橘「ダイヤのエースだと!?」エイラ「!?」

2011年03月08日 13:18

橘「ダイヤのエースだと!?」エイラ「!?」

1 : ◆/Cw3ExGciLMi :2011/02/21(月) 09:21:13.84 ID:BUdQJNgEo

なんか今日はエイラ・イルマタル・ユーティライネン中尉の誕生日らしいですよ

このスレはVIPでやってた同タイトルのSSスレが油断してたら落ちてしまったため、
改めてここに建て直しします

元スレ:ttp://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1298004819/

このSSは「ストライクウィッチーズ」×「仮面ライダー剣」のクロスSSです。
ベース世界はストパンのほうで剣勢がパラレルワールドという形で参加しています。
勝手なオレ設定が多分に含まれている上、「双方の原作番組を視聴済みが前提」と説明を省くことがありますので、原作視聴者にもあんまりやさしくないかもわかりません。
あとエイラはクローズアップさせるかどうかわからん。剣崎と橘さんも、どっちメインで行こうかなーと考えてる最中。
「相川始」はだいたい背景設定は考えたけど、「上条睦月」のほうは登場させるかどうか完全に未定。
尚、この設定は話が進むに連れて変更されるおそれがありますので、予めご了承下さい。

上記の事項のを了承の上、みなさまふるってご参加下さい。

元スレ>>1もこんな事になるとは思うまいて。ククク……


――


~???~

ヴーッ ヴーッ

「!!」

「そんな……研究所が……!?」

「橘さん! 広瀬さん!! みんなッ!!」

「クソっ、どこもかしこもメチャクチャだ! 誰か! 生きてる人はいないのか!?」

 ガラ…

「!」

「生存――」

『――』

「――ネウ、ロイ……!?」

「……貴様か……! 貴様がみんなを!!」カチャッ シュルル……

「――変身!!」

“TURN UP”

「うおおっ!!」

『――』

 ガキィン!

「クッ!」

(虫みたいな姿、異常に強い脚力、コイツも新型のネウロイか!)

『――』

「!」

 ドガァッ!!

「ぐあっ!!」
(しまった、まともに蹴りを……!)

 ドサッ、ゴロゴロ…

「……っく……!」

 ガサ…

「!」

(なんだ、人影……? いや、あの『仮面』……!)

「あの姿は……!」

「"仮面ライダー、ギャレン"……!橘さん! 橘さんなんですね!?」

『――』ダダッ!

「うわっ!」ヒョイッ

「良かった、橘さん! はやくコイツを! こいつが研究所を壊滅させた新型の――」

「……」

「――橘さん?」

『――』ブンッ

「っく! ……橘さん、何故見てるんです! 加勢をお願いしますッ!」

「……剣崎」

「橘さん!」

「――さらばだ」

「橘さん!? どういうことなんだ、橘さんッ!?」

 ザッザッザッ…

「アンタとオレは! 仲間じゃなかったんですかッ!?」

「答えてくれ! 橘さん――ッ!!」


  ●

  ●

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――


~現在・ガリア上空~


サーニャ「エイラ! 仰角、45度……3つ、来る!」

エイラ「あいサァ!!」ヴルンッ!

サーニャ「あッ!?」

 キィ――……ン……

宮藤「うわぁ、エイラさん、凄い……。もう見えなくなっちゃった ――って、待って下さーいっ!?」

坂本「集中を乱すな、馬鹿者!!」

宮藤「わわっ、すいません!」

ペリーヌ「粗忽な振る舞いは慎みなさい! 豆狸さん!」

坂本「訓練中の私語は慎め! 中尉!」

ペリーヌ「はうっ」

坂本「……まったく。サーニャ、エイラはどこまで突出していった?」

サーニャ「あ、はい。ターゲットユニット三体を破壊、まもなくこちらに……」

 バババババ…

エイラ「サーニャー!!」

サーニャ「エイラ……」

エイラ「見たカー!? あっという間だったロー!」

坂本「――そうだな、見事だ」

エイラ「!」ギク!

坂本「リトヴャク中尉。今回の訓練目的を復唱してみろ」

サーニャ「……『四人一組でのチーム演習及びコンビネーションの構築』……です」

坂本「その通りだ。ユーティライネン中尉、単独先行した理由はなんだ?」

エイラ「え……エット……敵編隊の撹乱を……その」

坂本「ほう。しかしリトヴャク中尉の探査波に掛かったのはあの時点では三体だけだ。もしあれが先行隊であり、その後本隊が押し寄せてくるとしたらどうする」

エイラ「そ、その前に離脱すれバ……」

坂本「お前個人の能力の是非の話ではない! 『チーム演習』で単独行動するバカがどこにいる! 途中は真面目に参加しておいて、最後にこれでは意味が無いだろうが!」

エイラ「うう……」

宮藤「……エイラさん、今日は珍しくこってりしぼられてるね」

 ガミガミ

ペリーヌ「当たり前ですわ。今日の訓練がぜーんぶパアになったも同然ですもの」

 ガミガミ

坂本「――しかし、そこまで元気が有り余っているのなら、今回の訓練も一考の余地があるな」

エイラ「え」

坂本「罰は基地周辺40周にまけておいてやろう」

エイラ「うえー!!」

宮藤「うわあ」

ペリーヌ(ま、まけて40周……)

サーニャ「仕方ないよ、エイラ……」

エイラ「サーニャぁぁ~!」

坂本「では帰投するぞ! 今回の反省点を各自自省しておくように!」


――


~ロマーニャ・501基地~


宮藤「ミーナさん、ただいま!!」

ミーナ「おかえりなさい。美緒、どうだった? 演習は」

坂本「0点だ。こいつのせいでな」

エイラ「うう」

ミーナ「あら? ……何やらかしたの?」

坂本「単独先行。猪武者だ」

エイラ「イノシシ……」

ミーナ「……エイラさん? 『最近のネウロイの"空挺部隊"とも言うべき地上戦力に対して、地上に降りる前の迅速な撃破のためのコンビネーション機動の構築が目的です』って、演習前にあれだけ説明したでしょう?」

エイラ「だ、だからサァ……迅速な撃破を……」

サーニャ「エイラ……」

エイラ「う、うー……悪かったよ……反省、してるよ……」

坂本「ん! それでは、午後は自由行動とする。ルッキーニ達と入れ替わりだ。エイラは罰だ、忘れるなよ?」

エイラ「はぁーい……」

ミーナ「晩ご飯までには戻るのよ?」

エイラ「子供カー!」

宮藤「私は、消耗品の補充に行ってきますね! ペリーヌさんは?」

ペリーヌ「……汗も落とさずによく市街を出歩けますわね?」

宮藤「え。で、でももうお昼過ぎですし、はやく出かけないとなくなっちゃいますから」

リーネ「あ、芳佳ちゃーん。わたしも行くよ」

宮藤「リーネちゃん! 行こう行こう!」

ペリーヌ「わたくしは先に戻らせていただきますわ」

――

~ロマーニャ・市街~

宮藤「――っと、あと乾麺が足りてなかったんだっけ?」

リーネ「うん。あとは洗剤、置いてあった?」

宮藤「えーっと……、うん。浴場関連はぜんぶあった……と思う。――しまったなぁ、急いで出てきたからメモの用意忘れちゃったね」

リーネ「ペリーヌさん、お風呂の備品には厳しいから。今からでも戻る?」

宮藤「そうしよっか?」

リーネ「そうだね、じゃあ戻――」

 ――ドン!

リーネ「わぷっ!?」

??「!」

宮藤「わああ! ごめんなさい! リーネちゃん、大丈夫?」

リーネ「う、うん……。あの、ごめんなさ……」

??「大丈夫か?」

宮藤「!」

宮藤(……この人……?)

リーネ「……はい、大丈夫です……」

??「――そうか。失礼する」

宮藤「あ! 待って! 待ってください!」

??「……何か?」

宮藤「あなた、扶桑の人ですよね? 私も、私もなんです!」

??「……! キミも、か?」

宮藤「はい! 扶桑人です! 凄い凄い、こんなところで同郷の人に逢えるなんて! あの、お名前――」

?? スッ

宮藤「――写真?」

??「君は、この男に見覚えはないか?」

宮藤「このひと、ですか?」

リーネ(……この人も扶桑の人だ。ずいぶん上の歳の人みたいだけど……)

宮藤「……ごめんなさい。知らない人、です」

??「そうか。すまなかった」クルッ

宮藤「――あ、あの……」

??「……?」

宮藤「お名前だけでも、と思ったんですけど……」

リーネ「……」

??「……」

??「……橘。橘、朔也」

宮藤「橘さん……良い名前ですね」

橘「……そうか?」

宮藤「はい! タチバナの実で作るマーマレード、おいしいんですよ?」

橘「……そういう褒められ方をされたのは初めてだな」

橘(いや、褒められてるのか?)

リーネ(芳佳ちゃん)コソッ

宮藤「ん、え?」

リーネ(もう行こう?)

宮藤「え、何で……」

橘「……」

橘(フッ)

橘「では、俺はこれで失礼するよ。いきなり不躾な質問をして済まなかった」

橘「じゃあ」クルッ

 スタスタスタ…

宮藤「あっ……」

宮藤「リーネちゃん、どうしたの?」

リーネ「うん……。うまく言えないけど、あの人、よくない感じがしたの」

宮藤「……? 落ち着いた男の人だったけど……」

リーネ「そうかな……? あの人、すごく焦ってるみたいだった」


リーネ(……まるで、なにかに怯えてるみたいで……)


――


~夜 501基地・浴場~


 ザバアッ…

エイラ「くああ……ッ! 太もも、熱っつぅゥ……!!」

サーニャ「お疲れ様、エイラ」

ルッキーニ「つんつん♪ つんつん♪」

エイラ「触ンナー!」

ルッキーニ「うきゃー?」

坂本「はっはっは、あとでよぉーく揉みほぐしておかないと、明日はひどいことになるぞー」

サーニャ「大丈夫でしょうか……?」

坂本「筋肉痛で人が死んだ先例はない。常に明日に備えるのも職業軍人の努めだ」

エイラ(鬼軍曹メ……)

リーネ「……」

シャーリー「ふぅー! 一日最後の風呂は最高だな、リーネ!」

リーネ(昼に出逢ったあの人……)

シャーリー「リーネ?」

リーネ(すごい、あぶなっかしい感じがする人だったのもそうなんだけど)

宮藤「リーネちゃん?」

リーネ(なにか、あの人に『別のもの』の気配を感じたっていうか)

シャーリー「……」ソー

リーネ(……まさか……いや、だけど……。うう、気になるなぁ)

 チャプ

シャーリー「隙ありっ!」ザバァ!

 むに。

リーネ「きゃわぁ!?」

宮藤「シャーリーさん!?」

シャーリー「いや、上の空であんまり無防備だったんで、つい」

ゲルト「こらシャーリー、よさないか」

リーネ「そっ、そ、そうですよぉ! やめてください! いきなり!」

シャーリー「ん、了解得ればいつでもいいのか?」

リーネ「シャーリーさんっ!!」

シャーリー「はは、しかし何考えてたんだよ?」

リーネ「……」

宮藤「あの男の人のこと?」

リーネ「うん……」

シャーリー「男?」

ゲルト「の?」

坂本「人?」

宮藤「はい! わたしと同じ、扶桑出身の人と出逢ったんです! わたし、嬉しくなっちゃって。ね!」

リーネ「うん……」

シャーリー「で、ナンパしたと」

ゲルト「何だとっ!?」ザバ

宮藤「えええっ!? 違、どうしてそうなるんですか!」

ゲルト「どういう事だ、宮藤!」

シャーリー「だって、故国から遠く離れた異郷の地で、同郷人と運命的に出逢ったーなんて恰好のネタじゃんか」ケラケラ

ゲルト「宮藤……! お前……!」

シャーリー「どーせテンション上がって引き止めて、色々根掘り葉掘り訊いたんだろ?」

宮藤「うっ」

宮藤「そんなこと……………………してません」

リーネ(見透かされてる……)

ゲルト「ダメだ、ダメだぞ宮藤! 私たちの立場を理解してるのか!? 私たちは軍属、『不純』な交友に割く時間は……」グググ…

宮藤「……ば、バルクホルンさん、目が怖いです」

坂本「――なんにせよだ」

坂本「少なくとも今は、確かに色恋沙汰にうつつを抜かしている暇はないな。聞いたか? 新型ネウロイの話を」

シャーリー「『新型』?」

坂本「ああ。なんでも……」


――


~501基地・隊長執務室~


ミーナ「『機能特化型』?」

電話越しの男『そうだ。今までのネウロイが我が人類軍の航空機を模した形をとっていたのに対し……』

ミーナ「地球上の生物をベースにコピー・新型を遂げた、というわけですか」

電話越しの男「このタイプは航空戦力こそ持たないが、いやこちらのほうが厄介かもしれないな。今までに現れた新型は全て陸上生物の姿を模倣している』

ミーナ「……情報の少ない、新型の『陸上戦力』という事……。確かに厄介ですわ」

電話越しの男『ああ。都市部にネウロイが降り立つ。この意味、分からないではあるまい』

ミーナ「……」

ミーナ「しかし『機能特化型』とは……」

電話越しの男『そこだ。この頭の痛いモンスターが更に頭痛の種を増やしておるもの……火器に類するものを持たん代わりに、外皮の発達……』

ミーナ「外皮の発達……?」

電話越しの男『極東の連中の豆鉄砲では傷ひとつつかなかったと聞いておる』

ミーナ「それほどまで……」

電話越しの男『更にだ。こいつらは腕力特化……脚力特化……回転衝角(ドリル)をもつモグラのようなネウロイも確認された』

ミーナ「……私たちの『固有魔法』に類するものでしょうか……」

電話越しの男『わからん。しかし最近の『空挺部隊』とも言うべきネウロイどもの動きの変化……練度が増せば、本格的にこのタイプを上空より送り込んでくるだろうと見る目もある。
       あいつらがそんな知能を持ち合わせてるとは……考えたくはないがね』

ミーナ「……対策を、というわけですわね」

電話越しの男『そうだ。幸いにして、奴らの進化は『あれがダメだったから次はこれ』という場当たり的なものだ。
       その『空挺部隊』とやらを徹底的に叩けば……しばらくは出てこぬだろう』

ミーナ「了解しました」

電話越しの男『頼むぞ、ウィッチーズ』

ミーナ「は。」

 チン…

ミーナ「――ふう……」ギシッ…

ミーナ「……相手の豊富な航空戦力に加えて、陸上部隊への対処……」

ミーナ「ホントに、頭が痛いわ……。どこか陸戦ウィッチを回してくれないかしら」

ミーナ「……はぁ」

ミーナ「お風呂、空いたかしらね……?」


  ●

  ●

  ●


~翌朝 ロマーニャ上空・旅客機内~


??「……せさん、広瀬さん」

??「ん……。んあ……?」

??「広瀬さん、起きてください広瀬さん! もうすぐ着きますよ」

広瀬「――あっ!? ゴメン剣崎君、あたし、寝てた!?」

剣崎「バッチリ。羨ましいですよ。オレなんてあんまり寝られなかったんですから」

広瀬「……何それ。あたし、無神経みたいじゃない」

剣崎「そ、そんな事言ってませんって」

広瀬「言ったじゃない!」

剣崎「誤解です!」

CA「まもなくロマーニャ空港に到着いたします。みなさま、シートベルトをお締めになって――」

広瀬「……っと」

剣崎「ベルトベルト」

剣崎「……乗客なんてほとんどいないのになぁ……」

広瀬「仕方ないわよ。ネウロイ侵略に対抗する、『激戦区』の欧州戦線にスキ好んでいこうってんだから。そんな酔狂なのあたしたちぐらい――」

剣崎「――広瀬さん?」

広瀬「……自分で言っててミジメになってきたわ……本当、なんだってこんなコトに……」

剣崎「……広瀬さん」

広瀬「……」

剣崎「オレ、今でも信じられませんよ。橘さんが裏切ったなんて……」

広瀬「……それをこれから問い質しに行くんじゃない。基盤研究所の新型ネウロイ襲撃。その呼び水が……『橘朔也』」

剣崎「でも……」

広瀬「剣崎君だって、ネウロイとの戦いにあの人が現れて、一切手助けしてくれずに何処かしらに行っちゃった、って言ってたじゃない」

剣崎「それだけで橘さんが裏切ったとは判断が速いんじゃないかって言ってるんです」

広瀬「烏丸所長だって行方不明なの。もう……手がかりはあの人しかいないのよ」

剣崎「……わかってますよ」

広瀬「さ! 気をとりなおして、まずはロマーニャで腹ごしらえよ! あそこ、食べ物おいしいって聞くし! 楽しみだわー!」

剣崎「広瀬さん……観光じゃないんですから」

剣崎「……あ!」

剣崎「護衛のウィッチですよ! ……ホントにパンツみたいだ! おーい! あ、やった! 手、振り返してくれましたよ広瀬さん!」

広瀬「……剣崎君?」

剣崎「……スイマセン」


――


~ロマーニャ・市街~

広瀬「――さすが本場の味ね! 海外旅行、薦める人の気持ち分かるわー!」

剣崎「水、ホントに酒より高いんですね……」

広瀬さん「戦時下だしね」

広瀬「さって、と……出国記録にはロマーニャに発った、とあったけど……」

剣崎「橘さん、何が目的でここに来たのかが分からないことにはなぁ……」

広瀬「虱潰しに探すしかないわね」

剣崎「ハァ……やっぱりそうか……」

広瀬「さ、行きま――」

 ウウウ――――ッ!

   ウウウ―――――ッ!

剣崎「!」

広瀬「警報!?」

アナウンス『現時刻・1403をもちまして、ネウロイ警報が発令されました。ロマーニャ市民の方々は直ちにご帰宅または最寄りの民家に非難してください。
       決して外には出ないようお願いします。繰り返します。決して外には……』

広瀬「……」

剣崎「ネウロイ……!?」

広瀬「……剣崎君、いまのアナウンス、変じゃなかった? なんで『最寄りの民家』なのかしら」

剣崎「え?」

広瀬「いくらこの国が扶桑みたいに狭いったって、避難場所に指定されるような大きな建物とか無いわけじゃないのに……。
    わざわざ住民を特定箇所に集めない理由って……」

剣崎「そ、それってどういう事です?」

広瀬「それに、軍隊だってネウロイ迎撃、住民の避難誘導する時間くらいはあるのに?
    しかも確かこの国、各国から集められたエースで構成された特殊航空部隊があったはず……」

剣崎「……つまり」

『ピロリロリロ…! ピロリロリロ…!』

剣崎「サーチャーに反応っ!?」

広瀬「間違いない、『新型』が市街地にいるわ!」

剣崎「……最悪だ……! 広瀬さん! 場所を!」

広瀬「分かった!」カチャ

広瀬「――北東! 距離40!」

剣崎「よしッ!」 シュルル……カチャッ

剣崎「変ッ身!!」

"TURN UP"

ブレイド「――スペイダーッ!」

広瀬「剣崎君! バイク……ブルースペイダーは扶桑に置いてきたままよ!?」

ブレイド「っ、そうだった! クソォッ!」

広瀬「急いで!」

ブレイド「ハイッ!」


――


~同時刻・501基地~


宮藤「市街地に『新型』が!?」

ルッキーニ「あ……う……!?」

ミーナ「そうよ。501航空部隊は直ちに出撃。……但し、住民の避難は済んでいないわ。そこも考慮して交戦に入ること」

ゲルト「侵攻が早過ぎる! いきなりロマーニャ市街地なんて……!」

ミーナ(そう、早過ぎる……! まだ陸戦の戦い方も十分に吟味してないっていうのに……!)

ルッキーニ「――っ!!」だっ!

ゲルト「少尉!!」

坂本「良い! 各自出撃翌用意!」

ミーナ「数は恐らく一体だわ! けど今までのネウロイとは全く違う」

エーリカ「加えて市街地かー!」

ペリーヌ「ロマーニャ、ロマーニャを……!」

坂本「501統合戦闘航空団! "ストライクウィッチーズ"、出撃ッ!!」

エイラ「ヨッシャー!」


――


~同時刻・???~

橘「……」

橘「……サーチャーに、反応……」

橘「プライムベスタ、か」

橘「……」カチャッ、シュルル…

橘「――変身……!」

"TURN UP"

ギャレン「……行くぞ、ランバス」

 ヴォンッ!!


  ●

  ●

  ●


~ロマーニャ・上空~

ルッキーニ「きいーんっ!!」

リーネ「ルッキーニちゃん、先行しすぎっ……!」

シャーリー「いい。追いつけばいいさ!」

  ぐんっ!

リーネ「シャーリーさんも! ああもう……」

宮藤「サーニャちゃん! 補足は――」

サーニャ「――旧市街地、南西部、針路このまま……距離五十!」

坂本「良し! 各員、最大戦速維持! 3カウント後にHALO降下!」

ウィッチーズ「「「了解!!」」」

ペリーヌ「――3!」

ゲルト「2!」

エイラ「いぃぃちっ!!」

 ぐっ……キュウンッ!

ルッキーニ「――っとぉ!」

 ギュンッ!

ミーナ「……! 4時方向!」

ゲルト「!」

ネウロイ『――』

ルッキーニ「シカ?」

ペリーヌ「例に聞いてた『動物型』のネウロイですわね!」

宮藤「……!? あのネウロイ、おかしいです」

坂本「……確かにな、周辺の腐食が起こっていない……? 瘴気は発生していないのか?」

エイラ「好都合っ! 先手必勝ォ!」ッタタタタタタ!!

シカ型ネウロイ『! ――』キンッキキンッ

エイラ「イっ!?」

エーリカ「効いてない……?」

ミーナ「通常弾では歯がたたないということ……!? マズイわ、坂本少佐をポイントマンに陣形の再編成!」

坂本「了解! ――頼むぞ、"烈風丸"……!」ガシャッ…

シカ型ネウロイ『――!』バリバリバリ…

 バチィッ!!

宮藤「わわっ!?」

ペリーヌ「きゃあッ!?」

シャーリー「電撃!?」

ルッキーニ「ペリーヌのマネー!?」

ペリーヌ「わたくしはあんなにはしたなく撒き散らすような真似はいたしません!」

坂本「怯むな!! 先陣は私が切る!!」

 ダッ!

坂本「うおおッ……!」

シカ型ネウロイ『――』

坂本「斬り裂け――」ギランッ

坂本「烈風、一迅ッ!!」

 ――ザシュッ!!

シカ型ネウロイ『!!』

坂本(手応え、あり!)

ペリーヌ「少佐! お供致しますわ!」スラァッ

ペリーヌ(鋒(ポイント)に、魔翌力集中……!)バリバリバリ…

ペリーヌ「はああッ!」

ペリーヌ「Tonnerre!!」

 ズドオッ!!

シカ型ネウロイ『!!』

サーニャ「効いてる……!」

ゲルト「魔力攻撃ならば通用するということか!」 

ミーナ「坂本少佐、クロステルマン中尉は下がって! 他の者は援護!」

エイラ「くっソ、こんなせっまい所で接近戦カ……!」タタタタッ…

エイラ「!」

エイラ「もっかい! 電撃が来るゾ!」

宮藤「私が前に出ます!」

シカ型ネウロイ『――』バリィッ!

宮藤「広域シールド、展開!!」

 バチバチッ!!

宮藤「くぅっ!」

エーリカ「芳佳!」

エーリカ(私の魔法だと、みんなや市街を巻き込む……! 陸戦って不便だな……!)

ミーナ「――!」

ミーナ「こちらに……いえ、ネウロイに向かってまっすぐ接近する影が一つあるわ! ――民間人!?」

ゲルト「旧市街に、人はほとんどいないのにか!?」

ミーナ「リトヴャク中尉! 警告を!」

サーニャ「は、はい!」


――


 タッタッタッ……

ブレイド「もうすぐだ、もうすぐ……!」

 ~そこの民間人の方……~

ブレイド「!」

 ~警告します、直ちに旧市街地より避難してください! 警告します……~

ブレイド「ウィッチ……!? ウィッチってこんなことも出来るのか」

ブレイド「……もう交戦してるって事だよな! クソ!」

 ダッ!


――


ミーナ「――転進しない!? 何を考えてるの、この人は!」

サーニャ「むしろ速度が増して……!? こ、これ人間の速度じゃ……!」

シャーリー「新手!?」

サーニャ「わかりません!」

ミーナ「警戒を怠らないで! 新たなネウロイと考え対処します!」

エイラ「クッソー!」

 ――ダンッ!!

ブレイド「……」

エーリカ「仮面……!?」

ゲルト「貴様、何者だ!」

ブレイド「……オレは、味方です!」

ブレイド「ウィッチの人たちは下がっててくれ! アイツは……オレがやります!」スラアッ…ジャキッ!

ゲルト「何を……!?」

ペリーヌ「サーベル……!?」

ペリーヌ(あの剣、奇妙な護拳部の形をしてますわね……?)

坂本(あの剣……魔力の浸透のようなものを感じる……? 私の烈風丸と同様のものか……!?)

ブレイド「おおおッ……!」

シカ型ネウロイ『――』

ブレイド「ウェイ――ッ!!」

 ザンッ!!

ルッキーニ「!」

坂本「――やはりか!」

ブレイド「ハッ! ウェ、ウェイッ!」

シカ型ネウロイ『! ――!』

エーリカ「圧倒してる……!?」

エイラ「敵じゃないんダナ?」

シャーリー「様子をみる限り、だけどな……」

リーネ「……」

ブレイド「一気に決める!」

ブレイド(カードホルダー展開……!)ジャラアッ!

ブレイド「コイツだ!!」

剣状の武器『"SLASH"』ギュゥン、ピピピピ…

ルッキーニ「剣がしゃべったー!?」

リーネ(あのカード……!?)

ブレイド「――ウェェイッ!!」

  ザシュッ!!

シカ型ネウロイ『!!!』

ゲルト「やったか!?」

ブレイド「いや、まだだ!」

ブレイド(カード一枚じゃ足りないのか……! クソ!)

ミーナ「……!」

ミーナ「ネウロイに近づく影あり!」

リーネ「またですか!?」

ミーナ「今度は速いわ!」

 ヴォンッ!!

??「ハアッ!!」

 ドンッ!! キュキュ……!

宮藤「鉄騎!?」

??「……」

 ドッドッドッドッ……

ブレイド「!!」

ブレイド「橘さん!?」

リーネ「えッ!?」

ギャレン「ヘラジカ型……ディアーネウロイか!」ジャキッ!

 ドキュウンッ!!

シカ型ネウロイ『!!』

ゲルト「銃撃!?」

エーリカ「しかも効いてるみたい、何なの、あの二人……?」

ギャレン「……」チャッ、ジャラアッ!

銃状の武器『"BULLET"』ギュゥン、ピピピピ…

ギャレン「ハッ!」グッ!

 ドキュ、ドキュッ、ドキュウンッ!!

シカ型ネウロイ『! ――! !!』

ギャレン「剣崎! 今だ!」

ブレイド「……え? は、はい!」

ブレイド「ブランクカード……!」

ブレイド「ウェッ!!」

 ヒュンッ! 

シカ型ネウロイ『――!』トスッ

 ギュゥゥゥゥ……!

エイラ「ナんだ、アレっ!?」

サーニャ「ネウロイが……カードに吸い込まれていく……?」

ミーナ「……」

 ヒュンヒュンヒュン…

ブレイド「っと!」パシッ!

ブレイド「"サンダー……ディアー"……。スペードのカテゴリー6……」

ブレイド「と、そんな場合じゃない!」カチャッ、キュウン…

ミーナ「人間の姿に……!?」

エイラ(人間だったのカ)

剣崎「――橘さんッ! 何やってるんですッ、こんなところで!」ダッ!

ギャレン「近づくな!!」ジャキッ!

剣崎「!!」

シャーリー「なんだ? 仲間割れか?」

剣崎「……橘さん、どうしてラウザーをオレに向けるんです」

ギャレン「……」

剣崎「本当なのか……!?」

剣崎「……橘さん!! ホントに裏切ったんですかッ!?」

ギャレン「……?」

剣崎「答えろよッ!!」

ギャレン「裏切った……? 俺が……?」

剣崎「そうなんだろ! 基盤史研究所もアンタの手引きで壊滅した! 烏丸所長だって……!」

ギャレン「裏切ったのは烏丸たちの方だろうッ!」

剣崎「……なんだって?」

ギャレン「いいか剣崎。扶桑で新型ネウロイの襲撃が多発した原因、あれは人類基盤史研究所そのものが原因だ」

宮藤「え!?」

坂本「何だと……!?」

剣崎「……!?」

ギャレン「俺もあそこの研究員だったから分かる。新型共はあそこにあったネウロイのコアに引かれてやってきていたんだ」
ギャレン「その事実を隠蔽したい奴らは、急遽このライダーユニットを完成させ、ネウロイを討伐することを俺たちに命じたんだ。
     結果があの襲撃だったがな」

剣崎「何だって……!?」

ギャレン「そしてよく聞け剣崎……! この急拵えのライダーユニットには欠陥がある。変身を重ねれば重ねるほど……身体はネウロイに侵食されていく」

剣崎「……えッ!?」

ギャレン「いずれお前もそうなる。……もう、ネウロイには関わるな」ヴォンッ!!

剣崎「待ってくれ、橘さん、橘さん――!!」

  オオオォォォ…………

剣崎「……」

  ガク……

剣崎「そんな……。オレの身体が……ネウロイに……?」


剣崎「ウソだそんなこと――――ッッ!!」


エイラ「……」

エイラ(……こ、声……かけづらいナ……)

ミーナ「……」スッ

リーネ「隊長?」

ミーナ「剣崎さん、でしたね」

剣崎「……はい……」

ミーナ「まずは、ご協力感謝します」

剣崎「……いえ、礼は要りません。これは……オレたちの仕事ですから」

ミーナ「バルクホルン大尉」

ゲルト「?」

ミーナ「剣崎さんを拘束」

ゲルト「え? ……りょ、了解」ガシッ

剣崎「はっ!? ちょ……ちょっと待ってくれよ! オレが何したって言うんだよ!」

ゲルト「観念しろ!」グググ…

剣崎「なんだこの娘! 力……強っ!?」ジタバタ

ルッキーニ「にしし! 神妙にしろー!」

宮藤(どこでそんな言葉覚えてくるのかなぁ、ルッキーニちゃん……)

ミーナ「では、各自帰投」

ウィッチーズ「「「了解!!」」」

剣崎「了解じゃない!」

 ヴルンッ!!

剣崎「うわあっ!?」

 バババババ…

剣崎「降ろせ! 降ろせよ!!」

ゲルト「諦めろ。落ちたら死ぬぞ」

剣崎「うわあああああっ…………!!」


 ●

 ●

 ●


――


~翌日・ロマーニャ 501基地・営倉~

広瀬「で」

剣崎「……」ムスッ…

広瀬「ネウロイ退治に出かけたと思ったら軍隊に拘束!? 何をしでかしたのよ剣崎君!」

剣崎「オレが知るかよ」

広瀬「何その態度! あたしがどれだけ心配して……!」

剣崎「橘さんに会った」

広瀬「――え?」

剣崎「……『ネウロイに関わるな』って言われた」

広瀬「何それ、どういうことなの……!?」

剣崎「研究所が壊滅したのはラウズカードに封じられたネウロイコアのせい、烏丸所長は黒幕だって」

広瀬「……信じたの? それ」

剣崎「信じられるかよ!」

広瀬「……」

剣崎「橘さんの言ったことが全部とは思えない……烏丸所長の考えてる事だって分からない……! こんなんで、引き下がれるかよ……」

広瀬「剣崎くん……」

剣崎「はあーあ、でもブレイバックル(※)はあの娘たちに取り上げられるし、女の子には力で負けるし、散々だ……」

(※剣崎の変身用アイテム)

広瀬「え、マジ?」

剣崎「本当だよ。あれがないと橘さん追えないし。いつ出られんのかなぁ……」

広瀬「いや、その、後」

剣崎「後?」

広瀬「女の子に力で負けたって、マジ?」

剣崎「あ」

広瀬「えぇ!? マジなの!?」

剣崎「いやいやいや! 違うって! あれ絶対ズルしてるって! だいたい広瀬さんだって――」

広瀬「あたしが、何?」

剣崎「――んでもないです、ハイ」

広瀬「言いたいことあるんならはっきり言いなさいよー!」

  ギャーギャー

剣崎「わーごめんなさいごめんなさい!」

  ギャーギャー

広瀬「アタシが怪力だって言うのー!?」

剣崎「言ってませんって!」

  コッコッコッ…

ゲルト「……何を騒いでるんだ、お前たち」

剣崎「あ!」

広瀬「……ご、ごめんなさい」

ゲルト「出ろ」カチャカチャ

剣崎「うぇ?」

広瀬「釈放……ってことですか?」

ゲルト「違う。だがウチの隊長がお前を尋問するそうだ」

剣崎「尋問!?」

ゲルト「さっさと出ろ」

剣崎「何でだよぉ……」

ゲルト「……」ジッ…

剣崎「……? な、何……」

ゲルト(……こいつが宮藤に手を出した扶桑人……!)ゴゴゴ…!

剣崎(……なんだ、この威圧感)

ゲルト「行くぞ。――くれぐれも妙なマネを起こそうなどとは考えるな。昨日の姿なら知らず、生身のお前など楽々取り押さえられる人物はいくらでもいるぞ」

剣崎「わかってるよ……」

広瀬「あ……あの、あたしは……」

ゲルト「ん、ついてきていただくと助かる。貴女の話も聞きたいそうだ」

剣崎「おーい。待遇違うぞ。おーい」

ゲルト「やかましい。キリキリ歩け!」


――


~501基地・隊長執務室~


  ピラ…

坂本「結論から言おう。このカードにはネウロイのコアが埋め込まれている」

ミーナ「……なんですって……!?」

坂本「だが、彼の……剣崎? 彼の身体にネウロイコアはない。侵食の痕跡すら見受けられなかった」

ミーナ「ただの、人間……」

坂本「何らかの方法でネウロイの侵食を防いでいると見るべきだろうな」

ミーナ「何も無いところから突如現れる鎧、新型ネウロイの外皮を易々斬り裂くサーベル。……一体何者なのかしら、彼」

坂本「もう一人居たな。甲冑の形が似ていた」

ミーナ「あれも彼と同じシステムを用いてるのかしらね」

坂本「――と、見るべきだろう。しかし気になることも言っていた」

ミーナ「『このライダーユニットは急ごしらえ』で……」

坂本「『変身を続ければネウロイに侵食される』と……」

坂本「それが本当ならば捨て置けんな……。『人型の新型ネウロイ』が生まれるのと同義だぞ」

ミーナ「ええ……」

  コンコン

ミーナ「――誰?」

ゲルト「はっ! ゲルトルート・バルクホルン中尉であります! 件の人物をつれて参りました」

ミーナ「入って」

ゲルト「はっ!」

  ガチャ

ゲルト「失礼します!」

ミーナ(外部の人間の前だからって……)

ミーナ「ご苦労様。下がって良いわ」

ゲルト「ハッ! 失礼いたします!」

  ガチャ バタン

剣崎「……」

広瀬「……どうも」

ミーナ「どうぞお掛けになって下さい」

広瀬「……すいません」スッ

剣崎「……」ドカッ

ミーナ「さて……この基地に一晩『泊まって』いただいたのは私の独断です。『まだ』上の知るところではありません」

剣崎「罪も無い一般市民を、な」ムスッ

広瀬「剣崎君!」

ミーナ「言葉もありません。ただ、敵意が無いとはいえ、100%の安全が確約されたわけではないので」

ミーナ「そして、貴方たちの会話の中で、ちょっと看過できない話題が出てきたので。申し訳ありませんが拘束・尋問という形を執らせていただきました」

広瀬「そう、ですか……」

広瀬(……後者が本題、ね。何喋ったのよ剣崎君……)

剣崎「……」

坂本「――単刀直入に聞こう。君はネウロイの力で戦っているのか?」

広瀬「!」

剣崎「……答える義理はな」

ミーナ「もちろんありません。ですからこれは正式な尋問というわけではありません。記録もとっていませんわ」

剣崎「……」

剣崎「オレのラウズカード、調べたんだろ?」

坂本「……ラウズカード? ああ、これか」

  ピラ

剣崎「そいつはネウロイのコアをカードに封印したもので、オレたちはそのネウロイと融合して戦ってる」

ミーナ「……」

ミーナ(コアを、封じる? そんな技術が……)

広瀬「その……箱みたいな形の機械、ありますよね。それにそのラウズカードを挿入して変身するんです」

坂本「変身とは?」

広瀬「はい、ラウズカードに封印されたネウロイの生体情報を、その箱――ブレイバックル――に記録されている『オリハルコンアーマー』に固着させて、映像のように映しだすんです。
    装着者がその映像……えっと、『オリハルコンエレメント』って呼んでるんですけど、エレメントを通過することによって、ネウロイと擬似的に融合してるんです」

坂本「なるほど……」

ミーナ「その『変身』は、誰でもできるんですか?」

広瀬「誰でも、というわけでは……。ネウロイと同調する資質がある人だけが可能です。それ以外は安全装置が働いてエレメントに弾かれます」

坂本「……では、その『適合者』はネウロイに侵食されるおそれがあるということだな?」

剣崎「!」

ミーナ(美緒……!)

広瀬「え? いえ、そういう話は……? ライダーユニットは何度も試作を重ねていますし、人の扱うものですから……」

坂本「……」

広瀬「ただ、予期しないことが起こったとしたら、その限りではありませんけど……」

坂本(……嘘を言ってるようには見えない、本当に例の『弊害』とやらを知らないのか? あるいは……)

剣崎「……もういいだろ。訊きたいことはそれだけかよ」

ミーナ「え? ええ……」

剣崎「だったら、いつ出してくれるんだよ」

ミーナ「……」

ミーナ「その事で、一つお願いできないかしら」

剣崎「……?」

ミーナ「私たちと……その、新型ネウロイと戦ってほしいの」

剣崎「何だって……!?」

広瀬「そんな!?」

ミーナ「もちろん無理なお願いだということは分かっています。ただこの国も新型ネウロイの脅威に晒されるコトとなってしまいました。……正直、今の戦力では心許ないのよ」

剣崎「本当に勝手だな……!?」

ミーナ「……もちろん、貴方達に戦力を提供していただくばかりではありません。貴方達の目的――橘さん?――の捜索にも協力します。そのため拠点もここにして頂ければ」

広瀬「軍の協力が得られるってこと!?」

ミーナ「ええ。……貴方達がどういう手段でこの国に長期滞在するつもりだったのかはわかりませんが、少なくとも『民間協力者』という形ならば」

広瀬「……剣崎君!」

剣崎「……いいのか?」

ミーナ「ええ。責任は私が持つわ」

坂本「……どうだ?」

広瀬「そんな! こちらこそ願ってもないです!」

剣崎「……一つだけ条件がある」

広瀬「剣崎君!?」

剣崎「オレのバイク、扶桑から持ってきてくれ」

広瀬「……」

坂本「……」

ミーナ「……」

剣崎「どうやってレッドランバス持ち込んだんだよぉ……橘さん……オレのスペイダー……」ガク…

ミーナ「……わ、わかりました。直ぐに手配します」

坂本(……大丈夫か、こいつ)


  ●

  ●

  ●


~ロマーニャ 501基地~

ミーナ「――というわけで、本日付けでウチに協力していただく……」

ミーナ「カズマ・ケンザキさんと――」

剣崎「……どうも」

ミーナ「シオリ・ヒロセさんよ」

広瀬「よろしくお願いします」

ミーナ「お二人には民間協力者、というカタチで501部隊に出向していただくことになります」

シャーリー「ん、軍属じゃなかったのか?」

広瀬「私たちは扶桑政府がクライアントの研究員、という扱いだから軍に所属してはいないの」

シャーリー「へえ? カズマも?」

剣崎「ああ。ネウロイコア蒐集のため雇われたんだけど、肩書きは研究員だな。ほとんど荒事専門だったけど」

エイラ「ずいぶんコシ入ってたもんナ。サーベル振り回すの」

広瀬「……その研究所も壊滅しちゃったから、ほとんど無職みたいなものだけどね……」

シャーリー「……(重っ)」

宮藤「――で、でも、同じ扶桑出身の方が501に来てくれてうれしいです!」

エーリカ「あ、そっか。これで宮藤、坂本少佐合わせて四人になるんだ」

剣崎「そうなのか?」

宮藤「はい! はじめまして、剣崎さん!」

ゲルト「……ん?」(『はじめまして』?)

ゲルト(つまり……)

ゲルト(思い……違い……?)サー…

剣崎「よろしくな。えっと――」

宮藤「芳佳。宮藤芳佳です!」

剣崎「よろしく。芳佳ちゃん」

ルッキーニ「ケンジャキー!!」

 タタタッ… タンッ!

剣崎「――ん、ウェッ!?」

ルッキーニ「どっかーんっ!」ガバァ!

剣崎「うぐっ!」ドスッ!

広瀬「剣崎君!?」

ルッキーニ「うじゃー?」

坂本「はっはっは、早速懐かれてるな」

剣崎「懐かれてるのか!? コレ!」

リーネ(コソッ)

リーネ「剣崎さん」

剣崎「ん、なに!?」

リーネ「ルッキーニちゃん、ロマーニャの出身なんです」

剣崎「……?」

リーネ「……ロマーニャを襲ったネウロイに1も2もなく立ち向かってくれた貴方が……すごく、うれしかったみたいですよ」

剣崎「……」

ルッキーニ「ケンジャキ! あたし、ルッキーニ! フランチェスカ・ルッキーニ!」

剣崎「……ああ、よろしく!」

広瀬「……」

広瀬(凄く、いい子なのね)

剣崎「――で、ルッキーニ……。ちょっと……降りてくれない?」

ルッキーニ「やだー♪」

ペリーヌ「降りなさいっ! そ、そんな、はしたない!」

ルッキーニ「やーだー!」

剣崎「き、君は?」

ペリーヌ「……」

ペリーヌ「ペリーヌ・クロステルマン中尉です。以後お見知りおきを」

剣崎「あ、ああ。よろしく」

剣崎(……壁を感じるな)

ペリーヌ「――そんなことより! 降りなさいッ!」

ルッキーニ「うじゅ……」

ゲルト「往生際が悪いぞ」

  べりっ。

ルッキーニ「あう」

広瀬(片手ではがした……)

剣崎(怪力……)

ゲルト「……」

剣崎「た、助かった」

ゲルト「……」

剣崎「……」

ゲルト「…………悪かった」ボソ

剣崎「え?」

ゲルト「わ、私の自己紹介は要らんだろう! 一度名乗ったからな!」

剣崎「……そうだったっけ」

ゲルト「……」

ゲルト「――ゲルトルート・バルクホルンだ! 二度は言わんからな!」

剣崎「あ、ああ……。(何怒ってんだ?)」

シャーリー「『トゥルーデ』って呼んでやりなよ、カズマ♪」

ゲルト「シャーリー!!」

シャーリー「にしし♪」

剣崎「トゥルーデ?」

ゲルト「知らんッ!!」ツカツカツカ…

剣崎「……変なヤツ」

シャーリー「からかい甲斐のあるヤツでしょ?」

剣崎「君は?」

シャーリー「シャーロット・E・イェーガー。リベリアンだ。よろしくな」

剣崎「……」

剣崎("でけぇ"……)

シャーリー「……?」

シャーリー「握手の習慣は、扶桑には無いの?」

剣崎「あ、悪い……」ぎゅ

シャーリー「ん♪」

広瀬「……」

広瀬「剣崎君」

剣崎「ん?」

広瀬「――っ」

 ぎゅううっ!!

剣崎「――っ痛えぇっ!? 何するんだよ、広瀬さん!」

広瀬「そういうの、気をつけたほうがいいよ。――"わかる"から」

剣崎「何が!!」

広瀬「解かってるでしょ」

剣崎「……!?」

  コッコッコッ…

サーニャ「あの、大丈夫ですか?」

剣崎「? ああ、大丈夫……ええと」

サーニャ「……アレクサンドラ・ウラジミーロヴナ・リトヴャク中尉です」

剣崎「あ……アレク……?」

サーニャ「長いですよね。みんなは"サーニャ"って呼んでくれてます」

剣崎「ああ、ありがとう。サーニャ」

サーニャ「はい」

エイラ「サーニャに手ぇだすナよー」ニュッ

剣崎「うわっ」

サーニャ「エイラ!」

エイラ「ふんっ」

サーニャ「もう! ごめんなさい、剣崎さん」

剣崎「いや、いいよ」

エイラ「……」ムー

サーニャ「ほら、エイラ」

エイラ「……エイラ・イルマタル・ユーティライネンダ。せいぜい死ぬなヨー」

サーニャ「エイラ!!」

エイラ「ダってー……」

剣崎「仲がいいんだな」

広瀬(どっちかって言うと、子供と母親みたい)

坂本「ふむ、コレで一回りしたか?」

シャーリー「せんせー。エーリカがいませーん」

ミーナ「……あの娘は!」

坂本「じゃあ、私が先に自己紹介を済ませておこう。坂本美緒。階級は少佐だ」

剣崎「ああ、よろしく」

坂本「と、君にとっては階級などさほど意味を持たないことかも知れんな。気軽に声をかけてくれ」

剣崎「あ、どうも……」

ミーナ「私も済ませておきましょう。ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ。この部隊の隊長を務めているわ」

ミーナ「貴方がたはいわばお客さまのようなものですから、自分の家の様に……というのはちょっと無理な話かもしれないけど、リラックスして下さいね」

広瀬「はい!」

坂本「さて、バルクホルン大尉。問題児を叩き起しに行ってくれ」

ゲルト「……着替えてるところまでは確認したんだ」

剣崎「二度寝かよ」


――


~501基地・ゲルトルート・エーリカ相部屋~


 ごっちゃぁ……。

広瀬「うわあ」

剣崎「なんだココ。ゴミ屋敷じゃんか」

ゲルト「……くっ」

ゲルト「ハルトマーン!! 起きろ! ハルトマーン!!」

  ……ゴソ

剣崎「山頂部が動いた!」

エーリカ「zzz」

広瀬「……寝息が聞こえるけど」

ゲルト「おのれ……ハルトマン……!」

剣崎「起こしに行こうか?」

ゲルト「ダメだ!」

ゲルト「素人がこの山に登ろうとしてみろ……死ぬぞ」

剣崎「雪山かよ!」

ゲルト「雪崩による窒息および圧死の危険がある」

剣崎「ふざけてるのか!?」

ゲルト「ふざけてなどいない!」

エーリカ「んう……うるさいな……?」ムク

ゲルト「! 起きろハルトマン! 今何時だと思ってる!」

エーリカ「え……? あ、やっば」

 のそっ……

エーリカ「とうっ」

 ぴょんっ! ――すたっ

エーリカ「ごめんごめん、つい寝床が私を呼んでて」

ゲルト「呼んでて、ではない! いつも時間だけは遵守しろと……!」

広瀬「ああ、服ヨレヨレじゃない」パンッパンッ

エーリカ「あ、ありがと」

エーリカ「……」

エーリカ「この人は?」

広瀬「ん、今日からここでお世話になる、広瀬栞です。よろしくね」

エーリカ「ヒロシ?」

広瀬「ヒ・ロ・セ!」

剣崎「オレは剣崎一真。よろしくな」

エーリカ「あ! 昨日の人! キミもここに来るの?」

剣崎「ああ」

ゲルト「もうとっくに顔合わせは済んだぞ!?」

エーリカ「はいはい、わかってるよぉ」

ゲルト「まったく!」


   ●

   ●

   ●
~501基地~


ゲルト「問題児を連れてきた」

ミーナ「ご苦労様。……エーリカ?」

エーリカ「あはは……ごめん」

坂本「――さて、歓談はひとまず打ち切るとしよう」

ミーナ「ええ、本題に移りましょう」

ペリーヌ「例の……ですわね?」

ミーナ「その前に……広瀬さん」

広瀬「?」

ミーナ「可能な限り……でいいんだけど、あの新型ネウロイについて知ってることを教えていただけないかしら。恥ずかしい話、私たちはあの新型についての知識がゼロに近いの」

広瀬「……」

剣崎(……どうします?)コソッ

広瀬(ここまで来て秘密も何も無いよ。協力してもらってる立場なんだし、出来る限りの情報は共有しないと)

剣崎(わかりました)

広瀬「……どこから話したらいいのかな……」

広瀬「私たちは、『人類基盤史研究所』というところで、ネウロイについて研究していたの。……もともとこの研究所はネウロイの『進化』とも言うべき適応・擬態能力に着目し研究を始めたわ」

ゲルト「ネウロイが……『進化』……?」

ペリーヌ「あれを『進化』と呼ぶべきかどうかは疑問符をつけたいところですけど……」

広瀬「研究といっても、扶桑空軍からたまに提出される破片を解析するくらいしか出来ることは無かったんだけど……」

広瀬「――ある転機が訪れた」

リーネ「……新型……ですか……?」

広瀬「ええ。昆虫型のネウロイが現れたの。軍はずいぶん当惑したみたいだった。特に敵意は見せなかったんだけど」

坂本「……!?」

広瀬「扶桑軍は攻撃を決定した」

宮藤「敵意を見せなかったのに、ですか!?」

広瀬「……人類の敵、だもの」

坂本「……」

広瀬「そして、いざ交戦してみれば新型の驚異的な戦力が明らかになる。何せウィッチの魔法弾じゃ歯が立たない。ありったけの純銀弾を用意してようやく行動停止に追い込んだの」

シャーリー「純銀弾……? そんな魔翌力伝導の良いやつを大量に使ったのか?」

ミーナ(大量に……? ウチで用意できるかしら)

ミーナ チラッ

坂本「……」

ミーナ(――いつまでも美緒や剣崎さんに負担をかけ続ける、というわけには行かないし)

坂本「……その作戦に、ウィッチが従事したという『記録』は残っているか?」

広瀬「……? 詳しい記録は残ってないわね、そういえば。あれだけ大掛かりな作戦だったのに。でもウィッチが参加していない……ということはないと思う」

坂本「そうか……」

広瀬「? 続けるわね?」

ミーナ「ええ」

広瀬「そして、図らずも手に入れることになった『ネウロイのコア』。研究所の上層部は軍事転用を考えて、コアの『封印』を模索、実行したの」

宮藤「……」

広瀬「そして、その封印されたコアを基に試作に試作をかさねて出来上がったライダーユニット第一号……『ギャレンアーマー』。その適格者が……当時うちの研究員だった『橘朔也』」

宮藤「!」

宮藤「やっぱり、あのヒトがそうなんですね?」

剣崎「……!? 知ってたのか!?」

リーネ「ええ……つい最近、偶然逢ったんです」

剣崎「それで、橘さんは!?」

リーネ「!」ビク

リーネ「あ……あの……」ソワソワ

宮藤「あ、ちょっと話をしただけですから、何がどう、という事はなかったんですけど……」

宮藤「ね、リーネちゃん」

リーネ「うん……」

剣崎「……悪い」

坂本「しかしそうか。あれが、『ギャレンアーマー』……。やはりキミの同系のものだったのか」

剣崎「ああ」

ゲルト「……しかし、ウィッチの弾でも傷がつかなかったというと、あの銃は……?」

広瀬「ギャレンラウザーの事?」

ルッキーニ「しゃべる銃ー!」

広瀬「……『ギャレンラウザー』ね。あれはネウロイコアから発せられるエネルギーを高圧縮して撃ち出してるんだけど……」

ゲルト「そ、そんな事が可能なのか?」

広瀬「うーん。正確に言うとね、剣崎君の剣……『ブレイラウザー』もそうなんだけど、あれは『カードリーダー』なの」

ゲルト「……??」

ペリーヌ「話が飛び飛びでよくわかりませんわ?」

広瀬「ええっと、仕組みとしてはその、バックルと同じなのよ。カードに封じられたネウロイの力をラウザーで解放してアーマーに融合、装着者がその力を行使できるんだけど」

広瀬「ラウザーを武器として使うときは、アーマーに融合しているネウロイの力を解放してラウザーに固着させてるのよ」

シャーリー「……専門用語が多くていまいちピンとこないけど、要はネウロイの力で攻撃してますーって事?」

広瀬「そういうコトね」

ミーナ(美緒……)コソッ

坂本「……」

ミーナ(そんな技術……聞いたことある?)

坂本(……いや、ないな)

ミーナ(そう、よね……)

広瀬「とりあえずはこんなところでいいかしら?」

ミーナ「……」

坂本「……」

広瀬「ミーナさん?」

ミーナ「え!? あ、ああ……あの……ありがとう」

広瀬「……?」

坂本「良し、それではミーティング終了、今日の訓練と行こう。いつもの場所に集合」

エーリカ「うわー、起き抜けにそれは辛いなぁ。朝ごはん食べてないのにー」

ゲルト「自業自得だろう!」

剣崎「……」

剣崎「よかったら、オレの糧食……食べるか?」

エーリカ「え、いいの?」

ゲルト「剣崎! あまりハルトマンを甘やかすな!」

エーリカ「いいじゃんトゥルーデぇ、せっかくだから貰うよ」

剣崎「待ってろ」ゴソ

剣崎「そら」ヒョイッ

エーリカ「さんきゅっ」パシッ

エーリカ「あむっ」パク

エーリカ「…………」

広瀬「……お口に合わなかった?」

エーリカ「んむ、んぐ……」ゴクン

エーリカ「な、なんというか……個性的な味だね」

広瀬「やっぱり……」

エーリカ「『やっぱり』!?」

剣崎「職員に配られる栄養重視の味度外視だからな……軍人だったら大丈夫だと思ったんだけど」

広瀬「舌、肥えてるのね」

エーリカ「どんな偏見!?」

広瀬「橘さんは平気で食べてたんだけど」

ミーナ「ほらほら、早く準備しなさい」

エーリカ「うー」

ゲルト「はは、ハルトマン。剣崎には感謝しないとな!」

エーリカ「トゥルーデのいじわる……」

ゲルト「う」


――


~501基地・訓練施設~


剣崎「……」

坂本「さて、まずは柔軟を念入りにするように」

ウィッチーズ「「「はーい」」」

剣崎「……えーっと」

坂本「ん、私か?」

剣崎「ああ、なんて呼べばいいのかなってさ」

坂本「好きなように呼ぶといい。もう知らない仲でもないんだ」

剣崎「じゃあ……美緒」

ペリーヌ「!!」

坂本「……」

剣崎「ど、どうした?」

坂本「男性からそう呼ばれるのは機会がないからな」

剣崎「そうなのか? じゃあ……」

坂本「いや、それでいい。――うむ。なかなか新鮮だな! はっはっはっ」

ペリーヌ「……そんな……!」

ペリーヌ(そんな、馴れ馴れしく……!)

ペリーヌ「……」キッ

坂本「柔軟が終わったら軽く走るぞ」

剣崎「美緒」

坂本「ん?」

剣崎「オレも訓練に混ぜてもらっていいか?」

坂本「かまわんが……いいのか?」

剣崎「じっとしてたら身体が鈍るからな」

坂本「ほほう」ニヤリ

坂本「では、剣崎もランニングに参加してくれ」

剣崎「了解!」

剣崎「……懐かしいな。こういうの」


――


~10分後~

 タッタッタッタッ…

剣崎「はっ、はっ、はっ……」

宮藤「はあ、はあ、はあ……」

サーニャ「……剣崎さ、すご、い、ですね……」

シャーリー「息一つ切らしてないな、カズマ」

剣崎「……慣れてるからな」

坂本「……ほうほう」ニヤニヤ

剣崎「――でも、結構な距離走っただろ? 上がらないのか?」

エイラ「……ア」

シャーリー「あ、そうか! しまった!」

剣崎「?」

エーリカ「うえええ……ヤダなぁ……」

剣崎「ど、どういうことだ?」

シャーリー「いつもだったら10分くらい走って次の訓練に行くんだけどな……今回のは無限走だ」

剣崎「……は?」

剣崎(なんだその、聞いただけでもキツそうな訓練は)

リーネ「あの、坂本、少、佐が、はぁ、『止め』というまで、走り、続けるんです」

剣崎「なんだそれ。女の子にはキツいだろ」

エーリカ「脱落は自由なんだ。ただ……その後の訓練メニューが変わってくるから……」

シャーリー「たぶん、カズマの限界を見ようってんだろ」

シャーリー「それに……言ったな? カズマ。ナメるなよー?」

ルッキーニ「んひひ。ケンジャキ、しょーぶする?」

剣崎「――よっしゃ!」

ペリーヌ「……」タッタッタッ

ペリーヌ(わたくし……だって……!)

ペリーヌ(負けられませんわ……!)グッ

剣崎「……?」ゾクッ


――


サーニャ「はあ、はあ、も、ダメ……!」フラッ

エイラ「サーニャ! ……わ、私も抜ける!」

坂本「脱落1、2人。ふむ、なかなか粘ったな。成長したな!」

サーニャ「はひ、ありがとう、ございます……」

エイラ「大丈夫カ!?」

サーニャ「うん……」

剣崎「……すごいな……こんなに走れるなんて」タッタッタッ

ペリーヌ「はあ、はあ、はあ……」タッタッタッ

ペリーヌ(さすがは男の人、ですわね……)

ペリーヌ(でも――)


――


リーネ「はあ、はあ……」タッタッタッ

宮藤「はあ、っはあ……。リーネちゃん……あんまり無理しちゃだめだよ……」タッタッタッ

リーネ「う、うん……。そうするね……」タッタッタッ

坂本「ビショップ曹長、脱落。これで3人……。今日は全員張り切ってるな? うむ、いい事だ」

ゲルト「どうだ、剣崎! そろそろ休みたくなったか?」

剣崎「まだまだ!」

シャーリー「おっ、頼もしいな!」

ペリーヌ「――はあ、っはあ、はあ……!」


――


ルッキーニ「うじゃあー! ダメだー!」タッタッタ……

宮藤「わたしも……!」タッタッタ……

エーリカ「も、無理ー!」

坂本「ルッキーニ・宮藤・ハルトマン、三名脱落と。――剣崎を入れて、残り4名か」

坂本「さすがは男と言ったところか。なかなかやるな」ニヤニヤ

シャーリー「っはは、カズマ、そろそろか?」

剣崎「まだ行ける!」

シャーリー(たぶんカズマがギブアップした時点で終わりだから、早く終わって欲しいんだけどなー)

ペリーヌ「はあっ、はあっ、はあっ……!」

ペリーヌ「んぐっ……!」


――


ゲルト「……」タッタッタッ…

シャーリー「……」タッタッタッ…

剣崎「……」タッタッタッ…

剣崎(口数も少なくなってきたな……ゴールのない長距離走ってこんなにキツいのか……)

剣崎(橘さんの訓練も結構キツかったけど、軍隊もなかなかなんだな……)

ペリーヌ「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……」

ペリーヌ(……ま……まだ倒れませんの……?)

ペリーヌ「はあ、はあ、はあ……」

ペリーヌ(あの人より先に、ギブアップする、わけには……!)チラ

坂本「……」

ペリーヌ(……少佐が、見ている前で!)

ペリーヌ「っはあ、はあ、はあ……」タッタッタッ……

ペリーヌ「……っは」グラッ

ペリーヌ(前が、見えない……!?)

ペリーヌ「しまっ――」

  ――ドサァッ……!

宮藤「!」

宮藤「ペリーヌさん!?」

ゲルト「!?」クルッ

ペリーヌ「」

剣崎「おい……動かないぞ!?」

シャーリー「ペリーヌのやつ、そんなに無理して走ってたのか!?」

剣崎「っ!」ダッ!

シャーリー「あ、おい! カズマ!」

剣崎「っと」ガバッ

剣崎「医務室は!?」

宮藤「案内します!」

  ●

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