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まどか「マスクドライダーシステム?」 『それはとっても嬉しいなって / 来てくれ、ガタックゼクター!』

2011年03月30日 16:52

まどか「マスクドライダーシステム?」

85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2011/03/24(木) 23:29:36.00 ID:0dUFtv5z0

ほむらの転入から一ヶ月前――

天道総司は、バチカン市国を歩いていた。
あまりに場違いな作務衣、軽やかな音を立てる下駄。 
そしてどこで手に入れたのか、ボールの中には豆腐。
天道は、やはり豆腐を買いに来ていた。

今日はどこで料理を作るか。
――教皇に食べさせるのもまた一興かも知れない。
天道の料理行脚は果てしなく続いていた。

「お、お前は……」

一年半前のあの時、世界規模で有名になった自分の姿。
今まで何度外人に呼ばれたことか。

その度に天道は言ってやる。

「おばあちゃんが言っていた。
 俺は天の道を往き、総てを司る男……
 天道総司だ」

と。

そんな天道に変化が訪れた。
道路を歩く天道の眼前を横切る物――
それは、天道にとって余りにも見慣れた物であった。

「……カブトゼクター?」

今、自分はカブトゼクターを呼び出してはいない。
戦いは終わったのだ。 しかし、天道以外でカブトゼクターを呼べる者――
ネイティブがここにいるのなら、いや、ネイティブがカブトになるような事態なら、見過ごすわけにはいかない。

天道は、迷わずカブトゼクターを追いかける。

カブトゼクターを追いかけて路地裏に入ると、天道はあっという間にカブトゼクターを見失ってしまった。

「この俺としたことが……。
 しかし戦闘しているような音も聞こえないな……
 単に戦闘が無いのか、クロックアップしているのか……」

天道は不思議に思いながらあたりを見回す。
すると、ありえないものを見つけてしまった。

「ハイパーゼクター……だと?」

カブトゼクターとは違い、ハイパーゼクターは天道にしか呼び出せない筈。
ならば、あのカブトゼクターも、天道が呼んだ物。
そうとしか考えられない。
あたりを付けた天道は、誰もいない筈の場所で問いかける。

「何かあったのか。 未来の『俺』――」

どこからも答えは聞こえない。
その代わり、カブトゼクターが天道の下にやってくる。
その口には、一枚のメモ。

「なんだこれは……。 読め、というのか」

当然ながら、何も答えずにカブトゼクターは去っていく。
そのメモには、最低限の事しか書いていなかった。

『日本、見滝原に向かえ。 全てが手遅れになる前に。
  黒い長髪の少女に気をつけろ。 ――天――』

「……まずは家に戻るか。 ベルトを回収しなければな」

こうして天道は、日本へと帰還した。

結局何をすればいいのかわからなかった天道は、見滝原でも料理行脚に入ってしまったり、まどかの父に出会って料理対決をしたりするのだが、それはまた別のお話。


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「……なーんか暇だなあ」

昼食を食べてからもう3時間は経っただろうか。
加賀美は雑務もあらかた終わり休憩を取っていた。
普段なら、道に迷ったご老人や落し物を届ける人がいるのだが、今日はただの一度も人が来ない。

することが無くなった加賀美がパトロールにでも行くかと考えていると、机に乗せた携帯電話が鳴った。

目をやると、携帯電話のディスプレイには『美樹さやか』の文字が。
あの子は生意気だが、いたずら電話をするような子ではない。
加賀美は不思議に思いながら電話に出る。

「はいもしもし? どうしたんださやか――」

『助けて、加賀美! まどかが、まどかが!』

切羽詰ったようなさやかの声。
加賀美はすぐさま異常事態を感じ取り、外に出る準備を済ませながら答える。

「どうしたんださやか。 ……落ち着いて、何があったのか、そこはどこなのか
 教えてくれ」

警察官として過ごした時間は、加賀美を確実に成長させていた。
加賀美は決して慌てず、さやかに問いかける。

『う、うん。 ……』

「……場所は……ああ、ここから近いな。 わかった、すぐに行く。
 絶対に早まった行動はしないで待ってるんだぞ!」

さやかの口から出てきたのは、あまりに不可思議な状況。
突如居なくなったまどか、不思議な動物、そしてそれを追う転校生――
加賀美の頭の中に、朝の出来事がよぎる。
なぜ、『あんな物』が置いてあったのか。 

「……杞憂であってくれよ」

加賀美はロッカーを開け中のトランクを取り出すと、そのトランクの中身を取り出した。

銀色のベルトが、光り輝く。 
まるで戦いが始まることを、待ち望んでいるかのように。



「加賀美……頼むから、早く来てよ……」

閉鎖されたフロアの中――

柱を隔てた向こう側のほむらとまどかに聞こえないように、さやかが呟く。
向こうでは、ほむらがまどかと言い合いをしていた。
まどかはその胸に、傷だらけの動物を抱えている。
その傷がほむらがやった物であろうことは、彼女の態度から分かる。

一触即発の事態。 
今すぐにでも飛び出して、まどかを助けてやりたい。
しかし、信頼している警察官の指示を破る程、さやかは馬鹿では無かった。

幸い、ここから派出所は近い位置にある。
急いで来れば5分とかからないだろうし、あの熱血馬鹿ならもっと早く来るかもしれない。
そんな希望的観測が、さやかをかろうじて支えていた。

時間にして数十秒――
それが、さやかには数時間にも感じられる。
未だ加賀美は到着しない。

遂にほむらがまどかに向かって歩き出した。
まどかの眼前で立ち止まるほむら。
まどかは動物を抱え、庇うように構えた。

加賀美はまだ、来ない。

――もう、無理だ。
今すぐ行けば間に合う。
まどかを、助けださなきゃ。

さやかは近くを見回す。
足元には、消化器。

無我夢中でそれを取り、走りだす。

柱の陰から飛び出し二人に近寄ると、迷いなく噴射口をほむらに向け、安全ピンを抜く。

反動に耐えながら、まどかに声をかける。

「まどか、こっち!」

「さやかちゃん……!」

まどかが立ち上がり、自分の背後に回ったのを確認すると、丁度消化器の噴射が止まった。
空の消化器を放り投げ、まどかの手を引き、その場から逃げ出す。

走る、走る、走る。

「……なんだよあいつっ! 今度はコスプレで通り魔かよ!?
 ていうか、何なのそれ……ぬいぐるみ、じゃないよね!?」

まどかも必死に走りながら、腕の中の動物を見つめる。

「わからない……。
 でも、この子を助けなきゃ!」

二人の前から、大きな足音が聞こえてくる。
その足音の主は、やっと到着した加賀美であった。

「ごめん遅くなった! 二人とも無事か!?」

まどかとさやかは、やっと来た大人の存在に、安堵の笑みを浮かべた。

「だ、大丈夫です。 加賀美さん」

加賀美は、まどかの胸元に目をやると、怪訝な表情を浮かべる。

「その動物は……いや、今は早くここから――」

そう言い終わる瞬間、周りの世界が変貌する。
閉鎖された薄暗いフロアから、意味のわからない不気味な空間に。

その空間の中には、なんとも言えないこれまた不気味な存在。
飛び回る鋏、高い声を上げながらカタカタと動く、髭のついた綿。

「な、何よ、これ……」

「へ、変だよ、ここ……。 どんどん道が変わってく……っ」

「な、何だこれ……なんなんだよこれは……」

加賀美が、少女二人を庇うように立つ。
この空間は、危険だ――
異常事態を感じ取った加賀美は、迷いなく近くの化物を殴り飛ばす。

「二人ともじっとしてろ!」

しかし、無情にも化物の数は増えていく。
化物はまどか達に近付き、今にも攻撃してきそうだ。

化物が舞い上がり遂にまとか達に降り注ぎ始める、その瞬間。
どこからとも無く鎖が現れ、まどか達の周囲を囲う。
すると、オレンジ色の光が、まどか達の周囲に降り注いだ。
光に当てられた化け物たちは、力なく倒れていく。
間違いなくチャンス――
加賀美はすかさず手をかざし、強く念じる。

「(頼む……! 来てくれ、ガタックゼクター!)」

すると空中に時空の歪みが出現し、空間に穴ができた。
その中から現れたのは、青色のクワガタ――ガタックゼクター――

ガタックゼクターは加賀美の思いに答えて現れ、真っ直ぐ加賀美の手の中に収まった。
加賀美が上着を捲ると、銀色の機械じみたベルトが露出する。

「またこいつを使うことになるなんて……変身!」

加賀美は叫び、ゼクターをベルトのバックルに装着した。
エコーのかかった電子音声が鳴り響く。

 『Henshin』

加賀美の体に、機械仕掛けの鎧が装着されていく。
一瞬にして装着を終えると、加賀美はまた二人を庇うように構えた。

「か、加賀美、それ――」

「詳しい話は後だ! 今は俺から離れるなよ!」

しかし、周囲の化物は一向に動かない。
安堵の溜め息をつくまどか達とは逆に、加賀美は緊張感を高める。

不意に遠くからの足音が聞こえてくる。
加賀美は瞬時に音源に向き直り、肩のバルカンを待機させた。

「危なかったわね。
 でももう大丈夫」

が、現れたのは化物では無く、一人の少女。
その手には鎖と、光り輝く黄色の宝石が握られている。
少女は加賀美達の目の前まで来ると、にっこりと笑った。

「……とは言っても、助けは要らなかったかしら?
 ねぇ、『マスクドライダー』さん」

「お、俺は……。
 君はどうしてそれを――」

言い淀む加賀美の後ろから、まどかが声を上げる。

「わ、私……呼ばれたんです! この子に……『助けて』って……」

少女はまどかの腕に抱かれている白い動物に目をやると、得心がいったように頷いた。

「……わかったわ、説明しましょう。
 でも、その前に……」

少女は手に持っていた宝石を目の前に掲げた。
その瞬間、少女が光に包まれる。
光が収まり、その中から少女が現れると、その姿は制服姿から舞台か何かの衣装のような服装へと変わっていた。

「ちょっと一仕事、やっちゃおうかしら!」

再び動き出す化け物達。
化物達は加賀美達から離れ、一斉に少女の下へと飛んでいく。

少女が飛び上がり、その腕を振るうと、数多のマスケット銃がどこからともなく現れ、一斉に弾丸を射出する。
轟音と共に、弾丸の雨が化物達に降り注いだ。

圧倒的な殲滅射撃となったその攻撃により、化物達は焼き消されていった。

空間が再び歪んで行く。
辺りを見回すと、そこは元のフロアとなっていた。

さやかとまどかは顔を見合わせ、そこでやっと笑みをこぼす。
助けてくれた少女の下に、まどかとさやかが駆け寄った。

「やっと戻った……!」

「あ、あの、あなたは?」

「そうね、先に名乗っておこうかしら。
 私の名前は巴マミ。 で、その白いのが――」

「ま、待て三人共!」

その場が和やかな雰囲気になっていこうとするが、加賀美が声を張ってそれを元の緊張の中に戻した。

新たな人影を、マスクドライダーの超感覚が捉えたのだ。

人影は、二つ。

「何か来る……気をつけろ!」

再びまどかとさやかの顔が強ばる。

先に現れたのは、先ほどの少女と似た意匠の服をまとった一人の少女。

やがてそれが目視できる位置までやってくると、まどか達は驚きの表情を浮かべ、加賀美は素っ頓狂な声を上げた。

先に現れたのは、先ほどの少女と似た意匠の黒い服をまとった一人の少女――
暁美ほむら。

「ま、また女の子ぉ?」

「ほ、ほむら、ちゃん……」

ほむらは冷たい視線をまどかに向けて、一度目をそらし、軽く後方を見やる。
ほむらの後ろから出てきた人物を見た瞬間、加賀美が驚きの声を上げた。

「あ、あなたは……!」

現れたのは、加賀美とは違う鎧を纏った人物。
マスクに覆われた顔から表情は読み取れないというのに、その身から陰鬱な『闇』を漂わせる者。

加賀美が、その名を呼んだ――

「矢車、さん……!」

矢車と呼ばれた者は、加賀美に一瞥をくれると、すぐに視線を外す。
次に視線を向けたのは、マミ。

マミは、大して驚いた様子も無くその者に声をかけた。

「何の用かしら。 矢車想さん?」

マミは、『フルネーム』でそう呼んだ――

矢車は何も答えず加賀美達を眺めると、無言で背を向けた。
マミはそんな矢車を見て穏やかにクスリと笑うと、次はほむらに視線を向ける。

「魔女は逃げたわ。 仕留めたいならすぐに追いかけなさい
 今回はあなたに譲ってあげる」

怖い位に友好的な声色で、マミはほむらに話しかけた。
ほむらはあくまで無表情のまま、答える。
その目は、まどかの腕の中に向けられていた。

「私が用があるのは――」

「察しが悪いのね。 見逃してあげるって言ってるのよ」

マミは強い口調でほむらの言葉を遮った。
ほむらが黙ってマミに視線を向けると、マミは再び友好的な声色で問いかける。

「お互い、無用な争いは避けたいと思わない?
 私はあなたに魔女を譲る。 あなたはここで手を引く。
 それが今のベストだと思うのだけど」

そう言うと、マミは矢車に顔を向けた。

「矢車さん、彼女に付き合ってあげてくれないかしら」

「……」

矢車は何も答えず、ただマミに顔を向けた。
マミはそれを了解と受け取り、再びほむらに顔を向ける。

「矢車さんが居ればすぐに終わる筈よ。
 ……それでもまだ用があるようなら、私の家に来なさい。
 勝手に上がっても良いわ、鍵は矢車さんが持ってるから」

ほむらはマミに沈黙で返す。
了承では無いが、拒絶でも無い返事である。

ほむらはゆっくりとマミ達に背を向け、歩き出した。

矢車もそれに合わせマミ達に背を向ける。
が、加賀美がそれを呼び止めた。

「矢車さん! あなたなんでここに!? い、いやまあ
 いきなりなのはいつも通りですけど……。
 影山さんはどこに――」

矢車は顔だけを後ろに向けた。
だが、マスクの向こうのその目は加賀美に向けられてはいない。

矢車がぼそりと呟く。

「……マミ」

「何かしら、矢車さん」

マミはそれに微笑みながら返す。
心からの穏やかさを表すような声。

「麻婆豆腐が作ってある。
 ……食いたければ、食え」

それだけを言い残し、矢車は去っていった。

「ええ、頂くわ」

マミは静かに答えると、呆然と立っているまどか達に振り返った。

「……さて、それじゃ説明をしましょうか。
 その前にキュゥべえの怪我を治したいから、ちょっとこっちへ来てくれる?」

まどかはそう言われ、はっとしたように返した。

「あ、はいっ!」

/////


「あなたが、私を呼んだの?」

「そうだよ、鹿目まどか、それと美樹さやか」

まどかが聞くと、キュゥべえははっきりと答えた。

まどか達は、フロアの中でブルーシートを見つけ、そこに座ることにしていた。
そこでマミがキュゥべえに、先ほどのような不思議な力で治療を施したのだ。
加賀美は既に変身を解き、同じようにブルーシートに座っていた。

回復したキュゥべえにまどかが問いかけると、キュゥべえはまどか達の名前を言い当てたのだ。
困惑するまどかとさやかの横から、加賀美が手を挙げる。

「……あの、俺は?」

加賀美がそう聞くと、キュゥべえは驚いたような声を出した。

「……君は僕が見えるのかい?」

「いや、むしろなんで見えないんだよ」

「……僕の姿は、魔法少女かその才能のある子にしか見えないはずなんだけど」

「なにぃ!? じゃ、じゃああれか、俺が魔法少女になるのか!?」

『魔法少女まじかるアラタ☆ 今日もまじかるガタックカリバーで悪い人達をカッティングしちゃうぞー!』
 まで考えてから、加賀美は首を横に振った。

「いやいや俺少女じゃないし、少年ですらないから!」

「落ち着けよ加賀美……そんなの見ればわかるから……」

さやかが呆れたように加賀美に突っ込む。

「うーん……多分、あそこで『使い魔』と戦ったからじゃないかしら。
 キュゥべえが弱ってたから見えやすかったとか、色々考えられるけど。
 矢車さんにも見えてたから、その線では無いでしょうね」

マミは一寸考えて、加賀美の問いに答えを出した。
すると、加賀美は思い出したかのようにマミにまくし立てる。

「そ、それだよそれそれ! さっきから言ってる魔女とか使い魔とか魔法少女って
 一体なんなんだ!? あんなの、俺も見たこと無いぞ! それに、矢車さんは君達とどんな関係があるんだ?」

マミは苦笑いを浮かべながら、それに答える。

「それには色々説明しなきゃいけないことがあるので、ここではまだ……。
 簡単に言うと、使い魔って言うのはさっきの化物で、魔女って言うのはその親玉。
 魔法少女は、それと戦って人々を守る者の事です」

「へ、へぇ~……。 (やっべぇ、意味わかんねえ)」

「てことは、マミさんが魔法少女ってことなんですか?」

急な事に頭が追いつかない加賀美に代わり、まどかがマミに問う。
マミは、まどかとさやかに向いた。

「そうよ、私が魔法少女。
 キュゥべえが見えるってことは、あなたたちにもその才能があるみたいね」

「そうだよまどか、さやか。
 ……僕はね、君達にそのお願いをしたいんだ」

そう言うとキュゥべえは元気よく起き上がり、明るい声で言い放つ。

「僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ!」

キュゥべえは、可愛らしい笑みを浮かべた。


/////


「さ、上がって」

加賀美も含めた一同は、そのままマミの家に同行し、そこで説明を受けることにした。
時刻はもう夕方で、日差しはオレンジ色に染まっている。
マミの家に入ったまどか達が、感嘆の声を漏らす。

「うわぁ……!」

「素敵なお部屋……」

「俺の寮の数千倍綺麗だ……」

「いやそれは汚すぎだろ」

マミの家は、ごく普通のマンションの一室だが、よく物が整頓されていて落ち着いた部屋だった。

「ひとり暮らしみたいな物だったから、遠慮しないで。
 ろくにおもてなしの準備も無いんだけど」

そう言うとマミは三人をガラスのテーブルへと促す。
三人を座らせると、マミはキッチンへと向かった。

やがてマミは人数分のケーキと紅茶を持って戻ってきた。

まどか達が、並べられたケーキを口に運ぶ。
すると、一様に笑顔になった。
三人はどんどんケーキを食べていく。

「マミさん、このケーキとってもおいしいです!」

「ん~! メチャウマっすよ!」

「おお、こりゃうまい!」

「ふふ、ありがと。 それじゃ加賀美さん、魔法少女についてご説明します。
 ……二人もキュゥべえに選ばれた以上、人事じゃないものね。
 ある程度の説明は必要でしょう?」

マミが謝辞も程々に、本題を切り出した。
加賀美達はフォークを動かす手を止め、加賀美は緊張した面持ちで、まどかとさやかは特に緊張感も無く耳を傾ける。

マミが手を差し出す。
すると、マミの手の中に黄色い宝石が現れた。
宝石は、美しく輝いている。

「……これがソウルジェム。 キュゥべえに選ばれた女の子が、契約によって生み出す宝石よ。
 魔力の源であり、魔法少女である証でもあるの」

さやかがいまいち要領を得ないように聞き直す。

「契約って?」

その質問に答えるのは、マミではなくキュゥべえ。

「僕は、君達の願い事をなんでも一つだけ叶えてあげる」

「何でも?」

「なんだって構わない。 どんな奇跡だって叶えてあげられるよ」

「えぇ……何でも!?」

「願い事、って……」

「なんだって構わない。 どんな奇跡だって起こしてあげられるよ!」

あまりに現実離れした契約内容に、まどかは驚き、さやかは胸を躍らせる。
また、加賀美は純粋に関心していた。

「っはぁ……すげぇなそれは」

「わー……金銀財宝とか……不老不死とか……満漢全席とか!」

思い当たる奇跡をウキウキとした声で徹底的に挙げるさやか。
それをまどかは苦笑いしながら見ている。

「でも、それと引き換えに出来上がるのがソウルジェムなんだ。
 この石を手にした者は、魔女と戦う使命を課されるんだ」

まどかは、不安そうに聞き返す。

「魔女……って」

「そ、そうそうそれだよ! 魔女って一体何なんだ?」

加賀美が思い出したかのようにテーブルに身を乗り出す。
キュゥべえと加賀美の顔が、くっつきそうになるほどに近づくが、加賀美の顔は真剣そのもの。

さやかは加賀美を無理やり引っ張り戻すと、気を取り直してキュゥべえに問う。

「魔女っていうのは一体何? 魔法少女とは違うの?」

「魔法少女が願いから生まれる存在なら、魔女は呪いから生まれる存在なんだ。
 魔法少女が希望を振り撒くように、魔女は絶望を撒き散らす。
 しかもその姿は普通の人間には見えないからたちが悪い。
 不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみ……そういう災いの種を世界にもたらしているんだ」

キュゥべえの説明に、マミが補足を加える。

「理由のはっきりしない自殺や殺人事件は、かなりの確率で魔女の呪いが原因なのよ。
 形の無い悪意となって、人間を内側から蝕んでいくの」

話を聞いていくにつれ、加賀美の表情は険しく、さやかとまどかの表情は怯えを強く表していった。
さやかがおずおずと質問を返す。

「そんなやばい奴らがいるのに、どうして誰も気付かないの?」

「確かにそうだ。
 俺だって色々と事件に関わってきたのに、魔女なんて物はついさっきまで見たことも聞いたことも無かった」

「お、お巡りさんも気付かない事って……」

「魔女は結界を作って、いつもその奥に潜んでいるの。
 さっきあなた達が迷い込んだ空間が正にその結界なの。
 もちろんその結界の入り口だって一般人には見えないから、加賀美さん達警察が無能な訳では決して無いわよ」

マミのフォローに、加賀美は複雑な表情になる。

「……マミさん、そんな怖いのと戦っているんですか?」

「ええ、命懸けよ。 
 だからあなた達も、魔法少女になるかは慎重に考えた方が良いわ。
 魔法少女になればどんな願いも叶えられるけど、それは死と隣り合わせの行為なんだから」

さやかとまどかが目を伏せる。

「そこで提案なんだけど……。
 しばらく私の魔女退治に付き合ってみない?
 そうして経験してから、危険を冒してまで叶えたい望みがあるのかどうか、考えて欲しいの」

「ち、ちょっと待てよ!」

当然、そんな危険な行為を加賀美が許す筈もなく。

しかしマミは、あくまで落ち着いた様子で加賀美に向き直る。

「提案は終わりじゃありません。
 加賀美さん、あなたももう部外者ではないんです。
 当然、協力をお願いさせて頂きたいんですが」

そうマミに言われ、加賀美は明らかに動揺した。
彼女らに危険な事はさせられないのは当然だが、願いが叶うことは大きな魅力である。
自分がここで止めても、この子達は結局――
そこまで考えて、加賀美は答えを出した。

「……わかった、同行しよう。 ただし――」

不意に、玄関のドアの開く音が聞こえてきた。
マミ達が入ってきた時とは違う、乱暴なドアの閉まる音。

さやかが瞬時に反応し、マミに視線を向ける。

「あれ? マミさん、一人暮らしなんじゃ?」

マミは苦笑しながら、困ったように首を傾げた。

「うーん……一人暮らしなんだけどね。
 今は、半分同居してる状態の人がいるの。
 ……同棲、とは違うんだけど」

静かでゆっくりとした足音が近づいて来る。
足音は、真っ直ぐ加賀美達の居るリビングに向かってきた。
廊下とリビングを隔てるドアが開く。

「あ、お邪魔してま――」

加賀美は即座に正座に直り、出てきた人物に挨拶をしようとして、そこで固まった。
出てきた人物は加賀美にとって馴染みのある者。
あるときは憧れ、またあるときは驚かされた存在。
黒いレザー製の服をだらしなく着る、やさぐれた男。

「――矢車、さん?」


/////


「……さて、改めて要件を聞こうか」

警視総監である加賀美陸は、警視総監室で訪問を受けていた。
デスクから席を外し、革張りのソファに向い合って座っている。

その表情は極めて真剣で険しい。

「とぼけないで下さい。
 ……あなたは知っているはずだ。 まだマスクドライダーシステムには、僕達が知らない機能がある」

彼以上に険しい表情で、半ば怒鳴るように問いかけるこの男こそ、その訪問者。
整った顔立ちに気障な雰囲気を漂わせる服装の優男。
常にその傍らに居てサポートする小さな助手は、今は居ない。

「……風間君、私は――」

まずはこの男を落ち着かせようと、陸は穏やかな口調で話しかける。
しかしそれは、テーブルを思い切り叩く音で中断された。

「前置きなんてどうでもいいんです!
 ……柄でもありませんがね、許せないんですよ、今回ばかりは。
 あなたの説明不足のせいで、杏子が、一人の少女が傷ついた!」

風間と呼ばれた男は、鋭い目で陸を睨む。
風間はテーブルを叩いた両手の拳を解き、膝の上に戻した。
軽く一呼吸入れてから、今度は落ち着いた声色で切り出した。

「……あなたがどんな人なのかは聞きました、ネイティブ関連の話もです。 
 そのことについてはあなたを素直に尊敬しますよ。
 でも、今回の事ばかりは許せない」

風間の口調から何かを察したように、陸は神妙な面持ちで口を開いた。

「……そうか、君は関わってしまったのか。 『魔女』に」

「やはり知っていたんですね。 なら、ドレイクにあったあの機能にも納得が行く」

陸は一瞬躊躇してから、拳を開けたり握ったりしながら答える。

「君には話さなければならないな。
 マスクドライダーのもう一つの機能について」

陸は決心し、風間の瞳をしっかりと見据えた。

「ネイティブにとってのもう一つの懸念……。
 君達マスクドライダーは、それを視認することができる」

風間は息を飲み、次の言葉に耳を傾けた。

「ネイティブが懸念していたもの。
 その名は『インキュベーター』――」



/////



仮面ライダーカブト!



なんで同じ魔法少女なのにそんなことに――

学校にペットを連れてくるな――

まどか、それはちょっと恥ずかしいぞ――

お前の瞳の中にも闇が見える――

ティロ・フィナーレ!――

……ライダーキック――

次回『それはとっても嬉しいなって(後)/『友達』との再開(前)』

天の道を往き、総てを司る!




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