイジを見る

アカギはクククと嘲笑う

カイジはアカギが先攻を選ぶ事を願う・・・

先攻後攻ぐらいで大袈裟な気もするがそんな事はない

先攻後攻は意外と重要だ・・・多分

先攻が切った牌が安牌になる可能性だってある

それなら後攻・・・!

「ククク・・・こりゃ幸先がいい・・・先攻をいかせてもらいましょう」

カイジはホッと安堵のためいきをつく

少し大袈裟な気もするがとにもかくにも助かる

カイジは砂時計をアカギに手渡す

アカギは自分から見て右側の手前から2つ目をめくる

運命のドラ表示牌・・・

ドラ表示牌は5索・・・!

つまりドラは6索・・・!

「ククク・・・いいドラですね」

アカギがいいドラと言ったのはそれなりの理由がある

この二人麻雀で一番怖いのは満貫不成立・・・!

満貫ができねばただ自分だけが通すというハイリスクノーリターン・・・!

そんな時にドラがあればかろうじて救われる事がある

しかし字牌のドラだとそうはいかない

まず手に組み込むのが難しい・・・!

どうしても刻子や対子となる

場合によっては単騎待ち・・・!

しかしここ一番での字牌ドラ単騎はもっとも避けたい待ち・・・!

「ククク・・・砂時計をひっくりかえさせてもらいますよ」

トニッ

アカギは砂時計をひっくり返す

返る・・・命の砂時計が・・・!

血そのもののような砂が落ちていく

両者は一斉にヤマを開ける

ここで手を滑らせると大幅なタイムロスとなってしまう

「(こいっ・・・!満貫・・・!)」

運命のヤマ・・・オープン・・・!

カイジの満貫来いという祈りが通じたのだろうか

成る・・・満貫成立・・・!

カイジは引き寄せてしまう・・・

ドラ暗刻・・・!

「(き、きたぁ~~~)」

ドラ暗刻・・・!

これで免れる・・・満貫不成立というリスクを・・・

しかも・・・

自分が3枚もっているということは相手が一枚も持っていない可能性も必然高まる

有利・・・

この時点でカイジ圧倒的有利・・・

カイジは張る・・・!

ドラ3つを活かして満貫を・・・!

ドラ3つは頭と順子として扱う

待ちは1-4-7萬

役はメンタンピンドラ3・・・!

「(端の1萬が出てタンヤオが消えても最低満貫は死守・・・!勝つ・・・!これで・・・!)」

待ちも広いし跳ね満のチャンスまである

1萬が出ても裏ドラ次第で跳ね満になり得る・・・!

しかも・・・

カイジは一枚も自分のロン牌をもっていない・・・!

つまり・・・

その分相手がロン牌をたくさんもっているかもしれない

もしも自分が3枚もっていたら必然的に相手にその分はない

オマケにフリテンになるから自分はそれをきれない・・・

つまり選べる捨て牌が減るのだ・・・!

つまりこれはいい手・・・!

恐るべき強運・・・!

後ろで見ている水銀燈も驚きを隠せない

「(これがカイジの強運・・・!カイジが勝てばたくさんヤクルトが買えるわぁ)」

両者聴牌選択を終え三分過ぎるのを待つ

砂時計がサラサラと落ちていく

残り5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・0

砂時計を見ていた翠星石が“そこまで”の合図をかける

「しげる!絶対負けちゃだめですよ!」

先打ちのアカギは躊躇無く牌を切る

タァニ

打・・・2萬・・・!

カイジのロン牌にかする牌・・・!

やたらと際どいところをアカギは通す・・・!

「リーチ」

続いてカイジの番だ

2萬は自分で使っているから安牌として使えない

カイジはしばし考え込む

これはほぼノーヒントだ

考えたってどうしようもない

「(端っこはタンヤオがつかないから待たないか・・・いや・・・チャンタがあるから・・・)」

カイジは1打目にして長考・・・

千円程度の博打ならここまで悩まずに打っている

しかし大金がかかれば別・・・!

振れば消し飛ぶ・・・金・・・積み上げてきた勝ち金・・・!

カイジはとりあえず通りそうな牌をつかみあげる

「無難なこの辺か・・・?」

カイジ・・・打北・・・!

「リーチ」

通る・・・

この北はアカギに通る・・・!

通る保証などはない

しかしこれはオタ風・・・

普通の牌よりはいささか通りそうな気配がする

それにもう一つ理由がある

それはノーヒント・・・!

字牌を切ることで相手にヒントを与えない

つまりアカギは直感で牌を切る事になる

直感はそう続かない・・・!

アカギは躊躇無く二打目の牌を打つ

「(来い・・・!1-4-7萬・・・!)」

タァニ

アカギ・・・打5萬・・・!

またもやかする・・・!

際どいところの連続・・・!

カイジはオタオタしないように必死におさえる

動揺しては悟られてしまう・・・!

1-4-7萬待ちを・・・!

「(今はそれどころじゃねえ・・・俺が打つかもしれねえんだ)」

カイジは何がとおりそうかしばし考える

役牌はきな臭いからとりあえず保留しておく

シャボの公算は大だ

「(あまり当てにならねぇがここは5萬のスジ・・・8萬でいくか・・・)」

タァニ

カイジ打・・・8萬

ここでアカギは伏せていた牌を起こす

ドキッ

「(や・・・やっちまったのか俺・・・?あ・・・?)」

ざわ・・・ざわ・・・

「ククク・・・ククク・・・」

カイジの捨て牌と自分の手配を何度も見比べて奇妙な笑みを浮かべるアカギ

高まるカイジの心拍数・・・!

ざわ・・・ざわ・・

「ククク・・・」

タァニ

アカギの三打目は3萬・・・!

通っていた・・・!

カイジの8萬・・・!

カイジは露骨に安堵する

突然あんなことをされては心臓に悪い

パタッ

アカギは手配を伏せる

このアカギのフェイントに水銀燈はハラハラする

「(な、何よぉこの男・・・!ローザミスティカ飛び出るかと思ったじゃなぁい)」

三歩目にしてカイジはしばし動きが止まる

さっきのフェイントで毒気をぬかれてしまったようだ

自分の捨て牌候補を眺めてボォーッとする

カイジの間抜け面を見て翠星石はクスクスと笑う

「(は、腹痛ぇですぅ・・・イヒヒ・・・あの間抜け面・・・ヒヒヒ)」

カイジは少し呆けた後我にかえる

「(・・・ここは・・・ここは通るはずだ・・・!)」

カイジは牌をつまみあげる

どう考えてもきびしい牌を・・・!

「(通る・・・ここは逆に・・・!)」

スパーァニ

カイジ・・・打8索・・・!

ドラ付近・・・!

一見厳しいドラ付近を強打・・・!

しかしこれは理があってのことだ

「(通るさここは・・・ドラ付近は出してくれない・・・だから逆に待たない・・・!)」

それだけではない

カイジはドラを3枚もっている

だからアカギはもってない可能性がたかい

オマケにその周りも結構持っているからその分相手にも入りにくい

だから通る・・・!

アカギはまた手牌を起こす

「(フンッ・・・そんなドッキリに誰が乗るかよ)」

起こされた手牌を見て翠星石が《あっ》という顔をする

「残念・・・」

バラッ

アカギは牌を倒す

「ロン・・・」

アカギ・・・8索カンチャン待ち・・・!

カイジ・・・地雷を踏む・・・!

ドッカーンと・・・

爆破・・・!

「な、なんだぁこの手・・・?!」

カイジ・・・痛恨の振込み・・・!


 ヽ.\    \           ノ ノ ィ
   \ `'<_ ̄ `          {. ( /-─:ァ
    ,> 、_ ヽ、              \ヽ. ∠.__
.    / ./   \\| ,イ  ,.ィ      ヽヽ <
   |,イ ,   ,〃ゝ.ニ'_ー<.丿.ト、    l l  ヽ`
ヽ   |,イ __ /{ |/l,イハV「iヘヽ∧ヘ.ト、   l l トノ
| l.   f´ _{{u〉   o レ, Vrヘ\  ソ〉、j ル'
ヽヽ.   ヽ.( iひ‐'^uく<::::) o ヽ.`くr' /ト{{
 ヽ.\   l |‐||. v (^ソ )‘ー'ひ‐ヘ. Vソ.ハ.ヽ.
─-;>、ヽ.Lニ!Lrェェミュ' J,.ィT゙「フ,ハ V  \ヽ.
::/:::::::::::`7⌒TlTエヽ`く_」⊥Lレ }Tヽ.\  ヽ.\
:{::::::::::::::::ノ  | ヽl_.Ll>、ヽ⊥」ノ .く. ゝ \ヽ
:ヽ::::::::::::イ  _,.>、 v -‐ヽ i-  ijv )\. ヽ.\
ー-ゝ、:_:::レi く: :/ `ー 、_ u } l  rく´{. トゝ  \ヽ
-─‐-..二ニ''.Y\   _7rヘ`く  l:::`:-ゝ.._
:::::::::::::j::/ : : l l:::::::;>:': :ノ::| \\|::::::::::::::::: ̄
:::::::::::::ソ: : : :ヽ`'く : :/:::::::Vヽ!\ヽ、::::::::::::::


「リーチ純チャン・・・裏・・・」

この時点で満貫・・・!

もしも裏が乗れば・・・

裏が下手に乗れば・・・

「(よせ・・・!よせ・・・!)」

カイジは必死に祈る

裏が乗らぬ事を・・・!

水銀燈も同様・・・圧倒的に同様・・・!

「(乗っちゃダメよぉ・・・!乗ったら飛ぶ・・・金・・・虎の子・・・ヤクルト・・・!)」

「裏・・・惜しい」

裏ドラ表示牌は中・・・!

セーフ・・・!

圧倒的セーフ・・・!

痛恨の打ち込み・・・

不幸中の幸いは裏が乗らなかった事だ

「ククク・・・10万・・・」

アカギは金をだせと言わんばかりに手を伸ばす

カイジは半泣きになりながら10万を投げる

「うっ・・・うぐっ・・・」

もっていかれる・・・10万を・・・

二回戦の先攻はカイジ・・・

カイジ残り20万・・・

カイジ・・・完全に意気消沈・・・

「(ありえない・・・ありえない・・・この大勝負でカンチャン待ち・・・?)」

アカギの待ちが腑に落ちなかった

カンチャンや単騎で待ってもし相手の捨て牌候補にそれがなかったら?

この大勝負でドラ付近のカンチャン・・・?

悪魔・・・!やはり悪魔・・・!

「さあ二回戦目いきましょうか・・・ククク・・・」

アカギはカイジに砂時計を手渡す

牌を全て全自動卓に流し込む

新たなヤマが出現

カイジは続行するかどうか考える

次の勝負にいってもいいのだろうか

残り軍資金の半分もかけていいのか・・・?

カイジの勝負の灯が消えかけている

もし負けたら・・・

水銀燈に負担をかけてしまう

もし倍満ならここで勝負が終わってしまう・・・!

もし三倍満なら足りない10万を銀行から引き出してこなければいけない

「(う・・・うぐ・・・う・・・)」

カイジの頭の中をifがかけめぐる

もし~だったら・・・という考えが

そして最終的には水銀燈にいきつく

水銀燈に負担・・・水銀燈に贅沢をさせてやれなくなる・・・

そんな考えにいきつく

自分の人生が無茶苦茶になる・・・という考えは浮かばない

水銀燈・・・水銀燈の事ばかり考えてしまう

その事を考えるともう10万など受けれない・・・!

10万レートから脱落する事を決意する

「ア、アカギ・・・言いにくいんだが・・・」

「レートを下げろ・・・ですか?」

カイジは少し戸惑う

やはり読まれていた

アカギ相手に隠しとおせる道理がない

先程の際どい牌連続も自分の待ちを読んでいたからではないのか?

いや・・・それだけは絶対にない・・・!

普通の麻雀と違ってツモ切りや手出しがない

だから待ちを読む素材がすくないのだ・・・圧倒的に・・・!

それをあんな序盤でかぎつける事ができるはずがない・・・!

とにかく肝心なのはこっちだ

レートダウン・・・!

「・・・ああ・・・そうなんだ・・・恥ずかしいんだが、5万ぐらいに・・・」

カイジは赤面してレートダウンを乞う

無言のアカギにカイジはワケを説明する

「もし俺が負けたら生活費がなくなる、そうしたら水銀燈にも迷惑をかけちまう・・・」

これは黙っておこうと思ったのだが口にしてしまう

そういう空気になってしまっていたのだから

アカギの人情にかけたのだ

慈悲・・・アカギの慈悲を望んでいるのだ

自分はこの前アカギを助けた

それならアカギはきっと自分の要求をのんでくれるはずだ・・・と

アカギはカイジを嘲笑う

「ククク・・・馬鹿ですね先輩・・・」

ざわ・・・ざわ・・・

「え・・・?」

アカギはまた笑う

ククク・・・ククク・・・と

「いちいちそんな事考えて打ってたんですか・・・ククク・・・救えぬお人好し・・・」

確かにそうかもしれないとカイジは言い返せない

アカギは淡々と続ける

「大金を張ってるのはほかならぬ自分なんだからそんな事考える必要はない・・・ましてや居候の事なんか・・・」

バニッ

それを聞いてカイジは台を叩いて立ち上がる

黙って聞いていたカイジもさすがに怒る

「そういうわけにはいくかよ!水銀燈はもはや居候なんかじゃない、俺にとっては家族のようなものなんだ!かけがえが無さ過ぎる!」

突然怒りだしたカイジに呆気を取られる翠星石

水銀燈は心を打たれる

ずっと自分の事を考えて打っていたカイジに・・・!

自分の事を家族といってくれた

かけがえのない家族だといってくれた

わがままで傲慢な自分を大事な家族として思ってくれている

友達を自分のことで怒ってくれている

そんなカイジに心を打たれる

思えばずっと優しくしてもらっていた

5時に起こしたり一日に何本もヤクルトをのんだり

色んなことをしてきたがカイジはいつも自分の事を大事にしてくれていた

あってからそんなに経ってないがカイジは自分の事を大事な家族として扱ってくれている

「カイジ・・・」

それを聞いてアカギは更に笑う

カイジはゆっくりと腰を降ろす

アカギは積んである10万をポンと叩く

「そこまで大事な家族なら張りましょうよ、家族のために10万・・・」

ざわ・・・ざわ・・・

確かにアカギの言う通りかもしれないとカイジは思い込みはじめている

10万張りで取り返すべき・・・!

多くやればほとんどこっちが負けるはず・・・!

それなら大きく張るべき・・・!

運の要素も大きいこの勝負・・・

少なく長く張りつづけていてもジリ貧・・・!

それならば一度大きな手を和了して勝ち逃げするしかない・・・!

「・・・・・・・・・・・」

砂時計を片手にカイジはドラをめくる

運命のドラ表示牌・・・カイジ開示・・・!

ドラ表示牌北・・・!

ざわ・・・ざわ・・・

これはカイジにとってもっとも避けたかったドラ

先程記述した通り字牌のドラは使いづらい・・・

満貫不成立のリスクが高まる・・・!

「ケッ・・・不気味なドラだな・・・だが・・・」

カイジは砂時計をかざして宣言する

「勝つのは俺・・・!俺はお前を超える・・・!」

ドニッ

カイジは砂時計をひっくり返す

来いっ・・・!

満貫・・・!

ノーテンなどあってはならない・・・!

あってたまるか・・・!

カイジはヤマをあける

カイジは嫌な予感を感じながら理牌する

「(頼む・・・頼む・・・頼む・・・!)」

理牌を終える

パッと見で感じた印象はソーズが多いという事だ

しかしソーズのホンイツは張れない・・・!

不安ながらも牌をいじる

「(頼む・・・頼む・・・!)」

牌をいじった結果・・・

張る・・・!

どうあれカイジは満貫を張る・・・

メンタンピンイーペーコーの満貫を張る・・・!

待ちは4-7筒・・・!

が・・・

4筒が来た時のみ成立という苦しい条件・・・!

いわゆる片和了りだ

苦しい待ちだがそれでもノーテンよりはマシ・・・!

「(大丈夫・・・!大丈夫だ・・・!)」

先打ちのカイジは迷わず牌を切る

タァニ

カイジ・・・打1筒

これはこの手に決めた時から打とうと考えていた牌だ

これの片スジの4筒をアカギに切らすための罠・・・!

浅はかな罠だが何もしないよりは確実にマシのはず・・・!

牌を横にして千点棒を供託する

「リーチ」

タァニ

アカギ迷わず打東

ざわ・・・ざわ・・・

一切の躊躇無くドラ切り・・・!

アカギだからなせる離れ技・・・!

「リーチ」

続いて2歩目・・・!

カイジはチラッとアカギを見る

「(クッ・・・クソ度胸の野猿め・・・)」

ほぼノーヒント・・・!

カイジは何を切っていいか皆目わからない

が・・・

それでもあえて切るなら・・・

いや・・・

何をきっても打ちうる・・・!

安牌以外に100%の保証は基本的にない・・・!

アカギ相手だと全てがロン牌に見えてしまう

錯覚・・・!

全てがロン牌に見えてしまうという錯覚・・・!

「(くぅ・・・きな臭い・・・全て・・・)」

打ちうる・・・!

この牌はヤツのロン牌・・・!それは鉄板・・・!

カイジは手に掴んだ牌をおく

そして新たな牌をつかむ

その時カイジに圧倒的閃き・・・!

「(この4枚ある2萬が通れば4順の安全が買える・・・!これを通す方法がある・・・!)」

バラッ

「あっ・・・」

2萬をカイジは倒す

急いで立て直す

「す、すまねぇ」

これがカイジの策だ

2萬を倒す

これがロン牌なら反応するかもしれない

いや、無論アカギは反応しないだろう

が・・・

ヤツは違う・・・!

そう、後ろにいる翠星石・・・!

「(あの緑の可愛こ子ちゃんは動揺を隠せそうにねぇ・・・)」

翠星石の反応から察するにこれはセーフ・・・!少し反応したが牌を倒せば反応してもおかしくない

そう読んだ感じは2萬をつかむ

翠星石の表情を確認する

見えた牌がロン牌でそれをつかんだとなるとさすがに反応する

しかし反応なし・・・!

「(セーフ・・・!これは間違いなく・・・!)」

タァニ

カイジ打・・・2萬

一度の危険で4度の安全を買える2萬・・・!

セーフ・・・!

2萬はセーフ・・・!

通る・・・2萬が通る・・・!

これで5歩目までの安全が約束される

「さあ、バトンは返したぜアカギ」

カイジは少し得意になる

アカギは迷わず牌を掴む

「(というかどうしてコイツは躊躇無く牌を切れる・・・?)」

ふれば最低でも10万を失う

それなのにスパッ・・・スパッと牌を切れるアカギ

そりゃ考えたって相手の手を精密に読めるわけではない

しかしそれでも少しは考えたり迷ったりするだろう

後ろにいる水銀燈が通しをしているとも考えづらい

そんな事を考えている間にアカギつかんでいた牌を打つ

タニッ

アカギ・・・打東・・・!

不可解なドラの東連続切り・・・!

「あっ・・・?」

タァニ

混乱しつつもカイジは2萬を打つ

100%セーフの牌だ

カイジは3歩歩く事に成功する

タァニ

アカギは迷わず牌を切る

が・・・

打牌は不可解な東切り・・・!

ドラ3連続・・・! 異端のドラ暗刻切り・・・!

ざわ・・・ざわ・・・

「な・・・何っ!?」

ドラ3連続切り・・・?

何故?どうして?

ドラ三つを使えば満貫をつくることができる

それなのに何故・・・?

「(まさかコイツ・・・これを使わない方が高いって手が入ったのか・・・?)」

カイジ混乱・・・! 混乱に定評のあるカイジ・・・!

後ろで見ている水銀燈も混乱・・・!

身を削ってでも3順安全を買いにきたのか?

いや・・・

アカギに限ってそんな真似はしないはず

いや・・・アカギだからこそか・・・?

「(くっ・・・何を考えてんだコイツは・・・?)」

タァニ

カイジ・・・絶対安牌の2萬切り

アカギにバトンを返す

タニッ

アカギは躊躇無く4打目を打つ

4打目は1萬・・・!

「(なるほど・・・まあ2萬が今のところ3枚見えてるんだから1-4萬のスジは無いと踏んだか・・・)」

アカギの読みはそんなところだろうと思いカイジは4枚目の2萬をつかむ

アカギの暴挙はこれからということを次の打牌で知ることになる

タァニ

「((これで5歩目・・・アカギが安牌をきってくれれば俺は助かる・・・))」

タァニ

またも躊躇無く牌を切るアカギ

アカギ・・・打1筒切り・・・!

不可解な1筒切り・・・!

ざわ・・・ざわ・・・

ここでの1筒切り・・・!

ありえぬ1筒切り・・・!

何故なら・・・

「(な、何・・・!?1筒切り・・・!?)」

ここでの1筒切りは誰が考えたっておかしい

思い出してほしい、カイジの第1打を

カイジの1打目は1筒・・・!

安牌を持っているならさっさと出す・・・!

それなのに安牌じゃない牌を先に通してから安牌切り・・・!

わけのわからぬままカイジは6歩目を歩くことになる

「(・・・ワケがわからん・・・迷いが頭をボォーっとさせる・・・)」

「(東3つを捨て牌にしてるということはホンイツはありえないな・・・)」

カイジはしばし長考する

たくさんあるソーズを全て通せば安泰・・・!

牌倒しは何度もやるとさすがに怪しまれる

ここは神頼み・・・!

タァニ

カイジはアカギの待ちをソーズではないときめつけて打4索・・・!

その時思いもかけぬことが・・・

バラッ

「それです先輩・・・ロン・・・」

アカギ・・・タンヤオチートイ4索単騎・・・!

不可解なタンヤオチートイ・・・!

ドラ三つを使えば単騎のチートイじゃなく両面も可能だったはず・・・!

それをわざわざ単騎・・・!

わけのわからぬ打ち筋・・・!

もしも裏が乗れば跳ね・・・

乗るな乗るなと祈るカイジと水銀燈・・・!

「ククク・・・ククク・・・」

スパーァニ

アカギは裏ドラを強打・・・!

カイジと水銀燈はビクッとする

「(の、のっちまったのか・・・?!)」

アカギはゆっくりと指を離す

裏ドラ・・・乗らず・・・!

「び、びっくりさせるな・・・!」

不幸中の幸いというべきだろうか

裏が乗らずに助かる

が・・・

またももっていかれる10万を・・・

残り10万・・・!

もしも跳ね万以上ならパンク・・・!

カイジ完全に意気消沈、茫然自失

骸・・・視界がぼやける

ローザミスティカを抜かれたような状態だ

「ククク・・・良かったじゃないですか、裏がのらなくて・・・ククク・・・」

3回戦目の先攻はアカギになる

カイジは毒気を抜かれて勝負をする気を失う

戦意喪失・・・!

アカギの魔性に踊らされる・・・!

自分の考えの裏をとられる・・・!

これを通さねば17歩にいきつくのは不可能というソーズの群れを見事に討ち取られる・・・!

まるで捨て牌候補にソーズがたくさん残ることを知っていたかのよう・・・!

悪魔・・・!

「ククク・・・人の精神が崩壊する様はいつ見ても楽しい・・・」

悪趣味なアカギにさすがの翠星石も引く

さすがに可哀想になってきたのか翠星石はアカギの背中にとびとく

「し、しげる、もうカイジのライフは0ですよ、今日はこれで・・・」

今日はこれで帰ろう・・・

と言おうとしたのだがアカギはあっさりと却下する

「断る・・・倍プッシュだ」

アカギは卓に20万を積む

ざわ・・・ざわ・・・

無法の倍プッシュ・・・!

20万を失ったカイジに対してアカギは20万を積む・・・!

残り10万のカイジが受けられる道理がない・・・!

「勝負の後は骨も残さない・・・どちらかが破産するまでいく・・・」

悪魔アカギ・・・!

悪魔に命を狙われるカイジ・・・!

バニッ

この法外な倍プッシュに水銀燈は卓を叩く

「こ、このお馬鹿さぁん、そんなの認められるわけないじゃなぁい」

とてもじゃないが受けれない、そもそも卓に積む金がないのだ

もはや勝負どころじゃない・・・しかしアカギは知っている・・・!

「まだまだあるんでしょ?出してくださいよ・・・」

ざわ・・・ざわ・・・

アカギはまっすぐな目でカイジを見る

カイジは反射的に目をそらす

「まだまだ金を隠し持っているんでしょ?先輩・・・」

ざわ・・・ざわ・・・

図星のカイジは唇を噛締める

「・・・ねぇよ、そんなモン・・・」

「ククク・・・まあ俺は別にこのまま引いても構いませんよ?でもこのままじゃカイジさんは負けっぱなし・・・」

20万をもっていかれたまま終わってしまう

しかしカイジはこの安っぽい挑発には乗らない

博打は熱くなった時点で負け・・・!

アカギの挑発に乗って突っ込めば突っ込んだ分だけさらわれる

そもそもこの30万は前に書いたとおり宝くじで当てた金・・・いわゆる泡銭だ

無理して取り返す必要はない・・・!

「(だが・・・)」

カイジはアカギの捨て牌を見る

「(勝てるかもしれねぇ・・・アレが通れば・・・!が・・・アイツは悪魔だ・・・そう上手くいくかどうか・・・)」

アカギ殺しの浅はかな策を瞬時に練ったカイジは立ち上がり、机の上に置いてある広辞苑を開く

突然の不可解な行動に呆然とする水銀燈と翠星石

広辞苑の間にはさんであった封筒を取りだす

封筒の中に手を突っ込んで中にあったものを取り出し卓につむ

「・・・受けてやるよ、レート倍プッシュを」

ざわ・・・ざわ・・・

カイジ・・・20万勝負に乗る

ざわ・・・ざわ・・・

「カ、カイジ・・・!いくらなんでもそれは無茶よぉ・・・!」

さすがの水銀燈も困惑する

カイジの不可解な挑戦、しかしそれは勝算があってのこと・・・!

「(大丈夫・・・俺は二度も転んでいる・・・三度は転ばない・・・!)」

アカギはクククと笑いながらドラをめくる

運命のドラ表示牌は1筒・・・!

ドラは2筒・・・!

アカギは砂時計をかかげる

「ククク・・・先輩・・・行きますよ・・・」

どうぞ・・・とカイジは落ち着いた声でいう

負ければ破綻・・・

勝てばジェットコースター・・・!

世界がめまぐるしく・・・などと考えている間に砂時計が返る

「(来い・・・!アカギを殺せる配牌・・・!)」

ヤマをオープンするとすぐにピンズのホンイツが見える

カイジはあまりにも超絶幸運に驚きを隠せない

何故なら・・・

役はリーチホンイツドラ1の1-4-7・2-5-8の6面待ち・・・!

この土壇場で6面待ち・・・!

オマケに仕掛けを打つこともできる・・・!

引き寄せたのだ・・・土壇場の状況がこの牌達を・・・!

「(勝てる・・・!いかにアカギといえどこれは振る・・・!)」

カイジの待ちは実は6面待ちではない・・・!

表向きは6面だが実は8面待ち・・・!

砂時計が落ちきり3回戦目の聴牌選択が終わる

掛け金は20万・・・!無法の20万・・・!

カイジは左手を手牌に添える

タァニ

アカギは躊躇無く牌を切る

「リーチ」

アカギの一歩目は無難な南だ

幸いにも南はカイジも持っている

タァニ

カイジは絶対安牌の南で一歩目を踏み出す

「リーチ」

カイジは両手を手牌に添える

タァニ

アカギはまたもよどみなく牌を切る

「(アカギを殺す摩訶不思議なトリックがある・・・オマケにそれはヤツの打ち筋の天敵・・・!)」

アカギ・・・打・・・東・・・!

バラッ

カイジは泣きながら牌を倒す

後ろで見ていた水銀燈は驚愕する

何故牌を倒す・・・!?

「(っ!?チョ、チョンボよぉ・・・!?)」


                , ‐ァ
            -=ニ _ ̄Y´ ´ ̄≧
           ,  '' ´        ヽ
         ∠-ァ             ゝ       ロンッ‥‥!
          /            i
          ,' /    ∧         l
          / '.i´   人 ヽ.∧Nヽ r‐、l       ロンッ‥‥!
           l /l  /\バ/∠  !ヒl l ヽ       ロンッ‥‥!
           |' l/|,ヘ >〉 ~ij~ノ ゙l,ノ^ト ≧‐- 、_
               ヘ~/ _ 、 -‐、 |  l ヽ     ロンッ‥‥!
              , ‐〉<ニ-‐0 ̄l/ヽ 、}  }     ロンッ‥‥!
            ,. ' ol ヘヒニニフ  ,l. ,'. /       ロンッ‥‥!
            イ    l  \ ´/ /l / /
           / .',  0ヽ < `´ヽ l l/|ノ
            /  ヽ   ヽ \0 〉 |/|' _,, -‐ '"  ロォー―ンッ‥‥‥‥‥!
         /ヽ   ヘ.  0 `iヘ/ V|  「
        /  \  ト -- ―l ヽol  !       ロォー―ンッ‥‥‥‥‥!
        /    ヽ ',    l  ',ノ  |    _,,
       /`、     人     !  Ц  l-‐''' ´
        /  ヽ、_  /  lヽ、 _.l       !      ロォ~~ンッ‥‥‥‥‥!
       ,', -‐- 、  ソ   ',   !ヽ     ヽ      ロォ~~ンッ‥‥‥‥‥!
       {   _  `く    ヽ  | ヽ     ヽ_,, -
゙` ''‐- 、,,_! / _ノ^'^\、  l ヽl  \     ヽ   ,  ロォ~~ンッ‥‥‥‥‥!
       V ,ノ    、ヽヽ  、 |   〉、    ヽ r'⌒
       `l   、\ ヽ」ノ ゙̄` ''‐- 、,,_ /⌒⌒  ̄`ヽ
        \\\ )、_}          / /´// ,ィ ノ
          ` ‐`^              `´ /_/_//ノ´


カイジ・・・リーチ一発ホンイツドラ2・・・東・2筒シャボ待ち・・・!

後ろで手配選択を見ていた水銀燈は唖然とする

水銀燈が見ていたときは確か1-4-7・2-5-8筒の6面待ちだった

それがシャボ・・・!

待ちが変わっている・・・!

水銀燈混乱・・・!

「・・・!裏1・・・!倍満・・・!」

カイジ・・・倍満を和了する

摩訶不思議なシャボ待ちで・・・!

「(・・・!?2筒と東が入れ替わってる・・・!?)」

水銀燈は全てを悟る

カイジは摩り替えたのだ・・・!

東の刻子から一枚東を抜き取り2筒を入れたのだ

待ちは狭くなって圧倒的不利・・・!

が・・・待ちを精密に読めるアカギ相手には利く・・・!

圧倒的奇手・・・!

「さぁ40万・・・!」

9筒を抜くという方法もカイジにはあった

つまりカイジの待ちは・・・1-4-7・2-5-8・9筒+東

8面待ち・・・!

オマケにこのすり替えなら必然的にドラが増える

アカギといえど8面待ちはかわしようがない

捨て牌候補にロン牌が5牌以上あれば必然的に振ってしまうのだ

それにこのすり替えは変則の事態だ

すり替えに気付いていたとしても何に摩り替えたか?何を抜いたか?抜く前の手は?

つまり寄る辺がない、その時のヤマに何があったか・・・

「し、しげるが負けた・・・?」

麻雀については勉強中の翠星石だがアカギが負けたということぐらい理解できる

カイジはこのイカサマで見事に40万を手に入れる

これで+20万・・・!

しかしもう同じ手は使えないだろう、成功したのが不思議なくらいだ

「さあこの辺でお開きといくか」

もう勝てないと判断したカイジは手仕舞いにしようとする

アカギはそれをとめようとしなかった

負けたのがショックだったのだろうとカイジは解釈する

「(ククク・・・さすが先輩・・・相変わらずとっぽいな・・・)」

不服そうな翠星石を抱っこしてアカギはカイジ宅を後にする

二人が帰ったのを確認してから水銀燈はカイジに抱きつく

「貴方天才よぉ~最高だわぁ」

胸のふくらみがあたり顔を赤くするカイジ

とにもかくにもアカギを打ち負かす・・・!

鬼の子アカギしげるを紙一重で出し抜く・・・!

逆転の気質・・・!

「貴方の悪党っぷりに感動したわぁ」


家に帰ってからも翠星石はずっと不機嫌だった

あのアカギが惨敗したのだから無理も無い

「ククク・・・さすがカイジ先輩だ・・・見事なすり替えだった」

アカギのこの発言に翠星石は耳を疑う

やはりアカギは気付いていたのだ

カイジがすり替えをおこなった事に

わかってたがあえて指摘しなかった・・・というところだ

「す、すり替えですか?」

麻雀のことはあまり知らない翠星石だがすり替えぐらいはわかる

それがイカサマだという事までわかる

アカギは卓の上に散乱している牌で先程のカイジの手牌をつくる

いや・・・

和了したときの手ではない

イカサマをする前の手配だ・・・

東暗刻・2・3・4・5・6・7・8筒・9筒暗刻

翠星石はこの複雑な形を見て混乱する

「えっと・・・待ちはえっと・・・」

初心者がこの手の待ちが何かパッと見で分かるとは思えない

翠星石が混乱するのも無理はない

「待ちは・・・」

アカギが待ちを言おうとした時、翠星石は振り返って両手を突き出す

「い、言うなです!これぐらい自力で解いてやるです!」

いい志だとアカギは翠星石の頭を撫でる

20万失った直後とは思えないほど清々しい、やはりあえて振ったのではないだろうか

翠星石は牌を並び替えたりして考えている

「う~ん・・・皆目わからんですぅ・・・」

牌をカチャカチャ言わせる事10分

助言したいという気持ちをおさえるアカギ

やっとの事で翠星石は待ちの一部を発見する

「えっと・・・とりあえず2-5-8筒はわかったですぅ、でもこれだけじゃない気が・・・」

アカギは翠星石の頭を撫でる

3面待ちに気付き、まだ待ちがあることを見抜いた事に対するご褒美だ

「ククク・・・まあ最後まで頑張れよ・・・」


カイジは何かがひっかかっていた

本当にアカギはすり替えを見逃したのか?

カイジはアカギの捨て牌候補を見て唖然とする

あった・・・!

もう一枚南があった・・・!

アカギはもっていたのだ、南対子を・・・!

それならばそれで2順稼ぐ事もできた

それなのにあえて東切り・・・!

オマケに一発で振り込むという失態・・・!

この二つの符号が意味するのは一つ・・・!

「態打ちだ・・・!」


「態打ち~?」

水銀燈は首をかしげる

カイジは簡潔に説明してやる

「ヤツは振込みを回避する事ぐらいで簡単にできた、しかしあえて振り込んだ」

カイジはそういって手元にある金をポンと叩く

何故この大勝負で負けてくれたのか

その理由は二つ・・・

「俺達の生活のためってのが一つ・・・もう一つは暗示だ」

「暗示・・・?」

カイジは牌を同じ種類同士集める

作業をしながら説明をしてやる

これはあくまで憶測だが・・・と前置きしてから

「放課後の麻雀で取り戻してみせるっていう暗示だろうな」

あの男ならありうると水銀燈は納得する

カイジは水銀燈の方を振り向いて微笑する

「もしもそうだとしても俺は勝ってやるさ」

とにもかくにも一段落ついた

「それはそれとして水銀燈・・・」

「何よぉ」

カイジはためいきをつく

大勝した後のためいきというのも変な感じがするが無理も無い、水銀燈が今日30本目のヤクルトを飲んでいるのだから

「これじゃあ20万なんてすぐに飛ぶぞ・・・」


アカギとの17歩は通常の歩数に換算して170歩である編 完



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水銀燈「ギャンブルぅ?」アカギの麻雀講座編etc

2009年08月16日 18:55

水銀燈「ギャンブルぅ?」アカギの麻雀講座編etc

1 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE :2009/05/31(日) 14:04:10.94 ID:M2FbHwS60

前回までのあらすじ

不登校になったカイジだが水銀燈に勇気付けられ学校に行くようになる
数日の遅れなど数十分で取り戻したカイジは帰路につこうとする
その時目に入ったのは3年による虐め
虐められているのがアカギと零だという事が判明し、カイジはすぐさま助けにいく
零の空気っぷりとアカギの強さを思い知らされた

今回はバイ猿に気をつけたいです

前スレ http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1243583381/


【アカギの麻雀講座~基本編~】


かったるい学校も終わりやっと家についたアカギ

普段ならそのままゴロゴロするのだがそういうわけにはいかなくなってしまったのだ

今までならありえぬ出迎えがくる

「しげる~遅いですよ!」

翠星石がアカギを出迎える

翠星石と出会ってから結構経つが未だに下の名前で呼ばれる事に違和感を感じている

そろそろ慣れてもいい頃だと思うが

「さぁ翠星石に麻雀を教えるですぅ」

家に帰ったのだからまずはゆっくりしたいというのが人情だ

しかし翠星石がここまで自分を待ちわびていたのだ

相手にしないわけにもいかない

それにいつでも教えてやるといったのはアカギだ

その約束をあっさり反故にするような男ではない

アカギはさっさと着替えて翠星石を膝の上に乗せてやる

着替える時ぐらい出て行ってやればいいのに

休憩したいという気持ちを軽くおさえることができるのがアカギらしいところだ

「翠星石、どこまで覚えているんだ?」

「今朝教えてくれたことは全部覚えてますよ」

翠星石は無い胸を張って答える

そこまで自信満々に言えるなんて教えているアカギも鼻が高い

実際に高いわけだが

翠星石は淡々と教えてもらったことをまとめる

①麻雀は34種類136牌を使う
②基本は1面子(メンツ)1雀頭(ジャントウ)
③面子は大きく分けて二種類、数字を順番に揃える順子(ジュンツ、シュンツ)同じ牌を三つ揃える刻子(コーツ)
④同じ牌を二つ集めたものを対子(トイツ)対子は頭として使う
⑤和了(ホーラ)できる段階を聴牌(テンパイ)という
⑥和了り牌を自分で引き当てたらツモ、相手が捨ててくれたらロンと宣言して牌を倒す

「そしてこの1~9萬はマン・・・マン・・・マンズですぅ」

この前の失態のせいで少し慎重になってしまっている翠星石

「と、とにかくこれで翠星石の頭の良さは分かってですね?もう馬鹿にすんなです!」

すぐに図にのるところが翠星石らしい

しかし呑みこみが早いというのも事実

アカギは素直に敬意を払い頭を撫でる

赤面しながらもガチャガチャ騒ぐ翠星石をスルーして本題に入る

「じゃあ今回は鳴きについて教えるか」

アカギは7・8萬を目の前にもってくる

翠星石はただそれをじっとみつめていた

「これは何がきたら面子になる?」

この質問に翠星石は即答する

「6・9萬です、こんなの馬鹿でもわかるですぅ」

「そうだな、現に馬鹿がわかってるもんな」

アカギの皮肉にギャーギャー騒ぐ翠星石

しかしそんなものに構っていては先に進めない

アカギはいつものように無視をする

先に進みたいなら皮肉を言わなければいいのだがアカギの性格的には無理である

「鳴きについて説明するからしっかり聞いてくれよ」
「6・9萬がくれば順子になる、が・・・自力で引かなきゃいけないというわけでもない」

この説明に翠星石はきょとんとする

これはあくまで前置きのようなものだから分かるはずもない

しかし数秒後、翠星石はアカギの言いたいことを直感する

「・・・もしかしてロンみたいに相手が捨てた牌をもらえるですか?」

翠星石は自信なさげにいう

無言のアカギに少し不安になってくる

もしかしてまた恥ずかしいことを言ってしまったのではないかと

アカギは翠星石の頭を撫でる

「ククク・・・良い勘してるぜ」

このセリフを聞いて翠星石の不安は一気に消し飛ぶ

ボコ殴りの喧嘩で形成逆転したような態度になる

「翠星石の勘はお前なんかと比べ物にならないですぅ」

アカギの恐ろしさ、悪魔性を知らないからこんな事をいえるのだろう

しかしアカギは別にこれぐらいで怒ったりはしない

「ああ、覚えが早くて助かる」

それを聞いて翠星石は更に居丈高になる

「それがいわゆる鳴きだ」

翠星石が自分の素晴らしさについて語ろうとしていた事を直感したアカギはさっさと説明に入る

長話をされては話が進まなくなってしまう、どっちがいい勘してるのだかわからない

「これを《チー》という」
「自分の左隣に座っている人を上家(カミチャ)という、チーは上家が捨てた牌限定だ」

そういってアカギは6萬を右手でもってくる

「上家が6萬を捨てたときに7・8萬だけ倒す、そうすれば6・7・8の順子ができる」

つまり早く面子ができるということだ

翠星石が理解したということを前提で話を続ける

「次にこれだ」

アカギは白を二枚持ってくる

「これは何がきたら面子になる?」

この質問に翠星石は動作で答える

白をもう一枚もってくる

「これで白の刻子です」

見かけ以上に頭が良くて助かるとアカギはつくづく思う

「ここまできたらもう読めるよな?」

当然ですと翠星石は切り替えす

「上家が白を捨てたら刻子にできるんですね?」

アカギは少し黙ってから答える

「ククク・・・50点」

いい勘はしているが半分しか点が取れなかったことに不服な翠星石

「な、何が悪いんですか?!」

「まあそうでかい声を出すなよ」

翠星石をなだめて説明を続ける

「向い側に座っている人を対面(トイメン)右に座っている人を下親(シモチャ)という」

その説明を聞いて翠星石は話の腰を折る

「それとこれが何の関係があるんです?」

話の腰を折られたアカギは翠星石の頬をつまむ

何やらわめているがスルーする

圧倒的スルー・・・!

「50点の理由は上家が捨てた牌ってところだ、これは誰が捨てたか問わない」


15 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE :2009/05/31(日) 14:32:51.41 ID:M2FbHwS60
「誰かが捨ててくれた牌で刻子をつくる事を《ポン》という」

ポン・・・チー・・・と翠星石はつぶやく

つぶやき終えるまでアカギは待つ

自分のつぶやきで説明がとまっていることを悟った翠星石は顔を赤くして黙る

「こういった鳴きで和了を早めることができる」

翠星石は手を上げて質問をする

「ポンとチーが同時に起きたらどうなるんですか?」

いい質問だと言ってアカギは解説してやる

「その場合はポンが優先される、ちなみにロンが最優先だ」


16 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE :2009/05/31(日) 14:38:01.89 ID:M2FbHwS60
「こんな感じだ」
                   __|__○      ̄  /
                        |              /
                        /  |  \      _/
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    (.`ヽ(`> 、                      /''''''   ''''''::::::\
     `'<`ゝr'フ\                  +  |(●),   、(●)、.:| +
  ⊂コ二Lフ^´  ノ, /⌒)                   |  ,,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
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       \_  、__,.イ\           +     \   `ニニ´  .:::/    +
        (T__ノ   Tヽ        , -r'⌒! ̄ `":::7ヽ.`- 、   ./|
         ヽ¬.   / ノ`ー-、ヘ<ー1´|  ヽ | :::::::::::::ト、 \ (  ./ヽ
          \l__,./       i l.ヽ! |   .| ::::::::::::::l ヽ   `7ー.、‐'´ |\-、
   ________________________            ____
  |一|九│一│九│一│九│  │  │  │  │  │      ___|  │  │
  |萬|萬│索│索│筒│筒│東│南│西│發│中|      │    │  │  │
  └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘      └──┴─┴─┘


「同じ牌の4枚を集めた時や誰かが4枚目を捨てたときに《カン》ができる」


           /
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    (.`ヽ(`> 、                      /''''''   ''''''::::::\
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 │一│一│一│二│三│四│五│六│七│八│九│九│九│|九|
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│|萬|


休息をあたえずに説明を続ける

ここまでついてこれている翠星石も中々のものだ

それほど麻雀に興味があるのだろう

「カンでつくった面子をカンツという、これは刻子として扱うと思ってくれ」

それを聞いて疑問点が出てくる

「刻子として扱うならカンする意味はないんじゃないですか?」

いい質問だと相槌を打つアカギ

「まあ先にドラの説明をするか」

ドラ・・・

それはもっているだけで点数が高くなる超お得牌である

「局の初めにドラというものをめくる」

そういってアカギは裏返っている牌を表返す

表返した牌は4筒

「めくった牌がドラ表示牌だ、ドラはドラ表示牌の次の牌だ、ここ重要」

つまりこの場合は5筒がドラとなる

翠星石はうんうんと頷く

本当に理解したのだろうか

アカギは理解したものだと思い説明を続けようとする

その時翠星石が質問をする

「字牌の場合はどうするんですか?」

「中々良いところに目をつけたな」

アカギは東南西北の順番に並べる

そしてその下に三元牌を白發中の順番に並べる

「こういう順番になっている、9萬や中などの最後の牌が表示牌の場合1萬や白がドラなる」

「覚えにくいですね、特に字牌が」

無理も無いだろう

こんなに一気に教えられても混乱するのが関の山

しかし少しでも早く麻雀をしたい翠星石は休もうとしない

そんな健気な翠星石にアカギは自分流の覚え方を教える

「トンナンシャーペーハクハツチュンとなってるから盗難シャーペン爆発中と覚えたらどうだ?」

「なるほど、さすがしげるです」

何がさすがなのか知らないが翠星石は納得したらしい

ドラの説明が終わったところでカンの説明に戻る

「カンをするとドラが増えるんだ」

ドラは最初に一つめくる

誰かがカンすればドラが二つになるというわけだ

チャンスが増えるというわけだ

「じゃあどんどんカンすればいいんですね?」

「馬鹿かお前は」

辛辣な言葉で翠星石の心にダメージを与えるアカギ

「そんなのケースバイケースだろうが、場合によっちゃ敵の手助けにもなる、ドラは自分だけのものじゃない、お前はジャイアンか」

原作のアカギよりもやたらと喋っている気がするが気のせいだろう

初心者相手にここまできつくいうこともない

ここまでついてこれているだけでも利口だというのに

しかしこういうきつい言葉で煽る事で伸びるとアカギは考えている

きつい言葉を浴びせられ翠星石は黙りこむ

「・・・」

いつもなら言い返してくるのに何も言い返してこない翠星石

少し異様だが特に気にしないアカギ

説明を続けるが翠星石が全く聞いていない事に気付く

「聞いてるのか?」

この問いかけにも不動

ポタ・・・と何か粒が落ちてきたのを感じるアカギ

「・・・?」

ポタ・・・ポタ・・・

粒の勢いが強くなる

「・・・?何泣いてるんだ?」

女を泣かしてしまったアカギ

何で泣いたかすら気付いていない

涙とはほとんど無縁のアカギだから無理もない

「ヒック・・・ヒック・・・」

別によっぱらっているわけではない、泣いているのだ

アカギはこういうときにどう対応していいかわからない

沈黙の中翠星石の泣き声だけが聞こえる

こういう時は謝るのが一番だ

しかしアカギ・・・この若き天才は全く別の思考に至っていた

さっさと説明を終わらせたい・・・

「説明を続けるぞ、ちゃんと聞け」

最低・・・!

男として最低・・・!

「・・・か・・・」

翠星石は泣きながらつぶやいた

「馬鹿・・・しげるはどこまでも・・・ヒック・・・馬鹿です・・・お前なんて・・・もう知らないです」

泣きながらアカギに文句を言う翠星石

何故自分が馬鹿扱いされているかわからないアカギ

黙って翠星石の御託を聞く

「しげるは神域の馬鹿です・・・」

神域の馬鹿と聞いて笑いそうになったが笑っちゃいけない空気だという事ぐらいは分かる

取り合えず笑うのは自重する

「二度と口を利いてやらんです」

翠星石はへそを曲げてしまう

「ひざの上でそんなこと言われてもな」

これも自重するべきだと思う

実を言うとアカギは何故泣いているかぐらいは何となく分かっていた

しかし自分の何が悪いかとまではわかっていない

敏感ながらも鈍感・・・!

「ククク・・・誇り高きなんとかってヤツはそれぐらいで泣くのか?それぐらいですねるのか?」

「だ、黙りやがれです!」

自分をどこどこまでも愚弄するアカギに怒る翠星石

アカギはクククと笑う

「口を利かないんじゃなかったのか?」

言い返してしまったことを後悔する翠星石

アカギは翠星石を更に煽る

「ククク・・・」

言葉など不要・・・!

アカギが笑うだけで殺意が芽生える

「こ、この・・・」

実をいうと翠星石もアカギを許してやろうと思っている

このまま喧嘩したままだとどうなるか・・・と考えるとさっさと仲直りしたいと思うのも当然である

「し、しげる」

「口をきか・・・」

アカギの言葉を遮って翠星石は言う

「許してほしかったら責任を持って最後まで翠星石に麻雀を教えるです、それができないなら・・・」

「一生お前とは口を利いてやらないってか?」

アカギ無法の先取り・・・!

セリフ先取り・・・!

「さ、先にいうなです!」

とにもかくにも二人の関係は修復される

さっさと話を進めたいアカギは説明を続ける

「ちなみにカンには三種類ある」

三種類も?という顔でアカギを見る翠星石

アカギは黙って同じ牌を4枚もってくる

「自分で4枚集める暗カン、最後の4枚目を捨ててもらってつくる大明カン、ポンした状態で4枚目を引き当てる小明カンの三種類だ」

翠星石はそれぞれの条件を口にする

少し混乱しながらも質問をする

「ポンした状態で誰かが4枚目を捨てたときにカンは・・・」

「できない」

アカギは即答する

あくまで敵の力を借りれるのは1回までらしい

ポンさせてもらった上にカンなんて無理のようだ

「ここまで覚えれば上出来だ」


まとめ

①上家(左隣)が捨てた牌で順子をつくる事をチーという
②誰かの捨て牌で刻子をつくる事をポンという
③4枚牌を集めることをカンという
④カンには三種類ある
⑤自力でつくる暗カン、誰かの捨て牌でつくる大明カン、ポンした状態で4枚目を自力で引く小明カン
⑥カンをするとドラが増える
⑦ドラは持ってるだけで点数アップの非常に良心的システム


アカギは麻雀牌をしまう

「鳴きに関するデメリットは後で教えるとする、まあ今日はこれで終わりだ、明日は役について教えてやるよ」


アカギの麻雀講座 基本編 暗完



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水銀燈「ギャンブルぅ?」 アカギの麻雀講座 基本編

2009年06月03日 13:42

水銀燈「ギャンブルぅ?」新たな出会いetc

72 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE :2009/05/29(金) 18:46:24.63 ID:GxlRFsFS0


【アカギの麻雀講座 基本編】


注意書き
この話はアカギがひたすら翠星石に麻雀を教える話です
麻雀のルールを知っている人やそういった講座に興味がない人にとっては面白くないかもしれません
説明が下手な上に文章なのでわかりづらいです
その点はご了承ください


アカギの膝の上で翠星石は説明を聞いている

「まずは牌の種類から説明してやるか」

アカギは萬子を卓の真ん中にもってくる

「これはマンズと呼ばれる種類の牌だ」

漢数字に萬という字が書いてある

「1~9まであるのがわかるな?」

「それぐらいわかるですぅ」

アカギは確認を終えると仕切りなおす

「説明の順序が悪かったな」

アカギはどういう順序で教えるか考えているようだ

しばし考えた末説明を再開する

「まず牌には大きくわけて二種類ある、お前でも覚えられるだろう」

一言多いアカギにイラッとしながらも説明をきく翠星石

「数牌(スーハイ)と字牌(じはい・ツーパイ)にわかれている、どっちが数でどっちが字かはわかるな?」

「ば、馬鹿にするなですぅ!」

そういって翠星石はマンズを一つこっちにもってくる

ついでに近くにある他の二種類の牌も持ってくる

「この萬って書いてあるヤツと竹の絵が描いてあるヤツと丸の絵が描いてあるのが数ですぅ、それ以外は全て字ですぅ」

翠星石は何も描いていない無地の牌を指差す

「この何も描いてないのは・・・予備か何かですか?」

「この萬というのがさっき説明したマンズ、竹がソーズ、丸がピンズだ」

翠星石を無視してアカギは説明を続ける

アカギは紙になにやら書いている

漢字で書くと萬子(マンズ)索子(ソーズ)筒子(ピンズ)

紙に書いてもらった漢字を見て翠星石はゆっくりと言う

「マンズはマンコとかいて・・・」

途中まで言ってからしまったという顔をする

恐る恐る振り返ってアカギの反応を見る

アカギは愛想のない無表情

聞いていたかどうかも怪しい感じだ

翠星石は笑って誤魔化す

「数字にはそれぞれ独特読み方がある」

「(笑って誤魔化したら無視してくれたですぅ、ラッキー)」

アカギの気遣いに翠星石は安堵する

しかし忘れてはいけない・・・!

アカギは悪魔・・・ピカロ・・・!

「マンズはマンズだからな」

「っ!」

1(イー)2(リャン)3(サン)4(スー)5(ウー)6(ロー、リュー)7(チー)8(パー)9(キュー、チュー)

「だから“マンズ”の1はイーマン(イーワン)と言う」

ご丁寧な説明をしてくれるアカギ

しかし説明の仕方が気に入らない翠星石は怒る

「強調するなですぅ!」

ドスッ

翠星石はアカギに肘討ちをかます

「・・・じゃあ翠星石、この8はなんていう?」

ソーズの8を指差して言う

答えはパーソーだ

しかしソーズの8というのはわかりづらい

「なんかMとWをくっつけた感じですね」

ソーズの8をパッと見でわかる人もそう多くはないのではないだろうか

初心者にそんな事を聞くのは酷い話だ

おそらく肘討ちを根にもっているのだろう

「えっと・・・これは・・・1・・・2・・・」

竹の数を律義に数えだす翠星石

アカギは更に意地悪をする

「ククク・・・遅い、時間切れだ・・・」



「おい、そろそろ説明続けるぞ・・・聞いてるのか?」

「ふ~んだ」

翠星石はすっかりふくれてしまっていた

すっかりそっぽを向いてしまっている

「膝の上でむくれられてもな・・・ククク・・・」

そっぽを向いている翠星石に困るどころか逆に煽るアカギ

やはり悪魔・・・!

翠星石はむくれながらも話をきく

「字牌には大きくわけて二種類がある、風牌(かぜはい)と三元牌(さんげんはい)にな」

アカギが指差したのは東西南北の牌だ

「これが風牌だ、東(トン)南(ナン)西(シャー)北(ペイ)と読む」

翠星石は小声でリピートしている

トンナンシャーペートンナンシャーペーとブツブツ聞こえてくるがアカギは無視して続ける

次に指差したのは三種類の牌だ

無地の牌、旧文字の緑色の發、赤色の中

「これが三元牌だ、白(ハク、パイパン)發(ハツ)中(チュン)と読む、ちなみに同じ牌は全て4枚ずつある」

アカギはまとめに入った


?大きくわけて数牌(スーハイ)と字牌(ツーパイ)の二種類がある
?数牌にはマンズ、ソーズ、ピンズがある
?字牌には風牌と三元牌がある
?同じ牌は4枚ずつある←ここ重要


「ここまでは大丈夫か?」

翠星石は少し悩む

正直自信がないようだ

それを察したアカギは助け舟を出してやる

「まあお前の頭じゃ仕方ないか」

この煽りこそが助け舟だ、アカギ流の

「ふ、ふざけんなです!翠星石を馬鹿にすんなです!これがマンズでこれがソーズでこれがピンズで・・・」

翠星石は牌を指差しながら種類を口にした

どうやら一応全て覚えたらしい

「よくできたな」

アカギは翠星石の頭を撫でる

翠星石は自然とニヤつく顔を頑張っておさえた

どうやら撫でられるのはドールズにとって嬉しいことらしい

「ここまでは大丈夫のようだな」

この34種136牌を使って手をつくるのが麻雀だと前置きしてからアカギは説明を始める

基本は4面子(メンツ)1雀頭(アタマ、ジャントウ)だ

面子というのは大きく分けて二種類に分かれている

アカギはマンズの2・3・4をもってくる

「こういった風に数字を順番にそろえたのを順子(ジュンツ、シュンツ)という、ジュンコじゃないぞ」

本当に余計な蛇足があったがそれはおいておこう

マンズをやばい読み方した翠星石のためかもしれない

悪魔ながらも優しいのがアカギだ

「こういうのはありですか?」

翠星石が牌に伸ばしたその刹那

「8・9・1とかそういうのは無理だぞ」

アカギがそういうと翠星石は手をとめる

この先読みの良さがアカギらしい

「じゃ、じゃあこういうのは」

もう一度手を伸ばす翠星石

しかしアカギは追撃を止めない

「白をジョーカーのように扱うのも無しだぞ」

図星・・・!

翠星石の考えは完全に読まれていた・・・!

「さ、先に言うんじゃねーです!」

次にアカギは2索を3枚もってくる

「こういった風に同じ物を三つ集めた物を刻子(コーツ)という」

次にアカギは2索を1つ外す

「そしてこういった風に同じ物を二つ集めたものを対子(トイツ)という、対子は頭として扱う」

アカギの説明をまとめるとこうなる


?基本は4面子1雀頭
?面子は大きくわけて二種類
?数字を順番にしたものを順子という
?同じ種類の牌を三つ集めたものを刻子という
?9をまたいでの順子は認められない、白をジョーカーのように扱うのも認められない
?同じ牌を二つ集めたものを対子という、これを頭として扱う


「えっと・・・つ、つまりこういうことですかぁ?」

翠星石は牌をかき集める

  ___________________________  __
 │二│三│四│二│三│四│二│三│四│◎│◎│◎│伍│|伍|
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│◎│◎│◎│萬│|萬|
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ̄

「順子3つと刻子1つと頭1つ・・・できてますよね?」

紛れもないスーアンコウ単騎・・・!

アカギは突っ込むべきなのかどうか少し考える

ワシャワシャと翠星石の頭をなでる

「ああ上出来だ、思ったより賢いな」

「最初バラバラに配られる13枚をこういった形に持っていくんだ」

「え?でもこれは14枚ですよ?」

いい質問だと言ってからアカギは13枚牌を持ってくる

「これはマンズの4か7がくれば完成ってのはわかるな?」

翠星石がうなづいたのを確認してから話を続ける

「マンズの4か7を自分で引き上げたら《ツモ》相手が捨ててくれたら《ロン》と宣言して牌を倒す」

バラッ

そういってアカギは牌を倒す

「こういったあがりを和了(ホーラ)という、和了できる段階を聴牌(テンパイ)という、そこまでは大丈夫か?」

翠星石はコクコクと頷く

翠星石が理解したのを見てアカギは翠星石を抱き上げる

「まあ一気にたくさん教えてもらってもお前の頭じゃ混乱するだけだろう、一旦休憩だ」

そういって翠星石を下に降ろす

一言多いアカギに翠星石はむくれる

「しげるは翠星石を馬鹿にしすぎですぅ!翠星石はしげるが思ってるほど馬鹿じゃないですぅ!」

ギャーギャー騒いでいる翠星石をスルーしてアカギはトイレにいく

ガチャ

バタン

アカギがトイレに入ったのを確認してから翠星石は雀卓につく

翠星石は牌を持って来て健気にも復習する

「えっとコレが順子でコレが刻子でコレが頭で・・・これを四つとコレで・・・」

アカギがトイレから出てきたのを音で認知すると翠星石は椅子から飛び降りる

翠星石はベッドの上に座ってアカギを待ち構える

「しげる!さっさとお茶を・・・」

お茶をいれてきやがれです・・・と言おうとしたのだろう

しかし最後まで言うことなく言葉は途切れる

アカギの両手にあったものを見てのことだろう

「ちょ、ちょっと遅いと思ったらお茶を入れてきてたですか」

読んでいた・・・翠星石がお茶を要求してくるということを

異端の感性・・・!

卓の上の牌を見てアカギはさりげなく言う

「殊勝だな・・・」

翠星石は顔を赤くする

何を恥じる事があるのだろうか

翠星石の頭をワシャワシャと撫でる

机の上に置いてあったパンと鞄を手に取る

アカギは鞄を持ってパンを食わえて玄関に向かう

「お前が望むならいつだって教えてやるさ・・・とりあえず朝食と昼食は冷蔵庫にある菓子パンでも適当に食べといてくれ」


アカギの麻雀講座基本編 完


【馬鹿でも内気でも歳は取る】


「さすが俺だな休んでいた遅れなんて昼休みで全て取り戻しちまったぜ」

ほんの数十分で遅れを取り戻してしまった自分に感嘆するカイジ

意外にも彼は成績がいい

ノートを貸してくれた佐原にノートを返す

「ありがとよ、これでジュースでも買ってこいよ」

そういって120円を佐原に手渡す

佐原別に良いというがそれでもカイジは金を渡す

これがカイジの性分だ

どこまでも義理堅いのがカイジだ

去り際にカイジは後ろに手を振る

「恩にきるぜホント」

人間なら歳は取る

どんな馬鹿でも15年生きていたら15歳

それは大統領が変わっても変わらないことだ

つまり気弱で中3に見えないやつでも15年生きていたら中3だ

「・・・というわけなんだ」

「そうか、そいつらの名前は?」

男はぽきぽきと間接を鳴らす

間接を鳴らす男に半泣きになりながら話しているのはこの前の男

アカギ達にしぼられた気の弱い男だ

間接ならしている男は友人だろう

リーダー格らしい男はかっこつけた声で言う

「その調子こいた1年2人を放課後しめるぞ、6人がかりなら確実に勝てる、まあお前は戦力外だから実質5人だが」

「麻雀はやめとこうか・・・早く帰らないと水銀燈が・・・」

放課後さっさとカイジは帰路につくことにした

靴箱で靴を履き替えているときに何やらもめているのが目にとまった

「ん?」

どうやら3年生が1年生に手を出しているようだ

カイジはこういう輩が大嫌いなのだ

一人じゃ何もできないくせに集団で暴れて・・・

暴力で全て解決という考え自体がきにくわない

「(しかしこんな目立つところで暴力って・・・まあここの教師どもは虐めぐらいじゃ動かないしな)」

「って・・・アレは・・・」

カイジが目につけたのは白髪の1年生だ

次に目に入ったのは青色の髪をした1年生だ

こんなペアは世界中捜したって3組とないかもしれない

アカギ&零だ

「さぁコイツから奪った金全部返してもらうか」

リーダー格の男はぽきぽきと間接をならす

「何とかいえやコラァ!」

何というDQN・・・!

圧倒的DQN・・・!

社会のクズ・・・!

「ククク・・・まるで白痴だな」

白痴の意味は分からないがぶちぎれるDQN

手加減抜きでアカギに殴りかかる

カイジは思考より先に体が動いていた

ゲシッ

殴りかかろうとしていたDQNのリーダーを横から膝蹴りでぶっとばす

ズシャー

リーダーは土の上を滑りながらぶっとぶ

これはかなり痛いだろう、腕の一つでもすりむいたかもしれない

突然現れた2年生の男に困惑するDQNグループ

リーダーは半泣きで立ち上がる

仲間がリーダーの下にかけつける

同時にカイジもアカギの下にかけつける

「アカギ・・・!大丈夫か?怪我ないか?生きてるか?」

「零も大丈夫か?」

どっちかといえばDQNのリーダーの方が心配である

本当にDQNどもが自分の強さに誇りを持っているなら今すぐにでもかかってくる

が・・・

かかってくるわけがない

所詮口だけ・・・

喧嘩といってもそれは殴り返してこない相手に限る

少し殴られればすぐに怯む

所詮凡夫・・・!

しかし歳下相手とだけあって口だけは達者である

「二年の癖に生意気な事してんじゃ・・・」

怒鳴りつけようとした男をカイジは睨みつける

「生意気な・・・なま・・・生意気な事を・・・し、しないでください」

完全にビビリ腐っているDQNグループ

飛び蹴りをくらったせいですっかり威勢がなくなっている

しかしDQNは数が多ければその分偉そうになるものである

加えてDQNにはDQN仲間が沢山いる

カイジはDQNグループの一人がいなくなっているのに遅まきながら気付く

しかしそんなことはどうでもいい

どうせ脅えて逃げたのだろう

アカギ達に暴力をふろうとしていたDQNグループに向かってカイジは怒鳴りつける

「何があったか知らないが暴力で解決すればいいと思ってんじゃねえ!恥を知れ!」

泣きながらコクコクとうなづくDQNグループ

これで丸く収まったとカイジは一安心する、カイジも暴力はできる限りふりたくない

その時DQNグループの中の内気なヤツが戻って来る

戻って来るだけならいいのだが・・・何とバットを持って戻ってきたのだ・・・!

「や、ややややや、や、野球部から借りてきたよ、こここれこれで・・・」

そういって内気な男はバットを仲間に手渡す、もう少し落ち着いたほうが良い

バットを貸せといわれてバットを貸すところがDQNっぽい

この上ない雑魚でも武器を持てば急に変わってしまう

「おい二年坊主!上下関係を思い知れぇ!」

さすがにバットはまずいとカイジは思わず後ずさりをする(ドン引き的な意味で

その時アカギが前に出る

「ア、アカギ?」

カイジよりも前に出るアカギ

まるで自分が戦うといわんばかりの態度だ

「さ、下がってろよ!あぶねぇぞ!ああいう社会の典型的なクズは!」

カイジはアカギの両肩を後ろから掴んで引き止める

しかしアカギは無言で立っている

DQNは躊躇なくバットをアカギに振りかざす

フワッ

アカギは何事もなかったかのようにかわし拳を後ろに引く

バキッ

アカギの右ストレートがDQNの右頬を打ち抜く

「ヒッ・・・!」

鼻血まみれで倒れたDQNに気を取られた内気な男の顔面をアカギは膝蹴りする

バタッ

ほんの一瞬で二人も倒してしまったアカギ

アカギが無言で睨むとDQN達は泣きながら土下座をする

「うすら・・・殺すぞ・・・むかつくんだよ・・・」

アカギの泣く子も黙る冷め切った声にDQN達はびくびくする

DQNに限らずカイジと零もゾクゾクしている

まるで虎・・・!

圧倒的威圧感・・・!

まるで心臓を冷えた手で握られているような感じ・・・!

アカギは無言でDQN達の横を通り帰路につく

少し呆けた顔をしてから零とカイジはアカギを追っかける

DQN達はしりもちをついた体勢でただただそれを見送っていた

「いやぁ驚いたぜアカギ、お前があんなに強いとは」

カイジは少し声のトーンを無意識に上げてしまっている

あんな凄い光景を見た後だから無理はないだろう

アカギはただただ無言で歩く

カイジは右にいる零の方を向いて言わなくてもいい事を言う

「しかし零、お前の空気っぷりに俺は呆気をとられたぞ」


馬鹿でも内気でも歳は取る編 完



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水銀燈「ギャンブルぅ?」 似た者同士編

2009年06月03日 03:37

水銀燈「ギャンブルぅ?」新たな出会いetc

32 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE :2009/05/29(金) 17:41:29.40 ID:GxlRFsFS0

【似た者同士】


チュンチュン

小鳥のさえずりが響き渡る

朝の陽射し、小鳥のさえずり

この二つの符号が意味するのは二つ・・・!

新たな朝・・・!

ユサユサ

まだ気持ちよく眠っているカイジを揺する水銀燈

「さっさとおきなさぁい」

カイジはうなりながら逆方向に転がる

「後五分・・・と三時間・・・」

そういって布団にもぐる

全くおきようとしないカイジに業を煮やした水銀燈

部屋の端から端を行ったり来たりしながら妙案を考えていた

「仕方ないわねぇ」

ガバッ

水銀燈は勢い良く布団をめくる

すると必然的にカイジの顔が現れる

カイジの寝顔を見てから水銀燈はニィッと笑う

パチニ

カイジの頬を勢いよくビンタする

「あひゃ?!」

カイジは目を覚ます

視界がぼぉ~っとするが叩かれたせいではなかろう

カイジは目をこすって水銀燈の顔を見る

「何だ夢か・・・」

そういってもう一度布団をかぶる

どうやらまだ目が覚めていないようだ、もう一発いこうかと水銀燈は考える

ちょっとやそっとじゃおきそうにないカイジ、そもそも時間が時間である

「さすがに5時は早すぎたかしらぁ?」

いつもより早く目が覚めてしまった水銀燈

二度寝するにできずカイジに相手をしてもらうと奮闘中だ

「さっさと起きなさぁい、この寝ぼすけさぁん」

ユサユサとカイジを揺する

すると効果があったのかカイジにも反応が見られる

「う~~ん・・・やめろ・・・死にたくない・・・やめろ・・・やめ・・・うわ・・・何を・・・」

どんな夢を見ているのだろうか、水銀燈は少し引いてしまう

水銀燈はキョロキョロとあたりを見渡す

目に入ったのはカイジの机の下にある箱だ

あそこに何かあると水銀燈は直感する

箱を引きずり出して中身を出す

ごまだれ~~~♪

今のでゼルダの伝説の宝箱を開ける音が脳内再生された人は挙手してほしい

中にあったのはサイコロや麻雀牌、トランプや人生ゲームなど色々と玩具がある

「あらぁ?たくさん遊び道具があるじゃなぁい」

トランプを片手にカイジを起こす作業に戻る水銀燈

これでカイジと遊びたいらしい

そんな理由で5時にたたき起こされるカイジは可哀想だが羨ましい

水銀燈はまず布団からカイジを追い出す方法を考えた

雑巾を絞るように考え尽くす

その時水銀燈に画期的閃き・・・!

画期的は画期的だが実用性は感じられない

寒いから布団にもぐる=暑くすれば出てくる

アホの子の発想・・・!

「そうと決まればこの部屋を暖めるわぁ」

扇風機のような暖房器具を発見する

扇風機のプロペラをとったような感じだ

スイッチを入れると熱風が出てくるという代物だ

続いてエアコン

極限まで暑くする

続いてもう一つ大きな布団をかける

これはたまらない・・・!すぐにでも出たくなる・・・!

しかし決定打にかける気がした水銀燈

そんな水銀燈に画期的閃き・・・!

「そうだわぁ、私も一緒に入ればいいのよぉ!そうすればもっと暑くなるわぁ」

カイジの布団に忍び入る水銀燈

まだ起きないカイジもカイジである

水銀燈は布団に潜り込んでカイジに抱きつく

「あぁ・・・暑いわ・・・もうだめぇ」

考案者の水銀燈が早くもダウンしてしまう

水銀燈はせっせと布団から這い出る

「難しいわねぇ・・・次はどうしようかしらぁ」

水銀燈は顎に手を当てて考え込む

「頼むからもう何もしないでくれ」

不意にカイジに声をかけられて水銀燈はビクッとする

どうやら今ので起きたらしい

ここまですればそりゃ起きてしまうだろう

カイジはだるそうに暖房器具の電源を切る

「何やってんだよ・・・こんなに早く起こしやがって・・・」

カイジは大欠伸をする

できればもう一眠りしたいところだがそれは無理だと予感していた

それが許されるような空気じゃないというのは分かっていた

水銀燈はやっと起きてくれたカイジに嬉しそうな顔で飛びつく

「やっと起きたわねぇこのダメ人間!暇を持て余してるだろうから遊んであげるわぁ、感謝しなさぁい」

カイジは水銀燈の態度を見て全てを悟る

水銀燈はいつもより早く起きてしまった

二度寝しようとしたができなかった

暇だからカイジに遊んで欲しいと思いカイジを起こすために暖房器具をつけた

右手にあるトランプや荒らされた玩具箱が全てを語っている

大体暇を持て余してるとか何とか言っているが寝ているのに暇も何もないだろう

健気な水銀燈に対して怒る気になれないカイジ

ここは一つ水銀燈に気を使ってやることにする

「そうか、じゃあちょっと遊んでくれよ」

カイジはそういってティッシュを手にとる

別にやらしい事をするわけじゃない、鼻をかむだけだ

カイジは鼻をかんだティッシュを捨てようとゴミ箱を見た時少し呆然とする

大量のヤクルトの容器・・・!

中身は勿論カラだ、カラじゃなけりゃ殴っている

「おいおい・・・いくらなんでも飲みすぎだろう」

カイジはためいきをつく

最近ためいきばかりなので注意しようと心がけながら水銀燈を見る

水銀燈は顔を赤くして何か弁明している

カイジはそれを無視してトイレに行く

カイジはトイレに続く廊下を歩きながらつぶやく

「3袋買っておいて正解だったな・・・2日で1袋とは中々やるな・・・今日も買いに行くか・・・」

トイレから戻ると水銀燈が申し訳なさそうな顔をしている

ヤクルトぐらいで何罪悪感を感じてるのだろうか

「ごめんなさぁい・・・」

水銀燈はか細い声で謝る

何もそこまで反省しなくてもいいだろう

そこまでされると何かこっちが悪い事をしている気になってくる

カイジは焦りながらも笑顔をつくる

「おいおい何て顔してんだよ、お前が飲むために買ったんだから別に気に病む事はねえよ」

これは嘘ではない

水銀燈のために買ってきたものだからたくさん飲む事は別に悪くない

「ただ飲みすぎってのも体にあんまりいいと思わないしな、まあ一日3本ぐらいにしとこうな」

さすがに2日で11本は飲みすぎだ

それだけは言っておくカイジ

別に怒っていないカイジを見て水銀燈は安堵する

いい人間に拾われたとつくづく思う

どこまでもお人好しな男

それが伊藤カイジ・・・!

「さてと・・・何にする?トランプ?花札?麻雀?」

箱をあさるカイジ、するとなにやら見つけた様子

カイジが取り出したのはUNOだ

「これも賭ける物が大きければ震えるほど面白いぞ・・・」

水銀燈は嬉しそうにトランプを取り出す

この顔を見ていると何か微笑ましく思える

「ポーカー?ブラックジャック?それともババ抜き?」

水銀燈に選択権を与えるカイジ

しかし二人でトランプというのもどうかと思う

大富豪なんて相手の手札が全てわかってしまうので面白みに欠ける

ポーカーは何かをかければ面白いかもしれない

「そうねぇ・・・じゃあシンプルにババ抜きにしなぁい?」

それでいいとカイジは肯定する

内心じゃポーカーが良かったと思っているのは秘密だ

二人でババ抜きというのはあまり面白いと思わない

いや、二人じゃなくともババ抜き自体そんなに面白い物じゃないと思う

が・・・

本当にそうか?

水銀燈と二人でやったらそれなりに面白いのでは?

どこまでポーカーフェイスを装えるか

これは凄く見ものである

「フフッ・・・公立カステール・・・じゃなくて凍りつかせやるよ」

どこをどうかんだのか知らないがカイジは勝つ自信があった

今まで勝利を収めてきた自分がこんなアホの子に負けるはずがないという確信が

配られたカードを見て水銀燈は嘆く

「あらぁ、最初からババなんて幸先が悪いわぁ」

ババを持っているということをばらせるのは二人だからである

二人なら言わずともどちらがババを持っているか分かる

そんな水銀燈に対してカイジはつぶやくように言う

「ババだからな・・・そりゃババもくるわ」

この静けた部屋じゃ小声も無意味、丸聞こえである

水銀燈は12本目のカラのヤクルトの容器を投げつける

カイジが許可してくれてるとはいえもう少し遠慮してもよさそうなのだが

「おいおい、ちょっと中身残ってたぞ」

カイジは顔についてしまったヤクルトをぬぐう

勝負が始まる前にカイジは悪戯っぽい笑顔で水銀燈に提案する

「普通にやっても面白くないよな?負けたらバツゲームにしないか?」



「しげる!さっさと起きるです!」

翠星石はアカギを揺さぶって起こそうとする

しかし一向に起きる気配がない

無理もないだろう、まだ午前五時である

こんな時間に起きる物好きも中々いない

「こうなったら・・・」

翠星石は黒い笑みを浮かべる

性悪という形容がぴったりである

翠星石は思い切り高く飛ぶ

そしてアカギにプレス・・・

するはずが・・・

ドスッ

アカギは寝返りで翠星石のヒップドロップをかわす

異端の感性・・・! 眠っていようが敏感・・・!

「むぅ・・・ホントは起きてるんじゃないですか?」



「あぁ~また負けちゃったわぁ」

水銀燈は残ったババを放り投げて寝転がる

煮るなり焼くなりしろといわんばかりに両手を広げて寝転がっている

「さぁきっちりと受けてもらうぜ、四本目」

カイジは手に持っている洗濯バサミをカチカチする

水銀燈は覚悟を決めたかのように目を思い切りつぶって動かない

既に頬に三つ洗濯バサミがついている

「じゃあ・・・次はまぶたでもいくか」

覚悟を決めていた水銀燈もこの一言で覚悟が崩れる

水銀燈は目をぱっちりと開いて飛び起きる

「ハハッ、冗談だってば」

そういって水銀燈を抱き寄せて頭に手を置いて顔を固定

水銀燈は目を思い切りつぶる

カイジはフフッと短く笑い洗濯バサミを水銀燈の顔の前にもってくる

「体の一部だったらどこでもいいんだよな?」


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/29(金) 18:10:23.78 ID:DAnBgjfm0
アリスゲームと聞いて・・・・
すぐある予感が走った・・・・
この勝負運否天賦じゃない・・・・・・
おそらくは・・・・・・愚図が堕ちていく・・・・・
勝つのは 智略に走り
他人を出し抜ける者・・・・・・!




「後でもめるのはいやだから確認するぞ、体の一部だったらどこでもいいんだよな?」

カイジは洗濯バサミをつける前にルールを確認する

この悪魔っぽい声に水銀燈はいっそう強く目をつぶる

「アンタが決めたルールじゃなぁい、早くしなさぁいこのお馬鹿さぁん!手加減は無用よぉ!」

カイジは胸のあたりを触る

「この辺か?それともこの辺か?」

水銀燈は目を思い切りつぶり歯を噛締める

「さ、さ、さ、さっさとしなさぁい、この変態人間!」



「イーヒッヒ、これでどうですかぁ?ヒヒヒ」

翠星石は性悪満開の笑みでアカギに近づく

右手に持っているのは油性マジック

寝ているアカギに落書きするなど造作もない

そう思っていたが・・・

「しげる~カッコよくしてやるですよぉ、ヒヒヒ」

そう言って顔を落書きしようとしたその刹那

ピンッ

「あたっ」

落書きをしようとした翠星石はデコピンをくらう

翠星石はデコをさすりながら涙目でアカギに怒鳴りつける

「ふ、不意討ちなんて卑怯ですぅ!」

アカギは体を起こしてあぐらをかく

そしていつもの奇妙な笑い方をする

「ククク・・・人のことを言えるかな・・・」

翠星石は言葉につまる

言い返すことができない

アカギの言う事は正論

言い返せというのが無理な話だ

言い返すことができない翠星石は話をそらす

「さ、さっさと着替えるですぅ!」



「遠慮は無用か・・・フフッ・・・じゃあ遠慮なくいくぜ」

カイジがそういうと水銀燈は更に目を強くつぶる、カイジは人を煽る才能があるのではないだろうか

洗濯バサミが水銀燈をはさむ

痛みがしない水銀燈は不審に思いつつも恐る恐る目を開ける

「体の一部なら髪でもいいよな?」

そういわれて水銀燈は自分の髪を見る、洗濯バサミは顔ではなく髪についている

道理で痛くないわけである

「まあ髪は女の命っていうし・・・遠慮なくいかせてもらったぜ」

これがカイジなりの気遣いだ

実をいうと水銀燈は洗濯バサミをつけるたびに涙目になっていた

しかし意地っ張りの水銀燈は【つけない】という選択肢を認めてくれない

それなら痛くないように髪につけてやる

これは一切ルールに反していない

合法ながらも優しいというのがカイジ・・・異端のお人好し・・・!

「こ、このお馬鹿さぁん、髪に洗濯バサミをつけた罪は重いわぁ」

水銀燈は顔についている洗濯バサミを全て取り玩具箱をあさる

カイジをを倒すには何がうってつけか探す

カイジ的には二度寝したい気分だ

しかし水銀燈の真面目な顔を見ていると寝かしてくれなどと言えるわけがない

「あらぁ?なぁにこれぇ?」

水銀燈はダンボールから大きな箱を取り出す

箱にはダブルクインテットと書いてある

「ああ、それは将棋やらチェスやら10種類のボードゲームが入ってるヤツだよ」

今なら1980円のお買い得品

水銀燈はそれを聞いてニヤリとする

1980円と聞いてニヤリとしたわけではない、ボードゲームと聞いてだ

水銀燈はボードゲームにただならぬ自信があった

「それならリバーシ(オセロ)にしましょう」

水銀燈が提案したのはリバーシ

最後の最後までわからない逆転勝負

水銀燈は事リバーシにいたっては自信があった

見誤る・・・!

カイジ相手に「逆転」を趣旨とした勝負がどれほど危険か・・・という事を見誤る

カイジは箱から何かを取り出し勝負を受ける

「いいぜ・・・負けたほうはコレでどうだ?」

カイジの取り出したのはフグのストラップだ

水銀燈にフグのストラップを渡す

「なぁにこれぇ?」

カイジは笑いをこらえながら水銀燈にいう

「そこに、す、スイッチがあるから入れてみな」

少し笑ってしまったが水銀燈には気付かれていない

水銀燈はスイッチを見つけるとスイッチを押す

ビリッ

「っ!」

水銀燈に電流走る・・・!

水銀燈は思わずフグのストラップを放してしまう

「どうだ?負けたらコレを2秒間ってのは」

軽い電流の走るフグのストラップ

何故にフグなのだろうか

カイジはククッと短く笑う

水銀燈は電流の不意討ちに怒る

失態を晒してしまったためかヤケになってしまう

2秒という提案を受け入れようとしない水銀燈

足りない・・・2秒じゃ・・・

水銀燈は手を開いてカイジに突き出す

「望むところよぉ!2秒なんて手ぬるいわぁ、5秒よ5秒!」


ざわ・・・ざわ・・・


水銀燈無法の倍プッシュ

正確に言うと2,5倍プッシュだ

無法の5秒・・・!

「オイオイ、それはさすがに・・・」

カイジはさすがにそれだけは呑めなかった

5秒間これを握るのは正直言ってきつい

せいぜい1~3秒ぐらいだろう

勝負を受けようとしないカイジを水銀燈は煽る

「へぇ勝つ自信がないんだぁ」

無論水銀燈もこの条件を受けるのは厳しかった

しかしそれはカイジも同じ・・・!圧倒的に同じ・・・!

それなら無茶な条件でカイジをおろしてしまえばいい

「違う、勘違いするなよ、負けるのが怖いんじゃない、死ぬのが怖いんじゃない、無意味な死はゴメンだといってるんだ」

カイジは言い訳モードに入る

「そりゃ大局的に見たら俺が勝つ・・・しかしどんなに低い確率でも0ではない」

必死すぎるカイジを見て水銀燈は呆れ返る

情けない物を見るような目で見られていることに気付いたカイジは言い訳をやめる

カイジも水銀燈と同様にヤケになる

「フンッ、いいだろ受けてやるよ・・・5秒勝負・・・!」



「キ~~~!また負けたですぅ!」

翠星石はトランプを投げ出す、もうちょっと丁寧に扱ってほしいものだ

ポーカーで時間を潰そうとしたのだがことごとく負けている翠星石

勝ったときに限ってベットが低い

あの時もう少し張っていれば・・・というギャンブルをするにあたって陥りやすい思考に陥っている

「さっさとお茶を入れてきやがれです!」

負けた翠星石は不機嫌そうにトランプをしまう

アカギがお茶を入れている間に部屋をあさる翠星石、こういう友達はたまにいる

翠星石はベッドの下の引き出しを開ける

「何ですかコレ?」

翠星石が見つけたのは黒い鞄のようなものだ

形は長方形、結構分厚い

翠星石は持ち上げようとしたが意外と重い

「ん~~~重いですぅ・・・」

翠星石はケースをやっとの事で引き出しからだす

ふぅ・・・と息をつきながら足で引き出しをしめる、手でしめないところが翠星石らしい

ボタンのようなものがあったのでそれを外す、勝手にこんなことしていいのだろうか

鞄のようなものを開くとそこにあったのは変な絵の描かれたタイルのようなものだ

「これは何ですか・・・?」

律義に紅茶を持ってくるアカギ

こんな小さな人形に顎で使われているのもどうかと思う

「しげる、これなんですかぁ?」

アカギは紅茶を机に置いてからあぐらをかく

勝手にあさるなよと心の中で叱咤してから答えてやる

「ああ・・・これは麻雀牌だ」

麻雀牌というのは文字通り麻雀の牌だ、そのまんまとか言わない

144枚の牌と点棒、起親マークやサイコロが入っている

そりゃあ重いわけだ

「麻雀牌・・・?」

どうやら名前すら聞いた事すらないらしい

翠星石には優しいアカギは簡潔に説明してやる

簡潔すぎる説明だが一応理解したらしい

「その麻雀っていう遊びをする時に使うんですね?」

アカギは小さく頷く

翠星石はまじまじと麻雀牌を見つめる

どうやら興味がわいたらしい

小さな子供が新しいおもちゃをみるような目だ

目を輝かせてアカギに頼む

「しげる!麻雀ってヤツを翠星石に教えるです!」




「ね、ねぇカイジ?本当にこれやらなきゃいけないのぉ?」

水銀燈は脅えた声でカイジに聞く

お察しの通り水銀燈は見事に負けた

序盤は圧倒的優位に立っていたが中盤から後半にかけてカイジが逆転劇を繰り広げたのだ

水銀燈はフグのストラップを恐る恐る手にとる

目をつぶり深呼吸をして覚悟を決めようとする水銀燈

「別にやらなくてもいいって」

カイジは水銀燈からフグのストラップを取り上げる

カイジの好意を素直にうけとれない水銀燈は赤面しながらもカイジを叱咤する

「こ、このお・・・」

「お馬鹿さぁんってか?」

カイジ無法の先取り・・・!

今言わんとしたセリフを奪われた水銀燈は戸惑う

「しかし水銀燈は序盤の攻めが凄いな」

何故かやらしく聞こえるのはどうしてだろう

しかしオセロでは序盤の攻めがどうこうよりも中盤以降が肝心である

最初の譲歩は毒針・・・! 譲歩という地雷原・・・!

「じゃあな、俺は後一時間ぐらいで学校だから寝るわ」

そう言ってカイジはベッドに戻る

「・・・?不登校になったんじゃなかったのぉ?」

カイジは返事をしようとしない
水銀燈は膨れて鞄に入り寝た
カイジは鞄が閉まる音を聞いてから体を起こし鞄を見つめる

「ありがとよ水銀燈、お前と話してたら学校に行く勇気が出たよ」

小さくそう言い学校に行く準備をする
教科書を鞄につめてから欠伸をする

「もう寝る時間もないけどまぁ横になるだけなろうか」

そういってカイジは横になる
鞄の中で水銀燈はつぶやく

「何よぉ・・・お礼なら面と向かって言いなさいよぉ」


__________________________



「まあ暇だしいいだろう」

アカギはそういい雀卓をもってくる
全自動はもっていないらしく手積みのヤツだ

「お前の頭でも理解できるように教えてやるよ」

そういってアカギは牌を全て表向けに出す

「お前の頭ってのは余計ですぅ!」


似た者同士編 完



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水銀燈「ギャンブルぅ?」 新たな出会い編

2009年06月02日 22:55

水銀燈「ギャンブルぅ?」新たな出会いetc

1 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE :2009/05/29(金) 16:49:41.86 ID:GxlRFsFS0

前回までのあらすじ
火事場の馬鹿力的豪運で勝ちをせしめてきたカイジ
しかし麻雀初心者のアカギに徹底的に潰されて不登校になってしまう
突如現れた鞄
そこから出てきたのは西洋人形
カイジは胸やらスカートやらをいじってからネジを巻く
すると突然人形が動き出す
人形の名は【水銀燈】
わけのわからぬ内に姉妹喧嘩に巻き込まれてしまったカイジ
カイジと水銀燈の同居生活が始まる・・・!


前スレ http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1243158094/


【新たな出会い】


「喉が渇いたわぁ、ヤクルトを出しなさぁい」

出会ったばかりなのに傲慢な水銀燈

そもそも人形が飲んだりする必要があるのだろうか

カイジは頭をぼりぼりと掻く

「ないわよぉ、そんなものぉ」

水銀燈の口調を真似て拒否する

ヤクルトがないと聞くなり水銀燈は怒り出す

バニッ

机を思い切り叩きカイジを叱咤する

「何なのよぉ!信じられないわぁ!ヤクルトの無い家なんてどこにあるのよぉ!」

しばし沈黙が流れる

カイジは少し呆けた顔をする

「(何言ってるんだコイツは・・・?)」

水銀燈はガミガミとカイジを叱咤する

「大体貴方はおかしいのよぉ!」

おかしいのはお前だ・・・!

といいたくなったがカイジは自重する

水銀燈の説教を聞き流しながらカイジは自分自身に感心する

「(喋る人形にもうなれちまうなんて・・・俺って意外と神経太いかも・・・)」

本当に神経が太いなら不登校にならないと思うが

話を聞いていないのを悟られたのか水銀燈は机の上に体を乗り出す

水銀燈はカイジの殺人的顎をなでる

「人の話はちゃんと聞きなさぁい、お馬鹿さぁん」

お前は人と呼べる存在なのか

これも自重するカイジ

触らぬ神になんとやら・・・というヤツである

とりあえずカイジは水銀燈をなだめる

「まあ落ち着いて話を聞けよ」

「そもそも金がないんだよ・・・」

これは紛れもない事実である

前回アカギにことごとくしぼられてしまったのだ

そりゃあ一応生活費ぐらいはある

しかし自分が使える金・・・いわゆる小遣いはすっからかん、実を言うと生活費も少し削られてしまった

そのことを水銀燈に説明するカイジ

しかし水銀燈は端から信じようとしなかった

「貴方も下手な嘘をつくのねぇ・・・こんな高そうなPCや高そうなTVや色々あるのに貧乏なんて・・・」

水銀燈の言う事はもっともである

カイジの身の回りにあるものは基本的に高級品だ

今まで高レートのギャンブルを乗り越えてきたカイジ

持ち前の強運で宝くじで30万を当てた事だってある

それは新しいPC等で消えてしまったが

「ククク・・・中々めざといじゃないか・・・思ったより馬鹿じゃないな」

「さぁ貴方の嘘は見抜いたわよぉ、さっさとヤクルトを買ってきなさぁい」

急にやってきた呪い人形に何故そこまで偉そうにされなきゃならないのだろうか

カイジは頭をぼりぼりと掻く

カイジは両手を広げて弁明する

この弁明を福本弁明という

福本作品を見返してみよう、皆何か言う時は両手をひろげている

「恥ずかしい話巻き上げられたんだよ・・・初心者に麻雀でな・・・」

そういってカイジは寝転がる

思い出すのも嫌になってくる話だ

何で西洋人形にこんなことを話さねばならんのだろう

しかし水銀燈はそれでも信じようとしない

「おかしいわねぇ、そんなギャンブル音痴がこんなに色んなものを買える程勝ちつづけてきたなんて」

ギャンブル音痴とは聞き捨てならない、これでも強い方だ

カイジは歯軋りをする

「フン・・・お前だってアイツと打てば分かるさ、アイツの悪魔性をな・・・」

それを聞くと水銀燈はクスクスと笑う

カイジは不覚にも可愛いと思ってしまう

「へぇ、中々可愛い顔して笑えるじゃないか」

その言葉を聞いて水銀燈は顔を赤くする

何か言い返してきそうだったがカイジが先に喋って言葉を遮る

「じゃあな、留守番たのむわよぉ」

少し水銀燈の口調を真似てみた、正直こんな事をされると殴りたくなる

しかしこれはどう考えても不自然・・・!

カイジは立ち上がって買い物の支度をする

急に留守番を頼まれた水銀燈は焦り始める

「ちょ、ちょっとぉ、どこいくのよぉ?」

カイジはその質問には答えずに玄関まで歩いていく

水銀燈はチョコチョコとカイジを追いかける

カイジは水銀燈風に返す

「大丈夫よぉ、ただの昼飯の買い物よぉ」

学校を休んだからあまり外には出たくない

それに昼食の食材ならちゃんと買いだめしてある

特に買いに行く必要なんてない

彼の本当の目的は・・・決まっている

水銀燈の欲しがったアレを買いに行くに決まっている

「ケッ・・・いつの間にこんなお人好しになったんだ?俺は・・・」

カイジは独り言をもらす

カイジはまたためいきをつく

若い身空でこんなにためいきばかりついていていいものなのだろうか

カイジは近所のスーパーで例のものを買い求める

水銀燈のために11本入りを3つ

今月の生活費を少し削って買ってあげたのだ

今月は無駄遣いを控えようと心に決めるカイジ

「まあ俺もアイツのパンツ見たし・・・これでチャラだろ・・・そんなもんだろ人形のパンツなんて」




ジャラジャラジャラ

放課後麻雀室に集まる三人

カイジがいないので代わりにそこらへんのヤツを捕まえることにする

しかしアレだけロンロン叫んでた奴等と打ちたくはないだろう

案の定皆が断ってくる

「はぁ・・・カイジ先輩また休みだな」

零はためいきをつく

そりゃあアレだけのことがあったらこうなるのも当然だろう

しかしだからといって不登校になるとは

なんだか悪い事をした気がする

しかし当の本人、カイジを不登校にした本人は一切後ろめたさなど感じていなかった

「俺は気をつかってカイジ先輩の捨て牌でロンしないようにしてたんだけどなぁ」

そう、零は精神が崩壊しかけていたカイジに気をつかって手加減をしていたのだ

しかし天とアカギはそんな気遣い一切なかったようだ

「馬鹿だなお前、そんな事考えていちいち顔赤くしたり青くしたりしてたのか?」

静かな声で零を諭すアカギ

「相手のご機嫌伺ってたら勝負なんかできない・・・そんなの上司との接待麻雀だけにしときな」

アカギの言う事も強ち間違ってはいない

先輩相手に接待する必要なんてない

勝つか負けるかという戦場

戦場で敵に情けをかける必要なんてない

情けかけるぐらいなら初めから参加しなきゃいい

それがアカギの勝負に対する考えだ

アカギの理を皆は黙って聞いていた

「まあカイジ先輩ならくるでしょう・・・何しろ博打の申し子なんですから・・・ククク」

少し重くなった空気

天は気の弱そうな男を発見する

笑顔で気の弱そうな男を勧誘する

「まあ一緒に打ってくれや、一呼吸程度でいいからよ」

バニッバニッ

天は気の弱そうな男の背中を軽く叩く

「あの・・・一呼吸と言いますと?」

気の弱そうな男は見かけどおり気が弱いようだ

恐る恐るといった感じで天に聞いた

天は満面の笑みで答える

「まあ10半荘や20半荘ぐらい・・・かな?」

それを聞いて男は泣きそうな顔になる

これが一呼吸なら深呼吸はどうなるのだろうか

男は泣きそうな顔だったが断るに断れず強制的に入れられた

「うっ・・・うっ・・・どうして・・・どうして僕が・・・」




「あ、貴方天才よぉ!」

この世界ではヤクルトを買ってきただけで天才らしい

天才も安くなったものだ

「しかし人形がヤクルト飲むって・・・飲んだ後はどこにいくんだ?」

原作でトイレにいく描写などはなかった気がする

たまる一方ではないだろうか

「飲んだら出す、それが摂理でしょぉ?」

*原作とは違ってちゃんとトイレや風呂に行きます

「まあそれはそれとしよう、水銀燈」

カイジは急に真面目な顔になる

突然のことに水銀燈はポカンとする

「な、なによぉ」

真顔で見つめられた水銀燈は顔を赤くする

カイジは手を差し伸べて水銀燈に言う

「これからよろしくな」




「ロン・・・リーチ・・・裏3・・・満貫」

難なくこの半荘もトップを取るアカギ

本当に初心者なのかと疑問に思う

リーチのみの手が満貫になったらさすがに殴りたくなる

半荘3回で涙を流す気の弱そうな男

一呼吸を終えるまでにこの男の金はもつのだろうか

男はやめたくてもやめると言い出す勇気が出ずに困っている

そこに・・・

ギィ

アカギは椅子から立ち上がる

「俺はこの辺で・・・」

一呼吸を終えない間にアカギから戦線離脱をする

垂涎の勝負終了・・・!

男は嬉しそうに失礼する

「やっぱり虐めるならカイジ先輩じゃないと・・・」


アカギはさっさと帰路につく

彼もまたうんざりしていた

この燃えない勝負に

アカギは先程手に入れた金で缶コーヒーを一本買う

コイツは生計に困らないのではないだろうか

コーヒーを飲み終える前に家につく

無意識のうちに早歩きになっていたらしい

アカギは自宅の郵便受けをチェックする

ヒラッ

何やら紙が落ちる

アカギはゆっくりとそれを拾い上げる

そして文面を無意識のうちに読み上げる

「巻きやがれですぅ・・・?」


アカギはその紙で不恰好な紙飛行機を折る

ヒュッ

家の中で飛ばすが上手くとばない

一度ぐしゃぐしゃにしたのが悪かったのだろうか

ゲシッ

紙飛行機を取りに行こうとすると何かを蹴ってしまう

「・・・?」

そこにあったのは高級そうな鞄だ

ガチャ

アカギは吸いつけられるように鞄を開ける

「・・・?」

そこにあったのは人形

緑のドレスに茶色い髪

何となく気品がただよっている

「ふぅん・・・結構いい人形だ・・・ヤフオクに出すか」

めざといアカギはすぐにネジを発見する

勘の良いアカギはネジの穴まで発見してしまう

巻くべきだと直感したアカギ

キリッキリッコリッ

アカギは軽くニ、三回巻いてからネジを鞄に戻す

「・・・」

パチッ

人形が突然目を開ける

しかし悪魔アカギは驚いたりしない

見つめあう人形とアカギ

しばし沈黙が続く

先に痺れをきらしたのは人形の方だ

「な、なんですかぁ?もうちょっと驚きやがれですぅ!」

何とまあ乱暴な言葉遣いだろうか

見た目は気品あふれるのだが性格は性悪

性格の捻じ曲がった餓鬼が無理やり上品ぶってる感じだ

「ネジを巻いたのはお前ですかぁ?」

人形は首をかしげる

アカギ以外に誰がいるのだろうか

アカギは黙って首肯する

会話はそれっきりで沈黙が場をねじ伏せる

この空気はアレに似ている

そう、つまらないギャグを言って滑った時のような空気

「(な、何ですか?この気まずい空気は?)」

「やいトンガリ人間!さっさと名乗るですぅ!」

誰がトンガリ人間だ、と心の中で突っ込むアカギ

アカギは人形の顎をクイッとあげる

「アカギ、アカギしげるだ・・・」

アカギの据わった目に人形はビクッとする

今まで見たことがない

この状況で驚きもせずに冷静でいられた人間なんて

それ以前にここまで顎のとがった人間など見たことがない

「す、翠星石ですぅ・・・」

自信なさげに名乗る翠星石

翠星石はこの今まで出くわした事の無いタイプの人間に手間取っている

「翠星石か・・・綺麗な名だな」

その時のアカギの笑顔は悪党面だったと翠星石は語る

「し、しげる!さっさと紅茶を入れるですぅ!早くしろです!」

下の名前で呼ばれるのは何だか違和感というか歯痒い感じがする

しかし名字で呼んでくれなんて言えない

すぐなれるだろうとアカギは別段気にしなかった

アカギは無言で紅茶を入れに行く

ここまで無口な人間は見たことがない翠星石

「紅茶を入れるのはあんまり得意じゃない・・・そこは了承してくれ」

そういってアカギは翠星石に紅茶をだす

意外にも謙遜するタイプのようだ

「ま、まずかったら承知しねぇですよ」

そういって翠星石は紅茶を飲む

人形が飲食していいのかとアカギは疑問に思う

しかしそんな突込みは野暮だと思い考えない事にする

翠星石は意外と美味しい紅茶にちょっと戸惑いながら決意を固める

「本題に入るですよ」



「かくかくしかじか・・・ってわけですぅ」

説明がそこまで上手くない翠星石だがアカギ相手にはこれで十分だったらしくアカギは理解しているようだ

「なるほどね・・・ククク・・・俺の力を使うか・・・とっぽいな」

ここまで不気味な笑い方をするヤツもそうそういないと思いながら翠星石は答えを待った

断られるのが関の山だとわかっていたがそれでも心のどこかで期待している

自分に協力してくれる事を・・・

「アリスゲームか、なるほど・・・ククク・・・面白そうだ」

今の説明で面白そうだと思ったアカギに少し引く翠星石

少し戸惑いながらも聞いてみる

「で、こ、答えはどうなんですか?」

アカギは首をかしげる

「何の答えだ?」

「だ、だから契約するかどうか・・・」

アカギは翠星石の手を掴む

「何だそんなことか・・・薬指に口づけだな?」

彼にとってこの戦いは余興のようなものだ

いい暇つぶしになるとアカギは心なしか嬉しそうだった

「ほ、本当にいいんですか?」

今更ダメとか言われても困るが一応聞いておく

しかしここまですんなり契約されては少し拍子抜けだ

アカギは翠星石の頭を雑に撫でる

「よろしくな・・・ククク・・・」

この悪党面の笑顔に興味をそそられる翠星石

不覚にもドキッとしてしまう

翠星石は顔を赤くしてつぶやく

「こ、こっちこそよろしくしてやるですぅ」

アカギは自分の分の紅茶に手をつける

「ククク・・・アリスゲームか・・・こりゃ楽しめそうだ・・・」


新たな出会い編 完



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水銀燈「ギャンブルぅ?」出会い編

2009年06月01日 22:10

水銀燈「ギャンブルぅ?」出会い編

1 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE :2009/05/24(日) 18:41:34.83 ID:L7LM8Aly0

中学二年になってから三日
伊藤カイジは最悪だった
新一年の入学式以来一日たりとも学校に行っていない

「はぁ・・・」

カイジはため息をつく
学校に行きたいけど行きたくない
そんなわけのわからない心境だ
いわゆる情緒不安定という奴だろうか
正確にいうと学校に行きたいわけではない
学校の奴等と賭けをしたい
ただそれだけである
彼の趣味はギャンブル
陶酔できるギャンブルを求めている彼

しかし金がない・・・!

今まで勝ちを積み重ねてきていたので小遣いはたんまりとあった
しかし入学式の日
新入生とのギャンブルで無一文
思い出すだけでも恐ろしい
あの男はまるで悪魔
悪魔じみた強さだ

「何者なんだろうかアイツは・・・言うなれば神域の男・・・!」


―――――――――始業式の日


長ったらしい始業式も終わりさっさと帰路につこうとしたカイジ

その時不意に後ろから呼び止められた

「せ~んぱい」

先輩って自分の事だろうか、まあ自分以外いないし自分の事だろう

カイジは足をとめて振り返る

白髪・・・!

身長は意外とでかい、本当に中一だろうか

ここまで違和感の無い白髪は見たことがない

「カイジ先輩」

何故自分の名前を知っているのだろうか

そこまで自分は有名人だったのか

「誰だお前?何で俺の名前を・・・」

すると男は名乗らずに俺の名を知っている理由を答えた

「カイジ先輩は有名ですよ、博打の申し子ってね」

誰だそんな異名を流した奴は

有名といわれてもいまいち嬉しくない

だいいち自分はそんなに言うほど強くはない

まぐれ・・・まぐれで勝ってきたにすぎない

「・・・で、お前名前は?」

申し子とかいう異名の出所については触れないでおいた

どうせ俺に負けた奴等がつけたんだろう、船井とか大槻とか

ともかく名前が知りたかった

この白髪の男の名前を

「アカギ・・・アカギしげるです」

どうやらこの男の名前はアカギというらしい

そのアカギとやらが自分に何のようなのだろうか

「麻雀の面子が足りないんですよ、先輩入ってくれませんか?」

どうやら麻雀の面子集めに呼ばれたらしい

何で俺が目をつけられたのだろうか

しかしそんな事はどうでもよかった

博打の申し子という異名を知りながらも誘ってくるという事はそれなりに腕に自信があるということだろう

暇つぶしにはもってこいだ

断る理由が一切なかった

言われるがままカイジはアカギについていった

この学校には麻雀をできる施設がある

カイジもよくそこで打っている

廊下を歩きながらカイジはアカギに肝心要の事を聞いた

「それでアカギはどれくらい打ったことがあるんだ?」

勝負をするにあたってこれは肝心なことだ

経験だけでも知っていれば実力は推測できる

少なくともカイジにはそんな自信があった、どこからくるのだろう

「今回で四回目ですね・・・」

四回目・・・

なるほど四回目か

四回目・・・

・・・え?

四回目・・・?

ってことはほとんど初心者みたいなものか?

「まあそうなりますね」

正直少しがっかりした

てっきり熟練者かと思っていたのだから

初心者のくせに博打の申し子というあだ名のついた人間を誘ったのか?

麻雀はほとんど運だと思ってるんじゃないだろうな

しかしそれはそれでいい

金が楽に手に入るのだから

最近無駄遣いが激しい、臨時収入は嬉しい

麻雀室というネーミングセンスの欠片も感じられない部屋に入る

もう少し他にあったんじゃないのか?

入った途端青い髪の男が出迎える

「ああアカギやっと来たね」

見たところ一年生だろう

青い髪に白い髪

この学校もすぐに荒れるだろうな

しかしそんなことはどうだっていい、俺も長髪だし

「貴方がカイジさんですか?宇海零です、よろしくお願いします」

結構礼儀正しい奴のようだ

しかし俺ってそこまで有名なのか

それにしても零の横にいるスーパーサイヤ人みたいな髪をした男はもしかして

声がでかいし馴れ馴れしくてうざいから構いたくないが一応挨拶しておくべきだろう

「天先輩、ご無沙汰ッス」

まさか天も入るとは思いもよらない事が起きてしまった

正直天とは打ちたくなかった

負けが込むとテンホーチューレンを決めてくる

さすがにそこまでやってくると牌をぶつけたくなってくる

別室行きになってもいいから殴り倒したくなる

頭数が揃ったのを確認すると天は大きな声で火蓋をきる

「揃ったな、じゃあ始めるか!」

相変わらず声がでかいなぁ天先輩は

カイジは少し恥ずかしくなってくる

何か注目を浴びているような気がした

そりゃあこんな静かなところでこんな大声出せばそりゃ注目されるよな

サイコロのいたづらにより起親は天になった

何でこの人が起親なんだろう、幸先が悪い

しょうもない雑談をしながら打つ四人

天がやたらと五月蝿いんだがどうしよう

零は同学年みたいな感じで親しみやすい、社会適合者だな

一番口数が少ないのはアカギだ

「(上級生を誘いに来るくらいだから結構おしゃべりな奴かと思ったが・・・内気なのか?)」

カイジはアカギをチラッと見た

会話にあまり入り込もうとせずに無表情で打っている

あまり楽しそうには見えない

おそらく経験が浅いから緊張しているのだろう

それに先輩が二人もいる

緊張したっておかしくはないだろう

そんなところだろうとカイジは軽く見ていた

それにしても入学式の日も開いてるこの部屋って何なのだろうか

そもそも中学校で麻雀ってのもどうかと思う

こんなんだから青い髪と白い髪の1年が入ってくるんだよ

「(中々手の進みが早いな・・・やっぱり俺って博打の申し子なのか?)」


順は進み7順目・・・


「(おっおっおっ張ったぞ)」

カイジ、チートイツ北待ちを張る

4筒を通せば張ることができる

聴牌・・・!

カイジはチラッと左に座っている天の捨て牌を見る

見たところ張っている気配はない

序盤に無駄ヅモばかりだったというのが丸わかりである

次に右に座っている零の捨て牌を見る

捨て牌には4筒がある

つまり零には100%通る・・・・!

アカギは・・・

「(ククク・・・アカギには100%通るな・・・)」

カイジは確信していた

アカギに討ち取られることは絶対にないと

何故ならアカギは初心者

初心者は張ったら即リーというのが鉄板だ

つまり絶対に通る・・・!

タァニ

カイジ・・・打4筒

「通らばリーチ」

一度言ってみたかったらしい

しかしかっこよく決めるつもりがあっさりと失敗する

「ククク・・・通しません・・・ロン」

バラッ

アカギは牌を倒す

タンヤオピンフドラ1の4-7筒待ち・・・・!

「な、何ぃ?」

正直カイジは目を疑った

こんな事って・・・こんな事って・・・

完全に外れていた読み

初心者は即リーをしてくる

リーチをしていない=張っていない

という方程式はまるで見当違いだった

「タンピンドラ1・・・3900」

初っ端から打ち込んでしまったカイジ

幸先が悪いとはこの事だ

どうしてダマ・・・どうして

このことが腑に落ちないカイジ

「(良形の先制リーチならかけるべきじゃないのか・・・?)」

初心者のアカギがダマできたというのが腑に落ちないカイジ

その時カイジは悟った

そうか・・・そうか・・・そうか・・・!

「(コイツは中途半端な知識を持っているんだ・・・!ダマなら討ち取れるとかそんな感じの・・・!)」

きっとそうだ、そうに違いない

コイツは明らかに初心者

それは間違いない・・・!

リーチをかければ7700という手を3900に下げるんだから

両面ならリーチをかけたって問題はない・・・!

それなのにかけてこないってことは初心者・・・

それなら勝てる・・・!

次の局は勝てる・・・!

「まあ幸先は悪いがまだまだ勝負はわからないぜ」


東2局

親 カイジ ドラ 1筒

持ち点
天 25000点
カイジ 21100点
零 25000点
アカギ 28900点


大して痛くない・・・!

麻雀では1万程度の点差は大して大きくないのだ
そりゃあリードしているに越した事はない
でもこれぐらいならやすやすと逆転できる
相手が初心者なら尚更・・・!

が・・・

配牌がまるでダメ・・・!
どう転んだって高い手にはならない、それなら戦略は・・・

「(どうせ面前でいっても高い点にはならん、中の対子があるから中のみで連荘しよう)」

この局は鳴きまくるか


3順目

天・・・打6萬

「チー」

カイジ、まずは一面子をつくる


5順目

零・・・打2筒

「ポン」

二つ目の面子が完成

イーシャンテン・・・!

中・・・!
早く中来い・・・!
カイジは中がくることを祈る、必死に祈る

そんなカイジを見てアカギは小さく不気味に笑っていた

「ククク・・・」


7順目

カイジ張る・・・!

待ちは中と北のシャボだ

しかし中が来た時のみという苦しい待ちだ

もしも誰かが中の対子を握りこんでいたら出ない待ちだ

スパーァニ

カイジ・・・打5筒

「(カイジ先輩張ったな・・・)」

打牌の力強さで零はカイジの聴牌を悟る

しかし何を狙ってるのかは皆目わからない

「(クイタン・・・ってせんもあるな・・・でもあの打牌の強さからして満貫くらいは・・・)」

聴牌までは読めた零

しかし誤解・・・!

ありえぬ誤解をしてしまう

「(場に一枚もでていないドラの1筒・・・先輩は1筒の暗刻を持ってるかも・・・)」

恐れをなした零は勝負を降りる事にした

零・・・ベタオリ

順が進めど進めどカイジは和了できない

そもそも待ちが苦しいのだ

和了できないカイジを見てアカギは内心呆れていた

「(ククク・・・思ったよりも雑な打ち方だな・・・)」

そんなことに気付かないカイジは泣きそうな顔で打っていた

「(どうして和了できない・・・!?)」

カイジは思わず泣きそうになった

聴牌してから4順経っているのに和了できていない

思わず泣きたくなる

そこに・・・

持って来てしまう・・・!

「え・・・?」


ついに持って来てしまう

カイジ・・・ツモ北・・・!

 ヽ.\    \           ノ ノ ィ
   \ `'<_ ̄ `          {. ( /-─:ァ
    ,> 、_ ヽ、              \ヽ. ∠.__
.    / ./   \\| ,イ  ,.ィ      ヽヽ <
   |,イ ,   ,〃ゝ.ニ'_ー<.丿.ト、    l l  ヽ`
ヽ   |,イ __ /{ |/l,イハV「iヘヽ∧ヘ.ト、   l l トノ
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ヽヽ.   ヽ.( iひ‐'^uく<::::) o ヽ.`くr' /ト{{
 ヽ.\   l |‐||. v (^ソ )‘ー'ひ‐ヘ. Vソ.ハ.ヽ.
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フリテン・・・!

もしもこれをきればフリテン・・・!

よりによって和了できない北・・・!

「(うっ・・・うぐっ・・・がががが・・・)」

カイジは切るに切れず涙する

ここは手を変えるしかないだろう

しかし流局までそう遠くはない

手を変える前に流局、もしくは誰かに和了されてしまうかもしれない

ならば・・・!

タァニ

カイジ・・・打北

「(これでよかったはず・・・これで・・・)

カイジ、フリテン・・・!

これでツモ和了以外なくなってしまう

その同順・・・

思いもかけぬことが起きる

「リーチ」

アカギのリーチ・・・!

しかし問題はそこではない・・・!

問題なのはアカギのリーチ宣言牌だ・・・!

―――――――――――中

アカギ無法の中切りリーチ・・・!

ざわ・・・ざわ・・・

「(ぐっ・・・北を切らなければ倒せた中・・・!中でリーチだと・・・!?)」

どうしてこんな・・・

こんな理不尽な事が俺の身に・・・?

不ヅキ・・・!

ことごとく不運・・・!

犬の尻尾を踏んで1時間ぐらい追いかけられたような気分だった

カイジはこれを不運と処理していた

ここで中切りリーチという不可解さにまだ気付いていない

この事に真っ先に気付いたのは鋭い零であった

「(あ・・・?中切り・・・?手出しの・・・?は・・・?)」

おかしい

おかしすぎる

誰が考えたっておかしい

そんな牌はとっとと捨てるべきだ

特に初心者は字牌をさっさと切ってしまう

仮に初心者じゃなくともそんな無意味な牌かかえないのでは?

何故今の今までかかえていたのだ?

「(あっ・・・?ま、まさか・・・)」

零はアカギの中切りでカイジの手の内を悟る

「(カイジ先輩はおそらくフリテン・・・!それを察しての中切り・・・!そうに違いない・・・!)」

零は自分の読みを信じカイジ相手のベタオリをやめる

ここはアカギ相手にベタオリをするべきだ

カイジは聴牌しているがフリテン・・・

北を打ったところにアカギが中を打った

つまり待ちは中と北のシャボ、でも中がきたときのみ・・・という苦しい条件

それが零の読みだ

それが的中・・・!

ことごとく的中・・・!

仮に和了しても大した手ではない

それなら降りるべき

それが正常な判断・・・!

そこにカイジは持って来てしまう・・・!

カイジ・・・ツモ1筒・・・!

ドラ引き・・・!

「な・・・」

思わず声に出してしまう

ドラ・・・!

もうここまでくると降りるしかない

この最悪の状況でドラを引いたのだ

ここは戦線から離脱するべき・・・!

それが正常な判断・・・!

が・・・

カイジには圧倒的な理があった

彼得意の理が・・・!

この1筒が通るという理が・・・!

「(通る・・・これは9割通る・・・!)」

この1筒は9割通る

単騎やシャボじゃないかぎり通る・・・!

何故なら・・・!

1-4筒の両面待ちにするには2-3筒が必要だ

しかし・・・

2筒はポンしてるから3枚見えている

それに3筒も河に3枚見える

つまり1-4筒待ちは成立しにくい・・・!

この数的真理は絶対だ

通る・・・!これは通る・・・!

残り一枚ずつの2-3萬をアカギが持ってるわけない・・・!

そんな都合のいいことがあってたまるか・・・!

「(数的真理は揺るぎない・・・!)」

スパーァニ

カイジ・・・打1筒・・・!

ドラ強打・・・!

文字通り強打・・・!

「ククク・・・それです先輩・・・」

バラッ

アカギ1-4筒待ち・・・!

まさに狙い撃ち・・・!

「ぐおっ・・・なんだこの手・・・!?」

カイジは困惑する

何という手に打ち込んでしまったんだ・・・と後悔する

アカギの手は綺麗に揃っていた

「メンピン純チャン三色ドラ1・・・」

この時点で倍満・・・!


 ヽ.\    \           ノ ノ ィ
   \ `'<_ ̄ `          {. ( /-─:ァ
    ,> 、_ ヽ、              \ヽ. ∠.__
.    / ./   \\| ,イ  ,.ィ      ヽヽ <
   |,イ ,   ,〃ゝ.ニ'_ー<.丿.ト、    l l  ヽ`
ヽ   |,イ __ /{ |/l,イハV「iヘヽ∧ヘ.ト、   l l トノ
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ヽヽ.   ヽ.( iひ‐'^uく<::::) o ヽ.`くr' /ト{{
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9筒の暗刻があるからもしも裏が9筒なら三倍満・・・!

決する・・・勝負・・・!

トビッ・・・!

カイジはハコってしまう・・・!

場に沈黙が流れる

アカギは静かに裏ドラ表示牌をつかむ

カイジはドキドキしながら祈る

「(乗るな・・・!乗るな・・・乗るな・・・!)」

アカギは裏ドラを確認し終える

全員の注目はアカギに行く

特にカイジの焦った表情はたまらない

アカギは裏ドラを表むけて打ち人差し指で隠す

ざわ・・・ざわ・・・

何もじらさなくたっていいじゃないか

「裏・・・惜しい」

そういって指を離す

裏ドラ表示牌は白だ

裏に惜しいも何もない気もするがとにかく助かった

辛くも生き延びるカイジ

「ふぅ~~~」

カイジは安堵のため息をつく

が・・・

乗らなかったがそれでも倍満・・・!

16000の直取り・・・!

もはや続ける気すら失ってしまったカイジ

毒気を抜かれた状態だ


東3局

親 零 ドラ 北

持ち点
天 25000点
カイジ 5100点
零 25000点
アカギ 44900点


点差は圧倒的な物・・・!

もはやカイジに生気は感じられない

運命の配牌・・・!

「(頼む・・・頼む・・・来い・・・!好配牌・・・!)」

「いやぁ中々手が入ってるじゃないかアカギ」

天は大声で笑いながら言う

相変わらず五月蝿い人だ

配牌をとりおえてカイジは呆然とする

物凄く焦った顔だ

「(よ、よせよ・・・ちょっと・・・)」

理牌しながら焦っている

「(だ・・・だってこれとこれで・・・)」

理牌をし終えてカイジは驚愕する

まるで夢を見ているようだ

超絶幸運・・・!

「(間違いない・・・ある・・・!大三元の種の対子がある・・・!)」

ざわ・・・ざわ・・・

白-發-中対子・・・!

やった・・・!やった・・・!やった・・・!

「(有難うございます・・・神様・・・有難うございます・・・!)」

カイジは泣きながら神に礼をする

突然泣き出したカイジを見て零は唖然とする

「どうした零?早く捨ててくれよ」

泣いているカイジに気がついていない天が打牌を催促する

さすがに気付いてもよさそうなものだが

「す、すみません」


2順目

ここまでカイジは無駄ヅモ無し

まさに好調

さくさくと手が進み出している


3順目

カイジ・・・ツモ中・・・!

「(き、きたぁ~~~!)」

ポタポタポタ

涙と汗がダブルで落ちてくる

何というシュールな光景だろうか

意外にも器用な真似をする男である

大三元に一歩近づく・・・!

「(見えた・・・勝ちの目・・・!)」

中暗刻・・・!

これは大きな発展・・・!

大三元は原則として一つぐらいは暗刻にしたほうがいい

それもそうだろう、包(パオ)があるんだから

二種類の三元牌をポンしていたらさすがに残りの一種類は誰も切ってくれない

切るとしたら初心者のアカギぐらいだろう

そして零の4順目

零・・・打白・・・!

ざわ・・・ざわ・・・

「(き、きたぁ~~~!)」

カイジ・・・迷わずポン・・・!

できる・・・二つ目の刻子が・・・!

5順もたたぬ間に刻子が二つもできてしまう・・・!

恐るべき悪運・・・!

「(グフッ・・・グフッ・・・全ては流れる河の如し・・・)」

一応聴牌・・・

小三元の聴牌・・・!

待ちは3-6-9萬・・・!

6順目・・・

「あ・・・?」

自分のツモった牌を見てカイジは思わず声を出してしまう

もう少しポーカーフェイスとかそういうのはできないのか

しかし声を出してしまうのも無理はない

だって引いてしまったんだから

最後の一牌・・・發を・・・!

この段階で暗刻を二つ自分で作ってしまうカイジ

恐るべき強運、勝負運

この人が負けるわけがなあい

まさに伝説・・・!

「(有難うございます・・・神様・・・神様・・・うっ・・・)」

聴牌・・・!

しかも・・・

しかもノベタン・・・!

ノベタン待ち・・・!

4-7萬のノベタン・・・!

これは結構良い待ちだ

大三元に加えてノベタン・・・!

やはり強運・・・!

思わず感服してしまう・・・!

スパァーニ

カイジ・・・打8萬

三面待ちからノベタンになったのは痛いが大三元になった事を考えると大した痛手じゃない

「(ドベは免れる・・・グフッ・・・グフッ・・・)」


2順後・・・

零・・・打4萬・・・!

圧倒的至福・・・僥倖・・・!

き、きたぁ~~~

カイジは泣きながら宣言する

「ロン!ロン!ロンッ!その4萬ロン・・・!ロンッ!ロ、ゴホッゴホッ、ロ、ローン!」

思わずむせてしまったカイジ

天の大声に顔を赤らめてた癖に今じゃ当事者だ

周りの人が全員こっちを見ている

卓を囲んでいるメンバーは勿論第三者まで驚いている

零にいたっては空間が歪んでいる

カイジ等は聞き逃す・・・アカギの声を

「・・・・ネ・・・」

駆け巡るカイジの脳内物質・・・!

βエンドルフィン…!
チロシン…!
エンケファリン…!
バリン…!
リジン…!
乳酸菌・・・!
ロイシン…!
イソロイシン…!

「やった・・・!やった・・・!勝った・・・!勝った・・・!二位・・・!」

歓喜・・・!

生還・・・!

生還の咆哮を上げる・・・!

が・・・

「聞こえませんでしたか?伊藤カイジさん」


あまりの歓喜にアカギの声を上手く聞き取れなかった

なんだって・・・?

と聞き返す前に何が起きたか理解するハメになる

アカギは牌を倒していた・・・!

アカギ・・・4-7萬待ち・・・!

「残念・・・頭ハネです・・・」


ヽ.\    \           ノ ノ ィ
   \ `'<_ ̄ `          {. ( /-─:ァ
    ,> 、_ ヽ、              \ヽ. ∠.__
.    / ./   \\| ,イ  ,.ィ      ヽヽ <
   |,イ ,   ,〃ゝ.ニ'_ー<.丿.ト、    l l  ヽ`
ヽ   |,イ __ /{ |/l,イハV「iヘヽ∧ヘ.ト、   l l トノ
| l.   f´ _{{u〉   o レ, Vrヘ\  ソ〉、j ル'
ヽヽ.   ヽ.( iひ‐'^uく<::::) o ヽ.`くr' /ト{{
 ヽ.\   l |‐||. v (^ソ )‘ー'ひ‐ヘ. Vソ.ハ.ヽ.
─-;>、ヽ.Lニ!Lrェェミュ' J,.ィT゙「フ,ハ V  \ヽ.
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:{::::::::::::::::ノ  | ヽl_.Ll>、ヽ⊥」ノ .く. ゝ \ヽ
:ヽ::::::::::::イ  _,.>、 v -‐ヽ i-  ijv )\. ヽ.\
ー-ゝ、:_:::レi く: :/ `ー 、_ u } l  rく´{. トゝ  \ヽ


アカギ無法のタンのみ頭ハネ・・・!

ぬか喜びの反動でカイジは失神しかけている

「あが・・・あが・・・あが・・・」

夢かと見紛うような僥倖・・・

法外な僥倖・・・!

本当にあったことなのか・・・?

そう・・・まるで白昼夢・・・

今となっては夢のようだ

零は頭ハネのおかげで命拾いをした

「ふぅ・・・しかし皆注目しちゃってるよ・・・」

零は安堵と呆れの複合ため息をつく

一度で二つぶんのためいき・・・!

超お得ためいき・・・!

「カイジ先輩・・・?カイジ先輩・・・?」

呆然自失・・・!

カイジは生気を抜かれたような感じだ

まるで白痴・・・!

その後の事はよく覚えていないようだ

気付けば飛んでいた・・・

その後すぐに勝負から降りようと思ったが・・・

「待ってくださいよ先輩」

悪魔に呼び止められてしまったのだ・・・!

カイジは腑抜けた顔で振り返る

「まだまだ終わらせない・・・地獄の淵が見えるまで・・・レート倍プッシュ・・・!」

ざわ・・・ざわ・・・

今まで博打で雑魚を蹴散らしてきたカイジが初心者の申し込みを断る事ができるだろうか

できるわけがない・・・!

結局カイジは地獄の淵が見えるまで付き合うことになった

「ジュースでも買うか・・・いや、そんな大金ないや・・・」


そして現在に至るわけである

図ったかのように自分の捨て牌で和了するアカギ

面子を潰され金を搾り取られたカイジは学校に行く気がでなかった

「俺もそこまでマゾじゃねえよ・・・」

カイジは壁にかかった名言を見て涙を流す

【未来は僕等の手の中】

ポタポタと涙が畳に落ちる

カイジは立ち上がる

ポイッ

格言の書いた厚紙を壁から取り外して投げ出すカイジ

「胸糞悪い・・・!」

ヒラッ

厚紙の下から何か紙が落ちる

「あ・・・?」

カイジは紙を拾い上げる

文面は至ってシンプル

【巻きなさぁい 巻かないとジャンクにするわよぉ】

何だろうこの紙は・・・

アホの子が書いたような文面だ

「まるで白痴だな・・・何を巻くんだよ・・・」

カイジは紙をクシャクシャにしてそれで鼻をかんでゴミ箱に捨てた

やはりティッシュで鼻をかまないと鼻が痛くてたまらない

「ああ・・・どいつもこいつも・・・」


ガッ・・・!


カイジは何かにつまづいてよろめく

「あっ・・・?何だこの鞄は・・・」

そこにあったのは謎の鞄

カイジはこれにつまづいたのだ

見るからに高級そうな鞄

こんなもの買った覚えももらった覚えも盗んだ覚えもない

ということは・・・

沸いてきたのだ・・・どこからか・・・

ギィッ・・・

カイジは戸惑いながらも鞄を開ける

するとそこにあったのは・・・

「か、かわいい・・・」

そこに入っていたのは人形だ

まるで生きているよう・・・!

黒い翼に黒い服

銀色の髪に赤っぽい瞳

カイジは戸惑いながらもスカートをめくる

「一応はいているのか・・・やはり黒・・・!」

何をやっているのだコイツは

その時カイジはネジを発見する

ネジを片手に体中をいじくりまわす

「このへんか・・・?」

胸に手をやる

しかし穴は見当たらない

こういうものは大抵背中だと思うが

カイジは背中にある穴を発見する

「おっおっおっ、これか・・・」

ネジをゆっくりと回し放置してみる
カイジは少し待ってからためいきをつく

「はぁ・・・何やってんだろ俺は・・・こんな堕天使みたいな人形で遊ぶなんて・・・」

黒い羽=堕天使
それがカイジの思考というか概念

その時おもいもかけぬ事が起こる

「誰が堕天使ですって?」

「だからお前が・・・って・・・わひゃぁ!?」

目の前の人形が動き言葉を話していることに気付き驚愕するカイジ
まるで自分が殺した人間の亡霊に相対したかのような顔だ
突然動き出した人形はカイジを見て呆れだす

「何よコイツ・・・人を起こしといて・・・」

混乱&淫乱するカイジに人形はこの状況を説明する

「かくかくしかじかというわけよぉ・・・」

「まるまるうしうしというわけねぇ・・・」

口調を真似るカイジ
これは地味にむかつく
正直カイジは全く理解できなかった、薔薇乙女だのアリスゲームだの

「それでぇ・・・お前の名前はぁ?」

「水銀燈よぉ」

「何か電灯みたいな名前だなぁ」

プチン

さすがのこれには切れる水銀燈

「とりあえず眠っていたブランクを埋めようかしらぁ」

ポキッ・・・ポキッと間接をならす水銀燈
間接なんかあるのかどうかは知らないがヘタレなカイジは土下座する

「ご、ごめんなさいぃ・・・!」

新たな問題を抱えたカイジ
巻かなかったのに姉妹の争いに巻き込まれてしまう・・・!

「人間を媒体として力をもらんだけどぉ、アンタはミーディアムとして認められないわぁ」

それはありがたい・・・

誠にありがたい

このまま永劫認めないでいただきたい

「それでこれからどうするんだ?野宿でもするのか?」

「あらぁ?何いってるのぉ?お馬鹿さぁん」

正直その言い回しを聞くとそっちの方が馬鹿っぽい
しかしカイジここは自重

次の瞬間・・・

水銀燈は思いもかけぬ言葉をかける

「ここで暮すに決まってるじゃなぁい」

「な、何ぃ!?」



続く

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