2011年06月25日 19:40
唯「まじーん、ごー!」
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/24(木) 18:30:03.19 ID:Li68PeD/0
第八話
佐世保 とある中学校
ゆりえ「えっと……ですので、だいじょうぶです」
女の子「ホントですか、神様!? 本当に私の恋は叶うんですね!?」
ゆりえ「あ、あくまでも祈願をするだけですから……そのぅ」
女の子「わかりました。とにかくありがとうございます、神様!」
ショートカットの利発そうな上級生は、陸上部らしく日に焼けた顔に満面の笑みを浮かべて赤幕の向こうへ去っていった。
代わりに祀と光恵が入ってきた。
祀「おつかれさま、ゆりえちゃん。今日はもう終わりよ」
ゆりえ「ふえぇ~、神さまの仕事も大変だよぉ~」
光恵「さっきの人、陸上部の金子先輩よね。ああいう人もこういうことするのね」
祀「案外、ああいうタイプの人のほうがお願い事とか占いとか好きなのよ」
光恵「ふーん……ゆりえ、今日は天使さん家のほうに行くんでしょ?」
ゆりえ「あ、うん、光恵ちゃんも来る?」
光恵「うん、一緒に行くわ」
ゆりえ「祀ちゃんは?」
祀「残念、神社にいなきゃ」
ゆりえ「そっかぁ」
祀「いいじゃない、アレ誘えば」
ゆりえ「二宮君は……えっと……しょの……」
光恵「ま、あんな女の子ばっかの家に連れて行ったら、気が気じゃないわよね」
祀「あの朴念仁にそんなもんがあるとは思えないけど……」
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602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/24(木) 18:30:03.19 ID:Li68PeD/0
第八話
佐世保 とある中学校
ゆりえ「えっと……ですので、だいじょうぶです」
女の子「ホントですか、神様!? 本当に私の恋は叶うんですね!?」
ゆりえ「あ、あくまでも祈願をするだけですから……そのぅ」
女の子「わかりました。とにかくありがとうございます、神様!」
ショートカットの利発そうな上級生は、陸上部らしく日に焼けた顔に満面の笑みを浮かべて赤幕の向こうへ去っていった。
代わりに祀と光恵が入ってきた。
祀「おつかれさま、ゆりえちゃん。今日はもう終わりよ」
ゆりえ「ふえぇ~、神さまの仕事も大変だよぉ~」
光恵「さっきの人、陸上部の金子先輩よね。ああいう人もこういうことするのね」
祀「案外、ああいうタイプの人のほうがお願い事とか占いとか好きなのよ」
光恵「ふーん……ゆりえ、今日は天使さん家のほうに行くんでしょ?」
ゆりえ「あ、うん、光恵ちゃんも来る?」
光恵「うん、一緒に行くわ」
ゆりえ「祀ちゃんは?」
祀「残念、神社にいなきゃ」
ゆりえ「そっかぁ」
祀「いいじゃない、アレ誘えば」
ゆりえ「二宮君は……えっと……しょの……」
光恵「ま、あんな女の子ばっかの家に連れて行ったら、気が気じゃないわよね」
祀「あの朴念仁にそんなもんがあるとは思えないけど……」

天使家
虹子「あーっ、ゆりえちゃんだ! わーいっ!」
おしゃまな二歳児の虹子が目ざとくゆりえを見つけて飛びついてきた。
ゆりえ「わっ、わっ」
虹子はゆりえがお気に入りらしく、腰のあたりに抱きついてぶらさがる。
夕凪「ゆりえちゃん、光恵ちゃん、いらっしゃーい」
星花「こんにちわー」
虹子といっしょにシャボン玉で遊んでいた十女の星花と十一女の夕凪もやってくる。
光恵「こんにちわ」
青空「にじたん、ずるいー、そらも、そらもおんぶっぶー」
いつの間にか一歳児の青空までゆりえにひっついていた。くらくらとしながらゆりえは光恵に引っぱられて家の中へ入っていく。
星花「ゆりえお姉さん、来ましたーっ」
律「おーっ、来たかーっ」
翠星石「待ちくたびれておしりに穴が空きそーだったですよぅ」
ハルナ「この辺すいてるわよーっ」
天使家の大きな部屋――ホワイトルームには光子力研究所、早乙女研究所、超電磁研究所のメンバーに天使家の姉妹がみんな集まっていた。奥の大きな窓を背にしているのは、けいおん部の五人だ。
それをぐるりと半円状に座っている少女は二十人以上はいる。
普段は小さい子たちが集まって騒いでも大丈夫なホワイトルームも、これだけ揃うとぎゅうぎゅう詰めだ。
親睦会。お姉ちゃんたちがいきなり四人もいなくなった天使家の幼い妹たちのために春風と氷柱が提案したのだ。
急な集まりにも関わらず、こうして全員が来てくれたのはすごいなとホステスを務める蛍はたくさんのご飯を作れる嬉しさに飛び跳ねていた。
そのすみっこには、天使家十九人姉妹の母親、美夜が他の研究所の所長と固まって、小雨の持ってきたトレーからカップを取って談笑していたが、真ん中にきて手を叩いて注目させた。
美夜「はいはい。みんな集まったところで始めましょうか」
その姿は十九人姉妹の母親でありながら海晴になお劣らない華麗さを持っている。ルージュのばっちり決まった大人のスマイルで部屋を見渡して満足そうにうなずく。
美夜「うーん、こうしてあらためて見るとみんなカワイイ子ぞろいねー。とても軍事機密の集いとは思えないわ。もしも将来就職に困ったら、私の事務所で引き取ってア・ゲ・ル」
腰に手をあててポーズをとる。その仕草は本当に海晴の母といったところだ。
美夜「それじゃ、あまり時間もないことだし、乾杯しちゃいましょーか。かんぱーいっ」
「かんぱーい!」
律「よーし、それじゃ、まずは放課後ティータイムからやるぜ!」
澪「な、なんか学園祭のライブとは違う緊張感があるな……」
紬「すごく近いからね、きっと」
梓「っていうか、最近はまともに練習時間が取れてないからヤバイかもです」
唯「だいじょうぶだよ、きっと!」
澪「その自信はいったいどこから出てくるんだ……」
律「とにかくやっちまおーぜ、ワン、ツー、スリー!」
ジャジャーン!
唯・虹子「ゆけ~、ゆけ~、ゆうしゃ~、ライディーンライディーン」
パッパラー パッパラッパー、パッパラーパッラッパッパー
歌の好きな虹子も途中から歌詞を見て唯のとなりで歌っていた。
虹子「らぁいでぃーん♪」
ホワイトルームでHTTの演奏が行われている間に、天使美夜と桜田ジュン(43)、秋山弦之助の三人は別の部屋に移動していた。
美夜「やっぱり、早乙女博士は忙しくて電話にも出られないのですか?」
秋山「えぇ、いまの研究が相当いいところに来ているから集中したいとお嬢さんが言ってましたので」
美夜「新たなゲッターロボ……宇宙開発作業用ではなく、初めから戦闘を目的としたゲッター線の利用……」
JUM「こうやって集まれる機会もそうはないでしょうから、早乙女博士の意見も聞きたかったのですが……」
秋山「それでも、研究の資料だけでもいただけたことはよかったでしょう」
JUM「早乙女博士は、とくに変わり者でしたからね」
秋山「ともかく、我々はここに集まった。その理由は、いまの地球圏を脅かしている者たちの野望を食い止めるために」
JUM「連邦の作戦範囲内だけでこの脅威を食い止めることはできない。我々民間の研究者もことに当たらなければならないときが来たのです」
美夜「対侵略勢力反攻計画……選ばれてしまったのはかわいい娘たちばかりなのは悲しいけれど」
美夜は束になった書類をドンと机の上に置いた。続いて、秋山、桜田もカバンに入れていた書類の束を重ねていった。
早乙女ハルナから預かった書類もそこに置かれて、その高さは隣においてある花びんと同じぐらいになった。
ここに彼女たちが研究した全てが記されているのだ。全てが共有の財産であり、切り札となる。
美夜「Space Guardian Girl's Project――G's-プロジェクトを、ここに始めます」
三人が頷きあったとき、部屋の扉が開かれた。
そこにいたのは、冷たい顔に炎の瞳を携えた、この家の六女だった。
氷柱「その話、私にも詳しく聞かせてよ」
北米大陸 ジオン軍基地
ここには、ザビ家の四男、若き大佐ガルマ・ザビが駐屯していた。
連邦の大基地ジャブローに近いこの地はジオン軍地球方面軍として重要な位置にあるが、実質的な指揮権は姉のキシリア・ザビにあるため、ガルマはまだ己を認められていないと思っている。
しかし、ジオンの崇高な目的は地球にあり、自分はその地球にいる。姉ではなく、自分が。
ガルマ「私の役目は地球を善き状態で差し出すことなのだ」
生まれ持った美貌の白面と脆くも見える寛容な胸襟で占領軍の浮き足立つのを抑えて軍規を維持させ、コロニー落としの強い憎悪を持っていた現地人の心を和らげ掌握するに至ったガルマの才覚は、父デギンに言わせれば軍の将としては優しすぎるというものだった。
そのガルマの許には今、士官学校を主席次席を競った赤い彗星がいた。
シャナ「残念だけど、その名は返上しなければならないわ」
不機嫌そうにシャナは言った。相変わらずだとガルマは笑う。
ガルマ「何を言う、シャナ。君を迎えることで我等の士気は高まっているのだ。それに、これからドレイク・ルフトと会う。君にも是非出席してもらいたい」
シャナが来る少し前にショット・ウェポンがガルマを訊ねた。報告には聞いていた異世界の軍隊。
共闘という言葉を交わしていたが、連邦を片付けた後の支配権を奪取する為には、初めから威力を見せておくべきだ。
シャナ「まあ、いいわ。オーラバトラーというのにも興味はあるし」
ガルマ「ほう、珍しいな。君が機体に興味を持つとは」
実際のところ、シャナはオーラバトラーに興味などなかった。本当に興味があるのは、そのパイロットが持つオーラ力というものだ。
シャナ「そういうこともあるわよ」
ガルマ「ふふん、君らしいな」
追求しないガルマを見て、シャナはこの青年の思考が変わっていないこと知って苦笑した。
およそ、人を疑うことを知らないのである。
地球に降りて現地人と社交している間に人間というものを少しは知るかと思っていたが、何も学んではいないようだ。
そう、目の前でシャナが苦笑しても、ガルマはなんとも思わないのである。
イセリア「ガルマ様。ドレイク様が参られました」
部屋に入ってきたのはイセリア――地球に降下したガルマがこの地で恋仲になった女性だ。
ガルマ「あぁ、わかった。イセリア。さぁ、行こうシャナ」
シャナはチェアから下りる。その前でガルマははばかることなくイセリアの腰をとって部屋を出て行く。
ガルマ「イセリアも来てくれるな」
イセリア「ですが、異世界の方とは……」
ガルマ「なぁに、違いはないさ」
部屋で一人になったシャナはあざ笑うように言った。
シャナ「交渉の場に女を連れていくのか……つくづく甘い男ね」
中国 ホワイトベース
長門「…………」
ヒカル「……なぁ、そろそろ、少しは話してくれてもいいじゃないか?」
スズ「せめて、名前くらいは教えてください」
長門「…………」
ヒカル・スズ「はぁ……」
ヒカルとスズのため息を別室のカメラとマイク越しに見ていた天使霙、天草シノ、そしてホワイトベース艦長代理の香月シノンも疲れた表情を隠さなかった。
捕虜にしたときの身分証から長門有希という名前はわかっていたが、それを自分の口で言ってもらうことで、会話のきっかけにもなる。
シノ「もう、二十八時間が経過か」
霙「捕らえてからここまで、一言も喋りもしなければ眠りもしない。もちろん、体力が落ちているような顔色もない」
シノン「ある意味、理想の軍人ね」
シノ「まさかとは思いますが、強化人間というものでしょうか?」
桜才学園生徒会長も、この面子に入れば年少である。緊張の中、一種のタブーに触れたシノの背中に汗が流れる。
霙「よく知っているな。コロニーは情報規制が強いはずだが」
シノ「アングラの出版物です」
霙「ほう、コロニーにもアングラはあるのか。人の口に戸は立てられないということか」
霙が愉快だという具合に喉を鳴らす。この会話だけでも下手をすれば処罰ものである。
つい先日まで民間人だったシノにそれを笑う度胸はなかった。
霙「だが、ギガノスに強化人間の実験をする機関はないはずだ。元々、強化人間といっても肉体の外科的手術をするわけではない。薬物の投与などによって認識能力を高めたり、精神を不安定にして他人がコントロールしやすくするものだ」
シノン「人によっては鬱状態になることもあるらしいけれど、この子にその気配は見られないわね。検査でも正常値だし、血色もいいわ」
霙「むしろ私は、作り物のような印象を感じたな」
シノ「作り物……ですか?」
霙「あぁ、ウチには吹雪っていう無口なやつがいてな。立夏はロボットみたいと茶化すこともあったが、それでも彼女ほどではない。そうだな、人形といってもいいかもしれないな」
シノン「クローン人間……の可能性もあるかもしれないわね」
この手の噂はどこでも耳にするものだ。例えば、ジオン独立宣言からアングラで支持を集めている話題が『ジオン・ズム・ダイクンのニュータイプ発言』である。
「人類は本来、宇宙に進出する資質を持って地球に生まれたのであり、スペースコロニーは、地球の代替品ではなく、人類がさらに進化する新たな大地である」
これがジオン・ズム・ダイクンの主張するところであり、進化した人類を『ニュータイプ』と呼んだ。
また、ジオン公国には密かに建造されたニュータイプの可能性があるものを集めて教育を施す『学園都市』と呼ばれるコロニーがあるなど、情報の信憑性など二の次三の次であるアングラはありきたりに飽いたコロニー民にとっては一種の娯楽である。
学園都市の噂にも多くのものがある。
『あの中ではニュータイプだけではなく、超能力者を使う開発行為が行われている』
『時間の流れが遅く、外の一年が中では七年である』
『クローンの研究も盛んで、二万体の〝妹達〟という兵隊が生産されている』
これらの技術がジオンにあるはずはないというのがもっぱらのレスポンスだが、時折ジオンの元研究者を名乗るものが証拠画像を出したりと、その度にコロニー民は強い熱を発していた。
そして、その度に警邏が弾圧行為を行っていることも、隠れた常識であった。
霙「どちらにせよ、彼女を上層部に報告するのはよしたほうがいいだろうな。戦局がジオン・ギガノス寄りな現在、南極条約はあってないようなものだからな」
長門「…………」
目の前にいる自分と同年代だという二人の顔に疲労がたまっているのがわかる。
それでも集中しているのは、ただの人間としてはやるようだった。
長門有希は、もう72534回目になる情報統合思念体とのアクセスを試みていた。
答えは――NEGATIVE――彼女の体感時間で392日の間、創造主とのコンタクトが取れなくなってしまっていた。
392日前――それまで彼女は確かに地球の高等学校に通っていた。
暦は西暦だった。人類は月に小さな建物を作るのがやっとという文明レベル。
だが、ある朝、彼女が目を覚ました場所は月だった。完成されたテラフォーミング都市。
すぐに情報統合思念体とのアクセスを試みた。しかし、遮断されていて何も出来なかった。
次に自分の能力についてスキャンした。思念体と直結している時に可能な能力以外は全て使用できる。
部屋を出て、見知った顔に出会えたことにまず安心した。
ただ、それは今までの記憶を持った人たちではなかった。まるで、この世界に最初から住んでいたような……
そして、驚愕はそれだけではなかった。
涼宮ハルヒの能力もほとんどが失われてしまっていた。
また、周囲の人間たちも涼宮ハルヒの力について言及することはなかった。
思念体にアクセスできない以上、自分で推測するしかない。
自分だけが移動したのか、時空自体が変わってしまったのか。
結局、確認する術がなかった彼女は、本来の任務にしたがって行動することにした。
守るべき人を守る。それだけ。
長門「私には、他に何もないから」
ぽつりと呟いた言葉は、誰の耳にも届いてはいなかった。
部屋の扉が開いた。短い黒髪にパイロットスーツの上から漆黒のマントを羽織った女。自分を捕らえた女だ。
霙「君の隊長からの提案だ。こちらのマチルダ・アジャン中尉との捕虜交換だ」
長門「……そう」
小鳥の囀りのような返事をすると、ヒカルとスズがぐったりと肩の緊張を解いた。
ヒカル「結局、何も話してはくれなかったな。君の部隊は我々と同年代だと聞いていたから、話を聞きたかったのだが」
長門「…………」
スズ「ちょっとー! うんとかすんとかくらい言ったらどうなの!?」
長門「……そう」
とうとう耐えかねて両手を振りかざしたスズの襟を長門が掴んで引き寄せた。
スズ「ちょ、ちょっ……何よ……」
長門「黙って」
銅色の瞳がスズを正面から捉えている。浮いた経験の皆無なスズは脈拍の上昇を押さえつけていると、長門はすっと襟から手を放した。
長門「私は監視されている」
スズとヒカルに背を向けた長門は霙に連れられてすたすたと部屋を出て行った。
呆然としていたスズを窺っていたヒカルが何かに気づいて指さした。
ヒカル「スズ、襟に何かついている」
スズ「えっ?」
グレーを基調にした連邦服の襟が黒ずんでいた。いや、何かが書かれているようだ。
ヒカル「こ、これは……っ!」
スズ「な、何よ!?」
胸元に顔を近づけたヒカルの真剣な顔つきが恥ずかしくなって、スズは慌てて制服を脱いだ。
机の上に広げると、そこにはこう書いてあった。
『涼宮ハルヒは脅迫されている』
月 ギガノス帝国
ドルチェノフ「プラート少佐は敵の将校を捕まえておきながら一切の尋問もすることなく、総帥に許可を取ることもなく、勝手に部下との交換を敵に申し入れました! これは立派な軍法違反ですぞ!」
玉座を前に声を荒げているのはドルチェノフ中将だ。その前で沈黙を保っているのは、このギガノス帝国の主メサイア・ギルトールである。
ドルチェノフ「一兵士である子飼いの部下の命を優先させるのは手駒の確保! 敵と交渉するのは内通の可能性があります! 今すぐプラート少佐を引き戻し、査問にかけねば、反逆の恐れがありますぞ!」
ギルトール「…………」
ドルチェノフ「今、連邦は我らに対する反攻の措置を着々と進めております! この上でプラート少佐が寝返るとなれば、我がギガノス帝国は大打撃を受けますぞ!」
ギルトールは頬杖をつき、目を瞑ったまま一言も発しなかった。明らかなハルヒ擁護の構えであることが見て取れるため、ドルチェノフは歯噛みした。
ドルチェノフ「ギルトール元帥! もはや地球制圧に一刻の猶予もござらぬ! ただちにプラート少佐を呼び戻し、マスドライバーによる攻撃を許可をくだされ! さすればこのドルチェノフ、速やかなる勝利を元帥にお約束致します!」
ギルトール「ドルチェノフ……」
ドルチェノフ「はっ!」
ギルトール「我らギガノスの理想は、衰退を続ける地球環境を保全することにある。プラート少佐の喚問はともかく、マスドライバーの攻撃は認められん」
ドルチェノフ「何を甘いことを仰られますか! 今こうしている間にもギガノスは棺桶に片足を浸けようとしているのですぞ!」
ギルトール「マスドライバーはコロニー落としほどではないものの、地球の環境を大きく破壊していまう。ましてや、最後の自然と言われているジャブローへの攻撃は我らの理想を大きく揺るがしてしまうのだ」
ドルチェノフ(ワシが総帥ならば、ただちにマスドライバーを発射したものを!)
これ以上の進言はドルチェノフを不利にする可能性があった。不遇をかこわれた連邦を抜け出して、ここまできたのだ。この地位を失うわけにはいかない。
ドルチェノフは、渋々とその場を引き下がらざるを得なかった。その軍靴の音が、絨毯越しにもよく響いた。
ギルトール「プラート君……我らの理想は、もはや夢幻となってしまったのか……?」
メサイア・ギルトールは、かつての親友とその娘の姿を暗い天井に思い浮かべた。
第八話 曲折! 交わされる言葉の強さ 完
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虹子「あーっ、ゆりえちゃんだ! わーいっ!」
おしゃまな二歳児の虹子が目ざとくゆりえを見つけて飛びついてきた。
ゆりえ「わっ、わっ」
虹子はゆりえがお気に入りらしく、腰のあたりに抱きついてぶらさがる。
夕凪「ゆりえちゃん、光恵ちゃん、いらっしゃーい」
星花「こんにちわー」
虹子といっしょにシャボン玉で遊んでいた十女の星花と十一女の夕凪もやってくる。
光恵「こんにちわ」
青空「にじたん、ずるいー、そらも、そらもおんぶっぶー」
いつの間にか一歳児の青空までゆりえにひっついていた。くらくらとしながらゆりえは光恵に引っぱられて家の中へ入っていく。
星花「ゆりえお姉さん、来ましたーっ」
律「おーっ、来たかーっ」
翠星石「待ちくたびれておしりに穴が空きそーだったですよぅ」
ハルナ「この辺すいてるわよーっ」
天使家の大きな部屋――ホワイトルームには光子力研究所、早乙女研究所、超電磁研究所のメンバーに天使家の姉妹がみんな集まっていた。奥の大きな窓を背にしているのは、けいおん部の五人だ。
それをぐるりと半円状に座っている少女は二十人以上はいる。
普段は小さい子たちが集まって騒いでも大丈夫なホワイトルームも、これだけ揃うとぎゅうぎゅう詰めだ。
親睦会。お姉ちゃんたちがいきなり四人もいなくなった天使家の幼い妹たちのために春風と氷柱が提案したのだ。
急な集まりにも関わらず、こうして全員が来てくれたのはすごいなとホステスを務める蛍はたくさんのご飯を作れる嬉しさに飛び跳ねていた。
そのすみっこには、天使家十九人姉妹の母親、美夜が他の研究所の所長と固まって、小雨の持ってきたトレーからカップを取って談笑していたが、真ん中にきて手を叩いて注目させた。
美夜「はいはい。みんな集まったところで始めましょうか」
その姿は十九人姉妹の母親でありながら海晴になお劣らない華麗さを持っている。ルージュのばっちり決まった大人のスマイルで部屋を見渡して満足そうにうなずく。
美夜「うーん、こうしてあらためて見るとみんなカワイイ子ぞろいねー。とても軍事機密の集いとは思えないわ。もしも将来就職に困ったら、私の事務所で引き取ってア・ゲ・ル」
腰に手をあててポーズをとる。その仕草は本当に海晴の母といったところだ。
美夜「それじゃ、あまり時間もないことだし、乾杯しちゃいましょーか。かんぱーいっ」
「かんぱーい!」
律「よーし、それじゃ、まずは放課後ティータイムからやるぜ!」
澪「な、なんか学園祭のライブとは違う緊張感があるな……」
紬「すごく近いからね、きっと」
梓「っていうか、最近はまともに練習時間が取れてないからヤバイかもです」
唯「だいじょうぶだよ、きっと!」
澪「その自信はいったいどこから出てくるんだ……」
律「とにかくやっちまおーぜ、ワン、ツー、スリー!」
ジャジャーン!
唯・虹子「ゆけ~、ゆけ~、ゆうしゃ~、ライディーンライディーン」
パッパラー パッパラッパー、パッパラーパッラッパッパー
歌の好きな虹子も途中から歌詞を見て唯のとなりで歌っていた。
虹子「らぁいでぃーん♪」
ホワイトルームでHTTの演奏が行われている間に、天使美夜と桜田ジュン(43)、秋山弦之助の三人は別の部屋に移動していた。
美夜「やっぱり、早乙女博士は忙しくて電話にも出られないのですか?」
秋山「えぇ、いまの研究が相当いいところに来ているから集中したいとお嬢さんが言ってましたので」
美夜「新たなゲッターロボ……宇宙開発作業用ではなく、初めから戦闘を目的としたゲッター線の利用……」
JUM「こうやって集まれる機会もそうはないでしょうから、早乙女博士の意見も聞きたかったのですが……」
秋山「それでも、研究の資料だけでもいただけたことはよかったでしょう」
JUM「早乙女博士は、とくに変わり者でしたからね」
秋山「ともかく、我々はここに集まった。その理由は、いまの地球圏を脅かしている者たちの野望を食い止めるために」
JUM「連邦の作戦範囲内だけでこの脅威を食い止めることはできない。我々民間の研究者もことに当たらなければならないときが来たのです」
美夜「対侵略勢力反攻計画……選ばれてしまったのはかわいい娘たちばかりなのは悲しいけれど」
美夜は束になった書類をドンと机の上に置いた。続いて、秋山、桜田もカバンに入れていた書類の束を重ねていった。
早乙女ハルナから預かった書類もそこに置かれて、その高さは隣においてある花びんと同じぐらいになった。
ここに彼女たちが研究した全てが記されているのだ。全てが共有の財産であり、切り札となる。
美夜「Space Guardian Girl's Project――G's-プロジェクトを、ここに始めます」
三人が頷きあったとき、部屋の扉が開かれた。
そこにいたのは、冷たい顔に炎の瞳を携えた、この家の六女だった。
氷柱「その話、私にも詳しく聞かせてよ」
北米大陸 ジオン軍基地
ここには、ザビ家の四男、若き大佐ガルマ・ザビが駐屯していた。
連邦の大基地ジャブローに近いこの地はジオン軍地球方面軍として重要な位置にあるが、実質的な指揮権は姉のキシリア・ザビにあるため、ガルマはまだ己を認められていないと思っている。
しかし、ジオンの崇高な目的は地球にあり、自分はその地球にいる。姉ではなく、自分が。
ガルマ「私の役目は地球を善き状態で差し出すことなのだ」
生まれ持った美貌の白面と脆くも見える寛容な胸襟で占領軍の浮き足立つのを抑えて軍規を維持させ、コロニー落としの強い憎悪を持っていた現地人の心を和らげ掌握するに至ったガルマの才覚は、父デギンに言わせれば軍の将としては優しすぎるというものだった。
そのガルマの許には今、士官学校を主席次席を競った赤い彗星がいた。
シャナ「残念だけど、その名は返上しなければならないわ」
不機嫌そうにシャナは言った。相変わらずだとガルマは笑う。
ガルマ「何を言う、シャナ。君を迎えることで我等の士気は高まっているのだ。それに、これからドレイク・ルフトと会う。君にも是非出席してもらいたい」
シャナが来る少し前にショット・ウェポンがガルマを訊ねた。報告には聞いていた異世界の軍隊。
共闘という言葉を交わしていたが、連邦を片付けた後の支配権を奪取する為には、初めから威力を見せておくべきだ。
シャナ「まあ、いいわ。オーラバトラーというのにも興味はあるし」
ガルマ「ほう、珍しいな。君が機体に興味を持つとは」
実際のところ、シャナはオーラバトラーに興味などなかった。本当に興味があるのは、そのパイロットが持つオーラ力というものだ。
シャナ「そういうこともあるわよ」
ガルマ「ふふん、君らしいな」
追求しないガルマを見て、シャナはこの青年の思考が変わっていないこと知って苦笑した。
およそ、人を疑うことを知らないのである。
地球に降りて現地人と社交している間に人間というものを少しは知るかと思っていたが、何も学んではいないようだ。
そう、目の前でシャナが苦笑しても、ガルマはなんとも思わないのである。
イセリア「ガルマ様。ドレイク様が参られました」
部屋に入ってきたのはイセリア――地球に降下したガルマがこの地で恋仲になった女性だ。
ガルマ「あぁ、わかった。イセリア。さぁ、行こうシャナ」
シャナはチェアから下りる。その前でガルマははばかることなくイセリアの腰をとって部屋を出て行く。
ガルマ「イセリアも来てくれるな」
イセリア「ですが、異世界の方とは……」
ガルマ「なぁに、違いはないさ」
部屋で一人になったシャナはあざ笑うように言った。
シャナ「交渉の場に女を連れていくのか……つくづく甘い男ね」
中国 ホワイトベース
長門「…………」
ヒカル「……なぁ、そろそろ、少しは話してくれてもいいじゃないか?」
スズ「せめて、名前くらいは教えてください」
長門「…………」
ヒカル・スズ「はぁ……」
ヒカルとスズのため息を別室のカメラとマイク越しに見ていた天使霙、天草シノ、そしてホワイトベース艦長代理の香月シノンも疲れた表情を隠さなかった。
捕虜にしたときの身分証から長門有希という名前はわかっていたが、それを自分の口で言ってもらうことで、会話のきっかけにもなる。
シノ「もう、二十八時間が経過か」
霙「捕らえてからここまで、一言も喋りもしなければ眠りもしない。もちろん、体力が落ちているような顔色もない」
シノン「ある意味、理想の軍人ね」
シノ「まさかとは思いますが、強化人間というものでしょうか?」
桜才学園生徒会長も、この面子に入れば年少である。緊張の中、一種のタブーに触れたシノの背中に汗が流れる。
霙「よく知っているな。コロニーは情報規制が強いはずだが」
シノ「アングラの出版物です」
霙「ほう、コロニーにもアングラはあるのか。人の口に戸は立てられないということか」
霙が愉快だという具合に喉を鳴らす。この会話だけでも下手をすれば処罰ものである。
つい先日まで民間人だったシノにそれを笑う度胸はなかった。
霙「だが、ギガノスに強化人間の実験をする機関はないはずだ。元々、強化人間といっても肉体の外科的手術をするわけではない。薬物の投与などによって認識能力を高めたり、精神を不安定にして他人がコントロールしやすくするものだ」
シノン「人によっては鬱状態になることもあるらしいけれど、この子にその気配は見られないわね。検査でも正常値だし、血色もいいわ」
霙「むしろ私は、作り物のような印象を感じたな」
シノ「作り物……ですか?」
霙「あぁ、ウチには吹雪っていう無口なやつがいてな。立夏はロボットみたいと茶化すこともあったが、それでも彼女ほどではない。そうだな、人形といってもいいかもしれないな」
シノン「クローン人間……の可能性もあるかもしれないわね」
この手の噂はどこでも耳にするものだ。例えば、ジオン独立宣言からアングラで支持を集めている話題が『ジオン・ズム・ダイクンのニュータイプ発言』である。
「人類は本来、宇宙に進出する資質を持って地球に生まれたのであり、スペースコロニーは、地球の代替品ではなく、人類がさらに進化する新たな大地である」
これがジオン・ズム・ダイクンの主張するところであり、進化した人類を『ニュータイプ』と呼んだ。
また、ジオン公国には密かに建造されたニュータイプの可能性があるものを集めて教育を施す『学園都市』と呼ばれるコロニーがあるなど、情報の信憑性など二の次三の次であるアングラはありきたりに飽いたコロニー民にとっては一種の娯楽である。
学園都市の噂にも多くのものがある。
『あの中ではニュータイプだけではなく、超能力者を使う開発行為が行われている』
『時間の流れが遅く、外の一年が中では七年である』
『クローンの研究も盛んで、二万体の〝妹達〟という兵隊が生産されている』
これらの技術がジオンにあるはずはないというのがもっぱらのレスポンスだが、時折ジオンの元研究者を名乗るものが証拠画像を出したりと、その度にコロニー民は強い熱を発していた。
そして、その度に警邏が弾圧行為を行っていることも、隠れた常識であった。
霙「どちらにせよ、彼女を上層部に報告するのはよしたほうがいいだろうな。戦局がジオン・ギガノス寄りな現在、南極条約はあってないようなものだからな」
長門「…………」
目の前にいる自分と同年代だという二人の顔に疲労がたまっているのがわかる。
それでも集中しているのは、ただの人間としてはやるようだった。
長門有希は、もう72534回目になる情報統合思念体とのアクセスを試みていた。
答えは――NEGATIVE――彼女の体感時間で392日の間、創造主とのコンタクトが取れなくなってしまっていた。
392日前――それまで彼女は確かに地球の高等学校に通っていた。
暦は西暦だった。人類は月に小さな建物を作るのがやっとという文明レベル。
だが、ある朝、彼女が目を覚ました場所は月だった。完成されたテラフォーミング都市。
すぐに情報統合思念体とのアクセスを試みた。しかし、遮断されていて何も出来なかった。
次に自分の能力についてスキャンした。思念体と直結している時に可能な能力以外は全て使用できる。
部屋を出て、見知った顔に出会えたことにまず安心した。
ただ、それは今までの記憶を持った人たちではなかった。まるで、この世界に最初から住んでいたような……
そして、驚愕はそれだけではなかった。
涼宮ハルヒの能力もほとんどが失われてしまっていた。
また、周囲の人間たちも涼宮ハルヒの力について言及することはなかった。
思念体にアクセスできない以上、自分で推測するしかない。
自分だけが移動したのか、時空自体が変わってしまったのか。
結局、確認する術がなかった彼女は、本来の任務にしたがって行動することにした。
守るべき人を守る。それだけ。
長門「私には、他に何もないから」
ぽつりと呟いた言葉は、誰の耳にも届いてはいなかった。
部屋の扉が開いた。短い黒髪にパイロットスーツの上から漆黒のマントを羽織った女。自分を捕らえた女だ。
霙「君の隊長からの提案だ。こちらのマチルダ・アジャン中尉との捕虜交換だ」
長門「……そう」
小鳥の囀りのような返事をすると、ヒカルとスズがぐったりと肩の緊張を解いた。
ヒカル「結局、何も話してはくれなかったな。君の部隊は我々と同年代だと聞いていたから、話を聞きたかったのだが」
長門「…………」
スズ「ちょっとー! うんとかすんとかくらい言ったらどうなの!?」
長門「……そう」
とうとう耐えかねて両手を振りかざしたスズの襟を長門が掴んで引き寄せた。
スズ「ちょ、ちょっ……何よ……」
長門「黙って」
銅色の瞳がスズを正面から捉えている。浮いた経験の皆無なスズは脈拍の上昇を押さえつけていると、長門はすっと襟から手を放した。
長門「私は監視されている」
スズとヒカルに背を向けた長門は霙に連れられてすたすたと部屋を出て行った。
呆然としていたスズを窺っていたヒカルが何かに気づいて指さした。
ヒカル「スズ、襟に何かついている」
スズ「えっ?」
グレーを基調にした連邦服の襟が黒ずんでいた。いや、何かが書かれているようだ。
ヒカル「こ、これは……っ!」
スズ「な、何よ!?」
胸元に顔を近づけたヒカルの真剣な顔つきが恥ずかしくなって、スズは慌てて制服を脱いだ。
机の上に広げると、そこにはこう書いてあった。
『涼宮ハルヒは脅迫されている』
月 ギガノス帝国
ドルチェノフ「プラート少佐は敵の将校を捕まえておきながら一切の尋問もすることなく、総帥に許可を取ることもなく、勝手に部下との交換を敵に申し入れました! これは立派な軍法違反ですぞ!」
玉座を前に声を荒げているのはドルチェノフ中将だ。その前で沈黙を保っているのは、このギガノス帝国の主メサイア・ギルトールである。
ドルチェノフ「一兵士である子飼いの部下の命を優先させるのは手駒の確保! 敵と交渉するのは内通の可能性があります! 今すぐプラート少佐を引き戻し、査問にかけねば、反逆の恐れがありますぞ!」
ギルトール「…………」
ドルチェノフ「今、連邦は我らに対する反攻の措置を着々と進めております! この上でプラート少佐が寝返るとなれば、我がギガノス帝国は大打撃を受けますぞ!」
ギルトールは頬杖をつき、目を瞑ったまま一言も発しなかった。明らかなハルヒ擁護の構えであることが見て取れるため、ドルチェノフは歯噛みした。
ドルチェノフ「ギルトール元帥! もはや地球制圧に一刻の猶予もござらぬ! ただちにプラート少佐を呼び戻し、マスドライバーによる攻撃を許可をくだされ! さすればこのドルチェノフ、速やかなる勝利を元帥にお約束致します!」
ギルトール「ドルチェノフ……」
ドルチェノフ「はっ!」
ギルトール「我らギガノスの理想は、衰退を続ける地球環境を保全することにある。プラート少佐の喚問はともかく、マスドライバーの攻撃は認められん」
ドルチェノフ「何を甘いことを仰られますか! 今こうしている間にもギガノスは棺桶に片足を浸けようとしているのですぞ!」
ギルトール「マスドライバーはコロニー落としほどではないものの、地球の環境を大きく破壊していまう。ましてや、最後の自然と言われているジャブローへの攻撃は我らの理想を大きく揺るがしてしまうのだ」
ドルチェノフ(ワシが総帥ならば、ただちにマスドライバーを発射したものを!)
これ以上の進言はドルチェノフを不利にする可能性があった。不遇をかこわれた連邦を抜け出して、ここまできたのだ。この地位を失うわけにはいかない。
ドルチェノフは、渋々とその場を引き下がらざるを得なかった。その軍靴の音が、絨毯越しにもよく響いた。
ギルトール「プラート君……我らの理想は、もはや夢幻となってしまったのか……?」
メサイア・ギルトールは、かつての親友とその娘の姿を暗い天井に思い浮かべた。
第八話 曲折! 交わされる言葉の強さ 完

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