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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その6

2011年05月13日 19:41

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」

176 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 00:46:43.68 ID:ePK5VgwAO

ーAEU・イタリア北東部基地ー

ヨハン「……」カチッカチッ

ドドドド……

ヨハン「……」カチッカチッ

『第三部隊壊滅! 第四部隊被害甚大!』

『本部へ、このままじゃなぶり殺しだ! 至急増援をッ!』

ヨハン「これで、ミッションコンプリート……」カチッ

ズギャァァァァァァ!

『うっうわぁザザッ』

『ザーーーーーーーーーーーーーーーーー』

ヨハン「……」

ミハエル『ヒャッホー! 兄貴ィ、こっちはきれいさっぱり皆殺しにしてやったぜェ!?』

ヨハン「了解した。ミハエル、ネーナ、撤退するぞ」

ネーナ『キャッハハハハハハ! もぉサーイコォ♪』

ゴォォォォォ……


ーAEU・本部ー

マネキン「何だと!? また我が軍の基地がガンダムに壊滅させられたと言うのか!」

『はい。生存者の証言では、またあの新型と思われます』

マネキン「ッ……」ギリッ

マネキン(タクラマカンの一件以来、まるで人が違ったような介入行動を始めるようになったな……ガンダム)

マネキン「ガンダムの逆鱗に触れた、というところか。どちらにせよ、各個に叩かれたのではガンダムには対抗しきれん……」

バタンッ

コーラサワー「大佐ッ!何故です、何故私にも」

マネキン「ノックぐらいしろといっているのだこの愚か者ッ!」

コーラサワー「ひぃっ!?」

マネキン(個別にしか戦えん現状、下手に我が軍のエースを出して殺される訳にはいかん……)

マネキン「まぁ、お前なら殺そうとしても死にそうにないのだが……」

コーラサワー「え? いやだなぁ大佐いきなりほめないでくださいよ」ニヘラ

マネキン(正直、イナクト一機の値段が惜しいのだがな……)


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ー頂武・基地ー

ソーマ「これで七度目……テロリズム牽制の意味合いも強い軍隊の基地を狙うとは、ガンダムは本格的に世界から軍を消すつもりなのでしょうか?」

セルゲイ「奴らの目的が、世界の破滅ならばそうなのかもな」

ソーマ「世界の、破滅……」

セルゲイ「だが以前のガンダムとはまた違った意味で、今回のガンダムには奇妙な点が多い」

ソーマ「奇妙な点ですか?」

セルゲイ「あぁ。新型の奴らには、明確な目的が見られないということだ」

セルゲイ「以前のガンダムは紛争根絶の名の下に、麻薬の消滅、テロリストのアジトの破壊、極端になればアザディスタンのようにマスード・ラフマディ氏の保護など、手段は兎も角綿密に練られた計画の下作戦が行われていた」

セルゲイ「実際モラリアPMCトラストの一件も牽制の意味合いが近い介入行動に留めている」

ソーマ「世論を敵に回さない範囲で立ち回り、意識改革を求めたといった様相でしょうか?」

セルゲイ「うむ。故に我々も世論を気にしながら戦わねばならなかった」

セルゲイ「だが今回の介入行動は基本殲滅、もはや世論配慮も枠組みも無視した意図不明の虐殺だ」

セルゲイ「同じ組織の行動とはとても思えん……奴らは本当にガンダムなのか?」

セルゲイ「以前のガンダムの作戦は、乗っているパイロットがそれに対する理解や配慮を備えたものが多い。超兵機関のガンダム介入もまた、時期やタイミングからいってパイロットからの提案が無ければ行われなかったものと推測する」

ソーマ「……」ギュッ

セルゲイ「アザディスタンの一件もそうだ。パイロットが完全に作戦の中核、組織の理念の一部として組み込まれているのだ」

セルゲイ「故にあのような大胆かつ繊細な作戦を実行してこれたといえよう。信頼関係と確固たる意志が無ければ……成し遂げられはしまい」

ソーマ「あの超兵も、確固たる意志があるのでしょうか?」

セルゲイ「恐らくはな。しかし今回の新型は、基地に現れては皆殺しにするだけ。もはや殺し屋か鉄砲玉の領域だ」

セルゲイ「だが……その殺し屋集団を止められないのが今の我々か」

ソーマ「一体どうすれば……」

セルゲイ「……何かが必要だ。奴らが現れた為に閉じてしまった時代を、切り開く可能性を秘めた何かが」

ソーマ「可能性……」

セルゲイ「それはガンダムか、我々世界か、それとも……」


ーユニオン・墓地ー

グラハム「…………」

ダリル「隊長、此方です」

グラハム「あぁ」

カサッ

グラハム「ハワード・メイスン……二階級特進により中尉か」

グラハム「マリーダより上にいってしまったな、ハワード」

ダリル「……奴はマリーダ少尉を、心根では妹のように思っていたと言っておりました」

ダリル「あのような少女が戦わなくても良いように、我々フラッグファイターは戦わねばならないと」

グラハム「いつもマリーダを一番に案じていたのは、ハワードだったな……」

ダリル「はい」

ダリル「そしてそれ以上に……アイツは、誰よりも隊長のことを尊敬しておりました」

ダリル「次期主力MSにフラッグが選ばれたのも、テストパイロットをしていた隊長を御陰だと……」

グラハム「私は、フラッグの性能が一番高いと確信したから、テストパイロットを引き受けたに過ぎんよ」

グラハム「しかも、性能実験中の模擬戦で……私は恩師であるスレーチャー少佐を……」ググッ

ダリル「あれは不幸な事故です、隊長!」

グラハム「……」

ダリル「……」

ダリル「隊長、ハワードは生前こうも言っていました。隊長のお陰で自分もフラッグファイターになれた……これで隊長と共に空を飛べると」

グラハム「……そうか」
グラハム「彼は私以上に、フラッグを愛していたようだな」

スッ

グラハム「ならば、ハワード・メイスンに宣誓しよう。私、グラハム・エーカーは、フラッグを駆ってガンダムを倒すことを」

ダリル「……!」スッ

PiPi

グラハム「私だ」

グラハム「……何! マリーダが意識を取り戻したと!」

ダリル「ほ、本当ですか!」

グラハム「……な……何だと……?」


ーイリノイ・病院ー

グラハム「こ、これは……!」

ダリル「ひでえ有り様だ……壁に穴が開いてやがる。キングコングでも暴れたのかよ?」

医師「キングコングでは有りませんが、マリーダ少尉のやったことです」

ダリル「えっ!?」

医師「目覚めた瞬間錯乱状態に陥りまして、看護師や近くにいたエドワーズ少尉が宥めに入ったのですが……」

グラハム「……」

ダリル「これが女の子がやったことなのかよ……」

医師「エドワーズ少尉の犠牲もあり、今は鎮静剤と睡眠誘発剤投与で安静にしておりますが、原因が分からない以上は対処のしようもないのが現状です」

グラハム「マリーダ……」

キュッ

ダリル「た、隊長!」

グラハム「いつ出撃があるとも分からん。戻るぞダリル」

ダリル「し、しかし……」

グラハム「今彼女に逢えるとしても、ハワードとプロフェッサーを失った今、どの様な顔をしてそれを伝えればいいのか分からん」

グラハム「だから戻る。私に出来ることは……戦うことしか無いのだから」

ダリル「隊長……」

『相変わらずの堅物だな、グラハム・エーカー中尉』

ダリル「部隊編成の折りに上級大尉に昇進成された! 失礼……な……」

グラハム「あ、あなたは……」

ホーマー「あぁ、そうだったな。これは済まない上級大尉」

グラハム「ホーマー・カタギリ司令!?」

ダリル「し、失礼致しました!」ビシッ

ホーマー「構わん。間違いを犯したのは私だ」

ホーマー「楽にしたまえフラッグファイター。今回の作戦の件、ご苦労だったな」

ダリル「は……はっ! 恐れ入ります!」

グラハム「司令、何故イリノイに?」

ホーマー「知らなかったのか? アレは養子縁組で戸籍上私の娘となっている」

グラハム「アレ……マリーダがですか?」

ホーマー「そうだ。だが、それだけならば此処には来ない」

ホーマー「……ついて来いグラハム。院長には既に部屋を借りている」スタスタスタ

グラハム「…………」

ダリル「い……いったい何の話をされているのですか? 隊長」

グラハム「ダリル、先に戻っていろ。私は司令と重要な話がある」

グラハム「ジョシュアを拾って帰るのも忘れるなよ。オーバーフラッグスの貴重な戦力だからな」

ダリル「はっ! 隊長、御武運を……!」

グラハム「ついに此処までこぎ着けたか……」

グラハム「お前の暗部、刮目させてもらおう。わが母国、ユニオンよ!」

『プルプルプルプルプルー!』パタパタパタパタ

グラハム「!」クルッ

シーン

グラハム「……?」

ホーマー「どうした? グラハム」

グラハム「いえ、気のせいだったようです……」


ー応接室ー

ホーマー「ふむ。流石に和室は無かったか」

グラハム「以前お招きいただいた、日本の茶室は良かったですな。狭さの中で神経が研ぎ澄まされるのを感じました」

ホーマー「ふっ……ガンダムの一件が片付き、アレの傷が治ったら、また招くとしよう」

グラハム「お待ちしております、司令」

ホーマー「……さて人払いは済ませた。もう、そろそろ始めるとするか」

グラハム「……」

ホーマー「何から話そうか……そうだな、まずは、一人の少女の話から始めようか」

ホーマー「昔、今から二十年ほど前に……エルピー・プルと言う、十一歳の少女がいた」

グラハム「エルピー・プル……」

ホーマー「ユニオン直轄の孤児院に住んでいた彼女は、不思議な力を持っていた。人の意識を感じ取る力、機械などの構造を読み取る力、物事の本質に寄る力」

ホーマー「国は彼女の能力に着目し、彼女を研究するための機関を設立した」

ホーマー「しかし……その研究所が機能することはなかった」

グラハム「何故、です?」

ホーマー「エルピー・プルは輸送中研究所に行くのを嫌がり脱走、途中の道路で交通事故に遭い……事故死したからだ」

グラハム「なっ……!?」

グラハム「そんなことが、二十年前に……」ググッ

ホーマー「……憤っても仕方無い。知っていたとしてもお前は当時何歳だ?」

グラハム「……」

ホーマー「続けるぞ」

ホーマー「無論機関は解体された。その場で研究所も閉鎖になり、全て無に帰すはずだった」

ホーマー「だが……ユニオンの財界の何者かが、それを良しとしなかった」

グラハム「何者か?」

ホーマー「分からん。だが秘密裏に研究所を運営し、当時としては最新鋭の機器を買い入れるだけの資金力はある人物だ」

ホーマー「そしてその人物の手の下、始められたのが【恐るべき妹達計画】……又の名を【プルクローン計画】」

グラハム「恐るべき妹達……計画?」

ホーマー「人革連の超兵計画が【最高の兵士の造り方】を求める計画なら、プルクローン計画は【最高の人間の複製】が目的だった」

ホーマー「もう察しはついているだろう……」

ホーマー「マリーダ・クルス、個体名プル・トゥエルブ。彼女はエルピー・プルの十二番目の複製として産まれた、クローン人間だ」

グラハム「マリーダが……クローン人間……!?」

ホーマー「そうだ。彼女はエルピー・プルの再来を夢見て生み出された十一人の妹達の末子……そして、計画の犠牲者だ」

グラハム「犠牲、者?」

ホーマー「……」

ホーマー「計画は本来エルピー・プルの再来を目的としたものだ。出資者が何を目的としてそれを望んだかは分からない、ただ計画は彼女等を生み出してから一時停滞することになる」

グラハム「……エルピー・プルには不思議な能力があった。だが」

ホーマー「そうだ。同じ遺伝子であるからと言って、妹達にはその能力が発現しなかった」

ホーマー「そして同時期、彼らはまるで追われるように研究所を移しながら転々と各地を移動しているのだ」

グラハム「計画を何者かに感づかれた?」

ホーマー「知られてはならない者達……恐らくは、ユニオン外部の人間にな」

ホーマー「そして計画は、全く違う方向に動き出す事となる」

ホーマー「計画を遂行する者達は、プル・クローンが能力を得ない理由の考察に於いて一つの結論に到達した」

グラハム「状況の再現、ですか?」

ホーマー「察しがいい。その通りだ」

ホーマー「元々エルピー・プルは、両親を早くに失い天涯孤独の身だった。孤児院も何度か移り変わっている。幼い子供からすれば、見知らぬ環境を転々と盥回しにされる状況は強いストレスになっただろう」

ホーマー「研究者達は、彼女の能力の発現のキーとして【強い心的ストレス】が原因として、とある行動に出る」

ホーマー「VRシステムの仮想現実を利用した、様々な種類の心的ストレスをクローンへと与え始めたのだ」

グラハム「VRシステム、ですか?」

ホーマー「計画は当初の予定よりかなり軌道修正されていた。当初のエルピー・プルの再来という目的は、いつの間にか彼女の能力の研究という元の目的と、それを利用したエスパー兵士の製造という超兵計画に似た側面を持ち始めるようになった」

ホーマー「薬物とVRシステムによる、強力な仮想現実の刷り込み。同様に、投薬と手術による身体強化、VRシステムによる戦闘訓練」

ホーマー「いつの間にか、年端も行かない少女を、戦争の道具として扱うための計画に変わっていったのだ」

グラハム「何という……事を……!」

スッ

グラハム「……これは?」

ホーマー「VRシステムの簡易装置といったところか」

ホーマー「百聞は一見に如かず……体験して見ろ。これが、マリーダの現実だ」

グラハム「……」カチャッ

キュィィィィィン

グラハム「 」

ガッシャァンッ
ズシャァッ

グラハム「ぐっ……おぇっ……はぁっ!?」

ホーマー「……ッ」グッ

グラハム「はっ……何なのですか……これは……?」

ダッ
ガシッ

グラハム「いったい何なのだこれはッ!?」

ホーマー「それがマリーダの受けた現実だッ!!」

グラハム「っ……こんな……」

ホーマー「それがマリーダに与えられたVRシステムの心的ストレス……陵辱による尊厳の破壊」

グラハム「こんなことが……っ!」

ホーマー「そして強化手術と投薬により……彼女は本当に子供が産めない身体になった」

グラハム「こんなことがあっていいのか……!?」

ホーマー「……」

ホーマー「……計画が、一定レベルまで進んでから、私はその計画に一瞬だけ関わる機会を得た」

ホーマー「国家予算を使わない外部投資による極秘計画……それに興味があり、何とかして彼等にアポを取った。そして、私はマリーダに出会った」

グラハム「……」ググッ

ホーマー「VRシステムによる心的ストレスと、手術と投薬による肉体的ストレスが限界に来ており、もはやアレは廃人寸前だった」

ホーマー「私は彼女を引き取った、理由など無い。言うなれば良心の呵責とでも言おうか」

ホーマー「心も身体も壊され、ただ生きているだけの彼女の目を見たとき……私は突き放すことが出来なくなってしまったのかも知れない」

ホーマー「程なくして計画は、何らかの理由で潰えた。噂によれば、研究所が襲撃されたとも聞いたが定かではない」

ホーマー「……これが、マリーダ・クルスの過去だ」

グラハム「……」

グラハム「一つお聞きしたい。今貴方は良心の呵責とおっしゃった、ならば何故再び彼女をこちらの世界に連れてきたのです」

ホーマー「……」

グラハム「お答え願いたい!」

ホーマー「アレがそう望んだ。私はどうしようもなかった」

ホーマー「アレが男と接する事が出来るようになるのに、一年以上を有した。それ以降もビリーら親戚にはあくまで伝えない、妻くらいしか知らない隠し子のような形で私はアレに接した」

ホーマー「十五歳になってからかな……会う度に言われたよ、何とかして軍に編入出来ないものかと」

ホーマー「子を産めない私には、それしか価値が無いのだと。会う度会う度……戦わせてほしいと」

ホーマー「……後は恐らく察しが付いただろう。十八歳、人革連の超兵計画が明るみに出た範囲で、マリーダをお前の部隊に編入させた」

グラハム「……ッ」

ホーマー「アレの意志だ。お前の経歴に興味を持ち、お前の駆るフラッグに魅入られ、私にせがんできた」

ホーマー「……何か、あるか」

グラハム「ありがとうございます」スッ

ホーマー「何……?」

グラハム「彼女の過去を教えていただいた事、そして彼女を救っていただいたことにです」

ホーマー「……」

ホーマー「お前のことだ。私は殴られる覚悟くらいしてきたのだがな」

グラハム「それは八つ当たりです。過去の事は消せません、貴方に全て押しつけて罵倒出来るほど私は子供ではないつもりです」

グラハム「それに……この事はマリーダ本人から、マリーダが伝えたい事のみを聞き、それで全てとします」

ホーマー「真実は受けとめられない、ということか?」

グラハム「いいえ。事実は事実として、マリーダの言葉はマリーダの言葉として、それぞれ受け取ると言っております」

グラハム「彼女を……優秀なフラッグファイターを預かった身として、彼女を支えるのが私の責務と感じ取らせていただいた」

ホーマー「……」

ホーマー「強がりおって」

グラハム「性分です。変えられません」

ホーマー「ふっ……不器用だな。お前は」

グラハム「熟知しております。変える気もございません」

カタン

ホーマー「実験内容のデータが入っている、これの使い方はお前に任せよう」

グラハム「……」

ホーマー「アレを頼む。七年も関わっていると……嫌でも愛着が湧いてくるものでな」

グラハム「ホーマー司令……」

ホーマー「死ぬなよグラハム。お前は死ぬな」

バタンッ

グラハム「…………」

グラハム「……ッ」グッ


ーイリノイ基地ー

ビリー(マリーダの錯乱状態は、恐らく彼女が強化人間であるが故の不安定さから来るものだろう)

ビリー(むしろ何故今まであれほどに安定していたのか、不思議なくらいだとも言える。超兵機関のそれよりも、あの実験は……)

グラハム「っ、カタギリ! 何をしている!?」

ビリー「! おや、どうしたんだいこんな時間に」

グラハム「おやじゃない! 君は入院しているはず……」

ビリー「僕がいないと、このカスタムフラッグの整備は出来ないよ?」

ビリー「何てったって、エイフマン教授が直々にチューンした機体だからね……ッ」ズキッ

カランカラン……

グラハム「無理をするな。君は今休むべき人間だ」

ビリー「……そうも行かないよ」

グラハム「え?」

ビリー「君に譲れないものが有るように、僕にだって譲れないものはある」

グラハム「……!」

グラハム「ふっ、強情だな。カタギリ」スッ

ビリー「君ほどじゃないさ、グラハム」パシッ

ビリー「僕はね、今回のMSWAD基地へのガンダム襲撃はエイフマン教授を狙ったものだと推測しているんだ」ピピッピッ

グラハム「エイフマン教授を? 何故だ」

ビリー「あの人はガンダムのエネルギー機関、特殊粒子の本質に迫ろうとしていた」

ビリー「何らかの方法でそれを察知したソレスタルビーイングが、それを阻もうと武力介入に移行した……」

グラハム「ッ、軍の中に内通者がいるということか」

ビリー「いないと考える方が不自然だろう」

グラハム「…………」

グラハム「カタギリ、私は君を生涯の友だと思っている」

ビリー「ど、どうしたんだいグラハム、藪から棒に」

グラハム「その君と私を引き合わせてくれたのも、プロフェッサーだったな」

ビリー「…………」

グラハム「そして私をフラッグに乗せてくれたのも、そのフラッグをガンダム用にチューンしてくれたのも……プロフェッサーだった」

グラハム「マリーダのことだって、あの方は孫のように可愛がってくださっていた」

ビリー「素晴らしい人だったよ……あの人を師匠に持てたのは、僕の人生で一番の幸運だ」

グラハム「……彼女の兄と祖父を、一挙に奪ったか」

グラハム(マリーダの繋がり、この私の誇り。これ以上はやらせん、やらせはせんぞガンダム!)

ビーッビーッ

グラハム「ッ!」

ビリー「敵襲!?」

『アイオワ上空、3988ポイントにガンダムとおぼしき機影を確認!繰り返す、アイオワ上空……』

ビリー「そのポイントにある施設と言えば……」

グラハム「ッ! アイリス社の軍需工場!」

ビリー「まさか、いくら兵器工場とはいえ、働いてるのは民間人だぞ!」

グラハム「奴らならやりかねん。もはや奴らは、ただの殺し屋集団だ」

グラハム「カタギリ、フラッグを出す。準備をしてくれ」

ビリー「グラハム、まさか……!」

グラハム「……理想さえあれば他者の命を弄んでもいい、そんな思い上がりなど!」

グラハム(ガンダム、私は認めん。貴様の存在を……!)

キィィィィィイン

グラハム「グラハム機、先行する」

ビリー『待ってくれグラハム! 単独出撃なんて無茶だ!』

グラハム「百も承知!」

ビリー『3対1だ! 勝ち目なんか……!』

グラハム「そんな道理……私の無理でこじ開けるッ!!」

ギュゥゥ……ン


ーアイリス社ー

ヨハン「……」カチッカチッ

ドドドォ……ン

ネーナ「ねむーい、さっさと終わらせて帰ろうよぉ兄ィ兄ィズゥ」カチッカチッ

ミハエル「ほらほら、逃げて惑って散らかれよ!」ガガガガガガッ

ピピピッ

ヨハン「ん?レーダーに反応、この機体は……」

ギュゥゥン!

グラハム「やはり新型かぁぁぁ!!」

ミハエル「あのマーキング、あん時のフラッグかよ!」

ヨハン「ミハエル」

ミハエル「分かってるって兄貴ィ……一瞬で切り刻んで、アイリス社に部品を返品してやらぁ!」

キュピィィィィン

グラハム「やれるものならやってみろぉッ!!」

ミハエル「行けよ、ファングゥ!!」

ヒュンヒュンッ

グラハム「馬鹿の一つ覚えがッ……!」ガシャンッ

ヒュバッ

グラハム「グラハム・スペシャル!」シャコンッ

ミハエル「空中変形からの接近戦、ワンパターンなんだよぉ!」カチャッ

グラハム「ワンパターンは貴様だぁぁぁ!」ギュンッ

ドゴォォッ

ミハエル「ぐぁぁっ!?」

ヨハン「ミハエル!」

ネーナ「ミハ兄ィ!」

HARO〔ケリイレヤガッタ!ケリイレヤガッタ!〕

グラハム「最初から剣で受けようとすれば、そうなる!」

キュピィィィィン

グラハム「ッ!やらせん!」

ヨハン「GNランチャ……!」

バシュンッ
ドガァンッ

ヨハン「何ッ!?」

グラハム「やらせんといった!」

ヨハン(夜間戦闘で、あの距離からGNランチャーの銃口を狙い撃っただと……?!)

ネーナ「くっ! 兄ィ兄ィズから離れろこの変態!」バシュンバシュンッ

グラハム「ちぃっ!」

ミハエル「てんめぇぇぇぇぇ!」

ネーナ「ちょっミハ兄ィ!」

HARO〔邪魔デウテネェ!邪魔デウテネェ!〕

ミハエル「斬り殺してやらぁぁぁぁ!」ブゥンッ

グラハム「そんな大きな獲物では、当たらんッ!」ヒュッ

ギィンッ

ミハエル「ッ!?」

グラハム「何ッ……!」

ミハエル「ガンダムなんだぜ、斬れるかよそんな剣でぇ!」ブンブンッ

グラハム「つくづく厄介な代物だな……ガンダムッ!」

グラハム「だったらこうするまでだ!!」ボッ

ヨハン「この位置なら!」

バババババ!

ヨハン「ッ! 援軍、時間をかけ過ぎたか……!」

グラハム(振り上げに合わせて蹴り上げるッ!)

ガァンッ

ミハエル「はっ!?」

ヨハン「バスターソードが!?まさかあいつ……!」

グラハム「どれだけの性能差があろうとも……」

ガシィッ

グラハム「今の私はッ!」

ブンッ

グラハム「阿 修 羅 す ら 凌 駕 す る 存 在 だ ッ ッ ! !」

ズバァンッ

ミハエル「うわぁぁぁぁぁ!?」

ネーナ「ミハ兄ィィィィ!?」

HARO〔ツヴァイ右腕部損傷!右腕部損傷!〕

ヨハン「ミハエェェル!!」

ヨハン「ネーナ、撤退だ! 急げ!」

ネーナ「う、うん! HARO!」

HARO〔シャーネーナ!シャーネーナ!〕

グラハム「逃がすか……!」

ヒュンヒュンッ

グラハム「ちぃ、まだこの兵器が!」ズバンッ

ミハエル「ぐっ……くそぁっ……!」

ヨハン「俺が殿を勤める! 行くぞミハエル」

ミハエル「覚えてやがれよてめぇぇ……!」

ギュゥゥ……ン

グラハム「ゼェッ……ゼェッ……ハァッ……」

グラハム「ハワード……プロフェッサー……一矢は、報いた……!」

ゴボッ

グラハム「ッ……この程度のGに……身体が耐えられんとは……!」

グラハム「私は死なん……死ぬわけにはいかんのだ……!」


ーイリノイ基地ー

ビリー「アイリス社や近辺の基地からの報告は!」

オペレーター「……」フルフル

ビリー(グラハム……頼むから生きていてくれ……!)

ガタッ

ビリー「ん?」

マリーダ「ッ……」フラフラ

ビリー「マ、マリーダ!? 何をしているんだ君は、入院しているんじゃ……」

マリーダ「マスター……マスターは……」

ビリー「グラハムなら今出撃している、とりあえず早くそこの椅子に」

マリーダ「マスター……マスター……」ボロボロ

ビリー「マリーダ……」

ビリー(あの気丈で大人びた雰囲気のマリーダがここまで不安定になるなんて……かなり危険域だ)

ビリー(再調整でもしないと、何をしでかすか……)

ピピッ

オペレーター「後続のジョシュア・エドワーズ少尉から入電! アイリス社に到着した模様!」

ビリー「本当かい!」

マリーダ「……!」

オペレーター「…………」
オペレーター「そ、そんな……!」

ビリー「早く伝えてくれ!何があった!」

オペレーター「……アイリス社は被害甚大、確認出来る中でも五百名以上死傷」

オペレーター「しかし……新型ガンダムは撤退、内一機は中破!」

オペレーター「グラハム・エーカー上級大尉は健在! 健在です!」

ビリー「……勝ったのか……」

オォ……

ビリー「フラッグでガンダムに、勝ったのか!?」

ウオオオオオオオ……!!

『やったぞ! ガンダムにとうとうやってやったんだ!』
『グラハム・エーカー万歳! フラッグファイター万歳!』

ビリー「グラハム……君は本当に予測不可能な人だよ……」

マリーダ「マスター……!」

マリーダ「……」

ビリー「!」

ビリー(マリーダの眼に意志が戻った……)

ビリー「マリーダ、行くかい?」

マリーダ「……はい!」

ビリー「じゃあ迎えに行こう。僕らのフラッグファイターを」


ーアイオワ上空ー

ダリル「イャッハー!」ギュゥゥンッ

ジョシュア「ハッハー! はしゃぐんじゃねえよダリル!」キィィン

ダリル「お前もなジョシュア! 今日は人生で最高の1日だ!」ギャンッ

グラハム「ハァ……ハァ……」

ヒィィィィン……

ダリル「!? 隊長、どうしました!」

グラハム「行ってくる」

ジョシュア「行ってくるって、何処に!?」

グラハム「行かねばならんのだ……」

ギュゥゥ……ン


ーイリノイ基地ー

オペレーター「カ、カタギリ顧問!」

ビリー「どうした?」

オペレーター「帰還中、上級大尉が突然進路を変え……ロストしたと」

ビリー「な、何だって!?」

マリーダ「マスター……」

マリーダ「行きましょう、カタギリ顧問」

ビリー「マリーダ……?」

マリーダ「マスターは、彼処にいます」

ジョシュア「イリノイ基地から連絡だ! 全機、急ぐぞ!」

ダリル「あぁ!」

ダリル「だがまさか……目的地が彼処とはな」

ジョシュア「……」


ー朝焼け・墓地ー

ポツ……ポツ
サァァァァァ……

ビリー「雨が降ってきたか……夜明け前だってのに、グラハムは何処に」

マリーダ「マスター!」

ダッ

ビリー「あっ、マリーダ!傘も差さずに……!」

キィィン

ビリー「オーバーフラッグス! こっちだダリル! おーい!」

サァァァァァ……

グラハム「……」

マリーダ「はぁ……はぁ……」

マリーダ「マスター……!」

グラハム「……」

グラハム「ハワード・メイスンに、ガンダムを退けたことを報告しに来た」

マリーダ「ハワード……」

グラハム「しかし、ガンダムを倒して逆にはっきりと分かってしまった」

グラハム「ハワード・メイスンは……私の隣にいたフラッグファイターは、もういなくなってしまったのだと……」

マリーダ「マスター」

グラハム「何故……何故逝ったハワード……!」

グラハム「っ……うぉぉぉ……!」

マリーダ「……」

ギュッ

マリーダ「マスター、良いんです。今だけは……泣いてください」

グラハム「……おおぉぉぉぉぉぉぉ……!」

サァァァァァ……


TO BE CONTINUED...


ー海上ー

ヨハン「大丈夫かミハエル」

ネーナ「ミハ兄ィかわいそ……」

ミハエル「くそっ……あのフラッグのパイロット、必ずぶっ殺してやる……!」

ギュオッ
バヒュンバヒュンッ!

ヨハン「何だとッ!?」
ネーナ「この粒子ビーム……!」
ミハエル「てめぇッ、何のつもりだぁ!?」

『ガンダムエクシア!』

刹那「ガンダムエクシア、刹那・F・セイエイ。ガンダムスローネを紛争幇助の存在と断定、武力介入に移行する」

刹那「ガンダムエクシア……目標を駆逐するッ!」


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198 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 03:47:17.54 ID:ePK5VgwAO
投下終了、済まん何かもう色々


とりあえずまとめ
・マリーダは娼婦設定云々無し、かわりに刷り込みを利用した強制的なトラウマ化と不妊症は有り
・グラハムの手元にはGNバスターソードとツヴァイの右腕、壊れたファングが一機残った
・グラハム覚醒

ちなみに多分出て来ないし明記するタイミングが無いだろうから一応書けば、エルピー・プルは事故で能力こそ失ったが生きていたりする

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コメント

  1. 名無しさん | URL | -

    Re: マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その6

    何で宇宙世紀は00世界みたいに再生医療が発達してないんだろうな・・・そしたらマリーダさんも・・・

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