上条「DIOォォォォォォォォッ!!!」  その4

2010年01月29日 21:00

上条「DIOォォォォォォォォッ!!!」

342 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 06:16:55.49 ID:xcYlCKtk0

翌日

上条「んー・・・すっかり良くなったな・・・」

右手を握っては開き、握っては開きを繰り返す。もうシンガポールでの怪我はまったく目には見えない

少年は街に買い出しに行く途中であり、一人で歩いていた

黒子「あ、あら!かみじょーさんぐーぜんですのー!!」

上条「ん、ああ白井か。お前も買い物に行く途中なのか?」

黒子「そ、そうですの!よろしければ、御一緒しませんこと!?えぇ、それが良いですわ!」
―ごめんなさいお姉さま、でも今の黒子の辞書に手加減という言葉はございませんの・・・!

少年が外に出るのを見て、偶然を装い同行する。名付けてすごく自然にデート作戦

少年の返事を待たずして、少女は彼の腕を取り街へと繰り出していった―


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黒子「まぁ・・・このブレスレット、素敵ですのー」
露店に並ぶ古めかしいブレスレットを手に取り少女が微笑む。
何やら鳥の絵が描かれているが少年にはよく分からない

黒子は行く先々で楽しそうな笑顔を振りまいていた
ひょっとしてインドに何か思う所があったのかもしれない、シンガポールで買った服を着て、普段よりオシャレをしている気がする

上条「気にいったのなら、買えば良いんじゃないか?」
―ジョセフさんからもある程度は好きに使って良いって許可が出てるしな

黒子「・・・いいえ、こういうのは自分で買ってもダメなんですわ」
はぁと溜息をついて元の位置に戻す少女

上条「そういうものなんですかね・・・あぁ、そうだそれじゃあ」

店主にお金を渡す少年。その手には今のブレスレット

上条「ほら、これなら良いのか?」

ぽかんと口をあけている黒子に、特に深い意味もなくブレスレットを手渡す少年

上条「白井にはあの事で、世話になっちまったからな」
照れた顔で頬を掻く。誰だって泣き顔を見られるのは恥ずかしい物である

上条「これは上条さんからのお礼の一つっていうことで、受け取って下さいよ」
にっこりと笑う少年

黒子「た、大切に・・・一生大切にしますの・・・!」

上条「い、一生って、大げさじゃあないでせうか・・・」

彼はこのブレスレットに描かれた鳥の事を知っているのだろうか

この小夜鳴鳥が、愛を象徴する鳥だと知っていたのであろうか

それからは特にめぼしい物も見当たらず、必要な食糧などを買った後ホテルへと戻る

―上条さんって誰か好きな方がもういらっしゃるのでしょうか・・・
黒子「・・・」
先程の元気はどこへ行ったのか。
上条の渡したブレスレットを胸に抱き、少女は先程からずっと黙って考え事をしている

―ひょっとして、白井も具合悪いんじゃねぇのか・・・?
禁書の事を思い出す。空元気はもう願い下げである

上条「白井、お前熱でもあるんじゃないのか・・・?」
額に手を当てる少年。これを素で行うのが上条当麻という少年である

黒子「あ・・・っ!あわ・・・」
声にならない声を出して少女が反応をする。ぐるぐると目が回って気持ちが悪い

―何か、何か言わないと!変に思われてしまいますわ・・・!

黒子「かっ!上条さんっ!上条さんって、今っ!
   おっ、おおおお付き合いしていらっしゃる方がいるのでしょうか!?」

自分でももう何を言っているのか分からない。
突然突拍子もない事を言ってしまい、自ら掘った墓穴が更に体温の急上昇を引き起こす

上条「イヤァァァッ!!いきなり上条さんの胸を抉る発言が聞こえたんですけどもっ!?何!?Sなの!?」

居ないということであろう。狼狽したかと思うと、急に肩を落とす少年

上条「はぁ・・・
   俺みたいな万年補修の貧乏無能力高校生とお付き合いしてくれる稀有な女性なんていらっしゃいませんよー」
常盤台のお嬢様には分からない世界の人間なんですよ、と自虐を続ける少年

上条「・・・まぁ、白井は可愛いし、モテない組みの気持ちなんて分かんないだろうなー・・・」

―可愛い・・・っ!

黒子「・・・本当に、そう思いますの・・・?」

上条「・・・?ああ、思ってるけど・・・?」

少年から渡された、手元の愛のブレスレットを強く握る

―白井黒子、当たって砕けますわ・・・っ!

黒子「か、上条さん!もしよろしければ、わ!私と―」

男「待ちな」

上条「ッ!誰だ!?」

突如背後から殺気を帯びた声がかかる。二人から少し離れた位置に、カウボーイの様な格好をした男がいた

男「ホル・ホース・・・俺の名前だぜ・・・皇帝『エンペラー』のスタンド能力ってわけよォ・・・」

手に持った銃で周囲のガラスを手当たり次第にぶちまける男

上条「・・・一対二だってのに随分余裕があるみたいだな・・・」
目線を逸らさずに男に問う。恐らくは相当の使い手

ホルホース「銃は剣よりも強し、ンッンー・・・名言だなこれは・・・」

上条「何を言っている・・・!」

ホルホース「俺の能力はハジキだ、そして武器も持たないあんさんら相手なら俺一人で十分だってことだッ!」
―もうじき奴らをを始末したJ・ガイルの旦那も合流するはずだしなァッ!

手から再び銃を具現化し、少年に向ける男
まだ男は知らなかった。そのJ・ガイルは今鏡の中に閉じ込められており、そしてその後絶命してしまうことを

少年の頭に照準を定め皇帝をぶっ放す

上条「くっ・・・!」
手に持った荷物を放り投げ咄嗟に回避をする少年。
すると通り過ぎた弾丸が少年の頭に再び狙いを定め軌道を修正する

ホルホース「弾丸だってスタンドなんだぜ~っ!それを予想出来なかったのがあんさんの敗因なのさぁ~ッ!」
―ジョースターのガキを殺った!

勝ち誇ったかの様に高笑いをする男

上条「そうかよ!ならこいつが能力だってんなら言っちまったのがお前の敗因だな!!」

咄嗟に右手を割り込ませる少年

右手ごと脳をぶち抜く、という男の幻想ごと少年の手はぶち壊してしまう

ホルホース「なっ!?」
目を奪われるのは一瞬。すぐに気を取り直し再び攻撃を試みようとするが、腕が上がらない

ホルホース「な、なんだこりゃあっ!!」
男の右腕を拘束するように、袖口と脇腹部分の服を金属の矢が貫通していた

黒子「・・・ちょっと」
声に咄嗟に反応する。先程から静かであった少女がいた

黒子「地獄へ旅立つ準備は出来てますかしら・・・?」

男への惜しむ事無き憎悪と怒りを目に宿した少女は、そう言った

黒子「あなたがっ!気を失うまでっ!殴るのをっ!!」

ホルホース「う、うおおおおおおッ!!!?」
少女に言い様に殴られ続ける男。先程からロクに抵抗をしない。したくても出来なかったのである

空いた手で少女に拳を振るうが、それは空を虚しく切り
瞬間に背後から少女の拳が、蹴りが男の頭を打つ。振り向くと既に少女はそこには居なく、更なる衝撃が身体に走る

―こ、このアマの能力・・・!こいつは・・・!

恐らく自分との相性は最悪な部類。瞬間移動の能力者
いくら軌道を修正出来るとはいえ、相手が目の前から見えなくなってしまえばやりようがない

軍人将棋というゲームがあり、戦車は歩兵には勝てるが、飛行機には勝てない
剣を持って突撃する歩兵に対しては無二の強さを誇る男にとっての天敵、それが彼女であった

上条「お、おい!白井!もう良い、もう良いだろ!」
慌てて少女を羽交い締めにして止める少年

上条「あんたも、まだやるってんなら俺が相手をしてやる・・・!」
男を強く睨みつける少年。どんな修羅場を見て来たのだろうか。自分より年下の相手に思わず気圧されてしまう

―これはかなわんぜ・・・ッ!

男はその場から振り向きもせずに逃げ去る。少女はそれを追いかけようとするのものの、それも一瞬
幻想殺しに掴まれた少女の身体は、少年の抱擁を振り切る事が出来なかった

そして少女自身、もうしばらくこのままで居たいと思っていた―




美琴「・・・言い遺すは何かあるの?」
やれやれと溜息一つついて、少女が一歩にじり寄る

男「ひィえェえェェェェェェェェッ!!」

腕だけに異常な筋肉を持つ男が、美琴を見て怯える

運命の車輪『ホウィール・オブ・フォーチュン』
それが男のスタンドの名前であったが、誰もそんなことに興味は無かった

一方通行「・・・てめェの下手くそな追跡のせいで、俺らはここまで歩かなきゃいけなかったンだぜ・・・」

周囲に被害を出さない為に、上条当麻はこの追跡者を叩く事を優先した

そしてその結果が今、この瞬間である

男の能力は自動車をベースに、思う通りに変形して攻撃をしてくるというものであった
そして自動車という「機械」を、美琴相手に用いる時点でこの哀れな男には勝機など無かったのである

ダンプカーに変身し彼らを襲うのも、少女にあえなく吹き飛ばされてしまう
おおよそ車ではありえない位置からの奇襲も、生きたレーダーと化した少女には通用しない
そして奇策とも言えるガソリン銃も、音速で移動する少女には当たらない

上条「・・・悪いが、運が無かったと諦めてくれ」
同情したような少年の言葉を最後に、男の意識はそこでぷっつりと途絶えてしまった

男を気絶させると、残されたスタンドはみるみるうちに姿を変え、やがて一つのジープが残った

黒子「これが・・・あやつの能力の元というわけですのね」
呆れたのか感心したのか、少女が呟く

一方通行「あァ、丁度良い。こいつに乗ってこうぜ」

上条「お前、運転出来るのか?」
もっともな質問である。免許の有無はともかく、操縦出来る人間がいなければ話にならない

一方通行「あァ?てめェ俺を誰だと思ってやがンだ」

美琴「随分な自信じゃないの、いいわ。見せて貰おうじゃない」
少女の言葉を切っ掛けに、彼らは車に乗り出す

全員口には出さなかったが、運命の車輪を叩くべくここまでずっと歩きづめであり、疲労していた

一方通行「・・っし、行くぞてめェら!」
そう言って車を走らせる少年、ふらふらすることもなく、真っ直ぐと進む

―おっ、本当に運転出来たのか。まぁこいつは今まで色々やってそうだからな

高校生といえどもバイク程度に乗る奴もいるし、ましてや相手はこの少年
裏社会に生きてきた彼なら、車の一つや二つ、運転出来てもおかしくはない。だが

上条「・・・な、なあ。ちょっと飛ばし過ぎじゃないか?」
正面からのGに耐えながら少年は言う、大きく首を振って同意する少女達

打ち止め「大丈夫だよ!とミサカはミサカは彼のドライビングテクニックを保証してみたり」

上条「そ、そうなのか?でももうちょっと安全運転で・・・」
どこからくる自信なのかは分からないが、少女の力強い言葉に安堵を覚える

打ち止め「彼はとあるゲームセンターでは生きる伝説のドライバーとまで呼ばれていて!
     とミサカはミサカは自分の事の様に胸を張って―」

・・・打ち止めという少女の口から発せられる言葉は、上条の右手よりも性能が良いらしい
少年達の淡い幻想を一瞬にしてぶち壊す。どうやらこの子もまた幻想殺しの使い手だった様子

少年達「いやああああああぁぁぁっ!!!下ろしてェェェェェェェッ!!!」

少年達の願いはむなしく、そのままジープとは思えない弾丸の様な速度を出し続けた

上条「生きてる・・・!生きてたんだ・・・!」

黒子「良かったですの・・・!本当に良かったですの・・・!」

涙を流し少年と少女が生きている事の素晴らしさを再実感している

一方通行「・・・で、なンだこの街は」
腰を抜かし動けなくなる少年達を放置して、街を調べに行った白髪の少年と少女が戻ってくる

一行は国境を超えパキスタンのとある街へと入っていた

一方通行「どいつもこいつもまるで死ンでるみてェにぼンやりしてやがる」
打ち止め「お店もしまってたし、街中に霧が立ち込めて視界が悪いよ。
     とミサカはミサカは偵察の結果を報告してみる」

美琴「何でもいいわよ・・・とっととホテルを探して休みましょ今日は・・・」

その言葉に同意するように少年達もふらふらと立ち上がると、背後から声がかかる

老婆「もし、そこの旅のお方がた」

上条「え?」
振り返ると腰を曲げた老婆がこちらをみていた

老婆「もし宿をお探しというのなら、うちで休まれていってはいかがでしょうか」
お安くしておきますよ、と言いながら老婆は少年達に微笑みかけた

美琴「へぇー。小さいけど中々雰囲気あるじゃない」

―この女だけは・・・この手で殺してやる・・・!

美琴「ほら、そこのツンツン頭!最後なんだから宿帳に早く名前を書いちゃってよ!」

―息子を殺したこの女だけはこの手で殺してやる・・・!

ぎりっと杖を握る手に力が入る。憎しみで人が殺せたら、目の前の少女など一瞬で殺せるだろう
老婆はJ・ガイルの母親であった。そして知っていた。息子は彼女に殺されたのだということを

―心の清い愛する息子がこんなガキに負ける訳がない・・・!汚い手を使われたんだろうね・・・!!

美琴「じゃあアタシ達は部屋に行きますね。ありがとうお婆さん」
にっこりと笑いながら手を振り部屋に入る少女達

老婆「てめぇだけは・・・」
噛み砕かんとばかりに歯を噛む

その時フロントから呼び鈴の音がする。誰だろうとフロントへ向かう

ホルホース「奴らはここにご宿泊おあそばしですかい・・・?」

追いかけて来たぜ、と言いながら男はフロントの台に腕をかけていた

突然の男の訪問に老婆は思わず涙ぐんでしまう

ホルホース「エンヤ婆どうしたんですかい、いきなり泣き出して・・・!」
とにかくここはまずい、と老婆と奥の部屋に入る

エンヤ「わしゃ嬉しい・・・お前は息子と親友じゃったよな・・・?」

ホルホース「え、ええ!そう親友!だからその仇を討ちに来たってわけですよ!」
男はあの後確認をしていた。焼死体となったJ・ガイルを

だが別段どうしたというわけでもない、彼の為に墓を作ることなど、以ての外である
―だが、流石に今この婆さんの気を損ねるのはマズい・・・!

そう思い保身に走る男。老婆はくしゃくしゃになった顔を急に上げると

エンヤ「だから嬉しいんだよーーーっ!!息子を見殺しにしたおのれをぶち殺せるからなッ!!」

ザクッ

何時の間に持っていたのか、急に男の腕に鋏を振り下ろす

より痛みを感じるように、より傷口が広がる様にと鋏を左右に大きく動かす

ホルホース「ご、誤解だ婆さん!俺が気がついた時にはもう・・・ぐあああっ!!」

傷口にぽっかりと奇麗な丸い穴が空いている。そこからえも知れぬ違和感を感じる

エンヤ「殺してやる!殺してやるぞ!わしのこの正義『ジャスティス』でっ!!」

ホルホース「くそっ!皇帝!!」

応戦すべく慌ててスタンドを発動する。そして老婆の額に照準をつけ、撃つ
―くたばりやがれッ!糞婆ァッ!

その時、銃を持つ男の腕が180度方向を変えホルホースの口の中に、正確に狙いを定め―

ドタン、と派手な音を立て、銃弾を受けた男は後ろに吹き飛んでいった

エンヤ「わしの正義は霧のスタンド・・・この霧に触れた傷口は穴があき、わしの操り人形となる!!」

ドタン

美琴「・・・?ねぇ、今何か聞こえた様な」

黒子「気のせいじゃありませんでして?」
美琴の言葉にそう返す少女。事実彼女には特に何か聞こえたわけではなかった

んー、と頭を抱え老婆の事を考える
―お婆さん、一人じゃ大変だろうな・・・何か手伝えるかもしれないわね

美琴「ちょっと、アタシ下いってくるわね!」

そう言って部屋を後にして宿の下の階へと降りる少女

そして見てしまった

美琴「え・・・?おばあ・・・さん・・・?」

血にまみれた鋏を持つ老婆と、腕から血を流し倒れている男の姿を―

美琴「え・・・?何やってるの・・・?」

目の前に広がる信じられない光景に、言葉を失う少女

―あいつはジョースターの仲間の女・・・!
ホルホース「う・・・逃げろ・・・!この婆のスタンドに触れた傷口は・・・っ!ぐあっ!!」

一縷の望みにかけ、少女に老婆の能力を伝える。
しかしその言葉が終わるよりも早く、穴の空いた彼の腕が彼自身を殴りつける

エンヤ「おのれ・・・咄嗟にスタンドを解除して致命傷だけは避けたか・・・っ!」
まあいい、と振り返り美琴を睨みつける

エンヤ「この糞ガキィィィッ!貴様に殺されたわしの息子の仇を取ってやる!嬲り殺してやるっ!」

鋏を振り下ろす老婆、少女は反射的に回避して難を逃れる

―何を言ってるんだかわからないけども・・・!

即座に敵であると理解をする。そして、あの老婆を相手に傷を負ってはいけないと

エンヤ「死ねっ!死ねッ!!」

執拗に鋏を振り下ろし、美琴を狙う老婆。回避すること自体は大した問題ではない

―殺さない程度に・・・!
老人を殺すつもりはない。スタンガン程度の電撃を老婆に放つ

が、その瞬間突如現れた謎の男に阻まれてしまう

美琴「え・・・?」

エンヤ「呼び寄せていたのさァッ!!」

ぞろぞろと集まる男達。顔や服から覗く肌は土色に染まり、その目に生気はない
そして一か所だけ、全員に共通していた

美琴「何あれ・・・穴・・・?」

彼らの全身にぽっかりと空いた奇妙な穴の数々を

エンヤ「これがわしのスタンドの能力っ!正義は死体を操れる霧のスタンド!
    百人でも千人でも操れるのじゃあああ!!」

美琴「くっ・・・!」

次々と現れる死体に、奥の部屋へと向かい一度逃走を図る少女

エンヤ「逃すかっ!追え!追えっ!!」
老婆の叫びに死体達が少女を追いかける

バタン!
部屋に入りドアに鍵を閉める。そして目に映るものを手当たり次第にドアの入り口に置き時間を稼ぐ

一息付いて部屋を見渡す。いくつかの小部屋と下へと向かう通路が伸びているだけであった

美琴「この通路は・・・地下牢へとつながってるの・・・!?」

迂闊であった。まさか逃げる為に入った部屋で追い込まれる羽目になるとは

ドンドンとドアから音が聞こえる。恐らくもう時間はないだろう

美琴「諦めちゃ駄目よ・・・!どこかに別の通路とか・・・!」

そう思い小部屋を見回す。しかし見つかるのは独房や備え付けられているトイレのみで何も見当たらない
冷やりとする壁に触れると、ガッシリとした作りであることがわかる。
これを壊すとなると自分の身も危険にさらされてしまうだろう

―どうしたら・・・っ

バァンッ!
エンヤ「もう逃げられないじょォォォッ!!」

通路の先で立ち尽くす少女を見つけ、老婆は心から嬉しそうに邪悪な笑みを浮かべた

美琴「来ないで・・・っ!来ないでよ!!」

壁にぴたりと背を着け、迫りくる死体に次々と電撃を飛ばす
最初のうちこそ、電撃は死体を焼き、その身体を吹き飛ばしていた

美琴「来るな・・・!来るなってばっ!!」

先頭の死体を盾に、少しずつと距離を縮めてくる。
これが生身の人間であれば、感電をさせ動きを封じる位は出来たであろう
しかし相手は老婆に操られた死体。感電などするわけがなかった

後3m・・・2m・・・1m・・・
そして

美琴「うぐっ・・・!!離せっ!離しなさいよっ!!」

迫りくる死体の群れに、とうとう少女は組み伏せられてしまった

エンヤ「ひゃひゃっ!息子の恨み、晴らさでおくべきか・・・っ!」

エンヤ「殺してやる・・・!これ以上なく惨めに!」

老婆の腹の底から笑う声が、地下牢に響いた

美琴「ちょっと・・・!やめてよっ!やめてってばぁっ・・・!」

泣きだしそうな声で少女が叫ぶ。しかしそれに構う事なく、ビリビリと音を立てて死体が少女の制服を引き裂く
抵抗をしようにも手足は押さえつけられてしまい、どれだけ身体に電撃を帯びても死体は反応をしない

そして死体はついに少女の下着をも剥ぎ取り、生まれたままの姿にされてしまう
一際巨躯な死体により、吊るされた様に両腕を持ち上げられて宙ぶらりんになる

エンヤ「ひゃっはは!花も恥じらう乙女のスッポンポンじゃ!!」
笑え!と死体に合図すると、死体達が一斉に笑い始める

美琴「うっ・・・!うぅっ・・・!当麻ぁ・・・当麻・・・」

エンヤ「おやおやぁ・・・男の名前かえ・・・?」

復讐に燃える老婆への恐怖からか、それとも恥辱からなのか、真っ赤に顔を染め少女は眼を閉じ、無意識のうちの涙を流していた

エンヤ「惨めよのぉ・・・物凄く惨めじゃよぉ・・・!じゃがな!
    わしの息子は貴様に卑怯な真似をされ、もっと惨めな気持ちで死んだのじゃ!」

怒りの全てを吐き出す様に叫ぶ老婆。そして一息を付き落ちついた声で続ける

エンヤ「さぁて・・・これから貴様に傷をつけ、わしの操り人形になってもらう訳なんじゃが・・・
    わしも女じゃ・・・」

突如少女の足元に居た二人の死体が、美琴の足を強く引く

美琴「・・・っ!?嫌だ・・・ッ!!やめて・・・!助けて、助けてよ当麻!当麻ぁぁぁっ!」
声が虚しく地下牢に響き渡る

手は吊るし上げられてしまい、両足を開かされ、彼女はもう隠す事が出来なかった

エンヤ「てめぇの●●●にこいつらの汚い●●●をてめぇ死ぬまで突っ込んでッ!
    そこに穴を作ってやるよォォォッ!!!」

エンヤ「死ぬ前に女の喜びを知る事が出来てよかったなァ糞ガキがァァァァッ!!」

美琴「ひ・・・っ!」

少女を取り囲む、無数の死体達が服を脱ぎ捨て穴だらけの性器を立てながら虚ろな瞳で彼女を見ていた―

美琴「やだ・・・!やだやだやだやだ・・・!!何でもするから・・・っ!
   何でもするからやめて下さい・・・っ!」

恐怖を顔に張りつけ、少女は泣きながら老婆に懇願する

エンヤ「ケケケッ!そうじゃ!その顔が見たかったんじゃよぉッ!!」

ずい、と死体の一人が少女の前に立つ

エンヤ「舐めろ!そうしたら考えてやる!ケケケケケケケケケケ・・・ッ!!」

腐臭と膿に包まれて男が少女の前に性器を立てる

美琴「・・・あ・・・あぁ・・・!うっ・・・ぷっ・・・!」
―夢だ・・・こんなの夢だっ・・・!!

美琴「夢なら覚めろ・・・覚めろ、覚めろ。覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ
   覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ・・・っ」

狂った様に少女が唱える
腐臭と絶望に吐き気がする。力無く頭を垂れ、視点の定まらない眼で床を見る

エンヤ「それじゃあ仕方ないよなァ~ッ!」
老婆が合図をすると死体達が再び動き出す

上条「おーい、婆さんいないのー?」

美琴「・・・ッ!!」

突如開いたドアの向こうから、少年の声が聞こえた

少女が、今一番聞きたかった、少年の声が聞こえた―

エンヤ「またしても邪魔が・・・っ!!」

歯ぎしりをする老婆。そして突然ハッとしてしまう
―ホルホースの奴が見つかれば、一人一人潰して行く計画が潰れてしまう・・・っ!

そう考えた老婆は、踵を返し少年の元へ向かう
しかし、能力は維持したまま。少女の口を封じた以外には、彼らを先程と同じそのままの姿勢で

エンヤ「おっ、御呼びですかな上条しゃま!!」

ドアも閉めぬまま、少女の居る地下牢を抜け、ホルホースの倒れている部屋を抜けたフロントに全力で駆けつけ、少年に問う

上条「いや、ビリビリ・・・いや御坂美琴って子・・・
   あの短い髪の女の子なんだけど、さっきから見当たらなくて・・・」
何か知らないかな?と問う少年

エンヤ「は、はて?知りましぇんなぁ~・・・?」

この機に乗じて少年を倒すという事も考えた
しかし、老婆はあの少女を惨めに殺す事だけを考えていた為、あえて知らぬ振りを通す

美琴「ーッ!」
―私はここ!助けて!助けて当麻!!当麻!!

上条「そっか・・・ところで婆さん・・・」
老婆の肩に両手を置く

上条「何で、名乗ってもいない俺の名前を知っているんだ・・・?」

少年のその発言に、老婆は言葉を失った―

エンヤ「あ・・・その、それは・・・そう!宿帳!宿帳の名前を見ていたんですじゃ!!」

上条「・・・宿帳って、これか?でもこれは・・・」
フロントの台の上に置かれたノートを手に取り、パラパラとめくる少年

上条「・・・やっぱり、書いてないぞ俺」

TOUMA JOESTAR
トウマ・ジョースター

宿帳に書かれた名前を見て、老婆は眼を見張る

少年はジョセフに言われ、旅中はジョースター名義を使って居た
ジョセフに渡されたお金は現金だけでない。
カード等も含まれていたが、急な用意であった為にまだジョセフ銘のままであった

万が一のことがあったとしても、財団の手がかかっているのならともかく、毎回毎回そういう訳にもいかない
その理由から、少年はこういった場所では必ずこの偽名を用いていたのであった

上条「・・・婆さん、あんた何か隠してないか・・・!?」

少年の眼は老婆をしっかりと捉えていた

エンヤ「う・・・あ・・・ぁ・・・!」

上条「どうなんだよ婆さん・・・?」

エンヤ「か、上条しゃまの・・・そう!上条しゃまのお連れの方がそう言っていたのを聞いたんですじゃ!」
苦しすぎる言い訳。だが老婆はそういう他に無かった

上条「・・・連れ・・・?」
―そういえば、黒子辺りがに呼ばれていた気もする・・・どうだっけか・・・

上条「・・・あぁ、なるほど。それなら納得だよ。で、御坂は知らないんだよな」
黒子がさっき下へ行ったって言ってたんだけどなぁ、と呟き少年はその場で腕を組み頭を悩ませている

少年は老婆を疑うにはあまりも素直過ぎた
もうひと押しをすれば、もう少し老婆を疑えば、気付く事が出来ただろう

エンヤ「そ、それじゃあわしは夕飯の仕込みがありますのでこれで・・・」

逃げるようにフロントを後にし、部屋のドアをしめる

エンヤ「・・・ククク・・・!これであのガキをゆっくり殺せる・・・っ!」
―死体共の慰み者にされて、あのガキは更にどんな顔をしてくれるだろうか・・・!

老婆は下を向きながら考えに耽り、少女と死体の待つ地下牢へと足を伸ばした―

老婆が地下牢に戻ると、そこには変わらず少女と死体がいた

しかし、違う所がある

固定していたはずの死体達は全て冷たい床に横たわっており
その中で死んだような顔をした少女がこちらをじっと見ていた。何事か呟いているが聞こえない
少女は瞬き一つせず、機械の様な動作で立ち上がり、こちらにゆっくり歩いて来た

エンヤ「なっ、何故!どうやって・・・っ!」
彼らにもし何かあれば、それはスタンドを通して老婆にも分かるはずであった
しかし、何も感じなかった。スタンドからは何も反応が・・・
―正義が何時の間に・・・消えている・・・ッ!!

老婆は気付いていなかったし、知っていればそんなことをさせなかったであろう
霧程度であれば消された所で何の害もない。しかし、その元であるエンヤは違った

上条当麻はあの時老婆の肩に触れていた。その瞬間、正義は文字通り霧散し死体達の身体を自由にしていた

エンヤ「ならばもう一度・・・がはッ!?」

その瞬間、少女が老婆を殴り倒す
そしてそのまま馬乗りになり、無表情のまま老婆をひたすら殴り続けた
偶然少女の手に触れた棒を拾い上げる。折れた死体の腕である

それを使い老婆を更に殴る。途中で折れてしまい、放り投げてまた手で殴り続ける

美琴「さめろさめろさめろさめろさめろさめろさめろさめろさめろさめろさめろさめろさめろさめろさめろさめろ
   さめろさめろさめろさめろさめろさめろさめろ」

少女はそう呟きながら、老婆をひたすら殴り続けた

少年の声が聞こえなくなり、隣の部屋のドアがしまる音を聞いて美琴は理性的に考える事をやめていた

死体が自分の身体から離れた事にも気がつかない
自由になった事にすら気付かず、ただその場に佇んでいた

美琴「ーッ!」

そして地下牢に戻ってくる老婆を見た瞬間、再び恐怖が彼女を支配した

―ああやっぱり夢だ。夢なんだ。ゆめならさめなくっちゃ。
はやくこのゆめからさめてよわたしわたしをたすけてよこいつをころしてよさめろさめろさめろさめろさめろ

それに支配された彼女の心とは裏腹に、身体はひたすら老婆を殴り続けていた。殺すつもりで

そして老婆が動かなくなるのことに気がついて、そこで今起きた事に初めて気がついた

―はやく、もどらなくっちゃ・・・

少女はふらふらと立ち上がり、隣の部屋へと続く通路をゆっくりと、何度も何度も倒れながら死体の海を越え歩き続けた

地下牢の通路から、あの部屋に行けば目を覚ます事が出来る。この悪夢から逃げ出す事が出来る。そう信じていた

ただ、彼の顔が見たかったから。ただ、彼の声が聞きたかったから。ただ、彼の傍にいたかったから―

上条「婆さん、やっぱりこっち・・・に・・・ッ!?」

少年が部屋のドアを開けると、触れば今にも倒れてしまうのではないかと思えてしまう様な少女がそこにいた
少女の全身から漂う腐ったような匂いが、少女が生きている人ではないのだと伝えている気がして、少年を酷く不安にさせる

美琴「・・・あ・・・当麻・・・」

普段の少女であれば彼が自分の裸を見たりなどすれば、電撃の嵐を彼に見舞っていただろう
しかし、今目の前にいる少女は身体を隠す事もせず、少年の姿を見ると両目からつぅと涙を流し、彼に一歩、また一歩と近寄ってきていた

少女は少年の前に立つと、そのまま彼に力の限り抱き付いた
美琴「あた・・・怖・・・った・・・戻って・・・夢から・・・っ」

よく聞き取れない声量でいくつかの言葉を呟く

上条「みこ・・・と・・・?」
あまりにも変わり果てた少女の姿に、頭が追い付かない。
でも、少年には自分が彼女に対して出来る事が分かっていた

上条「美琴・・・っ!」
力の限り強く抱きしめ返してやる。そうしないと、少女が壊れてしまいそうだったから

少年の鼻を柔らかくて良い匂いがくすぐって、少年は無意識の内にも安心をすることが出来た

―生きてる・・・まだ、生きている・・・っ

そして、更に強く、それでいて優しく彼女を抱きしめた

上条「・・・そうか・・・」

裸のまま抱き付く少女に上着を着せてあげようとしたが、少女は少年から離れなかった
やがて少女は安堵からなのか、彼に全てを話した。起こった事を何一つ隠さずに伝えた

少年の表情は、驚き、悲しみ、そして最後に自身の無力さへの怒りへと変わって行った

美琴「もう、大丈夫だから、大丈夫だから当麻・・・」
だから自分を責めないで、と少女は囁く

少年はその言葉に救われた
もし、これ以上彼に何かを背負わせてしまったら、彼自身が潰れてしまうと少女は理解していた

美琴「・・・一つだけ・・・わがままきいてくれる・・・?」

少年はシンガポールでの夜の出来事を思い出した。責任を取ると、そう少女に言った

顔を上げ、少年を見上げる少女。少年は無言のままそれを受け入れる

そのまま互いの目を離さず、少女の柔らかな唇が、少年の唇に触れた


彼らに見つからぬ様に、家具の下に隠れたホルホースが二人を見ていた
ホルホース「ま、今出たら殺されちまうな・・・」

呟き、目を閉じる。彼自身にもわからなかったが、心がとても暖かかった


上条「そ、それにしても驚いたよな」

街を出た彼らは、再びジープでの旅を再開していた
あれから宿の外に出ると、霧はすっかり晴れていて周囲の様子が良く分かった
街は宿を覗き、全てが老婆の能力によってカムフラージュされていた墓所であった

上条「まさかあんな大規模な能力まであるなんてな」

美琴「そ、そうね」

少女がぎこちなく少年に同意をする。気のせいか、彼らの様子がおかしい
別に喧嘩などをするわけでもない、ただ互いに顔を合わせることもやめ、少し身体がぶつかるだけで過剰なまでに大きな反応を示すのであった

黒子「お姉さま、上条さんと何か、ありましたのでしょうか・・・?」
呟く。恐らく何かあったのだろう

縄で縛り付けられ、未だに意識の戻らない老婆を見る

この老婆が恐ろしい能力者であり、そして二人で倒したと彼らは言っていた

酷い怪我ではあったが老婆はまだ生きていた。
他の能力者について何かを聞き出すと一方通行が主張し、連れて来ていた

そして一行はカラチへと入った

打ち止め「このゲバブ美味しいねってミサカはミサカは異国の味に舌鼓を打ってみる」

一方通行「・・・あァ、食べカスが付いてんぞ、ちったァ落ちついて食えよ・・・」

白髪の少年はそう言って少女の口周りを指で拭く

―あいつら、何かあったな
少年も気付いていたが、何かをする訳ではない

結局のところ、これは彼ら自身の問題であり、彼ら自身で解決する必要があるのだと判断した

一方通行「おいてめェら、食いもン買ってきた・・・おい、その婆ァ目を覚ましてんぞッ!!」

少年の言葉に、視線が老婆に集まる。しかし老婆は彼らなどには構う事なく、その顔には恐怖が張り付いていた

エンヤ「わしは何も喋っておらん・・・!な、なぜ貴様が・・・!うぽわあァァァァァッ!!」

咄嗟に少女の目を手で覆い隠す白髪の少年。
次の瞬間、老婆の目から口からと飛び出してきた触手に引き裂かれ、彼女は絶命した

男「口封じをさせて・・・いただきます。そしてあなた方・・・お命を頂戴・・・いたします」

老婆の最後に見た先に、その身なりを整えた男は居た

男「私の名前はダン・・・鋼入りのダン。スタンドは恋人『ラバーズ』。
  君達もこのエンヤ婆のようになっていただきま・・・ッ!?」

一方通行「るせェッ!」

男が言い終わる前に、白髪の少年は男を殴り飛ばす。その瞬間

上条「ぐあっ!」

何故か老婆の隣に座る少年が声を上げる

ダン「良いパンチだ・・・だが、気付かなかったようだな」

顔を抑えゆっくりと男が立ち上がる

ダン「私のスタンドは体内に潜りこむスタンド!そして私が受けた痛みを何倍にもしてそいつにも与える!」

ダン「私を殺すか?そこのジョースターの小僧も道連れだがなッ!
   貴様らは、この俺に指一本触れる事が出来ないのだよォォォォォッ!!」
―そして私の恋人は肉の芽を持っていった!十分もすればエンヤ婆のように、脳内から小僧を食い破るッ!!

男が勝利を確信した瞬間、光が走り男の背後に停まっていた車が爆発をした

ダン「な・・・!?」

驚き、振り返る男

美琴「・・・ろしてやる・・・!よくも当麻を・・・殺してやる・・・!」
手を前に突き出し、虚ろな目で男から眼を離さず少女が呟く

ダン「おっ、おい!聞いていたのかガキ!私に攻撃をすればそこの小僧に何倍にも跳ね返るんだぞっ!」
男が声を荒げる

黒子「お、お姉さま!落ちついてくださいまし!」
一方通行「何やってンだてめェッ!!」

美琴「離せ・・・っ!離してよぉ・・・っ!私が当麻を助けるんだっ!私があいつを殺してやるんだっ!!」

二人に取り押さえられたまま少女が気が触れた様に叫ぶ。恐らく考えて発言しているわけではない。
無意識からの行動

上条「・・・分かった」

少年がここに居る全員にはっきりと聞こえる様に一言、そう言った

上条「美琴、俺は耐える。あいつには負けない。だから・・・頼む」
背後から抱き付き、耳元で囁く様に少女へと伝える

美琴「・・・あ」
少女の瞳に光が戻り、その言葉の意味を何度も何度も頭の中で考えた。そして自らの行為に恐怖を感じる

上条「俺はお前を信じる。だからお前も俺を信じてくれ・・・!」

少年はそう言い、目の前の男を強く睨みつけた

ダン「う、うおおおおおおっ!!」
―狂ってやがるあいつらッ!!

必死に逃げ回る男、そしてそれを追う少年と少女

少女はダンに向かって何度も何度も攻撃をし、そしてそれを何とかかわす度に、巻き添えを貰った建物や車が爆発を引き起こす

ダン「てめぇら!その小僧もろとも殺す気かッ!!」
―あんなもの当たれば間違いなく即死しちまうッ!

上条「死なない!俺は絶対に死なない!」
―インデックスと、そう約束したんだ。絶対に死ぬ訳にはいかない・・・ッ!

そう言い放つ。根拠があるわけでもないだろう。だがその眼は自信が満ちていた

そしてついに、袋小路へと追い込まれてしまった

美琴「あんたが苦しむ前に、殺してやるわ・・・っ!!」

バチバチッ!という音が周囲に木霊する。その音が大きくなると共に、少女の身体が青白い光に包まれる
少年もまた、一歩後ろでその姿をただ見守っていた

美琴「死ねェェェェェェェッ!!」

少女の雄叫びと共に、突き出した手に光が収束する

ダン「ラッ!ラバーズよ!戻れ!その女に付くのだ!!」
―てめぇ彼氏なんだろォォォッ!!そのガキが死んで良いのかよォォォッ!!助けろ!俺を助けろッ!!

男の言葉にハッとする少年
上条「ま、まて!美琴!やめろ!!」

咄嗟に少女に抱きつく。だが少女はもう止まらない

美琴「うあああああああああああっ!!」

―ちっくしょオオオオオォォォォッ!!ラバーズが間にあわねェェェェッ!!
男は死を覚悟して、眼を閉じる。だがその瞬間は訪れなかった

上条「・・・っ!」

右手の幻想殺しが少女の電撃を止める。それは間一髪、間に合っていた

彼女に自分の目の前で人殺しにするわけにはいかない
少なくとも、スタンドでもない生身の人間を消し飛ばす姿など見たくなかった

ダン「ハァー・・・ッ!ハァー・・・ッ!ク・・・クク・・・!どうやら勝負あったみたいだなガキども・・・!」
何が起こったのか理解をした男は、再び勝利を確信する。今、ラバーズは少女の体内へと侵入をした

美琴「・・・そうね、これで終わりね」
視線を下に落とし、少女が呟く

―そうだっ!俺の勝ちだッ!良い彼氏を持ったなッ!!ククククク・・・ッ!

上条「俺達の、勝ちだ・・・ッ!」

少女から手を離した少年が男を睨みつけ、力強くそう言った

ダン「ハッ!?今更ハッタリかよ!そこの女の命乞いでもしたらどうだァッ!?」

既にラバーズは少女の脳の奥深くへと侵入している。もう何があっても取り出す事など出来ない

そこで男は気がついた。自らの身体に微弱な電気が走っていることに

ダン「まっ!まさか!!待て!やめてくれェェッ!!」
突如命乞いをする男。慌ててラバーズを少女の体外へと走らせる

美琴「もう遅いっ!!」
少女は全身に激しく電撃を纏い、叫ぶ

ダン「ギィ・・・アアアアアアアアッッッッッ!!」
ラバーズを経由して男に激しい電流が流れだす

上条「・・・最初からこのつもりだったんだよ・・・」

少年が力無く倒れる男を見て、そう呟く

美琴「あんたのその能力が、アタシの身体に入り込むのを待っていたのよ・・・ッ!」

生体レーダーと化していた少女がそれに合わせる

―このジョースターの小僧・・・何故肉の芽が出てこないのだ・・・
逃げる事に必死で気がつかなかったが、男が気を失う前に時計を見るとあれから既に15分以上経過していた

上条「・・・皆の所に戻ろう」

そう言い振り返る事も無く踵を返す少年。少女は足を止め男の方に一瞬だけ振り返る

美琴「・・・恋人・・・か・・・」
―恋人は、そんなものじゃないよね・・・

呟き、愛する少年の元へと走り出して行った



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