任天堂といえば、世界的に人気のあるゲームメーカーというだけでなく、「まるで神さまのようなお客さま対応」ということでも知られているのをご存知だろうか? 商売は、物を売って終わりではない。使い続けるお客さまのことを考えていかなくてはならないのだ。特にゲームは子どもたちが扱うことが多いわけで、故障や問い合わせの頻度も多い。
任天堂の神対応の体験記を書いているブログや掲示板がインターネットには多数ある。では、そのなかから伝説ともいえる任天堂のお客さまサポートをいくつか紹介していこう。
<交通事故とゲームボーイ>
1993~1994年ごろ、自転車で移動中に交通事故に遭った小学三年生の少年が入院。
事故の際、自転車のカゴに入っていたゲームボーイがアスファルトの上に叩きつけられてボロボロになったが電源を入れると、今までどおり起動することができた。
ボロボロになったゲームボーイを修理してもらおうと、少年の母親が任天堂にゲームボーイの修理を依頼。
数日後、任天堂から母親に電話があり「あまりにも(ゲームボーイの破損が)すごいことになっているから、原因を聞きたい」というので、「息子が事故にあって」と事情を話すと、任天堂は「修理費はいらない」とのことで、無償対応。
その後、少年のもとに届いたゲームボーイには手紙が添えられており、「○○君へ、車には気をつけてね。横井」と書かれていたのだった。
<人情の保障期間>
すでに保障期間が過ぎた『ニンテンドーDS』のタッチパネルが破損したので、任天堂に修理を依頼した。
「修理費が5000円以上かかる場合は連絡する」というルールらしいが、任天堂から何の連絡もなく修理後の『ニンテンドーDS』が届いたので、5000円以下だったのだと思ったら、宅配便のスタッフは代引きではなく普通の宅配便だという。
おかしいと思って箱を開けてみると、新品交換されており、さらに修理費は無料。そして送料も無料だった。
<小児病棟へのプレゼント>
4~5歳のころ、任天堂本社(京都市南区上鳥羽鉾立町)近くにある病院の小児科に入院していた幼児の体験記。
その子は、子どもだけの8人部屋に入院しており、病室には1台のスーパーファミコンが置かれていた。しかしスーパーファミコンが故障してしまい、子どもたちが騒ぐのを見かねて看護婦が任天堂に電話で修理の依頼。
「郵送で(壊れたスーパーファミコンを)送ります」と看護婦が電話で言うと、子どもたちは「なんでよ!(任天堂の会社は)すぐ近くやから来てもらおうな!」と騒ぎ出した。
その声が聞こえたのか、任天堂のスタッフは電話で「すぐに伺います」といい、たった1時間後にスーツ姿の任天堂スタッフ2人が病室を訪れ、スーパーファミコンを回収。
翌日、同じスタッフ2人によって、修理されたスーパーファミコンが手元に届いた。さらに、新作のスーパーファミコンソフトもプレゼントされたという。
<子どもの気持ちがわかるから>
小学生が持っていた、ポケモンシールをペタペタと貼りまくっている塗装がズタボロの『ニンテンドーDS』。
それを修理に出したところ、新品交換されたにもかかわらず、シールが同じ位置に貼られていた。
つまり、任天堂は修理後もできるだけ同じ状態で返却しようと、シールを定位置に貼り直したのだ。
<やさしさライセンス>
小学生のころ、『ヨッシーアイランド』のアイテムの位置がわからず、他のゲームの説明書に書かれていた任天堂の問い合わせ窓口に電話。
「今ヨッシーアイランドやってるんですけど、どうしてもフラワーが見つからないんです! どこにあるんですか?」と聞くと「ちょっと待ってください」と言われ10秒くらいたってから、親切にアイテムの場所を教えてくれた。
<遊びの天才から君へ>
小学生のころ、ファミリーコンピューター用ディスクシステムのゲームを発売日に購入したものの、すぐに破損させてしまった。
泣きべそをかきつつ説明書を読んでみると「故障したらここに連絡を」とあったので、書かれていた任天堂の電話番号に電話。
説明書には「自分の不注意で壊した場合は、送料と手数料を負担してください」とあったが、正直に「発売日に買って一週間目に自分の不注意で壊した」と話した。
「任天堂本社まで送ってください」と言われ、壊れたゲームソフトを配送。約1週間後、新品のゲームサフトが届いただけでなく、こちらが送ったときの送料、マリオのグッズ、そして宮本というスタッフからの手紙が入っていた。
手紙は直筆で書かれており、以下のようなものだった。「せっかく発売日に買って、楽しく遊んでいたのに壊れてしまって残念だね。君は小学生だからお金がないでしょう? お金が余りないなか、ゲームを購入してくれた君から修理代を取ることはできません。
今回はおじさんが直してあげるから今後は取り扱いには注意してね」。
記事元
http://internews.jp/archives/overseas/20080804_03.htmlたまにはこういう話もね