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魔法少女まどか☆イチロー 第三話

2011年07月31日 19:05

魔法少女まどか☆イチロー

40 :◆tUNoJq4Lwk [saga]:2011/04/10(日) 20:38:17.43 ID:5SfnCg8To


         魔法少女 まどか☆イチロー


             第 三 話

 こんなに苦しいのは自分だけか、と思うこともたくさんあります。
 それを見せるか見せないかの話です。
 みなさん、ぼくのことは、疲れていないと思っていませんか?


 さやかがイチローと会った翌日。

 彼女は行こうかどうか迷ったけれど、結局上条恭介の入院する病院に行くことにした。

「イチローさんの尊敬する人って、誰なんだろうね」

 一人で行くのは少々心細かったため、まどかも一緒だ。

 不安がないわけではない。というよりむしろ、不安しかない。
 あの状況で半ば自暴自棄になった恭介をどうやって励ますというのだろうか。

 イチローは一体誰に頼んだのか。

 そうまでして自分を魔法少女にさせたくないのか。

「どうしたのさやかちゃん」まどかがさやかの顔を覗きこむ。

「いや、なんでもないよ」

 どうも考えるのは苦手だ。
 小学生のころから考えるよりも先に身体が動いてしまう性格だっただけに、頭の中でぐるぐると考えていると嫌になってくる。

 恭介の病室に行く前に、一度巴マミの病室に寄って様子を見に行くと、マミは昨日よりは元気そうな顔をしていた。
 けれども、最初に会ったときのような覇気はまだ感じられない。

 さて、マミのことも気になるけれど、今のさやかにとっては、やはり恭介のことだ。

 病室に行くと、昨日よりも若干落ち着いた恭介がいた。

「どうしたんだ? 今日は二人で」

 落ち着いている、とうより気力が萎えていると表現したほうが正しいかもしれない。

「今日はさ、恭介を元気づけようと思って、ここに“ある人”が来る予定なんだ」

「元気づける? 別にそんなこと頼んでないよ」

「ああ、うん。そうなんだけどさ。もう決まっちゃったことだし」

「どういうこと?」

 さやかと恭介がそんな会話をしていると、病院のスピーカーから聞き慣れない音楽が流れてきた。

 やたらテンポの早い曲でドラムの音が激しく響く。

「ああ、この曲は」まどかが何かに気がついたようだ。

 たしかにこの曲にはさやかにも覚えがある。




 布袋寅泰の『スリル』だ!





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魔法少女まどか☆イチロー 第二話

2011年07月30日 19:30

魔法少女まどか☆イチロー

17 : ◆tUNoJq4Lwk [saga]:2011/04/09(土) 20:38:35.31 ID:y4wKISZKo


   第二話

   あこがれを持ちすぎて、自分の可能性をつぶしてしまう人はたくさんいます。
   自分の持っている能力を活かすことができれば、可能性は広がると思います。   


 元々力のぬけていたマミの身体は、肩腕を失ったことによりバランスを崩し、その場に倒れこんだ。

「マミさん!」

 マミのもとへ駆け寄ろうとするまどかをさやかが止める。

「待ってまどか! あいつが来る」

 先ほど爆発したかと思われた、大きい顔のついた芋虫のような怪物が、再びその姿を現したのだ。

「イチロー!!」

 振り返ると、魔法少女の服装をした暁美ほむらが到着していた。

 彼女の視線の先には、背の高い細身の青年がいる。

「これを」

 ほむらがそう言うと、いつの間にかイチローの手に黒いバットが握られていた。ミズノ製の木製バット。
 イチローがいつも使っているやつだ。

「ふんっ」

 バットを受け取ったイチローはその場で素振りをする。
 すると、その振りで出来た風圧がカマイタチとなり、化け物の身体の一部がまるで鋭利な刃物で斬られたかように、分離してしまった。

「凄い」

 美しい、と言うほかないほど完ぺきなフォームでバットを振るイチロー。

 しかしその美しさとは裏腹に、そこから生み出される風は強力な武器となっていた。

「ふんっ!」

 今度は、鋭利な刃物というよりも強力な鈍器のように大きな風圧が魔女を襲う。
 地面が揺れるほど。

「イチロー、そいつは本体じゃないわ。本体はもっと奥にいる!」

 いつの間にか、イチローのすぐ側に移動していた暁美ほむらは彼にそう告げた。

「わかった。そこの倒れている彼女を頼む。それから球を一つ」

「一つでいいの?」

「十分さ」

 ほむらは、円形の楯のような物の中から、ローリングス製のメジャーリーグ公式球を手渡す。

 それを受け取ったイチローは、狙いを定め、それを投げた。

 バッティングのフォームに勝るとも劣らない無駄のない、それでいて美しいフォームが、一直線で部屋の奥へと進んでいく。

 レーザービーム

 アメリカでそう呼ばれたイチローの送球だ。

 次の瞬間、まるで太陽のような眩しい光が周囲を包んだ。まどかは、あまりの眩しさに思わず目を閉じてしまう。

 一体何があったのか。

 爆発?

 これで死んでしまうの?

 色々な不安がまどかの脳裏を掠める。 

 しかし次に目を開いた時、そこは先ほど見た病院の敷地内の通路であった。

「あれ? ここは……」

「結界は消えたわ」

「あ……」

 彼女の目の前にいたのは、まどかと同じ学校の制服に身を包んだ暁美ほむらの姿だった。

 そして、彼女の後には、さきほど魔女の結界内で見た、私服姿のイチローがいた。

「ほむらちゃん……、それにイチローさんも」

「あれ? あたし、何してたんだ」

まどかと同じように気がついたさやかも、すぐには今の状況が理解できていないらしい。

「わっ、イチロー選手。本当にいるよ。ってことはやっぱり夢じゃ」

「夢……?」

 振りかえると、そこには制服姿の巴マミが横たわっていた。

「マミさん!」

「マミさん、大丈夫!?」

 さやかがマミを抱き起こす。意識はないようだ。

「でも、確か……」

 まどかの記憶では、マミの右腕は千切れていたはずだ。その場面が脳裏に焼き付いている。

「あれ、右腕が……、ある。やっぱりあれは――」

 しかし、今のマミには、しっかりと右腕がある。これはどういうことか。

 やはり、さやかの言うとおり夢だったのか。

「夢じゃないわ」

 まどかのわずかばかりの希望を打ち砕くように冷たく響く暁美ほむらの声。

「夢じゃ、ない?」

「ええ、たしかに魔女の結界の中で巴マミの腕はなくなった。でも、彼女は魔力でその肉体を再生させたの。
彼女が今、意識がないのは、魔女との戦いで魔力を消費した上に、更に肉体再生をやってしまったからね」

「そんな……」

「あなたたちもわかったでしょう?」

「え?」

「魔法少女は、“普通の人間”ではないの。普通の人間でありたいのならば、キュウべえと契約して
魔法少女になろう、なんて思わないことね」

「あ、そういえばキュウべえはどこに行ったんだ?」そう言ってさやかは周囲を見回した。

 しかしキュウべえらしき白い生物は見当たらない。

「さっきまで一緒にいたのに」

「んもう、なんだよ。肝心なときにいなくなって。それよりまどか」

「え?」

「マミさん運ぶの手伝って。丁度ここは病院だし」

「あ、そうか」

 まどかはさやかと協力して、マミを外来病棟まで運ぶことにした。

 しかし、ほむらはそれに付き合うこともなく、踵を返した。

「いいのか? ほむら」とイチローを声をかける。

「いいのよ」そう言ってほむらは歩きはじめた。

 まどかは、そんなほむらの後ろ姿を見つめながら、寂しく感じるのだった。

「ほらまどか、行くよ」促すさやか。

「う、うん」

 夕焼けの中で、ほむらとイチローの会話が微かに聞えた。

「ところで今日の夕食はなんだい?」

「明太子スパゲティーよ」

「……そうか」

「ごめんなさい、お買い物に行く暇がなくて」

「いや、気にしなくていいよ。そこは――」

 それにしてもあの二人の関係は何なのだろうか。まどかはそんなことを考えながら、マミを支えて歩いた。


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オカリン×ほむほむ×キョン【タイムリープ座談会漫画】

2011年07月29日 21:27


オカリン×ほむほむ×キョン【タイムリープ座談会漫画】

Steins;Gate(シュタインズ・ゲート)×涼宮ハルヒの憂鬱×魔法少女まどか☆マギカ

タイムリープ経験者キャラだけ集めてトークさせたらどうなるかなーという漫画です。
オカリンとほむほむとキョンがだべってるだけです。

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魔法少女まどか☆イチロー 第一話

2011年07月29日 19:09

 最悪の結末を迎える未来。

 その未来を変えるため、親友との約束を守るために暁美ほむらは時間を逆行する。

 しかし、現実は非情である。

 何度時を繰り返しても、変わらない結末。
 
 そんな彼女が最後に頼ったのは、ある一人のメジャーリーガーだった。


 苦しいことの先に、あたらしいなにかが見つかると信じています――


 史上最強のアスリートが人類存亡の危機に立ち向かう



   魔法少女 まどか ☆ イチロー




魔法少女まどか☆イチロー

1 :◆pbCrJT38xt7R [sage]:2011/04/09(土) 19:59:07.41 ID:y4wKISZKo

 鹿目まどかは、荒廃した暗い街の中で、“闇”と戦う一人の長い黒髪の少女の姿を見た。

 闇の中心には、巨大な歯車のようなものが見える。まどかにとって、これまで見たことのない物体。
 でもそれが危険なものであることは本能で理解できた。

 巨大なビルが宙を舞う。

 闇と戦う少女は、不思議な力を持っているらしく、飛んでくるビルやコンクリートなどの塊をかわしながら、巨大な闇に向かって攻撃をしようとする。

 しかし、少女の力はその闇に対してはあまりにも小さかった。

 十分な攻撃を加えるどころか、相手側からの攻撃をかわすだけで精いっぱいといった印象だ。

「酷い……」その光景を見てまどかは言葉をもらした。

「しかたないよ。彼女一人には荷が重すぎた」

 どこからともなく声がする、と思ったら彼女の隣には、小型犬くらいの大きさで、白い身体、そして赤い瞳をもつ不思議な生物だ。

 しかし、まどかはその時、不思議とその生物のことを知っているような気がして、“それ”が喋ることをなんら不思議とは感じなかった。

 白い生物は、まどかの動揺を他所に淡々と喋る。

「でも、彼女は覚悟の上だよ」

 次の瞬間、何かの波動のようなもので吹き飛ばされる黒髪の少女。

「そんな、あんまりだよ! こんなのってないよ」

 絶望的な戦いを強いられている少女の姿を見て、まどかもまた悲しくなった。

 ふと、戦っている少女と目が合った気がした。
 遠くにいるはずなのに、なぜか彼女の顔や体型が目の前にあるように感じることができる。
 自分と同じくらいの歳の少女だ。

「あきらめたらそれまでだ」白い生物は相変わらず淡々とした調子で喋る。

「でも、キミなら運命を変えられる。その力がキミにはあるんだ」

「ほ、本当なの……? 本当に、私にそんな力があるの?」

「もちろんさ」

「ど、どうすればいいの?」

「そのために、僕と契約して、魔法少女になってよ!」

「魔法……、少女?」


 ――その必要はない


「え?」

 不意に目の前の生物が爆発した。
 正確には、何かにぶつかって砕け散ったと言ったほうが正しいかもしれない。

「ええ?」


 状況が分からずその場に立ちすくむまどか。
 そんな彼女の後ろから、彼女を追い越すように歩いて行く一人の背の高い男性。

「あなたは……」

 どこかで見たことのあるような白い野球のユニフォーム。そして背中には、大きく「51」という文字が見える。



 彼女が目を開くと、そこはいつもの自分の部屋だった。

「夢オチ?」

 わかっていた、といえばわかっていた。巨大なビルが飛び交うあんな非現実的な光景が現実とは思えない。

 しかし、夢の中で見た黒髪の少女、そして背番号51の野球選手とは、どこかで会ったような感じがしたのだった。






       魔法少女 まどか ☆ イチロー






  第一話  感情を、おさえることにしました。自分が、壊れると思いましたから。


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魔法少女と魔導師

2011年07月28日 20:25


魔法少女と魔導師

魔法少女まどか☆マギカ×魔法少女リリカルなのはStrikerS(ストライカーズ)

“円環の理”が生まれる五年前、紅の魔法少女はその世界から姿を消した。
五年後、高町 杏子は魔法少女の理を破壊し、絶望に呑まれた少女を救済するために“エース・オブ・エース”を連れて舞い戻ってくる。 
これは魔導師と魔法少女が紡ぐ物語

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正義の味方と夢見る聖者

2011年07月28日 19:45


【習作】正義の味方と夢見る聖者【ネギま!×Fate×トライガン+オリジナル】

Arcadia

Fate/stay night(フェイト/ステイナイト)×魔法先生ネギま!×トライガン・マキシマム×オリジナル(サブキャラクター)

正義の味方と夢見る聖者。似ているようでちょっと違う、赤い衣を纏った2人の男と、赤毛の無垢な少年の物語。
正義の味方/理想を目指す現実主義者は、夢を語らない。
夢見る聖者/現実を駆ける夢想家は、正義を求めない。
それでは、無垢な少年は……?

本編終了後のヴァッシュ・ザ・スタンピード、リヴィオ・ザ・ダブルファング(ラズロ・ザ・トライパニッシャー・オブ・デス)とエミヤ・シロウがネギま!世界に

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仮面ライダーW 魔法少女のM/探偵のララバイ/07

2011年07月27日 19:09

仮面ライダーW「さあ、インキュベーター! おまえの罪を数えろ!!」

284 :◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2011/04/21(木) 00:46:25.13 ID:oBULefdH0

/07

 やってしまった。

 やってしまった。

 鹿目まどかをやってしまった。

「おえぶっ!!」

 ステンレスのシンクに向かって、えずく。

「うぇえええっ!!」

 もう何度目かわからない。

 私は涙目になりながら、黄色い液体を吐き出すと、ふらつく頭を振りながら蛇口をひねりこみ、流水で汚物を流した。

「違うのよぉ、違う、私、そんなつもりじゃなかったのぉ」

 時間を刻む時計の音だけが規則的に聞こえてくる。

「べつに、魔法少女なんかなりたくなかったんだもぉん」

 あれからどのくらいの時間が経ったのだろうか。

 全ては夢。今も、こうやって泣き喚いて、座り込んでいれば、パパとママがやってきて、優しく慰めてくれる。

 そんな幻想を全力で願い、ぎゅっと目を閉じる。

 まだかな。

 ……ねぇ、まだ?

「パパぁ、ママぁ」

 耳を澄ます。何の音も聞こえない。

 誰の気配もしない。

 窓の向こうは既に夕日が落ちきって、夜が訪れていた。

 ドアの向こう側に、こつこつと乾いた靴の足音が聞こえる。

 その足音を聞いていると、いつも無性に寂しくなるのだ。

 汚れた唇を袖口でぬぐうと、なんとか立ち上がった。腰から下が抜け落ちたように力が入らない。
 これからどうすればいいのだろうか。

「ひとごろしだ、私は」

 美樹さやかの鬼のような形相が、脳裏にちらついて離れない。

 頭をぶんぶんと、左右に振って忘れようと努めた。そういえば、彼女はこの家に来たことがある。

 途端に、激しい恐怖心が全身を浸した。

「に、逃げなきゃ」

 美樹さやかが来る。

 私の中で、鹿目まどかを殺した罪悪感と、断罪される恐怖心がせめぎあい、相克する。

 申し訳ないと思う気持ちとは裏腹に、私の足はアパートを飛び出すと、自然と目的地も定まらないまま駆け出していた。


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仮面ライダーW 魔法少女のM/探偵のララバイ/06

2011年07月26日 19:15

仮面ライダーW「さあ、インキュベーター! おまえの罪を数えろ!!」

241 :◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2011/04/18(月) 00:27:46.38 ID:Dni6wn420

/06

 僕たちがようやく学園を探し当てたどり着いた時に凶事は起こっていた。

「か、火事だ。学校が燃えてるよー」

「落ち着くんだ、アキちゃん」

 動揺する彼女に声を掛け、周りを見渡す。

 校庭には逃げ出した生徒達が、それぞれクラスごとに集団を作り、遠巻きに燃え盛る校舎に見入っている。

 それらを押しのけるようにして、遠巻きに火事見物をしているのは周辺地域の住民たちだろうか、彼らもしくは彼女らはまちまちの服装年齢層で、その中に混じる僕らもたいした違和感なしに校門をくぐれたのは幸いだったというべきか。

 関係者以外をシャットアウトするべきの警備員も、今はその任を放り出し、校舎を舐めるように這っている炎を熱心に見入っている。

 続けざまに消防車と救急車が並ぶように校庭へと到着し、さながらここは戦場だった。

 耳を聾するサイレンの音。

 怒声と押し詰まった人々の悲鳴。

 真昼に起きた惨事は、いともたやすく、人間の理性を崩壊させる。

 消防隊員の放水作業を見ながら、本日において収集できそうな情報の精度と確率を心の中で推し量りながら、僕はある違和感を覚えた。

「アキちゃん、何か違和感を感じないかな」

「どうしたの、フィリップくん。そりゃ、こんな真昼間から学校が火事になるなんて、あんまりないと思うけど」

「そう。まず、こんな昼間から、しかも教育機関である学校で火を出すなんてことまずほとんどないだろう。
工場などと違って火を出す薬品・材料・機械などはほとんど常備されていないだろうからね。おまけに、ここ数週間の湿度は極めて高い」

「うん。そだね、最近よく雨降ってるし」

「今は乾燥する季節じゃない。特に燃え方が変だ。
また、今日はこの学校のカリキュラムでは、全学年全クラスで火を使う調理実習は一切行われていない。
しかも、一番火を出す確率の高い科学室や調理室の棟を避けるようにして、火災が発生している」 

 いずれも、地球の本棚で検索した情報だ。間違いは、ない。
 僕は、地面に座り込むと、地べたに簡単なこの学園の見取り図を指先で描いた。

 彼女はふんふんと首を縦に振って僕の話を聞き入ると、何かに気づいたように、顔を上げた。

「もしかして、これって……」

「そう、火勢の強い部分は全て、この校舎のデッドスポットから発生している。
極めて意図的だ。本来の目的は事件のデータ収集だったけど……案外あたりかもしれない。急ごう

「うん、って何をどう急ぐの」

「校舎の裏手。そこにたぶん手がかりがありそうな気がする」

「つまりぶっちゃけていうと、人目につかない場所に火をつけた悪いやつ、がいると」

「人心を混乱させ、陽動を行うのにもっとも簡単な方法だよ。
火を見れば、人間は簡単に理性を失う。これだけ人間の集まる場所なら尚更さ。
財団Xの狙いは、もちろんソウルジェムだろう。……いやな予感がする」


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仮面ライダーW 魔法少女のM/探偵のララバイ/05

2011年07月25日 20:12

仮面ライダーW「さあ、インキュベーター! おまえの罪を数えろ!!」

198 :◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2011/04/09(土) 20:18:11.29 ID:kkVZOldP0

/05

 今起きたことが全て夢の中であるように願った。

 前のめりに崩れ落ちるまどかへと駆け寄る。

 転校生は呆然としたまま、背中からまどかを抱きかかえ、虚ろな視線を漂わせていた。

 あたしは、ぽっかりとあいた、まどかの黒々とした胸の銃創を見つめながら、こぽこぽとめどなく溢れ出す赤黒い血を止めようとそっと手を伸ばした。

 血溜まりの中は、あたためた泥のように粘って指先から手首までを浸していく。

「まどか、しっかりして、なんとか、なんとかするから!!」

 何をどうするというのだ、この状況で。

 そもそも、周囲は燃え盛った建築物が、今にも自分たちの居る中庭にまで倒れてきそうだというのに。

 知らず、泣いていた。

 涙がぼろぼろとこぼれ、頬を伝う。
 歪んだ視界の向こうには、顔をくしゃくしゃにしたほむらが涙を流しているのが見えた。
 どうして、どうしてまどかが殺さなければならないのだ。彼女は何の関係もないのに。

 まどかは、ほむらを庇って銃弾に倒れた。どうしようもない事実だった。

「ち、違うの、こ、これは違うの。だって、私は暁美ほむらを……。鹿目さんが悪いのよ、そんなやつかばうから……」

 尊敬できる先輩だと思っていた。

 彼女の洗練された物腰や、力強い行動力にどれだけ憧れたのだろうか。

 魔女や使い魔を一掃する時の彼女は、まるで物語のヒロインそのもので。

 瑕疵ひとつなく、完璧だった。

 それが今はどうだ。この期に及んで言い訳すらしている。

 ――こんなのは、あたしやまどかが憧れた巴マミじゃない!


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仮面ライダーW 魔法少女のM/探偵のララバイ/04

2011年07月24日 19:46

仮面ライダーW「さあ、インキュベーター! おまえの罪を数えろ!!」

165 :◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2011/04/09(土) 00:10:58.79 ID:Hu0QOljI0

/04

 時間よとまれ、汝は美しい。

 この言葉を残したのは、ゲーテのファウストだったか。

 私は、教卓の上の時計を見つめながら、まもなくやってくる苦痛の時間を思い、心の中でため息をついた。

 終わる。

 終わってしまう。

 授業が終わってしまう。

「はーい、じゃあ今日はちょっと早いけどここまでにしますねー」

 おい! 

 勝手に切り上げるんじゃないわよ!

 そんなに昼食にしたいの! 時間内いっぱいまで真面目に働きなさいよ、ばか!

 日直が号令を掛けると、クラスメイトの皆は三々五々に散っていく。

 楽しい楽しいランチライムだ。そして、私に声を掛ける人間は誰もいない。何故だろうか。

 当たり前だ。それは、私が特別な人間だから。選ばれた魔法少女は、群れたりなどしない。孤高。

 素晴らしい言葉だ。そう考えて心の均衡を保つ。

 告白します。私は友達が少ない、というか、うん、その選んでるの。そして、私の目に適う崇高な人物がここにはいないだけだった。

 すいません、嘘でした。

 かつて、両親を事故で失った際、私は荒れた。

 自暴自棄になって、心配してくれる人たちの声すら無視し、大業(魔女殺し)に邁進していく内に、やがて気づけば一人になっていた。

 そして、私を一人にしたこの世界を恨んでいくうちに、
ますます人々は私を世界からのけものにしていったので、こっちから縁を切ることにしたのだ。

 後悔はない。でも、世俗の垢に染まった小人たちがどうしてもと、媚びへつらって交誼を結びたいと心の底から望むのであれば、

その辺りは柔軟に対応しようと思っているが、やつらは一向に心を入れ替えようとしない。

 ま、私は心が広いのでそれらを待つくらいの度量は兼ね備えている。いつでも、いいのよ、ホラ。

「ごはん、いこー」 

「あ、ちょっと待ってよー」

 前の席の子達が、連れ立って歩き出した時、視線が絡み合う。

 しばし無言。

 やがて何事もなかったかのように、その場を去り、私の意識は日常に回帰していく。

 たまには誘ってみなさいよ、ばか。

 そのまま椅子と一体化していてもお腹はふくれない。

 極めて現実的な決断として、売店に行き、タマゴサンドとお茶を買い、なるべく人気のなさそうな中庭に向かった。


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仮面ライダーW 魔法少女のM/探偵のララバイ/03

2011年07月23日 20:02

仮面ライダーW「さあ、インキュベーター! おまえの罪を数えろ!!」

110 :◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2011/04/02(土) 00:09:26.87 ID:kDJ2UamJ0

「さあ、いくぜ!!」

 オレは雄叫びを上げて接近するビースト・ドーパントを睨みながら、後ろ足で大地を蹴って迎え撃った。

 振り上げられる大爪。大気を裂いて旋回するそれは、首筋を刈らんが為、半円を描いて旋回する。

 上半身を反らしてかわす。同時に無防備な腹へと蹴りを叩き込んだ。

 ――硬ェ!!

 コイツには一発や二発じゃ利かねェ。

 オレは最初の蹴りでバランスを崩したドーパントに、両拳を全力余すことなく叩きつける。

 鋼鉄もひしゃげとばかりに連打の雨を降らせるが、さすがに硬い装甲だ。

 殴りつける度に、もげそうになる指の衝撃をこらえながら突破口を探す。

 だが、ヤツも黙ってはいない。片手で拳の雨をかいくぐると、再び大振りの一撃を胸元に見舞ってくる。


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ゼロの最強の使い魔

2011年07月22日 19:40


ゼロの最強の使い魔(Servant Of TheZERO)

Arcadia

ゼロの使い魔×Fate/stay night


この作品はアーチャー(英霊エミヤ)の異界召喚モノです。
他世界Inモノです。答えを得ている為性格をやや円くして有ります。
その類の作品を受け付けない方には、まったくお勧めできません。
劇物であり毒物の最低踏み台系でもあります。
要注意してお読みください。
TYPE-MOON作品、ゼロの使い魔の設定など尊重はしますが、遵守はしていません。


ルイズがアーチャーを召喚
最強ものの代表作

未完結作品

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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その19

2011年07月21日 20:11

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」

823 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 00:10:18.63 ID:uCVaL05AO

バヂィッ

プルツー「っ……!」

プルツー「あたしにバリアまで使わせるなんて……ガンダム……!」ギュォッ

プルツー「サーシェス、一旦引く!」

サーシェス「お、おう!」

刹那「ッ!」

ピピッ

刹那「アリー・アル・サーシェス……!?」

ザバァッ
キィィィィン

ラッセ『何だありゃあ、新型の輸送機か!?』



プルツー「ガランシェールのハッチを!」

ガコンッ
ガシャン

プルツー「スローネツヴァイの搬入は!」

サーシェス「完了してるよ。だがアインにゃまだ手も触れてない」

プルツー「ドライは!」

サーシェス「アイン抱えてさっき逃げた。大方例の王留美が言ってた【手筈通り】ってヤツだろ?」

サーシェス「あのクルジスのガキの始末はどうすんだ」

プルツー「……」

プルツー「ひとまずは退く。あの訳の分からないガンダムのシステム……詳しいことが分かるまでは、相手に出来ない」

プルツー「帰投する、ヴァラヌスが損傷したのを考えると、ツヴァイを投入することも考えなきゃ」

サーシェス「あいよ」グンッ

サーシェス「俺個人としては大歓迎だがな……こんなたぎる戦争は久しぶりだからよぉ」

プルツー「野蛮だね。でもリボンズが気に入るのもよく分かる気がするよ」

プルツー「……」グスッ

サーシェス「けっ、何しょげてんだよ。シラケるぜ」

プルツー「リボンズの命令をこなせなかったんだ……平気な顔してた方がおかしいだろ」

サーシェス「まだまだお子様だな」

プルツー「何だと!?」

サーシェス「右に曲がります、と」

プルツー「うわぁっ!?」

ギュゥゥン



ラッセ『速いなあの輸送機……大気圏内でのMS運用前提って感じだな』

刹那「……あんなものを用意する準備がある程の敵……」

刹那「!」



ガコンッ

ネーナ「ヨハ兄ィ……ミハ兄ィが、ミハ兄ィが……」グスッ

ネーナ「エネルギー半分分けたからさ……いこ、ヨハ兄ィ……」

ヨハン「……」

ヨハン「ミハエル……」ツゥ……

ギュンッ

ラッセ『……刹那』

刹那「ラッセ、必要ならばスローネを破棄させパイロットだけを其方に預けることになるかもしれない」

ラッセ『何!』

刹那「彼等のアジトはもう無い、放置すれば紛争が起こりスローネは奪われる」

刹那「この紛争を終わらせるには、それしかない」

ラッセ『……了解だ刹那』

刹那「エクシア、目標に再接近する」

王留美『その必要は有りませんわ』

刹那「!」

ラッセ『通信、王留美からか!』

王留美『ごきげんようマイスター、それに砲手さんも』

ラッセ『……』

王留美『彼等は私達エージェントが責任を以て保護します、あなた方はすぐに宇宙へ』

刹那「しかし……」

王留美『先ほど人革連のGNーX部隊がエレベーターにより宇宙に上がりました』

王留美『まもなく、ブリティッシュ作戦の総力を以てプトレマイオスを攻撃するでしょう』

ラッセ『何だと!?』

刹那「……!」

王留美『此方は私達に任せ、早くプトレマイオスの援護に』

王留美『スローネと宇宙の仲間、自ずと重要性は違ってくる筈では?』

刹那「ッ……」

刹那「……」

ラッセ『刹那!』

刹那「ラッセ、強襲用コンテナとのドッキングを。直ぐに宇宙に上がる!」

ラッセ『了解だ! シェリリンのブースターもある、一気に上がれるぜ!』

王留美『素晴らしい判断ですわ刹那・F・セイエイ』

刹那「此処は危険だ、すぐに撤退を」

王留美『無論ですわ』

刹那「俺達の代わりにスローネの調査、及びマイスターに関する報告書を直接トレミーに頼む」

王留美『えぇ、必ず』

王留美(あなた方が生きていたらの話ですが……)

ラッセ(何か企んでいやがるか……いや、今はトレミーに!)

ラッセ『間に合ってくれよ、みんな』

刹那(ティエリア……アレルヤ……ロックオン)

刹那(待っていてくれ、直ぐに戻る!)


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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その18

2011年07月20日 19:44

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」

773 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 00:29:25.65 ID:M496SxXAO


ーイリノイ基地・グラハム自室ー

ピッ

グラハム「……」

グラハム(ラグナ・ハーヴェイを介し新型ガンダムを操り、自らの欲のままに動きし存在。アレハンドロ・コーナー)

グラハム(肝心な部分こそ抜けているが、彼は恐らくソレスタルビーイングにも関わる存在……)

グラハム(となればやはりこの戦いは……)

グラハム「……私は、どうすればいい。歪みに従い当面の敵を排除するか、はたまた巨悪に自ら刃を振りかざし戦いを挑むか」

グラハム「私は……ッ」

グラハム「……」

グラハム「考えても仕方無いか……とりあえずは彼の様子を見に行こう」ガタンッ



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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その17

2011年07月19日 19:30

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」

710 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 00:30:28.28 ID:gQ2ZiI0AO

ー車内ー

ホーマー「出せ」

運転手「了解しました」

ブゥゥゥン……

ホーマー「また手酷くやられたな」

グラハム「何のこれしき、この程度カスタムフラッグの全速旋回にかかる12Gにも程遠いダメージです」

ホーマー「腫れ上がった顔で強がられても、何の慰めにもならんよ」

グラハム「ホーマー氏を慰めようとは思っておりません」

グラハム「ですが、私が健在で無ければ悲しむ者がいます。そのためになら幾らでも強がってみせましょう」

ホーマー「……」

グラハム「私は、少々彼女を泣かせすぎました」

ホーマー「何……?」ピクッ

ホーマー「貴様、もう一度尋問を一通り受けさせてやろうか」

グラハム「それは勘弁願いたい」

ホーマー「乙女座といえど、貴様の怖いもの知らずも大概にしてもらわねば困るな」

グラハム(やれやれ、この方の印象も随分と変わったものだ)

グラハム「それで、現状は?」

ホーマー「……」

ホーマー「現在AEU・ユニオン双方のGNーXがソレスタルビーイングに攻撃を開始した」

ホーマー「まだ連絡は来ていないが、恐らくは激戦が予想されるだろう」

グラハム「……」

グラハム「私のフラッグは、完成しましたか?」

ホーマー「まだだ。カタギリ曰わく、やはりGNドライブ自体に基幹ユニットが馴染まないと問題点が多すぎるそうだ」

ホーマー「毎日毎日微調整と修正の日々だ……むしろ彼処まで仕上げられたのは驚嘆に値するだろう」

グラハム「カタギリならば、最終戦に必ずや間に合わせてくれるでしょう」

ホーマー「うむ、そうでなくては私が出向いた意味も無くなる」

グラハム「……申し訳無いのですが、一つお願いがあります」

ホーマー「何だ?」

グラハム「あそこから出られたなら、まず最初にホットドッグを食べようと決めておりまして」

グラハム「どこでもいいので、店を見つけたならば止まっていただけると助かります」

ホーマー「ふん、ジャンクフードに毒された生活をしていたら早死にするぞ」

グラハム「かもしれません、しかし夢を見てから思い出してしまい、どうにもこうにも」

ホーマー「何の話やらな……見つけたら止まってやれ」

運転手「了解しました」

ホーマー「グラハム、お前にはユニオンのトップガンとして働いてもらわねばならんのだ」

ホーマー「食にも気を使え、マリーダを見ていれば分かるはずだ」

グラハム「ご忠告、感謝いたします」

グラハム「戦いが終わってから、また日本の旨いリョウテイに連れて行ってください」

ホーマー「……良いだろう」

運転手「見つけました。脇に止めます」

グラハム「かたじけない」

グラハム「司令もお一つ如何ですか?」

ホーマー「要らん」

バタンッ

グラハム「つれないお方だ」フッ

グラハム「……」

グラハム(マリーダ、死ぬなよ。お前には生きていてもらわねばならんのだ)

ザッ

グラハム「む?」

紅龍「……」


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