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キョン「……大ショッカー?」

2009年09月30日 00:48


キョン「……大ショッカー?」

携帯用

涼宮ハルヒの憂鬱×仮面ライダーカブト

完結作品

釣りスレのっとりSS
SS職人さんが大ショッカーではなく、カブトとのクロスで書いたため、クロス元が仮面ライダーカブトになっています。

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キョン「……大ショッカー?」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 12:30:40.01 ID:z4mHflbn0
後は頼んだ


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 12:31:47.20 ID:RBLHveEO0
キョン「ガブッ!」
 
古泉「OH・・・・・・」


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 12:33:10.10 ID:z4mHflbn0
大首領はシャドームーンで


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 12:33:49.44 ID:0vjAIWUo0
753は?


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 12:38:17.33 ID:z4mHflbn0
RX出て欲しい


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 12:54:13.54 ID:1tsygIdlO
小泉「ア~マ~ゾォーーーン」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 12:56:25.89 ID:z4mHflbn0
古泉は555だろうな
なんとなく


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 13:01:08.31 ID:uK+wA8VJO
ハルヒはディケイドだな
唯我独尊で何でもありだし


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 13:02:59.80 ID:z4mHflbn0
みくるはファムだ
異論は認める


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 13:14:01.13 ID:XBkQjbrY0
キョンは…誰…だろうな…


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 13:18:50.76 ID:z4mHflbn0
傍観者だろ


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 13:19:38.96 ID:z4mHflbn0
つまり普通の人間


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 13:22:34.23 ID:BmBu4TkD0
谷口「俺達は」
国木田「二人で一人の」
谷&国「「仮面ライダーだ!!」」

サイクロォン!!ジョォォカァァァァァアァッ!!


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 13:34:13.13 ID:k/pZNoJBO
ジョン・スミス「戦え…命ある限り…!」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 13:37:24.26 ID:VlQfsGlgO
古泉はイマジンだな


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 13:57:58.76 ID:IEohMuHtO
ディケイドは無理だが他のならちょっとやってみたいかも…

カブトとかクウガとか


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 15:07:05.29 ID:91hKGR5S0

こいつは夢か? それとも、俺の頭がどうかしちまったっていうのか?
どちらにせよ、全くもって喜ばしくないことに変わりは無い。
何故なら、

「…………」

長門が部室の床に倒れ伏しているいるからだ。

前にも似たようなことがあったが、それとは状況がかなり違っている。
それは、その時は長門が勝利し、完全とはいかないまでも体を動かすことは出来た。
だが、今回はそうもいかないらしい。
おい、長門。
頼むから、これ以上戦おうとするのはやめてくれ。

「……いや」

でなきゃ、本当にアイツに殺されちまう。
先に言っておくが、ヒューマノイドなんちゃらだからとか言う言い訳は聞かん。

「…………」

長門は視線で俺の言葉を無視しようとするも、やはりその体を動かすことは出来ないようだ。
安心できるような状況ではないが、不幸中の幸いとでもいうべき事実に俺は安堵していた。
このまま倒れていれば、少なくとも長門は見逃してもらえるかもしれないんだからな。
あの――

「観念しろ、ゴルゴム!……いや、創世王が送り込んできた怪人!」

全身が黒い鎧に包まれた――怪物に。


何がどうなっているのか、正直俺にはわかるはずも無い。
唯一つ言えるのは、相手が明確な敵意を持って部室にやってきたという事だ。
その証明としては、長門がアイツにやられて倒れてるってので十分だろう。

話は、ほんの十分程前に遡る。

いつものように古泉とゲームをしながら、朝比奈さんが煎れてくれたお茶を飲み、
ハルヒが不思議が見つからない事に唸る声を聞きながら、たまに長門が変わらず本を読んでいる姿を見る
……所謂、我らがSOS団の活動が終了した後のことだった。
ハルヒが勢い良く部室を飛び出し、朝比奈さん、古泉と部室を後にしていったのだが、
なんとなく俺は部室に残っていた。
まあ、言うまでもないとは思うが、長門は相変わらず本を読んでいたな。

正直、俺はこういう時のほんの数分の時間が嫌いじゃあない。
恐らくだが、ハルヒの騒々しさの後だから、
長門と居る静かな時間がどこか染み入るような感じがするんだろう。
一緒に居るのが朝比奈さんだったら良いのに。とは、全く思わないね。

そんな時間は、情け容赦の一片も無くぶち壊された。

勢い良く開け放たれたドア。

驚いて視線を向ける俺の目には、件の黒い化け物が飛び込んできたってわけだ。

「くっ……! 創世王め、俺が近づいていたことに気付いたのか……!」

なんて、まるで悪の親玉を追い詰めたと思ったが、
まんまと逃げられてしまった正義のヒーローみたいな台詞を吐きながら。

それからの展開は、俺にとっては信じられないようなものだったね。

長門はまず、この部室をまるで朝倉みたいに別の場所に変えた。
朝倉は自分がバックアップだとか言っていたから、
その程度の芸当は長門にも十分可能だろうとは思っていたけどな。
だが、

「お前達の好きにはさせんっ!――キングストーン・フラッシュ!」

黒い化け物は、両拳を腰のベルトに添えて叫び、
ベルトの赤い部分から発せられた光によって長門の情報操作を打ち消しちまった。
打ち消したといっても、俺には正確には何が起こったのかはわからない。
俺がそう思ったのは、いつもの無表情でいる長門の顔に、
驚愕の色が浮かんでいるように見えたからだ。

そして、黒い化け物はそれが何でもない事のように振る舞い、
俺達に向かって声高に聞いてきた。

「新たな創世王は――涼宮ハルヒはどこに居る!」

……ってな。

創世王? 一体何なんだそれは。
見たことも聞いたことも無いし、正直聞きたくもなさそうな言葉ってのはわかる。

だけどハルヒ。

お前は、どうやら神様ってだけじゃなく創世王ってやつでもあるみたいだぞ。

また厄介事かと思ったね。
それに、その考えは今となっちゃ絶対的に正しいと思える。

創世王? 一体なんだそりゃ。
しかもハルヒの奴が創世王だって?
アイツは、ちょっとばかり不思議な力を持っちまったただの女子高生だぞ。
ハッキリ言って、お前みたいな奴に狙われるような事は……
まあ、数えるほどしかしちゃいない。

「不思議な力……それは、三年前からか?」

「!? その事を――」

どうして知っているんだ。
見た限り、黒い化け物は超能力者にも未来人にも見えやしない。
強いて言えば宇宙人だが、長門のことを知らないようなのでその可能性も限りなく低いだろう。

「そうか……やはり、創世王は復活していたのか……!」

短いやり取りの中で、黒い化け物はアイツのことを『創世王』だと認識したようだった。
相手に情報を与えてしまった、ということはあまり考えなかったな。
何せ、こっちは何がなんだかサッパリわからないんだから当然だろう。

「…………」

どうやら、今のやり取りで長門は黒い化け物が敵意を持っていると判断したようだ。
俺も、それだけはさすがにわかったね。
コイツは、ハルヒにとって非常に迷惑な存在である、ってな。

だから、長門が黒化け物に向かって走って行った時、止めようとは思わなかった。

一直線に向かっていく長門に、黒い化け物は正面から相対していた。

このまま長門が黒化け物を倒す。
俺は、この時は間抜けにもそう信じて疑わなかった。
情報を制御するなんていう、反則みたいな力を持ってる長門に勝てる奴が居るなんて、
一体どこの誰が想像出来るっていうんだ。

だが、ソイツは、そこに、居た。

「おのれ、やはりゴルゴム!」

黒い化け物が何かをしようとしたところで、
長門の前では無力化されちまう。
そう思ってはいたものの、
さっきの情報操作を打ち破った時の光が目に焼きついて離れなかった。

そして……それは繰り返されることとなっちまった。

「――リボルケイン!」

黒い化け物の叫び声と共に、部室は不思議な光に包まれた。
思わず目を閉じちまった俺は、慌てて何が起こったのかを確かめるために目を開けた。
しかし、そこには見たくも無い光景があった。

「…………」

いつもと変わらない、制服姿の長門。

その背中から突き出した、一筋のまばゆい光。
そして、火花のように噴出している赤い血。

黒い化け物光の刃を長門から引き抜くと、
長門はそのままゆっくりと背中から床に倒れた。

そして、事態は今に至る。

長門は尚も立ち上がろうとしているが、
それはどうやら無理なようだし、立ち上がって欲しいとも思わない。
俺に出来ることを考えてみたが、
長門がやられるような奴をどうこうできるわけが無いというのは分かっていた。
だから、平凡な人間が出来る精一杯の抵抗をしてやる。

「なあ、ちょっと待ってくれ! 話が見えない!」

時間稼ぎだ。
格好悪いとは思わんね。
そりゃあ、ここでトリャーと相手をやっつけられたら格好良いが、
長門をこうもアッサリ倒す奴相手だと、苦し紛れに噛み付くことすりゃ出来そうにない。
さあ、色々と聞かせてくれ。頼むから、マジで。

「……まさか、君達はゴルゴムや――創世王について何も知らないのか?」

心の中でガッツポーズをとった。
ハルヒが神様みたいな力を持ってることは知っちゃいるが、
ゴルゴムだとか創世王だとかの言葉は初耳だ。

「っ……!?」

黒い化け物から、敵意が消え去ったのがわかった。
何故なら黒い化け物は、白と黒のラガーシャツの上に白いブルゾンを着た、
どこからどうみても爽やかな好青年にしか見えなくなっていたからだ。


     ・    ・    ・


「すまない! 本当に申し訳ない!」

さっきまで殺されるかも知れないと思ってた人物に、
なんだかこちらが申し訳なく思えそうな程謝られるってのは複雑な気分だ。
黒い化け物と思っていた奴……いや、人は、南光太郎というらしい。


光太郎さんは、人間の姿に戻るとすぐさま長門に駆け寄り、
その体を抱き上げると、宙に向かって長門の傷が治るよう懇願した。
長門も情報を操作出来ない程の傷なのに、
そんな事をして何になると頭に血が上ったね、あの時は。

だが……――その時、不思議な事が起こった。

光太郎さんの体から、太陽に似た光を発するモノが飛び出したのだ。
ソレが発する光を浴びた長門の傷は、みるみる内に癒えていった。
そこで、ようやく俺はこの人は悪人ではないと少しだけ思えるようになった。


その後、名前を名乗った後に光太郎さんがした事が、
この謝罪というわけだ。
どう反応したら良いかわからないが、

「良い」

長門がこう言ってるんだから、さっきのことは水に流しても良いのかも知れない。
あくまでも俺の感情を抜きにしてだけどな。

「だけど、知らなかったとはいえ君を傷つけてしまったことには……」
「構わない。……今のは何?」
「今の? 今のっていうのは、キングストーンのことかい?」

光太郎さんの問いかけに、長門は無言で頷いた。
長門としては、自分でもすぐに治すことが出来なかった程の傷を
情報操作とは違う方法でいとも容易く治してしまったモノが気になるんだろう。

「キングストーンは――いや、何も知らない君達に、話して良いことじゃない。
 知ってしまったら、もう元の生活には戻れなくなってしまうかもしれない事なんだ」

……やれやれ、そいつに関しては本当に今更としか言い様がないな。
俺は少なくとも平凡な生き方が出来れば良いと思ってるが、
ハルヒに関わっている以上そういうもんとは縁が少しばかり遠くなるんだ。
アイツが関わっているからには、知っておかないと後が大変なんでね。

「……本当に良いのかい?」

悪いと思ったら、最初から聞いたりはしませんよ。
むしろ、教えて貰えなかった場合の方が困ること請け合いだ。
そうだろう、長門。

「…………」

俺達二人を見た光太郎さんは、その顔を引き締め、
ゆっくりと語りだした――


     ・    ・    ・


世紀王、キングストーン、ゴルゴム、怪魔界、クライシス帝国。
そして――創世王。
どれも、俺が今まで見たことも聞いたこともない言葉だった。

「なあ、長門。お前は光太郎さんの言っている事を一つでも聞いた事があるか?」
「ない」

だったら、この話が本当だっていう証拠はどこにも無い。
俺は光太郎さんの顔を見たが、こちらを騙そうっていう気が感じられないのが気になった。
どこまでも真剣に話をしている人間ってのはこういう顔をするのか。
なあ、古泉よ。お前もこういう顔をしてくれれば、話はもっと簡単だったぞ。

「情報統合思念体が涼宮ハルヒによって起こされた情報爆発を観測したのは三年前。
 だから、それ以前に起こっていた特殊な事件についての情報は無い。
 しかし、歴史等のあらゆる物において、そのような事件が起こったという事実は見られない」

ああ、そうだろうよ。
それに、そこまで大事だったんなら俺がそれに関して一切知らないってのもおかしすぎる。
申し訳ないが光太郎さん、俺はアンタが言ったことを信じることは出来そうにない。

「……君達が知らないのも無理は無い」

なんだって?

「この世界は……大ショッカーによって歪められてしまったんだから」

「大ショッカー?」

「すみません、光太郎さん。その……大ショッカーっていうのは何なんですか?」

俺がそう質問することは、光太郎さんにはわかっていたんだろう。
だが、光太郎さんは『大ショッカー』という言葉を口にする時、
とても悲しそうで、怒りに満ちた目をしていた。
だから、なんとなく『大ショッカー』ってのがとんでもないもんだってのはわかった。
信じるかどうかは……まあ、光太郎さんの話をもう少し聞いてからでも遅くない。

「大ショッカーは恐るべき相手だ……。何せ、世界を歪め、全てを手に入れようとしているんだからね」

全てを?
まあ、もしもその話が本当だったらとんでもないが、
だからってそれがどうしてハルヒに繋がってくるのかがわからない。

「全てを手に入れようとしている大ショッカーは、創世王の力に目をつけたんだ。
 ……――創世王の力は強大だ。
 それを手に入れることが出来れば、世界の全てを手に入れる事ができる位に」

光太郎さんが話をするにつれて、嫌な感じがどんどん強くなっていく。
耐え切れない程のソレに、俺は思わず声をあげた。

「だから、それがどうしてアイツに関わってくるんですか!?」

光太郎さんは、掴みかからんばかりの俺を真っ直ぐと見据えて言った。

「創世王の力を手に入れようとした大ショッカーは、その計画が上手くいくよう世界を歪ませた」

「――『涼宮ハルヒという少女が創世王である』という世界に」

頭が痛い。
普段ハルヒに振り回されて頭が痛い思いをしちゃいるが、
今度のは比較にならない程の頭痛だ。
長門は平気そうな顔をして聞いてるが、俺は今にもぶっ倒れそうだぞ。

「創世王がそのまま復活したのなら、大ショッカーもそうそう手出しは出来ない。
 だから、『涼宮ハルヒという少女が創世王である』という世界にしたんだ。
 ……そうすれば、創世王は人の心を持つからね」

なあ、どうしてなんだ。

「創世王は人の心を持っていない。だからこそ、恐ろしい相手なんだ。
 その創世王に人の心が芽生える世界にすることで、
 大ショッカーは創世王の力を手に入れようとした。
 例えば……世界中を人質にとるなんて、卑劣な真似をして」

なあ、どうしてなんだ大ショッカー。

「でも、僕はその企みにすぐに気付くことが出来たんだ。
 それは――僕が、次の創世王候補の世紀王で……キングストーンが教えてくれた。
 クライシス帝国を倒してからすぐのことだったんだけど、
 創世王が誰になったのかをつきとめるまでに三年もかかってしまったんだ」

どうして……。

「……キョンくん?」

「どうして――それがハルヒなんだ?」

「……すまない。僕にも、その理由はわからない。
 だけど、間違いなく涼宮ハルヒという子は創世王なんだ。
 君達にも、心当たりはあるんだろう?」

無い。
なんて言えれば、どんなに楽だったんだろうかね。
……長門、今の光太郎さんの話は本当だと思うか?

「可能性としてなら有り得る」

長門は、俺が聞きたく無かった、予想していた答えを言ってくれた。
深く椅子に座りなおして深呼吸してはみたものの、
どうしてかわからないが息を深く吸うのがやけに大変だったのですぐにやめた。
部室のパイプ椅子、こんなに座り心地が悪いもんだったかね。

「彼が言っている事が真実だとすれば、不明な部分の答えが出る。
 三年前に起った情報爆発は、創世王が再構築された時のものだった。
 『涼宮ハルヒという少女が創世王である』という世界になるのなら、
 涼宮ハルヒが情報爆発の中心であるのに説明がつく」

そうだな。
俺も、なんとなくだがそうじゃないかと思ってたよ。

「涼宮ハルヒが世界を改変する力も、創世王と呼ばれるモノの力によるもの。
 他には、これ以上有力な説が無いのも理由に挙げられる」

「……なあ、光太郎さんが嘘をついてるって可能性は?」

「わからない」

「彼の心拍数は、人間のものでは無い。
 他の身体的なものも、有り得ないものになっている」

それに関しては、俺でも理由はわかる。
多分、それは光太郎さんがあの黒い姿になったことが理由だろう。

「光太郎さん、あの姿が……世紀王ってやつなんですか?」

少し失礼すぎる質問かもしれないが、聞かないわけにはいかない。
何せ、事が事だからな。
……ああ、そうさ。
俺は、今じゃ光太郎さんの言葉を疑う気持ちがほとんど無くなっちまってる。
それは多分、

「……ああ。あの姿は、僕がゴルゴムによって世紀王候補に改造され、
 その後クライシス帝国との戦いの中でキングストーンの力によって生まれ変わった姿さ」

光太郎さんの悲しそうな目を見ちまったからかもしれない。
だが、光太郎さんの話が真実だったとしても、
アイツが創世王ってやつで、世界にとって非常に迷惑な存在だったとしても――


「――フフフフフフッ……!」


部室には俺と長門、そして光太郎さんしか居ない。
にも関わらず、その三人の誰のものでもない笑い声が響き渡った。
時間が経つのも忘れていたのか、外からの声かと思い窓の外を確認して見ると、既に太陽は沈んできていた。
代わりに輝きだしていたのは、夜の闇に浮かぶ丸い月だった。

「この声は――まさかっ!?」

光太郎さんは立ち上がり、警戒するように周囲を見渡した。
長門もそれに続いて立ち上がると、
確認をするかのように光太郎さんの視線が通った後に目を向けていった。
俺の目からは、部室にこれといった変化は見られない。
なのに、


「フフフフフッ……!」


地の底から響いてくるような笑い声は止まらない。

「なあ、長門」
「何」
「正直に告白するとだな、怖くてたまらない」
「そう」

言葉に出してみると楽になると聞いた事があるからそうしてみたら、
余計に恐怖が倍増しただけだった。
くそっ、あまりそういった噂みたいなもんを信じるもんじゃないな。


「久しぶりだな、ブラックサン……いや、南光太郎!」


声の主は、どうやら光太郎さんの知り合いらしいな。
それも、光太郎さんの表情を見るにとんでもなく複雑な。

「生きていたのか、信彦!?」

光太郎さんは、宙に視線を向けながら声の主に対して言った。
信彦、っていうのか。とんでもない名前を想像していただけに、
普通の日本人の名前で少し安心したぞ。

「秋月信彦は死んだ。

 ……我が名はシャドームーン!

 次期創世王候補の世紀王にして、偉大なる大ショッカーの大幹部の一人!」

……やれやれ、これは本当に深刻な状況になっちまってるな。
世紀王ってのは二人で、光太郎さんともう一人――シャドームーンなんだろう?
もしかしたら、光太郎さんのあの姿と同じ位厄介な奴かも知れない。
それが大ショッカーの大幹部だって? おいおい、簡便してくれ。

創世王であるハルヒを倒そうとしている光太郎さんに、
創世王であるハルヒの力を手に入れようとしている大ショッカーのシャドームーン。

しかも、光太郎さんは長門を倒すほどの強さで、
シャドームーンも同じ位の力を持ってるかも知れない。


俺は……ただの平凡な人間の俺は、こんな状況で何が出来るってんだ。


「シャドームーンを敵性と判断。
 しかし、有効な排除手段が現状ではないため、空間情報を改変、結合する」

長門がそう言うと、見慣れた部室の景色が映画の場面転換のように一瞬で別の姿に変わった。
一度見たことがあると思ったが、どうやらここはあの時、
アイツが俺を殺そうとしてひっぱり込んだ所に良く似てるんだな。

「これは……有希ちゃんの力なのかい?」
「そう」

光太郎さんが長門のことを『有希ちゃん』と呼んでも、
不思議とキザったらしくないのが不思議だな、
などと少々場違いな感想を抱きつつも、
長門のこの行動が時間稼ぎにしかならないだろうと考えていた。
実際、長門もこれでシャドームーンから逃げられるとは思っちゃいないんだろう。
なにせ、光太郎さんはこの空間をかき消したりしたんだからな。


カシャン――カシャン――カシャン――


一定の間隔で、金属を打ち鳴らすような足音が聞こえてきた。
……来る。


「――逃げても無駄だ、南光太郎」


長門が作り出した空間が、血のように真紅の刀身によって切り裂かれ、
その空間の裂け目からシャドームーンが姿を現した。

銀色に輝くメタリックボディに、全てを飲み込みそうな緑色の瞳。
その手には、黄金の柄の真紅のサーベルが握られている。
こいつが……シャドームーンか。

「貴様が変身したのを感じて来てみれば……まさか、臆したか?」
「それは――サタンサーベル!?
 何故、お前がそれを持っているんだ!」
「知れたこと。
 サタンサーベルは、創世王のための武器。
 創世王候補である世紀王のこの私が呼べば、即座にこの手の中へ来る」
「くっ……!」

どうやら、シャドームーンだけでなく、
奴が持っているサタンサーベルってのも相当にヤバイもんらしい。
光太郎さんだけじゃなく、
長門もあの剣に目を向けていることからもそれがわかる。

「シャドームーン! 絶対に創世王の力を渡しはしない!」
「……そこまで嗅ぎ付けていたか」

シャドームーンはそこで一度言葉を切り、
サンタサーベルを構えると、とんでもない事を言い出した。
正直、光太郎さんを説得するってだけでも大変だと思ってたのにな。

「まずは貴様を倒し、キングストーンを手に入れ……

 その後ゆっくりと涼宮ハルヒを殺し、創世王の力を手に入れるとしよう」

光太郎さんは、ハルヒが創世王だからアイツを倒すと言っている。
シャドームーンは、創世王の力を手に入れるためにアイツを殺すと言っている。

どちらにせよ、二人にとってハルヒは邪魔者らしい。
全く、どいつもこいつも――


「……ふざけんなよ」


意識せずに言葉が口から飛び出しやがった。
だがな、俺は怒ってるんだ。
誰も彼も、自分達の事情なんか知らずに勝手な事ばかり言いやがって。
言ってる本人はそれで良いかも知れないがな、
振り回される方の身にもなってみろってんだ。

「何だ、お前は」

何だ、だと? 妙に偉そうな態度じゃないか、シャドームーンさんよ。
次期創世王候補だからなんだか知らないが、
まだ王子様なんだから王様気取りは勘弁してもらいたいね。

「……ふん、ただの人間か」

「ああ、そうだよ。
 俺は、どこにでも居る平凡な男子高校生で、
 世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団なんて言う、
 言うのも恥ずかしい団の平団員だよ、馬鹿野郎」

「黙れ、人間」

「いいや、黙らない。
 言わせて貰うがな、女子高生を殺して王様になろうだなんて物凄く格好悪いぞ」

声が震えずに言えたってことは、俺はもうコイツを怖がってはいないらしい。
もしくは、怖いってのを感じる心のメーターのがふりきれちまったかだな。

「キョンくん、君は……」

光太郎さんは、何かを言おうとしたがすぐに口を噤んだ。
すみません、光太郎さん。
そういう事ですんで、ハルヒを倒すってのは考え直してくれませんか。
俺は、貴方が悪人だなんて思いたくないんですよ。

「…………」

長門、さっき俺が言ったことはアイツには言うなよ。
もしもこのことがアイツに伝わったら、調子に乗って何を言い出すかわかったもんじゃないからな。

「わかった」

さあ、どうするシャドームーン。
お前は、格好悪い奴なのか? どうなんだ?


「くだらん。……死ね、人間」


あっ、ヤバ――


「危ない、キョンくんっ!」

シャドームーンが振り下ろしたサタンサーベルから発せられた稲妻と、
言いたいことを言って少し満足し、次の瞬間には死ぬと思っていた俺の間に、
黒い人影が割って入った。
それは――

「うぉわああああっ!」

黒い、世紀王の姿に変身した光太郎さんだった。

「こっ、光太郎さん!?」

プスプスと体中から煙が立ち上り、
ゆっくりと倒れていく光太郎さんに駆け寄った。

「――仮面ライダー……やはり貴様は愚かだな」

「しっかりしてください! 光太郎さん! 光太郎さん!」
「待って」

光太郎さんに触れようとした手を長門に掴まれた。
おい、まさかここに来て光太郎さんは危険だって言うんじゃないだろうな。

「そう。
 彼の体は、未だに帯電状態にある。
 貴方が触れるのは危険。やめるべき」

「さあ、キングストーンを渡せ、ブラックサン」


カシャン――カシャン――カシャン――


「くっ……!」

シャドームーンは、まるでこちらを警戒せずに悠々と歩み寄ってくる。
長門が居るとは言え、光太郎さんをこうも簡単に倒したシャドームーンに
その力がどこまで通じるかわからない。

「私にお前の力は通じんぞ」


カシャン――カシャン――カシャン――


「…………」

『この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上』

ハルヒ、お前は最初の自己紹介の時にそう言ったな。
やれやれ、今考えてみれば、本当にアホな事を言ったもんだ。
いや、その時もアホだと思ったんだけどな。
そして、知らなかっただろうが、
お前の周りには宇宙人、未来人、超能力者は揃ってたんだぞ。
まさに灯台下暗し、いや、五月蝿くしすぎて灯りをつけるのを忘れちまってたって所か。
それにしても、どうしてお前は異世界人だけ――


――異世界人?


いやいや待て待て、俺は平凡で普通の人間だぞ。
大ショッカーが世界を歪ませたとは言え、
俺の存在までが歪んだってことは無いだろう。

――だけどもし、今の俺は歪められた後だとしたら?

……そうだ。
それは、十分に有り得る話だ。
もしかしたら、そいつがこの状況を変えられる切り札になるかもしれない。

俺は、自分が歪められた後の異世界人だとしたらなんて、
本当に頭の弱い考えが真実であると信じることにした。いや、信じるしかなかった。


――キバれ、俺。ここが正念場だ。


カシャン――カシャン――カシャン――


「…………」

長門が、シャドームーンから俺達を守るように立ちはだかった。
だが、それを意に介さずシャドームーンは
光太郎さんからキングストーンを奪うべく、こちらに近づいてくる。
――すまんな、長門。

「私の後ろに居て」

待て、少しだけ俺の話を聞いてくれ。
すぐに終わる話だし、先に言っておいた方が良い気がするんだ。

「何」

情けないことに、どうやら俺は腰が抜けて知らない間にその場にへたり込んでたようだ。
これじゃあ格好が付かないし、ちゃんと話も出来やしない。

「よっこいせ、っと」

これで良い。
これで、ちゃんと言える。


カシャン――カシャン――カシャン――


「すまん。俺は、平凡な人間どころか異世界人で、
 さらに言うなら人でも無かった……気がする」

「…………」

待ってくれ長門、そんな目で見ないでくれ。
確かに突拍子もない事を言ったが、こいつは本当の事、
かもしれないんだ。
考えてもみろ、色々とおかしな事があったじゃないか。

あのループに、どうして俺は途中で気付けた?
どうして、俺がジョン・スミスになった?

これはな、まるで説明がつかない。
言ってしまえば、平凡な人間の俺である理由が無いんだよ、悲しいことにな。

だが、俺の正体が異世界人だとしたらどうだ。
それが答えになると思わないか。

「貴方が何を言っているのか理解出来ない」

……やれやれ、多少は口が回る方だとは思ってたんだが、
コレに関しては上手く説明出来そうにないな。
今になって、お前達がどれだけ苦労したかを思い知るとは。

「だがまぁ、こういうのは実際に見てもらった方が早いだろう。
 お前達もそうしたんだし、出来るかわからんがやってみる」

さて、上手くいくと良いんだがな……。


――ガブリ!


カシャン――カシャン――カシャン……

「……何っ?」

俺が自分の手の甲に勢い良く噛み付いたのを見てか、
シャドームーンはその歩みを止めた。
いや、多分違うな。
この、全身に走る痛みから、俺の体に起きている異常がわかるからな。

「貴方の“ソレ”は何」

長門が言ってるのは、俺の両頬に走る極彩色の痣の事だろう。
俺が噛み付いた奴には、この痣が浮き出ることになっていた。
もっとも、自分に噛み付く時がくるなんて想像すらしてなかったけどな。
けど、この先はどうすれば良いかわからない、というか、わかっちゃいるんだが、
この体を自分のベルトの位置に逆さまに持っていくなんて不可能だぞ。
俺は異世界人ではあるかもしれないが、ビックリ人間じゃないんだ。

「……まあ良いか、モノは試し――キバっていくぜ!」

これで出来なかったら、相当格好悪いよな。
失敗したら長門、こいつも黙っててくれ。


「――変身」


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