マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その3

2011年04月30日 19:16

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」

43 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 02:00:11.65 ID:WcW8AXpAO

ー中東ー

此処に位置する多くの国々は、石油輸出産業で経済を支えていた
しかし太陽光発電システムの開発計画により、その存在価値を失おうとしていた
国連決議による石油輸出規制が採択されると、栄光を失わんとする反対派の国々の一部が武力を行使……戦火は全土に拡大した

ビリー「これが後々20年間続く太陽光発電紛争、というワケさ」

マリーダ「……」

グラハム「石油あっての中東国家、それが必要無くなれば世界の目もそこには向かなくなる」

グラハム「今や此処は世界に見離された、地球の中の離れ小島という事だ」

ダリル「過去の栄光にすがりついた末路って訳か」

マリーダ「……見離された土地……」

マリーダ(重苦しい気配が、纏わりついてくる……息苦しいな)コホ

ビリー「ここ、アザディスタンもその長い内紛で生まれた国なんだけどね」

ビリー「国を建てたのは良かった、しかしそれから国教の考え方に違いが出て、今じゃ真っ二つ。保守派と改革派が一触即発の状態なんだ」

ハワード「へぇ……それで、今回拉致されたっていうナントカ・ラフマデーって人は誰なんです?」

マリーダ「マスード・ラフマディ。アザディスタンの高名な宗教的指導者にして保守派の中心的人物だ」

マリーダ「保守派ながら穏健派でもある彼の存在が、一触即発のアザディスタン情勢を保ち続けていたんだ」

ハワード「へぇ……」

マリーダ「だが今回彼が拉致されたとなれば、保守派を止められる者はいなくなる。むしろ残された超保守派は改革派がそれを行ったと考えるだろう」

ダリル「てぇことは……内戦ですかい?」

ビリー「ラフマディ師が死亡していたらね。それは止められなくなるだろう」

マリーダ「ともなれば、これは紛争の火種ともいえるだろう。なれば、奴らが現れない筈がない」

グラハム「……ガンダム!」


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ー太陽光発電受信アンテナ施設ー

兵士A「…………」

ドゥルン!ドゥルン!

兵士B「ん?どうし……」

ババババババババババババ!
チュドォォン

兵士A「ッ……この地を荒らす不信仰者共に! 神の雷をォォ!!」



ピピピッ

マリーダ「マスター! ポイントDにて交戦を確認!」

グラハム「やはりアンテナを狙うか! 推測はかねがね的中ということだな」

グラハム「アンテナ施設を防衛する! 行くぞフラッグファイター!」

マリーダ・ハワード・ダリル「了解! (マスター)」

ギュゥゥゥン……



グラハム「ッ!?これは……!」

ハワード『ち、中尉!味方同士でやり合ってますぜ!?』

マリーダ「軍の反乱、内部分裂か!」

ダリル『どうします……?』

グラハム「ッ、厄介だな」

グラハム(どちらが裏切り者だ……!)

マリーダ「……ッ!」キュピィィィィン

ザザッ……ザー

グラハム「ぬっ、レーダーが!」

マリーダ(誰かが此方を見ている……何だ? このどす黒い悪意は……!)

バシュゥン!
チュドォォン

ハワード『あぁっ!』

バシュゥン!バシュゥン!バシュゥン!
ドドドォォォ……

ダリル『この粒子の光は!』

グラハム「ガンダム……!」

マリーダ(何処だ……何処にいる。悪意の元凶……!)

HARO[ゼンダンメイチュ!ゼンダンメイチュ!]

ロックオン「待機しといて正解だなぁ」

キュピィィィィン

マリーダ「ッ! 見つけた!」

グラハム「マリーダッ!?」

サーシェス「ところがぎっちょんッ!!」

ボボボボシュゥゥゥ……

ロックオン「何!?」

グラハム「ミサイルだと!」

マリーダ「間に合えぇぇぇ!!」ガゥンッガゥンッガゥンッ

サーシェス「あぁ!?」

ボゴゴォ……
パシュッヒュルルルルルル

マリーダ(残り二発、間に合わなかったかッ……)

ロックオン「クラスター! だがこの数なら!」

バシュバシュバシュバシュバシュ

ロックオン「狙い撃つぜぇぇぇぇぇ!!」

バシュバシュバシュバシュ
ドドドゴォォォ……!

サーシェス「ちぃッ!ソレスタルなんたらぁ……!!」

マリーダ「……」ホッ

マリーダ(! 何を私は安心しているんだ……ガンダムが近くにいるというのに!)

グラハム「アンテナ施設は守り抜けたか、だがとうとう顔を出したなガンダム!」

グラハム「マリーダ、ミサイル攻撃をした敵を追え!ハワード・ダリルはマリーダの援護を!」

ハワード・ダリル『了解!』

マリーダ「了解!」

グラハム「私はガンダムと対峙するッ!」

ロックオン「ふぅ……ユニオンも馬鹿には出来ねえな。助けられちまった」

HARO[フラッグファイター!フラッグファイター!]

ロックオン「っと……前言撤回だな」カチャ

ロックオン「やっぱりガンダム目当てかよ、フラッグ!」

グラハム「ガンダム、押して参るッ!」


ーsideマリーダー

ハワード『くそっ! レーダーが利かなきゃ追うもんも追えないぞ』

ダリル『ガンダムの性能も考えもんだぜ、くそったれ!』

ギュゥゥゥン

ハワード『ん? マリーダ少尉、何処にいくんです! マリーダ少尉!』

マリーダ(悪意が移動している……逃がすものか!)

マリーダ「追える、このカスタムフラッグなら! 追ってみせる!」



サーシェス「ちっ、ボーナスは貰い損ねたな。だが……攻撃を受けたという事実が重要なんでねぇ」

サーシェス「猜疑心は国民の心を蝕み、やがて始まる戦争は大枚を俺達の懐に集めてくれる……止めらんねぇよなあ! 戦争屋は!」ゲラゲラゲラ

キィィイィン

サーシェス「……ん?」

ヒュボッ

サーシェス「ッ!」

マリーダ「見つけた、AEUの新型か!」

サーシェス「フラッグだと!?」

サーシェス(何つう速さと勘の良さだ……レーダーも死んでるっつうのに、起伏の激しいこのエリアで捕捉されるか普通!)

マリーダ「落とす!」

サーシェス「しまった、やられる!?」

サーシェス「…………なんてなァ」ニヤァ

ガキンジャキッ

マリーダ「変形……!」

マリーダ(捉えられた!?)

サーシェス「その速度じゃあ正確に狙えねえよなぁ! 落ちろよ蚊蜻蛉ォォ!」

マリーダ「……」キッ

ロックオン「狙い撃つぜッ!」バシュゥン!

サーシェス「ハッハァ!」ドゥゥン!



グラハム「ふっ……!!」


マリーダ「今だ、このタイミング!」


バシィン ゴォッ……!


グラハム「ぐぉッ……!」


マリーダ「あぅっ!」

スカッ


ロックオン「なっ!」
サーシェス「何だとぉ!?」


グラハム「人呼んで……!」
マリーダ「人呼んで……!」


「「グラハム・スペシャル!」」


ロックオン「HAROッ!」

HARO[リョーカイ!リョーカイ!シールドテンカイ!]

ロックオン「ちぃっ、二度目はないぜ!」バシュバシュゥン

グラハム「当たらんよ」ヒュンッヒュンッ

ロックオン「俺が外した!? 何だこのパイロット!」

グラハム「敢えて言わせてもらおう……!」

グラハム「 グ ラ ハ ム ・ エ ー カ ー で あ る と ッ !」

ドッゴォォン!

ロックオン「蹴りを入れやがった……!」

グラハム「クロスレンジでのライフルは、まさに無用の長物だなガンダムッ!」シャコンッギィィィィン

ロックオン(ソニックブレイドか!)

ガキィン!!

ロックオン「ッ……俺に剣を使わせるとは……!」

グラハム「身持ちが堅いな、ガンダム!」


ーsideマリーダー

マリーダ「当たれッ!」バシュシュシュシュ

サーシェス「ミサイルなんぞに当たってたまるかぁ!」

サーシェス(全速力から空中変形するフラッグなんざ聞いたことねえ……何者だコイツ!?)

マリーダ(近付いたらますます感じ取れる、こんな悪意の塊のような人間がこの世の中にいるのか!?)

マリーダ(間違い無い、コイツは生かしていてはいけない人間だッ!!)

マリーダ「[ピーーー]ぇえ!」シャコンッギィィィィン

キュピィィィィン

サーシェス「あぁ!? てめえ、まさか女か!」

ギュィィン!

マリーダ「ッ!」

マリーダ(避けられた? いや違う、受け流された!)

サーシェス「ずえぇぇいッ!」

ドッゴォォ!

マリーダ「あうっ!!」ガクッガクンッ

マリーダ(蹴り? 今の態勢からどうやって打てると……!)

サーシェス「長居は無用さ、あばよアバズレ!」ギィィィィン……!

マリーダ「待てっ……逃がす訳には!」

『アザディスタン軍基地より、MS部隊多数が移動を開始』

マリーダ「はっ!?」

『目的地は王宮の模様、至急制圧に向かってください』

マリーダ「緊急通信……クーデターが起きたとでもいうのか?」

キィィィィン

ハワード『マリーダ少尉!』

マリーダ「ハワード、ダリルもいるか」

マリーダ「敵機は交戦したが逃げられた。AEUの新型、イナクトだ」

ダリル『イナクト? じゃあこの一件は……!』

マリーダ「憶測で物事を考えるな! 通信は聞いたな?」

ハワード『はっ!』

マリーダ「マスターと合流後鎮圧に当たる! 急ぐぞ!」

ハワードダリル『了解!』

マリーダ「ちっ……運のいい男だ」


ーsideグラハムー

グラハム「っ……」

ロックオン「クーデターだとよ。どうする、フラッグファイター」

グラハム「ようやくガンダムと巡り会えたというのに……!」

グラハム「口惜しさは残るが、私とて人の子だ!」バシュッギュゥゥゥン

ロックオン「……良い判断だ。さて王留美、ミッションプランは?」

グラハム「マリーダ、ハワード、ダリル! 首都防衛に向かうぞ!」

『了解!』

グラハム「ミサイル攻撃の犯人は?」

マリーダ『申し訳ありません、すんでのところで逃してしまいました……』

ハワード『少尉の機体の腰部に損傷が見られます。よほどの手練れかと……』

グラハム「今日は好敵手に巡り会える日だな、次の機会を待つしかあるまい」

グラハム「まずは被害を最小限に食い止める! 急ぐぞフラッグファイター!」

マリーダ『了解です、マスター』

グラハム「マスターとは呼ぶな!」

ギュゥゥゥン


ー一夜明けてー

兵士『増援部隊が、制空権を確保しました!首都防衛は成功したと言えるでしょう』

グラハム「了解した。防衛任務をそちらの部隊に移譲する」

『了解しました、お疲れ様です』

グラハム「……信心深さが暴走すると、このような悲劇を招くというのか」

ハワード『ガンダムもフルで鎮圧してくれたようで、大事には至りませんでしたな』

ダリル『複雑だぜ、全く!』

マリーダ「マスター、どうしますか?」

グラハム「帰投する。こうなってはガンダムもしばらく現れまい」

PiPi

グラハム「こちら対ガンダム調査隊のグラハム・エーカー中尉だ、これから帰投する。マリーダ少尉の機体に少なからず損傷がある、整備班を待機させてくれ」

『了解しました』


ー上空ー

サーシェス「やってくれるぜソレスタルなんたら……お楽しみはこれからだってのによぉ」ニヤリ

サーシェス(あのフラッグのパイロット……どうして俺は女だと思った?)

サーシェス「まぁいい、しばらくはラフマディのジジイを肴に飲むとすっか」

ギュゥゥゥン


ー廃墟ー

刹那「……俺は……ガンダムにはなれない……!」ギリッ


ー基地ー

キュピィィィィン

マリーダ「ッ!」

グラハム「動くなマリーダ! 消毒中だ」チョンチョン

マリーダ「あつっ……」

グラハム「打ち身に僅かな切り傷だけで済んだのは、幸いと言えるだろう」

ハワード「カタギリ技術顧問の話だと相当重い一撃だったらしいですぜ、あれ」

ダリル「少尉殿に一撃を加えるなんて、テロリストの中にもとんでもない奴がいるもんだ」

マリーダ「ガンダムを有するソレスタルビーイングもテロリストのようなものだ……つっ」

ハワード「違いない」ハハッ

グラハム「力を持つ者には、その大きさに比例した責任がのし掛かるものだ」ペリペリ

グラハム「国しかり個人しかり、フラッグファイターしかりガンダムしかりだ」ペタッ

マリーダ「……」E:絆創膏

グラハム「顔に傷が残ってしまっては酷だ。しばらくはこのままでいるといい」

マリーダ「ありがとうございます、マスター」

グラハム「その責任……お前達は最後まで負いきれるか? ガンダム」


ー翌日・送信基地付近ー

ビリー「気を使わなくてもいいんだよグラハム、護衛ならマリーダと基地護衛の戦力だけでも十分過ぎる程なのに」

グラハム「マリーダを出し抜くほどの相手がいたのだ、我々の生命線である技術顧問殿に万が一があっては困る」

グラハム「それに、何やら胸騒ぎもする。退屈しのぎには十分だ」

ビリー「気持ちは嬉しいね。有り難く受け取っておくよグラハム」

ビリー「……マリーダ、顔の絆創膏まだ外さないのかい」

マリーダ「はい、マスターから頂いたものですので」

ビリー「はは……ごちそうさま」

グラハム「そろそろ着くぞカタギリ。準備を始めよう」


ーミサイル攻撃発射地点ー

刹那「ロックオンからの情報だと……」

パパッ
ウィーン

刹那「残留反応? やはり此処にはMSがいた……」

刹那「何処の機体だ、情報によればカスタム化されたフラッグの追撃をも凌いだというが」

刹那「ッ!」サッ

刹那(あれは……ユニオン。奴等も調査に来たか……)

ビリー「やはりこの周辺に残留反応があるね。間違いなさそうだよ」

グラハム「PMCトラスト側の見解はどうなっている?」

ビリー「モラリアの紛争時に紛失し……」

マリーダ「カタギリ顧問」サッ

ビリー「え?」

グラハム「気付いたか、マリーダ」

マリーダ「はい」チャキッ

グラハム「……立ち聞きは良くないな!」

刹那(ッ!見つかっただと……)

グラハム「出てきたまえ!」

マリーダ「カタギリ顧問は私の後ろへ」ササッ

ビリー「あ、あぁ」

スタスタスタ……

刹那「あ……」オドオド

ビリー「地元の子かな?」ボソ

グラハム「どうかな」ボソボソ

マリーダ「……?」

マリーダ(あの時……ガンダムと対峙した時の感覚に似ている?)

刹那「あの、僕……この辺りで戦闘があったって聞いて……それで」

ビリー「成る程、そういう事に興味を抱く歳ごろだと分からなくもないけど……この辺りはまだ危険だよ。早く立ち去った方が良い」

刹那「は、はい! そうします。失礼します」

マリーダ「マスター、此処は私が」ボソ

グラハム「待て……私が動く」ボソボソ

スタスタスタ……

グラハム「少年!」

刹那「っ……!」

グラハム「君はこの内紛をどう思う?」

刹那「……え」

ビリー「グラハム……?」

マリーダ「マス、ター?」

グラハム「この国の内紛をどう思うかな? 少年」

刹那「ぼ、僕は……」

グラハム(もう一押し、かな)

グラハム「客観的には考えられないかね。ならば、君は保守派と改革派、どちらを支持する?」

刹那「し、支持はしません。どちらにも言い分があって……正義があると思うから」

マリーダ「…………」

刹那「でも、この戦いで人は死んでいきます。たくさん……死んでいきます」

グラハム「同感だな」

刹那「ッ、軍人のあなたがそんな……」

グラハム「この国に来た我々ユニオンは、嫌いかな」

刹那「だって……軍人がたくさん来たら、被害が増えるし……」

グラハム「君だって、戦っている」

刹那「えっ」

マリーダ「……」チャキッ

グラハム「後ろに隠しているモノは何かな」

刹那「……!」カチャッ

グラハム「怖い、顔だ」

刹那(まさかこんなところで……どうする……!)

マリーダ「マスター」

グラハム「……ふっ」スッ

マリーダ「え……?」

グラハム「カタギリ、一昨日ここから受信アンテナを攻撃した機体は、AEUの最新鋭機イナクトだったな」

マリーダ「マスター!」

グラハム「もうしばらく待てマリーダ」フッ

刹那(何……?)

ビリー「いきなり何を……」

グラハム「しかもその機体は、モラリアのPMCトラストから奪われたものだったらしい……と」

刹那(PMCトラストから……?!)

グラハム「ふっ……撤収するぞ。もう此処に用は無い」スタスタスタ

マリーダ「はっ」カチャ

刹那(……)スッ



ビリー「グラハム……何故あんなことを」

グラハム「さぁ、何故かな。口が滑ったとしか言いようがない」

ビリー「マリーダ、君は分かっていたのかい?グラハムがこういう行為に及ぶことを」

マリーダ「いいえ、分かりませんでした」

マリーダ「ですが、マスターのなさることにいちいち驚愕していては身が保たない事には気付いております」

グラハム「適応力が上がったなマリーダ」

マリーダ「恐縮であります」

ビリー「……」ハァ



刹那「PMCトラストのイナクト……まさか!」

刹那(あの男が……今になって……!?)



キュピィィィィン

マリーダ「……?」


ー基地ー

グラハム「何だと! それは真実かハワード!」

ハワード『えぇ、公式に軍部へ連絡が来ました。何でも、皇女マリナ・イスマイールが超保守派の刺客に襲撃されたとか』

ビリー「直接だと……!」

グラハム「それで、皇女の容態は?」

ハワード『えぇ、SPの対応が早く刺客を即座に射殺、皇女には傷一つ無いとのことです』

ハワード『ですが王宮は混乱状態、ユニオンへの警備体制強化を要請してきてます』

ビリー「だろうね。内輪の紛争時は誰が敵か分からないのが現実だ」

PiPiPiPi

グラハム「私だ……これは失礼致しました」

グラハム「はい、はい……その旨、確かに承りました。すぐにその様に」

グラハム「はっ!」ガチャン

ビリー「作戦司令部からかい?」

グラハム「皇女マリナ・イスマイール本人にも護衛を付ける必要が出て来た。それも、四六時中張り付ける優秀なSPをな」

ビリー「成る程……確かに彼女なら優秀過ぎる位だよ」

グラハム「戦力を裂かれるのは痛いが……思った以上に状況は混濁している」

グラハム「足元を馴らす。マリーダに連絡を取れ!」


ー王宮ー

マリナ「貴女が、ユニオンから派遣された護衛の方?」

マリーダ「マリーダ・クルス少尉であります。お会いできて光栄です皇女様」

マリナ「そんな、まだ若すぎるじゃ……」

マリーダ「対ガンダム調査隊の一員、ないしはフラッグファイターとして活動しております」

マリーダ「力量に不足無しと自負しております、どうか御信頼を。姫様」

マリナ「姫様って……」

マリナ「……分かりました。身辺の警護をお任せいたします、どうか宜しく」

マリーダ「はっ、ミネ……姫様」ビシッ

マリーダ(この人に姫様と言われると、何となく違和感が有るわね……まるで別人に向けて言っているみたい)

シーリン「」テキパキテキパキ

マリナ「」テキパキテキパキ

マリーダ「…………」

シーリン「」テキパキテキパキ

マリナ「」テキパキテキパキ

マリーダ「…………」

マリナ「マリーダさん、微動だにしないけども……疲れていないかしら?」

マリーダ「問題ありません。姫様」

マリナ「そ、そう……」

マリーダ「アザディスタンの為に粉骨砕身される姫様のお姿を拝見し、身の引き締まる思いです」

マリナ「アザディスタンの為……本当にそうなのかしら」

マリーダ「……?」

マリナ「私達改革派が国連の援助を受けたが為に事態は一層悪化してしまったわ……国民は互いに憎しみ合い、友に銃を向け、隣人に刃を突きつける泥沼へとなり果てつつある」

マリーダ「……」

マリナ「私はこの国に……一体何が出来たのかしら」

マリーダ「私は、ユニオン軍及び国連の立場でしか事を申し上げられませんが」

マリーダ「姫様は賢明なご決断を為されたと思います」

マリナ「マリーダさん……」

マリーダ「私には神はおりません。生まれる場所も、生きる場所も、そして死んでいく場所も選べはしないのでしょう」

マリーダ「人は信仰心だけでは生きていけません。いつかは苦汁を飲み、妥協をせねばならないでしょう」

マリーダ「そのいつかを遠回しになさらず、今ご決断したマリナ様を。私は尊敬いたします」

マリナ「……」

マリーダ「……申し訳ありません、国の内情も知らぬ者の戯れ言とお聞き流しください」

マリナ「いいえ、少し気が楽になったわ。ありがとうマリーダ」

バタンッ

シーリン「マリナッ!」

マリナ「どうしたの? シーリン、そんなに急いで……」

シーリン「ソレスタルビーイングから、貴女宛てにメッセージが届けられたのよ」

マリナ「ソレスタル、ビーイングから……!?」

マリーダ「ッ!」ガタンッ

シーリン「マスード・ラフマディーを保護、王宮を向かう。皇女には早期停戦に向けての会議を望む。以上よ」

マリーダ「ラフマディ師を……!?」

マリナ「……っ」

マリナ「分かりました。至急会談の用意を」

シーリン「分かったわ……」

マリーダ「姫様……よろしいのですか?」

マリナ「私は、彼らの行いに賛同は出来ない。罠という可能性だってあるわ」

マリナ「でも……」

マリナ「それ以上に信じたい、私達が行ってきた事が誤ってないと信じたいのよ」ギュッ

マリーダ「…………」


ー翌日・王宮前ー

ワーワー
『異教徒は帰れー!』
『ユニオンがいるから国は荒れるんだー!』

ハワード「隊長、ガンダムが王宮に向かっていると言うのは本当ですかね? しかも人質を連れて……」

ダリル「もしそうなったら絶好のチャンスですよ中尉!」

グラハム「世界はこの一瞬を待ち望んでいる……今か今かとな」

グラハム「ふっ……刮目させてもらおうか。ガンダム?」


ー王宮ー

シーリン「……時間ね」

マリナ「えぇ」コクン


ー王宮前ー

市民「ん……お、おい!」
市民「あ、あれは!?」

コォォォォォォ

市民「ガンダム……ガンダムだ!」

グラハム「来たかガンダム!」

スッ……

『ガンダムです!ガンダムが現れました!今王宮前に着地しています』

刹那「……」

グラハム「武装を解いているだと!?」

マリナ「あぁっ……!」

マリーダ(馬鹿か!?非武装で敵地に殴り込んでくるなど……)

マリナ「ガンダムに攻撃はしないで」

マリーダ「ッ!し、しかし!」

マリナ「これは命令です!」

バババババ

マリナ「ッ!?」

市民「約束の地から出ていけー!」

『銃撃です!市民からの銃撃がガンダムに浴びせられています』

マリーダ(当たり前だ、ガンダムなんだぞ!? それをどうして……)

刹那「…………」

ウゥン……ガシン
ガシン

市民「うわぁっ!?」

グラハム「無抵抗……あくまで戦わないつもりかガンダム」

ハワード「中尉!」

グラハム「黙っていろ!」

刹那 (今度こそ……)

ドンドンドンッ!
ドゴゴォン!

マリナ「あぁっ!」

グラハム「ぬっ!」

マリーダ『マスター、私はどうすれば……!』

グラハム「黙って成り行きを見守れ!」

マリーダ「!」

ガシン
ガシン
ガシン

刹那(俺は今度こそ……)

マリーダ「ッ……!」

グラハム「……」

刹那(ガンダムに……!)

キュピィィィィン

マリーダ(はっ!この気配……!?)

ギュウウウウン

刹那「……」トッ

刹那〔ラフマディ師、足元にお気を付けを〕

ラフマディ「うむ……あまりいい乗り心地ではなかったな、ガンダムとやら」

刹那〔申し訳ありません〕

ラフマディ「……ふっ、礼を言わせてもらう」

刹那〔お早く〕

ラフマディ「……」スタスタスタ

『ラフマディ師です!ソレスタルビーイングの手により、ラフマディ師が今王宮へと返還されました!』

刹那「……」タッ

マリナ「待って!」

マリーダ「姫様! お待ちください!」

マリーダ(今銃を抜けば、ユニオンは世界の物笑いになる……!)

マリーダ「ッ……!」ギリィッ

マリナ「」

刹那「」

マリーダ(言葉を交わし合っている……だが今の私にはそれを聞きに走る勇気さえない)

マリーダ(……ガンダム……)

コォォォォォォ……

ハワード「中尉、追い掛けましょう!」
ダリル「今ならガンダムを!」

グラハム「出来るものかッ!」

グラハム「そんな事をしてみろ……我々は世界の鼻つまみ者だ」

ハワード「中尉……!?」
ダリル(落ち着いているというのか?あの中尉が……)

グラハム「……ふっ、完敗だな。ガンダム」


ー基地ー

整備士「中尉!フラッグは全機収納出来ました」

グラハム「あぁ、ご苦労」

ハワード「蜻蛉返りですな隊長」
ダリル「結局骨折り損のくたびれもうけか……」ハァ

グラハム「そう腐るな。機会は必ず巡って来るさ、必ずな」

ハワード「乙女座の勘という奴ですか?」

グラハム「どうかな……こればかりは明言を避けよう」

スタスタスタ

マリーダ「マスター」

グラハム「ん、マリーダか。どうした、浮かない顔をしているな」

マリーダ「……マスターこそ……!」

グラハム「む?」

ハワード「少尉、殿?」
ダリル「まさか……」

マリーダ「マスターこそ、何故平然としておられるのですか!」

マリーダ「我々はガンダムを目の前にしながら、指一本触れられず……指をくわえて見逃さねばならず……!」

マリーダ「歯痒くは、悔しくは、情けなくはないのですかッ!!」

グラハム「……」

ハワード「しょ、少尉が中尉にこんな態度を示すなんて……!」
ダリル「初めてだ……」

グラハム「マリーダ、君はどうだ」

マリーダ「ッ、私は!」

マリーダ「歯痒くて、悔しくて、情けなくて……もう」

マリーダ「もうどうしようも無いくらい……もう……!」ポロポロ

グラハム「……」

ハワード「 」オロオロ
ダリル「 」オロオロ

グラハム「……私もだ」フッ

マリーダ「え……?」

グラハム「対ガンダム調査隊として赴きながら、ガンダムには出し抜かれ」
グラハム「アザディスタンの平和維持と銘打って乗り込んでおきながら、今やアザディスタンの世論では賊扱い」
グラハム「何がMSWADのエース、何がフラッグファイター……作戦司令部にはぐうの音も出ないくらい叩きのめされた」

マリーダ「……ッ」

ハワード「隊長……」
ダリル「……」グスッ

グラハム「フラッグファイターの矜持さえも、あの瞬間のガンダムには打ち砕かれて消えた」

グラハム「だが、これで終わりでは断じてない!」

グラハム「奴らがソレスタルビーイング、紛争への武力介入を謳う武装組織である限り、必ず我々にその機会は巡る! ガンダム打倒の機会がな!」

マリーダ「マスター……」

グラハム「確かに今回我々は敗北した。完膚無きまでにだ。だがまだだ! まだ終わってはいない!」

グラハム「まだ下を向くには早すぎるぞフラッグファイター。我々の目標は、遥か頭上を行っている」

グラハム「今の我々が通用しなかったなら、未来の我々では通用させる! こんなところで折れていて、ソレスタルビーイングに手が届くと思っているのか!」

マリーダ「……!」
ハワード「隊長……!」
ダリル「中尉殿!」

グラハム「敗北を経験することは、勝利を経験することより遥かに価値のあることだ」

グラハム「成長しろフラッグファイター。背中は任せた」スッ

ハワード「はっ!」
ダリル「はっ!」

マリーダ「あ……」

グラハム「……」スタスタスタ

マリーダ(マスターの眼、真っ赤に腫れていた……)

マリーダ(歯痒くない筈がない、悔しくない筈がない、情けなくない筈がない……)

マリーダ(愚かだな、私は……一人で感情を制御もさせず、爆発させて……)

マリーダ(そうだ、次だ。次こそガンダムから勝利を……)キッ

マリーダ「フラッグに、マスターに勝利を!」

ビリー「お疲れ様。彼女は大丈夫かな?」

グラハム「あぁ大丈夫さ。強い女性だ」

ビリー(強化人間は投薬と記憶操作の影響で精神が不安定になりがちだと研究結果にはあったが……グラハム、君はどこまで理解しているんだい?)

グラハム「……」

グラハム「昨晩は枕にかじりついて大泣きした。今は、久しぶりにすっきりした気分だよ」

ビリー「君らしいストレス発散法だ」ハハッ

グラハム「ふっ……」

グラハム「待っていろガンダム。フラッグファイターは登り詰めるぞ、極みへな!」


TO BE CONTINUED...



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