まどか「マスクドライダーシステム?」『夢の中で会った、ような / そんな調子じゃ肩が凝る』

2011年05月05日 19:17

まどか「マスクドライダーシステム?」

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2011/03/19(土) 11:30:40.88 ID:u6WK6D8m0

まどかは広い道路を走っていた。
都市のように開発されている見滝原は、それでいて緑に囲まれており、
自然と都市の調和が美しい街だ。 木漏れ日も、暖かく降り注いでいる。

ある程度走っていくと、二人の少女が見えてくる。
緑髪のおっとりとした美少女と、活発な雰囲気を醸し出す青い髪の少女だ。
二人はまどかを見つけると、笑顔で彼女に手を振った。

「おはよー、さやかちゃん、仁美ちゃん」

「おはようございます、まどかさん」

「まどか、遅ーい! お、かわいいリボンしてるねぇ」

「そ、そうかな? 派手すぎじゃない?」

「とても似合っていますわ」

まどか達はいつも通りのやりとりをしながら歩き始める。
時折駆けたり、ゆっくりと歩いたり。 笑いが絶えない通学であった。

今度はゆっくりと歩きながら、まどか達は一列になる。

「でね、『ラブレターじゃなく直に告白できなきゃ駄目だ』って」

真ん中に居るまどかは、二人に朝聞いた母の話をしてやる。

「相変わらずかっこいいねえ、まどかのママは。
 美人だし、バリキャリだし!」

一番前を歩いていた仁美が振り返った。

「そんな風に割り切れたらいいのですけど……はぁ……」

仁美が溜め息を吐き、俯く。
その顔は憂いを帯びており、この少女の美しさを際立たせる。

さやかが意地の悪い笑みを浮かべながら、仁美をからかう。

「羨ましい悩みだねぇ?」

「いいなぁ……私も一通くらい貰ってみたいな。 ラブレター」

まどかやさやかは、仁美のようにラブレターを貰うことなど無い。
というより普通は無いのだが、目の前の仁美がこうもよくラブレターを
貰っているのを見ると、羨ましくもなってくる。

「ほぉーう? まどかも仁美みたいにモテモテの美少女に変身したいと?
 それで、まずはリボンからイメチェンですかなぁ?
 ……さては、ママからモテる秘訣を教わったな~? けしからんっ!」

「ち、違うよ! そんなんじゃないよ!」

「えぇーい、問答無用! そんな子は、私が嫁に貰ってやるぞぉ!」

さやかとまどかがじゃれ合っているさまを見て、仁美はまた溜息をつく。
ここはもう校門に近い。 近くに居る仁美も、かなり恥ずかしいのだ。

「……なにやってんの、お前ら」

そこへ、不意に男の声が入ってくる。 見た目からして警官のようだ。
いかにもなお巡りさんの格好をして、いかにもな自転車に乗っている。
ただ一つ違和感があるとすれば、何故か銀色のトランクを持っていることだ。


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「あら、加賀美さん。 おはようございます。
 いえ、あのように二人でじゃれ合っていまして……」

真っ先に気付いた仁美が、彼に挨拶と説明をする。
それを聞いた警官――加賀美と呼ばれた――が、盛大に溜め息をつく。

「ああ、おはよう仁美ちゃん。
 ……お前らな、もうここ校門前だぞ? 恥ずかしいと思わないのか?」

「あ、おはよう、加賀美さん。 違うんですよ、さやかちゃんがぁ……」

「うーっす加賀美ー。 お、私のせいにするのかぁまどか?
 お主がハレンチなのがいけないのだぞぉー?」

「おはよう、まどか。 ……加賀美『さん』だろさやか。 まあ、おはよ」

さやかに釘を差しつつ、二人に挨拶を返す加賀美。
どうやら彼は、年下に慕われやすい上、舐められやすい体質のようだ。
それだけ、親しみやすい人柄というのもあるのだろう。

加賀美の横槍のおかげで冷静になったのか、まどかは頬を若干赤く
染めながら俯く。 対してさやかは、すでに加賀美をからかう方向へとシフトしていた。

「おやおやー? この街のお巡りさんは、いたいけな女の子をいじめる趣味を
 持ってるんですかなー?」

「誰が、いつ、そんなことをしたんだよ……」

顔をひくつかせながら、ツッコミを入れる。
心なしか、まどかと仁美も意地の悪い笑みを浮かべている。

「加賀美さん……私、傷付けられましたぁ……」

「あら加賀美さん? そういうのはよろしくないんではなくって?」

加賀美の顔が、どんどん引きつっていく。
まどか達はとても楽しそうに、加賀美をいじり続けた。
主にさやかが、ではあるが。

「お前ら、いい加減に……しろぉ!」

「おぉぉぉっ……ととと」

加賀美が遂にさやかに拳骨を下ろそうとするが、それは間一髪避けられてしまう。

「うぉっ!? こら逃げんなさやかぁ!」

「やーだね! 捕まえてみなさーい?」

一目散に校門に向かって行くさやかに対し、
加賀美はしてやったり、という表情になる。

「ククククク……流石に俺は大人だからな。 
 もうお前には振り回されないぞ!」

ありもしない顎髭をなぞる動作をしながら、加賀美はまどかと仁美に顔を向ける。
その顔はとても得意げだ。 いわゆる『ドヤ顔』である。

まどか達は、そんな加賀美に苦笑いを浮かべながら、さやかを追いかけ始める。

「それじゃあ、加賀美さん。 いってきます!」

「おお、行ってらっしゃい。 何かあったらすぐに連絡するんだぞー!」

「わかっております。 では、いってきますわ」

こうして、少女達は学校へと入っていく。
あさから元気いっぱいの少女達に、加賀美は満足そうな表情をした。

「街の子供たちの元気な笑顔。 うーん、この仕事してて良かった~!
 ……さやかの生意気な態度はムカつくけど」

加賀美はそう呟くと、改めて自分の勤める派出所に向かうのであった。



「さやかちゃん、走るの速いよ……」

結局、まどか達がさやかと合流するのは、教室の中になってしまった。
さやかも得意げな『ドヤ顔』になっている。

「あー、ごめんごめん。 加賀美の反応があまりに面白くってさー!」

「もうっ! 加賀美さん結構怒ってたよ?」

「大丈夫大丈夫。 どうせ明日には忘れてるって!
 毎回そうだし」

あっけらかんと宣言するさやか。
その様子を見て、まどかは溜め息を吐いた。

「はぁ……なんか二人とも、いっつも同じやりとりしてるよね……
 よく飽きずにやるよ……。 あ、先生入ってきた」

時計を見ると、すでにホームルームの時間となっていた。

「お、じゃあ席戻るとしますか。 って言っても、まどかの一個前なんだけど」

「そうですわね」

ホームルーム開始のチャイムがなると、担任教師がおもむろに話し始める。

「今日は皆さんに大事なお話があります。 心して聞くように!」

担任はすうっと息を吸うと、凄まじい声量でまくし立てた。

「目玉焼きとは、半熟ですか!? かた焼きですか!? はい、中澤くん!」

「えぇっ!? えっ……と。 どっちでもいいんじゃないでしょうか……」

「その通り! どっちでもよろしい! 
 たかが卵の焼き加減で、女の魅力が決まると思ったら大間違いですっ!」

担任は感情が高まったのか、遂に持っていた指し棒をへし折ってしまう。
小気味のよい音をならして折れ曲がった指し棒を見ながら、さやかはまどかにひそひそと話しかける。

「やっぱり駄目だったんだ、新しい彼氏と」

「あはは……」

その間にも、担任はガミガミと大声でしゃべり続けている。
よほど鬱憤が溜まっているようだと、生徒一同で感じとっていた。

そんな教室に、急に入ってくる男性が一人。
いかにもなスーツを着込んでいる男性の首には、『研修』と書かれた札がかけてあった

「……話が長いぞ」

「て、天道さん!?」

「うっそ、マジ?」

その男を見たまどかが、驚きの声を上げる。
後ろのさやかも、同じ反応をしていた。

「あ、天道先生。 卵の焼き加減は――」

もはや暴走状態となっている担任は、天道にも同じ質問をしようと
するが、途中で遮られる。

「目玉焼きは、難しい料理の一つだ。 それに好みの問題でもある。
 だが、あえて言うならば、そうだ、固くも無く、半熟でもない。
 それでいてしっかりとしていて、しかも口に入れるととろけるような、
 そんな目玉焼きこそが最高の物だ。 ……中澤、目玉焼きには何をかける?」

「ま、また俺? 醤油、ですけど」

「ちなみに俺は何もかけん。 卵料理一つとっても、好みはそれぞれだ。
 そういう訳だ。 わかったか?」

いきなり目玉焼きについての持論を展開する天道。
それを見て担任も落ち着いた、というよりも圧倒されていた。

「あ、ああ、その通りです、ね?
 ……あ、こちら教員研修生の天道総司先生です」

さらっと衝撃発言をする担任。
おいそっちの方が大事だろと、生徒全員が思った。

そんな生徒達などには構わず、天道はデジタルボードに名前を書き込んでいく。
名前を書き終えると生徒の方へ向き直り、その腕を掲げ、天に指差した。

「天の道を往き、総てを司る男――
 天道総司。 存分に俺に教えを請い、成長するといい」

あまりに前衛的な自己紹介に、生徒のほとんどが唖然とする。
天道は更に続ける。

「今日は転校生が来ている。 新しい人間というのは話しかけづらいが、
 まあ仲良くしてやってくれ。 ……入れ」

いかにも前から自分がここに居たように天道が入り口に向けてそう言い放つと、転入生の少女が教室に入ってくる。 
長い黒髪に細身の体。
かわいいというよりも、凛々しい顔つき。

その少女に、まどかは見覚えがあった。

「うっわ、すげぇ美人!」

「……うそ……」

さやかがまどかに耳打ちする。
まどかには、それに答える余裕もない。

少女は教卓の場所で立ち止まり、正面を向いた。
担任が少女に自己紹介を促すと、少女はゆっくりと口を開いた。

「暁美ほむらです。 よろしくお願いします」

担任が、名前をボードに書こうとするが、ボードの左から右まででかでかと書かれた『天道総司』の字が邪魔をする。
こんなにも大きく書いておいて、達筆なのに腹が立つ。

ほむらはもう一本のペンを持つと、隙間に器用に名前を書いた。

書き終えるともう一度生徒達に向き直り、深く一礼すると、生徒達は戸惑いながらも拍手する。

「愛想が悪いな。 これから同じクラスなんだ、
 もっと明るくわかりやすく挨拶したらどうだ」

「……アンタが言うか、アンタが」

小声でさやかが突っ込む。 天道が居ることに既に適応しているあたり、適応力は流石に高い。

まどかとほむらの目が会う――否。 ほむらがまどかを見る。
まどかはそれに耐え切れず、軽くうめいて目を逸らした。



休み時間に入ると、ほむらは真っ先に女生徒に囲まれた。
転入生の宿命、質問攻めである。
ほむらはある程度それに答えると、突然立ち上がった。

「ごめんなさい……ちょっと気分が悪いから、保健室に行かせてもらってもいいかしら」

ほむらがそういうや、周りの生徒は皆して案内役を申し出る。
しかし、ほむらは全て断ると、別の席でさやか達と雑談していたまどかのもとへと歩み寄る。

「鹿目まどかさん。 あなたが、このクラスの保健係よね。
 保健室に連れて行ってくれないかしら」

「あ……うん」

まどかは戸惑いながらも了承し、二人で教室を出た。

ほむらと共に保健室へ向かう廊下を歩く。
まどかが案内すると言いつつ、先導するように歩くのはほむら――
何故か彼女は何の迷いも無く廊下を歩いて行く。 
まるで予め道筋を知っているかのように。

まどかはオドオドしながら、ほむらの後ろに付いて行く。

「あ、あの……その。 私が保険係だって、どうして……?」

「天道先生から聞いたわ」

そう言われるとまどかは得心が行ったのか、苦笑いを浮かべた。

「あはは……そ、そうなんだ……。
 あ、て、天道さ――先生はね? あんな感じだけどいい人……だから。
 ……担任の早乙女先生もだよ?」

「……そう」

ほむらは一言だけ応えると、あとは無言で進んで行く。
時折まどかが話しかけても、一切返してこない。

「あ、あの、暁美、さん?」

「ほむらでいいわ」

「ほ、ほむら……ちゃん?」

「……何かしら」

きちんと名前を呼ぶと、一応は返事をしてくれる。
そうわかると、まどかは何とかして話題を探す。

「え、っと、か、かわった名前だよね!」

ほむらは答えない。
名前というのは何分コンプレックスになりやすいものだ。
怒らせてしまったのだろうか。

「いや、その……変な意味じゃ無くてね? か、かっこいいなあ、なんて……」

ほむらが突然振り返る。
まどかがびくんと肩を震わせ、どんな怒りの言葉が飛んで来るのかと怯えた瞳でほむらを見た。

だが、その口からは突拍子も無い言葉が出てきた。

「……鹿目まどか」

「は、はいっ」

「……あなたは、自分の人生を尊いと思う?
 家族や友達を、大切にしてる?」

怒られるものと思っていたまどかは、多少安堵しつつも、質問の意味をはかりかねていた。

「えっ、と。 私は……大切、だよ。 家族も、友達の皆も。
 皆みんな大好きで、とっても大事な人達だよ」

それは、まどかにとっては当たり前の認識。
家族も友達も、皆全て大切にする。
微笑みを携えて、まどかは答えた。

「本当に?」

「本当、だよ。 嘘なわけないよ!」

「……そう」

ほむらは、一切表情を変えずに語る。

「もしそれが本当なら、今とは違う自分になろうだなんて、絶対に思わないことね。
 ……さもなければ、全てを失うことになる。 あなたは、鹿目まどかのままでいい。
 今までも、そしてこれからも」

そう言うと、ほむらは振り返り、歩き出す。

「ま、待って!」

しかし、まどかに呼び止められ、また振り返った。
まどかは、今度は真っ直ぐにほむらを見つめる。

「……何?」

「あ、あのね? わ、笑わないで聞いてね?」

「……だから、何だというの?」

まどかは、恐る恐る語りだした。
自分が学んだことを。

「わ、私の、尊敬する人がね? 教えてくれたんだ。
『世界は自分を中心に回ってる。 そう思った方が楽しい』……って。
 あの時はわからなかったけど、もしかしたらそれってさ、
『自分が変われば世界も変わる』って意味なんじゃないかな、って……」

ほむらが苦い表情になる。

「でも、その変わった世界は、あなたの望む物では無いわ」

底から沸き上がる悲しみを抑えるような声で、ほむらが返す。
まどかは、あくまで穏やかに、ほむらを見つめていた。

「でも私、他人の為に変われる事って人間の良い所だって、教えてもらったから」

「っ……!」

まどかが、恥ずかしそうな笑みを浮かべながら、控えめに腕を掲げ、天を指差す。

「『天の道』って、言うんだって。 えへへ……まだ、よくわかんないけどさ」

「天の、道……」

ほむらは一度そう言うと、今度こそ踵を返して歩き出した。
その顔は、怒りに歪む。
今度はまどかが追ってこない。

まどかと完全に別れると、歩きながらほむらは呟いた。

「天道、総司――
 許せない、あの男は」

「呼んだか?」

「っ!」

今一番憎い相手が、ほむらの前に現れた。
ほむらは、怒りのままに言葉をぶつけてしまう。

今一番憎い相手が、ほむらの前に現れた。
ほむらは、怒りのままに言葉をぶつける。

「あなたは! どうしてそんな無責任なことを……っ!
 その言葉が、あとでどんな影響を及ぼすか、考えたことがあるの……!?」

天道は、余裕の笑みを崩さない。

「何をそんなに怒っている。 俺は無責任などではない。
 世界の中心は俺だ。 全ては俺が背負っている。
 中心たる俺の近くにいたまどかが変わったのは、必然だ」

「それは傲慢よ! 何も守れない癖に!
 為す術も無い癖に!」

もしかしたら、この男はあの戦士達の一人だったのかも知れない。
しかし、結局は何もできなかったではないか。
ほむらの言葉には、そういった意味が込められていた。

天道は笑みを消し、ほむらを見つめ直した。
しかしその眼差しの中に敵意は無い。 
それでいて、鋭い眼差し。

「お前が何を知っているのかは知らん。 だが、一つだけ言えることがある」

天道がほむらに近づき、その肩に手を乗せる。
その手をほむらはすぐに打ち払い、キッと天道を睨みつけるが、天道はそのまま通りすぎていく。

「そう攻撃的になるな。 そんな調子じゃ肩が凝る。 少しは力を抜け。
 おばあちゃんが言っていた――『未熟な果物は酸っぱい。 未熟者ほど喧嘩をする』ってな」

ほむらはもう答えない。
天道はもう一度立ち止まり、振り返らずに言った。

「それともう一つ。
 朝にも言っただろう――『存分に俺に教えを請い、成長するといい』ってな。
 それはお前も例外じゃない。 お前が求めるなら、俺はいつだって応えてやる」

天道はほむらからの返答を待つこともせず、そこから立ち去った。


――そこに残ったのは、ただ立ち尽くすほむらだけであった。


/////


仮面ライダーカブト!

助けて、加賀美! まどかが、まどかが――

またこいつを使うことになるなんて……変身!――

私は巴マミ。 あなた達と同じ、見滝原中の生徒よ――

僕と契約して、魔法少女になってよ――

おかしいに決まってるだろ! 同じ魔法少女なんだろ? なら、協力すべきだ――

次回『それはとっても嬉しいなって / 来てくれ、ガタックゼクター!』

天の道を往き、総てを司る!



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