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パラレルワールド・バトルロワイアルまとめwiki

2011年11月28日 19:37


パラレルワールド・バトルロワイアルまとめwiki

魔法少女まどか☆マギカ×魔法少女おりこ☆マギカ×バトルロワイヤル・パロディ(パロロワ)

鹿目まどか、暁美ほむら、美樹さやか、佐倉杏子、美国織莉子、呉キリカ、千歳ゆま、巴マミが参戦中

原作とそのパラレルワールド扱いの作品でバトル・ロワイアルを行う企画
同じ起源でありながらも、違う作品のキャラクターたちで織り成す、一風変わったクロスオーバー展開が期待されている。

参加作品は、原作とパラレルの2作品1セットという形で参戦する。

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ネギライダー!

2011年11月27日 02:43


ネギライダー!

FREEZE MOON→ネギライダー!

魔法先生ネギま!×仮面ライダーSPIRITS(スピリッツ)×仮面ライダーBLACK RX(ブラック アールエックス)×仮面ライダークウガ×仮面ライダーアギト×仮面ライダー剣(ブレイド)×仮面ライダー555(ファイズ)×仮面ライダー龍騎

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牙狼―GARO―魔法少女篇 第一話「終焉」 その5

2011年11月25日 19:44

まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇

371 : ◆ySV3bQLdI. [sage saga]:2011/08/07(日) 23:57:53.66 ID:ASp9P10ho

――いったい何なの、あれは……。 

 ほむらが心中で呟く。口にこそ出さなかったが、彼女も黄金の狼の姿に圧倒されていた。
 鋼牙には何かあると思っていたが、予想は裏切られた。いや、大きく上を行っていた。

 鋼牙とすれ違った後、ほむらは一も二もなくまどかの手を引いて走っていた。
 鋼牙の去った方向、即ち自分たちが来た道を。
 この機に乗じて、まどかの契約をうやむやにする。
 それもあるが、彼の行動が気になったのが一番の理由。

 隣のまどかを見ると、彼女は息を切らしながらも、素直に目を輝かせていた。
 黄金の鎧もさることながら、さやかの命が救われたことが嬉しいのだろう。
 そうだ、鋼牙は疾風のように現れて救ってしまった。自分が救えないと見捨てた彼女を。
 そんなほむらが鋼牙に抱いた感情は、期待と苛立ちが入り混じった妙な気持ちだった。

 もう誰にも頼らないと決めた。独りでも、彼女を助けると誓った。
 その為に様々なものを犠牲にしてきた。今日も、二人の知り合いを切り捨てたばかりだ。
 なのに彼は唐突に現れて、すべてを救おうとしている。
 いくら彼がホラーとの戦いを専門とする戦士だとしても、自分が苦渋の末に選んだものを、彼は丸ごと手に入れられるのだ。

 それが何となく不満で。
 しかし、助けてほしい、身を委ねてしまいたい自分がいるのもまた事実で。
 そもそも、そんなふうに考えてしまう自分も嫌だった。
 この気持ちは何だろう。
 嫉妬。或いは羨望。どれでもあり、どれでもない。

 ほむらの葛藤など無関係に、黄金騎士は剣を抜き放つ。
 鎧が金なら、柄も鞘も金。鍔もなく、細身で見るからに地味だった剣が、豪華な長剣に変化している。
 三日月形に反り返った鍔。柄の中心には赤く三角形の紋章。
 剣身は厚く幅広になり、波打つような紋様が施されている。
 美術館に飾られていても不思議でないほど見事な芸術だった。

 しかし勇ましく剣を構えるガロに、ほむらは言い知れぬ胸騒ぎを覚える。
 誰もが魅せられ、畏怖する黄金の光は、何人たりとも近付くことを許さず、触れた途端に焼き尽くされそうな――。
 頼もしく思うと同時に、強過ぎる光で己の姿まで掻き消されるのではないかという、漠然とした不安。
 負けじと思えば思うほど、心の抵抗は頑なになってしまう。
 光が強ければ強いほど、影が濃くなっていくように。

――影……そう、彼が光だとすれば、私はきっと影。だから闇に打ち勝てない。
 彼に助力を願えば、何かが変わるかもしれない。でも、彼に期待して、またさっきみたいになったら……。
 助けられることばかり考えて後で後悔するくらいなら……。
 それならいっそ一人の方がまし。少なくとも、これ以上弱くなりはしないのだから――

 答えの出ない問いと感情を持て余しながら、ほむらはガロを目で追う。
 身勝手な解釈と知りつつも、眩い黄金の輝きは、持たざる者の苦悩を遥か高みから見下ろしているように思えてならなかった。


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牙狼―GARO―魔法少女篇 第一話「終焉」 その4

2011年11月24日 19:53

まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇

323 :◆ySV3bQLdI. [sage saga]:2011/07/24(日) 23:45:02.22 ID:p/nmQMuUo
 闇の中、ほむらは走っていた。手を握っているまどかが悲鳴を上げるも、顧みることはない。
 今は一刻も早くここから逃げる。
 それがすべて。
 しかし思う。一体、何から逃げているのか。何を振り切ろうとしているのだろうと。

 ホラーから。
 それもあるが、奴はすぐには追ってこないはず。
 では、他に何があるというのか。

 あるとすれば、それは見捨ててきた二人の少女と、自身の罪。
 さやかとマミが追ってくる訳ではない。おそらく、彼女らとの生きて再会はあり得ないだろう。
 まどかを安全な場所まで送り届けた後は戻ってくるつもりだが、到底間に合うとは思えない。

 だからこそ幻影はいつまでも付き纏ってくる。ほむらが記憶している限り。
 何もかも覚悟の上でやったこと。だが、ほむらは実行に移せる程度には冷徹だったとはいえ、
 心まで無感動でいられるほど割り切れてはいなかった。

「待って、ほむらちゃん……! ハァ、お願いだから……」

 まどかが息を切らして、声を涸らして、なおも懇願する。
 既に抵抗らしい抵抗はなく、声には疲労が色濃く出てきている。
 消耗しきったまどかを見ても、ほむらは速度を落としこそすれ、止まりはしなかった。

 ホラーは追ってこなくとも、罪悪感は追ってくる。どこまでも、どこまでも。
 止まれば呑み込まれる気がした。この深い闇の奥の奥まで引きずり込まれて。
 想像して寒気が走り、ぶるっと身震いした。

 ここは嫌だ。潜在的な恐怖を引き出すから。
 きっと、あのホラーに自分も恐怖していたのだろうと冷静に分析するが、
 それで恐怖が払拭できるものでもない。

 子供の頃、訳もわからず怯えていた。
 例えば星も月もない夜。
 押し入れのような閉じた暗闇。
 黒一色に塗り潰された空間。
 何もいないと理性で理解していても、本能が凌駕する。意識した瞬間、何かが生まれる。

 人は、本能的に闇を恐れる。
 足を止めれば、穴という穴から闇がぬるりと這入り込んで、身体を内側から腐らせる。
 まるでこの空間そのものがホラーの体内であるかのような、自分が溶けて消えていく錯覚。
 
 だからこんなことを考えてしまうに違いない。ほむらは、そう言い訳した。

――連れて逃げられるのは一人だけ。背負ったとしても追い付かれる可能性が高いと判断した。
 だから、私はまどかを選んだ。
 たとえ何を犠牲にしてでも、まどかだけは絶対に守る。私とまどかを含む、すべてを裏切ってでも。
 
 足手まといになるから。二人を連れて逃げるのは困難だから。
 切り捨てるしかない。神ならぬこの身には限界がある。私は悪くない。
 でも、本当にそれだけだろうか。

 巴マミは歪んでいる。薄々感付いてはいた。
 彼女は死よりも孤独を恐れ、生よりも使命を優先させるきらいがある。
 故に魔法少女としての信念を曲げようとはしない。
 ここに美樹さやかを残して行けば、巴マミは彼女を守らんと最後まで抵抗を続けるだろう。

 巴マミは時に御しにくく、障害になる危険性も秘めている。強いからこそ厄介だった。
 そんな彼女を、ここで捨て駒として使う。逃げるまでの時間は十分に稼いでくれるだろう。

 美樹さやかはまどかの親友。直情故に精神的に追い詰められやすい彼女は、自ずと身を滅ぼす。
 それならここで死んでも同じ。そして彼女が消えれば、まどかの信頼と親愛を勝ち得るのは私。
 最初は憎まれたとしても、他に頼れる存在がいないのなら……。
  
 私自身にも否定できないのだ。
 そんな薄汚れた魂胆と、悪魔のような打算が、心の奥底に潜んでいるかもしれないことを。
 まどかを連れて逃げた瞬間は意識していなかったものの、決してないとは言い切れない。
 私は今、考えてしまったのだから。意識した瞬間、それは生まれる。
 目を背けたい私の醜い部分が、この闇と引き合っている。
 
 私は、まどか以外の死に対して鈍麻している。
 見ず知らずの他人はもちろん、深く関わりを持つ魔法少女三人も例外ではない。
 いずれ、まどかの死でさえも軽くなっていくのだろうか。

 こんな私は、巴マミ以上に歪んでいるのだろう。
 だからまどかを救えないのかもしれない。歪んだ欠片と正常な欠片は嵌まらない。
 私が最も恐れているものは、振り切ろうとしているものは、己が心の闇。
 私の中に確かにある陰――

 心の内面に潜ることに没頭するあまり、ほむらの注意はまどかから逸れていた。
 泣いていた彼女も、今は黙ってほむらに従っている。
 二人が分岐路まで差し掛かった、その時。
 ガクンッと、引いた手が突っ張り、後ろに力が掛かる。
 振り向くと、まどかがつんのめり倒れるところだった。

「――うぶっ!?」

 止められなかった。突然の衝撃でほむらも面食らい、繋いだ手を放してしまう。
 急停止すると、まどかは顔面から派手に床を滑った。

「まどか! 大丈夫!?」

「いたたた……。うん、なんとか。ほむらちゃんは大丈夫……?」

 助け起こすと、鼻と膝を赤く擦りむいたまどかが笑った。
 まどかは引きずられる覚悟で、力を抜いて全体重を預けた。
 そんな状態で手を放されれば転ぶに決まっている。
 何故、そんなことを――決まっている。そうでもしないと止まらなかった。

「ほむらちゃん、やっと止まってくれたね」

「どうして……どうして笑えるの? 私を憎んだり怒ったりしていないの?」

 ほむらが戸惑いがちに問うと、まどかはキッと見返し、

「怒ってるよ! すっごく怒ってるけど……ほむらちゃん、とっても辛そうな顔してたから……」

「っ……」

 最後には切なそうに目を伏せた。
 ほむらは何も言えず、押し黙る。きっと、今は何を言っても言い訳になってしまう。
 まどかはふっと表情を弛緩させると、立ち上がって言った。

「ありがとう。私だけでも逃がそうとしてくれたことは嬉しい。
でも、ごめんね。私、やっぱりさやかちゃんを見捨てていけないよ……」

「無駄よ、あなたが行っても何もできない。二人揃って殺されるのがオチ」

「そうかもしれない。でも、行かなきゃ。マミさんが戦ってる、
こっそりさやかちゃんを助け出すくらいできるかもしれないし……」

 いつものおどおどした内気な少女の面影はない。さっきまでの泣き叫んでいた彼女でもない。
 膝から血を滲ませて、全身は小刻みに震えているのに。
 一しきり泣いた今のまどかは、怯えながらも凛としていた。

「駄目よ。行かせないわ」

 だからと言って、死ぬとわかりきっている場所へ戻らせはしない。
 彼女の意志がどれだけ強かろうが、現実は変えられない。
 手を掴み直して、まどかを引き留めるほむら。必然、見つめ合う二人。

「鹿目まどか。美樹さやかを助けたいなら方法はあるよ」 

 沈黙に割って入ったのは、女性のようでもあり少年のようでもある声。 
 まどかにとっては助けを求めてきた庇護の対象。ほむらには憎むべき敵。
 二人の間から見上げる形で、いつの間にか白い小動物が座っていた。
 
「あなた……確かキュゥべえ?」

「まどか……君には力がある。さやかやマミを救い、あの怪物を倒せる力が」

「私に……力が?」

 ほむらは一瞬で、キュゥべえの企みを見抜いた。
 いつもそう、こいつは最も効果的なタイミングで現れ、少女を誑かす。
 取り分けこれは最高の、ほむらには最悪のタイミングと言えた。


「そうさ。だから……僕と契約して、魔法少女になってよ!」


「黙りなさい」

 キュゥべえに拳銃を突きつける。これ以上、こいつに喋らせてはいけない。
 ほむらにとって、まどかの死と同じく絶対に防がねばならない事態。
 それが、まどかとキュゥべえの契約。
 銃口を向けられても、キュゥべえは顔色一つ変えない。

「待って!」

 理由はすぐにわかった。
 まどかが腕に飛びついて拳銃を押さえてくる。
 これを予測してのこと。黙っていても、悪者になるのはほむらだ。

「ほんと? ほんとにさやかちゃんもマミさんも助けられるの?」

「もちろんさ。何でもいい。君が一つ願い事を決めれば、僕がそれと引き換えに君を魔法少女にしてあげる」

「私にも、私でも誰かを救える……」

「マミみたいに魔女と戦ってもらわなきゃいけないけどね。でも心配いらない。
君には素質がある。きっと最強の魔法少女になれる。無限の魔力、世界のすべてを変えてなお、あり余るほどの力だ」

 無機質に光る赤い目が、まどかを見据え、甘く囁く。
 まどかは目に見えて揺れていた。もう一押しで頷いてしまう。
 もう撃つしかない。
 ほむらはまどかを振り払い、引き金に指を掛けた。

 まどかが息を呑む。
 キュゥべえは動かない。命乞いもしなかった。
 沈黙は勝利を確信した余裕か。
 撃つがいい。彼女の信用を完全に失うだけだ。
 言外に宣言しているようでもあった。 


 ほむらは指に力を込め――しかし、銃声が響くことはなかった。


 素早く連続した足音を耳が拾う。
 視界の端を、韋駄天の如き速さで白い影が駆け抜けた。
 こちらに気付いていないのか、気付いていて構う暇もないのか、分岐路から高速でほむらたちが来た方向へ去っていく。

「あれは――!」

 一瞬だったが、見間違うはずがない。
 腰に携えた赤い鞘、脛まであるロングコート。
 暗中を疾駆する剣士は、ほむらが待ち焦がれ、遂には待つのを止めた、あの男。

「どうして今さら……!」

 もう誰も頼らない。
 皮肉にも、誓った矢先に彼は現れた。
 何故、もっと早く来てくれなかった。そうすれば、こんなことをしなくてもよかったのに。

 忌々しく思うと同時に気付く。強く思えば思うほど、それが期待の裏返しだったのだと。
 それでいて撃つ寸前の緊張が解けているのは、まだ心のどこかで彼を待っていた証なのだと。

――捩じれて縺れた糸は、一度どこかで切らなければ正しい形に戻すことはできない。

 それはまどかも、彼女たちも、この世界も、私自身も同じ。

 私は、待ち望んでいたのかもしれない。


 終わらない世界の旅を。
 絡まった因果の螺旋を。
 我(わたし)の陰を。
 心の闇を切り裂いてくれる存在を――



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牙狼―GARO―魔法少女篇 第一話「終焉」 その3

2011年11月23日 19:03

まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇

240 :◆ySV3bQLdI. [sage saga]:2011/07/03(日) 23:57:27.77 ID:e8voSFyko

 目の前には、キュウべえを抱えるマミと、それ心配そうに見つめるまどかとさやか。
 現場に到着した瞬間、ほむらは何が起こったのか即座に理解した。

――遅かった……!

 ギリッと、表にこそ出さなかったが内心で歯噛みした。
 まどかの救命、この点に限っては問題ない。誰がやろうとも、そこは無事で何よりだと喜ぶべきこと。
 むしろマミが来なければ高確率で手遅れになっていたのだから、感謝して然るべきなのだろうが。

 しかし、事はそう単純ではない。まどかはキュゥべえと接触してしまった。
 キュゥべえは間違いなく、まどかを誑かすだろう。
 その人間が本質的に望むモノを嗅ぎ付け、取り入ることに長けた奴だ、中学生一人を手玉に取るくらい容易い。

 それだけでも危険なのに、なお助長するのがマミの存在。
 何も知らずに甘い英雄幻想を夢見るまどかは、当然の如くマミに憧れるだろう。
 その果てに、どんな未来が待ち受けているとも知らずに。
 マミはマミで新たな仲間の出現を喜ぶ。これまでの例を鑑みるに断る理由はない。

 つまりはマミとキュゥべえが合流し、まどかと出会った時点で、ほむらの考えていた作戦は意味をなくす。
 妨害しようとすれば、マミは十中八九、反撃してくる。なるべくなら彼女とは戦いたくなかった。
 彼女は強力な魔法少女だし、一応は顔見知りでもある。何より意味がない。
 いや、マミがいなくとも結果は同じだったか。
 見た目は愛らしい小動物を殺めようとするだけで、まどかには悪者と見なされてしまう。
 信じてもらえなければ、どれだけ想っていても、正しくとも、無意味なのだから。

 そうしてしばらくの間、黙考を続けていたほむらだが、

「魔女は逃げたわ。仕留めたいなら、すぐに追いなさい」

 マミの言葉でハッと我に返る。
 そうだ。魔女は逃げ、キュゥべえの殺害に固執する必要もなくなった。
 故に当初の目的を考えれば、ここに留まる理由はもうない。
 そう、当初の目的では。

 再びの黙考。
 向こうも事を構える気はないようだ。
 その余裕は、襲われたとしても自分は負けないという絶対の自信から来ている。
 その慢心とも言える余裕振りに従うのも癪だが、僥倖に違いはない。
 ならば答えは――。

「その必要はないわ。私にはまだやることが残っている」

 マミは目を丸くして意外そうな顔をした。ほむらを賢く、計算高い人間だと分析していたからである。
 が、その驚きも一瞬。すぐに取り繕い、微笑を取り戻す。

「意外と鈍いのね。見逃してあげるって言ってるの」
 
「勘違いしないで。見逃してあげるのは私の方。心配しなくても、あなたに興味はないわ。そこのキュゥべえにもね」

「なんですって……?」

 挑発とも取れる言葉に、マミの表情がやおら険しくなった。対するほむらは涼しい顔。
 空気が張り詰め、さやかとまどかが剣呑な雰囲気に怯えながら両者を交互に見る。
 ほむらはマミの殺気を真っ向から受け止めた。引けない理由があった。
 まだ、危機は去っていないのだから。

 ついさっきまで戦っていた使い魔。髭と張の使い魔は魔女のそれだろう、いかにもな風貌をしていた。
 だがローブを着込み、ナイフを振り回す影はどうだ? 
 攻撃方法といい、意匠といい、魔女の使い魔らしからぬ印象を受けた。

 ここにいた魔女は1体。
 その点はマミが逃げたと言っていること、結界が解けたことからも確か。
 ではあの、あまりにも髭と共通点のない影は何だろう。
 思うに、あれは魔女の使い魔とは違う、別の何かではないか。

 推測の域を出ないが、裏付けるものはある。髑髏の指輪に『鋼牙』と呼ばれた白い剣士の存在。
 彼は強かった。それどころか歴戦の戦士と呼ぶに相応しかった。だが、それだけではない。
 影との戦いは、日常的に戦い慣れた者だけが為せる業。

 そして、どれだけのダメージを与えれば殺せるか、死ねば死体はどうなるか、特性を完全に理解していた。
 これらのことから推察するに、鋼牙の敵とは奴らではないか。そう、ほむらは考えた。
 極め付けが別れ際の一言。

――敵は魔女だけじゃあない。危険を感じたらすぐに撃て。

 敵が影だけなら、こんなことは言わない。おそらくはあれも使い魔、操る何者かが近くにいる。
 となれば、まどかをマミだけに任せて一人逃げるわけにいかない、絶対に。
 まだ張った気を緩めていないが故に、マミの挑発にも挑発で返してしまった。
 マミの片目がスッと眇められる。同時にほむらも、そっと左腕の盾に手を伸ばす。

 彼女の手の内は知っている。相性は悪いが、先手を取られなければ負けはない。
 無言で睨み合う両者。
 まさに一触即発の静寂に割って入ったのは、近付いてくる足音だった。

「誰!?」

 そう言ったのはマミ。足音に向き直り、マスケット銃を構えた状態で闇に目を凝らす。
 ほむらの反応は真逆だった。心なしか緊張の解けた顔で、マミと同じ方を向く。

――来てくれたの?

 ほむらには心当たりがあった。今、こんな場所に来る人間といえば一人しかいない。
 彼が、鋼牙が使い魔を片付けて来たのだと。
 やはり無事だった。そうだろう、彼があんな雑魚に負けるはずがない。
 我知らず口元が綻ぶ。だが胸の内に湧き上がる感情に、ほむら自身は気付いていなかった。
 それは安堵。彼が共にいれば、誰が相手だろうと負ける気がしないという確信。
 一緒にいた時間は10分にも満たないにも関わらず、ほむらは鋼牙に僅かながら信頼を抱きかけていた。

 
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牙狼―GARO―魔法少女篇 第一話「終焉」 その2

2011年11月22日 19:41

まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇

160 :◆ySV3bQLdI. [saga]:2011/05/29(日) 23:58:04.34 ID:U7bQmhEbo

 見滝原市中心部からやや遠ざかった、郊外に位置するショッピングセンター。
 食料品に始まり、老若男女を問わず様々なニーズに応じた服や靴、家具や家電にペットetc……果ては医薬品まで。
 ここに来れば揃わない物はほとんどないとされ、映画館やクリニックも備えた大型モールは、市民の憩いの場として平日休日の別なく、朝から晩まで人で賑わっている。

 優に千を超える人間が溢れるモールは、午後6時が迫っても全く静まる気配がない。
 そんな中を連れ立って歩く女子中学生が三人。彼女たちもまた、その内の一部に過ぎなかった。

「あ~、疲れた~」

 美樹さやかは、大きく息を吐いて椅子にもたれた。
 ここはモール内のカフェの一角。さやかの前には、隣り合って座る鹿目まどかと志筑仁美。
 三人は学校の帰り、モールに立ち寄っていた。

 珍しいことではない。三人は月に何度か、こうして寄り道しに来ている。
 中学からもほど近いショッピングモールは同じ制服はもちろん、近隣の学校の制服も多く見られた。
 とはいえ、流石に午後6時ともなれば大人の目も気になる。あまり長く居座れば補導の対象にもなりかねないのだが。

「もう、さやかちゃんったら。疲れたなんて言っても、ほとんど何も買ってないよ?」

「あはは。だって色々目移りしちゃうんだもん。これじゃ見てるだけでも疲れるよ」
 
 まどかの言う通り、文房具などの日用品をいくつか買っただけで、かさ張る物は購入していなかった。
 悲しいかな、中学生のさやかやまどかには自由になる小遣いは少ないのである。
 こうして飲み食いする代金だって馬鹿にならない。
 ……筋金入りのお嬢様である仁美はそうでもないようだが。
 
 それならいっそのことウィンドウショッピングで我慢して、ゆっくりお喋りに費やす方が楽しいだろうと考えた。
 店内は雑然として、多少声を張らないと向かいの席にも声が届かない。それでも、さやかはこの空気が嫌いじゃなかった。
 この心地良い気だるさが好きだった。

 気に入った服を手にしてあーだこーだと言い合ったり、本屋で立ち読みしたり、ペットショップでショーケース越しに動物を愛でたり。
 そんな漫然とした、良く言えばのんびりした時間が楽しい。

 そして今日最もホットな話題は、転校生、暁美ほむらについてだろう。
 今日転校してきたばかりの彼女は、才色兼備という熟語が的確に当てはまる、黒髪の美少女。
 それだけでも話題性抜群なのだが、そこへ更に話題を提供したのがまどかだ。
 なんとまどかは、暁美ほむらに既視感を覚えたと言う。
 しかも向こうは笑うでもなく、気味悪がるでもなく、謎めいた忠告を残していった、と。
 
 まるでマンガかアニメの序章のような展開にさやかは一しきり爆笑した挙句、仁美にたしなめられてしまった。
 まさか、そんな前世の絆みたいなものが本当にあるとは思えないが、まどかは随分と気にしているようだ。

 まだ引きつる腹筋を休ませる為、コーヒーを一啜り。それから、そういえばと思い出す。
 今朝すれ違った白いコートの男性。
 ほむらがまどかの関心を惹いているように、今日のさやかは妙に彼が気に掛かっていた。
 授業中も度々、彼の姿が頭をチラついていた。
 と言っても、まどかのそれのような運命だとか奇跡だとかいったものでは断じてない。  
 後にして思えば、自分の中に眠る何かが感じ取った予兆だったのかもしれないが。

 それから話は適当に雑談へとシフトし、それも一段落したあたりで仁美が腕時計を一瞥して席を立つ。

「あ……ごめんなさい。お先に失礼しますわ」

「お稽古の時間? 大変だね、仁美ちゃん。今日は何?」

「ピアノです。昨日はお茶で、明日は日本舞踊。ほんと毎日毎日、嫌になりそうですわ」

 深々と溜息をつく仁美。
 お嬢様にはお嬢様なりの苦労や苦悩がある。しかし、彼女を労わる人間は少ない。
 こういった場合まず家族だろうが、仁美に習い事を課しているのは他ならぬ両親だ。

 クラスや学校の人間にしてもそう、嫉妬や羨望の眼差しで見ても、彼女がどれだけ努力しているかなんて知りもしない。
 容姿、成績、家柄。彼女は人より一段高い場所に立っているだけに理解もされ辛いのだろう。

 さやかにも、彼女を羨ましいと思うことはある。かつては嫉妬もした。
 友達の自分ですらそうなのだから、赤の他人からすれば、憧ればかり先立って同情なんて持ち得ないのかもしれない。
 かくいうさやかも庶民である。共感はできないし、完全に理解もできない。

 昔、「嫌なら止めれば?」と軽々しく言ったら、酷く怒らせた上に泣かれてしまった。
 以来、不用意な助言は慎み、彼女の選択を応援している。あと、できることと言えば気晴らしに誘うぐらいか。

「あ、今日もだっけ? ごめん、付き合わせちゃって悪かったかな?」

 それにしても今日は少し遅くなり過ぎた。外はすっかり薄暗い。
 そろそろ帰って夕食かという時間だ。これから習い事なんて、想像するだけでげんなりする。
 なのに仁美は、にっこり笑って答えた。

「いいえ、お気になさらず。近くですし、好きで来たんですから。
私としても、お二人とお喋りしたり店を見て回る方が楽しいですもの」

「ん、ありがと仁美」

「でも今日はピアノですから、まだいいですわ。音楽は好きなんですの」

「そっか。仁美ちゃん、音楽の授業でも上手いもんね。他にも色々やってるの?」

 仁美は宙に目をやり、指折り数える。
 片手が全て握られ、また開いていくのを見て、さやかは苦い顔を禁じ得なかった。

「ピアノとフルートとヴァイオリンも少々……手習い程度ですけど。興味がおありでしたら、今度お話しますわ。では、御機嫌よう」

 にこやかに微笑んで立ち去る仁美を、さやかとまどかは手を振って見送る。

「じゃあね、仁美ちゃん。頑張って」

「バイバイ。また明日ね」


 ――また明日。
 何気なく放った一言で、そこに大した意味なんてない。
 だってそう、ずっとそうだったから。これからもそうだと思ってた。
 明日が来ればまた学校で会って、いつも通りの日々を笑って過ごせるって。

 だから考えもしなかった。知る由もなかった。
 夜を乗り越え、朝を無事に迎えられることが、どれだけ大変で幸せなことか。
 あたしがそれを嫌ってほど思い知る瞬間が、もうすぐそこまで迫っていたなんて――。



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牙狼―GARO―魔法少女篇 第一話「終焉」 その1

2011年11月21日 19:00

まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇

1 :1 ◆ySV3bQLdI. [sage]:2011/04/22(金) 00:21:06.94 ID:Nr8ofJqk0

特撮ドラマ『牙狼〈GARO〉』と『魔法少女まどか☆マギカ』のクロスオーバーSSです。
まどかは基本的に第10話時点での設定で進めます。
その為、勝手な予想、妄想、設定の改変等が入るかと思います。ご了承ください。

時系列としては、まどかは最初から。
牙狼は暗黒魔戒騎士篇(TV本編)→白夜の魔獣篇(OVA)→RED REQUIEM(劇場版)終了後から更に後、
使徒ホラーをすべて封印した直後くらいと考えています。

牙狼の映像作品はすべて目を通しましたが、小説、設定資料集は未読。
その為、設定と食い違う可能性があります。また、意図的に改変する場合もあります。
進めながら、なるべく購入してチェックするつもりですが、
詳しい方はどんどん突っ込みを入れていただければと思います。
その際、軌道修正できるものは修正。できなければ独自設定ということで補完をお願い致します。

PS2ゲーム、パチンコはプレイしていません。これに関しては今のところ予定はありませんので、
経験者の方、使えそうなネタがあれば是非教えていただければ幸いです。
(ゲーム・設定資料集はプレミア価格なので。
パチンコでは本編に出ていない色んな技名があったりするとか聞いて、気にはなってるのですが……)

【この作品には残虐表現が含まれます(エロもあるかも)】

牙狼ファンの方には言うまでもないかもしれませんが、

【苦手な方はご注意ください】


以上、長々と前書きを失礼致しました。


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魔法少女リリカルなのはOOO

2011年11月20日 19:22


魔法少女リリカルなのはOOO

仮面ライダーOOO(オーズ)×魔法少女リリカルなのはViVid(ヴィヴィッド)

一通りコアメダルを手にした仮面ライダーOOOはヤミーとの戦闘で発生した黒い空間に吸い込まれて魔法少女リリカルなのはViVidの世界へ飛ばされる

完結作品

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その欲望を開放して魔法少女になってよ!

2011年11月19日 19:25

その欲望を開放して魔法少女になってよ!(仮面ライダーオーズ×魔法少女まどか☆マギカ)

Arcadia

仮面ライダーOOO(オーズ)×魔法少女まどか☆マギカ

オリジナル主人公
オリ主はウヴァさんによってキュウベェに放り込まれたメダルより生まれたヤミー
世界観融合クロスオーバー

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らき☆スケ

2011年11月18日 19:25


らき☆スケ

らき☆すた×ひだまりスケッチ

pixiv漫画 完結作品

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仮面ライダー ―『約束 2011』― 第2話『変身』

2011年11月17日 19:46

仮面ライダー ―『約束 2011』―(魔法少女まどか☆マギカ×小説版仮面ライダー)

23 :第2話Aパート ◆U7CDgQgh.w [saga]:2011/05/24(火) 18:49:57.25 ID:oDBr7SCP0



―――『魔法少女』『暁美ほむら』は『時間遡航者』である

―――彼女を『改造』した『インキュベーター』は

―――『宇宙』の寿命延長の為に暗躍する敵性宇宙人である

―――『暁美ほむら』はたった一人の親友たる『鹿目まどか』の為に

―――『運命』と戦うのだ!!





仮面ライダー ―『約束 2011』― 第2話『変身』





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仮面ライダー ―『約束 2011』― 第1話『開幕』

2011年11月16日 19:33

仮面ライダー ―『約束 2011』―(魔法少女まどか☆マギカ×小説版仮面ライダー)

1 :◆U7CDgQgh.w [saga]:2011/05/22(日) 19:43:19.16 ID:r+8ZPoNy0

本SSは、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』と、小説『仮面ライダー 1971―1973』とのクロスオーバーSSです。
以下の点に御留意頂いた上で、本SSをお楽しみ頂ければ幸いです。

・本SSはクロスSSです。故に、世界観の摺り合わせの為に、双方の設定の一部に変更、捏造、独自解釈が存在します。
・『まどか☆マギカ』は本編開始直前、『小説版仮面ライダー』はエピローグの2年後からの開始になります
・一部、平成ライダーシリーズ、映画the First、the NEXT、仮面ライダーSPIRITSからのキャラ・設定・ガジェットの借用があります
・連載速度はかなりの低速です

それでは、開幕で御座います


―――そこは…実に異様な空間であった


何処までも何処までも続く、白と黒、ただその二色のみで構成された空間。
チェッカーズフラッグを思わせる白黒の市松文様の、歪みきった螺旋階段、
錯覚かとすら考えてしまう程に長い長い廊下、宙に浮き回転する、複雑な文様を描く切り紙状のオブジェ……

ここは果たしてアントニオ=ガウディの作か、それともフリーデンスライヒ=フンデルトヴァッサーの作か、
兎も角、人智を大きく跳び越えたセンスによって満たされた、真っ当な人が造ったとも思えぬ、奇っ怪極まりない建築物であった。


―――その中を、一人の『少女』が駆け抜ける。


桃色の髪を、赤いふた筋のリボンで左右に纏めた、可愛らしい少女であった。
まだ発展途上ながら、ハリがあって、モチモチとした感触の少女の肉体を包むのは、
白いストッキングに、可愛らしい靴、クリーム色を基調とした、どこかの学校の制服と思しきスカート姿。

身長、体格、顔立ちから判断するに、年齢は十代の半ばであろうか。
だとすれば、彼女の体を包むソレは、何処かの中学校の制服なのであろうか。

「―――ハァ」
「―――ハァ」
「―――ハァ」

少女は、白と黒の陰陽二色が描く螺旋回廊を駆け抜ける。
口からは、過度の運動により上がり切った息が漏れ出て、頬や額には汗が伝っているにも関わらず、
少女は決してその足を止める事は無い。

―――行かなくては、ならない

少女の考える事は、ただそれだけであった。
その思いだけを胸に、少女は、走る走る走る。
白黒だけの世界で、引き起こされる目の錯覚に、目測の狂うこの世界を、この空間を、
それでも、何処とも解らぬ終着地点を目指して走り続ける。

自分が何処へ向かっているのか?
自分は何故、そこへと向かっているのか?

その両方ともが、少女には判然としていない。
ただ、行かねばならぬ、と言う強迫観念めいた衝動だけに従って少女は走る。

解らぬ筈の終着点、知らぬ筈の終着点。
しかし、不思議と、体は自然に動いた。
肉体が、何処へ行くべきかを知っているかの様だった。

その導きに従い、彼女は走り続け―――

「―――ハァ」
「―――ハァ」
「―――ハァ」
「やっと……見つけた」

そうして、彼女は辿り着いた。
目の前には、都合20段ほどの、やはり白黒文様の階段があり、
その先に、唯一この世界で『白』と『黒』以外の色を備えた、
緑色の『EXIT』の誘導灯と、その下の分厚く大きな金属製だと思われる扉が見えた。

乱れた息も、高鳴る心臓も鎮める事無く、彼女はそのまま階段を駆け足で昇って、

―――ガシャン

ドアノブを回せば、重々しい金属音が響いて、
その重厚な外見に反して、扉は軽い感触で開いた。

少女は扉を潜り―――そして見た。

「――――ッ!?」

それは…『終わりの風景』だと言えた。

かつてはそこに林か森の木々の様に乱立していた高層ビルは、根こそぎになぎ倒され、
アスファルトとコンクリートで舗装され、適度に自然も備えた、実に綺麗に整備された地面は、
そのことごとくが、見渡す限り洪水でもあったかのように大水で覆われている。

世界は色を失い……空は黒雲で覆い隠され、ほんの僅かな陽光すら差し込む事は無い、暗黒の世界となっていた。

そして、この暗黒世界あって、ひときわ少女の目をひくのは―――


―――『キャハハハハハハハハハハハハハハハハ』

―――『キャハハハハハハハハハハハハハハハハ』

―――『キャハハハハハハハハハハハハハハハハ』

―――『キャハハハハハハハハハハハハハハハハ』


耳障りな甲高い哄笑を上げ続ける、宙に浮かんだ巨大なさかしまの『魔女』。
その大きな大きな濃紺のスカートの内側では、何重にも重なった歯車が回り続けている。

その周囲では、少女を模したと思われる『影』の『使い魔』達が、
『魔女』のあげる哄笑をBGMに、狂々狂々と踊り狂っていた。

少女には一目で理解できた。直感的に理解することができた。
この惨状は、この災禍は、この惨禍は、この空を覆い尽くす黒い『魔女』の仕業なのだと。

―――『キャハハハハハハハハハハハハハハハハ』

『魔女』の哄笑がまたも響いたかと思えば、それと同時に、
空の『魔女』を中心に七色の波動が辺り一面へと広がって行き、
その波動は、荒廃した風景をさらなる廃墟へと変えて行く。

「やめてっ!!もうやめてっ!!」

少女は思わず『魔女』へと叫んでいた。
しかし、少女の叫びは『魔女』には届かない。
『魔女』はさらに哄笑を上げ続け、虹色の波紋は黒い空を走り、
高層ビルが浮かび上がり、宙で弾け、折れ、微塵に砕けて行く。

その余波たる突風は、少女の所にも伝達し、その勢いの強さに、
少女は思わずその身を屈めていた。

―――その時であった

『赤』『青』『黄』『黒』の軌跡が、流星の様に絶望に塗り潰された天を翔ける。
その姿を、少女は確かにその目で目撃した。

それは、4人の仮面の騎士であった。
青と銀の鎧に身を包み、その手に両手剣を構えた騎士が一人。
赤と黒の鎧に身を包み、その手に大長槍を構えた騎士が一人。
黄と紫の鎧に身を包み、その手に大鉄砲を構えた騎士が一人。
黒と白の鎧に身を包み、その手に大円盾を構えた騎士が一人。

顔の上半分は誰も兜に覆い隠されて見る事が出来ないが、
露わになっているその顎の形、頬の形、唇の形から察するに、
騎士たちはいずれもが『女』だと思われた。

少女と騎士たちの間にはかなりの距離があり、
しかも、騎士たちはみな、驚くべきスピードで飛翔しているにも関わらず、
少女には何故か、そんな騎士たちの姿、動きの一つ一つが、静止画を見る様にハッキリと見る事ができていた。

おのおのが、おのおのの得物を手に、絶望の『魔女』へと立ち向かっていく。
これは果たして『御伽噺』の一場面か、さもなくば『黙示録』の情景か。

どす黒い絶望に支配されたこの空間において、その四色の騎士たちだけが、
最後に残された希望の光の様に、少女には見えた。

しかし――――

「――――っ!?」

四騎士の攻撃は『魔女』の肉を裂けども、骨を穿つまでには至らず、
反撃の波動は、まるで嵐を前にした紙飛行機の様に、彼女達を吹き飛ばし、
彼女達の体は、残らず地へと墜落した。

彼女達のあらゆる技も、武器も、力も、あの『魔女』には通じなかったのだ。

「―――ひどいよ」
「こんなのって……ないよ!!」

少女は思わずそう叫んでいた。
地に伏した騎士たちは、尚も立ち上がって『魔女』に挑まんとするも、
その体は深く傷つき、血は流れだし落下した廃墟ビルの地面へとしみこみ、装甲にはヒビが走っている。
立ち上がるのがやっと……見るからに、そんな様相であった。

「(どうしよう)」
「(どうすれば)」
「(助けなきゃ)」
「(誰か―――)」
「(誰か―――っ!!)」

そんな彼女の祈りに応えたのであろうか
かくて『救いの騎兵』はその姿を現した。

「―――!!」

少女が最初に聞いたのはエンジンの爆音であり、
何かが風を切ってこちらにやって来る音であった。

少女は、音のする方を向いた。
そして見た。聞いた。

廃墟の街を駆ける、白い鋼鉄の騎兵。
『竜巻(サイクロン)』の冠する、白い鋼鉄の騎兵。

それに跨るのは、黒と緑の騎士。
その顔を包むのは、髑髏の様な、昆虫の様な複眼の仮面。
その首には、炎よりも紅いマフラーが風に棚引く。

―――この世界には『神』は居ない
―――『奇跡』も『魔法』も在りはしない
―――だが……それでも

―――時代が望む時
―――世界が望む時

―――誰かが救いを求めて叫ぶ時
―――少女が救いを求めて祈る時

―――『彼』は必ず蘇る
―――『彼』は必ず現れる

だから少女は、その名を呼んだ。




「――――『仮面ライダー』っ!!」




―――そこで…『目が覚める』




「――――あふぅ?」
「……………」
「―――――夢オチぃ?」
少女、『鹿目まどか』は、寝ぼけ眼を擦りながら、そう呟いた。










仮面ライダー ―『約束 2011』― 第1話『開幕』










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魔法少女リリカルなのはOOO/StrikerS

2011年11月15日 19:04


魔法少女リリカルなのはOOO/StrikerS

仮面ライダーOOO(オーズ)×魔法少女リリカルなのはStrikerS(ストライカーズ)

無欲な旅人 エイジと腕だけの異形 アンクが魔法少女と出会うとき『欲望《メダル》』を巡る戦いが始まる!!

世界観融合クロスオーバー、オーズ関係はなのは世界出身

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とある科学の超電子人間

2011年11月14日 19:34

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【一発ネタ】とある科学の超電子人間(とある科学の超電磁砲×仮面ライダーストロンガー)【短編】

とある科学の超電磁砲(レールガン)×仮面ライダーストロンガー

短編 完結作品

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東方黄金記

2011年11月13日 19:34

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東方黄金記

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Fate/hollow ataraxia(フェイト/ホロウ アタラクシア)×東方Project(プロジェクト)

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