上条「DIOォォォォォォォォッ!!!」 その18

2010年02月16日 21:10

上条「DIOォォォォォォォォッ!!!」

365 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 03:27:32.71 ID:vs5eu/ia0

夜露で冷えた空気が五感を研ぎ澄ませてくれる

人気の少ない通り。そこに彼女は一人立っていた

姫神「・・・」

十字架を外し、自らの能力をフルに用いる。この街にいる吸血鬼は残り一人

如何に相手が強かろうが、自分の能力はそれをも上回る

吸血鬼の天敵とも言えるこの能力を、彼の役に立てたいと思っていた

夜空を見上げる。星も見えない、ひょっとすると明日は曇りかもしれない

姫神「・・・まだ。来ない」

呟き、視線を目の前へと落とす

目の前に、その男が立っていた


←ブログ発展のため1クリックお願いします
姫神「ーッ!?」

気が付かなかった。いつの間にこの男は目の前に立っていたのだろうか

DIO「ジョースター達のせいで血が滾っているのか・・・ひどく喉が渇く夜だ・・・」

姫神「あ・・・っ」

DIO「探し物かね・・・?手伝ってやろう。その、代わりに」

男の手が、彼女の頬に触れる

DIO「君の血を、頂いても構わないかね・・・?」

―計画通り・・・!私がこの男を倒す・・・!

足の震えを気で抑えつけ、強く睨みつける

そして、彼女のその細い首に、男が口を付けた

―私の・・・勝ち・・・!

ドン

姫神「え・・・?」

男の拳が、彼女の腹部に入る。殺すつもりではないのか、絶妙な力加減で

DIO「気丈な女だ・・・このDIOを前にして抵抗をすることも、自ら血を捧げ出す事もしないとは・・・!」

姫神「う・・・。あ・・・ぁ・・・」

お腹を抑え、その場にうずくまる。何故この男は自分の能力に魅了されていないのかが、分からない

DIO「わざわざ生き血を吸う必要はあるまい!女、貴様の首を刎ね、そこから血を頂こうかッ!!」

誰かに聞かせる様な大声を上げ、吸血鬼が拳を振り上げる

姫神「あ・・・。上条くん・・・」

―殺される・・・!

拳が勢いよく振り下ろされた

ドォン

大きな音を立て、男の手が、別の男の手によって止められていた

承太郎「やれやれだぜ・・・」

ポルナレフ「女に手をあげるなんざ、最低の糞野郎だぜ・・・ッ!」

パラパラと周囲に砂が巻き起こる。
どこから来た砂なのだろうか、自分を守るかの様にいつの間にか取り囲んでくれている

ジョセフ「すまなかったな姫神君。だが君は十分役目を果たしてくれた・・・!」

アヴドゥル「後は我々に任せて、彼らの元へと戻るんだ・・・!」

狭い通路で挟撃するように、男達が姿を現せる

DIO「フフ・・・やはり囮か。このDIOを策に掛けようとした訳だ・・・!」

静かな声で空気が震えさせる。ただの威圧感、それだけの物に圧倒されかけてしまう

DIO「言ったはずだッ!このDIOは貴様ら如きに逃げも隠れもしないとッ!」

承太郎「オラァッ!!」

星の白金が、目にも止まらぬ攻撃をDIOへと仕掛ける

DIO「ほう、それが星か・・・だが」

DIO「無駄ァッ!」

その拳を自らのスタンドの蹴りで弾き返す

承太郎「それがてめーのスタンドか・・・!」

更に加速したラッシュを繰り出す

DIO「そうだ!これが我がスタンド!世界『ザ・ワールド』だッ!!」

互いに拳を突き合わせる。スピード、パワーは共に互角の様に見えるが

DIO「ノロいノロいッ!貧弱貧弱ゥゥゥッ!!」

次第に星が押されて、時折かすめる拳が血の筋を作る

ポルナレフ「周囲の注意が疎かだぜェェッ!DIOさんよぉぉぉっ!」

銀の戦車が横から突きを繰り出す。姫神の避難が終わった以上、もうこれ以上待つ必要はない

DIO「フン、ポルナレフか・・・」

そう言い残し、突如視界から男の姿が消えてしまう

ポルナレフ「な!?どこへ行ったあの野郎ッ!」

アヴドゥル「上だポルナレフッ!!」

魔術師の赤による、生命探知がその男を捉えていた

DIO「魔術師か・・・厄介な能力だなッ!」

殺気をアヴドゥルへと向け、世界の拳を突き出す

アヴドゥル「私のスタンドは承太郎程のパワーはないが!空中では回避出来まいッ!」

猛禽の頭を持つ魔術師が、それを迎撃する構えを取る

花京院「エメラルドスプラッシュッ!」

更に、自由落下に身を任せる男へと向けて追撃の攻撃を放つ

突如、再び男の姿が視界から消えてしまう

虚しく魔術師の拳が空を裂き、エネルギー弾が壁に穴を開ける

アヴドゥル「何だとッ!?ガ・・・っ!」

いつの間にか足元へと姿を表わせた男が、アヴドゥルの腹を正確に突く

DIO「ほう・・・殺すつもりで撃ったのだがな・・・このスタンドは一体誰の物だ・・・?」

砂の防壁が間一髪のところで、男の身を守っていた

ぐるりと周囲を見渡す。そして、一匹の犬がこちらを睨みつけている姿を見つける

DIO「フ・・・力の能力者も動物であったな・・・!」

そして姿をまた消す。次の瞬間、吸血鬼の手刀が犬の首を刎ねていた

ポルナレフ「イ、イギィィィッ!!?」

宙に飛ぶ首がパラパラと崩れ、砂へと還って行く

DIO「ほう、やはりそうか・・・この能力・・・」

承太郎「オラァッ!!」

DIO「無駄ァッ!!」

拳と拳がぶつかり合い、周囲に衝撃波が起こる

DIO「見せて見ろッ!貴様らの能力をッ!そして跪けッ!この帝王の前にッ!」

DIO「世界の前にッ!!」



上条「う・・・」

どれくらい眠っていたのだろうか、今の時間はいつなのだろうか

窓から覗く陽の光を見るに、どうやら既に夜が明けているのだろう

―夜が明けたのか・・・ッ!?

そこで頭が覚醒する。戦いはどうなったのだろうか。DIOは倒せたのだろうか

佐天「・・・ん・・・」

彼に抱き付いたまま眠っている彼女の身体が、ぴくんと跳ねる

ベッドに寝かせてあげるつもりだったが、彼女が強く抱き付いて離れてくれなかった

彼自身も、それで良いのかもしれないと考えて、彼女の背中に毛布だけ掛けてそのまま眠りに落ちてしまっていた

彼女の身体がとても暖かくて、自分自身には毛布など必要がない

上条「・・・迎えが来るまで、もう少しだけ、このままで・・・」

自分達の戦いは終わったのだから

この安息は、神に与えられるべくして与えられた物なのだと思った



DIO「バ、馬鹿な・・・ッ!貴様も時を・・・我が世界に足を踏み入れただと・・・ッ!?」

承太郎「時は動き始めた・・・」

星がDIOの足を砕く。その異常な回復力を誇る吸血鬼とは言え、治癒が終わるまでに数秒はかかるであろう

数時間もの死闘の果てに、この男の能力を乗り越えた

その道程には仲間の身体が横たわっている

アヴドゥルは仲間を守る為に、その能力で炎の壁を作り、そしてこの男に殺された

花京院は腹を貫かれながらも、最期の力を振り絞りこの男の能力を伝えた

イギーが砂像を造り、防壁を作り夜明けまでの時間を稼いでくれた。
残りわずかの時間という所で、その生涯を終えた

ポルナレフがあの時来ていなければ、恐らく自分は殺されていただろう

そして、DIOに血を吸われたジョセフが、倒れている

あまりにも大きすぎる犠牲。あまりにも邪悪なこの男を始末しなければならない

承太郎「てめーの足が治ったと同時に、星の白金を叩きこむ!かかってきな・・・!」

DIO「グ・・・グゥゥッ・・・!」

―こけにしやがって・・・

後一歩という所まで追いつめていた。ジョセフの血を吸い、この世界は更に強くなったはずであった

―何故だ・・・、何故、この男に・・・!このDIOが・・・ッ!!

しかし、目の前のこの男はこの土壇場に来てくだらない考えを持っていた

DIO「過程や・・・方法なぞ・・・!」

へし折れて治癒が終わらない、未だに血すら止まらない足に力を込める

DIO「どうでも良いのだァーッ!!」

血の目潰しが承太郎の視界を奪う

DIO「勝ったッ!死ねいッ!!」

残る力を全て振り絞り世界の蹴りを叩きこむ

承太郎「オラァッ!!」

研ぎ澄ませた感覚で、正確にその足に星の拳を叩きこむ

ピシと何かが裂ける音が聞こえた

DIO「・・・ッ!!」

承太郎「・・・グ・・・ッ!!」

承太郎の右腕から血が噴き出し、そのまま吹き飛ばされる

―あの時刺された傷か・・・ッ!!

あの時、肉の芽によって、アヌビスの刀によって受けた傷を起点に肉が裂ける

たったそれだけの事が、それでも、それほどまでの接戦だったからこそ、これだけの事が敗因となってしまった

DIO「貰ったぞ承太郎ッ!!」

足の治癒を終えた男が、承太郎の前へとやってくる

―チ・・・スタンドを出す力も残ってねぇ・・・!

その太い首に、DIOが指先を突き刺す

承太郎「グ・・・ウオオッ・・・!」

ドクンドクンと血を奪われる感覚

DIO「ククク・・・!あの老いぼれ以上によく馴染むッ!貴様はこのDIO相手によくやった」

そして、手刀を首に当てる

DIO「死ねいッ!ジョースターよッ!!・・・グゥッ!?」

その瞬間、朝陽が昇っていた

DIO「ク・・・仕方ない・・・!今夜を待つしかあるまい・・・ッ!!」

そう言い残し、DIOがその場から去って行った



美琴「・・・遅いね、ジョセフさん」

貸し切り状態となった、ホテルの一室に備え付けられた電話を見続ける

終われば連絡をするとは言っていた。しかし、もう時間は昼をとっくに過ぎている

黒子「き、きっと戦いの御怪我で連絡するのも一苦労なのですわ!」

もう一つの可能性には触れない。考えたくもなかった

プルルル プルルルルルル

突如、電話が彼らを呼び掛ける

打ち止め「!」

一方通行「・・・俺が出る」

静かに立ち上がり、受話器を取る

一方通行「・・・な・・・い、いや何でもねェ・・・!あァ・・・あァ・・・分かった、伝えておく」

それだけの短い会話

黒子「ど、どうですの・・・?」

全員の視線が白髪の少年に集まる。彼が全員の顔をゆっくりと見回す

息を呑む。このほんの数秒がとても長い物に感じられてくる

神妙な面持ちをした白髪の少年に、一抹の不安が過ぎる

黒子「ま、まさか・・・?」

そこで、少年は顔をぎこちなく綻ばせた

一方通行「・・・勝ったってよォッ!!」

大声で彼らにそう伝える。そして彼女達の張りつめた顔が次第に綻んで行って

美琴「いやったぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

歓声を上げて、隣の黒子とオラウータンに抱き付く

黒子「流石ジョセフさん達ですわ!これで私達も帰れますの!!」

一方通行「こりゃ一足先に祝杯でもあげるっきゃねェなァッ!ちょっと買ってくらァッ!」

黒子「私達は未成年ですのよ!」

一方通行「るせェ!」

そう言って部屋から出ようとする少年を、少女が呼びとめる

打ち止め「・・・待って、とミサカはミサカは自分でもよく分からないけれども、
     あなたにここに居て欲しいと思ってみる・・・!」

一方通行「・・・ちょっと出掛けてくるだけだ・・・俺が戻るまで良い子で留守番、出来るよな・・・?」

打ち止め「・・・良い子にしてたら、戻ってきてくれるんだよね?
     とミサカはミサカは・・・不安が胸を締め付けます」

一方通行「遊園地に行きたかったら、俺が帰るまで、絶対にここから出るンじゃねェぞ・・・」

その言葉を最後に、彼は部屋から出て行った。少女の問いかけに答える事は出来なかった

受話器の先にいた男は、ジョセフではなかった。スピードワゴン財団の男。彼は言った

『ジョセフ・ジョースター及びその仲間全員が、重傷及び死亡』

それが意味する事とはつまり

DIOとの戦いに、彼らは

敗北をした



あれから数時間、少年はDIOを探し続けた

陽が沈んでいないか、何度も何度も確かめながら、闇を探し続けた

―そろそろ、アイツら心配してるかもしれねェな・・・

暗い路地裏へと入る。そこで通信機を取り出してホテルへと連絡をする

美琴「もしもしー・・・って、どこで油売ってんのよ!今何時だと―」

一方通行「るせェ、慣れねェ道にちょっと迷ってるだけだ。もうすぐ戻るから楽しみにしとけ!じゃァな!」

そう言って通信を切る。これでもうしばらくは心配させる事はないだろう

「ほう、面白い物を持っているな」

一方通行「なァッ!?」

いつの間に居たのだろうか、探している男が自分の目の前に立っていた

DIO「ククク・・・このDIOを倒しに来たのか・・・?」

一方通行「ケッ、そっちからわざわざ出向いてくれるたァ最ッ高だなァッ!」

財団から渡された小型デバイスをセットする

個々の性能はそれほどでもないが、それでもまとめて使えば以前の力にも劣らない能力は発揮出来る

時間の制約も、これだけの数があれば一日は持つだろう

こちらの勝利条件は非常に簡単。太陽の光を当てれば良い。ただそれだけ

一方通行「来やがれェ・・・!糞吸血鬼が・・・ッ!」

DIO「精々このDIOの実験に付き合って貰うとするか・・・」

余裕を見せた表情で、挑発の構えを取る

背後へと飛び、路地裏には届かない太陽の光を浴びる

DIO「ほう、このDIOが陽の中へと入れぬと知り、早速守りに入ったか・・・気弱な男だ・・・」

一方通行「ハッ!それが遺言になるンだぜェッ!!」

自らに降り注ぐ太陽光のベクトルを操作する。そして

DIO「ぐ・・・ぬぅ・・・ッ!?これは・・・」

その光を少しも残す事無く、薄暗い路地裏にいる男へと反射してやる

光が男の全身を照らし出す。路地裏全てが光に晒され、もはや逃げる事も出来ない

一方通行「灰になっちまいやがれェッ!」

DIO「・・・惜しい、実に惜しかったなぁ・・・!」

一方通行「なッ!?」

闇に包まれた男が、微動だにせずその場に立っていた

DIO「なるほど、確かに陽が昇っていれば、貴様の勝ちだったかもしれんな・・・ッ!!」

二人の周囲が闇に晒される。先程まであんなに高い場所にあったはずの太陽が、消え去っていた

―こいつの能力は何だ・・・ッ!?

先程まで確かに太陽はそこにあった。だが、今はその姿が見えない。陽が落ち周囲は夜の闇が支配していた

精神に影響を及ぼすタイプか、学園都市にいる能力者であれば大凡の見当は付くが、この旅に出て以来その常識は全く役に立っていない

DIO「紹介しよう、これが我がスタンド・・・世界だ!」

男が人型のスタンドを繰り出し、その拳を振るう

一方通行「はァ!?とっれェパンチだなァッ!!」

勢いを殺さない様に、受け流す。決して遅い訳ではないが、それでも回避はそう難しくない

DIO「狙いは貴様ではない・・・ッ!潰れるが良いッ!」

ガシャリとスタンドの着けている鎧と壁がぶつかりあい、衝撃を受けた壁が崩れ出す

一方通行「チッ」

落下してくる瓦礫のベクトルを操作し、敵へと飛ばす

DIO「フン・・・無駄ァッ!」

瓦礫を一瞬にして破壊する

一方通行「・・・なるほど、スピードはともかく、パワーはあるみてェだな・・・」

DIO「ククク・・・どうした、かかって来ないのか・・・?」

利き腕とは逆の手に銃を構える。効くとは思えないが、この軽い飛び道具は色々と便利なのである

足に力を込め、思い切り地を蹴る

自身にかかるベクトルを操作し、本体へと一瞬で間合いを詰める

反応出来ない程のスピードで始末する。そう考えた

DIO「ほう、中々のスピードではないか・・・面白い」

―この野郎、視えてやがるのか・・・ッ!

恐らく反応出来る次元で、こちらの姿を認識している。しかし微動だにしない

一方通行「オオオォォォォォォォォォォッ!!」

DIO「だが―」

勢いを殺さず、しかし更にその手には力を加えて殴りかかる。首から上を吹っ飛ばしてやるつもりであった

DIO「星の白金のラッシュに比べれば、何とノロい事か・・・」

いつの間にか背後に回っていた男が、そう呟いた

一方通行「・・・ッ!?」

―まただ・・・!また気がつかない内に・・・ッ!

DIO「簡単に死んでくれるなよッ!」

スタンドの拳が少年の背中を打ちつける

一方通行「させっかよォッ!」

その衝撃を反射し、世界が吹き飛んで行く

DIO「ほう・・・!」

勢い良く壁にぶつかり建物を破壊する、しかしスタンド本体は甲冑に守られていて、ダメージが通らない

DIO「もっとだ・・・!もっとその能力をこのDIOに見せてみろ・・・!」

迫る拳を避け、それでも渾身の一撃はあえて直撃を貰いつつ反射する

その度に世界が吹き飛び、腕がひしゃげるが、すぐにまた回復してしまう

―埒があかねェ・・・!

かれこれ1時間はこの男と戦っているだろうか。互いに決定打を与えられないままずるずると時間だけが過ぎて行く

恐らく、まだ目の前の男には余裕がある。何かを見ているような、舐めまわす様な寒気を感じる

世界の拳が再び迫る。反射し、その腕が折れ血が噴き出す

一方通行「こいつでどうだァッ!!」

世界の腕に指を突き刺す。そして

DIO「ヌゥ・・・!?これは・・・ッ!」

体内の血を操作して、逆流をさせてやる

DIO「フンッ!」

その腕を根元から自らの手刀で斬り落とす

DIO「ククク・・・そうか、その能力・・・分かったぞ・・・!」

腕を繋げ直し、男が笑いだす。
まるで試験でぶち当った問題が、ふとした拍子で解けてしまったかの様な、清々しい笑み

DIO「貴様のその能力は・・・!触れた物の動きを操作する能力か・・・ッ!!」

一方通行「ハッ!それが分かった程度で勝った気になってンじゃねェぞッ!!」

その通りであった。例え能力が知られた所で、それを突破出来ると言う事とは別の話

首を狙う。そこの血を逆流させてやれば勝機は見えるかもしれない

まさか首だけで生きる生物などいる訳がない。そう考えた

狙いもそこそこに手に持った銃で、男を牽制をする。一瞬でも気を殺げれば充分

だが、男は動かない

DIO「ククククク・・・!そうか・・・!そのような能力もあるのか・・・!そうか・・・!」

一方通行「終わりにしてやるよォォォッ!!」

加速させた手で、男の首へと突きを入れる。瞬間、背後から殺気

―またかッ!?

背後から迫る攻撃を反射する。脳裏に違和感が走る

DIO「覚えたぞ・・・ッ!」

一方通行「な・・・ァ・・・ッ!?」

男の突きが、少年の背中から貫き、腹部まで貫通していた

―何故・・・!?何が起こった・・・ッ!?

咄嗟に離れ、噴き出す血を操作して出血を止める

DIO「ほう、自分の血流までコントロール出来るのか。便利な能力だ」

手に付いた血を舐め取りながら、大して驚いた素振りも見せずに男が呟く

一方通行「ハァ・・・ッ!ハァ・・・ッ!」

―能力が発動しなかった・・・!?いや、確かに俺は今能力を使っていた・・・ッ!

そこまで考えて気がついた。もう一つ、可能性がある事に

一方通行「てめェの手・・・まさかあの野郎と同じ・・・ッ!!」

幻想殺し、あの少年が持つ右手であれば自分の能力を貫く事が出来る

DIO「ほう、このDIOと同じ・・・何だ?」

少し離れた先にいたはずの男が、突如目の前へと現れていた

だが、音も無く目の前に男の姿が現れると、その考えも違うのではないかと思えてくる

―いや、テレポーターか・・・!?だがこいつの能力のパワー・・・!それよりも俺の能力を貫通・・・!?

考えがまとまらない。最悪の場合の想像をしてしまう

DIO「おいおい、もう少し付き合ってくれよ・・・!?」

わざと回避出来るような、しかし全力で回避しなければ間に合わない様な突き

身体を大きく逸らし直撃を免れるものの、その衝撃が頬を掠める

―やっぱりコイツ俺に攻撃を当てられる・・・ッ!!幻想殺しかッ!!

確信を持った。先程、自分の腹を貫いた攻撃も、今の突きも右手。つまりそれ以外は反射出来る可能性がある

全身が幻想殺しなどあり得ない。もしそうであるならば、この男自らの能力も発動出来ないのだから

DIO「フンッ!」

右腕に全力で注意を向け回避をする。そして恐らく次の攻撃はこちらの牽制の―

DIO「そらそらァァァッ!当たれば死ぬかもしれないぞォォォッ!!」

―ケッ!もう種は見切ってンだよォッ!

男が予想通りに、身体に蹴りを入れて来る。その攻撃は反射する

一方通行「・・・ガ・・・ァ・・・ッ!?」

―馬鹿な・・・ッ!右足も幻想殺しだと・・・!?

ゴゥンと凄まじい音が響く。
辛うじて壁にぶつかった衝撃は壁へ受け流し、その結果建物を破壊するのみに留まっていた

しかし、男の蹴りは少年の身体を吹き飛ばし、骨を数本へし折っていた

一方通行「ガハ・・・ッ!ウ・・・ゲェェ・・・!」

血と共に吐瀉物をぶちまける。既に反射と腹部の血流のコントロールを行っている

そこへ、更に予想外の攻撃に対する備えなど無かった

DIO「ククク・・・貴様は強かったよ・・・」

ザッザと足音が聞こえる

DIO「それでも、このDIO程ではないという確固たる自信はあるがね・・・」

砂埃の中から、男が姿を現せる

一方通行「あ・・・ァ・・・」

絶望が迫ってくる。身体が動かない、自分には理由は分からないけれども、動かない

こんな時なのに、脳裏に浮かぶのは一人の少女の姿。それがどうしてなのかも、分からなかった

何故か脳裏に浮かぶあの少女は、悲しそうな顔をしていた

いつもニコニコと笑っているはずの少女なのに、今は何故か泣いている顔しか浮かばない

―悪ィ・・・約束、守れねェわ・・・

DIO「フフフ・・・怖いのか・・・?身体が震えているぞ・・・!」

地に伏せた少年を、滑稽そうに見下ろす

DIO「貴様も死にたくは無いだろう・・・怖がる事は無い、このDIOの仲間になれ・・・
   友達になろうではないか・・・」

一方通行「・・・!」

絶望の中に、一本の糸が垂らされた

蕩ける様な甘美な囁き。死を覚悟した少年に、まだ生きる道が残っていると伝えていた

この糸は、地獄へと垂らされた救いの糸なのか。それとも

蜘蛛の糸なのか

一方通行「・・・俺は・・・」

あの少女と共に居たい。あの少女との約束を果たしたい

一方通行「・・・生きたい・・・まだ、死にたくはねェ・・・!」

DIO「そうか、ではこのDIOと共に生きよ・・・」

男の手が、少年の額へと伸びる。その手には、肉の芽があった

その手が、自らの頭へと近付いて来るのをを少年は見ていた。そして、額にそれが触れた瞬間

一方通行「オオオオオオオッ!!」

その腕を、全力で殴り飛ばした

DIO「貴様・・・ッ!」

あの少女を守りたい

例え自分が殺されてでも、あの少女を守りたかった

DIO「ほう・・・!それが答えか・・・ッ!」

一方通行「るせェッ!ンな口車に乗るかよッ!」

分かっている。もし、自分が肉の芽に支配されてしまった後、どうなるのか

恐らく、この男は自分を使って彼らを殺そうとするだろう

もしそうなれば、デバイスをも持っている今となれば、彼らを殺す事など容易い事

自分は彼女達全員を殺すだろう

自分はあの少女を殺すだろう

垂らされた糸は、もしかすると確かに救いの糸だったのかもしれない。けれども

一方通行「アアアアアアアアッ!!」

気合いで身体を起こす。コントロールしきれない血がボタボタと垂れ落ちる事など、もう気にしていない

一方通行の力を与えられた、孤独だった少年に、手を差し伸べるのはこの男ではない

自分に手を差し伸べて来た、違う。自分の手を握り続けて来てくれたのは、自分の手を握り返してくれたのは―

DIO「叫べば力が出るのかッ!強くなるとでも思っているのかッ!!」

腕を振るい、少年を薙ぎ払う。反射することも出来ずに、その身体が吹き飛ばされる

一方通行「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

しかし、彼は立ち上がった

骨が折れ、血を流し、もはや殴りにかかる力すら残っていない身体を、起こした

DIO「もう良いッ!貴様はもう終わりだッ!!世界よッ!」

甲冑を纏ったスタンドが、腕を振り上げる。もう、回避することも出来ない

一方通行「チ・・・ックショォォォォォォォッ!!打ち止めッ!俺は―」

ガァンッ!

何かと金属がぶつかり合う、嫌な音が響き渡った


←ブログ発展のため1クリックお願いします
スポンサーサイト


コメント

  1. | |

    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://kannki.blog39.fc2.com/tb.php/2289-2a30e923
この記事へのトラックバック



アクセスランキング ブログパーツ レンタルCGI
/* AA表示 */ .aa{ font-family:"MS Pゴシック","MS PGothic","Mona","mona-gothic-jisx0208.1990-0",sans-serif; font-size:16px; line-height:18px; }