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上条「DIOォォォォォォォォッ!!!」  その5

2010年01月31日 21:57

上条「DIOォォォォォォォォッ!!!」

449 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 15:23:16.92 ID:3vERpUs80

黒子「んまぁ、凄い豪邸ですわね・・・!」
打ち止め「すごーい!とミサカはミサカは驚いてみたり」

車から見える景色に驚き眼を丸くする少女達。ラバーズを退けた彼らはアブタビの街へと入っていた

上条「へ?高級ホテル以外には、家なんて上条さんにはどこにも見えませんけども・・・?」

キョロキョロと辺りを見回す少年

一方通行「アホかてめェ・・・全部ホテルじゃねェよ、あれが家なんだよ家」

ジープを運転する少年が毒を吐く。そういう少年自身、眼を見張る光景ではあった

上条「そうかー、あれ全部が家・・・え!?あれ家なのっ!?人が住んでんの!?」

素っ頓狂な声を上げる少年。見ているこっちが恥ずかしい

美琴「オイルショックよ、それ以来この国はまさに夢の様な都市へと発展したって聞いたわ」
学校で習った知識を、無知な少年に伝えてあげる

一方通行「ンなこたァどうでもいいだろ。で、ジジイが言ってた村ってのはこの先なんだな?」

上条「・・・え?あ、あぁ!そう、このヤブリーンっていう村に寄って、ラクダで砂漠を越えろってさ」
放心していた少年は我に返り、地図を広げながら白髪の少年に返す

一方通行「は・・・!?ラクダだァッ!?」

らくだー、と能天気な声が後部座席から聞こえた


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一方通行「おっ、おいィ!暴れンじゃねェ!!」

ガイドの指示など全く聞かず、力ずくで少女と共にラクダに乗りこむ

打ち止め「これが世に言う愛乗りって奴なのかな、とミサカはミサカは顔を赤らめて考えてみる」

相乗りの字も意味も違うが、誰も気づかない

美琴「・・・っ」

ラクダ「・・・っ」

眼の前の偶蹄類から眼を離さず、じりじりと距離を詰める少女
御坂美琴は動物が好きではあったが、その逆はも然りとは限らないのである
AIM拡散力場という、彼女が無意識のうちに発してしまう微弱な磁場が、この動物を警戒させていた

上条「なんだ、乗れないのか?」
ぬっと横から左手を伸ばし、ガイドの指示通りラクダの手綱を引き大人しくさせる少年

上条「ほら、早く乗れよ」
と、少女に右手を差し出して、騎乗に成功させる

黒子「・・・か、上条さん。私もお手伝いして欲しいのですのっ」

上条「あぁ、いいぞ」
テレポートをして一気に乗り込む事だって出来たが、少女はあえてそれをしなかった

その理由を上条当麻は気付いていなかった




黒子「・・・はぁ・・・っ!はぁ・・・っ!」

上条「い、いくらなんでもこれは、熱すぎるな・・・」

ラクダにまたがり砂漠を横断する彼らを、灼熱の太陽が照りつける

一方通行「・・・みてェだな・・・」
自らを影にして、前に座る少女に直射日光が当たる事を避けさせつつ白髪の少年が同意する

少年自身は太陽光線の熱のベクトル自体を反射し、涼しげな顔を見せている

美琴「黒子・・・?大丈夫・・・?」
ぐったりとしている後輩を見る
黒子はラクダの手綱をしっかりと掴んではいるものの、いつ気を失ってもおかしくない程にぐったりとしていた

上条「大丈夫か白井!?夜になれば日が暮れるって言ってたな・・・!」

夕方に村を出発したからもうすぐ・・・と少年は呟きながら時計を確認する

上条「な・・・!?」

午後8時10分
だが、太陽はまだそこにあった

美琴「・・・!その岩の裏、何かいるっ!」

すかさず感知する少女

その言葉と同時に黒子がテレポートで岩の後ろへと飛ぶ

男「ドギャス!」

その声とともに太陽が消滅し、辺りは闇に染まり真っ暗な空にいくつもの星明りが灯る

上条「やったのか白井・・・!・・・しら・・・い・・・っ!?」

少年達が岩に駆け寄ると、全面を鏡貼りにした車の様な物に乗った、気絶をした男と

その後ろで、ついに気を失ってしまった少女が見えた



ほぎゃあ ほぎゃあ

遠くで赤ん坊の声がする

一方通行「・・・誰だ・・・?」
そして気がついた。自分を取り巻く今の状況に

一方通行「な・・・ッ!?」

観覧車のゴンドラの中に白髪の少年は座っていた。そこから見える景色から察するに、巨大な遊園地だろうか
―俺は確か、あの後見つけた村で・・・!

思い出した。突如倒れてしまった白井という女を介抱するために村に立ち寄り、そこで泊まったのだと
―なら、こいつァ夢か・・・

そう考え、シートに深く背を預ける
―どうせなら、遊園地にくるのなら、あいつと・・・

「ねぇ、わたしと一緒にいても楽しく無いの?とミサカはミサカは悲しい声であなたに聞きます」

一方通行「あァ・・・ッ!?」

いつの間にか目の前に、打ち止めと呼ばれる少女がいた。少女は少年に抱き付く

打ち止め「わたしはあなたといられて嬉しいんだよ・・・!とミサカはミサカは・・・ラァリホォ・・・」

彼の背に手をまわした少女の手に大きな鎌が握られていることに、少年は気付かなかった

一方通行「あ・・・」

真夜中に眼を覚ます。目の前に見慣れた少女の顔

打ち止め「大丈夫?とミサカはミサカはあなたに尋ねます」

一方通行「あ、あァ・・・夢か・・・で、大丈夫ってどういうことなンだ?」

とても素晴らしい夢だった気がするが、その内容を思い出せない。
少年は仕方なく目の前の少女に今ある疑問を投げかける

打ち止め「だ、だって・・・だってあなたがずっと寝言で私の名前を・・・
     とミサカはミサカは顔を真っ赤にして答えますっ」
言葉の通りに、少女はそう言いながら耳たぶまで真っ赤にしてしまっている

一方通行「・・・なァ・・・ッ!?いやっ、違ェッ!いや違ェねェのかもしれないがけどよォ!」

夫婦漫才を始める二人。
少女はともかくとして、少年はもし他のメンバーが同じ部屋であれば、決して見せないだろう

彼の首筋に、うっすらと血が流れていることに二人は気付いていなかった



コンコン

美琴「入るわよ当麻、看病替わるわよ?」
ノックして黒子の泊まる部屋へと入る

すぅすぅと静かな寝息を立てて眠る少女と、その手を握り寄りそう様に座る少年が居た

その光景を見て、胸がちくりと痛む。しかし美琴も気が付いていた。彼女はそれほど鈍くはない

自分を慕う目の前の少女が、この少年に好意を抱き始めていた事に

上条「あ、あぁ・・・でも、美琴もゆっくり休んでいてくれ。俺が看てるから」

少女も確かに疲れていた。しかし少年は恐らく曲げないし、一緒に居ても気を遣わせてしまうだけだろう

そう判断した少女は、部屋を後にして、今見た光景を考えないように眠りに落ちた

少女が部屋を出て眠りに落ちてから少しして、少年は顔を洗う為に外へと出た

ベッドの中の少女が、その瞬間にビクッと動いたが誰も見ていなかった



黒子「・・・ここ、は・・・?」

気が着いて見渡すと、そこは広い遊園地

自分の置かれた状況に戸惑い、記憶の糸を手繰る
思い出せたのは、自分があの敵を石で殴打し気絶させたところまで。その先は覚えていない

黒子「ここは夢・・・ですわね・・・」
手をじっと見つめる。ほんのりと温もりがまだ残っている。あの少年のものだ、と少女は理解した

黒子「どうせなら、上条さんと来たかったですわ・・・」

「何言ってるんだよ黒子?」

はっと顔を上げると、そこには少年の姿があった

上条「折角のデートなのに、俺とじゃ嫌だったか・・・?」
肩を落とし少年が尋ねる

―例え夢でも
黒子「ちっ、違いますわ!何でもありませんの!」

少女は少年の手を取り、コーヒーカップへと向かう
―例え夢でも、もう少しだけこのままで・・・

そしてそこで見てしまった

御坂美琴の姿と、その隣で楽しそうに笑う

もう一人の上条当麻の姿を

美琴「くろ・・・こ・・・?」

彼女もこちらに気付き、驚いた様に目を見張る
そして、どちらからともなく互いの前に立つ

黒子「ここは・・・」
美琴「うん・・・夢・・・なんだよね・・・」

二人の傍に立つ、二人の同じ少年が静かにさらさらと砂の様に崩れさる

黒子「お姉さま・・・私、言わなくてはならない事がありますの・・・」

美琴「・・・うん・・・」

見られてしまった。自分の心の内を
出来る事ならば、言いたくはなかった
自分と目の前の彼女との関係が、壊れてしまうような気がして、怖かった

黒子「私は・・・私も・・・上条さんの事が・・・」

美琴「・・・うん・・・」

消え入る様に呟く少女の声に、美琴はただそう答えるしか出来なかった

そして美琴は、黒子の告白を、しっかり聞き届けた

黒子「ごめっ・・・なさい・・・っ!お姉さま・・・っ!ごめんなさい・・・っ!」
ひたすら彼女に謝り続ける少女。しかし決して瞳に溜めた涙は流さない

自分は彼女が彼を好きだということを知っていた。だからこそ、汚いと思う
ここで泣いたらいけない。哀れに涙を流して許しを乞うのは、彼女に対する侮辱に他ならないと思ったから

いつか、言わなくてはいけないと思った。ただ、それが今だっただけのことだった

彼女はどんな顔をしているだろうか、自分をどれ程憎んでいるだろうか
そう考えると、顔を見る事も出来ない。ただひたすらに涙を堪えていた
例え夢だと分かっていても、少女の小さな胸は罪悪感に圧し潰されそうになる

美琴「・・・分かってた・・・」

黒子「・・・え・・・?」
考えていた言葉のどれにも当てはまらない答えが返ってきて、思わず顔を上げてしまう

美琴「怒ってないわよ・・・だから、泣いちゃ駄目」
寂しそうな笑顔で、彼女は少女の頭を撫でる

美琴「これからは、ライバルだね・・・一緒に、頑張ろうね・・・」

その言葉を聞いて、少女は我慢しきれなくなり、彼女に頭を預けて思いっきり泣いた
自分の好きな、尊敬する彼女はやはりとても素晴らしい人であったのだと、黒子は感じていた

「ラァリホォ~・・・!」

二人「え・・・?」

声のした方向を見る。そこには再び上条当麻がいた
いつも通りの顔で、いつも通りの笑顔でこちらを見ていたが、それは全くの別人であると分かる

両手に大きな鎌を持ち、殺気を放ちながら少女達を見ていた

黒子「・・・え・・・?」
美琴「これは・・・敵の能力・・・っ!?」

思えば全てがおかしかった。今居る場所も、互いの目の前のあまりにも現実的過ぎる少女も

美琴「え・・・?」
反撃を試みるが、能力が使えない。黒子も同じように不思議な顔をしている

上条「ラリホォー!もう二名様ごあんなぁぁぁぁいっ!!」
突如上空に向かい叫び出す少年

美琴「に、逃げるわよ!」
少女の手を引き、走り出す

それを死神が追いかけた

一方通行「ックショォォッ!なンだこのふざけた世界はッ!!」
打ち止め「・・・ハァ・・・!ハァ・・・ッ!」

少女の手を引き逃げる白髪の少年。途中で迫り来る敵の攻撃から少女を庇い、いくつもの傷を負っていた
気がついたらまたこの世界にいた。それも少女と一緒に

夢の中だから、とあの死神は言った。夢の中では能力が使えないのだと
なら拳は蹴りはどうだと、襲いかかるが全て死神は効かなかった。というよりも当たっていなかった

信じられない形で自分の絶対の能力を無力化されてしまい、少年は満足に少女も守れない自身に苛立ちを覚えていた

美琴「あ、アンタっ!」
黒子「お二人もこちらにっ!?それよりも敵の能力が!」

一方通行「てめェらもいやがったのか!」
打ち止め「お、お姉さま!すぐそこに死神が来ています!とミサカはミサカは焦りながら状況を伝えてみる!」

互いに同じ様な事を言いあい、互いの状況を瞬時に理解する

「ラァリホォォー!」

そして死神の姿で、死神『デス・サーティーン』が姿を現した

一方通行「・・・ケッ!何がラリホーだこのピエロ野郎ッ!」
白髪の少年が悪態をつく

死神「・・・君には、余裕のある勝利とハッピーでさわやかな気分を象徴したこの叫びが理解出来ないかな~?」

突然周囲のベンチと、看板に手足が生え、少年を取り押さえる

死神「ひと思いに殺してやるのもいいけど、嬲ってやってからの方がもっとさわやかな気分になれそうだね・・・」

ドガッ
大鎌を捨て、自らの手で少年を殴り始める死神

打ち止め「やめて!やめてよぉ!とミサカはミサカは!」

少女が死神を止めようとするが、触れる事も出来ない

美琴と黒子も必死に頭を巡らせるが、何も思い付かない
何しろ触る事も出来ないのだ

少年がただひたすら殴られ続けるのを見ているしか出来なかった

死神「ラァァリホォォォッ!気持ちいいねぇッ!」
手を休める事無く少年を殴り続ける

一方通行「・・・ケ・・・ッ!その程度の力しかねェのかよてめェの能力は・・・!
     オラ・・・もっと本気でやってみろよ・・・!」
しかし少年は更に悪態をつき続ける。その矛先が自分以外に向かない様にと

死神「・・・もう君は良いよ。早く殺らないと目が覚めちゃうからね・・・!」

死神「この鎌で首を刈り取ってあげるよォォォッ!!」

先程投げ捨てた大鎌に手を伸ばす

ザクッ
死神「・・・あれ・・・?」

手に鎌が突き刺さる。その先から鮮血が溢れ出てくる

打ち止め「・・・ハァ・・・ッ!ハァ・・・ッ!彼を・・・!いじめないで・・・!とミサカはミサカは・・・!」

彼自身の能力で生み出した大鎌であれば、彼自身を攻撃することが出来る

少女はそんなことは知らなかった。でも大好きな少年を助けてあげたくて

少年を殺そうとする、この敵を許せなかった

持つのもやっとであろう、自分の身体よりも大きな鎌を構え、少女が死神を睨みつけていた

死神「んんん・・・?怪我しちゃったよ・・・生意気だね君も・・・」
自らの手から流れ出る血を驚いた顔で見つめ、静かに死神が呟く

一方通行「ッ!おっ!おいィ!逃げろォォォッ!早く逃げろォォォッ!!」

美琴と黒子が少女を助けに走る。
次の瞬間、少年の叫びも虚しく彼らは死神の呼びだした様々な着ぐるみ達に取り押さえられてしまう

死神「まずは君からにしようか。その方があっちにもより効果的みたいだね・・・ッ」
死神が大鎌の刃を少女の首に掛ける

死神「夢の中で死ねるって、ロマンティックだと思わないかい?」

一方通行「やめろォォォォォォッ!!頼む!やめてくれェェェェッ!!まず俺を殺せェェェェッ!!」

少年の顔からはもう余裕などなかった。例え全てを投げ打ってでも、少女を助けたかった

美琴「離せ!離せってばぁぁぁlっ!!」

黒子「やめて!やめてくださいまし!!その子は戦える子じゃありませんのっ!!」

少年の、少女達の悲痛な声が。死神にはとても気持ち良く聞こえる

死神「ラァァァァッリホォォォォゥッ!!!!!実にさわやかな気分だねェェェッ!!
   この後すぐに残るもう一人も送ってあげるよォォォッ!!」

打ち止め「・・・あ・・・ごめん・・・なさい・・・もう一緒に・・・」

少年を見て少女が悲しそうに呟いた

―遊園地、一緒に行けなくて、ごめんなさい。ミサカはミサカはあなたと居られて幸せだったよ

少女は傷だらけで、それでも自分を心配してくれる大好きな少年の姿を目に焼き付けた

死神の持つ鎌に力が加わる

死神「ラァリホォォォォッ!!!!」

そして、少女の目の前が真っ暗になった―

黒子「・・・ッ!!」
跳ね起きる。酷く嫌な汗をかいていて、心臓は早鐘を打っていた

何か、とても大切な事がいくつもあった気がする・・・でも、思い出せない

周囲を見回すと宿のようで、自分はベッドの上で寝かされていた

黒子「・・・あ・・・上条さん・・・?」

恐らく夜通しで自分を看病していてくれたのであろう、少年がベッドに突っ伏して眠っていた
少年がそういう人であると分かっていても、嬉しくなってしまう

その瞬間、胸をちくりとした痛みが襲う
―何で、何で私は泣いているのですの・・・?

自分でも分からなくて、何故かとても悲しくて少女は少年を起こさない様に一晩中静かに泣いた

そして、何も起こらない静かな夜が、ゆっくりと明けた

黒子「おはようございますの・・・」
結局あれから再び眠る事は出来なかった。何故か、眠る事がとても怖かった

上条「あぁ、もう起きて大丈夫なのか?」
目の下に隈を作り、少年が宿の広場へと歩いてきた

黒子「え、えぇ・・・お陰さまでもう大丈夫ですの・・・」

全然大丈夫ではなさそうな声で少女が答えた

美琴「・・・おはよう」
もう一人の少女が広場へと顔を出した。黒子と同じように腫れぼったい目をしていた

黒子「あ・・・お姉さま・・・」

美琴「黒子・・・」

大切な何かがあったような気がして、二人の少女が互いに見つめ合う

黒子「・・・おはようございますの!」

美琴「・・・おはよう、黒子!」

上条は以前よりも距離の近くなったように見える二人に首を傾げていた

上条「ところで・・・一方通行と打ち止めはまだ起きてきてないのか・・・?」

打ち止めという名前を聞いて、反射的に二人の少女は同時に顔を強張らせた



上条達の泊まる同じホテルの、ベビールームに彼は居た

―何故だ・・・ッ!

死神の持ち主である赤ん坊は理由がわからなかった
彼はDIOにより力を与えられ、そして異常とも呼べる知性を持っていた

彼のスタンドは、彼らが眠りに陥ると自動的に彼の世界に引き込むことが出来た
そして、夢の世界ではどんな能力も使う事が出来ず、結果的に彼の世界においては誰一人敵う者などいなかった

死神は、少女達を追いつめ、そして一人の少女の首を切り飛ばした

切り飛ばしたつもりであった。しかし、その前に世界が崩壊をしてしまった
それが何故なのか、持ち主の赤ん坊にも分からない

あの時彼のスタンドは、眠りに落ちた上条当麻を夢の世界に呼び出していた
彼は知らなかったのだ。彼の持つ幻想殺しが常に効果を発揮する能力であるということを
そして、彼の世界に触れた彼の右手により、彼の世界そのものが消滅させられてしまったということを

しかし、彼は大して気に留めてはいなかった
彼のスタンドは夢の中であり、起きた人間の記憶には残らない

まだチャンスはある。そう思っていた

この少女が、自分の目の前に現れるまでは―

打ち止め「どうして覚えているのかって言いたいんでしょ?
     とミサカはミサカはあなたの考えている事を当ててみる」

あの世界で、あと少しで殺す事の出来た少女が目の前に居た

打ち止め「夢の中の能力・・・確かに能力は使えない―」
けど、と彼女は続ける

打ち止め「人間って、夢を見ている間も脳は活動しているんだよ?とミサカはミサカは答えを教えてあげる」

俗に言うレム睡眠なども、その一つである。しかし赤ん坊には理解できない

打ち止めと呼ばれる少女はミサカネットワークと呼ばれるもので、世界中の自分の姉妹へと意識の共有が出来た

例え自分が眠っていても、世界中の姉妹が一斉に眠りについているわけではなく、あの時の出来事を全て彼女は思い出す事ができた

打ち止め「約束して、なんて言わない。今この場であなたの身体に教えてあげます。
     とミサカはミサカはあなたの腕を取ります」

掴んだ赤ん坊の手には、あの時夢の中で付けた傷が見えた。少女はこれを頼りに彼を探し出したのだ

―やっ!やめろッ!俺はまだ赤ん坊だぞッ!!この人でなしッ!!

打ち止め「彼に手を出す人は、例え誰であっても、私は許さない・・・ッ!ミサカはミサカは怒ります!」

彼女も御坂美琴と同じく、電撃の能力を持っている。しかし、その力は彼女のそれとは全く比にならない程弱い物で、戦いに使えるほどではなかった

しかし、相手が生身の赤ん坊であるのなら話は別である

少女は彼を誰もいない部屋へと連れ出した。そして―

赤ん坊「ギッ!?ギィャァッ!アガッ!アギィィッ!?」

その腕に、足に、顔に、身体に何度も何度も火傷する様な電撃を浴びせ続けた

打ち止め「今日はこれで許してあげるよ・・・でも・・・」

もはや息も絶え絶えな赤ん坊をベビールームへと戻し、その顔を笑顔で覗きこむ

打ち止め「もし、次に彼に何かしたらどうなるか・・・分かっているよね?
     とミサカはミサカはあなたの理解力に期待をしてみる」

大量の汚物が赤ん坊のおしめの中を満たした

そう言い残し、少女は自分と白髪の少年の部屋へと戻っていった



一方通行「おっ、おいィ!打ち止めの奴を知らねェか!?」

青褪めた顔で少年が宿の広場へと駆け込んでくる。顔が何故か腫れている気がするのは何故だろうか

上条「知らないも何も、同じ部屋だろ?」
どうかしたのか?と表情を険しくする少年

一方通行「・・・あ、あァ・・・一緒に寝てて昨日真夜中に二人して目が覚めて・・・
     しばらくしてから俺ァちょっと外の空気吸ってて・・・」

相当慌てているらしく、よく分からない。だがいくつか分かる事はあった

黒子「一緒に・・・寝た・・・」
美琴「・・・やっぱりロリコンか・・・」

一歩退く少女達。冗談を言いつつも顔は笑っていない

一方通行「ちっ!違ェッ!じゃなくて知らねェのかどっちなんだッ!」

打ち止め「・・・呼んだ?とミサカはミサカはあなたを見つけ出して抱きついてみる」

元気いっぱいに、少年に後ろから抱き付く少女

一方通行「痛ッ!て、てめェ!どこに行ってた―」

打ち止め「ねぇねぇ、赤ちゃんって可愛いのかな・・・?とミサカはミサカは将来を案じながら聞いてみる」

少年の発言を遮って、少女が彼の顔をじっと見つめながら聞く

黒子「・・・こんな小さな子と一緒に寝て・・・」
美琴「・・・赤ちゃん・・・?」
上条「・・・最近、そういうのに厳しいから気をつけろよ・・・」

上条達が二歩退きながらこちらを見ている

一方通行「だから違ェェエェェェェェェェッ!!!誤解してンじゃねェぞてめェら!!」

打ち止め「そうだよ!いつもは一緒に寝てないよ!たまたま昨日は一緒に寝て、起きたら彼に抱き―」

一方通行「だアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァアアァァァァッ!?」

慌てて少女の口を塞ぐ白髪の少年

黒子「・・・一緒に寝て・・・?」
美琴「・・・抱いて・・・?」
上条「・・・赤ちゃん・・・」

この世のものとは思えない叫び声を上げる白髪の少年と、その彼に抱きついて幸せそうな彼女であった



上条「うーん・・・」

ヤブリーンに到着した上条当麻は暇であった

当初の目的ではこの村でセスナをチャーターする予定ではあった

だが、前に偶然立ち寄った村で赤ん坊が全身に火傷をしてしまったらしく、一台しかないこの村のセスナで病院へと送っているのであった

彼らも急ぐ旅ではあったが、その赤ん坊を見殺しにすることなど上条には当然出来ない
結果として帰って来るまで足止めを食らってしまっていた

仲間もその説明で説得をすると、まるで少年がそうすることが分かっていたかのような反応を示した

特に、何故かは知らないが打ち止めと呼ばれている少女は積極的にそうするべきだと主張していた

美琴「身も知らない赤ちゃんの為に・・・良いお母さんになれるわねー」
黒子「本当ですの。でも、だからって早まってはいけませんわよ」

誰とは言わないが、一人の少年に視線を向けたまま、少女達は話していた

―本当にする事が無いな・・・

上条「今頃あいつ、どうしているのかな・・・?」

遠く離れた少女を思う。小萌先生辺りに、何か美味しい物を食べさせて貰っているのだろうか

少女を思い出して、同時に自分の力の無さを思い出してしまう

―あれから少しは、強くなったのかな・・・

そんなに短時間で人が強くなれるわけもなく、上条自身にもそれは分かっていた

こつん
足に何かが当たる。古めかしい骨董品だろうか。少年はそれを拾い上げる

上条「なんだ・・・?これ・・・ランプ・・・?」

描いてある柄をもう少し細かく見ようとして、砂を払いのけた

その時、突然ランプが爆発をする

上条「え!?えぇぇぇっ!?」

いきなりの出来事に対処する暇も無く、腰を強かに打ちつけてしまう

上条「いてて・・・不幸だ・・・」
再びランプを拾い上げる。しかし何事もなかったかのように反応はない

上条「うーん・・・?何だったんだろう今の・・・」

首をかしげる少年。たまたま何か凄い静電気か何か起こったのだろうということにしておく

美琴を見ていると、電気の力でランプを爆発させること程度何とでも思わなくなってしまう

少年がそう結論付けようとしたその時

「3つッ!!願い事を言えッ!!ランプから救ってくれた礼にかなえてやるッ!!」

上条「・・・えっと・・・どなたでしょうか・・・?」

目を点にした少年は、そう答えるのがやっとであった

カメオ「わが名はカメオ!3つ願い事を叶えてやる!言え!」

上条「・・・えぇと・・・?」

手元のランプと目の前のランプの魔人とを交互に見る
―ランプに俺の右手が触れて消えないってことは、敵の能力じゃない・・・のか・・・?

上条「え、えぇと・・・!ちょっと待ってくれ!」

カメオ「良かろうッ!それが最初の願いだなッ!」

上条「ちっ!違う!違います!!」

もしかしたら本当に願いを叶えてくれるのかもしれない。頭をフル回転させる
何が起きても不思議ではない学園都市にいた少年は、思わずそう考えてしまう

カメオ「では願いを言えッ!」

―本当に叶うと決まってるわけじゃない!なるようになれ!
上条「こっ!小萌先生のお土産に!高級そうなお酒を出してくれっ!!」

自分の幸せよりも、他者の為になるものを選んでしまうのが少年らしい

カメオ「よかろう!Hail to you!!」

ドサッ
砂漠の中に突如箱が現れる。少年はまさかと思い中を開けると、いかにも高級そうなワイン等がこれでもかと入っていた
中を覗くとドロリとした液体が入っている。こんな辺境の村ではこんな物は売っていないだろう

―まさか、本当にランプの精なのか・・・?

カメオ「次の願いを言えッ!!」

上条「・・・ッ!!」

―本当に、本当に願い事が叶うのか・・・!?

上条「じゃ、じゃあ!上条さんを幸せにするっていうことも出来ますか!?」

カメオ「・・・お前がそれを本当に望むのならば・・・」

上条「・・・じゃあ、今ここにいない人を呼び出す事は・・・」

カメオ「それをお前が望むのであれば・・・」

息を飲む少年。少女の顔を思い浮かべる

上条「分かった・・・あいつと、インデックスと直接話がしたい・・・それが願いだ・・・!」

カメオ「よかろうッ!Hail 2 U!!」

そう言って姿を消す。しかし何も起こらない
―やっぱり、無理だよな・・・

「とーまっ!」

振り返る。そこにいた少女に、驚きの余り目を見開く
上条「インデックス・・・!?どうしてここに・・・!?」

笑顔でこちらに手を振る少女がいた

禁書「えへへ、こもえが学校でね、面白い能力の人がいるって教えてくれたんだよ!びっくりした!?」
いつもの姿で、いつものように少女が笑っている

上条「あ、あぁ・・・!そんな能力者がいるのか・・・!びっくりしたよ、本当に・・・」

禁書「実際に触る事も出来るんだよ!だから、久々にわたしの頭撫でてほしいんだよ」

両手を広げ、抱きしめて欲しいとばかりに少年を受け入れる体勢を作る少女

上条「・・・そうか・・・」

一歩、また一歩と少女の元へ近寄る

上条「なあ、いるか・・・?」
突然立ち止り、ランプの精を呼ぶと目の前に現れる

禁書「とうま・・・?」

立ち止まる少年を見て、言葉に詰まる少女

カメオ「呼んだか?」

上条「・・・最後の願いも、今言う」

カメオ「よかろう」

上条「俺は早くこの戦いを終わらせたい。強くなって早く終わらせたいんだ。
   そして皆の元へ早く戻りたい・・・これが、俺の最後の願いだ」

両手に力を込め、歯を食いしばり少年が声を絞り出す

カメオ「よかろう!君に幸あれッ!!しかし叶えるのは3つ目の願いだけだァァァァァッ!!」

ランプの精が合図をすると、禁書の姿をした何かが、少年の肉を食らおうと飛びかかる

少年はそれをかわそうともせず、その場に立っている

カメオ「死ねッ!ジョースターッ!!これで貴様の戦いは終わりだァァァァッ!!」

カメオ「私は審判『ジャッジメント』!そして能力は、願いを反映して土か・・・ら―」

審判が言い終わる前に、彼の姿が消滅してしまう。
少年に飛び掛かって来ていた少女も、その場で崩れ落ち土の塊に変化する

上条「だからっ!!」

審判の存在していた場所に右手をかざしていた少年は、数歩の距離にある不自然な穴のあいた地面へと向かいって歩き

上条「だから・・・!こんなところで、お前の創る幻想なんかに負けてなんていられないんだよ・・・!!!」

まっすぐに、真下に隠れている男のいる場所へと、右手を振り下ろした

男「ヒィガッ!!」

頭部に少年の突きを貰った男は気絶をしてしまう

上条「お前なんかが・・・っ!あいつを騙るんじゃねぇよ・・・っ!!」

怒りと、少しだけ悲しそうな表情を浮かべ、少年はその場から立ち去った



禁書「へっくちっ!うぅっ・・・誰かがわたしのことを噂してたんだよ・・・!」

小萌「あららシスターちゃん風邪引いてないですかー?今おかゆ作ってあげますよー」

少女「風邪は。早いうちの。処置が大切だから」

禁書「大丈夫なんだよ!でもおかゆは食べるんだよ!
   それでね、わたしがそいつを木の棒でやっつけてやったんだよっ!」

その頃、禁書は小萌の部屋で、自らの(脚色入りの)武勇伝を聞かせていた




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