水銀燈「ギャンブルぅ?」新たな出会い編etc 驚異の逆美人

2009年11月10日 03:15

水銀燈「ギャンブルぅ?」新たな出会い編etc

169 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE[ポケ板orVIPからきますた]:2009/07/11(土) 12:51:54.55 ID:jh4E7Go0

【驚異の逆美人】

下の名前で呼ばれるのがデフォルトだったカイジだがそれは昔の話だ

現在のカイジのあだ名は《13》である

由来は前回の国語で素数を数えていた時に当てられて《13》と答えたからだ

そんな事までネタにするなんて中学生にもなって幼稚な奴等だとカイジはためいきをつく

しかしこのため息はその事に対してだけではない

むしろその事なんてためいきをつくに値しないぐらいどうだっていい

どうだっていいからこそため息が出るのかもしれないが

それとは別の悩みがカイジにはあるのだ

そう、あの時・・・

あの時から運命は狂わされていたのだ

あの近道を通ったときから・・・

誤った、道を・・・


←ブログ発展のため1クリックお願いします
「はぁ・・・近道が使えなくなったな」

土曜日の朝からため息ばかりついているカイジ

見るに堪えない光景である

辛気臭さに業を煮やした水銀燈が話を伺う

「最近ためいきばかりね」

何だ?俺の事心配してくれるのか?

どういう風の吹き回しだ?

何か企んでいるのか?

カイジは少しからかってやる

しかしそんな冗談は水銀燈に通じないようで

「真剣に聞いてやってるのにふざける気?もう知らないわ、一生ためいきをついてなさい」

水銀燈は早口でそういうと二階に去っていった

ここでかんでくれたら面白かったのに

そういえば最近しょっちゅう二階にいるな

何やってるんだろうね

カイジは現実逃避をすべくどうでもいいことばかり考える

ボフッ

そこに日常茶飯事のように飛びついてくる雛苺

「ワーイ、カイジ登りなのー」

いつもなら降りろだの何だのってわめくところだがわめく気にもならない

苦笑いをしながら雛苺を抱っこしてやる

八つ当たりは良くない、絶対に良くない

そう言い聞かせるカイジ

そもそも八つ当たりする気にもなれない

カイジの微妙な変化に意外とめざとい雛苺は気付く

「・・・?」

感づかれてしまったかもしれないと思ったカイジは雛苺を降ろす

こんな餓鬼に心配させたくない

悩みなんか自分の中に留めておけ

そう考えカイジはトイレに行く

便座を上げずにズボンをずらさずに座り込む

正直言って迷惑この上ない

カイジはトイレで一人思いつめる

「(俺は生け贄・・・悪魔に目をつけられた犠牲者・・・)」

それにしても変わったな・・・

水銀燈も大分変わったな

さっきの問答で水銀燈の変化を感じた

《真剣に聞いてやってるのに》

確かにそういった

普段なら《誰が貴方の心配なんかするもんですか》とかそんな答えが返ってくるのに

何というか素直になった様な気がする

アカギに出会い、零に出会い、人と接する事で変わったのだろうか

変わったといえば自分も変わったような気がする

前よりも性格が丸くなったような気がする、顎はとがっているが

顔も傷のせいで少し変わった

「(って・・・そんな事よりも今大事なのは・・・)」

あの悪魔から逃げるにはどうすればいい・・・

粘着性の高いこの沼から脱け出すためのロープが欲しい・・・

どうすれば抜けれる?この沼から

悪魔・・・悪魔・・・あく・・・悪魔?

「っ!」

またも天下る、神が

カイジは思わず立ち上がる

高まる心拍数

期待、動悸、発汗

圧倒的閃きに思わず歓喜

取りあえず体を落ち着けるためにトイレから出て顔を洗う

落ち着いて考えをまとめる

「(そうだ・・・そうだ・・・悪魔なら身近にいたじゃないか)」

最近俺につきまとう腐れ縁の悪魔

あまりの醜さに吐き気がするぐらい醜い女

形容するなら《グロテスク》といったところだろうか

何故か自分に惚れたようでつきまとわれている

まさに悪魔・・・!

未曾有の危機・・・!

前代未聞、空前絶後、未曾有の危機・・・!

しかし悪魔は身近にもいた・・・!

「(目には目・・・悪魔には悪魔・・・!)」

カイジは急いで電話をかける

悪魔に・・・!

異端の感性を持つ悪魔に・・・!

「…」

電話の相手は三点リーダで返してくる

《もしもし》ぐらい言えないのか

何というかアレだ

電話が普及し始めたばかりの時みたいだな

普及し始めた頃は一方的に怒鳴りつけたり演説口調で一方的に喋ったりとかそんなのばっかりだったらしいしな

コイツはその当時の人間じゃないだろうか

この悪魔はオールドマンなのか?

「もしもし・・・アカギ、聞こえてるか?・・・アカギ?・・・・・・・返事ぐらいしてくれてもいいだろ?」

                ____
     -=ニ"`' ,   , ' "  ,," '
     ______\ ` , , '    '-ー ̄二=-          へ_/⌒` ,
  ∠二__  ~`           ""'ー、        / ・  ・  )
   , - ~                 ヽ       (.  ・  ・  (    
  , '  , ,                  ヽ       ) ・  ・  )    
  / /, '                   `,      (  ・  ・  (    
  i/ /          /|           'i      )  ・  ・  )
   ,' ,    /:i /:i |:::| |',          |   (     ,-ー'     
   i /i /' /::::| |::::i |::uヽi::`,`ヽ       |   し'丶__ノ     
   i/ i/ i /ー-ヒ--`|u|--エ--ー\  ___  
     i i/|二ニ=ニ~  二=ニニニ,:::| |─i`.  \  。o             
       .,|ヽ_゚_./:::::"ヽ_゚_, イ/:|.|─| | |`┬ー-
      / | ==:/:::u:::  u ~/':::|.|ニノノ |  |ー--           
 __;;-ー''"~~.λu:/:::::::_::i   /'::::u::|.|ー'  /  |            
 __;;-ー''"~'/| .| (_,-  u   ::u:::::/|   ||   |
      | !i .| <__ __-ー''ー:-:::/::|   |.|   |          
      .|  | .|x--二_____:::::/:::::|  ./ .|   .|       
      |   |/~ニ二\\ 'i/::::: |  |  |   .|          
     .|  ,r┴'---, ̄\',  |::u |  |.  |   |
     | </ ̄ ̄\こつ  i  /  .,|  .|    |        
     !-ーC' ̄ ̄`こつ    | / /!/,/ \   .|        
        | ̄ ̄ヽ、      | / /| -    ` , |



         `ヽミメ、 . -‐,=‐
      . . .-‐‐ミ i! Y i! 厶イ__
   ∠..., =‐- i!  i!  i! i! <´      (ククク…困ってる困ってる)
    .ィ´ i!   i! i! i! i!   i! i! ヽ
.  , ′i! i! i! i! i! i!  i!  i! i!.!     
  /イ i! i! i!ィ i! i./::、 i! ト、 i! i! !    
  /i!.//i!./::iメi/:::::::,メ、「ヽト、 i! i!j
  /イ i!/! /==。=、:::::.=。===:i!,...i! |
    j/ j/ i::`:‐:/:::::::: ー一.:´:|ir, }.|
       i:::::/.::::::、   .::::::|Lンii|
         i: `‐――一'.;.::::ハ.i! j;\
           、  ー ..:::::/;  ヽ:{;;;;;;;ト、__
      . -=''7ヘ.....:.:::::/;;; '   j;;;;;;;j;;;;;;;
   -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: '     /;;;;;;;;|;;;;;;;
  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'    /;;;;;;;;;;;!;;;;;;


聞こえていると解釈して会話を続ける

これは会話と呼べる代物なのかどうかいささか疑問であるがそんな他人のペット自慢なみにどうでもいいことは置いておこう

そうだな、できるだけ遠くがいい

幼児の手に届かないぐらい高いところでそれでいて遠いというのが望ましい

徒歩一時間ぐらいだろうか

とまあそんな事はどうでもいい

肝心なのはコイツがどう対応してくれるかだ

この神憑った悪魔が相談に乗ってくれるかどうかだ

「あく・・・じゃなくてアカギ、聞こえてるよな?」

呼吸が聞こえるのでおそらく聞こえているのだろう

コイツは喉に異常でもあるのだろうか

それとも本気で自分を嫌っているのだろうか

「・・・そっち行ってもいいか?どっちかといえば来てくれたほうが楽で・・・」

正直こっちから行くのは面倒だ

いや、面倒というよりも問題なのは・・・

アカギの所にいくまでにあの悪魔に出会うかもしれない・・・!

悪魔のところに行く前に悪魔に出会うかもしれない

できれば外出は控えたい

そんな思いで来てくれと言おうとしたのだが長い間顔を伏していて黙っていたアカギに言葉を遮られる

「断る」

そんな4文字・・・漢字とかな文字で表せば2文字の言葉で却下しないでほしい

こっちは必死なんだよ

人が生死の境目を彷徨っているというのにお前は・・・

カイジがそう嘆くとアカギは応答する

生死の境目を彷徨っているという言葉に反応して

「馬鹿だなお前、くぐっちゃえばいいのさ、生死の境目とやらを」

あ・・・?

何を言ってるんだお前は?

確かにその通りかも知れないが、それができたら苦労はしない

俺だってそりゃくぐりたいさ、その境目を

というかお前何でタメ口なの?

敬語はどうした敬語は

アカギはその問いを沈黙で返す

「・・・」


 ///      /| |::l .|l  |ヽ  ヽ\
   /        /::::|.|:::l |::| |/\ \\             ・・・
.  | /    ./::::::::l|:::::l |".l |/::::::::ヽ、_\ヽ__
  |.l.| l   /::::::::::::|/ i /l| _,,、、-  ~  ::::ヽ ヽ/⌒ヽ、   
  || | .|l  /\::::: ヽ /,、-'''"        :::::::ヽ ヽ'⌒ヽ.ヽ
  . | |.| | /  \  〃          i.l ::::::::ヽ ヽ'⌒| .|    
.    |l |l    \ ;;; ヽ、  ,,、'      ij  :::::::::ヽ ヽ、_ノ |
           /:::::    ‐''~         ::::::::::::ヽ ヽ、_ノ
          / ,':::::::             :::::::::::::::::ヽ ヽ
         / ,':::::ij:::::: U    `ij     :::::::ij:::::::::l;ヽノヽ
        / ,':::::::::::::::::             :::::::::::::::::l;;;:::::: ヽ
       / ,'::::::::::::::::_::`)       _,,、-'''´~~`ヽ::::::::::l;;;:::::: ヽ
      / :::::::::: ''~ノ    __,,、-‐´   _、、-‐':::::::::l;;;;:::::::u ヽ
      `''''    `''-'、~    _ 、-‐´    :::::::::::::::l;;;;;;:::::  ヽ
                `r‐''' ´       :::::::::::::::l;;;;;;;;:::::   ヽ


コレはアレか?

アレなんだな、アレ

翠ちゃんに毒されたんだろお前、そうなんだろ

だから辛辣で毒舌で性格の捻じ曲がった糞餓鬼になったんだろ

あの性悪人形のせいなんだろう?そうなんだろ?

だから今敬語を使えなかったんだろ

「五月蝿いですよ」

ああ、落ち着いたから敬語に戻ったのか?

あれ?お前そんな声高かった?

「だーれが翠ちゃんですか、お前にそんな馴れ馴れしい呼び方される筋合いはねぇですよ」

おっ?翠ちゃんのモノマネか?

もう限界までからかってやる事にする

なぁ翠ちゃん、お前か?アカギの性格をぐにゃぁっと捻じ曲げたのは

「だーかーら、翠ちゃんって呼ぶなです!」

やっぱり水銀燈より可愛い反応するな

「あったりまえです!あんな奴と比べられるなんて翠星石も落ちたもんです!」

ククク・・・そうだな

あんな奴と比べて悪かったな

やっぱり性悪気味が一番可愛いんだよ

大体傲慢なアイツなんかとは・・・

「傲慢な・・・なんですって?」

あひゃ!?

な、何ですか?

いつの間にそこにいらっしゃったのかしら?

突如後ろからわいてきた水銀燈に心臓バクバクになりながら対応するカイジ

その顔は焦りに満ちていてる

聞かれてしまっていた・・・

水銀燈に対する侮辱を・・・!

先ほど怒らせたばかりなのに・・・

「ふぅん、貴方はああいう子が好きなのねぇ・・・まあどうでもいいんだけどぉ」

イメージBGM 


カイジは直感する

嘘だ、水銀燈は絶対に怒ってる

圧倒的修羅場・・・!

言葉を一つ違(たが)えば文字通り首が飛ぶ可能性もある

ざわ・・・ざわ・・・

嫌な汗がタラリと流れる

落ちつけ、落ち着くんだ

落ち着いてもちをつくんだ

脳内で山手線ゲームをすれば落ち着くはず

ところでご存知だろうか

山手線(やまのてせん)は昔、山手線(やまてせん)という名称だった事を

今では山手線(やまのてせん)が正式名称である

いやいや、そんなことはどうだっていいのさ

他人の昨日の夢の話並にどうでもいいのさ

しかし夢というのは朝方見るものだから今日の夢という表現の方が正しいのではないだろうか

いやいや、それこそどうだっていいのだ

表現など十重二十重(日本語的におかしいかもしれないが)だ

「(南無三宝・・・!)」

「ところでぇ、さっきの続きが聞きたいわねぇ」

山手線の話か?

いやいや、違うだろう

俺のモノローグをコイツが読めるわけ無いだろう

「傲慢なアイツとは・・・の続きが是非聞きたいわぁ」

ざわ・・・ざわ・・・

未曾有の危機・・・!

本能が告げる

迂闊な一言が引き金・・・!

その引き金を引けば問答無用で死・・・!

引き金を引く事により放たれた羽という銃弾がカイジを射る事になる・・・!

ざわ・・・ざわ・・・

実はこう言おうとしていたのだ

《傲慢なアイツは格が違う》と・・・

しかしそんな事を正直にいう訳にもいかない

それこそ愚行・・・!

火薬に焚き火・・・!

わけのわからぬ思考・・・!

しかしカイジ・・・

「格が違うと・・・言おうとしてたが・・・それが何か?」

正直・・・!

圧倒的正直・・・!

カイジ意外にも正直

命を捨てる覚悟での選択・・・!

「(これでいい・・・!これでいいはずだ・・・!)」

昔から良く言うではないか

信じるものは救われると

正直者の首に神宿る(しょうじきもののこうべにかみやどる)というではないか・・・!

俺はそれを信じる・・・!

それを信じる事で救われる・・・!

圧倒的暴挙・・・!

知らぬ者が見ればそれは圧倒的暴挙

信じがたい思考回路・・・!

一体どんな頭のつくりをしているのだろうか

水銀燈はフフッと笑う

それに一瞬安堵するカイジ

水銀燈の発言は猫撫で声で始まり最後は鬼も逃げ出す恐ろしい声で終わる

「正直はいい事よぉ・・・でも・・・いい事ばかりが通るわけじゃないわ!」

バキッ

何が起きたか一瞬理解できなかった

気づいた時には左手から携帯がなくなっていた

青ざめた顔でキョロキョロと周りを見渡すとあった

床には確かにあった

携帯が・・・

しかし数秒前とはまるで形が違う・・・!

ジャンクになった携帯がそこにはあった

圧倒的ジャンク・・・!

「た、高かったのに何て事を・・・」

カイジは思わず泣きそうになる

大事な大事な携帯をジャンクにされてしまったカイジは涙をこらえる

くっ・・・

誰だよ、正直者の頭に何とやら・・・って言い始めた奴は

俺はタイムマシンで過去に戻ってそいつをぶっ飛ばしたい気分だ

屑特有の責任転換などと言われたくない

そんな根拠のないことわざをつくった奴が悪いのだ

「(合理主義者の俺には理解できない)」

だったらことわざなんか信じるなと言いたい

気分が戦慄から携帯を失ったショックに変わりつつある

しかし水銀燈に対する怒りはわかない

いや・・・あるにはある

しかし今回は自分も悪いという気持ちが強く、その気持ちが怒りを消してしまう・・・!

「(さて・・・携帯は買いなおすとして今はこの圧倒的ピンチを乗り越えることが先決・・・)」


'  l | !_/イl |,   l ',  | ヘ.   l     / |  ;i  ,    | l
  ,l/,r‐'´!.| ',|ヽ | ヽ  l ヽ |     l l /l  l,     l|
 / /   ',| 十' 寸 二マT´ ヽ.|!    / ┼/-l、_,|    /! !
,/ /l    | 丶 \ _\   '|l  / ‐ナ'´ |/lj  / /'゙
. / |'、    ', ‐、―r┬ャ、`     i/  ‐/_‐__/ /-‐'i /
/  ! ヽ.   ヘ ≧=一' ´          ゝ'-彡マ´ /      /'ヽ
   ! l \   ヽ                  〃  /!    /  |
  l | l   \  \        /      / /i|    /  /
 l  l|   | ト ̄´   、_, _,  - '´-‐イ   l|.   /  /
ー 、 l l   | /\\     ´ 二´   /  |   l  /  /__, --ー
:::::::::::| l   |:::::: \ ゙  、   _ ィ ´|    l   , -:/ , ィ;:::::::::::::::::::::::
::::::::::::l|   !:::: ::::::::-_天    !   |   l/´::::::/ /´ |ー-、------
:::::::::::::', l   |: ::::::::/´:|:::/「l\   !   !   l__:://  /   \::::::::::
:::::::::::::::',    l ::::::/::::::l:/ l|::、 〉_;-:::|   !::::::::::;'/  ,:'  ∨ ./\::::
:\:::::::::∧  l、:::::::!:::::::l;'   l!::∧>:::::::::l   l::::::::::i/   」 ヽ/  /  /ヽ
::::::ヽ:::/:::::ト  V\:l__」|  lY、::l>|\::l   /:::::::::/  |   ! 、/___/ ノ1
::::::::::V:::::::::l\ ヽ‐ト、:::/|   ヽ\!>ーl| /l::::::::::l     、 l!_/ー'-イ /
:::::::::::ヘ:::::::::l/ \ヽL.V∥    ヽ    / /!|:::::::::::l     丶     レ´

::::::::::::::::::::::::::/ー//l|!l|i|l\::::::::::::\\l
:::::::::::::::::::/--__// ̄ ̄l|!|l|\「\__ゝ
:::::::::::::/:|:::::::::::νー―-' U /       
::/ ̄ ̄| |  / ̄ ̄ ̄\    /
|/⌒ | |:: |       ||  /         
|r   | |:: |     ┃| ::::=\
||  | |::::::\____/ ::::::::=\       
||/' | |::::::        ::::::u:::::=\     
|ヽ. | |:::::        :::::::::::::::::::::::\
:::\_| |:: U      :::::::::::::(::::_:::: )   
:::::::::::::| |:::::  v_______ゝ      
|::::::::|.|::::::::  |─────'
:|:::::::::|\::::::: |_____         
::|::::::::|  \::::::|___l___|__
:::|::::::|    \::::::::      _)      
::::|:::::|     \::::::    |
:::::|:::|        \:::::    |
::::::|::|         \:::_ノ


イメージBGM 

4分24秒あたり

このままでは先決ではなく鮮血がほとばしるはめになる

カイジは両手を上げて降参ですと言う

降参するから羽を収めるんだ

いいか水銀燈?

これは単なる謙遜だ

別に水銀燈を軽んじているわけではない

水銀燈が優秀だからこそ謙遜するんだ

わかるか?

自分の子供をべた褒めする親なんて痛ましいし疎ましいだろ?

それと同じさ

あんまり本当のことを言うと翠星石に悪いだろ?

そりゃあ大局的というかどう見ても水銀燈の方が優秀だ

だからってそんな事を正直に言うと翠星石もバツが悪いってもんだろ

本当に優秀な奴は謙遜するものさ

我ながら何が言いたいか良く分からない弁明だ

水銀燈の心は渦巻いたか・・・?

「馬鹿じゃないの?」

すいません、確かに俺は馬鹿です

何たって《13》だもんな

確かに13歳だが

「私にそんなくだらない嘘が通じると思ってるのかしら?」

嘘だなんて滅相も無い

半ば事実さ

お前が優秀だってのは事実さ

「貴方みたいなロリコンに理解できるわけないわ、私の魅力なんてね」

だから俺はロリコンじゃねぇよ

ゴスロリな衣装のお前がそんな事言うなよ

そう言うと水銀燈は血相を変える

ガバッ

水銀燈はカイジに飛びついてカイジの胸倉を掴む

ドスッ

水銀燈に飛びつかれカイジは膝をつく

「・・・?!な、何だよ?」

これは明らかに怒っている

さっきよりも怒っているというのは明々白々だ

俺は何か怒らせるような事を言ったか?

「お父様の作ってくれたこの服を侮辱するなんて・・・許せない!」

感じる・・・熱い思い・・・轟く戦慄

本能が告げる危機感・・・!

ざわ・・・ざわ・・・

コイツ人をロリコン呼ばわりしておいてファザコンかよ・・・

しかしそんな事を言えばヘッドバッドをくらいそうなので自重

本気で怒っている奴にそんな事を言えるほど無神経ではない

「お父様のつくったこの衣装がゴスロリだっていうならお父様はロリコンって事になるわ・・・」

そりゃそうだ

ガコッ

水銀燈のヘッドバッドをくらう、これは失言だったようだ

「そりゃそうだ・・・じゃないわよ!」

くらったのがデコでよかった

鼻だったら鼻血は免れなかっただろう

水銀燈よ、癇に障ったなら謝るよ、すまなかった

謝るも水銀燈は許そうとしない

余程のふぁ・・・余程お父様を愛しているのだろう

「カイジごときがお父様を愚弄していいと思ってるのかしら?」

カチン

カイジごとき・・・?

この穀潰しが・・・

そんなに偉そうにグダグダ抜かすなら出て行けよ・・・

と言いたくなったが一途な水銀燈にそんな事いえるはずがない

そんな事いったら水銀燈が可哀想だ

でもな・・・

コレだけは言わせてもらうぞ・・・

お前がローゼンを愛してるなら・・・俺はコレだけは言ってやりたい

殺される覚悟でカイジは言う

お前は雛苺を可愛がってる俺をロリコン呼ばわりしているよな?

それが何よと水銀燈はカイジを睨みつける

だったら・・・だったら・・・

「だったらその雛苺を造ったお父様とやらは真性のロリコンじゃねえか!」

カイジは踏む・・・!

17歩で言うところの地雷を踏む・・・!

絶対にいけない発言・・・!

これこそ失言・・・!

究極の失言・・・!

わかっていながら地雷を踏む・・・!

まるで通しで待ちを知ったのにロン牌を5枚以上持ってしまった・・・みたいな感じだろう

ドンッ

水銀燈はカイジを床にたたきつける

カイジは額をさすりながら体を起こす

ドスッ

目を開いた瞬間に水銀燈はカイジにボディブローを決める

「ガッ・・・!?」

カイジはむせながらうずくまる

あまりにも重い一撃・・・!

コイツのどこにこんな力が・・・

そんな事を考えている間にもう一発が来る

バキッ

重い鉄拳が顔面に一発入る

ズサー

カイジは水銀燈に殴られた勢いで床を滑る

ゴンッ

カイジは机の脚で頭を打ってしまった

のたうちまわるカイジ

「っ・・・!」

痛い・・・痛い・・・このままじゃ痛いを通り越して異体な遺体になってしまう・・・

どれもこれも痛い・・・

どの一撃もキツイ・・・

最初の一撃がまず痛かった・・・

角度が悪ければ鼻の一つでも折れたであろう

もう少し悪ければ脳震盪もありえただろう

頭蓋骨が割れなかっただけでもありがたかったのだろうか

その痛みを理解する前に次の一撃がやってきたのだ

この一撃が一番重かっただろう

血を吐いてもおかしくなかったかもしれない

痛覚がある事を悔やみたくなったぐらいだ

この痛みにカイジは生まれてきた事を一瞬悔いたぐらいだ

涙目でむせるカイジの顔面を思いっきり殴る水銀燈

そしてそのままぶっ飛んでいき机の脚に後頭部を強打

口からは血を流し泣きながらむせるカイジ

何が何やら理解が追いつかない

「お父様が真性のロリコン?貴方は頭までジャンクなのかしら?」


                -‐   ̄ ̄ ̄    、
             イ   ハ  l              、
           ∠∠、  /| |  | {         ヽ\
         __ ィ≠¬:::i l /ート l  l ヽ  \        '. \
        /イ;小ヽノ::/ | | | \ ヽ \  ゙,       l l  ヽ
      〈:{_/:/ |:|`ー'  | |、rr==≧ミメ、  \ i     イ | j   '
        ヾ:/ |:||    | l `_ゝ'ノヾー    |  / |/|.′   l
      //  |:|∧   |  `''" ̄`     lイ=ミメ、lノ  ′| |
     /::/   |:| ヽ   '、          、 ヽ'_ヘ /  / /| |
.    /::/   |::|  \  ヽ        /   ゛''/ イ/ jノ
   /{:::{    レ′  |`   \   r=ー 、        ハ ノ }
、  /  ̄   /|   |         ̄`ー'     / / イ
::::V       / |     |             ー ニ´- ' ノ
―‐ 、 、   /  !   |            イ |
::.::.::.:..\\′ / l  | ___ \  ,  i´ l  |
.::.::.::.::.::...\\/  |   |7/::.::.::.::>ト二.   | |  |
::.::.::.::.::.::.::.:..\\_,l   |/.::.::.:/ ´ 小:ト\| l  |
.::.::.::.::.::.::.::.::.::...\ヾl  |::.::.::.{::{__ イ:| |:| }::}|  |  |l
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::l ∥  l\.::.`ー'::|:| |:lV:/ |  l  | l
.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:l ||   | ヽ::.::.::.::|:| ト-く |  |  | l

       ‐、――-、,,.. -――‐;:‐             
       >           ̄<       
     -=ニ                 `ゝ          
     ∠´   ,.ィ  ハ          `、    
     /   / | ./ ヽ  ト、       |         
     lイ /''-ニ|/、 r‐\lニ\! __ 
       'l.イ| ==。、i '"==。== l. l"l|   |    
         |l| `ー'/  u ー‐''" | |"l|  |  
         l || U/       lj  |.|ソl   |    
        ! `|/_,. - ヽ v'    l!-'′  
        ,l  ヽ ヽニニニ二)  /|   |\. |    
    _,,.. ‐'''"~/lヽ  ≡  /  |   |  |
    | |  / |  \  / u レ!  |   |      
     | | /   レw、  l´      |  l    |      


    ∩00  ∩
 ⊂ニニ ⊃ ⊂ ニ )-- 、
  ,. ---ゝ )   | レ'/⌒ヽヽ
. ( (´ ̄ ̄   / /     ノ.ノ ○ ○
. ヾニニ⊃ `'∪ ⊂ニ-‐'

                      ∩00  ∩
                   . ⊂ニニ ⊃ ⊂ ニ )-- 、
                    ,. ---ゝ )   | レ'/⌒ヽヽ
                   .( (´ ̄ ̄   / /     ノ.ノ ○ ○
                    ヾニニ⊃ `'∪ ⊂ニ-‐'

             _
             ,>  `ヽ'",Z._
            /         <        
          i     , ,ィ ,ヘ、 \ っ  
           |    ノリ_!ヘ>:::>、iヽ    
       _  j fニl| ゝ _i く    っ 
-‐: :¬'≦._  ̄  |h|!v ~ v r_ \     
-‐- 、:::::     丁Tヘ.`^l (二ニェ‐' ´ っ  
:::::::::: }   ...:::::::|:::|ニl, l\ u┌┘   
 :::::ノ::::::::::::::::::: lムニl l ̄ヽ._j          
::::...ノ:::::::::::::.... ,ノ: :|::::ハリ:::::::::::.}       
::.ノ:::::::::.. r<´: : : j:::;' l ..:::::::::l          
:::) ..::::::ノ   \ /::/ l:::::::::::.. ヽ
:. `ヽ.ノ.     `く   ヽ, ..::::::::\
 ..:::::`ヾ:、      \  \::::::::::... ヽ,
、:::::::::::::..`ヾ:、     j    \ .::r',ニゝ、
. \:::. r',ニゝ、_  __,ノ      `Y ヾ \
.  /`-'ヘ ヾ ;'三ミ、          l r‐、ヽヾi
_,ノ    `ー--┐}リ           ヽ.) UJリ
         ¨´

一撃一撃にこもっている

最愛の父を侮辱された事に対する憤りが・・・

何故カイジはローゼンを侮辱したのか

それには大きな理由があった

しかしその理由を説明する前に死にかねない状況である

騒ぎを嗅ぎつけて雛苺がやってくる

「カイジー!水銀燈ー!」

ボフッ

雛苺は机にもたれて息を荒げているカイジにとびつく

「二人とも何やってるのー?ヒナも混ぜてほしいの」

何だ何だ?

コイツにはこれが遊びに見えるのか?

コイツには世界がどんな風に見えているのだろうか

今すぐにでも死ぬかもしれない俺が楽しそうに見えるのか?

水銀燈は雛苺をカイジから引っぺがす

「邪魔しないでちょうだい」


                ,‐-lゝ'ヘ
             ,,/''´   ヽ
          ,、、=/  , ‐=ゝ、-,
         ,=//- ,-'llll|/ ̄` ヘ ゝlll:.::l:.
      ..,,、/llゝ@<〆l/`´     |  、< -―-、
     ,:ll;/  〆'´ゝノlll/llll/;;;/;;;;=  ヽ'´'´ /(
  ,..,:ll/  /ノ)‐-'´/ヽヽ ヽ `='ゝ=‐-ゝ/ /
  :ll/   /ノ'/ノヽヽ lヽ丶 丶ヽヽ ヽヽ`'´`l / ./┐       ヒナは邪魔なんかしてないのよ?
  \  /丿/ノ`´l ヽl ヽ ヽ _〆l l l l / // //>
   .:ll>、/:ノ /:)l l l l l  l-' ,==t l / l /l` // //
  ,:l|/ l |ノ l||)| l l l l ll ´(:::::ノ`/l'´( `┤/'/ __
  |/_ l ll) /ll) l | l l〆l l    ` ´ >/<=/|_//
     ヽヽ‐ゝ' l l '´ ,r=t、 、    。|,ヘ=/'´`- '´
      ヽ/ノl/ヾl l ll '(:::::)   r ,  , U,ー/
      /'´l  \ヽゝ,-´     ノ  ヽ=ー'´` 、
     (ー‐)===///ゝ‐- =ソ  _,-ゞ`'``ゝ,`ヽ
       ̄),='´=l/、/'´ ̄  ヽヽ/' 、 ̄`ヽ'  lー-`l
        ̄   (( / `'´ ヽ  ヽ'´`-l、lll:. )'´/、-、/


邪魔をするなと水銀燈は雛苺を羽交い絞めにする

水銀燈の腕の中で雛苺はバタバタと暴れる

「だからヒナは邪魔なんかしてないのよ?」

水銀燈からしてみれば邪魔以外の何者でもないようだ

カイジはまだむせている

ボディブローが重すぎたようだ

水銀燈はむせているカイジを指差して雛苺に怒鳴りつける

「カイジはお父様を侮辱したのよ!これは私たちに対する冒涜でもあるわ!カイジは私達を嫌っているのよ!」

それを聞くと雛苺はため息をつく

らしくないため息をつく雛苺に気をとられる水銀燈

カイジにはとてもじゃないが気にする余裕がない

怪訝そうな顔をする水銀燈を見て雛苺は毒づく

「馬鹿も休み休み言えなのー」

ざわ・・・ざわ・・・

今雛苺はなんといったのだろうか

一瞬空耳かと疑ってしまうぐらい辛辣な言葉だった

少なくともコレは本来の雛苺のセリフではない

水銀燈が何かを言い返す前に雛苺が言う

「カイジが私達を嫌うわけないの、そんな事もわからないなんてジャンク以外のなにものでもないの」

少しずつ回復してきたカイジ

取りあえずむせていた状態からは回復した

雛苺ってこんなに毒舌だったか?と考える余裕まで戻ってきたようだ

水銀燈は雛苺の突然の毒舌に戸惑う

戸惑いつつも我に返る

ガシッ

物凄い剣幕で雛苺の胸倉を掴む

「~~~貴女今なんて・・・・」

水銀燈は歯をギリギリ言わせる

聞き返す水銀燈に雛苺は脅えずに平坦とした声で答えてやる

ジャンクって言ったのよ・・・と

水銀燈はワナワナと震える

やたらとシュールな光景だ

雛苺らしくない雛苺と水銀燈らしくない水銀燈

これは白昼夢だろうか

「お父様お父様って五月蝿いのよ、カイジがロリコンだっていうなら水銀燈はファザコンなの」

ファッ

水銀燈は手を上げる

先生ー質問でーす、というわけではない

この毒舌苺を殴ろうとしているのだ

それを見たカイジは黙って見ちゃいれない

ガシッ

カイジは虫の息ながらも力を振り絞って水銀燈の腕を掴む

水銀燈の動きが少し止まる

水銀燈は雛苺の胸倉を離す

バッ

水銀燈はカイジの手を振り払う

力のこもっていないカイジの手はいともたやすく振り払われる

ハァハァとまさに虫の息のカイジ

カイジは息を整えてから水銀燈に謝る

「お前が気分を害したならその点は謝る・・・が・・・」

シュッ

続けようとしたカイジの喉に羽をつきつける

続く言葉によっては引き裂こうという魂胆だろうか

しかしカイジは怯まずにはっきりと言う

「謝るが俺はローゼンを認められない、正常な人間と」

ワナワナと水銀燈は震える

こみあげる怒り

殺してやりたい・・・今すぐにでも

殺気を放つ水銀燈をものともせずカイジは水銀燈の目を見つづける

どうやら胎を決めたようだ

カイジは少し冷や汗をかきながらも言う

「何が不満なんだよ・・・」

つぶやくように言ってカイジは少し視線を落とす

はぁ?と水銀燈は口に出しそうになったが黙って聞いていた

何故黙って聞いていたか?

カイジが涙を流しているからだよ

涙をぬぐわずにカイジは続ける

「お前の何が不満なんだよ?何が駄目なんだよ」

そういってカイジは目をきつくつぶる

涙が頬を伝って鋭利な顎を伝い床に落ちる

この鋭利な顎は殺人級だ

この顎で風船は軽く割れるであろう

しかし今重要なのはそこではない

「何がアリスだよ・・・何が完璧な少女だよ・・・」

どう考えてもロリコンじゃねぇか・・・

何が完璧なんだよ・・・

何を持って完璧とみなすんだ・・・

「一点の汚れもない・・・ざけんなよ・・・姉妹を蹴落としてまで何が一点の汚れもないだ・・・何が無垢だ・・・」

カイジは涙をふき取って水銀燈の目を見る

するとまた涙があふれてくる

「何がアリスゲームだ・・・そんなものに勝ち残って何がアリスだ」

言ってみれば姉妹喧嘩だ、そんなもの

ローゼンはお前等のいがみ合う様を高みの見物してるんだろ

お前等が見苦しく浅ましくいがみ合っているのを見てローゼンがほくそえむ

アホか・・・

地獄の釜の底を這いずり回って、這いつくばってでも勝って

傷つけて傷ついて、壊して壊されかけて

それこそ汚れまくりだ

お前等が理想に届かなかったからって・・・

私利私欲のために戦わせて

勝手にアリスを孵化させてくれだと?

そんな事せずに目指せばいい・・・

自分でアリスを作ればいい

それができないからって放置プレイ?

アホか・・・ざけんな・・・

放任主義も大概にしろよ

それでアリスができて何になる?

それで満足なのか?あ?

カイジは涙をより一層流して言う

「勝手にアリスに孵化しろだと・・・?志が低すぎる・・・!」


                  ,,..‐—、,.-=,,..-—--、 
               _,,..==-         ==、       
               ,,...二=             ヽ     
             ,.-´,....--              ミ
   (i(i ___  _/ ̄/      .ww         ヽ     
-=,^,=- |┌--, |   /./|   /,i|´f !j|.|/ヽ、     |     
/|| |(ヽ | |__| |。。。|/ |  /ヽ、!  ,,|/!∠,..ヽ、     |    
.iノ.|ノ ',! '-——'     !,i/|=。=|| uレ.。'' / | |⌒,  .|
                 |`-/w `ー‐´ij~ | |こ||   ヽ    
.                 |/ _っ; U~u u | |_ノノ    ヽ   
..             0   |こ_,,..—--0'''ヽ u |,|ー´      'ー,,
...                 ||ー´''' ̄ ̄ ̄| / |    |ヽ ̄''ー...,,
                  ||.‐-‐,——-_,' / ,'    |.`ヽ-...,,,  
                  /',' ̄ニ ̄ ̄ /u |    |,!   ',   
.               0 7 _ヽu= U  0  |ノ|   |    ',
               ,.-//ニノ. `、u /     | |i |    ヽ  
             /  | |  フ ヽ/ヽ U u   | | |. j.    '  
            /    | | Z  / /|       || 、ヽ`
           /     |彡 ,,/~    |、      / ヽミ ヽ    
          /      | |´~      | 0、____,ノ


カイジは左腕の裾で涙を拭う

カイジの泣きながらの熱弁に心を動かされる水銀燈

カイジは怒り交じり・・・ローゼンに対する怒りを込めて言う

「そんなアリスという亡霊のために仲の良い姉妹になれない、そんな話があるか?あ?」

実を言うと水銀燈も同じ様な事を考えていた

カイジ程じゃないが同じ様な事を考えていた

戦い抜いてそれでアリスになれるのかと

そりゃお父様の事は大好きだ

だからって・・・

だからってこんな話があるのか・・・

水銀燈は自分でも理由がわからないが涙がこみあげてくる

涙をこらえてカイジの喉から羽を引く

理解ができなかった

カイジがどうしてここまで自分達の事を考えるのか

どうして自分達のために涙を流すのか?

「(どうして・・・?どうしてカイジはここまで私達の事を・・・)」

荒れてしまった部屋を三人で片付ける

さっさと片付けろなのーと雛苺がため息混じり言ったような気がするが気のせいだろうか

黒苺と呼ぶべきだろうか?と考えながら大破した携帯を拾い上げる

チップ自体は無事なようで安心する

新しいのに変える良い機会かもしれない

カイジは自分の首がまだあることに安堵する

今日が命日になったとしてもおかしくはなかった

片付けを終えてカイジは紅茶を三人分運ぶ

紅茶を一口飲んでから水銀燈はうつむいてためらうようにしてカイジの方をチラッと見る

カイジはあえて気付いていないフリをする

何かを言い出そうとしているのだろう・・・と思いながら紅茶を飲む

水銀燈のおかげで紅茶を入れるのが上手くなったような気がする

一人の時はそんなに飲まなかったのに最近ではしょっちゅう飲んでいる

ヤクルトばかりではバランスが悪いというわけのわからない理由で水銀燈は紅茶を飲んでいるのだ

もうアホかと

水銀燈は決意してカイジに謝罪する

「・・・ごめんなさぁい・・・」

文章にすると全く誠意が伝わってこない

しかし水銀燈なりに謝ったつもりであろう

カイジは無言で紅茶を飲む

少しぬるいかな・・・と思いながら水銀燈の誠意を受け取る

水銀燈は謝罪を終えるとすぐに本題に入る

躊躇無しに・・・

「それじゃぁ聞くわ、翠星石と何をお話してたのかしらぁ?」

ゴホッゴホッ

カイジは思わずむせてしまう

どうやら水銀燈は何か誤解しているようだ

そうカイジは感じ取る

その予感は不幸にも的中・・・!

水銀燈は疑っている

カイジと翠星石の関係はいかがなものかと・・・!

下手に嘘をつくとジャンクにされてしまうだろう

ここは正直に全てを話すべきだろう

怪しまれぬように平静を装って言う

「俺はアカギに用があったんだよ」

コレは紛れもない事実だ

カイジは紅茶のカップを置き両手を広げて言う

アカギと話してたら翠ちゃ・・・翠星石が急に電話に出てきて・・・

思わず口を滑らせてしまう

ついつい翠ちゃんと言ってしまう

何とか誤魔化そうとしたが水銀燈を誤魔化す事はできなかったようだ

水銀燈はギロリと泣く子も黙る恐ろしい目でカイジを睨む

カイジは目線をそらす

「翠ちゃん?」

ざわ・・・ざわ・・・

墓穴・・・!

圧倒的墓穴・・・!

どうすればいい?

どう持ち直す・・・

カイジは必死に脳内会議をする

翠ちゃんじゃなくて水ちゃんだよと言うか

アホか、そんな事言ったら余計に話が面倒になる

こんな冷たい目で見られると嘘をつこうにもつけないというものだ

正直の口ならぬ正直の目

カイジは誤魔化すように紅茶をすする

そんなカイジを雛苺は心の中で嘲笑する

「(カイジは典型的な墓穴男なのー)」

水銀燈、取りあえず落ち着いたらどうだ?

落ち着くんだ、まあ座れって

座れ、座るんだ

よせっ・・・!

来るな・・・来るな・・・

迫り来る水銀燈

同時に押し寄せて来る死という名の恐怖・・・

水銀燈は立ち止まってフフッと笑う

「フフッ、おばかさぁん」

あ・・・?

何だ何だ?

お前良く見ると怖い顔してるな

その一言で水銀燈の目が急に据わる

カイジは慌てて弁解する

でもそれはそれで良いよ、うん、良いよ

いやぁ、相も変わらず艶かしいな、うん、素晴らしい

さすがローゼン、ローゼンの技術は世界一イイイイだな

ダメだ・・・目が笑ってない・・・

ざわ・・・ざわ・・・

ありとあらゆる神に祈り倒すカイジ・・・!

神を信じぬ人間も土壇場に追い詰められると神頼みになるとは良くいったものである

「(救え・・・!釈迦でもマホメットでも何でもいい・・・!俺を救え・・・!)」

座ったままどう弁解するか考えるカイジ

そのカイジの前に立ちはだかる水銀燈

その光景を見て切なる思いを抱く雛苺

「(水銀燈!そこなの!マウントポジション!マーウント!マーウント!)」

カイジは感じ取る

不純な思いを・・・

黒い影・・・

どす黒い気を感じ取る

自分の不幸を願うような邪悪な気を

禍々しい邪気を感じながらカイジは必死に語彙を探る

どうすれば助かる?

圧倒的妙手・・・求めるのは泥沼からはいでるためのロープ

下手をすれば錘・・・!

更に沈む・・・!

腰・・・肩・・・

そしていずれ・・・

想像しただけでカイジは鳥肌がたった

水銀燈はカイジの鋭利な顎を撫でる

くすぐったくてカイジは背筋がゾクッとなる

水銀燈はカイジに顔を近づけて問う

「本当に美しいのはだぁれ?」

鏡よ鏡、鏡さん

世界で一番美しいのはだーれ?

みたいなものだろうか

貴女ですと言わないと即刻死ぬというのが目に見えている

コレはアレに似ている

ドラクエⅤの結婚式・・・!

誓いますか?で《いいえ》を押すと強制的にカーソルが《はい》に持っていかれるというヤツだ

アレは結婚後男に選択権がない事の暗示だろうか

とにかく今カイジはこんな状況なのだ

《水銀燈》と答えないと首が飛ぶかもしれない

しかしカイジは迷う事などなかった

嘘をつく必要なんてない

自分が思ってるとおりに答えればいいのだ

肝心なのは俺・・・!俺なんだ・・・!

俺の意思・・・!

他人の御託なんてどうでもいい、俺だ俺・・・!

損だ得だそんな事言ってられない

俺の意思・・・尊重したい、俺の意思だけは

ガバッ

カイジは水銀燈を抱きしめ耳元でささやく

「愚問だな・・・お前以外誰がいるんだ?」

感じる・・・温もり・・・

圧倒的温もり・・・

ただコイツがいるだけで救われたような気持ちになる・・・

人間そのものが希望・・・!

本当に中学生のなのだろうか、と言いたくなるほどませた事をしてしまったカイジ

水銀燈とカイジは黙って抱き合う

そんな二人を頬杖をついて汚い物を見るような目で見る雛苺

「(ケッ・・・こういうバカップル程見苦しい物は中々ないのよ)」

雛苺は不機嫌そうに紅茶をすする

ドン

乱雑にティーカップを置くとカイジと水銀燈に飛びつく

ガシッ

表面上は無邪気な笑顔を見せるヒナ苺

「ヒナもーヒナもー(無粋な事しても許されるのは子供の特権なのよ)」

空気読めよと水銀燈は不機嫌になる

自然・・・さりげなくカイジと水銀燈の間に入り邪魔をする雛苺

本当の悪魔はコイツかもしれない

しかしこの一見無邪気な笑顔を見ると怒りなんて物は消し飛んでしまう

本当に性質が悪い・・・!

カイジ登りをする雛苺と笑いながら軽く抵抗するカイジ

それを見てモヤモヤとする水銀燈

毒づいてプイッとそっぽを向く水銀燈

「フンッ・・・やっぱりロリコンね、ロリコンにはわからないわ、私の魅力なんて・・・」

悪魔はどこまでいっても悪魔である

これがまた性質の悪い事この上ないのである

一度目をつけられたら骨までしゃぶられてしまう

カイジ宅を電信柱から刮目する悪魔

電柱に抱きついてくねくねとする

何か妄想しているのだろうか

警察に見つかったら即刻職務質問間違いなしだろう

「カイジくん・・・」

はぁはぁと興奮しながら妄想をしている

ストーカー・・・!

圧倒的ストーカー・・・!

道行く人が悪魔を見て汚い物を見るような目で一瞥してから通り過ぎる

通り過ぎる人々の心の中は共通していた

100人いれば100の思考がある

100人いれば100の人生がある

しかし・・・統一・・・!

皆の心が一つに・・・!

それは非常に少ないパーセンテージ

まずありえぬ事・・・!

しかしありうる・・・!

可能性という壁をこえて実現・・・!

皆はこう思いながら横を通り過ぎる

「(何コイツ・・・怖い・・・)」

不穏な気配を感じてカイジは立ち上がる

突然カイジが立ち上がったので雛苺は落ちそうになる

いっそ落ちれば良かったのにと水銀燈は心の中でつぶやく

ざわ・・・ざわ・・・

「(何だ何だ?この筆舌に尽くしがたい違和感は・・・)」

カイジの中で何か嫌な感じがする

気持ちの悪いすっきりとしない違和感・・・

好きだったアニメが打ち切りになったかのような感じ・・・

遅まきながら水銀燈も気配を察知する

こっそりと窓から外を見る

「(何アレ・・・怖い・・・)」

水銀燈は窓から見える光景に戦慄を感じる

そこに居たのは見るに堪えない究極のブス・・・!

電柱から様子をうかがっているようだ

ドン引きしながらカイジの腕を引っ張る

カイジの顔を見上げて泣きそうな声で訴える

「そ、外にピカロが・・・」

的を得た表現だとカイジは感心する

しかしそんな場合ではない

ついに来てしまったのだ

もっとも自分が忌嫌う人物が・・・

いや、人物という呼称は似つかわしくない

水銀燈の言ったとおりピカロという他ない

カイジは一旦座って水銀燈にも座るように手振りで催促する

意を決して水銀燈に言う

「俺がアカギに電話をかけた理由はアレだ・・・今電柱から家を覗き見しようとしているヤツの事だ」

そういうカイジの声はとても恐怖に脅えていた

ざわ・・・ざわ・・・

カイジは頭を抱えた

悪魔はどこまでいっても悪魔なんだと

ついにストーカーまで発展したのか

このままでは貞操が危ない・・・!

カイジから嫌な汗がタラリと流れる

汗をぬぐってカイジは続ける

「俺はヤツに目をつけられた・・・アカギなら対処法でも知ってるんじゃないかと電話をかけたんだが・・・」

急に翠・・・翠星石が出てきて

今度は翠ちゃんと呼ぶのを踏みとどまった

ちょっと美談としゃれこんでいたらお前が来て

そしてお前に携帯をこわされてしまったのだ

水銀燈は反省したかのようにうつむく

「そんな事はどうでもいいんだ、肝心なのは俺が色んな意味で危険だって事だよ」

カイジはまたまた頭を抱え込む

携帯を壊された事を別に気にしていないと知ってほっとする水銀燈

しかし完全に安堵する事などできなかった

自分は助かったがカイジは助かっていない

このままではカイジが危ない・・・

そんな気がしてならなかった

カイジは青ざめた顔でうつむく

「あの驚異の逆美人から逃れたいんだ・・・」

ああどうしよう

覚悟を決めるべきか

電柱から家をうかがう毎日

今日こそ勇気を振り絞ってインターホンを押すべきか

でもそれで嫌われたら・・・

そう考えるとインターホンを鳴らす事を躊躇してしまう

自分の悪魔性に気付いていない哀れな美心は右往左往する

「いいえ、いけるはずよ、私とカイジ君は会うたびに何か話すし、うん、いけるはず」

ブツブツと自己暗示をかける美心

日本が銃社会なら真っ先に撃たれるであろう事間違い無しである

できる事ならば《Kill you.》といって銃殺したいところである

しかしそれができないから性質が悪い

何か話すからいけるというわけのわからぬ思い切った思考

迷惑この上ないとだけ言っておこう

大体何か話すと言っても一方的ではないか

嫌そうな顔のカイジにデレデレとしながら自分の事を話すだけ

急いでいるといっても行かせてくれない

聞く耳持たずというやつだろう

美心は決心を固めて電柱の陰から出る

それを見てカイジはゾクッとする

「決めた・・・押すわ・・・私は押すわ」

高鳴る鼓動

目を瞑ってそれを感じる

しばしそれを堪能してから人指し指を突き出す

近づくインターホンと美心の指

ついに零距離・・・!

美心はプルプルと指を震わせて目をきつくつぶる

押すな・・・!

カイジは心の中で懇切する

頼むから押すな・・・!

押すな・・・!

カイジの念が通じたのか美心はインターホンから指を離す

遠のく距離

安堵・・・

美心の指とインターホンが離れるだけで何かぬくもりを感じる

この上ない安堵感・・・

「ダメ・・・私にはできない・・・」

美心はまたインターホンを押すのに失敗する

実を言うとこれは初めてではない

いつも同じ事をしている

しかしいつもこの段階で失敗するのだ

ここで帰るというのもいつものことだ

カイジ達は門の前に立ち尽くす美心に心の中で帰れコールを送る

いつもなら帰るところだが美心は帰ろうとしない

グッと拳を握り締めて決意を決めた顔つきになる

「こんな不毛な事はダメ・・・人生は行動・・・!」

美心は目をつぶり人指し指を勢いよく突き出す

勢いよく突き出せば躊躇する心などスルーできる

勢いで行動すれば救われる・・・

全てが報われる

インターホンと美心の指が猛スピードで縮まる

もうだめだ・・・とカイジも目をつぶる

ボキッ

美心だけに聞こえる痛ましい音

激痛とともにうずくまる美心

外れる・・・!

ボタンと指が合わなかったのだ

ずれてしまい骨折・・・!

勢いがあまりにも強かったせいで骨折・・・!

嗚咽を漏らす美心

カイジはゆっくりと目を開ける

目の前の光景を見て口をポカンと開けてつぶやく

「筋金入りの馬鹿ですかアイツは?」

美心はしばしうずくまった後によろよろと立ち上がり去っていく

先ほどまで一人の女がうずくまっているのに誰も助けようとしなかった

それどころか嘲笑して去って行く者やドン引きして去っていく者などばかりだった

カイジは安堵しきって座り込む

緊張の糸が切れて上の空である

「(ちっ・・・間抜け面でのんきなヤツなの)」

雛苺はケッと顔をそむける

とにもかくにも助かる

悪魔が去っていき命、貞操が守られる

目をつぶったままあんな事すればこうなってもおかしくなかっただろう

しかし骨折するぐらい勢いをつけるのもどうかと思う

しかも何故助走をつけるのだろうか

ざまぁ見ろと雛苺は心の中で嘲笑う

その日以来、美心が家のまで右往左往する事はなくなった

しかし会うたびに変な話をされるということは寸分変わらなかった

カイジの平和が戻るにはまだまだかかりそうである

まだまだ終わらない・・・

美心とカイジの埋まらない距離を埋めようとする美心の奮闘は

カイジの目は自然と右手の人指し指へといく

「(包帯か・・・見事なありさまだな・・・)」


驚異の逆美人編 完



224 :マリオネット ◆f0b8iS9HyE[ポケ板orVIPからきますた]:2009/07/11(土) 14:41:36.40 ID:jh4E7Go0
取りあえず書き溜めしたものを一気に投稿しました
書き溜めしたのを投稿するだけでもかなり時間がかかるんですね
今回もまたわけのわからぬ話になりました
美心の話なのにほとんど出てないという・・・
美心の話なんて書きたくありませんがフラグを立ててしまったからにはしかたありませんしね
書き溜めまで時間がかかったくせに内容が薄くてすみません
人が少ないからやる気が出ない・・・といったら言い訳に聞こえますかね
安価とかリクエストとかそういうのやりたいんですが人が少なくてそれは無理ですしね
人が来る事を願いながらダラダラと書き溜めをしたいです


←ブログ発展のため1クリックお願いします
スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://kannki.blog39.fc2.com/tb.php/1502-ce2b819f
    この記事へのトラックバック



    アクセスランキング ブログパーツ レンタルCGI
    /* AA表示 */ .aa{ font-family:"MS Pゴシック","MS PGothic","Mona","mona-gothic-jisx0208.1990-0",sans-serif; font-size:16px; line-height:18px; }