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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その37

2014年03月31日 19:31

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」三機目


111 :>>1 ◆FnwJR8ZMh2 [sage]:2012/01/10(火) 01:23:21.60 ID:OymKfUeAO
――基地内――

 跳ね上げられたRGMの胴体が、仮設住居に叩きつけられる
 下半身を伴わないそれはスパークと共に燃え上がり爆発、辺りに破片と粒子を撒き散らす
 業火に照らし上げられたそれは、それが何でもないことのように佇んでいた

マリーダ「っ……!」

 オイルを払うかのようにクローアームを軽く振るう、新型のMS
 その腹部から紅い粒子の光が迸る度、一本の線が破壊を伴い基地をなぞっていった

 塵に変わる建造物
 悲鳴さえ上げられず消えていく命

 その火力は、まさに圧巻

 流石に【デカブツ】と揶揄されたガンダムには及ばないものの、現行MSを圧倒し、警備の目を釘付けにするには十分過ぎる一撃であった

ダリル『反応がどんどん上がってきやがる……!』

ジョシュア『来るぜ、奴らが来る!』

 吹き上がる幾多の水柱、淡い水色の中から姿を現したのは、鉄の色そのままの円柱状の物体

 二十ほどの打ち上げられた物体は小さな爆発音と共に四つに分割
 まさに脱皮するかの如く、AEUイナクトが宙へと舞い上がった

リディ「た……隊長……!」

グラハム「…………」
112 :>>1 ◆FnwJR8ZMh2 [sage]:2012/01/10(火) 01:30:43.99 ID:OymKfUeAO
 国連軍の誰もが唖然としているうちに

 基地の司令部が呆けて口を開けているうちに

総勢二十三機のMSが、基地のすぐ真横に現れ、部隊を展開し突撃を敢行していた

 それはもはや、実体を伴う暴風

 一度飲まれれば、命は無い

 その場にいた誰もが、彼等に背を向け逃げ出した

 軍人も、非戦闘員も、皆誇りも矜持もかなぐり捨てて逃げ出した

 逃げる背中に撃ち込まれていく弾丸

 それは、目に映るもの全てに手当たり次第撃ち込む、文字通りの虐殺

 基地の至る所にミサイルが叩き込まれ、有象無象問わず焼き尽くしていく

 一つ、また一つとMSが膝をつき、命が消えていく

 【戦争】が、目の前で行われていた

リディ「隊長ッ!」

グラハム「黙れッッ!!」


 その様子をグラハムは……いや、オーバーフラッグスは微動だにせず見つめていた

マリーダ「……ッ……」

タケイ「……」

グラハム「…………」

グラハム「オーバーフラッグス全隊員、傾注」

 静かな声が無線に響く合間も、彼等は怒りを沸々とたぎらせていく
 今にも爆発しそうな感情のたかぶりを抑えることなく、憤怒に表情を染め上げ操縦桿を握り締めた

グラハム「往くぞ」

グラハム「奴らが誰に喧嘩を打ったのか、思い出させてやれ……!」

『了解』
113 :>>1 ◆FnwJR8ZMh2 [sage]:2012/01/10(火) 01:35:33.36 ID:OymKfUeAO
 重力を切り離し、一斉に舞い上がる八つの黒い翼

 加速は、一瞬で事足りた

 巻き起こる黒い陣風が、暴風へと真正面から突き当たる

 巡航形態の四機が左右半々に分かれ、前面を構成
 MS形態のフラッグが二列縦隊を組み、それに続いた

グラハム「ッ…………!!」

マリーダ「つぅっ……!」

 最大加速、唯一リミッターを外された二機が突出する

 翼を携えた一角獣と剣のマーク、敵機にその正体はすぐに知れ渡った

 一斉に向けられる銃口にも、襲いかかる数百の弾丸にも怯まない二人

 優位に立っていた敵軍の怯みが、波となって伝わっていく

グラハム「マリーダッ!」

マリーダ「了解!!」

 隙を狙い、即座に二機は空中変形を開始する
 最大戦速からの空中変形、【グラハムスペシャル】

 空気抵抗を利用しての急速な上昇、一気に射線から離脱した

グラハム「おおおぉぉぉぉぉぉッッ!!」

 一閃、袈裟に振られたビームサーベルが、イナクトを両断する

 このままラインを押し上げ、体勢を立て直す時間を稼ぐ――危険はもとより承知の上だ
 それさえこなせれば、数の上では若干優勢
 しかしあの新型MSの前ではそれも過信は出来ない

 万全を期し、最善を尽くす
 戦友に背を預け、想いを共にする者と同じ場所を見据え、ただ前に突き進む

 グラハムは、その眼差しに一片の恐怖も宿さず、敵陣の真っ只中に飛び込んだ

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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その36

2014年03月30日 18:50

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」三機目


56 :>>1 ◆FnwJR8ZMh2 [saga]:2011/12/09(金) 03:16:04.46 ID:x6ZGLcOAO
――紅海・中東側沿岸――


 アフリカ大陸と中東の境を流れる紅海
 両方の沿岸一帯には国連軍の警備網が敷かれ、GN―XにRGM、イナクトといったMSが辺りを飛び回っている
 少し小型の空母がゆっくりと南下していく様を、じっと見つめる男が一人
 体の向きはそのままに、背後の兵士へと視線を移した

兵士「少佐、準備が整いました」

グラハム「御苦労」

グラハム「予定通り四隊に分かれサイクロプス及びヅダの捜索を行う、警戒は怠るなよ」

兵士「はっ!」

グラハム「……」

 額に滲む汗が、乾いた空気にさらわれていく
 この感触は以前中東にガンダムを追ってきたときに体験していた為、特には難儀もせずにいた
 苦労しているのは、ジョシュアくらいのものだろう

グラハム(絶好のフライト日和……晴れ男に生まれたことを、これほど嬉しく思ったことはない)

 本来パイロットスーツには調節機能が存在し、如何なる環境でも一定の体温を維持するようになっている
 暑ければ涼しく、寒ければ暖かく。四六時中パイロットスーツでも良いくらいの快適さが約束されるのだ
 しかしながら、その不自然さが好きになれず、自分はこの機能を使わないことが多かった
 盟友カタギリの苦い顔が目に浮かぶようで、つい口元がつり上がってしまう

マリーダ「マスター」

グラハム「マリーダか」

 対して、マリーダはいつもの冷静な表情を崩さず横に立っている
 二人の背後にはオーバーフラッグス、そしてRGMとイナクトの混成四個部隊
 出撃を今か今かと待ちわびていた

グラハム「……壮観だな」

マリーダ「はい、マスター」

 マリーダは頷き、メットを左から右に持ち替える
 僅かに距離が縮まる、自然なことだがつい背筋が伸びてしまうのを感じた
 彼女は直後に少し顔を伏せ、言葉を続けた
 憂いを帯びた顔には、えもいわれぬ艶が宿って見えた

マリーダ「ですが、やはりオーバーフラッグスを分けるのには少々不安が残ります」

グラハム「……懸念はもっともだと言わせてもらおう」

グラハム「此処はもう敵地、目立つオーバーフラッグが各個撃破される可能性も少なくはない」

マリーダ「……」

 これは、捜索部隊を編成する段階から危惧されていたことだ
 現状オーバーフラッグスがサイクロプスに並べるのは、決して個々の実力だけではない
 高い技量により徹底される新たなフォーメーション戦術、つまり空中変形戦術にあるからだ
 各個撃破を狙われる可能性は、十二分にあった

マリーダ「グッドマン司令からの要望とはいえ、やはり混成隊は我々には……」

グラハム「……どう足掻いても不安は拭えん、それは事実だ」

グラハム「だが今回、各部隊のイナクトにはGN粒子散布下においても電子戦が可能な偵察タイプを配備してある」

グラハム「発見が早ければ、いかにサイクロプスとてオーバーフラッグを易々と落とせはせんよ」

マリーダ「……はい」

グラハム「早期決着による地盤固めが優先とする司令の考えには、私も賛成だ」

グラハム「やるしかあるまい。他ならぬ我々の手で、な」

グラハム「マリーダ、今回部隊は分かれるが、目的が目的だ」

グラハム「あのときの約束。忘れるなよ」

マリーダ「了解、マスター」

 メットを装着し、フラッグに乗り込む
 機能を復活させた瞬間、全身を清涼感が包み込んでいく
 むずがゆさに声が出そうになりつつも、耐え切って無線を開いた

グラハム「……全部隊に通達する!」

グラハム「混成一番隊には私、グラハム・エーカーとリディ准尉が就く!」

リディ『了解です!』

グラハム「二番隊にはマリーダ・クルス中尉とダリル・ダッジ少尉!」

マリーダ『宜しく頼む』

ダリル『頼むぜ、RGM!』

グラハム「三番隊にはジョシュア・エドワーズ少尉、アキラ・タケイ少尉!」

ジョシュア少尉『足引っ張んなよ、ひよっ子諸君?』

タケイ『……』

グラハム「そして、四番隊にはヴィクトル・レオーノフ大尉とルドルフ・シュライバー少尉両名が加わる!」

ヴィクトル『……』

ルドルフ『世話焼かせるなよ、新型』

グラハム「いずれも腕には自負のある精鋭だ、好きなだけ頼れ!」

ジョシュア『ガキのお守りは御免だぜ』

ルドルフ『ふん……』

マリーダ『お前達……』

リディ(頼らせる気ねえ……)

グラハム「全部隊、1200より予定されたルートを通り索敵に入る」

グラハム「目標、サイクロプス及びヅダを発見した場合即座に全部隊へ連絡、もしくは照明弾による合図を以て知らせろ」

グラハム「敵MSは全て加速力に秀でた太陽炉搭載機、一瞬の油断が死を招くと思え。いいな!」

 総勢二十を越えるMSパイロット達からの、一斉の返答
 耳をつんざくような音量に心地良い痛みを覚えた

 予め各部隊の兵士には、それぞれあてがったオーバーフラッグスの面々と顔合わせをさせてある
 マリーダが女性だからと侮られるようなことがないようにとの配慮だったが、同時に士気も高まっているようだった

グラハム「ミッションタイムクリア、行くぞ」

リディ『了解、いつでもどうぞ!』

 大地から離れ、大空に舞い上がるフラッグ
 それに続きMS部隊も次々と動き出す
 散開し、それぞれが目指すルートへと飛翔していった

グラハム(しかし、不気味だ)

グラハム(彼等はあれ以来、何の行動も起こさない)

グラハム(GN―Xの回収も、まるでそれが本命ではないように淡白なものだった)

グラハム(やはり、策を擁しているのか……?)

 そんなことを考えている内に、地表は遥かに遠い足の下
 眼前には何処までも広がる空、右手には茶褐の大地、左手には母なる海が悠然と広がっている

グラハム「…………」

 世界の全てを手に入れたような錯覚
 一瞬とはいえ任務を忘れ吐息を漏らす
 やはり、空は良いものだ

リディ『隊長、良いもんですね。空は』

グラハム「ん……あぁ、全くもってその通りだと肯定させてもらおう」

リディ『俺、フラッグファイターで良かったですよ』

グラハム「ふふっ、いきなりどうした?」

リディ『ほら、最近ティエレンが空飛ぶのに成功したらしいじゃないですか』

リディ『どうせ飛ぶなら、やっぱり飛行機じゃなきゃ。俺には人型よりこっちです』

グラハム「ふふ……人革連のお偉方に聞かれないようにな、フラッグファイター」

リディ『このまま、何もかも忘れてずっと飛んでいられりゃあ……どんなにいいか』

グラハム「そうもいかんさ。我々には我々の使命がある」

 昔の自分ならリディの言葉に同意していたかもしれない
 だが今は違う、と心の内で呟いた

グラハム「アルファ3、反応は」

『今のところは確認出来ません』

リディ『捕まりませんね。やはり地上にはいないのかも……』

グラハム「……だとすると憂慮すべき事態だな、我々のフラッグにとってはそれが一番の気掛かりとなる」

 折り返しポイントで旋回、世界が横に傾くのを眺めながら規定ルートを消化する
 先ほどは背に、そして今は目の前に現れた紅海
 数千年変わらぬ悠久の流れを見つめながら、重い気を息にのせて吐き出した

グラハム「……奴らは海の中、か」


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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その35

2014年03月29日 19:10

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」三機目

12 :>>1 ◆FnwJR8ZMh2 [saga frontier]:2011/11/28(月) 23:59:47.31 ID:SdcGx20AO

 人里から離れた、山の奥

 堅く閉ざされた鉄の扉が、ゆっくりと開かれていく

 震える足で歩を進め、目の当たりにしたのはこの世の地獄

 吐き気を抑えることが出来ず、何度も手水場に駆け込んだ

 嫌悪と憤慨に蝕まれつつも、進んだ先に彼女はいた

 狂気と悪夢に蝕まれ、欲望と悪意に体も心も食い尽くされて

 それでも尚、彼女は息をしていた、生きていた

 生気を宿さぬ人形のような眼で見つめられ、差し出された小さな手

 少し力を込めたら折れてしまいそうな、その手を握ったとき

 決心した。彼女を守るのは、自分の責務なのだと



「許してくれとは言わない――」

「全ては知らなかった……私達の罪だ」

――It's all in the past.――



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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その34

2014年03月28日 18:55

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」二機目

919 :>>1 ◆FnwJR8ZMh2 [saga]:2011/11/23(水) 01:07:55.88 ID:Hcc31S6AO
――スイール・市内――

デュバル「……ッ」

燃え盛る街、逃げ惑う人々。目を向けないように意識しても、かえって視線はそれらを辿ってしまう
テストパイロットとして戦場を知らぬ訳ではないが、胸糞の悪い光景だと心中で毒づいた

クワニ『動けるか!? ……よし、いい子だ!』

GN―Xに接触通信で話している声が聞こえる
声などの感じから、向こうのパイロットは酷く怯え、萎縮してしまっているのが何となしに感じられた
クワニのギラ・ドーガがGN―Xを脇に抱えるように支えながら飛ぶ
自分のヅダとアイバンのギラ・ドーガが後方からの敵機に弾幕を張り、離れる
退却はスイールと国連軍の話し合いが終わらない内に済ませねばならない、時間との勝負だった

デュバル「左をカバーしてくれ、飛び込まれたら酷だ」

アイバン『了解です!』

GN―Xを子画面に映し、拡大した
彼等が行動を起こしてからすぐに突入した筈だが、その左腕は肩から切断され、バーニアや装甲には無数の損傷が生々しく残っている
人間に喩えれば、まるで野生の猛獣に飛びかかられたかのような重傷であった

デュバル(即座に帰還していれば、無傷のGN―Xを三機も手に入れられたものを……)

当初の連絡には三機と報告されていたのに、結果二機が撃墜され、一機はこの有り様
やはり狂信者に期待など、出来るはずもない
生還した本人を前にしても、改めてそう思った
市街を抜け、砂塵散る荒野に飛び出す
追っ手は数機、いずれもRGMで、一定以上の距離をつかず離れず追跡してきていた

デュバル「ヤザン・ゲーブルは……いないか」

話には聞いていたが、やはり恐ろしい男だった
自分等が合流した時には、既にGN―Xを一機撃墜され、もう一機は袋叩きにあっていた
もう一機からは何とか引き離したものの、退き際に三機目のGN―Xが強襲され、結果撃墜
頭部を破壊された機体では、対応のしようすらなかっただろう
ヤザン・ゲーブルの判断は確かに早かった
それでも何か手は打てなかっただろうかと思ってしまい、悔やんでも悔やみきれなかった

デュバル(我々が合流してから、イナクトでは勝てないと踏んだのだろう)

デュバル(リカバーも完璧……こちらのリターンも最小限に抑えつつ反撃の隙さえ与えない見事な判断力)

デュバル(あれがもう一人のライセンス持ち……とんでもない男が敵に回ったものだ)

イナクトで太陽炉搭載機を圧倒する技量もさることながら、兵士として一番重要な判断力と決断力、度胸も兼ね備えている
何度か相対したグラハム・エーカーとは、似通っていながらも違う何かを感じさせる存在であった

デュバル「厄介なことには変わりない……がな」

アイバン『少佐、前方二時十時方向、敵機!』

デュバル「やはり来たか……!」

望遠モードのモノアイが、敵機を捉える。
元々状況はかなり悪い
少数で飛び込み、GN―Xと合流しつつ半ばその力を頼り敵陣を突破するのがキャプテン・ジンネマンのプランだったからだ
それが半壊のGN―Xを抱えながらの逃避行となれば、知恵の輪が制限付きダミー満載の爆弾処理に変貌したくらいの差があるだろう
だが危機感はさほど感じられなかった
ヅダと共にいる、それが自らに力を与えてくれているようで、自然に笑みが浮かんだ

デュバル「突破するぞ、ついて来い!」
ヒートホークを抜き、マシンガンを構える
ギラ・ドーガとヅダでは性能に差があるものの、GNドライブと土星エンジンの親和性はそれを埋めてあまりあるものだ
街のことは忘れろ。ヅダが燃やしたわけではない
今まで通り、闘いの中でヅダの存在を証明する。それしかないのだ、そう自分に言い聞かせペダルを踏み込んだ

デュバル「ライセンス持ちでもない端役では、些か物足りないがな」

デュバル「退いてもらおう――私とヅダの道からッ!」

まだ死ねない。ヅダの名を永遠不動のものにするために
湧き出す雑念に眉をしかめながらも、ただただ前へと突き進んだ
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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その33

2014年03月27日 17:52

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」二機目

755 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/09/23(金) 01:00:58.11 ID:lgEFb8UAO

爆炎が大地を灼き、黒色の炭塊と変わり果てたMSの残骸がそこかしこに転がっている

エジプトを背後に控えた、中東最後の激戦
一進一退の攻防が、ゲリラ連合と国連軍の間で繰り広げられていた

クワニ『クソッ、右見ても左見ても敵だらけだ!』

アイバン『馬鹿野郎、前見ろ前!』

連なる敵MSのうねりは地平線の先まで続いている
飛び交う砲弾と怒号、かろうじて逃げてきた味方のMSが流れ弾に当たり火花を噴きながら次々に地に伏していく
圧倒的な物量、逃げ場など何処にもない

ジンネマン「畜生がぁ!」

腹部を貫かれ動かなくなったGN-Xを盾のように使い、RGMの猛攻を凌ぐギラ・ドーガ
背後では脚をやられたヘリオンを抱え、アンフがゆっくりと退路をひた歩いている
粒子弾を吐き続けるGNビームマシンガンの銃口は、今にも溶けそうなほどに赤熱していた

デュバル「ヅダを嘗めるなぁ!」

対艦ライフルから放たれた135mmの弾丸が、盾を貫徹しRGMを胴体から真っ二つに吹き飛ばす
明らかなオーバーキル、RGM混成部隊の動揺は降り注ぐ弾幕の揺らぎで判別できた
猛攻に対する激しい抵抗、ジンネマン隊の活躍も加味され最終防衛ラインは小揺るぎもしなかった
しばらくして少しずつ弾幕が減っていき、やがて身を翻し撤退を開始するRGM部隊

これ以上の被害は無意味だと判断したのだろう
勝利と呼ぶにはあまりにも酷な結果に終わったこの戦い
だが多大な犠牲を払って、ようやく凌ぎきったのだった

ジンネマン「はぁッ……はぁッ」
756 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/09/23(金) 01:08:04.07 ID:lgEFb8UAO
肩で呼吸をし、吹き出す汗を拭う
モニターに写る友軍機は四機、どうやら宇宙組は全員生き延びたようだった

デュバル「キャプテン、どうにか正念場は乗り越えられたようだな」

ヅダは空になった弾倉を投げ捨てながら、モノアイをしきりに動かし警戒する
旧型規格とはいえ流石はGNドライブ搭載MS、その装甲に大きなダメージは見当たらなかった

ジンネマン「あぁ……だが、死んだよ。何人死んだか分からないくらい、沢山な」

デュバル「無償で何とか出来た戦場ではない……気に病むな」

ジンネマン「……」

デュバル「敵も大部隊だ、移動に時間がかかりしばらくは攻めて来まい」

デュバル「行こうキャプテン。我々も撤退だ」

ジンネマン「……そうだな」

ヅダが気を残すようにモノアイを上げた
空を見上げれば、黒い機影が禿鷹のように旋回し此方の様子を伺っているのが見える

ジンネマン「オーバーフラッグス……」

今回も散々戦場を引っ掻き回してくれた猛禽の群、しかしついぞ彼らと刃を交えることはなかった

クワニ『この激戦でも、一回もぶつかりませんでしたねアイツ等とは』

ジンネマン「分かってるのさ。俺達が真っ正面からぶつかれば、双方半数以上が確実に死ぬことをな」

ジンネマン「奇襲による完全勝利を狙うか……グラハム・エーカー、噂とは随分違う戦い方をする」

アイバン『厄介ですね』

ジンネマン「あぁ、いざという時まで自分を殺せる奴は強い」

ジンネマン「猪突猛進な方が付け入れるってもんだが……さて、どうしたもんかな」

ジンネマン「また考えるさ……今は、大佐からの指示を待とう」



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Prelude Magika  ~刹那~

2014年03月22日 18:53


Prelude Magika  ~刹那~

仮面ライダークウガ×魔法少女まどか☆マギカ

10話のまどかが魔女化して地球を滅ぼしかけている時、ほむらはオーロラを超えてきた青年から名刺を渡され・・・・・・。

短編
完結作品

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Prelude Magika  ~刹那~

2014年03月21日 18:50


Prelude Magika  ~刹那~

仮面ライダークウガ×魔法少女まどか☆マギカ

10話のまどかが魔女化して地球を滅ぼしかけている時、ほむらはオーロラを超えてきた青年から名刺を渡され・・・・・・。

短編
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【安価】提督「艦プラビルドファイターズ!」  その4

2014年03月20日 01:43

【安価】提督「艦プラビルドファイターズ!」

179 :1 [saga]:2014/03/18(火) 23:57:29.71 ID:wshPOjGl0
次回は明日の22時以降となります。


海外勢について考えたんだが

・イギリス代表 レパルス or 金剛
・ドイツ代表 ビスマルクトリオ(アルペジオ、艦これ)
・アメリカ代表 グラハム・エーカー
・ロシア代表 ヴェールヌイ or バーニィ以外のサイクロプス隊
・イタリア代表 パトリック・コーラサワー
・アラビア代表 アリーアル・サーシェス
・ジャマイカ代表 ジャンゴウ
・オーストラリア代表 クリスチーナ・マッケンジー&バーナード・ワイズマン&アルフレッド・イズハル

まで考えたんだが如何だろうか

でどうだろうか?


180 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/19(水) 00:01:35.97 ID:fscOrpEP0
いいと思います
結構多いね


181 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/19(水) 02:08:29.79 ID:VmfROhhDO
ガンダム勢が00と80しか居ないのは>>1の趣味?
後アルを出して平均年齢を下げる狙いがあると見た。
個人的にはヴェールヌイはスミルノフ一家と組んで欲しい所。
きっとみんなほっこり出来る。
オーストラリアといったら地元出身のレイヤー中尉とウラキが居るぜ。


182 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/19(水) 14:30:15.53 ID:fscOrpEP0
地元出身でいくなら、アラビア代表は刹那(ソラン・イブラヒム)の方がいいかなぁ


183 :≫1 [saga]:2014/03/19(水) 18:49:50.11 ID:AoK2jPgA0
海外勢 訂正版
・イギリス レパルス組(レパルス ロックオン兄弟) 、インビジブルナイツ
・ドイツ代表 ビスマルクトリオ、U-2501クルー
・アメリカ代表 オーバーフラッグ、ファントム・スイープ隊
・ロシア代表 スミルノフ一家(熊、小熊、マリー、電池、ヴェールヌイ)、サイクロプス隊(バーニィを除く)
・オーストラリア代表 バーニィ組(バーニィ、クリス、アル)、MS特殊部隊第三小隊 MS特務遊撃隊、
・イタリア代表 マネキン夫妻 デカルト、第14独立戦隊

アラビア、ジャマイカは消させて頂く


あと世界大会編からロシア艦を出そうかなと考えていますが

以下おまけ


クルツ「総旗艦が勝手にチームを編成した。」

駒城「最早何も言うまい。」

アタゴ「これが編成表よ。」

1.千早一家(群像、翔象、沙保里、ムサシ)
2.派遣艦隊(キリシマ、ハルナ、マヤ、蒔絵)
3.黒の艦隊(ヒエイ、ナチ、ミョウコウ、ハグロ)
4.横須賀組(イオナ、タカオ、静、いおり)
5.左遷組(北、ナガト、ズイカク、イセ)
6.ブラック(400、402、ユキカゼ、上陰)
7.白鯨(駒城、浦上、真瑠璃、ヒュウガ)
8.ボッチ(コンゴウ)


コンゴウ「」

静「私、横須賀出身では...」

クルツ「細かいことは気にするな。」

上陰「私がブラックだと?」

アタゴ「ああ、政治家って仕事もブラックだしアンタは腹の中までブラックそうだからよ。」

ズイカク「私は左遷なのか!?」

ナガトA「左遷でしょうなあ」

ナガトB「使い道ないから私たちの所に居るのでしょう。」

ヒュウガ「私は何故白鯨組なのかしら。」

駒城「もしかして量子通信機が白鯨にあるからか...?」

いおり「タカオは何で横須賀組なの?」

タカオ「今は横須賀の学院に編入してるからね。」

イセ「」カロン

ヒュウガ「あんたは台詞ないからよ」

イセ「」カロン(´Д`|||)


184 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/19(水) 20:58:42.49 ID:VmfROhhDO
おお!世界選手権らしい豪華な顔ぶれになったな。

後は今後出て来るであろうメイジンとワークスチームも期待してる。


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東方永醒剣

2014年03月19日 19:43

東方永醒剣 ~東方×仮面ライダー剣~

【チラ裏より】東方永醒剣~Imperishable Brave.(東方Project×仮面ライダー剣)【連載中】

紅蓮丸

東方Project(プロジェクト)×仮面ライダー剣(ブレイド)

未完結作品

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【安価】提督「艦プラビルドファイターズ!」  その3

2014年03月18日 19:34

【安価】提督「艦プラビルドファイターズ!」

130 :≫1 [saga]:2014/03/16(日) 22:00:36.03 ID:gRAf/64A0
さあ、始めるよ。


第2話 の前に断章

-Yudachi's view-

た...け...

た...す...け...

声が聞こえてるっぽい。

誰の声かは覚えてないけど酷く懐かしい声っぽい。

だけどその声は悲しみでいっぱいで、それでも叫び続けてる。

もう喉が掠れているのに、それでもその声は叫ぶことをやめない。

なんでなのかな...

私も悲しい。理由は知らない。ただ悲しくて。だけど私にはその叫びを聞き続けることしか出来なかった。



潮「悪夢?」

夕立「悪夢なのかな?なんかわからないけど悪い夢っぽい。」

夕立(私が最近観ている夢について潮ちゃんに話した。

どんな夢かは覚えてないけど酷く辛くて悲しく夢だった気がするっぽい。)

潮「悪夢が何日も続く、か。おまじないで本を枕の下に入れておくとその本の夢を観るって言うおまじないがあるから試してみる?」

夕立「うん!」

夕立(本を入れた日、確かにいつもの夢は観なかったっぽい。だけど本の内容がホラーだったから余計怖い夢になった。)


断章 終了


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【安価】提督「艦プラビルドファイターズ!」  その2

2014年03月17日 18:53

【安価】提督「艦プラビルドファイターズ!」

55 :≫1 :2014/03/12(水) 21:35:21.22 ID:yK+dbAkP0
潮「はあ...」トボトボ

潮(どうしよう...

私は大和さんは嫌いじゃない、寧ろ好きな人の部類だけど...

大和さんはバトルこそ強いけどプラモデルの扱いについては雑すぎる...

一度小さな大会で組んで優勝までしたけど4回戦ってプラモデルを全て壊しちゃたからなぁ...

やっぱり組みたくない...

だけどお店を続けるためには...)


ドンッ!


潮「きゃっ!」

???「いたた...」

潮「だ、大丈夫ですか?」



さあて安価の時間です
レイジポジのキャラを決めます。
白露型の中から多数決を取りたいと思います。

白露
村雨
時雨
夕立
五月雨
涼風

↓5まで
63 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/12(水) 22:01:29.68 ID:AZcbl3kHO
夕立


64 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/12(水) 22:01:47.64 ID:VZOrCDKDO
夕立


65 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/12(水) 22:02:05.02 ID:zpomtAKwo
涼風


66 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/12(水) 22:02:13.19 ID:TqKZ2UAyo
時雨


67 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [s]:2014/03/12(水) 22:21:27.30 ID:9DNAjEvI0
夕立


68 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/12(水) 22:22:15.87 ID:9DNAjEvI0
夕立


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龍驤×ジパング

2014年03月15日 19:35

駄コラ乱舞してたころが一番本スレは楽しかったなぁ
ae270d6c.jpg
http://kantai-collection.com/archives/31661775.html
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ZIPANG_158_18.jpg
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Bubbles Noise

2014年03月15日 14:54


Bubbles Noise

CODE CREAYUS

コードギアス反逆のルルーシュ×艦隊これくしょん-艦これ-

ルルーシュ提督に島風C.C.?!ギアスキャラが艦これの世界に?!!
大破したぜかまシー(C.C.)はルルーシュ提督にご立腹。むき出しの素肌が痛々しくエロエロしい。
すっかり傷だらけのC.Cですが、ルルーシュ提督はそんな彼女に作戦の失敗原因をクールに言及。
艦これの世界にあっても相変わらず。

まさかの工口同人誌

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【安価】提督「艦プラビルドファイターズ!」  その1

2014年03月14日 19:06

【安価】提督「艦プラビルドファイターズ!」

1 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/10(月) 17:12:55.41 ID:hrBi75c00
初SSなのでご容赦ください。

注意:キャラ崩壊、駄文

内容は艦これのキャラを使ってガンプラビルドファイターズ風の何かを行います。

キャラ、使用するプラモデルとその艤装は安価で決定します。(提督はラルさんポジ固定)(また艦これ基準なので駆逐艦に46センチ積むとかは不可能です)

また使えるプラモデルはWW2時の日本、アメリカ、ドイツの艦船に限定します。(サイズは固定で現実に存在していないプラモでもおk)

主人公は下記のキャラクターからのみ選択で多数決を>>10までとりたいと思います。

①電
②潮
③霰
④羽黒
⑤名取


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394439175


2 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/10(月) 17:18:44.83 ID:F+vY8aJRo
4


3 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/10(月) 17:20:35.95 ID:ysAP51pU0
1


4 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/10(月) 17:27:54.54 ID:OzUaHkUx0
4


5 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/10(月) 17:39:31.58 ID:8f6hDeJg0
4


6 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/10(月) 17:42:37.86 ID:XRtKUCne0
2



7 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/10(月) 17:43:06.21 ID:6J5zFE3l0
2


8 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/10(月) 17:49:19.08 ID:/LSZtbGo0
2


9 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/10(月) 17:51:02.16 ID:7VC7vR6Zo
2


10 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/10(月) 17:55:48.65 ID:iTF5aQp9o
3


11 :≫1 :2014/03/10(月) 17:59:54.04 ID:hrBi75c00
では潮で決定で。


名取「あれ、私は...?」


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艦隊これくしょん~艦これ~×ガンダムビルドファイターズもの

2014年03月13日 19:33


【安価】提督「艦プラビルドファイターズ!」

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