マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その8

2011年05月15日 19:11

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」

270 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 10:44:12.08 ID:IarH8n8AO

ーユニオン・イリノイ基地グラハム自室前ー

オペ子「……」スタスタ

オペ子「!?」

ワラワラ

オペ子(この人達、フラッグファイターだよね……?)

オペ子「あの、大尉の部屋の前で何を……」

ジョシュア「しっ!」
ダリル「重要な任務中だ!」
タケイ「……」
ビリー「グラハム……!」


ーグラハム自室ー

マリーダ「マスター……」

グラハム「アイツらめ、何をしている?」フゥ

グラハム「さて……まずは、伝えねばならないな」

グラハム「先日、ホーマー司令よりお前の過去を全て聞いた」

マリーダ「ッ……」

グラハム「だが、私はそれを知識の一つとして扱うつもりだ。マリーダ、お前が私に言ってくれたように、私もまたお前の言葉を待つよ」

マリーダ「マスター……」

グラハム「辛い記憶だ……故に、私から提言することは無いと誓おう」

グラハム「次は私の番だ。私の過去……とはいえ、あるがままを語るに過ぎんが」

グラハム「私のそのままを、伝えよう」

マリーダ「……はい」

グラハム「今から三年前……」

グラハム「私は、父とさえ呼べる恩師を殺した」

グラハム「私は孤児だった。生まれてすぐに親を亡くしたのか、それとも棄てられたのか。それは分からない」

グラハム「ただ物心ついた時には私は孤児院の隅にいて、同じ様な境遇の孤児と共に生活をしていた」

マリーダ「孤児、だったのですか」

グラハム「あの頃は子供ながらに、両親はどこか遠い外国で働いていて、とても忙しいから自分を孤児院に預けたのだと本気で信じていたものだ」フッ

グラハム「いつか空の向こうから私を迎えに来て、私の名前を呼んでくれるのだと……」

グラハム「物心が物分かりに変わる頃、段々と気付いてくる。孤児院はそもそもそういう場所じゃないことに、自分には親がいないのだという現実に」

グラハム「もう待っていても、我慢したとしても、私を抱き締めてくれる人はいないのだと」

マリーダ「……」

グラハム「それから私はパイロットになった。はっきり言って学業に身を投じられるような金銭的余裕など無かったし、私のような境遇の人間は増えはすれど減りはしない。一刻も早く独り立ちする必要性があった」

グラハム「だがそれ以上に、私自身空を飛びたいという強い憧憬があった。MSに乗り空を手に入れたいという夢があった」

マリーダ「だからマスターは、空を愛しているのですね?」

グラハム「自らの力で得た物を、愛さない人はいないさ」

グラハム「そして、ほどなくして私は出逢う。私の心の父でもあった上官、スレッグ・スレーチャー少佐に……」


ー扉前ー

ダリル「畜生、声が小さすぎて聞こえないぞ」
ジョシュア「囁いているのか? 囁いているのか!」
ビリー「こんなこともあろうかと、軍用の集音マイクを借りてきた」



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ーマリーダ回想・ユニオン空母甲板陰ー

ハワード「三年前、次期主力機の最終選定は二機のせめぎ合いにもつれ込みました」

ハワード「一方は、グラハム・エーカー上級大尉、当時少尉がテストパイロットを務めた次世代可変MS【SV】シリーズの第一段、ユニオンフラッグ」

ハワード「そしてもう一方は、ユニオンリアルドの開発元でもあるベル・ファクトリー社から出された後継機ユニオンブラスト」

マリーダ「聞いたことがある。空戦形態ならフラッグをも凌駕するMSだったと……」

ジョシュア「そりゃ建て前だ。確かに空戦形態の性能は高かったが、換装が必要である分作戦行動は限定されるし、肝心の人型の性能はフラッグに遠く及ばなかった」

ジョシュア「だが、世間一般の目はユニオンブラストに向けられた」

マリーダ「何故だ?」

ダリル「ユニオンブラストのテストパイロットが、伝説的なエースパイロット、スレッグ・スレーチャー少佐だったからです」

マリーダ「スレッグ・スレーチャー……」

ハワード「三十年のキャリア、8000時間以上のフライト……我々の時代ではもはや生きた伝説でした」

ジョシュア「トップガンといえばスレーチャーだったからなあの時期は、ぶっちゃけ現存するユニオンリアルドの映像でさえも何やってるか分かんねえくらいだわ」

グラハム「私は訓練基地を出た後に、少佐の下でパイロットのいろはを教わった。当時1対1の模擬戦では46戦46敗。如何に訓練基地での習熟が杓子定規なのかを思い知らされた。彼の技術を学び、盗み……一年足らずの短い間、本当に楽しい時間だったよ」

グラハム「私の操縦技術、グラハム・スペシャルに到るまであの人から教わった技術が元になっている。空の飛び方を教えてくれたのも、空での生き方を教えてくれたのもスレーチャー少佐だった」

グラハム「一度少佐の娘さんとの縁談も持ち上がったのだが……当時の私は、開けた空に魅入られてその話を棒に振ってしまった。それぐらい、あの人が導いてくれた空は魅力的だった……」

グラハム「程なくして少佐が病に倒れ、MSから離れたのを機に私は基地を移動した」

グラハム「次に会ったのは、次期主力MS選定の選考の場だった……」



ダリル「ですが、そのスレーチャー少佐がテストパイロットを引き受けた裏には、複雑な事情がありました」



グラハム「トップガンたる彼が、ユニオンブラストで満足する筈はない。私は選定模擬戦の前に彼と話した」

グラハム「彼はのらりくらりとかわし、うそぶいて逃げてしまったが、後々その真相は明らかになった」



ダリル「スレーチャー少佐は、ベル・ファクトリー社から多額の報奨金でテストパイロットを引き受けていたんです」

マリーダ「報奨金……?」

ハワード「どうやらその当時彼の娘婿が多額の借金を作っており、その返済に当てようとしたのではないかと言われています」

ダリル「少佐は家族思いでも知られていた人物でしたからね……ユニオンブラストが次期主力MSに認定されれば、更なる報酬が払われた事でしょう」



グラハム「私には理解が出来なかったよ。私は自身の為にしか空を飛ばない。だが彼は家族の為に本気で空を飛ぼうとしていたんだ」

グラハム「その後も様々に心理戦を繰り広げたが、結局は模擬戦の結果が決めること。私はフラッグに、彼はブラストに乗り空を飛んだ」

グラハム「そしてそれが……彼との最期の邂逅となった」



ジョシュア「模擬戦は、グラハムの乗るフラッグが優勢に事を進めた」

ジョシュア「だが終盤、突然ユニオンブラストがフラッグに特攻、体当たりを敢行」

ジョシュア「グラハムはとっさに空中変形、プラズマソードで翼を斬り難を逃れたが……そのままブラストは墜落。スレーチャー少佐は、帰らぬ人になった」

ダリル「あのトップガンなら不時着出来たはずだ……当時スレーチャー少佐を知るどの専門家もそう言いました」

ハワード「後々判明した事なのですが、少佐は自らに多額の保険金をかけており、ブラストがフラッグに勝てなかった場合、自身の死で借金を返済出来るように仕組んでいたというのです」

マリーダ「どの様に転んでも、家族は救えるようにしていたのか」

ハワード「あれからしばらく、隊長の落ち込みようは酷かったもんです」



グラハム「私には家族というものがいない。だからスレーチャー少佐が飛んだ理由は納得がいかなかったが」

グラハム「あの人は最後まで自分の望むがままに飛んだのだ……遺された私の手元には、実感の無い勝利と上官殺しの汚名のみ残った」

グラハム「もしフラッグ同士で戦っていたら勝てただろうか……家族など関わらず、純粋な勝負だったら? 自問自答しても私の中の少佐は答えてはくれない」

グラハム「リベンジの機会さえ与えられない……恨むことも出来ん」

マリーダ「……」

マリーダ(家族を待ち続け、求めても得られず、空しか無かったマスター)

マリーダ(女としての幸せを奪われ、闘いしか残されなかった私)

マリーダ(似ている、のだろうか……?)

マリーダ(お互い、飛び続けなければその存在意義を見いだせず)

グラハム「そして時折、そんな自分が無性に嫌になる」

マリーダ「!」

グラハム「どうやら、当たったようだな」

グラハム「内心、家族という物に憧れていたのかも知れないが」

マリーダ「今更……ですね」

グラハム「あぁ」

グラハム「分かっていたんだ。あの人は、きっと私だからこそあのテストパイロットの一件を受けて」

グラハム「金で空を汚さないよう、最初から死ぬつもりで……ブラストに乗ったのだろう」

グラハム「私が負い目を感じないよう、貰う予定も無い報奨金を打診し自ら業を背負って……」

グラハム「姑息な人だよ、スレーチャー少佐は。何もかもを手に入れて、一人で逝ってしまわれた」

グラハム「でも、結局私は独りに戻ってしまった……!」

マリーダ「マスター……」

スッ
ギュッ

グラハム「ッ!」

マリーダ「マスター」

マリーダ「私には何も有りません。ホーマー司令の語られた通り、戦う以外に道の無い、作られた存在です」

グラハム「マリーダ……?」

マリーダ「ですからマスター……貴方さえ宜しければ、貴方の孤独を分けてください」

マリーダ「そうすれば私は、空っぽではなくなるから」

グラハム「……」

マリーダ「傷の舐め合いだと、笑いますか?」

グラハム「……」スッ

マリーダ「……ありがとうございます。マスター」

グラハム「……マスターとは呼ぶな。私には、グラハム・エーカーという名前がある」

マリーダ「はい……グラハム」


ー扉前ー

オペレーター「あれ、ここにいたフラッグファイターは?」

オペ子「集音マイクの無断持ち出しがバレて司令に見つかって、今怒られてる最中よ」


ー翌日・司令室ー

イリノイ司令「……という訳だ。君には、ユニオン軍のみならず三国初【ライセンサー】の免許を渡す」

グラハム「ライセンサー……」

イリノイ司令「君には全ての戦場、全ての作戦への独自介入権、及び独自行動が認められる」

イリノイ司令「無論作戦目標の遂行を前提として、という条件はあるがね」

グラハム「……」ペラッ

グラハム(作戦への参加は独自判断だが、作戦目標の独自設定や作戦そのものの取り消しは不可能ということか……)

イリノイ司令「ガンダムを退けた君の腕、三国に響かせてくれ。期待しているよフラッグファイター」

グラハム「そのご期待に応えられるよう、尽力致します」ズパッ

グラハム(ガンダムに勝ってもガンダム、ガンダムに負けてもガンダム……どうやら、君と私の赤い糸はよほど頑強なものらしいなガンダム)

グラハム(ホーマー司令、貴方がどの様な意図でこれを私に預けたのかは分からない)

グラハム(だが、頂いたからには有効活用させて頂く!)

グラハム「それではグラハム・エーカー上級大尉、任務に戻ります」


ーイリノイ基地・MSドッグー

ビリー「豪気な話だね、ユニオンのみならずAEU、人革連でまで独自判断が可能な免許とは」

グラハム「試験的なものだ。恐らく、そう易々と事を運べんだろうよ」

グラハム「しかしながら本格的に統合化の兆しが見えてきたな……」

グラハム(ガンダム、これがお前たちの狙いだとでも言うのか?)

ダリル「しかし、三国の軍事力にもガンダムと戦えるパイロットは貴重ですからね」

ジョシュア「ようは猫の手も借りたいって訳だろ? ガンダムさんとやり合うのによ」

グラハム「どちらにしても好都合だ。この際、ガンダムが嫌になるほど付きまとってくれる」

ビリー「同情するよ、ガンダムに」



刹那「!」ゾクッ

ロックオン「!」ゾクッ

アレハレ「!」ゾクッ

ティエリア「!」ゾクッ

ヨハン「!」ゾクッ

ミハエル「!」ゾクッ

ネーナ「にゃっ!」ゾクッ



整備士「大尉、準備出来ました!」

グラハム「了解した」

グラハム「行くぞカタギリ。まずは連絡を取ったAEUからだ」

ビリー「おっと、僕は行かないよグラハム」

グラハム「何?」

ビリー「解析にはまだまだ時間がかかる。僕がついて行けば、君の対ガンダム用装備は完成が先延ばしになってしまうからね」

グラハム「しかしだなカタギリ、このカスタムフラッグは……」

ビリー「そこでだ、エイフマン教授直々に教えを説いた隠し玉をご用意しよう」

グラハム「何……?」

ビリー「さて、ご登場!」

ジョシュア「つっても想定内だろうけどな」

マリーダ「……」スッ

グラハム「マリーダ!」

マリーダ「生前、プロフェッサーにフラッグに関しては教えを請うておりました」

マリーダ「元々MS工学については学んでいたつもりですが、整備やパーツの取り替え程度なら幾分か可能なはずです」

ダリル「そういや、しばらく差し入れとかやってましたな少尉」

ビリー「学んでいた、というよりは叩き込まれたという方が近い気もするね。この知識量はかなりのものだ」

グラハム(ホーマー司令か……マリーダはそちらの道を選ばなかったようだが)

ビリー「僕からもある程度指示出来るようにはするけど、彼女にはセンスがある。命を任せても大丈夫だと思うよ」

グラハム「うむ……」

マリーダ「…………」

グラハム「プロフェッサーの忘れ形見、という訳か……」

グラハム「あい分かった、ならばその様にしよう」

ビリー「物わかりがいいね。助かるよ」

グラハム「その代わり、任せたぞカタギリ」

ビリー「合点承知。必ず形にしてみせるさ」

グラハム「行くぞマリーダ」

マリーダ「了解、マスター」

グラハム「マスターとは呼ぶな」

スタスタスタ……

ビリー「まずは新型ガンダムによる軍基地の被害が多いAEUか……マネキン大佐なら、グラハムにも配慮してくれるだろう」

ビリー「頑張れよグラハム、僕のトップガンはいつだって君なんだから」

ダリル「隊長、御武運を!」
ジョシュア「死ぬなよ大尉、俺があんたを超えるまでな」


ーカティ・マネキン自宅ー

マネキン「ガンダムに関する情報は?」

部下『旧四機も新型三機もあれから一向に顔を出しません。流石に撃退されたのが応えたのでしょうか?』

マネキン「奴らがそんなに軟弱なら、今頃タクラマカンで決着していただろうよ」

マネキン「噂のライセンサー一号、グラハム・エーカー上級大尉を招くというのに……土産話も無いのでは申し訳が立たんな」フゥ

マネキン「夜分済まなかったな。休んでくれ」

部下『はっ!』プチッ

マネキン「やれやれ、これであの男も少しは奮い立ってくれればいいが……」

ピンポーン

マネキン「?」

ガチャッ

コーラサワー「大佐、パトリック・コーラサワー少尉であります!」

マネキン「……何だそれは」

コーラサワー「はっ! 薔薇の花束であります」

マネキン「そうではない、それくらい私にも分かる。夜に私の自宅を訪ねた理由を聞いているのだ」

コーラサワー「はっ、大佐をお食事に誘いたくて……///」

マネキン「…………」

マネキン「少尉、近々ガンダムを単騎で退けたパイロット、ユニオンのフラッグファイター、グラハム・エーカー上級大尉がAEUにライセンサーとして立ち寄ることになっている」

マネキン「お前も幾度となくガンダムと渡り合った男だ。思うところはないのか?」

コーラサワー「はい! ありません!」キリッ

マネキン「…………」ガクッ

マネキン「……放っておけん男だ」フフッ

マネキン「待っていろ、すぐに支度する」バタンッ

コーラサワー「!」

コーラサワー「やったぁ……!」



キュピィィィン

ロックオン「狙い撃ったな……」

刹那「?」


ーAEU基地ー

マネキン「……」

ギュゥゥ……ゥン
ガタンッ

グラハム「グラハム・エーカー上級大尉、及びマリーダ・クルス少尉であります」ズパッ

マネキン「カティ・マネキン大佐だ。貴公を招くことが出来たのを光栄に思うよ大尉」スッ

グラハム「タクラマカン砂漠での戦術予報、我々ユニオンも大変お世話になりました」

グラハム「そのカティ・マネキン大佐にお会いできましたこと、此方こそ感激の至りです」スッ

マネキン「世辞が上手いな大尉。立ち話も難だ、茶でも飲みながら話そう」


ー隅ー

コーラサワー(あの澄まし顔……大佐と握手しやがって……!)ギリギリ



マリーダ「?」

グラハム「何か強烈な意志を感じるな……何処ぞに強者がいると見た」

マリーダ「流石はAEU、といったところでしょうか」

グラハム「そういうことにしておこう」フッ


ー基地司令室ー

グラハム「そうですか……ガンダムの陰は見当たらないと」

マネキン「さしずめ大尉が来るから引きこもったのだと思いたいが、何やら仕掛けてきそうで安心できないのも正直な話だ」

女兵士「どうぞ」

グラハム「ありがとう」

マリーダ「……」ペコリ

グラハム「単刀直入にお聞きしたい。これからのガンダムの動向、マネキン大佐はどの様にお考えか」

マネキン「ふ……本当に単刀直入に聞くのだな、貴公は」

グラハム「回りくどいのは、私の分には不相応と認識しております。無礼を詫びさせてください」

マネキン「安心したまえ、そういうのは嫌いではないよ」

マネキン「まぁ……新型と今までのガンダムに連携意識があるとはとても考えにくいだろう」

マネキン「彼らは組織の中でも全く違う、別の派閥から生まれたものではないかと私は推測している」

グラハム「興味深い説です」

マネキン「まず今までのガンダムとは作戦形式が異なりすぎていること、そして今までのガンダムとの連携が無く常に三機で行動している点も見逃せまい」

マネキン「あれ以来今までのガンダムは全く姿を表さない」

グラハム「確かに、彼らはそもそも三機での連携を基本としたコンセプトで開発されたように感じます」

マネキン「特殊粒子の色も違う上に、各地であの粒子の毒性が報告されている」

マリーダ「ッ……」

グラハム「……」

マネキン「謎だらけではあるが、違うという事が分かるだけ新型はまだ親切だよ」

マネキン「戦ってみた感想としては、どうかな?」

グラハム「今までのガンダムにも共通して言えた事ですが、機体の性能の凄まじさに比べ練度が余り高くないという点が挙げられます」

グラハム「ただ今までのガンダムに感じられた意志のようなもの、あの新型からは感じられませんでした」

マネキン「と言うことは、彼らは雇われた兵士か」

グラハム「もしくは作戦理由などを秘匿され、ただ戦わされている若い兵士か……」

グラハム「戦い方にまだ甘さがありました。やはりガンダムのパイロットは総じて年齢層が低いのかも知れません」

マネキン「少年兵とでも言うのか? にわかには信じがたいが、確かに現在あるデータを見ればそれも頷けるな」

マリーダ「アザディスタンの一件の……ですか」

マリーダ「成人では無かろうな。まぁ超兵もいることだ、不思議ではない」

マネキン「私は、今までのガンダムはしばらく出て来ないと思うのだ。新型が幅を利かせすぎて、今出て行っても彼等が今までやってきたようにはいくまいしな」

グラハム「……」

マネキン「ならば今叩くべきは新型だ。奴らは容赦がない、恐らく機体の修理が終わってから、また即座に行動を開始するだろうよ」

グラハム「その時のために、私がいます」

マネキン「期待させてもらうよ大尉。ライセンサーの実力、私も兵士も楽しみにしている」

マリーダ「……?」

マネキン「どうした少尉、扉が気になるか」

マリーダ「失礼致します」

ピッ
ウィンッ

コーラサワー「どわっ!?」ドサァッ

グラハム「君は……」

マネキン「パトリック!?」

コーラサワー「いててて……」

マリーダ「…………」

コーラサワー「うぉっ!? なんだお前!」

マリーダ「それは此方の台詞だ少尉」

コーラサワー「俺かい?俺は模擬戦二千勝のスペシャルエース、パトリック・コーラサワーだ!」ビシッ

グラハム「……」ジーッ

グラハム「!」

グラハム「君は最初のガンダムの武力介入で寸断されたイナクトのパイロット!」

コーラサワー「古傷を抉るなぁ!」

マリーダ「……」

コーラサワー「憐れむような眼で見るなっ……!」

マネキン「はぁ……済まんな大尉。これがうちのトップガン、パトリック・コーラサワー少尉だ」

コーラサワー「いやぁそんな……」デレデレ

マネキン「……誉めようとしたが、実際自分でその機会を潰しているのを忘れるなパトリック」

マリーダ「そういえば、AEUのエースと言えば彼は……」

マネキン「奴の話はするなッ!!」

マリーダ「ッ!?」

マネキン「! す、済まない取り乱した。だがあの野獣の話はしないでくれ、頼む少尉」

グラハム「……心中お察しいたします、大佐」

マネキン「済まん」

マネキン(九条……)


ーAEU基地・MSドッグー

マリーダ「マスター、カスタムフラッグの調整、完了致しました」

グラハム「あぁ……うん……」

マネキン(マスター……)
AEU兵(マスター……)
AEU整備士(マスター……)
パトリック(あー、腹減った)

マネキン「しかしこれがガンダムを退けたMS……流石はユニオンの技術力といったところか」

グラハム「ありがとうございます。フラッグファイターとして、フラッグへの讃辞は最大の名誉として受け取らせて頂きます」

マネキン「うちのイナクトは、何処ぞのエースパイロットが脱出ポッド代わりに廃棄するから在庫が足らなくてな、困ったものだよ」

コーラサワー「いや~大佐、エースだなんてそんな」デレデレ

AEU兵「つかぬことをお聞きしますが、グラハム・エーカー上級大尉殿は普段どれほどの被弾状況で?」ムッ

マリーダ「マスターは対ガンダム調査隊編成以来、ガンダムに対してはリニアライフル一丁以外の損傷は無い」ムッ

グラハム「数字や記録で評価されるのは本意ではない。私の実力は戦場で、自身の判断で確認してもらいたい」

グラハム「免許に恥じないだけの活躍は、させてもらうつもりだ」

コーラサワー「良い度胸だ……!」

マネキン「自分より上官なのに何故そうも偉そうなのだお前は……?」

キュピィィィン

マリーダ「ッ!」

マリーダ(何かが……近付いてくる?)


ー???ー

プルツー「ふう……ヴェーダとの切り離し完了」

リボンズ「これでEXAMは真の力を発揮する、ということかい?」

プルツー「あぁそうだ、制御が利かないから、あのイナクトはもう戻って来なくなるけどな」

リボンズ「随分とユニオンブラストを破壊した生体データに御執心のようだね」

プルツー「気になっちゃったんだ、仕方ないだろう?」

プルツー「それより、例のナノマシン薬の準備頼むぞ」

リボンズ「どういうつもりかは知らないけど、抜かりはないよ」

プルツー「はぁ……疲れた。膝貸せ」

ゴロンッ

リボンズ「またかい? お昼寝の時間が多いようにも感じるけれど」

プルツー「いつ寝ようがあたしの勝手だ」

リボンズ「イノベイターの上位種たる僕を寝具代わりとは……恐れ入るよ」

プルツー「……」スースー

リボンズ「やれやれ、とんだ眠り姫もあったものだね」


TO BE CONTINUED...


セルゲイ「ほう、人革連もライセンサーの受け入れに賛成したか」バサッ

ソーマ「ガンダムを単騎で退けた男、どの様な軍人なのでしょう……」

セルゲイ「いい腕をしているのだろうな。会ってみたいものだ」

セルゲイ「マスター・グラハムという男に」

ソーマ「マスター・グラハム……」



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