2011年03月17日 17:30
【ひぐらし】雛見沢にルルーシュを閉じ込めてみた【ギアス】
443 :雛見沢住人 ◆xAulOWU2Ek :2010/05/10(月) 23:16:32 ID:8F6F4szm
【16】
Turn of Hinamizawa Village ―― Rika side
「――以上、これが僕の話したいことのすべてなのです。ぺこり」
防災倉庫のリビングにて短くない時間を費やし、ようやく魅音やスザクに私が置かれている状況を説明することができた。
一呼吸置いて周りを見回すと、皆呆然として押し黙っているのが見える。
魅音、レナ、沙都子、スザク……。やはりこんな荒唐無稽な話、簡単に信じてくれはしないか。
「信じられないのは分かりますです。でもこれは事実なのです」
……だが、こればかりは時間をかけてでも信じてもらわなくてはならない。
何故なら、これから起こる事件が私だけの命を奪うものではないと、もう私は知ってしまったのだから。
「それで、おじさんたちはどうすればいいのかな?」
説明を終えてから、魅音が初めて口を開く。彼女に倣って沙都子も言葉を発した。
「私たちに一体何が出来るというんですの?」
その言い方には僅かに私を責めるような強さがあった。
二人は怒っているのだろうか?
何に対して? もしかして私がいるせいで大量虐殺が引き起こされるから?
私が死ぬとそれに巻き込まれると知ったから?
二人にそんな目で見られているかと思うと居た堪らなくなった。私は自然と謝罪の言葉を口にしていた。
「ごめんなさい……」
「それは何に対してのごめんなのかな、かな」
レナだけはこの空気を理解して私を責めないでくれると思っていた。
けれど彼女もまた二人と同じく私をきつく見据えて詰問してくる。
仲間が周りにたくさんいるはずなのに、私は何故か孤独感を感じてしまっていた。
「それは……皆を巻き込んでしまったからなのです。そして僕が死んでしまった時、皆も犠牲になるからです」
俯き加減にレナの問いに答える私。口に出して酷く悲しい気持ちになる。
皆の罵りの言葉が聞こえてくるような気がして再び謝った。
「本当にごめんなさい。でも僕が頼れるのは皆しかいないのです……」
首を横に振るレナ。それは拒絶?
「梨花ちゃんは謝るべきだと思う」
もう謝っているのに、これ以上何を謝罪しろと言うのか……。レナが分からない。
レナの言葉を引き継ぎ、スザクが言った。
「梨花ちゃん。僕は皆とは初対面ではあるけど、皆が君の何に怒り、何に謝罪を求めてるかが分かるよ」
「それは一体何なのです……?」
「どうしてもっと早くに相談してくれなかったの? 僕には魅音たちがそう言っているように見えるよ」
「え……」
非難されても仕方がないと思っていた所に意外な答えが返ってきて、思わず唖然としてしまう。
そんな私にレナが真顔で語りかけた。
「梨花ちゃんの相談がもっと早ければ、奴らに比べたら限りなく無力に近いこんな私たちでも、今より多くの事が出来たかもしれない。逆に相談がもっと遅くなっていたなら、最悪、何もできずに私たちはただ梨花ちゃんを失っていた。理解できるよね?」
「はいです……。僕は皆の気持ちを全然考えてなかった。本当にごめんなさいなのです……」
私は自分の事を信じてもらおうと考えて、そのくせ仲間を信じることが出来ずにいた。
その私の心を責められていたのだと気づく。
「分かってくれたならいいよ。幸いまだ時間がないわけじゃないし、それに……」
そこで場の空気を仕切り直すかのように魅音が手を叩いた。
「はいはい、そこまでにしようか。まだ梨花ちゃんに最初に訊ねたことの答えを聞いてないからね」
「最初に訊ねたこと……?」
「ええ! 梨花が私たちに何をどうして欲しいかってことですわ!」
沙都子が先ほどまでの責めるような表情を一変させて、いつもの太陽のような笑顔を向けてくる。
彼女だけじゃない。見回すと他の皆も笑顔で私の答えを待っていてくれた。
「皆……。僕を、いえ私を……助けてください!」
「「当然!!」」
皆は口をそろえてその想いに答えてくれたのだった。
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443 :雛見沢住人 ◆xAulOWU2Ek :2010/05/10(月) 23:16:32 ID:8F6F4szm
【16】
Turn of Hinamizawa Village ―― Rika side
「――以上、これが僕の話したいことのすべてなのです。ぺこり」
防災倉庫のリビングにて短くない時間を費やし、ようやく魅音やスザクに私が置かれている状況を説明することができた。
一呼吸置いて周りを見回すと、皆呆然として押し黙っているのが見える。
魅音、レナ、沙都子、スザク……。やはりこんな荒唐無稽な話、簡単に信じてくれはしないか。
「信じられないのは分かりますです。でもこれは事実なのです」
……だが、こればかりは時間をかけてでも信じてもらわなくてはならない。
何故なら、これから起こる事件が私だけの命を奪うものではないと、もう私は知ってしまったのだから。
「それで、おじさんたちはどうすればいいのかな?」
説明を終えてから、魅音が初めて口を開く。彼女に倣って沙都子も言葉を発した。
「私たちに一体何が出来るというんですの?」
その言い方には僅かに私を責めるような強さがあった。
二人は怒っているのだろうか?
何に対して? もしかして私がいるせいで大量虐殺が引き起こされるから?
私が死ぬとそれに巻き込まれると知ったから?
二人にそんな目で見られているかと思うと居た堪らなくなった。私は自然と謝罪の言葉を口にしていた。
「ごめんなさい……」
「それは何に対してのごめんなのかな、かな」
レナだけはこの空気を理解して私を責めないでくれると思っていた。
けれど彼女もまた二人と同じく私をきつく見据えて詰問してくる。
仲間が周りにたくさんいるはずなのに、私は何故か孤独感を感じてしまっていた。
「それは……皆を巻き込んでしまったからなのです。そして僕が死んでしまった時、皆も犠牲になるからです」
俯き加減にレナの問いに答える私。口に出して酷く悲しい気持ちになる。
皆の罵りの言葉が聞こえてくるような気がして再び謝った。
「本当にごめんなさい。でも僕が頼れるのは皆しかいないのです……」
首を横に振るレナ。それは拒絶?
「梨花ちゃんは謝るべきだと思う」
もう謝っているのに、これ以上何を謝罪しろと言うのか……。レナが分からない。
レナの言葉を引き継ぎ、スザクが言った。
「梨花ちゃん。僕は皆とは初対面ではあるけど、皆が君の何に怒り、何に謝罪を求めてるかが分かるよ」
「それは一体何なのです……?」
「どうしてもっと早くに相談してくれなかったの? 僕には魅音たちがそう言っているように見えるよ」
「え……」
非難されても仕方がないと思っていた所に意外な答えが返ってきて、思わず唖然としてしまう。
そんな私にレナが真顔で語りかけた。
「梨花ちゃんの相談がもっと早ければ、奴らに比べたら限りなく無力に近いこんな私たちでも、今より多くの事が出来たかもしれない。逆に相談がもっと遅くなっていたなら、最悪、何もできずに私たちはただ梨花ちゃんを失っていた。理解できるよね?」
「はいです……。僕は皆の気持ちを全然考えてなかった。本当にごめんなさいなのです……」
私は自分の事を信じてもらおうと考えて、そのくせ仲間を信じることが出来ずにいた。
その私の心を責められていたのだと気づく。
「分かってくれたならいいよ。幸いまだ時間がないわけじゃないし、それに……」
そこで場の空気を仕切り直すかのように魅音が手を叩いた。
「はいはい、そこまでにしようか。まだ梨花ちゃんに最初に訊ねたことの答えを聞いてないからね」
「最初に訊ねたこと……?」
「ええ! 梨花が私たちに何をどうして欲しいかってことですわ!」
沙都子が先ほどまでの責めるような表情を一変させて、いつもの太陽のような笑顔を向けてくる。
彼女だけじゃない。見回すと他の皆も笑顔で私の答えを待っていてくれた。
「皆……。僕を、いえ私を……助けてください!」
「「当然!!」」
皆は口をそろえてその想いに答えてくれたのだった。

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