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唯「第一次!」なのは「スーパー!」夕映「ロボット」シャロ「大戦です!」 第十五話 戦線! 死に神の燃ゆるオデッサ!

2011年06月29日 11:45

唯「まじーん、ごー!」

705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2011/03/08(火) 18:10:25.62 ID:odrAhK6G0

 第十五話

ミケーレ「私が、諸君らゲッターチームを預かることとなった。機械化独立混成第44旅団大隊司令のミケーレ・コレマッタ大尉である! 」

 軍用車両から降りもせず、砂塵防止用のゴーグルをつけたまま、居丈高にミケーレ大尉が唾を吐いた。

夕映「極東方面臨時司令部早乙女研究所所属ゲッターチーム、綾瀬夕映、到着しました」

のどか「お、同じく極と――」

 砂に咳き込みそうなのを我慢して言おうとしたのどかとハルナの台詞は怒号で永久に奪われる。

ミケーレ「面倒なことはいい! 俺は貴様らに寝る場所を用意するだけだ! 貴様らのことは貴様らで勝手にやれ!」

夕映「りょ、了解!」

 オデッサは連日の乾燥と戦闘で酷い砂埃だった。
 行き交う軍人の全てがいきり立っては声を枯らして足りないパーツや武器をどこにいるともわからない技師に注文している。

 ミケーレは夕映たちの返事も聞かずに車両にもぐりこんでいた。

夕映「わぷっ」

 タイヤが回り始め、三人に砂がかかる。
 それに全く遠慮をすることなく車両が発進する――が、すぐにまた急停止することになる。

ミケーレ「畜生! どこの馬鹿だ! でかい図体でのこのこと!」

 叫ぶミケーレの前に止まっていたのは三角キャタピラにコンテナのような上体を乗せた砲撃戦用モビルスーツRTX-440 陸戦強襲用ガンタンクだった。

アリーヌ「ここかい! 次々と兵士が死んじまう死神の44連隊ってのは!」

 三機のガンタンクから出てきた兵士がしゃがれていながらもよく通る高い声で叫ぶ。

ミケーレ「ようやく到着か! 囚人兵ども! 後一日遅れていれば監獄に逆戻りだったぞ!」

ドロバ「ヨーロッパからくんだりそこら中ひきずりまわされたんだ! 来てもらっただけ良かったと思え!」

ミケーレ「仮釈放の身分でほざくな! 黙って命令に従えばいいのだ!」

ルイス「なんだと!」

アリーヌ「よしな!」

 それから、しばらく罵詈雑言をかけあってから、車両はガンタンクを避けて過ぎていき、ガンタンクの三人はキャタピラの近くで待機していた従兵に整備を命じてから、こちらへ歩いてきた。

アリーヌ「ん、なんだいアンタたちは? こんな子どもがどうして最前戦にいるんだ?」

 ヘルメットを取ったアリーヌ・ネイズン技術中尉が細い金髪の流れる美女だということにきづいて、夕映とのどかが圧倒されている脇から、ハルナがぬっと出て握手を求めた。

ハルナ「極東方面のゲッターチームよ。オデッサ基地攻略の助太刀に来たの」

アリーヌ「あぁ、アンタたちがスーパーロボットってやつか。私はアリーヌ・ネイズン技術中尉。こっちは部下のドロバとルイス」

 六人はそれぞれ握手を交わす。
 だが、一通りのことを終えると、アリーヌはそれきり関心を失ったように背を向けた。

アリーヌ「ま、アタシたちのことは覚えてくれなくていいよ。どうせここが最後になるんだからさ」

夕映「最後……?」

 意味深な台詞に夕映が訝しがるが、アリーヌは手を振るだけで応えず、ガンタンクと砂嵐に隠されて見えなくなった。

ハルナ「ふぅん、アレが連邦が量産するモビルスーツって訳ねぇ」

のどか「でもー、ガンダムとはぜんぜん違うねー……」

ハルナ「ま、試作機がハデで量産機が地味ってのはよくあることよね」

のどか「そういう問題じゃあ、ないと思うんだけどー……」

夕映「……それより二人とも、あのモビルスーツが格納されるのは私たちの倉庫ですよ」

のどか「えぇっ!?」

ハルナ「ナヌぅ!?」

夕映「急いで入れないと私たちのスペースがなくなるですよ」

 ゲットマシンは一台でモビルスーツ並みの大きさがある。
 プレハブみたいな仮設倉庫でガンタンクとゲットマシンを六機も入れるとなると、格納前から入念にスペース計算をしなくてはならない 。
 この灼熱の砂嵐に置いていては機体の溝や関節に砂が詰まり、熱が溜まって動作不良を起こす可能性が高いのだ。

ハルナ「ヤバイヤバイ! さっさと入れなきゃ!」

のどか「あぅぅ~」

夕映「私が先に行って話してくるですから、二人はゲットマシンを頼むです」

ハルナ「はいよ!」

 息を切らして走って夕映は大きな声でアリーヌを呼んだ。

夕映「ま、待ってください!」

アリーヌ「あん? なんだい?」

夕映「その、ここには私たちの機体も入りますので……少し待っていただけないでしょうか?」

 とはいえ、所属が違う部隊がかち合ってしまうと、衝突は避けられない。
 こういった場合は行動が速いほうが絶対的な優先権を持つことになる。

 だが、アリーヌは少し考えた後に驚くようなことを言う。

アリーヌ「みんな! アタシらは外だ! この嬢ちゃんたちにハコは空けてやんな!」

ドロバ「了解!」

夕映「えっ!? い、いえ、そこまでしていただかなくとも……」

アリーヌ「いいのさ、アタシたちのは布被せときゃどうにでもなる」

夕映「それなら、せめて寝る場所ぐらいは……」

アリーヌ「今日は徹夜で作業だよ。そしてすぐに出る」

夕映「で、ですが……」

アリーヌ「アタシたちは、こういうのには慣れてんのさ。アンタたちとは違ってね」

 そう言って笑うアリーヌは兵士とは思えない綺麗な並びの白い歯を見せた。
 だが、夕映にはまるで何かを諦めた女の笑顔に見えた。


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 夜を待ってアリーヌの小隊へ夕映は出て行った。

アリーヌ「どうしたんだい、こんな夜中に。女の一人歩きは危ないよ」

夕映「こ、こんばんはです。アリーヌさん」

 不意に空から声をかけられて見上げると、アリーヌ・ネイズンがガンタンクの頭部から顔を覗かせていた。

アリーヌ「アタシに何か用かい?」

夕映「と、特に用というワケではないですが、気になったので」

アリーヌ「えぇ? 聞こえないよ、上ってきなよ」

 彼女は自分の座っているガンタンクの頭部を叩いた。降りてくる気はないらしい。

アリーヌ「そう、そこだよ。そこ上ったら右手にちょっと行くと梯子があるだろ」

 指示通りに夕映はガンタンクのツギハギのような装甲板を上っていく。

アリーヌ「見てごらん、あそこがジオンの司令部だよ。何て言ったかな……マ・ヌケだったっけ?」

夕映「マ・クベですよ」

 全高13.7メートルのガンタンクから見渡す世界はゲットマシンのガラスごしに見る世界とはまるで違って見えた。

夕映「それで、昼間のことなんですが……」

アリーヌ「このガンタンクは全高13.7、全幅10.9の半人型と突撃砲形態への変形が可能なモビルスーツでね」

夕映「えっ……?」

アリーヌ「見ての通り、ガンダムとかジムみたいなモビルスーツとはまるで違う。それは、この機体が開発段階で一度計画から抹消されちまったからさ」

 夕映が呆然とアリーヌの横顔を見ている間にも、彼女は夜空を見上げたまま続けた。

アリーヌ「連邦の新兵器開発計画にはじめ、ガンダム、ガンタンク、ガンキャノンの三つのモビルスーツが作られる予定だった。それが、ギガノスのメタルアーマー開発者が亡命してきたってんで、砲撃と支援のモビルスーツは試験機を一つ作ってお蔵入りになったのさ」

夕映「それが、どうしてここに……?」

アリーヌ「一人の技術中尉が喰らいついたのさ。この機体の開発は絶対に連邦軍の技術継承に必要だからってね。そして、当初の計画通りとはいかないまでも、この三機が完成した」

夕映「それじゃあ、その人がいなかったら、アリーヌさんはこの機体には乗っていなかったんですね」

アリーヌ「あぁ、こんな忌々しいものに乗らなくて済んだんだよ」

夕映「えっ?」

 けっ、とアリーヌは舌打ちをした。夕映が引き気味になっていると、彼女は呪詛のように呟いた。

アリーヌ「こいつを作った奴はその情報と丸ごと持ってジオンに寝返ったんだよ。この機体は即封印され、一緒にいたアタシは軍法で終身刑、ありがたくも戦時特別手当で仮釈放されてこいつに乗せられる羽目になった。この呪いの機体と一緒にね」

夕映「それじゃあ、あなたが最後と言ったのは……」

アリーヌ「ここに奴がいるのさ。アタシたちを売ったクライド・ベタニーがね」

 復讐。アリーヌ・ネイズンを戦争にたたせるシンプルな理由に、夕映は言葉をみつけることができなかった。

 攻撃は日が昇ると同時に開始された。

ミケーレ「いいかぁ! 他の戦線は既に優位になっている! 今日ここで俺たちが奴らを叩けなければ全員死ぬと思え!」

 大尉の罵声が砂漠に轟くと、進軍速度が上がる。

夕映「私たちは、飛行艇を攻撃して制空権を奪うですよ」

のどか「うん!」

ハルナ「オーケイよ!」

 ヘルメットを被り、コクピットに座った三人は勢いよくゲットマシンを出撃させて叫ぶ。

夕映「チェェェェンジゲッタァァァァァァ! スィッチ・オーン!」

 ガシィッ! 三機のゲットマシンが重なり、赤いマントを備えたゲッター1となって大空へ飛び立った。

夕映「ゲッターワン! トマホゥゥゥゥゥク・ブゥメラン!」

 ぶぅん! 背中から巨大な手斧を出して一番近くにいるドップを二隻まとめて落とした!

ジオン兵「な、なんだあのでかい化け物は!?」

ジオン兵「あれも連邦のモビルスーツなのか!?」

 突如現れた巨大な機影に恐れ戦くジオン軍を夕映はゲッタートマホークで次々と落としていく。

ハルナ「あぁ~ん、なんか夕映ばっかり活躍してつまんない感じよねぇ、のどか」

のどか「仕方ないと思うけど~……」

夕映「トマホゥゥゥゥク! 二段斬りぃ!」

 ドガァ! ズバッ!

ジオン兵「う、うわぁぁぁぁぁぁ!」

夕映「愚かな戦争を続けるなら、骨の髄にまで叩きつけてやるです! ゲッターの恐ろしさを!」

ハルナ「あぁ~、ダメだこりゃ。中の人スイッチ入っちゃったわ」

 説明しよう!
 綾瀬夕映はゲッターロボ搭乗時にテンションが上がり、気力が一定値を超えると『中の人』が入れ替わるのである!!

 『中の人』が入れ替わった綾瀬夕映はいわばゲッターの中の人と同じなのである!!

 だが! 安心してほしい! 石川版ではないことは確かである!!

夕映<熱血>「喰らえぇ! ゲッタァァァァァビィィィィィィィィム!!」

 ビィィィィィィィィィ! 強襲揚陸艇ファルメルのメインエンジン部にゲッタービームが直撃した!

ジオン兵「ど、動力部……いや、船底部分がほぼ全壊しました! 墜落します! 脱出をぉ!」

のどか「ゆえ! 基地から何か来るよ……め、メタルアーマー!」

 目視でも充分捉えられる範囲にそれらは来ていた。
 飛行用のマッフユニットを着けたゲバイやダインに加え、砲撃用のドーラまで出てきている。

マ「ふふふ……ギガノスが地球を飛び立つ際に払い下げてやったものだよ。スーパーロボットといえども、これだけの数を相手にできるかな」

 メタルアーマーは二十から三十はいる。
 だが、夕映はギラと目を吊り上げて吼えた。

夕映「それだけの数でゲッターロボを叩けるとでも思ったですか、浅はかな!!」

ギガノス親衛隊兵「プラート大尉の為に!」

ギガノス親衛隊兵「行くぞぉ!」

 ダダダダダダダッ! 先頭のゲバイ、ダインが機関銃を構えて撃つが――

夕映「ゲッター線で進化した装甲の前にそんなもの!」

 ギキン! キン、キン! 無情にも弾はゲッターロボのダメージにならずに跳ね返されてしまう。

ギガノス親衛隊兵「ダメだ! 接近戦で落とすぞ!」

夕映「ゲッターに格闘戦を挑むですか!」

 八機のメタルアーマーがゲッターロボを取り囲む。

夕映「いくですよ! のどか! ハルナ!」

のどか・ハルナ「了解!」

夕映「ゲッタァァァァァァレザァァァァァァァァァァ!」

 ゲッター1の手首からノコギリ刃が飛び出し、一気に前方へ飛び出した!

ギガノス親衛隊兵「く、来る!」

ギガノス親衛隊兵「迎撃だ!」

 敬愛すべき上官の血路を開くために彼らはシャトルに乗ることを諦め、ジャブロー戦線を停滞させることを選んだのである。
 機体の体格差ですでに倍以上あるゲッターロボに挑む兵士達の蛮勇は讃えられるべきであろう。

夕映「ゲッタァァァァァトマホゥゥゥゥゥク! レザァァァァァ!」

 ズガァッ! ギャシュィィィィィ!

ギガノス親衛隊兵「うわぁぁぁぁぁ!」

ギガノス親衛隊兵「このぉぉぉぉぉぉぉ!」

夕映「そんな動きで!」

 バキャッ! 握り固めた拳がダインの顔面を砕く!

ギガノス親衛隊兵「よし、捉えた! 当たれ!」

 ドゥッ! ドゥンッ! レールキャノンを備えたドーラの砲撃がゲッターに当たる!

夕映「ぐっ! 遠いところからの攻撃ですか!」

のどか「ダメージはたいしたことないよ、ゆえ」

 イーグル号、ジャガー号、ベアー号はオープンゲットの上昇を利用して包囲網の外へ周り、バルカンやビーム、ミサイルを発射していく!

ギガノス親衛隊兵「ど、どうすれば……うおぉぉぉ!」

ギガノス親衛隊兵「わぁぁぁぁぁっ、父さ――ッ!」

夕映「殺しはしませんよ。おとなしくおうちに帰りなさい!」

のどか「ゆえっ! あそこにジオンのふね!」

 のどかが示した先にはジオン軍の攻撃空母ガウが浮遊している。

夕映「一気におとすですよ! チェンジ・ゲッター1! スィッチ・オォーン!」

 ぐぉぉーん、ガッシュイィィィィン!

ギガノス親衛隊兵「ぐぐ、行かせるものか!」

夕映「邪魔をするなです!」

 ぶぉんっ! ゲッタートマホークの一振りでしぶとく残っていたメタルアーマーが煽られていった。

ジオン兵「げ、ゲッターロボが来ます!」

ジオン仕官「撃てぇ! 撃ち落とせ!」

 ビュゥッ! ドシューッ! 連装メガ粒子砲がゲッターに当たる。

夕映「うっ! むっ、ゲッターはこんなものでは!」

ジオン兵「だ、ダメです!」

ジオン仕官「諦めるな!」

ジオン兵「高熱源反応ぉ!」

夕映<熱血幸運>「ゲッタァァァァァァァァビィィィィィィィィィィィィム!!」

ジオン仕官「退避ぃぃぃぃぃ!」

 ズギャァァァァァァァァァ! ッズゴォォォォォォォン!

ジオン兵「うわぁぁぁぁぁ!」

夕映「ゲッターの前に、敵はないですッ!」

『……ピ、ガガッ……やめ、ろ……! アリーヌ・ネイズン! 攻撃するな!』

 突然、全回線でミケーレ・コレマッタ大尉の怒号がコクピット内に響いた。

夕映「アリーヌさん……?」

『何だと! ふざけるんじゃないよ!』

『やめろ! これは司令部命令だ! ダブデに攻撃はするな!』

『奴を目の前にしていながら……! なっ、なんだ!? お前……なんだ!?』

夕映「アリーヌさん、何を言っているですか!?」

 いや、誰と話しているのか――! アリーヌはまだ精神病患者のようなうわごとを呟いている。

『奴が……クライドがそこにいるのかぁ!』

『待てっ! アリー……!』

 アリーヌの回線が強制的に断ち切られた。
 同時に、地上から大きな爆音が轟いた。

『アリーヌ! 応答しろ、おい!』

ハルナ「アリーヌって、昨日のガンタンクの……」

 夕映は迷っていた。アリーヌはおそらく仇を見つけ、そこに突撃を仕掛けている。
 彼女を止めるべきだろうか――だが、復讐をやめさせる権利など、夕映にはありはしない。
 ならば手助けをするべきか? いや、そんなことをして喜ぶような女性には見えなかった。

 ま、アタシたちのことは覚えてくれなくていいよ。どうせここが最後になるんだからさ――

夕映「あ、アリーヌさんはまさか!」

のどか「ゆ、ゆえ?」

夕映「くっ!」

 青褪めた顔を瞬時に赤く滾らせて、夕映はゲッター1をフルスピードで降下させ始めた。

ハルナ「ちょ、ちょっと夕映、何してんの!」

夕映「アリーヌさんを止めなければ!」

 その時、まだ開き放しだった回線から聞いた事のある声がした。

『ゲッターチーム、聞こえるか、ゲッターチーム!』

ハルナ「レビル将軍!?」

『ジオンのダブデに向かっているガンタンクを止めてほしい。あれは自爆をするつもりだ!』

ハルナ「なんですって!?」

夕映「くっ! アリーヌさん!」

『あれにはクライド技術中尉が乗っている……彼は……彼は二重間諜<ダブルスパイ>だ!』

夕映「!」

のどか「スパイってことは……」

夕映「飛ばしますよ、二人とも!」

 速度計がマッハのレッドラインを振り切る。
 ゲッター1が流星のようになって雲を抜けたとき、黄土色の戦場が視界に映る。

 どこで何が起きているのかもわからない点と点のぶつかり合いの中、夕映ははっきりとダブデとそこに猛進する戦車を見つけた。

 戦車――突撃形態となったRTX-440陸戦強襲型ガンタンクはホバー移動するドムがジャイアント・バズを構えた直後に俊敏な動きで足下に潜り込み、30ミリ機銃と大型火炎放射器で薙ぎ払っていく。

夕映「早まったことなど、止めなくては!」

 直行するゲッターの目の前で、阻むものを全て排除したガンタンクはダブデの右ホバー部にぶつかろうとする。
 だが、衝突の寸前にダブデは急停止し、機対艇はメートル未満の距離で睨みあう事になった。

『まさか、君は……アリーヌ!? アリーヌなのか!?』

『この声は……クライド!』

 ダブデのスピーカーからの声にアリーヌが再び回線を開いた。

『やはり、アリーヌ……まさか君が生きていたとは……』

『死んでいなくてがっかりしたか! アタシはお前を殺すために恥辱を噛み締めてきたんだ!』

『待ってくれ! アリーヌ、君は誤解をしている!』

『今さら何を言う!』

 ヴィーッ! ヴィーッ! EMERGENCY MODE! 発動! パイロットは直ちに脱出を――

『何の音だ、アリーヌ……やめろ! 僕は君を愛している!』

『愛だと……? ははは! そう言ってまたアタシを辱めるつもりか! あの時のように!!』

 7、6、5、4……カウントダウンが落ちていく……

夕映「アリーヌさぁぁぁぁぁん!」

 ゲッター1が手を伸ばす。ゲッターの膂力ならば、コクピットだけを掴み無理やりに引き千切ることが可能なはずだ――が……

 2、1……

 もはや、手遅れであった。

のどか「ゆえっ! だめぇぇぇぇ!」

 転瞬――緊急停止させられたゲッター1の見下ろす大地が紅く燃え上がった。

夕映「あ、あぁぁ……」

『間に合わなかったか……』

 ガンタンクには自爆装置に加えてハイパーナパームが積み込まれていたらしい。
 周囲一帯を焼き尽くす業火にまみれてダブデはまずホバークラフトを失い、動力部が爆発し、乗員が脱出する暇もなく炎に包まれていく。

 砂漠を染め上げる色の濃い炎と黒い煙は、死神が地獄の門を開いたかにも見えた。

『すまない……私がジャブローの決定を止められなかったばかりに……』

 レビル将軍は、アリーヌを初めとするクライド技術中尉の同僚たちに出奔の真相を報せようとしていた。
 だが、リアリティの追求をするジャブローの司令部が、それを許可せず無情な仕打ちを行ったのだ。

 皮肉にも、この焦熱を機に苦戦を続けていた第44旅団は中核を失ったジオン防衛ラインを突破することに成功し、連邦軍のオデッサ攻略の大きな楔を打つこととなる。

 元終身刑の非正規兵ゆえに公式記録にはないが、アリーヌ・ネイズン技術中尉が率いたRTX-440ガンタンク小隊の戦闘記録はダブデ級2隻、モビルスーツ二十数機、戦車十数輌、塹壕突破2溝――熟練兵の少ない連邦機動兵器の戦果としては最大級のものであった。

「そんな……クライドが……クラ、イ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ゲッターロボが飛び去り、陸上戦艦第4打撃部隊の砲撃が始まる直前の絶叫は、誰の耳にも届いてはいなかった――……」


 第十五話 戦線! 死に神の燃ゆるオデッサ! 完!



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