御坂妹「この気持ちは何なのか?と御坂は…」黒「……」

2009年12月18日 22:13

御坂妹「この気持ちは何なのか?と御坂は…」黒「……」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/16(水) 05:02:50.45 ID:HPTvcnLOO
たてや!!


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/16(水) 05:22:54.03 ID:HPTvcnLOO

黄「やっとこの町から離れられるぞ」

マオ「長かったからな……。で、次はどこに行くんだ」

黄「学園都市ってとこだ。まずはこいつの始末だな」

マオ「かぁ~、こんな小さい女の子をかよ」

黄「こいつもおまえらと同じバケモンらしいから油断はするな」

黒「契約者か」

黄「契約者とは違う。まぁバケモンには変わりないが」
黄「超能力者っていうらしい」

黒「御坂美琴……超能力者」



マオ「ひっろい街だなぁ」

黄「ターゲットは今夜ここに現れる。別の組織の存在が確認されている。失敗するなよ」

黒「あぁ」

…………………………………

………………

……マオ「この辺りか……お、いたぞ」

黒「まて!!」

ドカアァン!!!!

マオ「ぐわぁ!?なんだこりゃ」

「ヒャハハハハハ!!!」

黒「能力者だ。俺が行く」

マオ「おい、黒!!あの能力者やばそうだぞ!!」


「少しは知恵付いたかと思ったけど全然駄目だなァ。オラァ!!」

御坂妹「うッ!!」



8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/16(水) 05:49:53.79 ID:HPTvcnLOO
すいません
勝手にたてといてあれですけど書き直してまた立てます

もうほんと誰か書いてくれちゃってもいいですすいません


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/16(水) 19:31:42.69 ID:HPTvcnLOO
残ってたからちょっとびびりました

PC修理に出したしほんと無理です
保守してくれてるのは嬉しいですが書けないし悪いので落としてください

後日お願いします
ほんとすんません


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/16(水) 20:16:02.32 ID:2OMci+rpO
外部メディアにバックアップ残しておけよチクショー

誰か居ないのか


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/16(水) 20:28:27.43 ID:yZGeC0PZO
>>41
君がいるじゃないか!


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/16(水) 20:59:02.24 ID:2OMci+rpO
よーし書いてやんぞ
書き溜めも文才も挙げ句時間も無いが書いちまうぞ


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黒子「お姉様、昨夜22時頃はどちらへいらっしゃいまして?」

美琴「ふぇ!?か、買い物付き合う代わりに何も聞かないって約束だったじゃない」

黒子「あの類人…殿方とお会いしていましたのね?」

美琴「えと、その、えーと……うん……」

黒子「……よかったですわ」

美琴「へ?」

黒子「ああ、違いますのお姉さま。わたくし、あのさr……
   もとい上条さんという方とお姉さまは決して釣り合わないと思っております」

美琴「そんな釣り合ってるだなんて別に付き合ってるとかじゃないしちょっとおしゃべりしてただけだし
   そもそもあんなやつ」テレテレ

黒子「昨夜のその時間、とある研究所が襲撃を受けましたの」

美琴「……なんですって?」

黒子「なんでも、警備システムや通報装置が、回路内を流れた過大な電流により焼き切られていたとかで、
   エレクトロマスターの関与が疑われてますの」

黒子「お姉さまには、レベル6シフト実験の際に色々やんちゃをしていただいた前科がおありですので、
   まさか、と……」

美琴「そ、そういうことなら、アイツが証明してくれるわ。そのあたりの2時間近く一緒だったもの」

黒子「2時間も何をしていらしたかはあえて訊きませんわ……黒子泣いちゃいそうですから」

美琴「へへへ変な事はしてないわよ!!……ところで襲われたっていうのは」

黒子「ああ、●●研究所といいますの」

美琴「(ピク)●●研究所……?」

黒子「おかしな所でしたわ。ちょっと機材が壊された以外は、盗まれた物もないそうで。
   むしろジャッジメントの方が厄介であるかの様に扱われましたの」
黒子「きっと何か怪しげな研究を……お姉様?」

美琴(●●研究所といえば……)
美琴(「妹達」の1人が世話になっているはずの……!)



―とある廃ビル―

黒「こっちだ」タタタタ

御坂12563号「はっはっは……」タタタ


契約者A「そこだ!!」キン

飛来する石礫。
黒のすぐ隣にコツン、と当たると、手榴弾のように炸裂する。轟音、土煙。

契約者A「ふん、あっけない。小娘、出て来い。お前は殺すなという……」

しかし次の瞬間、土煙の中からワイヤーが飛び出し、男の首に巻きつく。

契約者A「ウグ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああ!」バチバチバチバチ

黒「ふぅ……。無事か」

12356号「はぁ、はぁ、大丈夫です、と、御坂は息を荒げつつも肯定します」

黒「来い、セーフハウスまであと少しだ」



―●●研究所―

美琴「昨日の襲撃について、詳しい事を教えなさい」ビリビリ

研究員「の、能力の使用はここでは禁止だぞ!」

黒子「どうなさいましたのお姉さま!そんなに慌てて」

美琴「ここに預けられてた……」

ニック「待ちなさい」

研究員「主任!」

ニック「その顔、『彼女』の血縁者の方だね。来なさい。私から説明しよう」



―とある廃ホテルの一室―

黒「お前はこの部屋にいろ」

12356号は、無言で頷き、その銅でできた檻のような小部屋に入る。

黒「そこはお前から発せられる電磁波も届く電磁波も遮蔽してくれる。
  ミサカネットワークからオフラインにして、追跡を撒く必要がある」

12356号「了解しています、と御坂は頷きます」

黒「……少し出てくる」

Pllll…ガチャ

「状況は」

黒「目標は確保している。現在お前達の用意したセーフハウスの一つに居る」

「了解した。こちらの状況は変化していない。そのまま『組織』の追跡を可能な限りかわしてくれ。
 一週間はかからず決着するはずだ。それまで……」

黒「分かっている、切るぞ」



―●●研究所―

美琴「攫われた、ですって!?」

ニック「ああ。この研究所で保護していた、君のクローンの一体…シリアルナンバー12356が攫われた。
    それ以外の被害はほとんど無い」

美琴「その子が狙いだった、というわけね」

ニック「……おそらくは」

美琴「その子の何が狙いなの?」

ニック「これ以上は、君には言えない」

美琴「あんたたち、あの子に何をしたの……!」ビリビリ

ニック「……」

美琴(能力を使ってでも吐かせるべきかしら)

黒子「お姉様ー?内緒話は終わりまして?」

美琴「黒子、外で待っててって」

黒子「そういうわけにも参りませんの。事と次第によっては、ジャッジメントの管轄ですのよ」

美琴「……はぁ。今日はいいわ。引き上げましょう」
美琴(後でここ、ハッキングしてみよう)



―帰り道―

美琴「ジャッジメントの捜査は進んでるの?」

黒子「いえ、さっきはああ言ったんですが…実は、この件については、上がどうも消極的ですの。
   あの研究所の研究内容が極秘だとかで」

美琴は、自分の妹がなにやら重大な実験に再び巻き込まれていると直感した。
先ほど締め上げてでも、内容を聞き出しておくべきだったか、と後悔する。

黒子「噂では、ゲート内物質の研究らしいんですの」



―廃ホテル、セーフハウス―

黒が料理をしている。かに玉、炒飯、白湯スープ、豚肉ともやしの炒め物。
大皿一杯に盛ったそれを、テーブルに並べていく。

黒「出て来い。飯だ」

12356号「この部屋を出て、ミサカネットワークとの接続の危険性は無いのですか?と御坂は疑問を呈します」

黒「俺が近くにいるときは、俺の能力でジャミングされている」

12356号「了解しました、と御坂は安心します」

黒「……(ガツガツガツ)」

12356号「……」パク
12356号「!」

12356号「……(パクパクパク)」


12356号「ご馳走様です…と御坂は満ち足りた気持ちで挨拶します」

黒、無言で軽く頷く。

12356号「お料理上手なんですね、と御坂は意外な事実に驚きます」

黒「意外か?」

12356号「はい、と御坂は即答で肯定します」

黒「お前も意外と良く喋る」

12356号「あなたの料理の腕があなたへの親しみへと繋がっているようです、と御坂は自己を分析します」

黒「ドールみたいなヤツだと思っていたが違うようだな」

12356号「ドール、契約者の一種、特殊能力に目覚めた後、感情を完全に失ってしまった人間、
     と御坂はミサカネットワークを使えないので自らの記憶から想起します」

黒「完全に、というのは違う。欠片が残る。個体差はあるが」

12356号「お知り合いが?と御坂は興味本位で尋ねます」

黒「……」

12356号「すいません、立ち入り過ぎました、と御坂は素直に反省します…」

黒「もう寝ろ。明日にはまた移動する」



―美琴、ハッキング中―

               「流星の欠片」 
        
「『組織』と学園都市共同研究」            「生体並列処理ネットワークを用いた解析」   「データ蓄積」

「軍事利用、独占、裏切り」                     「データのミサカネットワークへの埋没」

    「奪取」            「ネットワークを構成する個々体への漏洩を防ぐための、データ暗号化」 「デコーダたる一体の存在」

              「シリアルナンバー、12356」


美琴「12356号が、ミサカネットワークに埋まってる『流星の欠片』
   のデータを取り出すためのデコーダになってるってわけか」

美琴「それで、『組織』がその子を攫ったのね」

美琴「また、好きなようにもてあそぶつもりなの、妹達を」

美琴「……許せない」


2日後、夜―

美琴はとある廃ビルの前、ちょっとした路地に隠れている。
自身の能力と、ジャッジメントの友人の協力で割り出した、組織の潜伏先の候補の一つ。

しかしいざ乗り込もうとしたその矢先に、先にそこへ忍び込もうとする人影を見つけた。

美琴「アイツ、は」

声が震える。



黒「行くぞ、俺の側を離れるな」

12356号「了解です、といつものように御坂は応じます」

部屋を忍び出た二人の前に、その男が現れる。

「ッたくやぁぁァッと当たりかよ、毎晩毎晩杖引きずりながら駆けずり回らせやがッてよォ」

真っ白い肌、真っ白い髪、夜の闇に浮かび上がる亡霊のような白い相貌に、爛々と光る真っ赤な瞳。

12356号「あなたは……」

学園都市第一位、最強のレベル5、ベクトル操作能力者、一方通行(アクセラレータ)。

一方通行「んで、テメェはいつぞやのクソみてェな雑魚とは違うんだろうなァ」

一方通行が最後まで言う前に、黒は動き出している。
間合いを詰めながらワイヤーブレードを投擲。
一方通行はチョーカーのスイッチを入れると、避けるそぶりも無くそのナイフを受け止め、弾き返す。
続いて首に巻きつくワイヤー。しかし

一方「あァ?あや取りでもしよォってのか?」

軽く引っ張るだけで、特殊繊維を束ねて作ったそれがブチブチと茹ですぎたうどんのように千切れた。

黒、さらに接近、一方通行の顔を掴む。
黒と比べ体重にして20kgは軽そうな一方通行の身体が、しかし微動だにしない。
黒は自分が鉄製の柱を掴んでいるかのような錯覚を覚える。構わず電流を放つ。

一方「あのクソテレポーター以下の雑魚だなテメェ」

一方通行はその触れている手を介して、黒の腕の血流を操作しようとする、しかし

一方「!?演算にノイズが……ぐぁぁぁぁぁあ!!」バチバチバチ

黒「(電流が、身体の芯に向かわない……『押し戻される』!?)」

衝撃音。掴み合っていた二人の間で、衝撃波が発生、両者を弾き飛ばす。

一方「あァ痛ェ……そういや、そこのメスガキがネットワークに繋がらないよう、
   電子的遮蔽手段が予想されるッて話だったな」
一方「俺の代理演算にもノイズが混じりやがる……接近戦は分が悪いッてか」

黒「……」チャキ

再び対峙、改めて飛び掛ろうとする二人の間に、

12356号「二人ともおやめ下さい!」

12356号が割って入った。

12356号「どちらも敵ではありません、と御坂は停戦を呼びかけます!」

一方「あァ?」

黒「……?」

美琴「な、何がどうなってんの、これ……」

12356号「お姉さま?」

一方「オリジナルか」

黒「……」

12356号「お姉様も一方通行、あなたも、恐らく私を助けに来てくれたのではありませんか?
     と御坂は予想を述べます」

美琴「私は、そうだけど、え、一方通行?」

一方「どっかのクソガキがうるせェだけだ」プイ

12356号「ここにいるエージェント、黒(ヘイ)もそのために私と行動を共にしてくれているのです、
     と御坂は真実を告げます」

12356号「そもそも学園都市と―」

唐突に衝撃、廃ビルの壁が吹き飛び、室内に土ぼこりが満ちる。
何者かが飛び込んできた事は全員に分かったが、対応はバラバラだった。

土煙が晴れたとき、一方通行は変わらずその場に立っていた。
美琴は部屋に入りかけた位置から一歩退いて様子を見ており、
黒と12356号はというと

契約者B「BK201は……逃げられたようですね」

契約者C「ターゲットもですよ、兄弟。全く奇襲した意味が無いではありませんか」

姿を消していた。

一方「あァらしいなァ。で、そーいうあんたらは何処のどちら様方ですか?思いっきり邪魔してくれやがッてよォ」

契約者B「BK201とは先ほどの仮面の彼のことです。
     契約者はそれぞれ固有の番号、メシエコードを持っているのです。」

契約者C「契約者には通り名を持つ者もいます。BK201も『黒の死神』という通り名があるのですよ」

一方「はァ?」

契約者B「そしてかく言う私はメシエコードHL343『ペネテントタンジェント』」

契約者C「私はHL2401『罪ノ火花』」

一方「ご丁寧に聞いてもいねェことをだらだらとアリガトよクソッたれ」

343「それが私の対価でして」

2401「ところで彼らと知り合いのご様子でしたが、私どもも彼らと接触を図りたいと考えている次第です」

343「ご協力いただけないでしょうか?」

美琴「あんたたち『組織』の契約者ね、あの子を狙ってる。私が協力すると言うと思う?」

2401「誤解でございます。BK201こそ、『組織』に雇われクローンNO.12356を誘拐した真犯人です」

343「NO.12356は彼を味方と言ったかもしれませんが、それは騙されているだけですよ。
   あの男は、特に女性に対して、極めて自身の印象操作が巧妙で」

美琴「お断り」

343「……一体何故?」

美琴「あの子を物みたいに呼ぶなとか、得体が知れないのはあんたたちも同じとか、色々理由はあるけど、
   一番分かりやすいのが」
美琴「あんたたちのことが嫌いだから、よ」

一方「あァそこだけァ同感だな」

343「では、腕ずくでご協力いただくのもやむなしか…」

2401「最も合理的な結論ですね」

美琴「上等」

一方「やッてみろや…!」

戦闘はほんの数秒で決着した。

美琴が電撃の槍を放つ、343はそれを薄い真空の壁で防ぐ。
2401がランセルノプト放射光を発し、ビルの隙間から植物が這い出しはじめる。

そういったやり取りの一切をあざ笑うかのように、一方通行が何の抵抗も感じさせぬ動きで2401を殴り倒し、怯んだ343を、美琴のレールガンが今度こそ打ち抜いて行動不能にした。

2401「馬鹿な…」

一方「さァ洗いざらい吐いてくれますかァ?
   てめェらが何者で、他に何人この街に来てて、そいつらはどこにいるとかよォ?」

2401「……」

美琴「まぁ、普通喋らないわよね」

一方「んじャあ、口を軽くして差し上げッかァ!?」

美琴「(ビク)」

一方「って言いてェとこだが……、やったらやったであのガキがうるせェだろォなァ」
一方「チッ」スタスタスタ

美琴「ちょ、ちょっと、どこ行くのよアンタ」

一方「帰ンだよ。そいつらァてめェにやる。ジャッジメントだのアンチスキルだのにくれてやれよ」スタスタ...

美琴「見事に面倒ごと押し付けて帰ったわね……」



―別の廃墟、セーフハウス―

銅の檻の様な小部屋の中から、12356号が黒に声をかける。

12356号「お姉様方は、大丈夫だったでしょうか、と御坂は心配しています」

黒「……」

12356号「大丈夫だったでしょうか、と御坂は」

黒「俺の任務はお前の身を守る事だ。他については関知しない」

12356号「あなたは冷たい、と御坂は遺憾の意を表明いたします……!」

黒「俺が『やつらなら大丈夫さ』と言ってやれば連中が生き延びる確率が上がるのか?下らない」

12356号「不安という感情を共有して欲しいときもあるのです、とミサカは」

黒「契約者に感情は無い。契約者は合理性のない言動は取らない」

12356号「かつての私たちのようです、とミサカは若干の哀れみを感じながら述べます」

黒「好きに思うがいい」

12356号「はい、とミサカは意地になって応じます」



―●●研究所―

美琴「あの仮面の契約者、何者なの?」

ニック「……この数日でそこまでたどり着いたのか。さすがは、学園都市最高のエレクトロマスターといったところかな」

美琴「はぐらかさないで。今もあの子はあの、ヘイとかいうエージェントと一緒にいるのよ」

ニック「……はぁ。いいだろう。
    そこまで知ってしまったなら、もう隠す意味もない。……どこまで知っているかね?」

美琴「あんたたちが、ミサカネットワークを使って、ゲート内物質『流星の欠片』を解析していたこと。
   そのデータは、暗号化されてネットワーク内に埋まっていること」
美琴「あの子がその暗号化データを引き出して解読するためのデコーダになってること。
   そしてそのせいで狙われ、誘拐された、ってとこまでよ」

ニック「おみそれしたよ。ほぼ完ぺきだ。しかし一点だけ誤りがある。彼女は誘拐されたのではない。
    我々学園都市側が、そう見せかけて、かのエージェントに彼女を預けたのだ」

美琴「なんですって?」

ニック「『組織』は強大だ。
    いかに学園都市といえども、正面から対立するような形にはしたくない、ということだろう」
ニック「学園都市直属の部隊ではなく、フリーのエージェントを使って、
    彼女を奪取されたように見せかけつつ『組織』から隠すのが狙いだ」

ニック「そしてそうやって稼いだ時間で、データや『流星の欠片』自体の管理について『組織』と交渉している。
    現在進行形でね」
ニック「万事うまくいけば、彼女の持つデータは健全に利用され、
    君の『妹達』は無事にこの仕事を終えることができる」

美琴「……信用できるの?ヘイって」

ニック「ヘイとは黒という意味の中国語で、それが彼のコードネームだ。
    まぁ、彼が中国国籍を持つかどうかは定かではないが」
ニック「彼は学園都市が雇ったエージェントだ。凄腕で、信用できる。
    彼女の安全は、彼と共にいる限り大丈夫、だろう」

美琴「まぁ、凄腕なのは認めるわ。一方通行と渡り合うくらいだし」

ニック「会ったのかい?」

美琴「ええ、昨夜ね。まんまと逃げられたわ」

ニック「ふぅむ。では、12356号、彼女は元気だったかい?」

美琴「え?ええ。そう見えたけど」

ニック「そうか、何よりだ。僕もこう見えて心配してたんだ」

美琴「大事な実験材料だから?」

ニック「……まぁ、信用してもらえないのは仕方ないかもしれない。
    ただ、彼女を実験材料として見たことは断じてない」
ニック「彼女は僕の実験の協力者だよ。観察対象ではなく、そのデータ解析をお願いしていた共同研究者。
    個人的には、友人だとさえ思っていたよ」

美琴「……」



―セーフハウス―

黒「出ろ。飯だ。」

12356号「……」プイ

黒「……ふん」


黒「……(ガツガツガツ)」

12356号「……」
12356号「(グゥー)!!」

黒「……」

12356号「……」
12356号「……」スタスタ

黒「……」

12356号「あなたのことをどう思おうと、ご飯に罪はありませんからね、
     とミサカは美味しそうな匂いに釣られたことを言外に否定しつつ食卓に着きます」

12356号「頂きます」
12356号「……(パクパク)」

12356号「……こんなときに悔しいですが、あなたの料理の腕は一流であると、ミサカは認めざるを得ません」パクパク

黒「そうか」

12356号「作った人の顔が見える料理、というのを食べるのは、そういえば初めてだったとミサカは思い出します」

黒「……」

黒「お前のオリジナルと、あの白い奴は、お前を助けに来たのだろう」

12356号「はい、とミサカは一片の疑いもなく肯定します。私たちにとって大事な方々です、とミサカは追記します」
12356号「私を人間として扱ってくれたのは、彼らと、研究所にいたニック主任くらいです。
     とミサカはさらに追記します」

黒「そしておそらく向こうも、お前たちを大事に思っている」

12356号「そう…なのでしょうね、とミサカは若干はにかみつつ首肯します」

黒「彼らの望みは、お前が無事にこの局面を乗り切ることだ。そのために彼らは残った。
  今は、自分の身の安全に集中することだ」

12356号「彼らが残った、というよりは、あなたが彼らにあの契約者たちを押し付けた、
     というのが正確ではないか、とミサカは突っ込みを入れたくなりました。しかし……」
12356号「たぶんあなたの言うとおりなのでしょう、とミサカはひとまず自分を納得させます」

黒「ふん」

12356号「加えて、」

黒「?」

12356号「あなたなりの私への気遣いにも、ミサカは感謝しています」

黒「……食べ終えたら移動する。準備しておけ。俺は定時連絡に行ってくる」

12356号「了解です、とミサカは急いで電磁遮蔽室に隠れながら答えます」



黒「状況は?」

「朗報だ。どうやら片がつきそうだ。目標を連れてポイントCに来てほしい」

黒「いつだ。追っ手の処理は?」

「今すぐ、だ。障害の排除については、任せる。そこまで含めて高い報酬を払っている」

黒「いいだろう」



黒「支度しろ。『組織』との交渉が片付きそうらしい」

12356号「ということは、とミサカは期待を込めて続きを促します」

黒「もう狙われずに済む、無罪放免だ」

12356号「……ほぅ、とミサカは安堵の息をつきます」

黒「もっと喜ぶかと思ったが」

12356号「喜んでます、が、そうなると、あなたともお別れでしょう?とミサカは少し寂しく思うのです」

黒「契約者と関わり合いになって喜ぶような奴はいない」

12356号「……でも、私はあなたと知り合えて」

物音

黒は無言で12356号を制し、目線で奥に隠れるよう指示。
物音のした部屋の入り口脇の壁に張り付き、そっと外を窺う。そこにいたのは

ニック「……良かった、ここにいてくれたか……」

黒「なぜここに」

12356号「ニック主任、大変!血まみれではありませんか、とミサカは驚きを露わにします!」

ニック「くっ……私のことはいい。どの道、もう助からない……。
    それより、彼女を連れて行ってはならない。罠だ」

黒「どういうことだ」

ニック「学園都市は、『組織』との交渉に失敗した」

12356号「!!」

ニック「彼らは……シリアルナンバー12356を、……君を、ネットワークにデコーダの情報が漏れる前に、
    始末してことの決着を図るつもりだ……!」

12356号は、顔面蒼白、何も言えずにいる。学園都市そのものが、再び彼女の敵に回った。
LV6シフト実験のときと同じように。
いや、敵ですらない。『要らない』と言われたのだ。前回は『的』、今回は、『不用品』と。

ニック「私は反対したが……このザマさ、ゲホッゲホッ」

12356号「どうして、私なんかのために、」

ニック「……私には、妹がいた。事故で亡くしてしまったがね……」
ニック「丁度君くらいの年だった……」

ニックはそう言ってほほ笑むと、最後に目を閉じて大きく息をつき、「伝えられてよかった」と呟く。
……そのまま二度と、目を覚ますことはなかった。

12356号「ニック主任は、私のために命を落としたのでしょうか?とミサカは自問します」

黒「ああ」


12356号「……ニック主任は、私に一番良くしてくれた先生でした、とミサカは思い出します」

12356号「私の検査結果に一喜一憂してくれたり、花を持ってきてくれたり、楽しそうに雑談してくれたり」
12356号「私を、人間として扱って下さった先生だったんです。学園都市に捨てられた私を……」

黒「……ああ」





12356号「この気持ちは何なのか?とミサカは……」

黒「……」





12356号「レベル6実験のとき、姉妹達が何千人殺されようが何にも感じなかったのに」
12356号「この胸が張り裂けるような気持ちは……」ポロポロ

黒「こいつは」

12356号「?」

黒「喪われた妹に与えるはずだった時間を一時取り戻し、その対価を支払ったんだ」

12356号「良く分かりません、とミサカは」

黒、遮って告げる。

黒「奥に、あの遮蔽室にいろ。俺が戻るまで、外に出るな」


黒「階下に足音……追手だ」


セーフハウスになっていた部屋の一階下、廃墟の広間の真ん中に、黒が立っている。


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周囲には、マシンガンを装備した特殊部隊が8人、黒を囲むように展開中。

部隊長「シリアルナンバー12356はどこだ」

黒「……」

部隊長「まさか、情が移ったのか?契約者らしく、合理的に判断したらどうだ。
    ここで逆らって、お前に何の利益がある」

黒「……」

部隊長「お前は任務を果たした。あれを引き渡し、報酬を受け取れ」

黒「……」

部隊長「ふん……拘束しろ」

部隊長の命令に、隊員が二名、黒に銃口を向けたまま近寄る。
しかしそのとき、差し込む月明かりが雲により遮られた。
一瞬の暗闇、浮かび上がる青白いランセルノプト放射光。

部隊長「撃て!」

命令と同時に、一人がナイフに眉間を貫かれて死んだ。
隊員たちは射撃を開始、黒は近寄ってきていた二人をワイヤーで引きずって盾にする。
死角を突いてさらに一人の喉を切り裂き、ワイヤーを伸ばして跳躍、追いすがる射線をかわす。

隊員A「どこに行った!?」

部隊長「嗅覚センサーを起動しろ!」

隊員B「駄目です、オゾン臭が強すぎて…ぎゃあああ!」

迂闊に壁の金属部に近づいた一人が、そこから放たれた電撃を受けて黒焦げになる。

隊員C「化け物だ……一人で一部隊の半数を……!?こんな一瞬で……」

部隊長「うろたえるな、態勢を立て直」

しかし同時にどこからか飛来したワイヤーが隊長の持つ銃を弾き飛ばす。
それはそのまま一人の隊員の首に巻きつき、

隊員C「ああああああ!!」バチバチバチ!!

もう一人の首に、後ろからナイフが突きたてられる。

隊員A「あぐ!」

そのナイフを引き抜き、崩れ落ちる躯にも無頓着に、黒の死神が現れる。

部隊長「……大したものだな。我々は、これでも学園都市の精鋭なのだが。能力を使う暇さえなかった」

黒「……」チャキ

部隊長「だが、私までもそうそう容易く屠れると思うな……!むん!」

部隊長が腕を振る。見えない何かがその手先から放たれ、一直線に黒へ殺到、
黒、反射的に上半身を反らし、飛来した何かをかわす。

背後でコンクリートの壁に、ミシィ、と音を立てて真一文字の深い傷が刻まれた。

黒「能力者か……!」

部隊長「真空の刃だ。強力すぎて敵味方が入り乱れる場では使えなかった。私を残したのは失敗だったな!」

言いながら、さらに刃を放つ。黒、紙一重でそれらをかわしながら、持っていたナイフを投げつける、しかし

部隊長「甘い!」

気流の壁がその狙いを逸らせる、見当違いの壁に突き立つナイフ。

黒「くっ」

部隊長「今のが最後の一本のようだな。ナイフで届かないものが、ワイヤーで届くわけもない。
    部下たちの仇、とらせてもらうぞ!」

部隊長は両腕を使って刃を連射し、黒を壁際へと追い詰めていく。

黒「ぐぁ!」

黒も紙一重でかわし続けるが、かする刃により段々と体が削られてゆく。

そしてついに部屋の隅に追い詰められる。

隊長「もはや逃げる場所はない、観念するがいい」

黒「……どうかな」キン

黒が壁に突いた手から発せられた電流は、そこにあった配線用接続器を介してビル内配線へ。
光速でそれを駆け巡り、広間の非常消火装置―いわゆるスプリンクラー、セーフハウス化するにあたり水道の元栓が開いていた―の非常回路に侵入、起動させる。

驟雨のように水が降り注ぐ。部隊長は一瞬虚を突かる。


水溜り、転がる死体、流れ出る血、電解質、伝導性

そして直後にそこまで思考し、呟いた。

部隊長「……クソ」



―翌朝―

美琴「死屍累々……ね、まさに」

廃ビルの広間の戦闘跡を見ながら、美琴は呟く。
死体は既に片付けられていたが、あたりの壁といわず床といわず、点々と乾いた血の染みがまだ生々しく残っている。

アンチスキルの一隊が、あたりを封鎖して実況見分をしている。
それを尻目に、美琴は階段を登る。そこを動こうとしない、重要参考人の少女に会うためだ。

美琴「いつまでそこに居るつもりなの?」

12356号「『迎えに来るまで出るな』、と言われています、とミサカは膝を抱えたままお答えします」

美琴「……あの黒って男なら、帰っては来ないわよ」

12356号「そんははずはありません!とミサカは勢い込んで反論します!あの人は帰ってくると……」

美琴「そこから出て、ネットワークに接続してごらんなさい」

12356号「……出るな、と言われています、とミサカは先ほどの回答を繰り返します」

美琴「ふぅ。いいわ。教えてあげる。
   昨日の夜、たぶん、下の階での戦闘のあとすぐに●●研究所がまた襲われたの」
美琴「黒衣の、仮面を被った能力者にね」

12356号「!!」

美琴「ソイツは暴れに暴れて、警備に当たっていた怪しげな部隊を蹴散らして、とある物質を壊して行ったそうよ」

12356号「それは、まさか」

美琴「そう、『流星の欠片』。これ見よがしに、生き延びた研究員の目の前で、塵に変えてったらしいわ」

12356号「では、私たちのネットワーク内のデータは?どうなるのですか、とミサカは問いかけます」

美琴「もう役立たず、引き出す価値無しってこと。あんたが狙われる理由も同時に消滅、自由の身、よ」

12356号「……」

美琴「そんなわけで、学園都市は今、色んな部隊を動かして血眼で黒を捜してる。
   ここにノコノコ帰ってくることは、ないわね」

12356号「……私とは、何なのでしょうか、とミサカは漠然とした問いを抱きます」

美琴「ん?」

12356号「『的』として生み出され、『不用品』として始末されかけ、
     そして奪う価値も殺す価値もない存在として生かされている」
12356号「何の価値が、私を生かす意味なのでしょうか、とミサカは問いかけます」

美琴「……」

美琴「私は思うんだけど……
   人間の価値って、能力のLVとか持ってるデータとか生まれた理由だとか、そんなの関係ないんじゃないかな」

美琴「ううん、きっと、誰にも誰かの価値を決める権利なんかない。
   たぶん、自分自身の価値こそ、自分で決めるべきなんだと思う」

12356号「自分自身の価値、ですか、とミサカは復唱します」

美琴「あんたの価値を勝手に決めてた『流星の欠片』は、黒がぶっ壊した。
   きっと黒も同じ事を思ってるんじゃないかな?勘だけど」

美琴「あんたは、それで、どうしたいの?」

12356号「私は…自分の価値は分かりません。
    しかし生きていたいと、黒やニック先生に守ってもらった命を大事にしたいと、そうミサカは思ってます」

美琴「うん、それでいいんだよ、たぶんね」

そう言って美琴、微笑む。

綺麗な笑顔だ、と12356号は思った。自分にもできるだろうか?



できるようになったなら、あの人に見てもらいたい、いつかきっと。







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