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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その13

2011年07月06日 19:11

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」

493 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 00:13:05.05 ID:iNNXc/VAO

王留美「紅龍、例の物はユニオンに届けてもらえたかしら?」

紅龍「はいお嬢様、抜かりなく」

王留美「そう」

王留美「ビスト財団の遺産、サイコミュと呼ばれる精神感応装置」

王留美「ホーマー・カタギリなら、あれの使い方もすぐに分かるでしょうね」

王留美「世界は自ずと変わっていく……ソレスタルビーイングの導くままに」

王留美「イレギュラーにはイレギュラー同士、潰し合ってもらわなきゃ」


ーロシア北部・海上ー

ヨハン「ラグナからの任務は2つ、ライセンサー・グラハム・エーカー上級大尉への武力介入。そして彼のカスタムフラッグの破壊」

ネーナ「基地ごと狙えとかってミッションプランじゃないんだね、個人ピンポイントって結構珍しいかも」

HARO〔イーノカヨ!?イーノカヨ!?〕

ヨハン「良いも悪いも無いさ。ガンダムマイスターとして、与えられたミッションはこなすのみだ」

ミハエル「あれから、GNバスターソードの新調に時間がかかって顔出せなかったんだぜ……?」

ミハエル「この恨み、晴らさでおくべきかだよなぁ兄貴ィ!」

ヨハン「まずは王留美に感謝せねばな。補給路を確保してもらえたのは幸いだ」

ヨハン「……ミッションタイムクリア。ミハエル、ドッキングだ。仕掛けるぞ」

ミハエル「よっしゃあ!」

ヨハン「ネーナはメガランチャー発射後、高々度から奇襲し護衛のティエレンを攻撃、殲滅しろ」

ネーナ「了解ね!」

ヨハン「油断はするなよ。あのライセンサー、もしかしたらエスパーかもしれん」

ミハエル「エスパー?」

ネーナ「きゃははっ、何それおかし~」

ヨハン「……いや、こちらの話だ」

ピピッ

ヨハン「来たか、情報通りだな」


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グラハム「……」

マリーダ「マスター、ロシアを抜けました」

グラハム「そうか、護衛に付いてくれた輸送艦に無線で礼を行ってくれ」

マリーダ「了解」

グラハム「ひとまず何もなかったか……アラスカに到着するまでは、気も抜けんが」

シュウウウウン

グラハム「ッ!?」

マリーダ「この気配……狙われている?!」

マリーダ「マスター、席へ!」

グラハム「敵機か? だがレーダーには何も……!」ガタンッ

ズギャァアアアッ

マリーダ「ッ!」

マリーダ(間に合え……!)グイッ

グゥンッ
ジュォッ

グラハム「ッ……!」

マリーダ「あぅっ!」

ボゥンッ



ヨハン「被弾……しかしあの位置からメガランチャーの直撃を避けるか」

ミハエル「運の良い野郎だぜ!」

ヨハン(本当に運がいいだけなのか……例のエスパーだとするなら、やはり警戒せねばならないが)

ヨハン「行くぞミハエル。ミッション開始だ」

ミハエル「了解だぜ兄貴!」

ヨハン「どうあれ我々は任務を全うするのみだ、ガンダムマイスターとしてな!」



グラハム「今の粒子ビーム……エイフマン教授を狙った新型か!」

グラハム「ライセンサーへの武力介入か、はたまた以前の報復か……ともあれなりふり構わなくなってきたな、ガンダム!」

マリーダ「マスター、左翼被弾、バランスが取れません!」

グラハム「まだ飛べるか!?」

マリーダ「やってみせます……!」

グラハム「よし、反転して陸沿いに逃げる! 日本のユニオン部隊にも連絡を取れ!」シュルッ

マリーダ「ッ、マスター何を!?」

グラハム「フラッグで出る。増援が来るまでの足止めにはなるだろう」バッ

マリーダ「無茶です! いつものフラッグであればいざ知らず、あのフラッグでは!」

グラハム「ただ座して死を待つのは本意ではない。それに足を止めるだけだ、心配するな」

キィィィィン

マリーダ「……嘘です!」

グラハム「ッ……」

マリーダ「私なら問題はありません、ですから自ら囮になど……!」

グラハム「……つくづく隠し事が難しくなってきたな。この能力、良いものか悪いものか分からんものだ」

グラハム「だが死ぬつもりも、死なせるつもりも無いのは本意だッ!」ダッ

マリーダ「マスターっ!」

ウィィィィィン

グラハム「主翼にミサイルを搭載……」

グラハム「いざとなればあの手、使うしかあるまい」グッ



ヨハン「ネーナはそのまま此方に合流しろ。三機で叩く」

ネーナ『了解ね!』

ヴンッ

ヨハン「ッ!」

ミハエル「来やがったぜ兄貴! 俺のツヴァイを傷つけやがった、忌々しいフラッグだ!」

ギュォッ

グラハム「また会ったな! ガンダムもどきッ!」ジャコンッ

ヨハン「三度目は無いッ!」ジャキンッ

ギギギィンッ

グラハム「はあぁッ!」グンッ

バゴンッ

ヨハン「ぐぁっ!?」

バチッ

グラハム(くっ……!)

ミハエル「てめっ……よくも兄貴の顔面に膝をォ!!」

グラハム「激昂したか、ならばついて来い!」

グラハム「目的は私とフラッグだろう……!」

ギュンッ

ヨハン「……頭を通り越されたのは初めてだッ」ギリッ

ヨハン(逆方向に逃げたということは、輸送機から我々を離すつもりか?)

ネーナ『ヨハ兄ィ、輸送機はどうする?』

ヨハン「……」

ヨハン(もし奴が例の存在ならば、以前のミハエル同様まさかの事態を招くかも知れん)

ヨハン(ミッションは武力介入とフラッグの破壊……となれば輸送機は無視しても構わないか)

ヨハン「放置しろ。我々の標的はあのカスタムフラッグ一機だ!」

ヨハン「追うぞ、何としてもミッションを完遂させる!」

ミハエル「了解!」

ネーナ『了解ね!』



マリーダ「敵が引いていく……?」

マリーダ「マスター……っ」

PP

マリーダ「応答願います、此方ユニオン第八独立航空戦術飛行隊所属、マリーダ・クルス少尉……ッ」



セルゲイ「何だと! グラハム大尉の輸送機がガンダムに襲撃された!?」

ソーマ「そんな……まるで殺し屋だ!」

セルゲイ(露骨だなガンダム、一体何をしようとしている?)

セルゲイ「それで、輸送機は?」

兵士「現在マリーダ少尉が日本に向けて移動しているとのことですが、マスター・グラハムに関してはガンダムと交戦中、安否不明とのことです」

セルゲイ「……」

ソーマ「GNーXの組み立てが間に合っていれば……!」

セルゲイ「今我々に出来るのは、無事を祈ることだけか……歯痒いな」



マネキン「以前のテロへの火消しとは全く違う、明らかな報復……」

マネキン「えぇいガンダムめ、GNーXが間に合っていれば!」

コーラサワー「むむむ……」シュゥゥゥゥン

マネキン「パトリック……貴公の運を大尉に分けてやれればいいのだがな」

コーラサワー「そんな必要無いっスよ。トップガンなら自力で何とかしますって」

コーラサワー(まだ生きてるみたいなんだけどなぁ……大丈夫かね本当に)



ヨハン「良いなミハエル、トドメはお前に任せる。だが好きにやっていいのはあの機体を損傷させてからだ」

ミハエル「分かってるって兄貴」

ネーナ「じゃあ、行っくよー!」

バババゥンッ

グラハム「つぅッ!」

グラハム「ッ……まるで腫れ物を扱うような戦い方だな、嫌われたものだ」

グラハム(だが今となっては好都合か、この間に距離を離す!)

ミハエル「うぜぇ! ちょこまか逃げんなよ!」

グラハム「なんのっ……!」

ヨハン「この方向、成る程、アラスカに逃げるつもりか」

ネーナ「あっちにもユニオン軍いるよねヨハ兄ィ」

ミハエル「関係ねえよ! 雑魚が来たって全部スクラップだ!」

ヨハン「だが相手が相手だ、無理をして時間をかけてはガンダムマイスターの資質を疑われる」

ヨハン「増援が来る前に終わらせるぞ……!」ギュンッ

ネーナ「きゃはははっ!」

HARO〔オニゴッコ! オニゴッコ!〕

ミハエル「刻んでやらぁぁぁぁ!」

グラハム「もう少し、もう少しだけ近付かねば……!」

ヨハン「追い詰めるぞ! 機体性能ではこちらが遥かに優勢だ」

ヨハン「近付けさせなければ負けはしないッ!」

バシュンバシュンッ
ズギャァッ

グラハム「反応がッ……!」

ネーナ「兄ィ兄ィズ、なんかこのフラッグ前より遅くない?」

HARO〔ポンコツ! ポンコツ!〕

ミハエル「だったら好都合だろうがッ! 行けよファングゥ!!」

ヒュババッ

グラハム「ッ!?」

グラハム(いかん、旋回性能の劣化したこの状態では……!)

ザクッ
ザクザクッ

ミハエル「撃てよォ!」

バババゥンッ
ゴォンッ

グラハム「ぐぁあっ!」

ミハエル「ハッハァ! 右腕の借りに左足もおまけしてやったぜ!」

ミハエル「後は俺のバスターソードの借りを返してお仕舞いだぁぁぁぁ!」ギュンッ

グラハム「………ッ」クンッ

ガキンッ

ミハエル「あ?」

ネーナ「抱きついてきた、気持ち悪っ!」

グラハム「済まんフラッグ、我が相棒よ」

グラハム「許せッ……!!」

ガキンッ

ネーナ「下半身が取れた!」

ヨハン「ッ!?」

ヨハン「いかんッ! 逃げろミハエル!」

カッ

ボッゴォォォォ……ォン

ミハエル「ぎゃあああっ?!」

ドッパァァァン

ネーナ「ミハ兄ィ!?」

ヨハン「自爆ッ……サブコクピットであれだけの操縦をこなしたというのか!?」

ヨハン「だが、逃がさんッ!」ガコンッ

グラハム(不味いッ……離脱を……!)

バシュンッ
ドゴォッ

グラハム「 」

ヨハン(海に投げ出されたか、だがまだあれしきでは!)

ヨハン「ちぃッ、何処だ!」

HARO〔ガンダムセッキン! ガンダムセッキン!〕

ネーナ「ヨハ兄ィ!」

ヨハン「ッ! ガンダムだと……?」

ピピッ

ヨハン「これは……デュナメス!?」

ギュォッ

ロックオン「一歩遅かったか……だがまだ生きてるっぽいな」

キュピィィィン

ロックオン「あぁ、分かってるってお嬢ちゃん。助けてやるよ、出血大サービスだぜ!」ジャキンッ

ネーナ「ヨハ兄ィ!」

ヨハン「ッ……今一歩のところで」

PPP

ヨハン「! ミッションクリア……だと……?」

ヨハン(近くに監視者がいるのか、しかしフラッグが大破しただけでミッションクリアとはな)

ヨハン「……我々は駒、という事か? ラグナ」

ヨハン「不本意だが離脱する。ミッションを終えた今、デュナメスと一戦交える価値は無い」

ネーナ「了解ね!」

ヨハン「ミハエル! ライセンサーを探してないでさっさと上がってこい」

ザッパァァァン

ミハエル「こん畜生ッ! 一度ならず二度もこけにしくさりやがってェェ!」

ヨハン「所詮苦し紛れの一発だ、そう熱くなるな」

ヨハン「行くぞ」

ネーナ「あーん、帰ったらシャワー浴びたい」

ミハエル「むしゃくしゃが収まらねえッ! くそぉっ!」

ギュゥゥゥン

ロックオン「あいつらさっさと引き上げやがった……最近俺戦わせてもらえねえなぁ」ハァ

ロックオン「……」

ロックオン「ははっ、お兄ちゃんはよせよ、くすぐったい」

HARO[ロックオン、ヒトリゴト? ロックオン、ヒトリゴト?]

ロックオン「おっと、HAROにゃ感じらんねえか」

ロックオン「気にすんなよHARO、とりあえず下半身を拾うとしよう」

ロックオン「それとこっからはヴェーダには報告は無しだ、頼むぜ相棒」

HARO[リョウカイ! リョウカイ!]

ーーー

パチ……パチ……

グラハム「……」

『起きて~』ペチペチ

グラハム「……ん……」

『起きてよお兄ちゃん!』ペチペチペチペチ

グラハム「誰……だ?」

『寝たら死んじゃうよー! おーいマスター!』ベシベシ

グラハム「グフッ……マリーダ……ッ?」

ロックオン「よぉ、起きたかいライセンサー」

グラハム「ッ!?」ガバッ

パチ……パチ……

グラハム「ここ、は……」

グラハム「私は、生きているのか?」グッ

ズキッ

グラハム「ッ……!」

ロックオン「無理はしない方がいいぜ。最近それなりに怪我が多かったみたいだな、古傷が開いてる」ズズッ

ロックオン「ここはアラスカの端っこにある小屋、あんたは俺が引き上げた。OK?」

グラハム「……君は……?」

ロックオン「ガンダムマイスター」ニッ

グラハム「ッ!」ガバッ

グラハム「~……!」グラッ

ロックオン「ほら言わんこっちゃない、古傷の前にさっきの一戦でも怪我してんだぜアンタ」

グラハム「ガンダムマイスター……ガンダムのパイロットということか」

グラハム「撃墜した私をわざわざ生かして連れてくるとはな……どうするつもりだ、監禁するか、なぶり殺すか?」

ロックオン「どちらでもない、それについでに言うと俺はあいつら三兄妹とは違う」

グラハム「三兄妹……新型か?」

ロックオン「あぁそうか……情報が其処まで行き届いてないのか」

ロックオン「じゃあその辺かいつまんで、捨てちまおう。俺はあんたの話をとある子から聞いていて、故にあんたに会いに来た」

グラハム「? ……??」

ロックオン「ちょっといきなりすぎたな、まぁ気が落ち着くまで待つさ、珈琲でも淹れてやるよ」ガタンッ

グラハム「ッ!」

ロックオン「……忙しいなアンタ、先入観に頼らずもうちょい力使ってみたらどうだ?」

グラハム「なに……?」

ロックオン「……」トントン

キュピィィィン

グラハム「っ!」

ロックオン「こういう事さ、こっちに関してはどうやら俺のが先輩らしい」

ロックオン「敵意が無いことくらいは察してくれたかい、ライセンサー」

グラハム「……」

ロックオン「ハハ、そう感じてもらえるとこっちもやりやすい」


ーユニオン・オキナワ基地ー

兵士『お待ちください少尉、夜間飛行で大尉を探し出すなんて無茶です!』

マリーダ「私なら問題ない、マスターの感覚ぐらいフラッグで飛んでいても掴める」ガコンッ

兵士『しかしガンダムがまだあの海域にいるかも知れません!』

マリーダ「関係無いと言っている!」

マリーダ「私は決めたんだ……この身体が焼き尽くされ、罪と汚れが虚無に立ち返るまで、マスターの為に尽くすと」

兵士『ならば我々も同行しますッ! どうかお供に!』

マリーダ「その忠義、マスターの代わりに感謝しよう」

マリーダ「マリーダ機、出るぞ!」

ギュゥゥゥンッ

ーー

パチ……パチ……

グラハム「……」ズズッ

ロックオン「さて……何から話そうかライセンサー」

グラハム「グラハム・エーカーだ」

ロックオン「名前で呼ばれる方がお好みかい? んじゃ俺も自己紹介といこう」

ロックオン「コードネームはロックオン、ロックオン・ストラトスだ。よろしく……といっていいのかは分からないけどな、グラハムさんよ」

グラハム「……」

グラハム「私からは質問が多すぎて選別が間に合わない位だ」

ロックオン「まだ時間はある……とはいえ一晩くらいだが」

ロックオン「何でも良いさ。特に議題を決めるつもりはない」

グラハム「君達の目的は?」

ロックオン「紛争の根絶」

グラハム「ならば何故武力を使う? 矛盾している」

ロックオン「世の中には力でねじ伏せられちまうことが大半なんでな、言っても分からないなら叩くしかない」

グラハム「幼稚だ」

ロックオン「だが確実だ」

グラハム「君達の行いで世は荒れた!」

ロックオン「表面化しただけさ。国が対応しきれない部分、国が諦めた部分、元々裏っ側は真っ黒だ」

ロックオン「それに、報いは受けるさ。全部終わってからな」

グラハム「ならば新型の三機はどう説明するつもりだ!」

ロックオン「ありゃあ俺らとは違う分類のガンダムだ、俺らにだってわからない!」

グラハム「逃げるか、君達の存在が奴らの入り込む余地を生んだ!」

ロックオン「俺らが生んだ歪みは俺らが正す! あいつらのやってることはソレスタルビーイングの本意じゃない!」

グラハム「本意か否かは関係無いッ! 私はあのガンダムのせいで部下を失い、恩師を亡くし、護るべき者の身体に爪痕を残させてしまった!」

ロックオン「ガンダムが出てくる以前から世界中でそれはあった! お前だけが辛いんじゃねえッ!!」

グラハム「被害者意識で引き金を引くのか君は!」

グラハム「先ほど報いを受けると言ったな、ならばッ! 今それを受けろッ!」ジャキッ

グラハム「ッ!?」

ロックオン「…………」

グラハム「何故……私の腰から銃を抜かなかった?」

ロックオン「あんたが入れてりゃ弾も入ってるだろうな、いじってないからよ」

ロックオン「撃つかい、引き金を引けば弾は出る」

グラハム「ッ……」

ロックオン「悪かったよ、あんただけがなんて知ったような口を利いちまって……」

ロックオン「俺もまだまだガキってことか……あいつらに言える立場じゃないな全く」

グラハム「君は……家族を……?」

ロックオン「自爆テロでな。両親と妹が、さ」

ロックオン「国ではテロは抑えられない。だからソレスタルビーイングに入った、テロを無くすために」

グラハム「……」

ロックオン「グラハムさん、あんたは何故戦うんだ?」

グラハム「私は……軍人だ……」

ロックオン「立場で人を殺してたのか?」

グラハム「世界の秩序の為に……!」

ロックオン「自分自身でそう感じた事は無いのか」

グラハム「ッ……私は……!」

ロックオン「……」

ロックオン「いや、いきなり言えっていって答えられる方が不思議だな、悪かった。うちのマイスターだって、いつも命を奪ってるんだって考えてる奴はあまりいない」

ロックオン「見た感じあんたの中にはちゃんとした理由がある。まとめてる間に、俺らの話をしよう」

グラハム「……頼もう」

ロックオン「紛争や戦争が起きる理由は様々ある。主義主張の食い違い、宗教摩擦、革命、保守、土地や資源の奪い合い、そもそもそれでしか食っていけないから……挙げていけばキリがない。兎に角いろいろだ 」

ロックオン「でも、人間ってのはそれらを争いで片付けなきゃいけないような存在なのか?」

ロックオン「ちょっと頭を捻って、ちょっと我慢して、ちょっと赦して……そうやってみんなで隙間を作れば、案外上手く行くもんじゃないのか?」

グラハム「……」

ロックオン「人間は宇宙にだっていけるようになったのに、これじゃあ獣と同じだ。時代がそうさせているのか、争いが慣習になっちまってるのか、遺伝子がそうなってるのか……それは分からねえ」

ロックオン「でもよ……何とかして変えなきゃって思うことは、悪いことかね?」

ロックオン「争いで解決できるなんて夢想を抱いた紛争は力づくで止める」

ロックオン「正しい戦争があるなんて思い込んだ革命家は鉛玉叩き込んだって黙らせる」

ロックオン「そうやって、戦う手段を奪って話し合いが当たり前になればよ……最後に俺らが潰されたって、世界は変わるだろう?」

ロックオン「正しいことが人を救うとは限らない。やり方は間違っているかもしれねえが……俺達ソレスタルビーイングは、こうでもしなきゃ世界は微睡んだままだと思って動いた」

ロックオン「ソレスタルビーイングは、ガンダムは……あらがうことさえ出来ない、本当にどうしようもない奴らの最後の光なんだ」

ロックオン「その辺、理解しちゃあくれないかい? グラハム・エーカー」

グラハム「……」

ロックオン「うちの構成員は殆どそういう連中ばっかだ、造られた存在、ガキの頃に仕込まれた兵士、テロに巻き込まれた奴、本当に殆どな」

グラハム「造られた人間……?」

ロックオン「超兵が良い例さ。先日武力介入もした……したがよ……」

ロックオン「……やるせねえんだ……こっちだってよ……!」

グラハム「……」

グラハム(主張の内容以前に、この青年は本気で世界に向き合っている)

グラハム(自らが奪った命を背負い、血塗られた道をただひたすらに……)

ロックオン「……纏まったみたいだな」

ロックオン「アンタの番だフラッグファイター、聞かせてくれ。あんたの理由を」

グラハム「私は孤児だった、幼い頃から空に憧れていて、どの様な形でも空を飛びたかった」

グラハム「金銭的にも私が空を飛ぶには軍に入るしかない……人を殺す仕事とか、軍の狗だとか……考える余地もなく私は軍人になった」

ロックオン「……」

グラハム「君の言うとおり、私は立場で人を殺していたのかもしれない」

グラハム「ただそれは最初の頃の話。今の私は自らの意志でそれを背負い此処にいる」

グラハム「やはり秩序の中に人は生きるべきだ、統制や管理という檻ではなく、良心や理性を尊重しそれらが迫害されない為の砦としての秩序の中に」

グラハム「そう、私は秩序を、そしてその中に住む人々を護るために銃を取っている。その決意の下に、引き金を引いている」

グラハム「ソレスタルビーイングの主張、感じ入るものが無いと言えば嘘になろう。むしろ一理あると言うべきであり、その理念はまた一つの世界の在り方なのだろう」

ロックオン「……」

グラハム「私の部下……いや、何といえばいいのだろうか。とかく、本人の意思で私の隣に立つ、造られた存在を私は幾人か知っている」

グラハム「だが彼女等は皆自らの精神を持ち、自らの力で立っている。出自はどうあれ、秩序を壊す為にその力を振るおうとする者は誰もいない」

グラハム「それは、側にいた仲間が、師が、家族として彼女等を導いたからだ」

グラハム「君達だけが彼等の光に成りうると私は思わない。私も、良心を持つ人間なら誰でも! その光に成り得ると確信している」

グラハム「私はソレスタルビーイングの存在意義を理解した。君の戦う理由、決意の強さ、そして覚悟を知った」

グラハム「だからこそ私は、君を、ソレスタルビーイングを否定する。秩序を乱し、我を通すことが正道と割り切る君たちは、やはりあってはならない」

グラハム「正しい戦争など無く、正しさで人が救えるとは限らない。君はそう言った」

グラハム「だが私はそれでも、正しさの内にある人の暖かさを以て人の道を示したい。それが私の、フラッグファイター達の意志なのだから」

ロックオン「……そうか」チャキッ

ロックオン「残念だよ」

グラハム「私もだ」ジャキッ

ロックオン「俺からは返す言葉もない。あんたは間違いなく正しく、非があるとすりゃ俺たちだ」

グラハム「だが止まるつもりはない、そう言うのだろう?」

ロックオン「あぁ。悲しいな、分かり合っても戦う運命からは逃れられないらしい」

グラハム「否、運命は切り開くもの。私が切り開く運命の先に君がいた、ただそれだけだ」

ロックオン「出逢い方がちょっと違えば、良い友達になれたかもな」

グラハム「あぁ、仮定の話だ」

グラハム「ただ……」スッ

ロックオン「?」

グラハム「君に命を助けられた今の私に、この場で引き金を引く権利は無いな」フッ

グラハム「撃ちたければ撃ちたまえ、私にはどうすることもできん」

ロックオン「……」

ロックオン「……ハハッ」

ロックオン「あんた、律儀すぎるぜ。頑固だってよく言われんだろ?」スチャッ

グラハム「あぁ、私は俗に言う人に嫌われるタイプの人間だ」

ロックオン「確かに、アザディスタンでのしつこさは半端じゃなかったな。鬱陶しいことこの上なかったぜ、ありゃ」

グラハム「褒め言葉として受け取っておこう。君の射撃の腕も、久しぶりに嫌な汗をかかせてもらった」

ロックオン「……ふっ」

グラハム「くくっ」

ロックオン「ははははははははは……!」

グラハム「はははははははははははははははっ!」

ロックオン「了解だライセンサー、この場で物別れが俺達にとって最上らしい」シュッ

グラハム「……?」パシッ

ロックオン「今頃ユニオンが血眼になってあんたを探してるだろう、そいつはフラッグのコクピットから拝借した無線機だ」

ロックオン「これがこの場所の座標だ、俺が出てしばらくしたら使ってくれ、きっとすぐに迎えが来る」スッ

グラハム「……」ピッ

グラハム「この夜の一件、他言無用ということかな?」

ロックオン「命を助けた駄賃だと思ってくれ、なんて押し付けがましいけどな」

ロックオン「少なくとも、グラハム・エーカーという人間を理解出来たのは俺にとっては有意義なことだったということさ」

ロックオン「国の正義に依る奴なんか大嫌いだって考え方だったんだが……少しは変わったよ。ありがとな」

グラハム「そういうことならば、今日の出来事は私の胸の内に仕舞うことにしよう」

グラハム「私のような考え方の人間は軍にも数多いる、もっと素晴らしい意識の人も数限りなくいる」

ロックオン「出来れば、そいつ等からは狙いを外しておきたいな」

グラハム「我々は分かり合っても戦わねばならんが……」

ロックオン「俺らの子供や、その子供の子供までは、そうなってほしくないもんだ」

グラハム「そうならないために我々は戦う」

ロックオン「恨みっこなしだぜライセンサー」

グラハム「次逢うときは戦場だ」

ロックオン「悪いが、今度こそ狙い撃たせてもらうぜ?」

グラハム「当たるわけにはいかんよ。私の命は、私だけのものではないのだから」

ロックオン「……じゃ」

グラハム「待て」

ロックオン「ん?」

グラハム「君は誰から私の話を聞いた? 恐らくは、その人物も私達のような力を持っていると推測するが」

ロックオン「あぁ……秘密だ」

グラハム「何?」

ロックオン「そいつはあんたのすぐ側にいる、気付いてくれるまでは黙っていてほしいってお達しなんでな」

グラハム「……?」

ロックオン「なに、あんたならすぐさ」

ロックオン「グラハム」

グラハム「む?」

ロックオン「正しいことが人の救いになるとは限らない……その考え方は変わらない」

ロックオン「だが、それでもと言えるあんたに会えて良かった」

ロックオン「もし戦いが終わってどちらも生きていたら、その時はまた語り合おう」

ロックオン「寝言で呟いてたマリーダってのも一緒にさ」ハハッ

グラハム「ロックオン・ストラトス……」

ロックオン「ニール・ディランディだ。俺の本名」

グラハム「ニール・ディランディか……良い名だ」

ロックオン「へっ、ありがとよ」

ロックオン「生きていたらまた会おうぜ……じゃあな」ザッザッザッ

ウィィィィィン

HARO[ロックオン、スメラギオコッテル]

ロックオン「うへ、マジか! 言い訳考えなきゃな」

ロックオン「……」

ピッ

ロックオン『グラハム!』

グラハム「ッ!」

ロックオン『俺達みたいな力を持った奴を、ソレスタルビーイングではこう呼んでいる!』

ロックオン『新たなる可能性、ニュータイプと!』

グラハム「ニュー……タイプ?」

ロックオン『期待してるぜニュータイプ、お互い変われるといいな!』

コォォォォ……

グラハム「……行ってしまったか」

グラハム「ニュータイプ、か」

グラハム「……」ゾクゾクッ

グラハム「ロックオン・ストラトス、ニール・ディランディ!」

バフッ

グラハム「ははっ! また会おう! 次はもっと暖かな場所でな!」



HARO[ロックオン! ロックオン!]

ロックオン「不満かHARO、そりゃあ敵と一晩しっぽり話し合ってりゃそうなるだろうな」

ロックオン「でもよ、いくら強がったって、人間ってのは独りじゃ生きらんないんだ。敵味方にあんまり拘りすぎたら、寂しくなっちまうだろ?」

HARO[ロックオン、ヨクワカラナイ!]

ロックオン「ははっ、HAROにゃちょい難しかったか?」

ロックオン「まぁ、追々分かると良いな」ナデナデ

HARO[ファー……ブルスコファー……]

ロックオン「てぃっ」ビシッ

HARO[モルスァ]


ー太平洋ー

兵士『マリーダ少尉、もうこれ以上は……!』

マリーダ「ならばお前達だけでも帰っていい! 私はマスターを探すっ!」

兵士『しかしこれ以上はお身体に障ります!』

マリーダ「私はこの程度ではどうにもならん! 余計なお世話だっ!」

兵士『ッ……』

マリーダ(マスター……応えてください、マスター!)グッ

ピピッ

『アラスカ司令部より入電! グラハム・エーカー上級大尉からの通信が入ったそうです!』

マリーダ「っ!?」

マリーダ「座標は何処だ、直ぐに急行する!」

ギュゥゥゥンッ



グラハム「ふう……ここはソレスタルビーイングの中継場所だったのか? それにしては物も少ないが……」

グラハム「むッ?」

グラハム「この珈琲、賞味期限切れではないか……なのにMSWADの珈琲より美味い」ズズッ

グラハム「あれは本当に珈琲なのだろうか、今度カタギリに精密検査を依頼しよう」

ギュゥゥ……ゥン

グラハム「来たな、マリーダか」

ドスゥンッ
バタンッ

グラハム「ッ!」ビクゥッ

マリーダ「マスターッ!?」

グラハム「は、速いな……フラッグが降り立ってから私が珈琲を置く間もなかったぞ」

マリーダ「…………」

マリーダ「」ボロボロ

グラハム「ッ!?」

マリーダ「どれだけ……どれだけ心配したことか……!」

マリーダ「良かった……ご無事で……マスター……!」

グラハム「……」

グラハム「心配させてしまったなマリーダ、済まん。だが私は見ての通り大丈夫だ」

グラハム「今度こそ帰ろう、ユニオンへ」ポン

マリーダ「はい……マスター……!」

グラハム(とはいえ此処もアラスカ、ユニオンなのだがな)

グラハム(基地に帰ったら久しぶりにゆっくりと休めそうだ……)


ー人革連ー

セルゲイ「そうか、グラハム大尉は無事だったか」

ソーマ「良かった……」ホッ

セルゲイ(正直腑に落ちんところもあるな、ガンダムがわざわざ出向いておきながら完全に任務をこなさなかった理由は何だ?)

セルゲイ「何も無ければいいのだが……」


ーAEUー

マネキン「何も無ければいいのだがな……」

PPP

マネキン「私だ」

マネキン「そうか、遂にGNーXが……」

マネキン「何? 9機しかないだと、そんな馬鹿な……!」

マネキン「くっ、上層部め、私に一任すると言いながら一枠を勝手に……!」

マネキン「それで!? 登録されたパイロットは!」

マネキン「……ヤザン・ゲーブル……ッ?!」


ー???ー

ヤザン「はっはぁ! コイツが俺のガンダムってやつか!」

プルツー「広義に捉えればまぁそうともいえるよ」

プルツー「でもガンダムに対抗する力なんだ、せめてGNーXと呼びな」

ヤザン「ませたガキだ、コイツが本当に俺と同じライセンサーだってのか?」

プルツー「試して見るかい? あんたなんか一瞬で落としてやるよ」ガルル

アレハンドロ「リボンズは何処だ?プルツーが暴れかねん」

アレハンドロ「同僚になる二人なんだ、少しは仲良くやりたまえ」

アレハンドロ「ヤザン・ゲーブル、特に君はプルツーの口添えで出てこれたようなものだ。彼女には感謝したまえよ」

ヤザン「このガキのおかげだと……?」ギロッ

プルツー「腕は確かだからね。使えるかどうかは直感だけど……」

ヤザン「直感かよ、ガキの思いつきに振り回されちゃたまらねえな」ケッ

プルツー「何だと!?」

アレハンドロ「……今から頭が痛いな」

リボンズ「アレハンドロ様」

アレハンドロ「リボンズか、プルツーを宥めてくれ」

リボンズ「どうどう……と、冗談はその辺にいたしましょう」

リボンズ「トリニティの介入はデュナメスの乱入もあり、完璧には遂行されなかったようです」

アレハンドロ「やはりか……まぁこれでガンダムへの不信感から世界は一つになる。最低限は働いたということか」

リボンズ「ですが思わぬ事態に」ピッ

アレハンドロ「ん……?」

アレハンドロ「これはこれは、天は我々に味方したということか」ニヤッ

アレハンドロ「手配は?」

リボンズ「済ませてあります」

アレハンドロ「トリニティめ、たまには役に立つ。これは撃墜するよりは遥かに価値がある……」

アレハンドロ「素晴らしいジョーカーを手に入れたものだ……ふふふ、はははははははは!」


TO BE CONTINUED...


ービリー・自室ー

ビリー「叔父さんの口添えでGNーXの太陽炉は一機分譲ってもらえる……」

ビリー「あとは時間との勝負だ、出来うる限り早く、出来うる限り精密に、GNドライブ搭載型フラッグの雛型を作らなきゃ」

ビリー「寝てなんかいられない……僕だってやってやるぞ、グラハム!」

ピピッ

【ジャン・リュック・デュバル様からメールが届きました】

ビリー「誰だよ!?」

ビリー「こんな忙しい時に、間違いメールだなんて……もう!」

ピッ

ビリー「……ん? 外部委託のメール送信……?」

ビリー「それにデータ容量が大きい……」

ビリー「……」ピッ

【To brave 】

ビリー「これは……フラッグの設計図! 名義は、レイフ・エイフマン!?」


次回【クロスロード】

遺された想いが交わり、道を切り開く



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