もし、種死世界に野原家がワープしたら。

2009年08月31日 23:35

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SEED-クレしん

機動戦士ガンダムSEED DESTINY(シード ディスティニー)×クレヨンしんちゃん

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ひぐらしのなくギアス

2009年08月31日 21:03


【ひぐらし】雛見沢にルルーシュを閉じ込めてみた【ギアス】

ひぐらしのなくギアス

ひぐらしのなく頃に×コードギアス 反逆のルルーシュ

アッシュフォード学園の経営が悪化し、学園を去ることになったルルーシュとナナリー。

二人はスザクの紹介でシシボネゲットー・ヒナミザワヴィレッジに移り住むことになったのだが・・・・

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ひぐらしのなくギアス その4

2009年08月31日 20:42

【ひぐらし】雛見沢にルルーシュを閉じ込めてみた【ギアス】

179 :雛見沢住人 ◆xAulOWU2Ek :2009/05/31(日) 13:00:15 ID:N0Vry+jI

【10】

 皆との話し合いの次の日。
 ナナリーの病状はだいぶ落ち着いて来た模様。もう起き上がって食事も可能だそうだ。
 しかしまだ咳き込んでいるところを見ると、風邪をぶり返す恐れもあるので学校には行かせられない。
 今日こそは学校に行くと意気込むナナリーだが大事をとって休ませるとした。
 ちなみにナナリーには沙都子の件は伝えていない。伝えても余計な心配をかけるだけだ。
 ナナリーは目が見えないし、黙っていれば気が付かれる前に沙都子の件を処理することが出来るだろう。
 無論、今日中に方を付けるつもりだ。

 まず俺たちは普段どおり学校に登校し、留美子に沙都子の現状を報告することにした。
 無論留美子に話をした程度で沙都子を助けられはしないだろうから、彼女には俺たちが沙都子を助けるために動いているということを認識してもらうだけでいい。
 皆で留美子の居る職員室に押しかける。

「――というわけです、知恵先生」
「そうだったんですか……。ナナリーさんが風邪で休んでいますから、てっきり私は沙都子ちゃんも同じ理由で休んでいるとばかり……」

 留美子は生徒の異変に気づけなかったことに酷く落ち込んでいるようだ。

「たしか、沙都子の叔父には電話で病欠って言われたんでしたね?」
「はい……私はそれを信用しきっていました。そういうことならば、すぐにでも家庭訪問をして確認を取るべきですね」

 さすが生徒想いの留美子だ。すでに事態を重く見ている。
 だが今は留美子には動いてもらいたくはない。

「すみませんが、それは止めていただきたいですね。今は下手に叔父を刺激するべきではありません」
「で、ですが今はそんな悠長なことを言っていられる状況ではありませんよ!」

 落ち着きなく声を荒らげる留美子。彼女は生徒のために何かしなくてはと躍起になっている。
 俺は声のトーンを落とし、留美子をなだめるように言った。

「そうですね、事態は一刻の猶予もありません。ですが知恵先生、生徒を大事に想うその心はとても尊敬できますが、そのように熱くなっていては適切な判断ができないと思います。ですから、この件は僕たちに任せていただけませんか」
「貴方たちに?」

 俺の提案に留美子がきょとんとして聞き返してきた。

「ええ。僕たちはすでに沙都子を叔父の手から救出する算段がついています」
「なんですって? 一体何をするつもりですか」

 留美子は俺たちが何か良からぬことを企んでいると思ったらしい。
 すかさず俺は彼女の考えを首を横に振って否定した。

「大丈夫です、知恵先生が思っているような物騒なことは考えてませんよ」
「では、どうすると言うんですか?」

 留美子は安心したのか、少しだけ表情を和らげ先を促す。
 決まっている。園崎お魎が沙都子を認めれば、村人の冷遇も自然消滅する。
 何も村人全員を説得する必要はないのだ。難しく考える必要はない。
 園崎お魎の説得、この一手ですべての障害はクリアされるのだから。

「この村の有力者、園崎お魎を味方に付けようと思います」
「え、それは一体どういうことです?」

 ん……そうか。留美子は沙都子の問題が如何に複雑なものになっているのか知らないというわけか。……よくよく考えてみればそれも当然だな。
 大切な生徒が村八分などされていると知っていたなら、留美子はすでに大騒ぎをしてこの村には居られなくなっていることだろう。
 何にせよ、沙都子の問題の裏事情を留美子に一から説明し且つ納得させるのは骨が折れる。
 それに教師という存在はここぞという時には役に立たないのだから居ても邪魔なだけだ。
 そんな無駄な時間を割く余裕は今の俺たちにはない。
 俺は留美子の疑問には応えず、一気にまくし立てた。

「そのために今日魅音の家にお邪魔しようと考えているのですが――――学校が終わってからだと遅くなりますし迷惑なので、今から訪問する許可を頂けませんか」

 俺はその返事を待つことなく、留美子の瞳を見つめて次なる言葉を紡ぎ出した。

「なに、大船に乗った気持ちで待っていてください、知恵先生。
 "貴女はただ外出の許可を出し、俺たちを見送るだけでいい"」

 歌うように紡いだ言葉にギアスをそっと乗せて。

 ――――。
 ――――――――。
 ………………。

 一瞬のタイムラグの後、留美子は再び口を開いた。

「……そうですね、北条さんの件はルルーシュくんに任せることにします。よろしくお願いしますね」
「分かりました、ありがとうございます」

 内心ほくそ笑みながら、うわべだけのお礼を言う。
 これでもうここには用はなくなった。
 踵を返して職員室を後にしようとすると、背後では魅音とレナが顔を見合わせていた。
 普段の留美子なら自分も同伴すると言い出すはずだからである。
 妙にあっけなく留美子が引き下がったので拍子抜けしているのだろう。無理もない。
 職員室を出てすぐ、

「一体どんな魔法使ったの?」

 なんて魅音が間抜け面で聞いてくるものだから、俺は笑いをこらえてこう答えてやった。

「馬鹿言うな、この世にそんなお手軽便利な力があるわけないだろう?」 

 留美子に外出の許可をもらった俺たちは大手を振って魅音の家、園崎本家に向かった。
 魅音に仲介役を頼み、本家の車寄せで待つ。
 何しろアポなしの俺たちだ。魅音には精一杯頑張ってもらわないといけないだろう。

 
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Re:バースデイ

2009年08月31日 20:31


【習作】 Re:バースデイ (魔法少女リリカルなのは A's × .hack//G.U)

Arcadia

未完結作品

魔法少女リリカルなのはA's(エース)×.hack//G.U.(ドットハックジーユー

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ひぐらしのなくギアス その3

2009年08月31日 20:14

【ひぐらし】雛見沢にルルーシュを閉じ込めてみた【ギアス】

その2へ

携帯用


102 :雛見沢住人 ◆xAulOWU2Ek :2009/04/05(日) 15:46:46 ID:oKvAi9N4

【6】

 次の日になると俺の熱は下がり、風邪はすっかり治っていた。

 ところが、その代わりに今度はナナリーが風邪をひいてしまったようだ。

「大丈夫か?」

 ベッドに伏しているナナリーに訊ねる。手を握るととても熱かった。

「ええ……平気です。魅音さんたちと遊ぶのが楽しくて、少しはしゃぎすぎたせいのかもしれませんね」

「……俺の風邪が感染ったんだな。すまない」

 ナナリーは強がっているが、昨日の俺よりも体調が悪そうだ。
 今日はナナリーを医者に連れていって、その後に看病をするためにも学校を休むしかないだろう。
 俺がその旨を伝えると、ナナリーは首を横に振った。

「私は寝ていれば大丈夫ですから、お兄様は学校に行かれてください」

「しかしナナリー」

「いいんです。私もいつまでも子供じゃないんですから……風邪くらいお兄様がいなくっても平気ですよ。……それに、お兄様は学校をよくおさぼりになるんですから、行く気がある日くらいはちゃんと学校に行ってくださいね☆」

「はは、お前も言うようになったな」

 これだけ減らず口が聞けるのなら俺がいなくても大丈夫そうだな。
 医者には咲世子に連れて行ってもらおう。
 怪死事件について調べるのにも、ナナリーがいないほうが都合がいいだろう。

「分かったよ、今日はしっかり休んでいるんだぞ。行って来る」

「はい。行ってらっしゃいませ、お兄様」

 ナナリーの部屋を出て階下に降りて朝食を取ると、咲世子にナナリーを任せて一人家を出た。


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ひぐらしのなくギアス その2

2009年08月31日 20:08

【ひぐらし】雛見沢にルルーシュを閉じ込めてみた【ギアス】

その1へ

携帯用

82:雛見沢住人 ◆xAulOWU2Ek 09/03/16 21:39:50 wEFLM2pr

【5】

 朝、小鳥のさえずりを聞きながら目が覚めた。

 頭がずっしりと重く感じる。起き上がろうとすると身体もだるい。

 昨日やけにミスが多いと思っていたら、風邪をひいていたようだ。

 日本では夏風邪をひくのは馬鹿だと言われているらしい。

 次に学校に行った時を思うと気が重い。

 またそれをネタに魅音にからかわれるんだろうな。

 自分で言うのもなんだが俺は体があまり強くない。

 スザクまでとはいかぬまでも、少しは身体を鍛えたいとは思っているのだが……

 いつも長続きしないのは何故だ?

 無論俺がヘタレだからという回答は却下だ。

 俺はそんな軟弱ではない。

「医者に行くべきか……だが面倒だな……」

 しかしこのまま寝ていても、俺の治癒能力では完全回復までに時間がかかりそうだ。

 やはり素直に医者に行って薬をもらって来るとしよう。

 雛見沢には、租界から離れたゲットー地域にも関わらず高度な医療施設があったはずだ。

 確か入江診療所。場所は……大丈夫。

 雛見沢の地形はすでに頭に入っている。

 隣の部屋に行き、ナナリーに声をかけてから出かけることにした。

「ナナリー、すまない。どうやら風邪を引いてしまったようだ」

「お兄様。まあ、大丈夫なのですか?」

「ああ、風邪気味なだけだよ。少し休めば平気なはずだ」

 ナナリーに対して見栄を張る自分がおかしくて苦笑する。

「そういう訳だから今日俺は大事をとって学校を休むが、お前はどうする?」

「では私も休みます。私だけ学校に行って楽しんではお兄様に悪いですから」

「はは、そんな気遣いは不要だよ。行って来い、咲世子さんに送ってもらうよう頼んでおこう」

「そうですか。では安静にしていてくださいね」

「ああ、そうしよう」

 ナナリーの部屋を出て階下へ向かう。

 キッチンで朝食を作っている咲世子に声をかけて家を出た。


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澪「レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプ」

2009年08月31日 01:55

DMCデトロイト・メタル・シティ×けいおん!
澪「レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプ」

闇速

DMCデトロイト・メタル・シティ×けいおん!

完結作品

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変二話「ドリル戦士全速前進」

2009年08月30日 22:54

アニヲタの集い-3rd style-

64.名無しはアイディアが浮かんだようですID:yfRXos4y8U


【これまでの仮面ライダーディケイドSSは】


夏海「ひぃっ!! ユウスケ気持ち悪い!!」

士「『黒の騎士団』とやらを探す」

ゼロ『何!?』

ユウスケ「やたらクウガに詳しいみたいだけど」

ユーフェミア「日本人は殺さなきゃ」

士「さっきの命令は取り消しだ」

ゼロ『感謝しなければならないな……』

ルルーシュ「『帰れ』」

海東「わかった」


カシャシャシャシャシャ



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長門「…エヴァには私が乗るわ」

2009年08月30日 21:51


長門「…エヴァには私が乗るわ」まとめWiki

新世紀エヴァンゲリオン×涼宮ハルヒの憂鬱×らき☆すた

キャスティング・クロスオーバー

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変一話「ゼロのライダー?」

2009年08月30日 16:59

アニヲタの集い-3rd style-

1.やまとID:7eOUx99P5M

初スレ建て緊張する

(´・ω・)ドキドキ



はい、タイトル通りです
ディケイドが関係ない世界(アニメとかの)を巡ります

読みやすさ重視で地の文は超少ないです

セリフの前に名前付きます

嫌いな人いるでしょうが、スレに大量に文字が並んでると読む気失せる人もいると思うので(私がそうです)




んじゃ始めます

2.やまとID:7eOUx99P5M

士「さて、今度はどのライダーの世界だ?」

ユウスケ「士、今回の格好……その……なんなんだ?」

黒い上着に灰色のズボンと、何故か顔を全部隠すほど大きなムラサキ色のバイザー。

士「……さぁな」

ユウスケ「っていうか、ここどこだよ。周りの建物全然日本っぽくないし。
      写真館だけやたら浮いちゃってるし」

士「ま、どこでもいいさ。どうせ客なんか来な」

夏海「士くん!!」

士「ん? どうした夏みかん」

夏海「これ……この張り紙、仮面ライダーじゃないですか?」

士「あぁ?」

壁に指名手配書らしき紙が貼ってある。
日本語じゃないので読めないが。
写ってるのはマントを羽織った深い紫色の一つ目仮面ライダー。

ユウスケ「……なんじゃこりゃ?」

士「ライダー……か? コイツ」
士(全く何も思い出さないが……)

ひそひそ……

士「ん?」

周囲を歩く人間が全員ひそひそ話したり、逃げるように歩いていったり、電話したり。

ユウスケ「なぁ士……俺たち、やたら目立ってないか?」

士「あぁ、皆外人みたいだしな」

遠くから近づいてくるサイレンの音。
やってきた数台のパトカーから警察が20人ほど降りてきて銃を突き付ける。

警官「動くな!!」

ユウスケ「うわっ!? ていうか日本語?」

夏海「士くん……!!」

士「おいおい、ここじゃ張り紙見ただけで犯罪なのか?」

警官「貴様、黒の騎士団だな!?」

士「はぁ? なんだそりゃ」

警官「取り押さえろ!!」

何人もの警官が襲いかかって来た。

士「ち、ユウスケ逃げるぞ」

ユウスケ「逃げるってどうやって!? 周り警官だらけだぞ!!」

士「こうやってだ」

ジャキン(バックルを取り出した時の音)

ユウスケ「!! 分かった!!」

二人、警官を避けつつ夏海を守りつつ

ブゥゥン……シャキーン!!(カード)

士「変身!!」

ガシャン

《カメンライドゥ》

ガキュン

《ディケェイ!!》

ブワァアアン……シャッシャッシャッシャッシャッ

ヴン!!

ユウスケ「変身!!」

光る!! 回る!! ソニックウェーブが唸る!!

キュンキュンキュンキュン……キュピーン!!

警官「「「な、何だ!!?」」」

ブゥゥン……

《ファイナル フォーム ライドゥ……ククククゥガ!!》

ガッシャガッシャガッシャ

ブゥーン……

夏海「ひぃっ!! ユウスケ気持ち悪い!!」

ユウスケ『(ガーン!!)』

士「いいから乗れ夏みかん!!」

ディケイドと夏海を乗せたクウガゴウラムは、天高く飛んで行った。



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唯「メビウス2、エンゲージ」

2009年08月30日 16:10


唯「メビウス2、エンゲージ」

唯「メビウス2、エンゲージ」 携帯用

けいおん!×ACE COMBAT 04 shattered skies(エースコンバット04 シャッタードスカイ)

完結作品

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なんというか、漫画的な出会いがあっても

2009年08月30日 08:03

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ゴキブリを今さっき撲殺したんだが

2009年08月30日 04:23

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今日の献立

2009年08月30日 00:05

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唯「メビウス2、エンゲージ」

2009年08月29日 20:51

唯「メビウス2、エンゲージ」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 21:57:05.10 ID:2yrBJ9cQ0

SSは二回目ですが、全部書き溜めての投稿は初めてなので投下間隔とかの指導お願いします。
けいおん!の子たちがエースコンバット04の世界で戦闘機に乗るssです。
物語を円滑に進めるため、彼女たちが戦争で相手を殺すことに苦悩する描写はありません。
そのへんがちょっとキャラが違うので注意してください。
ちなみに軍事関係の知識は全然ないです。フォックス2=ミサイルを撃つ、くらいしか知りません。
あとジャン・ルイは出ません。


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 21:57:54.79 ID:2yrBJ9cQ0

唯(うわぁ、みんな忙しそーっ)

相変わらず本部は慌しい。

ついに最前線はユーラシア大陸の真ん中より西に移動した。

前線は総指令本部の目の前だけど、敵の補給路も危うい、この猛攻を二戦、いや一戦凌げば敵は後退、後背の守りを固める作業に移るだろう、って和ちゃん、ううん真鍋中尉が言ってた。

中尉の言うことだから本当なんだろう。

でも、これほどの勢いの敵が後退するなんて私にはちょっと信じられない。
ああ、私の愛機、ギー太。
今日も黒くてきれいだね。
今日から訓練じゃないんだよ。

唯(でも、あなたとなら大丈夫。あなたはミサイル50発積めるもの)

律「よぉ!唯、そんなとこでボーっとしてると死ぬぞー!」

唯「りっちゃん隊員!大丈夫だよー、さっき整備は終わったって、さわちゃんが言ってた~」

律「あはは、知らないのかー?ほら、むこうで作業してる。急遽、追加の燃料タンク装備だってさ。
  その辺も危ないぞ」

唯「おー、あたしのギー太が裸にされていく…」

律「取り付けだけだろ、15時間後に出撃なのにバラバラにするもんか」

唯「あれ?その噂やっぱりホント?」

律「そりゃあ、こんなとこで三日も待機してたらこの辺焼け野原だぜ?」

やっぱり、じゃあいよいよホントにホントに出撃なんだ。
じゃあそろそろ部屋に戻って一休みしとこう。
あ、ムギちゃん隊員だ。

唯「ムギちゃん!」

紬「あら、唯ちゃん。整備の確認?」

唯「ううん、ちょっと散歩してただけ~」

紬「唯ちゃんらしいわ。でもこんなところで散歩してると危ないわよ」

唯「えへへ、りっちゃん隊員にも言われちゃった…」

紬「あ、りっちゃんもいるの?」

唯「うん、三番格納庫に。りっちゃんは散歩じゃなくて整備みたい」

紬「ちょうどよかった。ちょっとりっちゃんに用事があったの、ありがと唯ちゃん」

唯「うん、それじゃあまたあとで~」フリフリ

紬「それじゃ」フリフリ

紬「あ、唯ちゃん」

唯「ん、なに~?」

紬「明日、生き残りましょう。きっと」

唯「…うん」

私たちは新米だ。
エリートといわれても戦闘経験がない。
訓練の総飛行時間だってぜんぜん足りない。
新米が四人の小隊、一体何ができるんだろう。
乗り込む機体は旧式だ、レーダーの差し合いで敵部隊の前衛にまず勝てない。

唯(生き残れるかな…)

澪「よっ、唯!」

唯「…澪ちゃん隊長…」

澪「どうしたー?元気ないぞ」

唯「うん、ちょっとね…明日なんだよね?」

澪「…ああ、我らメビウス小隊の初舞台だ」

唯「生き残れるかな?」

澪「どうしたんだ?急に。唯の癖にずいぶん深刻そうだな」

唯「もー、私だって悩むときくらいあるよー!」

唯「…さっきね、ムギちゃんに言われた」

唯「生き残ろう、だって」

澪「…そうか、ムギらしい。戦果より生き残り、か」

澪「精神論とか以前に、大切なことだ。現状でのファイターは全機生存の心構えで行かないと、」

澪「反抗作戦の足がかりすらつかめない。」

唯「そう、生き残らなきゃいけないんだよね。全員で」

澪「唯、この戦争を勝ち抜いたら…、またみんなでバンドしような」

唯「…もう、そういうの戦いの前に言っちゃだめだよー」

澪「普通のドラマならな。でも私たちは違う。この一言で力を出せるだろ?」

唯「うん、ありがと、澪ちゃん隊長。りっちゃんとムギちゃんは格納庫、三番の。
  二人にも話があるんでしょ?」

澪「あぁ、サンキュ唯。これから自室か?」

唯「うん」

澪「そうか、しっかり休めよ。明日はちゃんと起こしてやるから」



司令「各員へ、本作戦の目的は防衛線の維持である」
司令「制空権を確保しつつ、地上部隊を援護せよ」

澪「メビウス1、了解」

唯「メビウス2、りょーかい」

紬「メビウス4、了解」

律「メビウス3、りょーかい!」

司令「メビウス小隊、今日は私の誕生日だ。プレゼントに貴様らの初戦果を頼む」

律「まっかせなさーい!」

りっちゃん隊員が少し突出する。

唯(もー、訓練であんなに怒られたのに)

澪「おい、律!前に出すぎだ!」

律「えー、そうかー?ムギはどう思う?」

澪「話を聞け!」

紬「そうねぇ、目は敵軍のほうがいいんだしここはちゃんt」

律「…!ロックオンアラート!」

澪「散開!」

少し遅れて私の機体にも響き渡る、死ぬぞという警告。
そんな、ずるい、こっちはまだ敵機の確認もしてない。
遅れてこっちのレーダーに感あり。
時間差がありすぎる。

唯「やあぁぁっ!」

ぐっ、と機を沈める。アラートはすぐに消えた。

怖い、ほんの数秒前まで殺すと言われていたなんて。

紬「いけない、みんなバラバラになっちゃった…」

澪「…メビウス1、エンゲージ!みんな、隊列を!」

紬「あ、っメビウス4、エンゲージ。…りっちゃん!」

りっちゃんの機体にミサイルが食いつく。
白い筋が空を裂く。
りっちゃんの真上を通り抜けた。
突発的な機動で、りっちゃんの機が真横にぶれる。

律「くぅっ、メビウス3、エンゲージッ!」

唯「メビウス2、エンゲージ」

よかった。
みんな無事だ。

……見つけた。
りっちゃんを撃った許せない奴。
くすみが強い灰色。
溝鼠みたいな色だ。

殺して、やる。

唯「メビウス2、フォックス2」

奴はまっすぐ突っ込んできた。
奴の後ろにつく、こともない。
こいつは真正面からつぶしてやる。

沈んだ機体を奮い立てる。
と、同時に不安定な体勢から一発。

ふっ、と機体が浮き上がり、ピッチ角も下げる。
そのままもう一発。
奴はそのまま。
私のミサイルに突っ込んだ。

唯「よしっ!」

律「うまーい!唯、やるなぁ!」

澪「律!そのまま西から回り込め!ムギもついて!」

紬「了解」

これで奴らの視界に4機が同時に入ることはない。
多く入っても2機だろう。

澪「メビウス1、フォックス2!」

敵がもう一機、爆散する。
目の前のオレンジ色の光を見て、初の戦場だというのに私はもう予感があった。

私たちならやれる。
ISAFの奴らをズタボロにできる、と。



和「やるわねぇ、唯。撃墜マーク3、か。褒めてあげる」

唯「えへへー、光栄であります!真鍋中尉!」

和「実はね、唯。あなたの昇進の話があがってるの。この大戦果のご褒美にね」

唯「えぇ!ほんとぉ?!」

和「そ、そのうち辞令がいくと思うけど、総本部に近いからきっと昇進はすぐね」

唯「やったぁ!少尉かぁ。なんかいよいよ仕官って感じの階級だよね!」

和「あなたはきっとすぐに中尉になるわ、才能あるもの」

唯「そうかなぁ…あたしが中尉…?」

和「ええ、今まで訓練しかしてなかったから昇進少なかったけど、もともとエリート組だからね」

唯「でもでも、そんな早く昇進はないでしょー?あたしまだ准尉だよ?」

和「それだけ深刻ってことよ。仕官も兵卒も、人手が足りないの」

唯「あ、そういうことか…」

和「私は後方支援の地上部隊だからね、私が唯に敬語使う日も遠くないかもねー」

唯「まいっちゃうなー、和ちゃんに丁寧な言葉遣いされるとこそばゆいというか、
  なんというか…えへへ」

和「…だから、変な理由で二階級特進なんて、しちゃだめよ。唯」

唯「…うん、ありがと和ちゃん。和ちゃんのいる場所は私が守るからね」



ISAFの奴らは前線を後退させた。

どうやら思っていたよりも奴らの補給路は不確かなものだったようだ。

それもそうか、太平洋を越えてきたばかりで、しかも上陸作戦の後、満足に力は出せない。

しかしユーラシア大陸内部はかなり荒らされた。
大陸西部からも攻め手が来ている。

西部のほうが主力ってこともないだろう、力はほぼ均等で西部のほうの突破力も高くはない。

逆に言えば、低くもないってことだ。
私たちが急がなければ、本部の西側が脅かされる、か。



律「田井中律、撃墜マーク2!私もなかなかやるもんだなぁ!」

律「いやー、学校を卒業したときから思ってたんだよね、私はやるときゃやる女だ、って」

紬「すごいわ、りっちゃん。私は一機だけ。しかも澪ちゃんと共同で」

律「いやー、褒めるな褒めるな!まぁ、ムギも才能あるよ、この私が言うんだかr」ゴツンッ

澪「調子に乗るな!」

律「うー、痛いであります、隊長」

律「そういう澪は二機、うち共同一か、まぁ普通だな」

紬「澪ちゃんは出会い頭で敵をつぶしたから、数字以上の価値があるのよ?」

律「ま、私のほうが多いけどねっ!」

澪「け、結構がんばったんだけどな…っていうか初の戦闘じゃ十分すぎるだろ」

律「甘い!甘いよ澪!」

澪「う、何だよ。今日の律はずいぶん突っかかるじゃないか」

律「私もびっくりしてるんだよ!二機落として英雄だー!
  って思って帰還してみたら、なんと撃墜マーク3の奴がいるとはね!」

律「なんじゃそりゃー!ってなるよ。私の栄光を返せーってね!」プンプン

紬「ふふっ、それにしては随分楽しそうね、りっちゃん」

律「…ま、こいつのことだからな」

律「撃墜マーク3!しかも澪よりも先に出会い頭の奴をつぶして、澪以上に数字以上の戦果!」

澪「うぅ…だから私に当たるな」

律「おめでとー!唯」

唯「…ほぇ?」

律「ケーキ食ってんじゃねぇ!」

唯「へ?何の話…?あ、ムギちゃん、ケーキおかわりー!」

紬「はい、どうぞ。紅茶もあるわよ?」

唯「ありがとーっ」

律「少しは会話に参加しろよ!」

澪「随分おとなしいと思ったら…それにしても律!今日の突出はどういうつもりだ?」

律「へ、とっしゅつ?どういう字だ?」

澪「前に出すぎただろ!」

律「あ、あー…まぁまぁ。結果オーライだし…」

澪「お前の突出で何がオーライになったんだよ!」

紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ」

紬「お前は次に6回と言う」ズビシィ

唯「…6回、はっ」

澪「何やってるんだ…」

律「やー、それにしても今日は疲れたなー」ゴロゴロー

唯「あ、私もごろごろする!」ゴロゴロー

紬「もう、二人とも服汚れちゃうわよ」

澪「まったく、いくら成功したからって反省するところもあるだろうに…」

律「澪隊長は堅いですなー」ゴロゴロ

唯「ですなー」ゴロゴロ

澪「隊長の話は聞くもんだぞお前ら!」

紬「まぁまぁまぁ、澪ちゃん」

澪「3か…ムギ…」

紬「大丈夫、私たちならやれるわ」

律「おっ、ムギの私たちならやれる宣言だ。ムギの予言は当たるからな~」

紬「そうかしら?予言なんてそんなに私してた?」

澪「私たちなら武道館にいける、ってやつ」

唯「え?ムギちゃんそんなこといってたの?」

律「私と唯はその時もゴロゴロしてたらしいぞ」

唯「えー、じゃあ何でりっちゃん知ってるのー?」

律「澪から武道館ライブの後に聞いた。こいつ泣きながら私に話しやがった」

澪「な、泣いてない!」

律「泣いてた」

紬「泣いてたわ」

唯「泣いてたよ?」

澪「うぅ…泣いてました…けどぉ…」

律「梓も泣いてたよなー。もうボロ泣きで唯に抱きついてたっけ」

唯「なつかしー、あずにゃん元気にしてるかなぁ…?」



酒場で今日も黄色中隊は盛り上がってた。彼らの敗北の姿を僕は見たことがない。

黄色2「黄色5は本日のスコア2!累計スコア5!」

今までの合計で五機落とした者が表彰される。
空ではエース、と呼ばれるらしい。

僕はISAFに占領されたこの町の住民の一人だ。
年少で両親をなくして、今はこの酒場に居候している。

仕事は兵たち、主に空軍相手にハーモニカを奏でてチップをもらうことだ。

仕事柄、黄色中隊をよく見かける。
彼らはいつもこの酒場でみなの戦果を確認する。

撃墜スコアを挙げていくのだが、異常な数だということがわかる。
五機で出撃して、一回の合計で五機以上落とし、かつ自分たちは傷ひとつついていない。

黄色2「そして、我等が隊長殿はなんと!本日の撃墜スコア4!合計スコア57!」

最後に隊長である13の戦果が述べられる。
すごい数だ。

しかし、13はいつも言っていた。僚機を一機も失わないで帰還することこそが自分の誇りだ、と。
そして13はいつもこうも言っていた。

黄色13「張り合いのある奴がいないな…」

黄色4「エイジアにはもういないでしょうね。
     ユーラシア上陸作戦のときに骨のあるやつはもう撃ちつくしたわ」

13は護衛のように傍らにいる黄色4に愚痴を言っていた。
このやり取りも何度か見たことがある気がする。



それから数ヶ月、私たちメビウス小隊は何度か空を駆けた。
東に進んでいくうちに、私はある予感がしていてた。

エスパーみたいなものじゃなくて、女の勘って言うのかな。
大陸の東には宿敵がいる、と。



司令「メビウス1、今回はヤンハイ港の奪還だ」
司令「港にはあの無敵艦隊エルギスがいる。が、貴様らならやれるはずだ」
司令「後退直後で浮き足立った奴らをたたけ。すべての目標への攻撃を許可する」

澪「了解」

律「へっ、ユーラシアから追い出してやるぜぃ!」

紬「敵の数、半端じゃないのね」

唯「このまま突っ込もう!奴らが港から出る前に叩ける!」

澪「よし、いくぞ!メビウス1、エンゲージ」

紬「海だけじゃないわ。空の敵にも注意してね」

港には見たこともないような数の船が停泊していた。あれが全部敵艦だなんて。

律「あんなにたくさんいて逆にラッキーさ。奴ら身動きが取れてない」

りっちゃんのいうとおり、よりどりみどりだ。

唯「メビウス1、フォックス2!」

敵兵「…退避!総員退避!」

目の前の巡洋艦が轟沈する。
爆発を確認していたら、そのすぐ隣にも火柱が上がる。

澪ちゃんがSAMを二つ同時に潰していた。

突如、レーダーに敵の戦闘機が映るが、ムギちゃんの機体が旋回するのを感じ、次の瞬間には敵機の陰は消えていた。

通信士「ナイスキル、メビウス4」

紬「地対空も航空戦力も敵艦の数に見合っていない数ね。
  空の奴を相手にするのは一人で十分だわ」

澪「律、唯、私たちは高度を下げるぞ。律は左に広がれ」

律「まかせろ!おっと、潜水艦まであるのか!」

唯「大物、見つけた!フォックス2、フォックス2!」

通信士「敵イージス艦に命中」

唯「仕留め損ねた、か」

機体を横に倒し急旋回する。
座席に張り付けらるのを感じながら、私の目は、キラキラした煙に包まれるイージス艦を捉えていた。

唯「フォックス2!」

通信士「イージス艦、轟沈」

通信士「メビウス小隊、南の港入り口に敵がひしめいています」

唯「私が行くよ、澪ちゃんたちは北を!」

澪「任せた!」

海上の掃討なら一人で十分だ。
ムギちゃんが南をカバーしていたから、私一人で向かえば合流して二人一組にもなれる。

律「いっただきいっ!」

通信士「ナイスキル、メビウス3。敵駆逐艦轟沈」

敵兵1「馬鹿な!エイジス艦隊が全滅するぞ!あの4機を優先して落とせ!」

敵兵1「南の船に伝えろ!反転して航空部隊の援護をさせろ!」

敵兵2「駄目です。海が狭すぎて反転できません!」

敵兵3「南の部隊にも敵戦闘機、2機向かっています」

唯「もらったぁ!フォックス1!」

敵の船の塊に向けてロックオン、ミサイルを撃つ。
港口にドンづまっているISAFの奴らめがけて。

通信士「敵駆逐艦轟沈。敵戦艦轟沈。メビウス2、南西にも敵軍艦あり」

敵兵1「反撃できる船は反撃しろ!」

敵兵4「手遅れだ、船を捨てるぞ!」

敵兵3「航空部隊!北のタンカーをやらせるな!航空燃料があるんだぞ!」



律「ま、こんなもんかなーっ」

澪「油断するなよ、律。敵の後続があるかもしれない。北のほうはまだ敵の勢力下なんだから」

律「りょーかい、隊長殿!冷静な状況判断流石ですね!」

澪「からかうなよぉ…」

唯「…?どうしたのムギちゃん?」

紬「…敵が来るわ、唯ちゃんの方から。気をつけて唯ちゃん!」

唯「アラート、…ロックオン!?どこから!」

澪「こっちも狙われてる。くそっ、敵が見えない!」

何の前触れもなく私とムギちゃんの機をミサイルが追い越した。
間髪いれずに前の二機にもミサイルが飛び掛る。

と、かなりのタイムラグがあって、こちらのレーダーに感。
ひどい差だ。初戦闘のときの時間差よりもひどい。

澪「と、いうことは…」

紬「敵の最新鋭機ね。それに乗ってるってことは、パイロットも高級品よ」

律「上等だ!私ら四人に勝てるもんか!」

紬「敵の数は5。劣勢だけど、いけるかしら?隊長」

澪「くっ…」

澪(数は負けているけど、私たちならやれるはずだ。
  それに、ここで引いたら北上してくる味方艦隊が裸になる)
澪「応戦する。全機180度旋回。私に続け」

律「そーこなくっちゃ!」

唯(…?なんだろう、敵の一機が、真ん中の奴が大きく見える…)

澪「司令部、敵の戦闘機部隊を発見。応戦する」

澪(…自分の判断に自信がもてない…、とにかくいつでも撤退できるような心構えで行こう。
  みんなを無駄死にさせるわけには行かない)

紬「敵はこちらより目がいい事に気づいてないわ。悟られる前に叩きましょう」

五機のファイターが編隊を乱すことなく突っ込んでくる。
突如、視界がミサイルで埋め尽くされた、ように感じた。
こちらが旋回した瞬間に編隊めがけて撃てるだけ撃ったようだ。
一瞬、何発撃たれたのか数え切れなかった。8…?いや9発か?

澪「全機無事か?!」

唯「大丈夫!」

律「くぉんの、やったなぁっ!って…あれぇ?!」

唯「え、えっ?敵は?」

紬「左右から!上にも一機!」

視界を弾で埋め尽くした瞬間、彼らは編隊を解いて散開していた。
不覚にも、芸術的とさえ感じる。
動きが、だけではない。
青い空に映える鮮やかな黄色が強烈な印象を残す。

律「この敵機…」

唯「黄色いファイター…?」

通信士「なんてこった、黄色中隊か!?」

澪「司令部、指示を!」

通信士「全機、交戦は許可しない!交戦は不許可!攻撃は必要な反撃とけん制に留めよ」

通信士「全機内陸部へ撤退せよ。メビウス小隊は南西へ。オメガ小隊は……」

律「ちょっとまてぇっ!私らが引いたら味方の船が…」

澪「律、西の敵をけん制しろ!ムギ、私と殿をやるぞ。唯は上の一機を抑えろ」

澪「西に突っ込め!全機無理はするなよ!」

紬「了解」

唯「了解!」

律「っち…了解!」

機体の頭を上げ、一気に高度を確保する。
狙いは一機で孤立してる奴だ。
確か、編隊の真ん中にいた奴だ。
一瞬、乗り手と目があったような気がした。

もちろんそんなことあるわけないけど、お互いの意識が交錯するのを感じる。
私がマンツーマンで抑えることを悟ったのか。

唯「上等だよっ」

一対一で勝てるつもりなら、見込み違いってことを教えてあげなきゃね。
が、私がピッチ角を上げた瞬間に奴は急降下し不安定な私の背中にぴったりと張り付いた。

お互いがほぼ同時に機体を水平に立て直す。
技術の差なのか、自然と奴の射程範囲に私の機体が収まる。

私は機体を横にぶらし同時に進行方向に回転させる。
奴のミサイルが右翼をかすめ、次の瞬間には頭上に海が現れた。

唯「!」

と、私は奴の次弾がどこを通るのかぼんやりとだが予測できた。

ふっと、奴のヨー角回転の運動が行われた気がした。
黄色の奴の考えていることが手に取るようにわかる。

バレルロールの同じパターンを繰り返す出鼻に撃ち込むつもりだ。させるか。

機体の頭を無理やり下げ、ほぼ下向きに近い状態にする。
進行方向への機体の面積が広がり、強烈な空気抵抗がかかる。

無茶な機動と圧力で戦闘機全体が軋み、私の体は座席に叩きつけられ、さらに右に流される。
つい先ほどまで海面が広がっていた頭上を見上げると、そこには奴の機体の腹があった。

唯「もらったぁっ!」

急速に後ろに引っ張られていく私の機体。
留まれず前方に流されていく奴の機体。
体勢を立て直して奴の後ろにつき、操縦桿を強く握り締めた私は、思わず叫んでいた。

唯「フォックス2!」



私が基地に着いたら、良いニュースと悪いニュースが待っていた。

後続の澪ちゃんとムギちゃんは無事基地にたどり着けそうだということ。

そして、味方艦隊が半壊したということ。

黄色の奴らはこちらの航空戦力がいなくなった後にありったけの弾薬をばら撒いて北へ帰っていった。

あの後、私とあの黄色の奴は何度か交錯した。
が、私がいつまでもそこに留まるとムギちゃんと澪ちゃんが死ぬ。
結局、奴を落とすことなく、私は帰還を果たした。

律「唯、無事でよかった…」

唯「りっちゃん隊員もね。澪ちゃんもムギちゃんも大丈夫みたい」

律「…まっさか生きて帰れるとはね。
  最後に奴らを振り切ったとき、翼が片方吹き飛んだかと思ったよ」

律「私の機体、ミサイルの破片もろに食らっちゃってさー。ほらあそこにある奴。もー、ぼろぼろだし」

唯「りっちゃん…」

本当はりっちゃんは自分の機体なんてどうでもいいんだ。
それよりも辛い事があったから。
二人が無事なのは嬉しい。
が、私たちは何百ものかけがえのない味方を、一度に失った。

唯「あっ、ほら!二人が帰ってきたよ!」

律「…よかった。あれなら怪我もなさそうだな」

唯「ほら、お出迎えしよーよ!」

律「おう!見事敵を抑えたムギ隊員と隊長殿に敬意を表しつつ!だな」

唯「……りっちゃん、次は勝とうね」

律「…あぁ、必ずだ」



つい昨日までは練度の高い黄色中隊が他の地域に引き抜かれることに不満を言っていたのに。
今日の13は機嫌がよさそうだった。

黄色13「面白い奴らがいたな」

ボディーガードのように、パートナーのように寄り添う黄色4に、13は嬉しそうに語っていた。
寡黙な彼があそこまで語るのは珍しい。
今日は彼のギターと一緒にハモニカを演奏できそうにない。

黄色4「さっきの戦闘の一番初めの小隊でしょう?興味深かったわ」

黄色13「あの旧式であそこまでやるとはな。後ろを取られたのは久しぶりだよ」

黄色13「決着をつけたいものだ。特にあの機体、リボンとギターのエンブレムの奴」

黄色4「ユーラシアに居座っている私たちなら、いずれまたどこかの空で会えるでしょうね」

黄色13「ああ」

黄色4「そうだ。決着といえば、私もつけていない相手がいるわ」

黄色4「中国の内陸部で、エイジアの奴らの演習場を潰したときのこと覚えてる?」

黄色13「あぁ、孵ってもいない卵を叩き割る、楽で苦々しい労働だった」

黄色4「あの時、一人仕留め切れなかったやつがいたわ。
     ルーキーの癖に一度私の背中に張り付いた女よ」

黄色13「女?乗り手を知っているのか?」

黄色4「それは…そうね、女の勘、よ」



あっという間の中尉に昇進。
他のみんなも軒並み昇格。

澪ちゃん隊長なんか少佐相当の条件付の大尉だ。
指揮する部隊の規模が小さいだけで、左官といっても差し支えないらしい。

あれだけ好き放題撃って、イージス艦とかバンバン沈めたら、そりゃ昇進だってするよね。
でも私たちは、味方艦隊を守ることはできなかった。

律「くっそー、せめて人数だけでも対等になればなぁ…」

澪「一対一でも精一杯だったからな。律も一人で二人を突破したのはよくやったよ」

律「まー、追い払うだけならな。あ、そーいや唯は普通に打ち合ってたよな?」

唯「んー、でも防戦一方って感じ。なんか相手の人凄くうまくて、視界に入れるのもやっとだったよ」

澪「あれは中隊長だよ」

唯「ちゅーたいちょー?んー…澪ちゃんより上?」

澪「といっても率いてるのは4機だけだけどな。黄色の奴らっていっつも5機でくるんだ、何故か」

紬「凄いわ唯ちゃん。中隊長って言ったら黄色の13でしょう?」

律「ISAFのエースパイロットじゃん!唯、よく生きてたなー」

唯「え、えー…?私もしかして危なかった?」

律「やばかったなー。もしかして13の奴風邪でも引いてたのかな?」

澪「…唯が凄いってことにはならないのか?」

律「んー…まぁ、飛行機乗ってるときは凄いんだろうけど」

律「ケーキ食ってる唯みると、どーもイメージが合わないというか…」

唯「えへへー、照れるなー///」

澪(なぜ照れる)

唯「紅茶おかわり!」

紬「はいどうぞっ」

さわ子「ちょりーっす」ガチャッ

律「お、さわちゃん。遅かったじゃん、話って何?」

さわ子「そうね遅いわ、遅すぎるわよ。何なのこの出番の遅さ。
     もーちょい早めに出してくれてもいいじゃない?」

唯「ごめんねさわちゃん」

さわ子「おほん…気を取り直して」

澪「お、まじめになった?」

律「ある程度ストレス発散したんだろ」

さわ子「重大発表ー!」

唯「ざわ…」

紬「ざわ…」

さわ子「優秀な戦闘気乗りであるメビウス小隊に最新鋭機が支給されます!」

律「おー!まじかよ!」

澪「性能はどんな感じですか?」

さわ子「みんなが辛そうにしてた索敵面での不利はばっちり埋まってるわ!」

紬「まぁ、これで後手は踏まなくていいのね」

唯「さわちゃん先生他には~?」

さわ子「んー後なんかチタンの割合とか高くてめっちゃ凄いんだそうよ!
     偉い人の書類に書いてあるわ」

律「具体的にどう凄いんだ?」

さわ子「最新鋭機だし、空調とか静かそうね」

律「ほぅ」

さわ子「あー、あとあれね。座席とかもふっかふかね!」

律「ほぅ」

さわ子「それじゃあ早速実物を見に行くわよ!みんなついてきなさい!」オリャー

律「よっしゃー!」

紬「楽しみね」

澪(空調…?さわちゃんなに言ってんの?)

唯「ふかふかかぁ…いいなぁ…」



唯「おー、ギー太2号だ」

律「まっ黒でかっこいいな!」

紬「あら…?全部で5機あるわね」

澪「一つは予備かな?でもそんな余裕なんて、」

さわ子「いーえ、最後の一機はこの子のものよ!」

梓「みなさん、お久しぶりです」

紬「梓ちゃん!」

唯「あずにゃんー!久しぶり!」ギュー

梓「唯先輩、相変わらずですね。皆さんもお変わりなく」

律「おー、梓も元気そうだな。っていうか背ぇのびないなー」

梓「こっ、これでも一年前よりは伸びてます!」

律「そうかぁ?何センチぐらい?」

梓「にっ、2ミリ…」

澪「…伸びてるな、うん」

梓「まだまだ成長期のはずなんですけど…」

唯「ちっちゃいあずにゃんは可愛いよぉー」ギニュー(←特戦隊ではない)

梓「くるしーです…。ホントに久しぶり…。半年も、遅れちゃいましたね」

律「普通は一年遅れるんだよ。この天才め」

澪「これで五人。これなら黄色の奴らと撃ち合えるな」

梓「黄色…中隊ですか」

紬「梓ちゃん、知ってるの?」

梓「えぇ、一度だけ奴らのうちの一人と交戦したことがあります」

唯「あずにゃん、交戦したことあるんだ!」

梓「一回だけですけどね」

紬「まぁ、新兵なのに」

唯「あずにゃん凄い!」ギューッ

梓「く、苦しいです…あ、相手は鋭い機動をした黄色の4番です」

梓「たまたま運がよかっただけで、下手したら3回は死んだ、そんな戦いでしたよ」

紬「次は大丈夫よ。五人そろったんだもの。わたしたちなら」

律「やれるわ、ってかぁ」

澪「ムギが言うなら、やれるな」

紬「あ、あんまり信頼されるのも困るわ…」

梓「?」

唯「?」

律「いや、唯は『?』じゃねーよ」



カリフォルニア州

司令「メビウス小隊、これより味方の上陸支援を行う」
司令「この海岸の近くには敵の大規模な対空防御兵器、ストーンヘンジがある。
    宣戦布告から今まで我々を苦しめてきたものだ」
司令「今日こそストーンヘンジを破壊しろ。一門も撃ち漏らすな」
司令「我々の空を取り戻せ。以上」

澪「メビウス1、了解」

澪「打ち合わせどおり上陸支援はそこそこに、私たちは先行してストーンヘンジを叩く」

澪「唯、私と一緒に先頭だ。いけるな?」

唯「任せて澪ちゃん隊長!」

律「味方のファイター、凄い数だな」

紬「本当ね、今までどこにあったのかしら。それだけ大規模な作戦ってことね」

唯「おー、あれ私たちと同じ機体じゃない?」

律「あー!なんだよ!最新鋭機って結構みんなに配られてるじゃん!」

紬「優秀なメビウス小隊だから配られたんじゃなかったかしら…」

律「さわちゃん、テキトーなこと言ってたなぁ!?」

梓「ちょ、ちょっと、戦闘態勢ですよ!私語厳禁です!」

律「んー?堅い事いうなって」

唯「あずにゃん、気楽に気楽に」

梓「いや、そういう問題じゃないです!いっつもこうなんですか?!」

律「まぁ、戦いが始まる前はこんなもんさ」

紬「あらあら、うふふ」

梓(あれ、私がおかしいのかな…)

澪「はいはいそこまで、そろそろ接敵するぞ」

梓(なんか真面目な澪先輩もこの感じに慣れてるっぽいし、司令部もノータッチって…?)

唯「いっくよー!メビウス2、エンゲージ!」

梓「(っと、集中集中)メビウス5、エンゲージ」

私たちの南を飛んでいたオメガ中隊が高度を下げた。
対空防御を破壊して私たちの突入口を確保してくれる手筈だ。

いくつものSAMが連鎖的に破壊される。
オメガ、いくつだろう、とにかくオメガ中隊の一機が敵の戦闘機の編隊と交戦を開始した。

出会い頭に敵の先頭を打ち落とし、編隊を大きく揺るがす。
と思ったら、その味方機も体勢を立て直した敵機に落とされてしまった。

爆散する味方機を尻目に、耐えることなく続く爆発の中に私たちは突入した。

ストーンヘンジに対する敵防衛線を私たちは難なく突破した。
危なかったのは敵の前線にぶつかったときで、後続の抵抗は緩い。
それだけストーンヘンジの対空性能に自信があるんだろう。

律「ま、それが自信過剰だって教えてやらなきゃな!」

澪「敵の目にリボンのエンブレムを焼き付けてやるぞ、全機私と唯のフォローに回れ。
  唯、しかけるぞ」

唯「まっかせて!いつでもいいよ!」

ストーンヘンジが見えた。

梓「凄い大きさ。ここからでもはっきり見える」

律「ターゲットまでの距離は間違ってないのか?」

紬「計器に異常なし、よ」

律「ちくしょう、なんてデカさだ」

澪「よし、高度下げ!」

澪ちゃんの号令で機体の頭を大きく下げる。
目の前にいる澪ちゃんの機体は一瞬早く、まるで潜る様に高度を下げた。

急速な降下で、重力をまったく感じない。
一気に位置エネルギーを消費して加速する。

さらに機体を立て直しつつ推進剤を最大限に放つ。
全身の血液が、粒のように感じられ、一つ一つが後ろに引っ張られていく。
行き場を失った粒は上に向かい、ベルトが強烈に締められそれを防ぐ。

通信士「スト、、ンジまで、、距離、、キロメー」

司令部が目標までの距離を述べる。

唯(なにを温い事を。的は目の前じゃない)

澪「くるぞ!」

唯「!?」

とっさに全員が散開した。
一瞬前までいたところを、ストーンヘンジの弾が走る。

律「あっぶねー」

澪(情けない、あれほど接近するまで警告できなかったなんて)

梓「凄い弾速ですね。これ以上の接近は…」

澪「危険だ。が、やれないほどでもないな」

律「あぁ」

紬「ストーンヘンジの周りにも小規模な対空防御があるわ。こっちは随分数が多いのね」

澪「二手に分かれる、私と唯が本体を叩く。他の三人は対空兵器を減らしてくれ」

唯「了解!」

律「梓、大丈夫か~?さっきのでチビったりとか…」

梓「してません!やってやるです!あとチビとか言わないでください!」

唯「ちっちゃいあずにゃんかわいいよ~!」

律(えっなにそれ、梓混乱しすぎだろ…)

梓「ちっちゃくないです!」

澪「さぁ、いくぞ!」

澪ちゃんの号令で私たちは二手に分かれた。
ムギちゃんたちは急降下してSAMを狙い打つ。

と、ストーンヘンジをみると大砲の向きがまちまちになっている。
どうやら集中して一機を狙うことはないようだ。

みんなもそれに気づいたらしい。

まずりっちゃんが一人大きく離れ、西のSAMを狙う。
あずにゃんはさらに高度を下げ北を、ムギちゃんは大きく高度をとり、打ち下ろすように東のSAMを狙った。

澪「!敵の編隊がくる、後ろからか!」

唯「こんな時にっ」

レーダーには四機の敵影が映された。
私たちが突破した防衛線から、あわてて駆けつけたらしい。
この分だと後続も来るはずだ。

澪「唯、そのまま突っ込め!ストーンヘンジを叩き潰せ!後ろの奴は私がやる」

唯「了解!」

澪ちゃん、一人で四機なんて無茶だよ。
その言葉を私は飲み込んだ。

そうやって問答しているせいで澪ちゃんが死ぬかもしれない。
死亡率が低いと思われるほうを譲ってくれ澪ちゃんのためにも、ストーンヘンジにはもう一発も撃たせない。

唯「目標確認!メビウス2、フォックス2!」

本物のストーンヘンジのように円を作る大砲の一つを叩き潰す。

唯(まだまだっ)

その二つとなりの大砲が私を、いや少し上向きってことは澪ちゃん隊長を狙っているのか。

唯「させるか、フォックス2!…よし、次っ!」

急激な制動で、大砲の動きが追いついてこない。
どうやら、ようやく私に的を絞ったみたい。
でも、遅すぎたね。

唯「こいつで最後、フォックス2!」

通信士「イェア!全目標破壊確認!グッジョブ、メビウス2!」

紬「すごい!唯ちゃん一人で全部潰しちゃった」

澪「やるな、唯。律!私に続け、北東の発電基地も壊すぞ!」

律「がってんだ!」

やるな、だなんて照れくさい。
そんな澪ちゃんはもう4機も落としちゃっているのに。

傷一つ付いていないメビウス隊隊長機の黒色が青い空を舞っている。
なんて頼りがいがある姿なんだろう。

梓「ムギ先輩、南のSAMもやっちゃいましょう!」

紬「えぇ」

みんなの声が聞こえる。
全機無事を確認。
おっと、私も手伝わなきゃ。
突然、南に向かっていたあずにゃんが声を張り上げた。

梓「!南西より敵機!」

律「おっと、来やがったなぁ。後続が来るとは思ってたけど、いきなり当たりを引いたな」

澪「…ま、確認は要らないな。黄色の気配だ」

通信士「こちらでも確認した。ただでは帰してもらえないらしい。5機の機影がマッハ2で接近中」
通信士「…メビウス小隊、後退は少し待て」

司令のある判断に期待している通信士の声が聞こえる。

律「はっ、後退だなんて」

司令「こっちのエースはやつらより速い!交戦を許可する!」

律「よっしゃぁ、澪!」

澪「あぁ!リベンジと行こうか。全機私に続け!」

紬「…梓ちゃん、緊張してる?」

唯「えー、あずにゃん大丈夫?」

梓「いえ、…大丈夫です」
梓(…4番…?)

唯「フォックス2!」

通信士「ミサイル、黄色に命中!」

唯「くぅ、仕留め損ねた」

紬「唯ちゃん、深追いは駄目よ」

唯「あっ、ありがと、ムギちゃん!」

気づいたら、もう一機がこちらを狙っていた。
こちらの攻めっ気に隠れて撃つつもりだったのだろう。

ムギちゃんの注意で難を逃れる。
こんな風に不意を付くのでさえ技術が高い。

もう撃ち合ったりしなくてもわかるよ。
おまえが13だ、今日こそ落とす。

黄色3「ちくしょう!右翼をやられた!俺をやった奴を確認してくれ!」

黄色5「あいつだ!あのリボンにギターのマークの奴だ!」

梓「ムギ先輩、高度落とします。追撃のフォローお願いします」

紬「了解、フォックス2」

黄色5「くっ、黄色3。急いで後退しろ、敵がもう一機、」

梓「フォックス2!」

黄色3「うわあああぁぁぁあああっ!」

黄色5「黄色3!クソ、3番がやられた」

黄色4「フォックス2」

唯「あずにゃん!」

戦果確認のために、あずにゃんの視線が一瞬右に向けられる。
その一瞬を突いて、空を切り裂くようにあずにゃんの左に現れた黄色の一機が、ミサイルを撃つ。
ミサイルは機体の上すれすれを通り過ぎ、追撃として撃たれた機銃があずにゃんの機を揺らす。

梓「くっ、機動が鋭い、副隊長機…?勝負だ!」

黄色4「向こうのギターマークの奴をやりたいけど、この弟、いや妹分のほうが先のようね」

律(なんて鋭さだ。いきなり出てきたように見えたな。だが、梓を落とすのに焦って突出してる)
律(澪は、敵との交戦に夢中か。今は黄色を挟み撃ちにできるチャンスだ)
律「ムギ!梓と二人でそいつを挟め!他は引き受ける!」

紬「えぇ!」

澪(律、助かる。敵は残り4機か)

澪「律、13は唯に任せるぞ。私と二人でこっちの二機を抑える」

律「おう!」

黄色4(ッチ、自然と私が孤立するように…敵の指揮官は一人でこれをやってのけたのか?)
黄色4「13は?僚機が遠すぎる…くっ!」

梓「背中を見せたか、スキありっ!」

黄色4「はずれだ。詰めの甘さは変らないな、お嬢ちゃん……何、ロックオン!?
     別のところから、下か!」

紬「フォックス2!」

黄色4「…う、ぁ私が、私が直撃を受けているのか?!」

梓「トドメ、フォックス2!」

黄色4「…くそっ…13…」

黄色13「黄色4、脱出しろ。…誰か黄色4の脱出を確認したものはいるか?」

黄色13「……全機引き上げだ、背中は私に任せろ」

唯「13番目、引き上げていく?」

司令「黄色二機の撃墜を確認した。我々の完全勝利だ」
司令「よくやったメビウス小隊。帰還しろ」



律「ストーンヘンジ攻略、おっめでとーぅ!」

紬「おっめでとーっ」

唯「いやー、めでたいねぇ!」

梓「凄いですね、新聞に載っちゃってますよ」

律「そりゃあもう英雄みたいな扱いだな」

澪「お、私たちのマークが載ってるぞ」

唯「どれどれ…おー、ほんとだ。ぷぷっ、このマークさわちゃんがテキトーに書いたのにねー」

梓「え、そうなんですか?」

紬「小隊結成のときにマークを決めようって話になってね」

唯「私はにぎりこぶしマークがいいっていったんだよ」

律「澪はふざけてハートマークとかいってたなー」

澪「あれ割と本気だったのに…」

唯「結局意見まとまらなくて」

律(主に唯が適当に案出しまくったせいだけど…)

唯「なぜかさわちゃんが決めちゃったんだー。これでいいでしょ書きやすいしって」

梓「へーっ。でも、なんだか不思議なマークですね。メビウスの環、でしたっけ?これ」

律「まぁ、なんだかんだで気に入ってるけどなー。小隊名にちなんで、なんてかっこいいじゃん」



ストーンヘンジの防衛戦の後、僕は始めて黄色中隊の敗北を見た。

黄色4は死んだ。
他にも被弾や大破した黄色の機体があるようだ。

黄色13「見ろ、称えるに値する」

今日の号外に取り上げられたエイジアのエース部隊の写真を13は部下に見せる。

小隊一つで強力なストーンヘンジの対空砲火を壊滅させたらしい。
その後の黄色中隊との戦いにも勝って見せた。

新聞の写真の隣に、リボンのエンブレムが載っている。
奴らの小隊のマークなのだろう。

そのマークを見つめる中隊のメンバーの顔は、怒りと影を帯びている。

だが、中隊にとって暗いニュースばかりではない。
元黄色中隊のメンバーが戻ってきたのだ。

より練度の高い兵による編成が成されるだろう。

皮肉なことにエイジアに侵攻されて、守るところが限定されているからというのが理由だ。
この街からもISAFは撤退を決めたらしい。

戦争はエイジア優勢。
もしかしたら二度と黄色中隊の面々とは会うことはないかもしれない。

彼らがここに駐留することはない、という意味でも。
そしてもう一つの意味でも。

黄色4の遺品である黄色のハンカチーフを握る13の姿は、僕にはひどく儚いものに見えた。



敵総司令部付近


地上部隊1「向こうの中隊の奴ら弱音を吐きやがって、メビウス2が来ているとでも言っとけ!」

地上部隊2「おい、あのメビウス小隊が来てるぞ!」

地上部隊1「はっ、誰だよ?同じこと考えてるのは」

地上部隊3「マジで来てるらしいぞ!中央を支えた後にこっちにも来る!」

地上部隊1「ほんとに?あの英雄が…」

地上部隊2「上陸作戦のときなんか…」ザワザワ


和「…唯が来てるのか…」

副官「大尉、敵の左翼に味方の支援射撃が行きます」

和「よし、第三小隊位置そのまま。仰角40。空対地の後にこちらも間接で撃つぞ。
  ガンシップにもそう伝えろ」

副官「はっ!」

和(唯、約束は守りなさいよ)



律「対地ミサイルは撃ちつくしたな」

澪「唯、そっちはどうだ?味方の地上部隊が足止めを食ってるはずだ」

唯「見つけた。高い丘を挟んでる。残りの対地兵器はギリギリかなー」

澪「梓、お前の分も唯のほうで撃ち尽くして来い」

梓「了解です」

唯「いっくよー、あずにゃん。フォックス1」

梓「フォックス1……命中確認。味方のガンシップが動き始めます」

澪「よし、司令部。メビウス小隊は次の任に移ります」



司令「これより敵司令部の制圧作戦を行う。お前たちは敵の航空戦力を排除しろ」
司令「メビウス小隊、今日は私の誕生日だ。誕生日プレゼントに、終戦記念日を頼む」

紬「あら、もう一年なのね。初舞台から」

律「おまかせ!」

唯「まっかせて、司令!」

司令「命令だメビウス小隊、必ず生き残れ。戦後には英雄が必要なのだ」

澪「了解」

メビウス6「メビウス6、エンゲージ」

メビウス7「メビウス7から14、エンゲージ」

先行していた中隊仲間が交戦を報告する。

ぞわり、と背筋に悪寒が走る。
対峙しなくても、接近されるだけでわかる黄色の気配。

遅れてレーダーに感あり。数は…すぐには数えられない。
五機以上だ。

律「カリフォルニアの亡霊どもめ、まだこんなに居やがったか!」

澪「黄色が五機以上…?予備戦力を残すのをやめたか、当然だな」

梓「気をつけてください。隊長機は生きてます」

紬「13番…おそらく、奴らの先頭ね。そんな気がするわ」

澪「同感だ。まっすぐ飛ぶだけでこの威圧感、こんな奴ほかにいてたまるか」

みんな同じことを考えていたらしい。
奴は、一気に仕掛けてくるつもりだ。



来たか、リボンの2番。
飛ぶだけでこの威圧感を放つのは他にはいまい。

こちらもそちらも最新鋭同士、数も質も最高の味方同士。
最後の勝負と行こうか。

黄色4の敵かもしれない奴を前にして、歯をかみ合わせる力が自然と強くなる。

と、同時に、私はなぜか笑っていた。



黄色8「なんてこった!こいつらみんなリボンつきか!?」

黄色1「落ち着け!数では対等なんだ」

黄色9「紛い物のリボンだ。本物のリボンつきほど速くはないぞ」

メビウス8「くっ、黄色めなんて機動だ。うわぁぁっ!」

黄色9「いいやっほおおぉおおう!リボンつきを落とした!…!」

澪「隙だらけだな。フォックス2」

黄色9「本物か!?くそっ、やられた。脱出する!」

澪「!唯、13が来る。気をつけろ!」

澪ちゃん隊長が黄色の一機を落とし、乗り手が脱出する。
少し遅れて大きな爆発が起こり、その煙を纏いながら鮮やかな黄色の機体が現れた。

澪ちゃんの機体に至近距離から機銃を当て、二機はすれ違う。

つい安否を気にしたが、黒色の戦闘機は危なげなく離脱した。
と、同時に印象的な黄色が目に映る。

黄色13「決着をつけよう、リボンの」

唯「13番、今日こそ落とす!」

思いっきり操縦桿を引き機体の頭を上に向ける。
間髪いれずに機体の尻を奴の機銃が掠めるのを感じる。

操縦桿の位置を戻さず、さらにロール運動も加える。私の180度Uターンを予期したか、奴も急制動をかけて速度を落とす。

ロール運動が十分に行われず、私の機体はほぼ上下逆の状態のまま奴と進行方向を揃えた。
お互いのコックピットがお互いの頭上にある。

奴と、目が合った。

この状態では、先に体勢が崩れたほうが後ろをとられてしまう。

と、知りながら、黄色13はさらにピッチ角を上げた。
敵同士なのに、ピタリと進行方向を合わせ、まるで曲芸飛行のように距離が縮まる。

最新の戦闘機同士の戦いではありえないような一瞬。
まだ、まだ寄せてくる。

唯(ぶつかるっ)

はっ、と奴の瞳の奥が見えた。
互いにぶつかり、空中分解することを、さも当然のように思っている目

唯(ぶつける気なの?!)

慌てて操縦桿を倒した。
のを見られた気がした。

そうか、これを観察していたのか。
普通なら見えるはずのない相手の腕の動きを。
そう気づいた瞬間には、私の機体は鈍く減速し右にぶれ、奴は鋭く減速し私の後ろに付いた。

唯「なんて無茶な、死ぬ気なの?」

そうでなければお前は殺せない、後ろから発せられる13の気配はそういっていた。

唯(なるほど)

ならば私も死ぬしかない。
シザーズという単語がちらついたが、いちいち蛇行運動で距離を稼いでいたらその間に撃たれてしまう。

そう思い私は再度操縦桿を引いた。
機体は90度近くピッチを上げ、強烈な失速をする。

また、黄色13の機が近づいてくる。
私は奴の目を見た。

少し焦りが含まれているが、さっきと同じ目。
直ぐに見るのを止めた。
必要なのは奴の操縦桿の情報だ。

まだ、機体は失速する。最大の空気抵抗を受け、どんどんと13との距離は縮まる。

と、13がミサイルと機銃を撃った。軽く機体をひねったが、ミサイルは機体のすぐ近くで炸裂し、破片を撒き散らす。

機銃が何発か機体を貫く。
でも、まだ落ちない。
遂に、奴の腕が動いた。

鈍く、奴は減速する。鋭く、私は機動する。
同時にピッチ角を戻し、一瞬空しか見えなくなり、再び奴が見えたとき、私はつい叫んでいた。

唯「フォックス2!」



黄色13(直撃…、脱出装置は駄目だな。他の黄色も随分減ってしまったか。…完敗だリボンの)

黄色13の機体が、崩れながら垂直に落ちていく。
思わず目で追った黄色の機体は、海面にたどり着く前に砕け散った。

唯「13番…」

澪「唯!大丈夫か」

唯「こちらメビウス2、残弾2、機銃も少しもらったみたい。一時帰還します」

澪「了解。黄色の奴ら、残りも引いていく」

律「私も残弾がない。みんなはどうだ?」

澪「そうだな。唯、ひとりで帰るのは取り消し。中隊を纏め上げて帰還するぞ」

唯「了解、澪ちゃん隊長」



戦争は終結した。
ISAFの総司令部を抑えたエイジア軍により、速やかにISAFは解体された。

臨時に入隊した私たちは軍を抜け、再びバンドを結成した。

さわちゃんも和ちゃんも、みんな民間に移った。

あれから五年後、ライブを控えた私の元にある少年から手紙が来た。

あの黄色13について、どんな人物だったのか、どのように接してくれたのか、そしてどんな人を愛したのか。
手紙には書かれていた。

彼に会った者にしかわからないように、

顔も知らない少年へ、届くように、私たちは今日も黄色13を称える歌を歌う。


おしまい



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