2009年09月06日 10:49
誠「軽音部もいいなぁ」
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 18:57:11.96 ID:Dq5HVRRx0
誠「…というわけで世界」
誠「俺、軽音部に入部するよ」
世界「何が…というわけで、よ」
世界「どうせ可愛い女の子がいるから入りたいんでしょ」
誠「あ、ばれちゃった?? あははは」
世界「もう………」
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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 18:57:11.96 ID:Dq5HVRRx0
誠「…というわけで世界」
誠「俺、軽音部に入部するよ」
世界「何が…というわけで、よ」
世界「どうせ可愛い女の子がいるから入りたいんでしょ」
誠「あ、ばれちゃった?? あははは」
世界「もう………」

誠「ここかなぁ………?」
コンコン
澪「律、だれか来たぞ」
律「ん、誰だろ?」
律「はーい、入ってきていいよ」
誠「あ、失礼しまーす」
誠(ホントに女の子しかいないんだなぁ)
唯「うわぁ男の子だぁ」
律「で、軽音部に何の用?」
誠「えっ!? いやっ! 澪ちゃんが可愛いなぁーっと思って……」
澪「えっ」ポッ
誠「うん、澪ちゃんに会いに来たんだ」
澪「だんしに…こくはく…され…」
ズデンッ
律「澪! 大丈夫か!!」
澪「うまれて…はじめて…」
澪「うふふふふふふふふふふふ」
律「いかん! 澪が壊れちゃった!」
誠「ええっ、なんでぇ?」
唯「澪ちゃんは男の子にこういうこと言われるの慣れてないんだよ」
誠「へぇ、そんな女の子もいるんだ……」
誠「そういえば……君もかわいいよね」
誠「その、おっとりしたとこが……すごく可愛い」
唯「えええぇえぇぇぇえぇえぇっ」ポワーン
誠「世界なんかよりもずっといい!」ギュッ
唯「はわわわわわわわわわ」
梓「いい加減にしてください!」
誠「うわっ!」
梓「さっきから、なんなんですか! 先輩たちをたぶらかして!」
梓「同学年としての自覚を持ってください!」
誠「え、君も1年生だったの?」
梓「1年2組の中野梓!」
誠「あ…中野さんって言うんだ……」
梓「最低!」
律「梓しってんの?」
梓「知ってるも何もこの人……私にこの前告白してきました!!」
誠「ええっ!」
梓「ええっ! じゃないですよ!!」
誠「だって知らないものは知らないし……」
梓「………ばか!」バシッ!
誠「な…なんだよ……!」
梓「この前は私のファーストキスいきなり奪って……!
そのうえ覚えてないってどういうことですかぁっー!!」
律「……………というわけで」
律「軽音部への入部を打診する前に
誠くんの話を聞くと、どうやら君は女の子をナメているようだ
その言葉ちゃんって娘の気持ちを何もわかっていないよ」
紬「人間のクズですね」
誠「うぅ……すいません」
律「私はすごく嫌な予感がするんだよ
誠くんは、もしかしたら世界ちゃんに殺されてしまうかもしれん」
誠「な…なんで世界が!」
律「この流れはなんとなく、ね」
誠「そんなのって……」
紬「私だったらとっくに殺してます」
律「…とにかく! この状況を何とかせねば」
誠「……でも……俺には分からないんだ!世界が妊娠しても……言葉が病んじゃっても……
俺はどうしたらいいかわかんないんだよおおお!!!」
律「そこで! 私にいい考えがあるんだ!」
誠「いい…考え……?」
律「誠くんの取り巻きの女の子たちは優しさに飢えてる
昔みたいに純粋な誠くんを欲しているんだよ」
誠「そう…なんですか?」
律「だからこそ私は放課後ティータイムに誠くんを入部させたい」
誠「!?」
澪「律う! ど…どうしてそうなるのよ!」
律「あのなぁ澪、音楽ってのは人の心を最も揺さぶるわけだ
感動した人間は些細な悩みなんて気にならなくなるんだよ
で、誠くんも何かに熱中することで心が洗われる
これほど一石二鳥なことはないじゃないか!!」
誠「……入部してもいいってことですか?」
律「うん! 歓迎するよ、誠くん!」
澪「私は構わないけど……」
唯「私もいいと思うよ」
紬「誠氏ね」
梓「皆さんがそんなに言うなら…」
律「伊藤誠くん、おめでとう! 入部決定だよ!」
誠「えへへ……ちょっと照れるなあ……」
言葉「―――本当に誠くん、軽音部に入ったんですかっ!?」
誠「でへへ、そうなんだよ」
言葉「でも、誠くん楽器とかできないでしょう?」
誠「カスタネットくらいなら何とか……」
言葉「軽音部って意外と簡単なんですね」
誠「うん! いつかライブやるから言葉も来てくれよな!」
言葉「はい!」
言葉(誠くん、何だか嬉しそう……いいなぁ)
律「―――誠くんにはメインボーカルをやってもらう」
誠「ええっ!? ボーカルですか!」
律「そっ、今までの軽音部には男子部員がいなかったから
演奏しててもイマイチ迫力にかけたんだよ」
誠「しかたないなあ」
律「よし! 決まり!じゃあ、まず私の恋はホッチキスから! いっくよー!」
誠「ふわふわ時間……ふわふわ時間……」
澪「ふぅ…今日の練習はこんぐらいにしとくか」
律「そうだなー」
誠「はぁ…はぁ…軽音部ってこんなにハードだったんですか?」
律「いや、いつもはこんなんじゃないんだよ」
律「演奏まで近いし誠くんを徹底的にしごかなくちゃ、と思って」
誠「そんなぁ……」
律「じゃ、今日はこれで解散ってことで! バイバーイ!」
澪「律、私も帰るー、みんなまた明日!」
唯「あずにゃん、帰りに駅前のアイス屋に寄ってかない?」
梓「んーいいですよ、行きましょう」
唯「じゃあ、ムギちゃん、誠くんばいばい」
紬「また明日会いましょうね」
誠「あ、さよなら…」
誠「二人っきりになっちゃいましたね」
紬「残念だけど私は女の子にしか興味ないの
あんたみたいな男、最初っから願い下げ」
誠「……とか言って、ムギ先輩って男性経験ないんでしょ」
紬「…軽々しくムギなんて呼ばないで……!」
誠「図星だから照れてる」
紬「…なによ、顔近付けきて…私は…キャッ」
誠「ムギ…好きだよ」
紬「私はそんなこと……あぁっ」
誠「チュパッ……ムギ…もう我慢できない……」
…………………………………
紬「まさかこんなことになっちゃうなんて……………別に悪くはなかったけど」
誠「気持ち良かったよ……ムギ……」
紬「私と二人っきりのときはその呼び方でもいいけど……律っちゃん達の前ではよして」
誠「はい! もちろんです!……じゃあまた明日!」
紬「うん…バイバイ」
ガチャ
紬「はぁ……私、なんであんな子と……」
唯「あずにゃん~ブルーハワイおいしかったね」
梓「唯先輩、よく3段アイスなんて食べれますね」
唯「だって、おいしいじゃん!」
梓「そういうことじゃないです……」
唯「じゃあ、私こっちの道だからばいばーい」
梓「はい、さようなら」
唯「あぁ…おいしかったぁ……こんど憂もつれてこ………わっ」
誠「待ってましたよ唯先輩」
唯「ま…ままま誠くん!?? なななんでここにいるの!???」
誠「ずっと唯先輩を待ってたんですよ
いっしょに下校…しませんか?」
唯「えっえええぇっ!? いぃぃいいよ!???」
誠「ありがと」チュッ
唯「わっ!いぃいぃいいい家に帰ってからしようね!?? 家に!!」
憂「あっ、お姉ちゃんおかえりぃ~…ってええ!?」
唯「あのね! 憂! こちらは新しく軽音部に入部した……」
憂「伊藤……誠さんですよね」
誠「なんだ!? 君もおれのこと知ってるの?」
憂「だって有名な方ですから……」
唯「誠くん!! わ、私着替えてくるね!!」
誠「そのままでいいよ、はやく部屋に行こうよ」
唯「そ…そんな…心の準備が………」
誠「優しく手ほどきしてあげるから、ね?」
唯「う……うん」
誠「じゃあいこっか」
憂「お姉ちゃん…変な奴につかまっちゃったなあ………」
誠「唯のおっぱい…やわらかくて気持ちいい……」モミモミ
唯「そんなとこ、誰にも触られたことないのに……」
誠「俺じゃ嫌なの?」
唯「そ、そ…そんなことないよ!!」
誠「よかったぁ…」
誠「練習中も唯先輩のことずっと見てたんだ」
誠「それが今はこんなに近くにいる……」
唯「はっ恥ずかしいよぉ……」
誠「好きだ」
唯「ぽ」
唯「ハァッ……ハァッ……き…今日はありあとう……」
誠「うん……明日も空けててくれるかな?」
唯「あ…うん……大丈夫………」
誠「じゃあ、またくるね」
ガラッ
憂「誠くん…ちょっといいかな」
誠「憂…ちゃん……だっけ? なに?」
憂「本当にお姉ちゃんのことを愛しているんですか?」
誠「何を言うんだよ…急に……」
憂「私、知ってます。世界さんや言葉さん、乙女さんとも関係を持っていると」
誠「そ、それは違うんだ………」
憂「いいから聞いてください」
憂「お姉ちゃんは今まで男の人と付き合ったことがありません」
憂「信じていた人に裏切られたことのない純粋な人間なんです」
憂「だから、お姉ちゃんと付き合うならお姉ちゃん一筋でいてあげて」
憂「じゃないと、私……怒ります」
誠「わ…わかったよ」
誠「だから軽音部の人はみんな軽いんだって」
光「あんたさぁ世界のことは大事じゃないの?」
誠「うん……世界のことも大事だよ」
光「"も"? もって何よ」
誠「世界と同じくらい…いやそれ以上に光も大事なんだ」
光「ちょっとやめてよぉ……ムグっ」
誠「まだ足りないんだ……」
光「もう……あと一回だけだからねっ………」
律「それじゃ、今日もいくかー!1,2,3,4!」
誠「あ、ちょっといいかな……」
律「ん? どうしたよ誠くん?」
誠「律先輩に直々に聞きたいことがあって……」
律「何? 言ってみな?」
誠「いや、ここじゃ言いにくくて……そっちの部屋で」
律「誠くん、私はそういうの分かるからさーー下心丸見えで言われてもねえ……」
誠「そんなつもりじゃ……」
律「はいはい、練習練習!!」
誠(律先輩は意外に落としにくいんだな……)
律「今日の練習はここまで!じゃあ各自解散!」
澪「ど、どうしたの? 唯もムギも誠くんを見ちゃって」
紬「いや……私はなにも……」
誠「唯先輩、いっしょに帰ろっか」
紬「!!!」
唯「う……うん!!」
律「………………」
唯「今日も誠くんと帰れて……うれしいな」
誠「俺もだよ、唯」
唯「ゆい…なんて……」
誠「いいじゃん…? 俺たち付き合ってるんだよね?」
唯「うん……付き合ってる………」
誠「じゃあ俺のことも誠くんじゃなくて、誠って呼んで」
唯「ま…まこと……」スッ
唯「!」
誠「お礼のキス」
律「おい待て誠おおおおおおおおおお!!!」
誠「わっ…律先輩」
律「怪しいと思ってついてきてみたら……ウチの唯にこんなことしやがって」
誠「こんなことって……」
唯「誤解だよ、律っちゃん! 誠くんは私が………」
律「唯は黙ってろ!」
唯「!!」
律「誠、お前ムギにも手を出してるだろ」
誠「な、なんでそんなこと…!」
律「泣いてた」
唯「それほんとなの……?」
誠「ち…違うんだっ! 紬先輩とはそんなこと……!」
律「いい加減にしろよぉ!! 誠おおおおおおおおおお!!」
律「同級生だけじゃなくてウチの軽音部員まで食い散らしやがって!」
律「ちょっとは改心の兆しがあると思ったのに……!」
誠「みんなとはっ…仲良くなりたいと思っただけで……」
律「言い訳するな! お前が女目当てなのは知ってんだ!!」
律「当分、唯に近づくなっ!」
憂「そういうわけにはいきません」
唯「えぐっ……う…憂?」
憂「律さんの言い分は分かります」
憂「でも、誠くんはお姉ちゃんを現に愛してくれています」
唯「うい……」
律「憂ちゃん! これは部長としてだな……」
憂「じゃあ私はお姉ちゃんの妹として意見します!
お姉ちゃんのために誠くんを見守ってあげてください!!
お姉ちゃんだけは誠くんを許してあげてください!!
そして…別の女性に手を出したら容赦なく叱ってください」
律「でも憂ちゃん……既に誠はムギに手を出してるんだよ……」
憂「そうですね……誠くん」
誠「う…憂ちゃ…」バシィッッッ!!
誠「痛いぃぃぃいいい!!」
憂「これは罰です」
憂「一度目は寛容な罰ですが……二度目はこんなことありません」
憂「………じゃあ、3人で家に帰りましょうか」
唯「う……うん」
誠「あ……あぁ」
律「……………………………………」
律「そんなの……おかしーし………」
律「誠も唯も…………本当に………ばか」
澪「………あれは……律?」
律「君を見てると……いつも………ハートドキドキ………」
澪「律!」
澪「律……なんで泣いてるんだよ?」
律「澪……? …私、泣いてんのかぁ……グスッ」
澪「律……どうしちゃったんだよ」
唯「んっんっんっ……誠………」
誠「……あぁっ………唯」
唯「誠…もう……誰にも手を出さない?」
誠「うんっ………もう浮気なんて絶対にしない……!」
憂「これで…いいんだよね?お姉ちゃんのためには……これで間違ってないよね……?」
律「……いよいよ明日は軽音部の演奏を発表する日だ」
紬「……………」
唯「…そ…そうだね」
律「今日が最後の練習だから、はりきっていこうぜ…」
澪「そういう本人が元気ないんじゃいけないよな」
誠「……………………」
梓「み…皆さん早く練習しましょう! このままじゃ暗くて雰囲気よくないです!」
誠「俺…帰るよ」
唯「まこ……誠くん! どうして帰っちゃうの!?」
誠「いや、何だか気分のらないし……」
律「いいんだよ、ほっときなって」
唯「駄目だよ! 軽音部は全員そろって放課後ティータイムなんだよ!!」
律「ほっとけっつってんだろ!!! そんな奴!!!」
唯「!!……私も帰る!」
澪「あっ…唯…!」
唯「誠! 一緒にかえろ!!」
誠「あ…うん……」
律「……………………」
紬「私のせいですよね………うっ……私が彼に従ったばかりに………」
澪「ムギ……」
梓「紬先輩のせいじゃありません!悪いのは全部あいつなんです!唯先輩だって本当は……」
律「梓、もういいよ……ムギもほら……泣くなよ」
紬「もう私になんて構わないで!!!」
律「……ごめん」
唯「律っちゃんがあんなに冷たい人だとは思わなかった!」
誠「いや…律先輩は彼女なりにさ…考えてくれてると思うよ」
唯「どこが!?? どうして!? 誠は何も分かってないよ!!」
唯「律っちゃんは……私たちの幸せを邪魔してるんだよ……」
誠「唯……」
唯「誠…きて……」
…………………………………
世界「おはよう、誠」
誠「あ、おはよう世界……」
世界「…? 誠、元気ないね……」
誠「そんなことないって! すごい……元気…」
世界「変な誠……今日って軽音部が演奏する日なんだよね?」
誠「あ…うん、そうだよ」
世界「私も見に行くからね! 失敗したら駄目だぞ!」
誠「…ありがと」
誠「あ…メール」
世界「……桂さんから?」
誠「…みたい」
言葉『私、今日の誠くんの演奏見に行きます』
世界「桂さんも見に来るんだね……」
誠「うん…あ、そろそろ集合時刻だ!」
世界「あ、頑張ってね誠!」
誠「うん、頑張る!」
誠(なんだか空気悪いなあ)
律「そろそろ…行こっか」
澪「な…なあ、舞台に上がったら皆笑おうぜ……! このままじゃ辛気臭いよ…!」
梓「そ、そうです! 笑いましょう!」
唯「ねえ、澪ちゃん」
澪「ん、どうしたんだよ…唯」
唯「今日のMCお願いできるかな」
澪「え!? なんでだよ? 喋りは唯のほうが……」
唯「私あまり喋る気分じゃないから」
澪「わ…わかった…!! わかったから元気出せ…!!」
澪「じゃあ…舞台にあがるぞ!」
梓「行きましょう!」
紬「……はい」
会場「オーッ!オーッ!ウオーッ!!」
澪「か、会場の皆さん! 今日はお集まりいただいてありがとうございます!」
澪「今日は今までの練習の成果を見せたいと思います!!」
世界「誠…真ん中に立ってる……ふふっ…緊張してる」
言葉「誠くん……頑張ってほしいですね」
世界「うん……あいつカラオケ下手だったけどなあ」
言葉「そうなんですか? うふふ………って、あれ? …西園寺さん?」
世界「か…桂さん……?」
言葉「こんなところで会うなんて奇遇ですよね……」
世界「そ…そうねぇ、なんで会っちゃったのかしらねえ……」
言葉「クス……クスクス」
世界「フッ…フフフ……あははは……! なんかおかしい…!」
言葉「うふふふ…! 西園寺さんも誠くんの唄を聴きにきたくせに……!」
世界「こうやってさあ、舞台の上に立っているのを見ると誠が遠くにいるみたいで……」
言葉「私も……電車の中で見ていた誠くんを思い出しました…」
世界「あの頃は誠もウブだったわねぇ……」
言葉「そうですね……フフ…ああやって歌詞を間違えるような…可愛い仕草が魅力でした」
世界「うん……なんか、今の私たちって何も知らなかった頃…みたいだよね」
言葉「はい……それはこの空間だからこそ、そう思えるんじゃないでしょうか」
世界「どういう意味?」
言葉「今こうやって誠くんが二人の手の届かない位置にいる」
言葉「即ち、誠くんは今どちらのものでもない」
言葉「だから今は邪な気持ちなんて……お互いにないんだと思います」
世界「なるほどねぇ……」
言葉「ずっと…こうあることはできないんでしょうか……」
世界「そうだよね……」
誠「ララ~☆また明日♪」
会場「ウオーッ!!誠ォーッ!!いいぞー!!」
会場「キャワイーッ!!よかったぞーッ!!!」
澪「これで放課後ティータイムの演奏を終わります!!本当に今日はどうもありがとう!」
律「最後にちょっと……いいかな」
澪「り…律?」
律「軽音部はこの男のせいでおかしくなりました…!」
誠「い…いきなり何だよ!?」
律「私の大切な部員をなんとも思わずに食い物にした……!!唯もムギもその被害者です!!」
紬「ちょ……何言ってるの!」
唯「律っちゃん、やめてよ!!!」
律「だけど私はようやく解ったんです」
律「他の部員に迷惑をかけるなら私が独占すればいい……!」
律「最初からこうしておけばよかった!!!!!!!」
……………チュッ
誠「!!!」
唯「イヤァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
紬「……………!」
世界「う……そ」
言葉「………………」
律「自分の気持ちに気付かなかったなんて馬鹿みたい!!!
私も…誠が好き………なのに……!こんなに苦しい思いをするなんて………!!」
唯「誠から離れろおおぉぉおおおぉお!!!!!!!」」
澪「唯! やめてえぇええぇぇえ!!!!」
バキッッッ!!!
律「痛ってええぇぇ……!!!!」
唯「お前みたいな女が近付いたら誠が汚れるんだよ!!!!」
律「言ったね……?」
唯「誠は私のものなの! 絶対に…渡すものですか……!!!」
誠「う…うわああああぁぁぁっっっっっっ!」
唯「誠っ!!!」
誠「なんなんだ…律先輩まで…もう…わけわかんないよ……!!
そうだよ……世界しか俺にはいないんだ…!!」
世界「誠…大人気なんだね」
誠「世界……! 俺はやっぱり……」
誠「!!!!!!!!!!!!!」
世界「自分だけがいい思いして………」
ズブッ!
世界「学校中にあんな姿を見せて………!」
ズブッ!
世界「結局…私のことなんて眼中になかったんじゃない!!」
ズブッ!
誠「せ……か……」
世界「誠……」
世界「誠……なんか言ってよ……!!」
世界「俺は西園寺世界と付き合ってるって言ってよ……!!!!」
世界「誠……」
憂「もう…終わりにしましょう」
世界「あなた……2組の……?」
憂「そんなこと、どうだっていいじゃないですか」
憂「私はお姉ちゃんのためなら、何でもする」
憂「お姉ちゃんが今、望んでること…何かわかりますか?」
世界「何…言ってるの……?」
憂「復讐です」
唯「憂……ただいま……」
憂「お姉ちゃん…大変だったね」
唯「あの後…先生たちが止めに入って……誠は行方不明のままで…携帯もつながらないし…」
憂「あのね、お姉ちゃんにプレゼントが3つあるの」
唯「プレ…ゼント?」
1つ目のプレゼントはこれ。
唯「い……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!」
憂「本当は生きたまま渡したかったんだよ…?」
憂「でも、それは無理だった」
その原因は2つ目のプレゼントにあるの。
唯「な…なんなのコレぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
憂「紹介するね、西園寺世界さん」
憂「お姉ちゃんが直接会うのは初めてだよね」
唯「憂……!!! どうしちゃったの!??」
唯「私はこんなこと望んでないよ!!」
そして私からの最後のプレゼント。
紬「……誰ですか?」
憂「平沢憂です」
紬「……今は会いたくありません」
憂「誠くんにも会いたくないですか?」
紬「……なんで、そこで誠くんの名前が出るのよォッ!!!!」
憂「今から私の家に来てください」
憂「みんな…待ってますから」
律「誠は…私のものなの……誠……」
澪「律……しっかりしてよ……」
梓「律先輩……あの元気な律先輩に戻ってくださいよ……!」
ピンポーン
澪「……私、出てくる…梓はここで律を看てて」
梓「はい、わかりました」
澪「誰ですか……?」
憂「平沢憂です」
憂「お姉ちゃん…ねえ、お姉ちゃんってば」
憂「お姉ちゃんの敵はみんな、私が片付けたからね」
憂「だからお姉ちゃんは、ここで休んでいればいいよ」
憂「うふふ……ずっと誠くんといっしょだね」
憂「今は軽音部のみんなには会いたくないと思うから場所を離してるけど……」
憂「いつか、笑って話せる日が来るといいね……」
憂「あと一人……!!!」
葉「西園寺さんと仲直りしたかと思えば……いなくなっちゃって…」
言葉「誠くんも……いなくなっちゃって……」
言葉「もう屋上には誰も来ないのね……」
ガチャ
言葉「誠くん……?」
憂「あなたが桂言葉さん?」
言葉「そうですけど……? 誰……?」
憂「1年2組の平沢憂です」
言葉「平沢……? ……妹さんですか」
憂「そうですよ、私の姉は誠くんのたった一人の彼女である平沢唯です」
言葉「誠くんは本当に誰からも人気なんですね………妬けます」
憂「私はあなたに恨みはありません」
憂「ですが私の姉は、あなたを恨んでいます」
憂「私の身体は……平沢唯の分身みたいなものですから」
憂「だから…姉に代わって……私は……」
言葉「ウフフ…ウフフ………」
憂「……! 何がおかしいんです…?」
言葉「あなた勘違いしてるわ」
言葉「あなたのその想いは姉のために働いてるんじゃない」
言葉「………自分のためよ」
憂「……………………」
言葉「きっと…西園寺さんも……軽音部の方々も……あなた自身の姉も……」
言葉「あなたが手を下したのでしょう」
憂「……………それで?」
言葉「だけどあなたは、それらひとつひとつを姉のためにと思ったことはないはず」
言葉「あなたも……私たちと同じように誠くんが好きだったんでしょう……?」
憂「ち……違う」
言葉「否定なんかする必要ないわ、わかるもの」
言葉「あなたも世界といっしょの匂いがする」
憂「私は彼に好意を持ったことなんて………!!」
言葉「…………もういいわ」
言葉「同じ人を愛した者同士……誠くんを賭けて闘いましょう」
憂「………いいわよ」
憂「ただし、私が闘うのは姉のためっ!!」
言葉「減らず口をっ……!」
憂「ふんっ…! 剣の腕は立つのね……!」
言葉「それだけじゃないわ……!」
言葉「誠くんへの愛が………力になってる……!!」
憂「なによ…それ……」
言葉「毎日毎日、誠くんのために編み物をして……!」
言葉「お母さんからは男の人が喜ぶお茶の淹れ方を学んで……!」
言葉「あなたなんかに負けるわけないじゃない…!!!!」
憂「!!!」
言葉「ねぇ……憂ちゃん…って言ったわよね」
言葉「私たちも仲直りしましょうよ」
言葉「だって……誠くんを好きな人に悪い人がいるわけないんですから」
言葉「ただし、誠くんは……私のものなんですけどね」
言葉「あなたの家に……誠くんがいるんでしょう?」
言葉「取り戻しに…行きますよ」
言葉「ここが憂さんの家、なのね」
言葉「誰もいないのなら……おじゃまします」
言葉「誠くんの匂い……するじゃない」
言葉「誠くん……こっちにいるわ」
言葉「この部屋……かしら」
???「ようこそ誠くんを求める者」
言葉「!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ザシュッッ!!
唯「誰が私が死んでるなんて言ったの???」
唯「残りの軽音部員は憂が片付けてくれたみたいだけど」
唯「さすがの憂も言葉さんだけは殺せなかったみたい」
唯「私こそが……誠くんに相応しい女………」
唯「あははははははははははははははははははははははははは」
THE END 平沢 唯
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366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 01:55:48.77 ID:he20R9zXO
言葉「包丁の腕は立つのね…」
憂「毎日料理で鍛えてるもの」
言葉「まぁ!私も見習わなくちゃ!今度教えてください」
憂「喜んで」
ウフフ…アハハ…HAPPYEND
…ふぅ
コンコン
澪「律、だれか来たぞ」
律「ん、誰だろ?」
律「はーい、入ってきていいよ」
誠「あ、失礼しまーす」
誠(ホントに女の子しかいないんだなぁ)
唯「うわぁ男の子だぁ」
律「で、軽音部に何の用?」
誠「えっ!? いやっ! 澪ちゃんが可愛いなぁーっと思って……」
澪「えっ」ポッ
誠「うん、澪ちゃんに会いに来たんだ」
澪「だんしに…こくはく…され…」
ズデンッ
律「澪! 大丈夫か!!」
澪「うまれて…はじめて…」
澪「うふふふふふふふふふふふ」
律「いかん! 澪が壊れちゃった!」
誠「ええっ、なんでぇ?」
唯「澪ちゃんは男の子にこういうこと言われるの慣れてないんだよ」
誠「へぇ、そんな女の子もいるんだ……」
誠「そういえば……君もかわいいよね」
誠「その、おっとりしたとこが……すごく可愛い」
唯「えええぇえぇぇぇえぇえぇっ」ポワーン
誠「世界なんかよりもずっといい!」ギュッ
唯「はわわわわわわわわわ」
梓「いい加減にしてください!」
誠「うわっ!」
梓「さっきから、なんなんですか! 先輩たちをたぶらかして!」
梓「同学年としての自覚を持ってください!」
誠「え、君も1年生だったの?」
梓「1年2組の中野梓!」
誠「あ…中野さんって言うんだ……」
梓「最低!」
律「梓しってんの?」
梓「知ってるも何もこの人……私にこの前告白してきました!!」
誠「ええっ!」
梓「ええっ! じゃないですよ!!」
誠「だって知らないものは知らないし……」
梓「………ばか!」バシッ!
誠「な…なんだよ……!」
梓「この前は私のファーストキスいきなり奪って……!
そのうえ覚えてないってどういうことですかぁっー!!」
律「……………というわけで」
律「軽音部への入部を打診する前に
誠くんの話を聞くと、どうやら君は女の子をナメているようだ
その言葉ちゃんって娘の気持ちを何もわかっていないよ」
紬「人間のクズですね」
誠「うぅ……すいません」
律「私はすごく嫌な予感がするんだよ
誠くんは、もしかしたら世界ちゃんに殺されてしまうかもしれん」
誠「な…なんで世界が!」
律「この流れはなんとなく、ね」
誠「そんなのって……」
紬「私だったらとっくに殺してます」
律「…とにかく! この状況を何とかせねば」
誠「……でも……俺には分からないんだ!世界が妊娠しても……言葉が病んじゃっても……
俺はどうしたらいいかわかんないんだよおおお!!!」
律「そこで! 私にいい考えがあるんだ!」
誠「いい…考え……?」
律「誠くんの取り巻きの女の子たちは優しさに飢えてる
昔みたいに純粋な誠くんを欲しているんだよ」
誠「そう…なんですか?」
律「だからこそ私は放課後ティータイムに誠くんを入部させたい」
誠「!?」
澪「律う! ど…どうしてそうなるのよ!」
律「あのなぁ澪、音楽ってのは人の心を最も揺さぶるわけだ
感動した人間は些細な悩みなんて気にならなくなるんだよ
で、誠くんも何かに熱中することで心が洗われる
これほど一石二鳥なことはないじゃないか!!」
誠「……入部してもいいってことですか?」
律「うん! 歓迎するよ、誠くん!」
澪「私は構わないけど……」
唯「私もいいと思うよ」
紬「誠氏ね」
梓「皆さんがそんなに言うなら…」
律「伊藤誠くん、おめでとう! 入部決定だよ!」
誠「えへへ……ちょっと照れるなあ……」
言葉「―――本当に誠くん、軽音部に入ったんですかっ!?」
誠「でへへ、そうなんだよ」
言葉「でも、誠くん楽器とかできないでしょう?」
誠「カスタネットくらいなら何とか……」
言葉「軽音部って意外と簡単なんですね」
誠「うん! いつかライブやるから言葉も来てくれよな!」
言葉「はい!」
言葉(誠くん、何だか嬉しそう……いいなぁ)
律「―――誠くんにはメインボーカルをやってもらう」
誠「ええっ!? ボーカルですか!」
律「そっ、今までの軽音部には男子部員がいなかったから
演奏しててもイマイチ迫力にかけたんだよ」
誠「しかたないなあ」
律「よし! 決まり!じゃあ、まず私の恋はホッチキスから! いっくよー!」
誠「ふわふわ時間……ふわふわ時間……」
澪「ふぅ…今日の練習はこんぐらいにしとくか」
律「そうだなー」
誠「はぁ…はぁ…軽音部ってこんなにハードだったんですか?」
律「いや、いつもはこんなんじゃないんだよ」
律「演奏まで近いし誠くんを徹底的にしごかなくちゃ、と思って」
誠「そんなぁ……」
律「じゃ、今日はこれで解散ってことで! バイバーイ!」
澪「律、私も帰るー、みんなまた明日!」
唯「あずにゃん、帰りに駅前のアイス屋に寄ってかない?」
梓「んーいいですよ、行きましょう」
唯「じゃあ、ムギちゃん、誠くんばいばい」
紬「また明日会いましょうね」
誠「あ、さよなら…」
誠「二人っきりになっちゃいましたね」
紬「残念だけど私は女の子にしか興味ないの
あんたみたいな男、最初っから願い下げ」
誠「……とか言って、ムギ先輩って男性経験ないんでしょ」
紬「…軽々しくムギなんて呼ばないで……!」
誠「図星だから照れてる」
紬「…なによ、顔近付けきて…私は…キャッ」
誠「ムギ…好きだよ」
紬「私はそんなこと……あぁっ」
誠「チュパッ……ムギ…もう我慢できない……」
…………………………………
紬「まさかこんなことになっちゃうなんて……………別に悪くはなかったけど」
誠「気持ち良かったよ……ムギ……」
紬「私と二人っきりのときはその呼び方でもいいけど……律っちゃん達の前ではよして」
誠「はい! もちろんです!……じゃあまた明日!」
紬「うん…バイバイ」
ガチャ
紬「はぁ……私、なんであんな子と……」
唯「あずにゃん~ブルーハワイおいしかったね」
梓「唯先輩、よく3段アイスなんて食べれますね」
唯「だって、おいしいじゃん!」
梓「そういうことじゃないです……」
唯「じゃあ、私こっちの道だからばいばーい」
梓「はい、さようなら」
唯「あぁ…おいしかったぁ……こんど憂もつれてこ………わっ」
誠「待ってましたよ唯先輩」
唯「ま…ままま誠くん!?? なななんでここにいるの!???」
誠「ずっと唯先輩を待ってたんですよ
いっしょに下校…しませんか?」
唯「えっえええぇっ!? いぃぃいいよ!???」
誠「ありがと」チュッ
唯「わっ!いぃいぃいいい家に帰ってからしようね!?? 家に!!」
憂「あっ、お姉ちゃんおかえりぃ~…ってええ!?」
唯「あのね! 憂! こちらは新しく軽音部に入部した……」
憂「伊藤……誠さんですよね」
誠「なんだ!? 君もおれのこと知ってるの?」
憂「だって有名な方ですから……」
唯「誠くん!! わ、私着替えてくるね!!」
誠「そのままでいいよ、はやく部屋に行こうよ」
唯「そ…そんな…心の準備が………」
誠「優しく手ほどきしてあげるから、ね?」
唯「う……うん」
誠「じゃあいこっか」
憂「お姉ちゃん…変な奴につかまっちゃったなあ………」
誠「唯のおっぱい…やわらかくて気持ちいい……」モミモミ
唯「そんなとこ、誰にも触られたことないのに……」
誠「俺じゃ嫌なの?」
唯「そ、そ…そんなことないよ!!」
誠「よかったぁ…」
誠「練習中も唯先輩のことずっと見てたんだ」
誠「それが今はこんなに近くにいる……」
唯「はっ恥ずかしいよぉ……」
誠「好きだ」
唯「ぽ」
唯「ハァッ……ハァッ……き…今日はありあとう……」
誠「うん……明日も空けててくれるかな?」
唯「あ…うん……大丈夫………」
誠「じゃあ、またくるね」
ガラッ
憂「誠くん…ちょっといいかな」
誠「憂…ちゃん……だっけ? なに?」
憂「本当にお姉ちゃんのことを愛しているんですか?」
誠「何を言うんだよ…急に……」
憂「私、知ってます。世界さんや言葉さん、乙女さんとも関係を持っていると」
誠「そ、それは違うんだ………」
憂「いいから聞いてください」
憂「お姉ちゃんは今まで男の人と付き合ったことがありません」
憂「信じていた人に裏切られたことのない純粋な人間なんです」
憂「だから、お姉ちゃんと付き合うならお姉ちゃん一筋でいてあげて」
憂「じゃないと、私……怒ります」
誠「わ…わかったよ」
誠「だから軽音部の人はみんな軽いんだって」
光「あんたさぁ世界のことは大事じゃないの?」
誠「うん……世界のことも大事だよ」
光「"も"? もって何よ」
誠「世界と同じくらい…いやそれ以上に光も大事なんだ」
光「ちょっとやめてよぉ……ムグっ」
誠「まだ足りないんだ……」
光「もう……あと一回だけだからねっ………」
律「それじゃ、今日もいくかー!1,2,3,4!」
誠「あ、ちょっといいかな……」
律「ん? どうしたよ誠くん?」
誠「律先輩に直々に聞きたいことがあって……」
律「何? 言ってみな?」
誠「いや、ここじゃ言いにくくて……そっちの部屋で」
律「誠くん、私はそういうの分かるからさーー下心丸見えで言われてもねえ……」
誠「そんなつもりじゃ……」
律「はいはい、練習練習!!」
誠(律先輩は意外に落としにくいんだな……)
律「今日の練習はここまで!じゃあ各自解散!」
澪「ど、どうしたの? 唯もムギも誠くんを見ちゃって」
紬「いや……私はなにも……」
誠「唯先輩、いっしょに帰ろっか」
紬「!!!」
唯「う……うん!!」
律「………………」
唯「今日も誠くんと帰れて……うれしいな」
誠「俺もだよ、唯」
唯「ゆい…なんて……」
誠「いいじゃん…? 俺たち付き合ってるんだよね?」
唯「うん……付き合ってる………」
誠「じゃあ俺のことも誠くんじゃなくて、誠って呼んで」
唯「ま…まこと……」スッ
唯「!」
誠「お礼のキス」
律「おい待て誠おおおおおおおおおお!!!」
誠「わっ…律先輩」
律「怪しいと思ってついてきてみたら……ウチの唯にこんなことしやがって」
誠「こんなことって……」
唯「誤解だよ、律っちゃん! 誠くんは私が………」
律「唯は黙ってろ!」
唯「!!」
律「誠、お前ムギにも手を出してるだろ」
誠「な、なんでそんなこと…!」
律「泣いてた」
唯「それほんとなの……?」
誠「ち…違うんだっ! 紬先輩とはそんなこと……!」
律「いい加減にしろよぉ!! 誠おおおおおおおおおお!!」
律「同級生だけじゃなくてウチの軽音部員まで食い散らしやがって!」
律「ちょっとは改心の兆しがあると思ったのに……!」
誠「みんなとはっ…仲良くなりたいと思っただけで……」
律「言い訳するな! お前が女目当てなのは知ってんだ!!」
律「当分、唯に近づくなっ!」
憂「そういうわけにはいきません」
唯「えぐっ……う…憂?」
憂「律さんの言い分は分かります」
憂「でも、誠くんはお姉ちゃんを現に愛してくれています」
唯「うい……」
律「憂ちゃん! これは部長としてだな……」
憂「じゃあ私はお姉ちゃんの妹として意見します!
お姉ちゃんのために誠くんを見守ってあげてください!!
お姉ちゃんだけは誠くんを許してあげてください!!
そして…別の女性に手を出したら容赦なく叱ってください」
律「でも憂ちゃん……既に誠はムギに手を出してるんだよ……」
憂「そうですね……誠くん」
誠「う…憂ちゃ…」バシィッッッ!!
誠「痛いぃぃぃいいい!!」
憂「これは罰です」
憂「一度目は寛容な罰ですが……二度目はこんなことありません」
憂「………じゃあ、3人で家に帰りましょうか」
唯「う……うん」
誠「あ……あぁ」
律「……………………………………」
律「そんなの……おかしーし………」
律「誠も唯も…………本当に………ばか」
澪「………あれは……律?」
律「君を見てると……いつも………ハートドキドキ………」
澪「律!」
澪「律……なんで泣いてるんだよ?」
律「澪……? …私、泣いてんのかぁ……グスッ」
澪「律……どうしちゃったんだよ」
唯「んっんっんっ……誠………」
誠「……あぁっ………唯」
唯「誠…もう……誰にも手を出さない?」
誠「うんっ………もう浮気なんて絶対にしない……!」
憂「これで…いいんだよね?お姉ちゃんのためには……これで間違ってないよね……?」
律「……いよいよ明日は軽音部の演奏を発表する日だ」
紬「……………」
唯「…そ…そうだね」
律「今日が最後の練習だから、はりきっていこうぜ…」
澪「そういう本人が元気ないんじゃいけないよな」
誠「……………………」
梓「み…皆さん早く練習しましょう! このままじゃ暗くて雰囲気よくないです!」
誠「俺…帰るよ」
唯「まこ……誠くん! どうして帰っちゃうの!?」
誠「いや、何だか気分のらないし……」
律「いいんだよ、ほっときなって」
唯「駄目だよ! 軽音部は全員そろって放課後ティータイムなんだよ!!」
律「ほっとけっつってんだろ!!! そんな奴!!!」
唯「!!……私も帰る!」
澪「あっ…唯…!」
唯「誠! 一緒にかえろ!!」
誠「あ…うん……」
律「……………………」
紬「私のせいですよね………うっ……私が彼に従ったばかりに………」
澪「ムギ……」
梓「紬先輩のせいじゃありません!悪いのは全部あいつなんです!唯先輩だって本当は……」
律「梓、もういいよ……ムギもほら……泣くなよ」
紬「もう私になんて構わないで!!!」
律「……ごめん」
唯「律っちゃんがあんなに冷たい人だとは思わなかった!」
誠「いや…律先輩は彼女なりにさ…考えてくれてると思うよ」
唯「どこが!?? どうして!? 誠は何も分かってないよ!!」
唯「律っちゃんは……私たちの幸せを邪魔してるんだよ……」
誠「唯……」
唯「誠…きて……」
…………………………………
世界「おはよう、誠」
誠「あ、おはよう世界……」
世界「…? 誠、元気ないね……」
誠「そんなことないって! すごい……元気…」
世界「変な誠……今日って軽音部が演奏する日なんだよね?」
誠「あ…うん、そうだよ」
世界「私も見に行くからね! 失敗したら駄目だぞ!」
誠「…ありがと」
誠「あ…メール」
世界「……桂さんから?」
誠「…みたい」
言葉『私、今日の誠くんの演奏見に行きます』
世界「桂さんも見に来るんだね……」
誠「うん…あ、そろそろ集合時刻だ!」
世界「あ、頑張ってね誠!」
誠「うん、頑張る!」
誠(なんだか空気悪いなあ)
律「そろそろ…行こっか」
澪「な…なあ、舞台に上がったら皆笑おうぜ……! このままじゃ辛気臭いよ…!」
梓「そ、そうです! 笑いましょう!」
唯「ねえ、澪ちゃん」
澪「ん、どうしたんだよ…唯」
唯「今日のMCお願いできるかな」
澪「え!? なんでだよ? 喋りは唯のほうが……」
唯「私あまり喋る気分じゃないから」
澪「わ…わかった…!! わかったから元気出せ…!!」
澪「じゃあ…舞台にあがるぞ!」
梓「行きましょう!」
紬「……はい」
会場「オーッ!オーッ!ウオーッ!!」
澪「か、会場の皆さん! 今日はお集まりいただいてありがとうございます!」
澪「今日は今までの練習の成果を見せたいと思います!!」
世界「誠…真ん中に立ってる……ふふっ…緊張してる」
言葉「誠くん……頑張ってほしいですね」
世界「うん……あいつカラオケ下手だったけどなあ」
言葉「そうなんですか? うふふ………って、あれ? …西園寺さん?」
世界「か…桂さん……?」
言葉「こんなところで会うなんて奇遇ですよね……」
世界「そ…そうねぇ、なんで会っちゃったのかしらねえ……」
言葉「クス……クスクス」
世界「フッ…フフフ……あははは……! なんかおかしい…!」
言葉「うふふふ…! 西園寺さんも誠くんの唄を聴きにきたくせに……!」
世界「こうやってさあ、舞台の上に立っているのを見ると誠が遠くにいるみたいで……」
言葉「私も……電車の中で見ていた誠くんを思い出しました…」
世界「あの頃は誠もウブだったわねぇ……」
言葉「そうですね……フフ…ああやって歌詞を間違えるような…可愛い仕草が魅力でした」
世界「うん……なんか、今の私たちって何も知らなかった頃…みたいだよね」
言葉「はい……それはこの空間だからこそ、そう思えるんじゃないでしょうか」
世界「どういう意味?」
言葉「今こうやって誠くんが二人の手の届かない位置にいる」
言葉「即ち、誠くんは今どちらのものでもない」
言葉「だから今は邪な気持ちなんて……お互いにないんだと思います」
世界「なるほどねぇ……」
言葉「ずっと…こうあることはできないんでしょうか……」
世界「そうだよね……」
誠「ララ~☆また明日♪」
会場「ウオーッ!!誠ォーッ!!いいぞー!!」
会場「キャワイーッ!!よかったぞーッ!!!」
澪「これで放課後ティータイムの演奏を終わります!!本当に今日はどうもありがとう!」
律「最後にちょっと……いいかな」
澪「り…律?」
律「軽音部はこの男のせいでおかしくなりました…!」
誠「い…いきなり何だよ!?」
律「私の大切な部員をなんとも思わずに食い物にした……!!唯もムギもその被害者です!!」
紬「ちょ……何言ってるの!」
唯「律っちゃん、やめてよ!!!」
律「だけど私はようやく解ったんです」
律「他の部員に迷惑をかけるなら私が独占すればいい……!」
律「最初からこうしておけばよかった!!!!!!!」
……………チュッ
誠「!!!」
唯「イヤァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
紬「……………!」
世界「う……そ」
言葉「………………」
律「自分の気持ちに気付かなかったなんて馬鹿みたい!!!
私も…誠が好き………なのに……!こんなに苦しい思いをするなんて………!!」
唯「誠から離れろおおぉぉおおおぉお!!!!!!!」」
澪「唯! やめてえぇええぇぇえ!!!!」
バキッッッ!!!
律「痛ってええぇぇ……!!!!」
唯「お前みたいな女が近付いたら誠が汚れるんだよ!!!!」
律「言ったね……?」
唯「誠は私のものなの! 絶対に…渡すものですか……!!!」
誠「う…うわああああぁぁぁっっっっっっ!」
唯「誠っ!!!」
誠「なんなんだ…律先輩まで…もう…わけわかんないよ……!!
そうだよ……世界しか俺にはいないんだ…!!」
世界「誠…大人気なんだね」
誠「世界……! 俺はやっぱり……」
誠「!!!!!!!!!!!!!」
世界「自分だけがいい思いして………」
ズブッ!
世界「学校中にあんな姿を見せて………!」
ズブッ!
世界「結局…私のことなんて眼中になかったんじゃない!!」
ズブッ!
誠「せ……か……」
世界「誠……」
世界「誠……なんか言ってよ……!!」
世界「俺は西園寺世界と付き合ってるって言ってよ……!!!!」
世界「誠……」
憂「もう…終わりにしましょう」
世界「あなた……2組の……?」
憂「そんなこと、どうだっていいじゃないですか」
憂「私はお姉ちゃんのためなら、何でもする」
憂「お姉ちゃんが今、望んでること…何かわかりますか?」
世界「何…言ってるの……?」
憂「復讐です」
唯「憂……ただいま……」
憂「お姉ちゃん…大変だったね」
唯「あの後…先生たちが止めに入って……誠は行方不明のままで…携帯もつながらないし…」
憂「あのね、お姉ちゃんにプレゼントが3つあるの」
唯「プレ…ゼント?」
1つ目のプレゼントはこれ。
唯「い……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!」
憂「本当は生きたまま渡したかったんだよ…?」
憂「でも、それは無理だった」
その原因は2つ目のプレゼントにあるの。
唯「な…なんなのコレぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
憂「紹介するね、西園寺世界さん」
憂「お姉ちゃんが直接会うのは初めてだよね」
唯「憂……!!! どうしちゃったの!??」
唯「私はこんなこと望んでないよ!!」
そして私からの最後のプレゼント。
紬「……誰ですか?」
憂「平沢憂です」
紬「……今は会いたくありません」
憂「誠くんにも会いたくないですか?」
紬「……なんで、そこで誠くんの名前が出るのよォッ!!!!」
憂「今から私の家に来てください」
憂「みんな…待ってますから」
律「誠は…私のものなの……誠……」
澪「律……しっかりしてよ……」
梓「律先輩……あの元気な律先輩に戻ってくださいよ……!」
ピンポーン
澪「……私、出てくる…梓はここで律を看てて」
梓「はい、わかりました」
澪「誰ですか……?」
憂「平沢憂です」
憂「お姉ちゃん…ねえ、お姉ちゃんってば」
憂「お姉ちゃんの敵はみんな、私が片付けたからね」
憂「だからお姉ちゃんは、ここで休んでいればいいよ」
憂「うふふ……ずっと誠くんといっしょだね」
憂「今は軽音部のみんなには会いたくないと思うから場所を離してるけど……」
憂「いつか、笑って話せる日が来るといいね……」
憂「あと一人……!!!」
葉「西園寺さんと仲直りしたかと思えば……いなくなっちゃって…」
言葉「誠くんも……いなくなっちゃって……」
言葉「もう屋上には誰も来ないのね……」
ガチャ
言葉「誠くん……?」
憂「あなたが桂言葉さん?」
言葉「そうですけど……? 誰……?」
憂「1年2組の平沢憂です」
言葉「平沢……? ……妹さんですか」
憂「そうですよ、私の姉は誠くんのたった一人の彼女である平沢唯です」
言葉「誠くんは本当に誰からも人気なんですね………妬けます」
憂「私はあなたに恨みはありません」
憂「ですが私の姉は、あなたを恨んでいます」
憂「私の身体は……平沢唯の分身みたいなものですから」
憂「だから…姉に代わって……私は……」
言葉「ウフフ…ウフフ………」
憂「……! 何がおかしいんです…?」
言葉「あなた勘違いしてるわ」
言葉「あなたのその想いは姉のために働いてるんじゃない」
言葉「………自分のためよ」
憂「……………………」
言葉「きっと…西園寺さんも……軽音部の方々も……あなた自身の姉も……」
言葉「あなたが手を下したのでしょう」
憂「……………それで?」
言葉「だけどあなたは、それらひとつひとつを姉のためにと思ったことはないはず」
言葉「あなたも……私たちと同じように誠くんが好きだったんでしょう……?」
憂「ち……違う」
言葉「否定なんかする必要ないわ、わかるもの」
言葉「あなたも世界といっしょの匂いがする」
憂「私は彼に好意を持ったことなんて………!!」
言葉「…………もういいわ」
言葉「同じ人を愛した者同士……誠くんを賭けて闘いましょう」
憂「………いいわよ」
憂「ただし、私が闘うのは姉のためっ!!」
言葉「減らず口をっ……!」
憂「ふんっ…! 剣の腕は立つのね……!」
言葉「それだけじゃないわ……!」
言葉「誠くんへの愛が………力になってる……!!」
憂「なによ…それ……」
言葉「毎日毎日、誠くんのために編み物をして……!」
言葉「お母さんからは男の人が喜ぶお茶の淹れ方を学んで……!」
言葉「あなたなんかに負けるわけないじゃない…!!!!」
憂「!!!」
言葉「ねぇ……憂ちゃん…って言ったわよね」
言葉「私たちも仲直りしましょうよ」
言葉「だって……誠くんを好きな人に悪い人がいるわけないんですから」
言葉「ただし、誠くんは……私のものなんですけどね」
言葉「あなたの家に……誠くんがいるんでしょう?」
言葉「取り戻しに…行きますよ」
言葉「ここが憂さんの家、なのね」
言葉「誰もいないのなら……おじゃまします」
言葉「誠くんの匂い……するじゃない」
言葉「誠くん……こっちにいるわ」
言葉「この部屋……かしら」
???「ようこそ誠くんを求める者」
言葉「!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ザシュッッ!!
唯「誰が私が死んでるなんて言ったの???」
唯「残りの軽音部員は憂が片付けてくれたみたいだけど」
唯「さすがの憂も言葉さんだけは殺せなかったみたい」
唯「私こそが……誠くんに相応しい女………」
唯「あははははははははははははははははははははははははは」
THE END 平沢 唯

366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 01:55:48.77 ID:he20R9zXO
言葉「包丁の腕は立つのね…」
憂「毎日料理で鍛えてるもの」
言葉「まぁ!私も見習わなくちゃ!今度教えてください」
憂「喜んで」
ウフフ…アハハ…HAPPYEND
…ふぅ
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コメント
名無しさん@お腹いっぱい。 | URL | -
Re: 誠「軽音部もいいなぁ」
ありゃー、とうとう私死んじゃったのか
( 2009年09月18日 14:15 [編集] )
ゴジ | URL | -
もう少しムギさんはおっとりしたイメージあったんだけど、この話ではわりとつんけんしてるなあ。
( 2011年05月25日 14:55 [編集] )
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