仮面ライダーW & 仮面ライダーOOO & 魔法少女まどか☆マギカ Fの契約/少女と魔法と仮面ライダー 第五話

2011年05月11日 19:31

まどか「仮面ライダー?」翔太郎「魔法少女?」映司「魔女?」

476 : ◆WDUU7xtdEo [saga]:2011/03/18(金) 20:21:47.20 ID:wEAif8vFo

巴マミの体が宙を舞った。次々と召喚されるマスケット銃が、自身に飛び掛る使い魔を撃ち抜く。

撃ち損じた使い魔も間合いに入った瞬間蹴り飛ばし、間髪入れずに撃ち抜く。
美しく優雅なバレエダンサー、そう表現するしかない見事な戦い方だった。

「すっごいなぁ……」
「うん……」

そんなマミの戦う姿を、まるでヒーローショーを見る子供のように輝いた目でまどかとさやかが見ていた。

そして、

「映司、どう思う」
「あんまり、良いとは思わない……かな」

翔太郎と映司が、それを微かに不安な眼差しを持って見ていた。


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時は既に夕刻。こうして、マミの魔法少女体験コースに参加して3日が経つ。
本来ならば、まどかにも、さやかにも、こんな危険な事に参加はさせたくないしマミにもこんな事をしてほしくない、というのが翔太郎達の本音だ。

だが、魔女を倒さないと危険があるというのは先日マミから話を聞いたとおりであるし、だからと言ってマミ一人にやらせるのも忍びない。

だから、こうして翔太郎と映司の二人が彼女達の保護者兼ボディガード兼お目付けとして一緒に行動していた。

しかし、それにしても、と翔太郎は思う。

「何考えてるんだ、フィリップの奴……」

翔太郎はフィリップから渡されたロストドライバーを見ていた。

『翔太郎、君は彼女達と行動してくれ。アキちゃんは僕と。
 そして、巴マミの魔法少女体験コースとやらに、彼女達を参加させてほしい』

というのが、彼の言葉だ。無論、依頼人を危険に晒すという手前、亜樹子が激しく反対したのは言うまでもないが、

『残念ながらアキちゃん。今の君は巴マミに拒絶されている状態だ。
 下手に彼女と接触すれば、鹿目まどかを守るという依頼に支障をきたしかねない』

とのフィリップの説得によって納得せざるを得なかった。今ここに亜樹子の姿がないのも、そのせいだ。

それでも、翔太郎の顔を見た瞬間マミの顔が強張った辺り、フィリップの説得は間違ってなかったのかもしれない。

その代わりにと、映司と連絡を取って此処に来てもらってたわけだったが。

「そういや、お前の方は良いのか?」
「ん? 何が?」

「ほら。あの手だけオバケというか、アレ」
「ああ、アンクね」

ぽん、と手を叩いて今思い出したように頷いた。

「アイツ、やる事があるらしくてさ。今は別行動」
「あー……それ、大丈夫なのか?」

一応、グリードの存在を説明された手前、若干の不安を感じたが

「ん、まあ、大丈夫。ああいう時のアイツは信用できるし」

どうも、彼等の関係が良く分からないので何とも言えなかったのだが、その言葉から嘘偽りの色はなく、普通に笑顔で返されて翔太郎も何も言えなくなる。

「しっかし……」

女の子一人に戦わせてるというこの光景、シュールにも程がある。

「映司、ちょっと頼むわ」
「うん」

そう言って、翔太郎はドライバーをセットした。胸元のポケットから黒のメモリ、ジョーカーメモリを取り出す。

「まどかちゃん、さやかちゃん。危ないから絶対に映司の側から離れんじゃねえぞ?」
「分かってますって!」

ビシっとサムズアップするさやかに軽く苦笑して、翔太郎がドライバに手をかけた。

「――そんじゃ、行きますか」

そして、取り出したメモリのスイッチを入れる。

『ジョーカーッッ!!!』

使い魔の結界にガイアウィスパーが轟く。
それに反応し、翔太郎に向かって槍のような形をした使い魔が自身の体を尖らせて突撃をかける。

「左さん!!」

まどかの叫び声が響くが、それに対して翔太郎が笑みを浮かんで返した。

「俺――変身ッッ!!」
『ジョーカーッッ!!』

二度ガイアウィスパーが轟き、翔太郎の身をエネルギーフィールドが包む。

『――!??』

使い魔の槍が翔太郎の身体に届いた次の瞬間、悲鳴を上げたのは使い魔の方だった。

【仮面ライダージョーカー】へと変身した翔太郎が、使い魔の首根っこを掴んで捻り上げたのだ。

「オイタは此処までだぜ? 次は……俺のターンってな!!」

そして掴んだ使い魔を振り回し、自分に迫る使い魔たちを蹴散らし始めた。

上段からの叩き落し、下段からの足払い、中段の突き、突撃を受け流しての蹴り飛ばし。
見事な技の連携に誰もが息を呑む。

マミが優雅なバレエダンサーとしたら、翔太郎は荒れ狂うストリートダンサー。

槍代わりに使っていた使い魔を裏拳で殴り飛ばすと、今度はまとめてかかってきた使い魔をブレイクダンスで弾き飛ばし始めた。

「へぇー……ああいう戦い方もできるんだ」

その光景に映司が感心した声をあげる。隣にいたまどかも、目を点にして眺める。

片や優雅、片や嵐。極端な二つの光景。

気づいた時には、その場にいた使い魔は全て叩きのめされていた。

「ま、ザっとこんなもんだな」
「…………」

使い魔の結界が掻き消え、翔太郎もマミも変身を解除する。

「お疲れ様、左さん! あーもー、マミさんも翔太郎さんもかっこよすぎだ、もう!」

うりうりーと肘で翔太郎の脇を小突くさやかに翔太郎も満更でもないのか嬉しそうな笑みを浮かべる。

「だろ? 俺の戦いってのは……ハードボイルドだからな」
「え?」
「え?」

「はい?」
「お?」

互いにきょとんと顔を見合わせ、次の瞬間、さやかと翔太郎は一緒に破顔した。

「あははー! 左さんったらおもしろっ! 冗談じょうずー!」
「はっはっはっ! 冗談じゃねえんだけどな!」

なんというか、兄と妹の光景だった。

「あはは……」
「仲いいねー」

その光景になんと言って良いか分からず苦笑いするまどかと、それとは正反対にほのぼのとした笑みを浮かべる映司。

「ふぅ……」
「あ、マミさん。お疲れ様でっす!」
「うん、ありがとうね……」

ビシっと今度は敬礼するさやかに、マミも軽く微笑む。しかし、その微笑には軽い影が差している。

「マミちゃん、大丈夫かい?」
「っ……はい」

翔太郎から声をかけられた瞬間、マミの目に敵意が宿った。
それはほんの少し、まどかたちに気取られないほどのものだったが、それに映司も翔太郎も気づく。

「話には聞いてたけど……大変だね」
「あー……まあな」

翔太郎の前を行き過ぎ、まどかとさやかの元へ向かうマミを見ながら、大人二人は声を交わす。

「結果論になっちまうが、まどかちゃん達の前であの子の面目丸つぶしにしちまった
 ようなもんだしな。
 今の俺達はちょっとしたヒールかヴィランってトコだ」

「そっか。でも、今のマミちゃん……」
「……ん?」

マミの背に、映司は真剣な眼差しを向けた。

「亜樹子さんからも話聞いたけど、あの子、ずっと独りだったって。
 それがさ、ああして仲間が出来て、嬉しいって気持ちになるのは良いことだと思う。
 でも、だからこそ気をつけないといけないんだ……」

楽しそうに会話をするマミの横顔を見て、映司は本当に心配そうな表情をする。

まだ、一週間も経っているわけじゃないのに、長年連れ添った友人のように映司はマミの事を見ている。

それはまるで、依頼人のために必死になる亜樹子を見ているよう。

「今のマミちゃん……精神的にすごく危ない」
「……ああ」

***

「君達さ、僕の邪魔するのやめてよ」

カザリは、自分の周りに湧いてでてきた使い魔たちに向かってウンザリといった調子で語りかけた。

この街に来て、これで10度目。あまりにも多いこの異物との衝突に、流石のカザリも苛立ちを隠せなかった。

「800年ぶりとは言えさ――――僕の邪魔しすぎなんだよ、お前等」

銀髪の青年の姿が一瞬で掻き消え、ネコ科の姿をした獣人がそこに現れる。

グリード・カザリ。

共に復活したグリードの5人の内、二人を己の策によってこの世から消滅させた彼は、アンクと並ぶほどの知能を持つ。

しかし今の彼は、そんな知的な面を感じさせないほどに凶暴な空気を滲ませていた。

「まったくさ……君達ってば知能のカケラもない辺り、ウヴァ以下だよね、ほんと」

静かに音を立てずに歩みを使い魔たちへと進める。

それは、翔太郎達が対峙した使い魔と同タイプ。そして、その奥には魔女が。

「あと、君達がいるって事は、あの奇跡売りもいるんだろ? ウザいんだよね。
 ヤミーの親を食うのは程ほどにしてほしいってのに」

次の瞬間、槍と化した使い魔たちが雨のようにカザリへと降り注いだ。

「だから、ウザいんだって」

しかし、それがカザリの身体を傷つける事はなかった。
チーターのように槍の雨を掻い潜り、トラのような鉤爪で次々と引き裂いていく。

「邪魔するなって……言ってるだろ」

苛立ちを含んだ静かな怒声。それと同時、カザリを中心い竜巻が巻き起こる。
その竜巻に使い魔たちは呑まれ、残虐な風が使い魔の身体をバラバラに引き千切った。

「――――!」

その凄惨な光景に10本の腕を持つ魔女が叫び声をあげた。
近くにいる使い魔をその全ての手に握り締め、カザリへと投げつける。

「だからさ……怒らせないでよ、僕を」

先ほどまでとは比べ物にならない速度で自身へと迫る槍を、その俊足で避け、飛び退ける。

「何度も何度も言ってるのに、聞き訳がないにも程があるよ……君」

そして、脚部に力を込め、カザリが跳ねた。

一瞬で魔女に肉薄し、その鉤爪が魔女を捉える。

「――――」

次に気づいた時、魔女の首は根元から刎ねられていた。

吹き上がる異形の鮮血。なくなった首を求めて、魔女がその10本の手で虚空を掻くが、見つかるはずもない。

「ははっ、だから言ったのに」

そして、先程までの苛立ちをぶつけるようにカザリがその手を刎ね始めた。

「あははっ」

一本ずつ、一本ずつ、悶え苦しむ様を哂いながらカザリは腕を毟る。
まるで無邪気な子供のように、その残虐な行為を楽しむ。

そして、

「まぁ、これに懲りたら僕の邪魔をしない事だね――――もう遅いけど」

カザリの鉤爪が魔女へ振り下ろされた。

「――――」

真っ二つに入る線。ピタリと魔女が動きを止め、そして――

「バイバイ」

夥しい鮮血を吹き上げ、魔女が半分に引き千切れた。

掻き消える魔女の結界。そこに残ったのはグリーフシード。
だが、そんなものをカザリが欲しがる訳がない。

「残り滓の実か。ま、あっても残り滓がまた生まれるだけだしね……」

それをカザリが足で踏みつけた。
キシキシと、悲鳴のような音を立ててグリーフシードが軋んだ。

そして、グシャリとグリーフシードが潰れる。

中からドス黒く濁った血のような液体が零れ出し、カザリの足を汚す。
しかし、それすらもカザリには興味がない。

一瞬の間に銀髪の青年の姿に戻り、カザリは夜空を見上げる。

「……さて、ヤミーの親を探さないとね」

とんだ時間を食った、そんな調子で何事もなかったように、カザリは歩き出す。
眼の前に巨大な病院があったが、カザリの興味に合うような人間はいなかったらしく、それを無視して、また別方向へとカザリは去っていった。

その彼が去った病院の壁、しかし、そこに再びグリーフシードが現れていた。
果たして誰が貼り付けたのか、それは分からない。

だが、カザリの力を受けて、これまでにないスピードでそれは成長していた。
静かに脈打ち、今すぐに目覚めかねないほどに。


――見滝原の夜が更ける。


静かな病室の中に優しい風が吹く。春先の風はようやく穏やかに温もりを
届けるようになり、カーテンがふわりと揺れた。

差し込む夕日に照らされ、さやかは、片想いの少年の側に寄り添う。

上條恭介、大事な人。小さい頃に彼のバイオリンのコンサートを見て、
その音に惹かれ、彼に惹かれ、こうして一緒に大きくなってきて。

幼馴染、腐れ縁、お友達、色んな言葉で表現されるその関係が心地よくて。
ただ、ずっと彼の側にいる事がさやかの幸せだった。

しかし、

「…………っ」

彼の右手を見て、さやかの胸が激しく痛んだ。

彼は酷い事故にあった。それも、この病院にずっと入院せざるを得ないほどの大きな事故。

だが、彼に訪れた不幸はそれだけじゃなかった。バイオリニストの生命線、右腕を失いかけたのだ。

今でも、さやかは覚えている。
初めてお見舞いに行った時の、彼の絶望しきった彼の瞳を。
嗚咽を上げながら泣く彼の姿を。

だから、ずっとこうしてさやかは彼の元へ通っている。
彼のために何かしてあげられる事はないかと思って、彼の好きな音楽のCDを探して、買って、届けて、元気付けて。

そうして、彼に笑顔が戻るのを見て、さやかは満足している。
幼馴染として、当たり前の事をやっているだけなんだと。

何も、そこには見返りなんていらない、そう思っていた。


――そう、思いこんでいた


「……さやか?」
「え?」

不意に声をかけられて、さやかの頬が桃色に染まった。優しい笑顔にどうして良いか分からなくなる。

「あ、え、えっと……」
「一緒に聞こう?」

クスっと笑い、恭介はさやかに今まで聞いていたCDプレイヤーのイヤホンの片方を彼女に渡した。

「さやかが見つけてくれたレアなCD、僕だけ聞くのは、ちょっと気が引けるからさ」

そして、また微笑みかける。それに、さやかの胸は多幸感でいっぱいになる。
この笑顔だけでお釣りは充分になる。

「……うん」

そして、さやかはイヤホン素直に受け取った。彼の側に更に寄り添って、肩をくっつけて、離れないように近づけて、そのイヤホンで彼と一緒に音楽を聞く。

また、ふわりと春先の風が病室の中に入り込んだ。
少し薬っぽい匂いの風が鼻先をかすめ、さやかの髪の毛を揺らす。

彼と二人きり、誰にも邪魔されない、幸せな、さやかだけの時間。

だが、

「っ……くぅ……」

彼は泣いていた。それに、さやかの胸がまた激しく痛んだ。

理由なんて、言わなくてもさやかには分かっている。だから、それを口にしない。
ただ、彼に寄り添って、気づかない振りをするだけ。

だけど、それだけじゃない。
それだけじゃないが、今のさやかには、それを認めるような強さはなかった。

差し込んだ夕日が部屋の中いっぱいに広がり、春先の風が、また吹いた。


今度は、冷たい風だった。


***

「アキちゃん、本当に行くのかい?」

眼の前をズンズンと、女性とは到底思えないような大股で歩く亜樹子にフィリップが声をかける。

「良いの! 行くの!! もうそろそろ、限界!!」

ムキー、と鼻の穴を大きく広げて亜樹子が大声を上げた。

「恐らく、今の彼女はアキちゃんの言葉を聞くとは思えない。それでも?」
「そ・れ・で・も!!」

こうなった亜樹子を説得する術はない。流石に3日間ほど何もせずに缶詰にされれば、こうなるのも仕方ないわけだが。

「あたしはね、フィリップ君。マミちゃんを放っておけないの、分かる?
 そりゃ、拒絶されるかもしれないけど、だからってこれ以上このままなんて無理!!」

ウガーと今にも暴れ出しかねない勢いでさらに亜樹子はまくしたてる。

「そもそも! あんな子を独りで戦わせるって、そのキュゥべえって最低じゃない!!
 まだマミちゃんは中学3年の女の子なんだよ!?」

「ま、それは一理あるね」

「翔太郎くんやフィリップ君はともかく、そんなのって絶対おかしい!!
 魔女を倒せるのがマミちゃん達だけだとしても、独りきりなんて…………!!」

「…………」

亜樹子がピタリと立ち止まる。その手が怒りで震えてるのがフィリップにも目に見えて分かった。

「そんなの、絶対寂しいよ……」

静かに、亜樹子が怒った。

「……鳴海壮吉のこと、思い出してるのかい?」
「うん。お父さんも……独りで戦ってたの、分かったから」

鳴海壮吉、今は亡き鳴海探偵事務所の主。照井亜樹子となった彼女の父。
そして、仮面ライダースカル。

風都をガイアメモリの恐怖から守り続けた孤高の戦士。
独りで街を守り、その背に全てを背負い込み、傷に耐えてきた男。

かつての亜樹子ならともかく、今の亜樹子は、父の全てを知っていた。

メモリーメモリ、他人の記憶を集めるメモリによって彼女は父の過去を見た。
そこに映った彼の孤独な背中を、亜樹子は今も鮮明に覚えている。

そして、亜樹子は、彼とマミを重ねていた。

「お父さんは、独りの辛さを知っていた。だけど、その辛さに耐えてでも守りたいものが
 あったんだよ……今だから分かるけど」

そして、亜樹子の目が見滝原の街へと注がれる。

「だけどね。マミちゃんは違う。あの目を見て、お話して、わかったよ。
 あの子は、孤独を忘れるために戦ってる」

一陣の風が吹いた。荒々しく、だけど全てを包み込む風。
まるで、風都に流れる風のよう。

「だから、あたし行く。マミちゃんに嫌われても構わない。
 あの子のこと、独りになんて、あたしには絶ッッッ対できない」

振向いた亜樹子の瞳の奥、そこに燃え盛る炎があるのをフィリップは見た。

「フィリップ君、止めても無駄だからね?」
「とっくの昔に分かってるよ、アキちゃん」

亜樹子に笑いかける。
本来ならば、もう少しこの街の情報を集めたい所だったがこうなっては言っても聞かないのが照井亜樹子という人間である。

しかし、そんな彼女だからこそ切り開ける道があるのをフィリップは知っている。
こうなった時の彼女は強い。

「じゃ、行くわよ!!」

そして亜樹子は駆け出す、威風堂々と。
その背には、間違いなく鳴海壮吉と同じものが在った。

***

マミは、放課後の学校を静かに眺めていた。
つい先日、さやかとまどかに話したことを思い出す。

「願い事……か」

自分のために願う事、他人のために願う事。
マミは『死にたくない』という自分の願いをかなえ、孤独になった。

『生きたい』という願いの代償は家族の死と、孤独。
そして、訪れたのは死と隣り合わせの魔法少女としての戦い。

だからこそ、さやかの言う他人のために願う事の怖さを知っている。

もし他人のために願って自分に何も残らなかったら、そう思うと、その願いをはっきりさせる事はとても大切なのだ。

「でも……私に言う資格、ないよね」

分かっている。そんな風にさやかが思うようになったのは、自分という存在が側にいたからだ。

魔法少女という力、願いという奇跡、目の前にあるソレに手を伸ばしたくなるのは仕方のないことなのだ。

そして彼女は幸か、不幸か魔法少女としての才能があった。

「……っ」

瞬間、マミは手を握り締めた。微かに震える手。マミは、心の底で囁く声に怯えていた。


――理由なんて要らない、仲間がほしい

――良いじゃない、簡単な願いでも

――仲間が手に入るなら、何をしたって良いじゃない


なんて利己的な思いか。

これまでの孤独を癒すように現れた鹿目まどかと美樹さやかという二人の存在は最早、マミにとっては手放しようがない存在になっていた。

しかし、

『分かってるよね? マミちゃん?』

その亜樹子の声がマミに怯えをもたらす。静かに諭す彼女の声が耳元で響くのだ。

キュゥべえの言うように、彼女の言葉なんて本当は信用できるかどうか分からない。
いや、むしろ、彼女は自分の世界を壊してしまう存在だ。

そう、頭では理解している。

だけど、彼女の声が、今でもマミの頭でリフレインしている。

どちらに耳を傾けるべきなのか。日に日に、マミは分からなくなっていた。
あの時、まどか達を選んだ自分すら信じられなくなっていた。

「私……私は」

そう、つぶやいた時だった。

「――マミさん!!」

必死な声を上げるまどかの声が耳に届いた。

「大変なんです――グリーフシードが!!」



――巴マミにとっての運命の瞬間が、訪れようとしていた




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