マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その16

2011年07月18日 19:48

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」

665 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/06(水) 23:59:39.92 ID:3sPkzVhAO

ー高軌道ステーションー

ウィィンッ

マネキン「来たか、オーバーフラッグス」

ザッ

マリーダ「マリーダ・クルス中尉以下九名、本日を以て本作戦に合流します」スッ

ダリル「……」ビシッ

ジョシュア「……」ビシッ

マネキン「歓迎しようオーバーフラッグス」

マネキン「それにマリーダ中尉、君が来るのを心待ちにしていた」

マリーダ「ご期待に添えるよう、尽力致します」

マネキン「助かる」

マネキン「……グラハム大尉の件は、まだ収拾がつかないのか?」

マリーダ「はい、槍玉に上げられているのが現状で……」

マネキン「そう、か」

マネキン「彼か君になら、AEU側のGNーX部隊の前線指揮も任せられたのだがな」フゥ

マリーダ「……?」

マリーダ「今作戦にはパトリック・コーラサワー少尉も参加すると思っていましたが、彼はいらっしゃらないので?」

マネキン「いや、パトリックはいるさ。だがアイツは今回隊長ではない」

マリーダ「え……?」

マネキン「戦時特例にて、AEU側から選定された新しいライセンサー……ヤザン・ゲーブル大尉が着任したからだ」

マリーダ「ヤザン・ゲーブル大尉……パトリック・コーラサワー少尉以上の腕の持ち主、ということですか」

マネキン「どちらが上かは正直分からん。だが、恐ろしく腕が立つことは確かだ」

マネキン「ただそれだけ、だがな」

ウィィンッ

ヤザン「お言葉ですなぁ大佐殿! ただ強いだけとは、まるでケダモノ扱いだ」

マリーダ「ッ!?」

マネキン「ヤザン……!」

ザワザワ……

ヤザン「ほぉ、流石はユニオンのエースを集めたオーバーフラッグス。うちの軟弱共とは顔つきが違う」

マリーダ(コイツがヤザン・ゲーブル……!?)ピキィィィン

マリーダ(まるで闘争本能の塊だ、ケダモノというより野獣のそれに近い)

マリーダ(だが強い……それだけは確かだ)

マネキン「ヤザン! 貴様には別室で待機と命じていたはずだぞ!」

ヤザン「おいおい、あんたは俺のおふくろさんか? 下らねえことまで命令すんじゃねえよ」

ヤザン「それにこっちにゃライセンスがある、気に入らなきゃ命令に従わなくても良いってお墨付きがな」

マネキン「ッ……!」

ヤザン「へっ、理解していただけたようで何よりだ」

マリーダ「……」

マリーダ「ライセンスとは、当人の戦闘技術、判断力、戦術的理解力を評価し独自判断を認められた免許だ」

ヤザン「あぁ?」

マリーダ「命令を無視するため、好き勝手に戦うためのものではないはずだ。慎んでもらおう!」

ヤザン「てめぇは……マリーダ・クルスとかいう女兵士か」

ヤザン「はっ、グラハム・エーカーのお妾は黙ってろよ。女が戦場にいるってだけでも鬱陶しいのに、おまけにガキじゃねえか」ペッ

マリーダ「……」

マネキン「ヤザンッ!!」

ダリル「ッ、貴様中尉を侮辱するか!!」ズイッ

ジョシュア「いくら大尉さんだからってよ、言って良いことと悪いことがあるぜ……!」ズイッ

ヤザン「女の尻に敷かれて満足してる腰抜けが、ギャンギャン吼えんなよぉ!」

マリーダ「止めろダリル、ジョシュア」

ダリル「中尉、これだけは勘弁出来ませんぜ!!」

ジョシュア「おうよ、グラハム大尉だってこんな暴言許しはしねえ!」

マリーダ「下らん讒言に惑わされるな。我々の相手はガンダムだ!」

マリーダ「マスターの汚名を返上するために我々は此処にいる、そう誓っただろう!」

ダリル「し、しかし……!」

ジョシュア「ッ……」

マリーダ「……」キッ

ダリル「……了解、しました」

ヤザン「フン」

ヤザン(無駄にすかしやがるな、気に入らねえ)

ヤザン(少し鎌掛けてみるか…)

ヤザン「へぇ、やっぱりユニオンのトップガンは今回の作戦にゃ参加しないのか」

ヤザン「そりゃそうだよな、ソレスタルビーイングのスパイなんぞと肩並べて戦える筈もない。お偉方にしちゃ冷静な判断だ」

マリーダ「!」

マネキン「ヤザン、いい加減にせんか!」

ヤザン「臆病者を臆病者と罵って何が悪い? いくらガンダムを退けたからって、内通してりゃ世話無いぜ」

ヤザン「いや、むしろわざとか? 八百長はユニオンのお家芸だからな……ガンダムと示し合わせて、一芝居って可能性も考えられる」

マリーダ「ーー!」ビキビキッ

ダリル「き、貴様という奴はぁぁぁぁ!!」

ヤザン「はっ! 来いよ腰抜けェ!」

ドンッ

ダリル「うぉっ!?」ドサッ

ガッ

マリーダ「……」ギロッ

ヤザン「ッ!?」

ダリル「!」

マネキン「マ、マリーダ……」

ギリギリギリッ

ヤザン「ぐっ……!」

ヤザン(何だこの力、女のそれじゃねえぞ!!)

マリーダ「私への侮辱は幾らでも耐えよう。女であり若くもある、ヤザン大尉の懸念は最もと言える」

グィッ

ヤザン「この女ァ……!」

マリーダ「だがマスターを愚弄するというなら……私は貴様を背中からでも撃つぞ」

マリーダ「訂正しろ、今すぐにだッ!!」

ジョシュア「お、落ち着けマリーダ!」

ダリル(マズい、隊長も司令もいないとなると中尉を止められる人が!)

ヤザン「ッ……はッ、すかした顔しながらちゃんと内側があるじゃねえか、面白い」

マリーダ「何……?」

ガシッ

マリーダ「ッ!」

ヤザン「マスターマスターって、随分とご執心じゃねえか? ガンダムより熱心に見えるがねぇ……」ギリギリギリ

マリーダ「貴様ッ!」ギリギリギリ

ヤザン「はっ、グラハムとやらも男って訳だ。夜のグラハム・スペシャルでも決められたか?」

マリーダ「 」ブチッ

ヤザン「へっ……図星かよ女……!」

マリーダ「堪忍袋の緒が切れたというのは、こういう事らしいな……!」

マリーダ「このゲスがぁぁ!!」ジャキッ

ヤザン「後ろから撃つとかいったなぁ! やれるもんならやってみやがれェェ!!」ジャキッ

ダァンッ

マリーダ「ッ!?」

ヤザン「うぉッ!」

マネキン「いい加減にしろといった、私に銃を抜かせるなこの馬鹿者共が」

マリーダ「大佐……」

ヤザン「……」ニヤッ

マネキン「ヤザン、自室に戻って謹慎していろ。さもなくばマリーダ中尉が撃つ前に私が撃つぞ」

ヤザン「了解だ。あんたにそのくらいの気概があって嬉しいぜ」

マリーダ「ヤザン・ゲーブル……」

マリーダ「マスターへの暴言、忘れんぞ……!」

ヤザン「せいぜい背後に気をつけるさ、楽しみにしてるぜマリーダ中尉」クックック

ウィィンッ

マリーダ「……」

ダリル「くそっ!」

ジョシュア「胸糞悪い……」

マネキン「……済まんな、フラッグファイター。私がもっと奴の手綱を握っていればこの様なことには……」

マリーダ「あの男、大佐が選んだメンバーでは無いということですか?」

マネキン「……」

マネキン「上層部から選定された新しいライセンサー、その実命令系統も複雑でな」

マネキン「私が選ぶ前からGNーXを与えられていた……恐らくは違う派閥の息がかかった者だ」

マリーダ「心中お察しします、大佐」

マネキン「君に対してもあの反応だ、人革連のピーリス少尉に対しても気を付けねばいかんな……」

マネキン「重ねて言おう、本当に済まない」

マリーダ「マスターの為です……味方であるならば、共に戦うことも是としましょう」ギュッ

マリーダ(マスターのいない今……私がやらなければならないのだから)

マネキン「……」


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ーAEU側控え室ー

ヤザン「へっ、面白くなってきたぜ。これが今の戦場か」

ヤザン「ラムサスとダンケルを呼べなかったのは口惜しいが、せいぜい楽しませてもらうとしようか」

バタンッ

コーラサワー「大尉、珈琲買ってきましたぁ!」

ヤザン「おうパトリック、ご苦労」

コーラサワー「どうぞぉ……」

コーラサワー(くそぅ、何で模擬戦無敗でスクランブル2000回の俺がパシリなんかさせられてんだ)

コーラサワー(どうせパシられるなら大佐にパシられたいぜ……ッ!)クゥッ

コーラサワー(でもAEUのGNーXメンバーはみんなヤザン大尉派に付いちまったし……大佐派の俺は肩身が狭いったらないよ)

コーラサワー「トップガン、大丈夫かなぁ」

ヤザン「あぁ?」

コーラサワー「!」

ヤザン「おうパトリック」

ガシッ

ヤザン「そいつの話、詳しく聞かせてもらおうかーー?」

コーラサワー「 」


ーヴェーダー

アレハンドロ「リボンズ、状況はどうだ?」

リボンズ「現在LEVEL4をクリア」カチカチッ

リボンズ「LEVEL5を掌握中です」

アレハンドロ「そうか、まだまだかかりそうだな……」

アレハンドロ「プルツーはどうした?」

リボンズ「プルツーはあまりにも騒ぐので、他の任務を任せました。彼女ほど我慢弱い存在も珍しいかと……」フゥ

(言ってくれるじゃあないか、全く)

リボンズ(アレハンドロを騙すにはこれが一番手っ取り早いのさ)


ートレミー・ブリッジー

スメラギ「トリニティを退けた国連軍のMSのデータは?」

クリス「今転送しています」

クリス「でも良いんですか? ヴェーダから、再三トレミーからのデータ開示を求める警告が出されてますけど」

スメラギ「いつも通りシャットアウト。よろしくね」

クリス「はぁい」

スメラギ(情報漏洩していると思われる以上、下手に此方からヴェーダへの送信は出来ない)

スメラギ(最悪の事態に近付いている今だからこそ……備えと警戒は怠れないわ)

ピピッ

刹那「!」

アレルヤ「これは……!」

スメラギ「やっぱりね、疑似太陽炉搭載型MS……」

ティエリア「やはりヴェーダの情報が漏れているというのか……」

刹那「……」

刹那(新たなる火種ーー俺達は、ガンダムはどうすればいい?)

スメラギ「……」

スメラギ「フェルト、ロックオンを部屋から出してきてくれない」

フェルト「あ、はい」

スメラギ「みんな作戦会議を始めるわ。会議室に一回集合して」


ートレミー・会議室ー

スメラギ「事態は一刻を争うわ」

スメラギ「既にラッセとイアンさんにはGNアームズの受け取りに出てもらっているけど、それが間に合うかは分からない」

スメラギ「国連の疑似太陽炉搭載型MSは恐らく既に宇宙にも上がってきているはず、ガンダムマイスターは警戒を怠らないで」

刹那「了解」

ティエリア「了解」

アレルヤ「了解」

ロックオン「了解だ」

スメラギ「そして本日を以てロックオンの謹慎を解き、平常同様のシフトに直します」

スメラギ「緊急時ということも加味した判断になります、よろしくねロックオン」

ロックオン「悪いなミス・スメラギ、信頼には応えるさ」

スメラギ「刹那、アレルヤ。二人のガンダムに追加した武装は、同性能かつ多勢の相手に対する奇襲の意味合いが強いわ」

スメラギ「相当癖のある作りになってるのは、以前使用した作戦でも分かっていると思う。でも、まともにぶつかってたら戦いにならないのも事実なの」

スメラギ「負担を強いることになるけど……耐えてちょうだい。ごめんなさいね」

アレルヤ「……」フッ

アレルヤ「策が通用しないなら奇策で通用させる、今まで通りです。そんなにかしこまらないでくださいよ」

アレルヤ「刹那とは何度も話し合ってタイミングも考えてます。キュリオスガスト、使いこなして見せますよ」

刹那「アヴァランチエクシアダッシュ、戦果は挙げてみせる」

スメラギ「……ありがとう。二人とも」

スメラギ「ヴァーチェフィジカルに関しては緊急時の予備枠として保持しておきます。でも火力から考えたら現状維持が理想……無理はしないでね」

ティエリア「貴女に言われなくともそのつもりです。ヴァーチェは今までも、そしてこれからも任務遂行の為に戦うのみ」

スメラギ「そう言ってもらえるなら安心できるわ」

スメラギ「恐らく、敵は数を頼みにした制圧戦を仕掛けてくるはず。後列の火砲支援で足止めし、前列の遊撃部隊で決定打を生むつもり」

スメラギ「エクシアとキュリオスでこれらを攪乱させ、デュナメス・ヴァーチェで隙を狙い確実に戦力を削る。敵もまたこちらに確実なダメージを与えようとしてくるはず、出来る限り消耗は抑えてね」

スメラギ「ロックオン、HAROとサイコミュを連動させておいたわ。タイミングは一任します」

ロックオン「!」

ロックオン「いいのかいミス・スメラギ、ありゃあ確かヴェーダから使用制限が……」

スメラギ「今が緊急時よ。使える戦力、技術、知識、総てをつぎ込んで戦わなきゃならない」

スメラギ「出し惜しみなんかしたら戦いにすらならない。もしもの場合、責任は私が取ります」

スメラギ「責任さえ取れなくなるような事態は御免だものね」

ロックオン「……OK」

ロックオン「そんだけ覚悟されたら、俺もあんまり悠長には出来ねえな」

ロックオン「いつにも増して、狙い撃たせてもらうとすっか!」

スメラギ「リヒティは警戒を強化、フェルトとクリスはバックアップデータの再構成を引き続きお願い」

スメラギ「ガンダムマイスターはそれを前提とした訓練プランを組んだわ、時間が許す限り一通りこなしておいてね」

ティエリア(ヴェーダの支援抜きで、同性能多数の機体と戦うには負担が強すぎる)

ティエリア(だとしても、現状のヴェーダを考えると……)

スメラギ「……」

スメラギ「それでは……解散!」

刹那「……」ダッ

アレルヤ「刹那ッ! 僕も行くよ!」ダッ

ロックオン「あーらら……」

リヒティ「二人とも、あんなに急いじゃって」

ティエリア「全く、はしゃぎすぎだ」

ロックオン「まぁ気持ちも分かるさ。俺がちょい情けないからか、アレルヤは最近頑張ってくれているし、刹那も割と大人しい」

ティエリア「ロックオン、そんな矮小な台詞、自分で言っているからこそ情けなくなる」

ティエリア「刹那・F・セイエイを抑えられるのは君だけなんだ。自覚してほしいものだ」スッ

ウィィンッ

ロックオン「おっ……」

ロックオン「全く、あのツンデレめ」

ウィィンッ

ティエリア「……ッッ」

ロックオン「俺が悪かった、だから睨むな。お願いします」

ロックオン(……皆の心は一つになっていく。だが、嫌な予感がする。何か恐ろしいモノが近付いている感覚)

ロックオン(グラハムじゃあなさそうだが、どうにも鼻につくな。何事も無ければいいんだが)


ートリニティ拠点付近ー

頂武兵士「中佐、まもなく目標ポイントに到着致します」

セルゲイ「了解した」

セルゲイ「頂武GNーX部隊、これよりガンダムの基地への攻撃を開始する」

セルゲイ「全機、抜かるなよ!」

ギュゥゥゥゥン

ソーマ「再び勝利の美酒を、我々の手に……!」

ピキィィィンッ

ソーマ「ッ!」

ソーマ「中佐! 前方に膨大な熱源反応!」

セルゲイ「何だとッ!?」

ズギャァァァァッ

頂武兵士「 」チュドォン

セルゲイ「此方の侵攻を予測していたというのか……!」

ピピッ

ソーマ「熱源反応多数! 待ち伏せです!」

セルゲイ「ッ……!」


ートリニティ拠点ー

ネーナ「きゃははっ! 一機撃墜ーっ!」

ミハエル「ハイメガランチャーで一機だけかよ、みみっちい」

ヨハン「だが虎の子の十機、貴重な前進といえる」

『トリニティ各機、我々が足止めをする。敵部隊の中央を突破し次の支援隊に合流されたし』

ヨハン「了解した。支援に感謝する」

ヨハン(傭兵による支援……本来ならば不本意極まりないが……)


ー先日、トリニティ拠点ー

ネーナ「ヨハ兄ィ、どうするのよこれから!」

ミハエル「あの新型の話、ラグナから聞いてないぜ!?」

ヨハン「……」

ミハエル「兄貴!」

HARO[ダマッテンナヨ! ダマッテンナヨ!]

ネーナ「HARO! ヨハ兄ィに何て口聞くのよ!」

ミハエル「刻むぞHARO!」

HARO[…………]

ヨハン「……」

ピピピッ

ヨハン「!」

ヨハン「ラグナからの暗号通信だ」

ネーナ「ようやく!?」

ミハエル「何て言ってきたんだよ!」

ヨハン「……」ピッ

ヨハン「ッ……馬鹿な……」

ヨハン「ラグナが殺された……だと!?」

ネーナ「はぁ!?」

ミハエル「ちょっ、何だそりゃあ?!」

ヨハン「ラグナの悪ふざけか? ならばこの秘匿暗号通信は……」

『お聞きの通りでしてよ』

ヨハン「! 王留美……!」

ミハエル「ってことはまさかこの女がラグナを……」

『下手な邪推や勘ぐりはお互いの利益にならなくてよ』

ネーナ「じゃあ何なのさっ!」

『何故この通信が使えるかというのは説明が長くなりますから省略いたします』

『重要な案件として伝えるとするならば、我々はラグナ氏の意志を継ぎあなた方をサポートするということだけ……』

ヨハン「……」

『まず、ラグナ氏が緊急時に雇っていた傭兵団を指定のポイントに向かわせました』

『ラグナ氏との繋がりも深い、裏の実働部隊です。信頼に足る存在ですわ』

ヨハン「くっ……」

ヨハン「今は生き延びる事を考えろ、ということですか」

『武力介入すべき相手に助けられる屈辱にまみれても、ですわ』

ネーナ「何よそれ! 気に入らない!」

ミハエル「兄貴、どうすんだ?」

ヨハン「……」

ヨハン(ラグナが殺されたということは、ラグナより力のある存在がバックにいるということ……)

ヨハン(そして我々は、その存在に用無しと判断された迷子というわけか)

ヨハン(我々を殺したいだけなら、例の新型に追い回させておけば済む。王留美がわざわざコンタクトを取る意味も無い)

ヨハン「……分かりました。貴女の指示に従いましょう」

ヨハン(彼女はまだ信用出来る……今の内はな)

ネーナ「ヨハ兄ィ……!」

ミハエル「……兄貴がそう言うなら、従うぜ」

『分かりました。賢明な判断、賞賛に値しますわ』

ヨハン「世辞よりまず実益を頂けると助かりますな」

『はい、勿論そうさせていただきます』

『それと、早速ですが其方にGNーX部隊が向かっていますわ』

ヨハン「ッ!」

『傭兵団の配置が一手早いはずですので、後は現場の判断を……それでは失礼』

ピッ

ヨハン「ネーナ、ミハエル!」

ネーナ「もー! そっちを先に言えっつうの!」

ミハエル「くそっ、無駄に忙しい!」

ヨハン「ラグナを抹殺した奴が何者かは分からない……」

ヨハン「だが我々を消そうとするならば、そいつは我々の敵だ!」


ートリニティ拠点付近ー

セルゲイ「慌てるな! 眼下の敵機は確実に狙え!」

セルゲイ「あくまで我々の目標はガンダムだ! 八番機から十番機は地上の制圧に回り、残りは私とガンダムを押さえにいく!」

ソーマ「了解!」

頂武兵士『了解!』

セルゲイ「来るぞォッ!」

ヨハン「退けェェェェ!!」


ー王留美専用小型機ー

王留美「さて、これでトリニティに関しては手を打ったわ」

王留美「それで? 貴方から提案なんて珍しいこともあるものね紅龍」

紅龍「……」

王留美「私の言うことをハイハイ聞いているだけかとも思っていたけども、少しは見直したわ」

王留美「まぁまだ内容は聞いてないのだけれども……」

王留美「何かしら? 聞くだけ聞いてあげる」

紅龍「ソレスタルビーイングと国連、双方にこの情報をちらつかせラグナ氏のポストをそのままかすめ取る……というやり方です」

王留美「……プッ」

王留美「くくっ、ふふふ」

紅龍「……」

王留美「あっはははははははははははははははははははは……!!」

紅龍「お嬢様……」

王留美「あ、あなたのような人から……ははは、そんな言葉が聞けるなんて、どんな風の吹き回しかしら?」ヒーヒー

紅龍「……正しい使い方というならば、明確な情報により統合を誘発させることがソレスタルビーイングの理念にも近いかと」

王留美「……ふうん……」

紅龍「……」

王留美「良いわ、もとよりこの情報をネタに舞台に顔を出すつもりだったもの」

王留美「変革した世界での薔薇色の生活、そのためにやれることは全てやり尽くしてみせる」

王留美「ふふふ……まさにこのデータは神様からの贈り物ね」チャッ

紅龍「……」

紅龍(絹江さん、私には本当にコレで良かったのかは分からない)

紅龍(人々の意識が変わらないこの様なやり方では、変革に導くなど夢の又夢のようにさえ感じる)

紅龍(絹江さん、あなたの覚悟に我々ソレスタルビーイングが報いるには……)


ー人革連・保安局ー

局員「それでは、ご遺体の確認を」

ジィィー……

沙滋「ッ……!」

沙滋「姉さん……姉さ……」

沙滋「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

局員「……お悔やみを……」

スッ

沙滋「ぁぁぁ……ぁぁぁぁぁぁ……!!」


ー空路・輸送機ー

サーシェス「あぁ、例の女は俺がしっかり始末を付けたよ。安心しな」

『そうかい、ならいいよ。下手に裏事情がバレたら計画にも差し支えるからね』

サーシェス「ところでプルツー、お前俺のイナクトかっぱらったんだ……そろそろ代替機を準備してもらわなきゃ割に合わないぜ?」

『分かっている……とびきり上等なのを捕まえてやるさ』

サーシェス「あん? 何だそりゃ、野生のガンダムがいるみたいな言い方しやがって」

『有る意味野生さ……ところでサーシェス』


『数字の1、2、3……どれが好きだい?』


ー高軌道ステーションー

マネキン「全員集まったな? これから諸君等には、捕捉したガンダムの運用艦にGNーXで奇襲をかけてもらう」

マネキン「味方部隊は十九機のGNーX、敵は四機とはいえ世界を相手に戦ってきたガンダムだ」

マネキン「油断はするな、深追いもだ。地上の新型ガンダムを追撃する頂武GNーX部隊と合流し次第、完全な殲滅戦へと移行する」

マネキン「敵機中破の時点で撤退するくらいの気構えで構わん、引き際を見誤るなよ!」

『了解!』

マネキン「ユニオンGNーX部隊の指揮はマリーダ・クルス中尉に、AEUGNーX部隊の指揮はヤザン・ゲーブル大尉に一任する」

マネキン「一時だけでも禍根は忘れろ、戦場での諍いは即死に繋がる」

マネキン「いいなッ!」

マリーダ「はっ!」

ヤザン「了解だ、頼んだぜ中尉」ヘッ

マリーダ「私の邪魔だけはするな、それだけだ」

コーラサワー(うわっ一触即発……)

マネキン「……」

マネキン(さんざんこき下ろしてはいたものの、ヤザン・ゲーブルは凶暴ではあっても無謀ではない)

マネキン(今作戦の趣旨も確実に理解し、兵の被害を抑えてくれるだろう)

マネキン(奴が命令違反をするのも、要は切迫した状況などの様子見を嫌う性格からくるもの……それさえ気を付ければ牙は剥かれまい)

マネキン(部下としては扱いにくいことこの上ないが、使いこなせればこれほどまでに有り難い人材も珍しい)

マネキン(使いこなしてみせるさ……野獣の手綱も、珍獣の手綱もな)

コーラサワー(今大佐が俺のことを見ていた……!)

ヤザン「パトリック、ご機嫌だな」

コーラサワー「へ?」

グワシッ!!

コーラサワー「 」

ヤザン「だが縮んどるぞぉ! まだ作戦前だ、しっかりせんか!」

ヤザン「はっはっはぁ!」

ジョシュア(じゃあアイツ、作戦行動中はビンビンにおっ立てながら戦ってんのかよ……)ゾッ

マリーダ「行くぞオーバーフラッグス」

マネキン(問題は、むしろマリーダの方にあるか……)

マネキン(グラハム大尉の状況もある、深追いや無理をしてでも戦果が欲しかろうな……)

マネキン「マリーダ」

マリーダ「!」

マネキン「無理はするな。君に何かあれば、グラハム大尉に申し訳が立たん」

マリーダ「お言葉ですが大佐……私もフラッグファイターです」

マリーダ「軍人としての責務を果たす、それだけです」

マネキン「……そうか、いやそうだな」

マネキン「分かった、往ってこい」

マリーダ「はっ!」ビシッ

マリーダ(マネキン大佐はああおっしゃっていたが……やはりオーバーフラッグスとしてはガンダムを打倒したという結果が欲しい)

マリーダ(それさえあればマスターへの汚名も返上出来よう……)

マリーダ「GNーXに乗って戦果が無くては、フラッグを降りた甲斐も、マスターに会わせる顔も無くなる」

マリーダ「やはり、やらねばならないのだ……!」


ー宇宙ー

ヤザン「お前ら、命令通り無理はすんなよ。数が多い方が最後の最後楽なんだからよ!」

『了解!』

ヤザン「俺は俺で楽しむがな……さて、どう出るガンダム?」

コーラサワー「よっしゃあ! ガンダムぶっ潰して、大佐のキッスは頂きだぁぁぁ!」

ヤザン「ちっ、約一名全く話を聞いていやしない」

ヤザン「まあいいさ……この程度で死ぬようならその程度って事だ」

ヤザン「ヤザン・ゲーブル、GNーXで出るぞぉ!」ギュンッ

マリーダ(必ず戦果を上げる、そしてマスターの戦場を守る!)

マリーダ「マリーダ・クルス、GNーX出撃する!」ギュォッ

ジョシュア「よっしゃダリル! ガンダムを蹴散らすぜ、ついて来い!」

ダリル「おうさッ!」

キィィィィィン……


ークルジス?ー

ヒュウウウ

刹那「……」

刹那「ここは……?」

『刹那』

刹那「!」バッ

マリナ「……」ニコッ

刹那「マリナ・イスマイール、どうしてここに……?」

マリナ「見て刹那」

刹那「……?」

マリナ「こんな荒れた土地にも花は芽吹き、大地は息づいている」

マリナ「いずれこの場所にもまた人が戻り、活気を取り戻していくわ」

刹那「この土地に……また……?」

マリナ「だからね、もう戦わなくてもいいのよソラン」

刹那「ッ……!」

マリナ「いいのよ、ソラン……」

ガチャンッ

『刹那ッ!!』


ーMSドッグ・控え室ー

刹那「!!」

刹那「今、誰が俺を呼んだ……?」

刹那「それよりも、何故マリナ・イスマイールが……」

刹那「俺は……止めたがっているのか……戦いを……」

刹那「俺は……」


ートレミー・ブリッジー

シュンッ

スメラギ「……」

クリス「スー……スー……」

フェルト「zzz……」

スメラギ「二人とも、お疲れ様」クスッ

PiPi

スメラギ「!」

スメラギ(Eセンサーに反応、これほどまでに近付かれたということは……!)

スメラギ「起きて二人とも! ノーマルスーツに着替えて!」

クリス「ふにゃっ!?」

フェルト「……ふがっ……?」

スメラギ『総員、敵襲よ。第一種警戒態勢、敵は例の疑似太陽炉搭載型十九機と断定』

スメラギ『ガンダムは緊急時としてコンテナから直接展開して。頼むわよ!』

ロックオン「あいつ等め、こっちのお株を奪いやがって……!」

ティエリア「嘆いても始まらない。兎に角、彼等を迎撃することが出来れば問題無いのだから」

ロックオン「お前さんにしちゃ楽観的な発言だな。だが心強い」

ティエリア「まずは考えすぎずにやってみせる……君と刹那・F・セイエイに教えられたことだ」

ロックオン「!」

アレルヤ「キュリオスガスト、先行発進する!」

刹那「アヴァランチエクシアダッシュ、加速する!」

キィィィィィン
ギャンッ

ロックオン「ったく、どいつもこいつもたくましくなりやがって!」

ピキィィィン

ロックオン「ッ!?」

ロックオン「この感覚、マリちゃんか! あとNTはかなり強いのが一人……やっぱりグラハムじゃあない」

ロックオン「それと妙な気配の男……こっちのも警戒しなきゃな」

HARO[ロックオン! ロックオン!]

ロックオン「おう、狙い撃つぜHARO!」

ロックオン「デュナメス、発進する!!」


ー宙域ー

ヤザン「もうMSの姿が確認出来るな、敵の戦術予報士もなかなかやる」

ヤザン「目標を視認した! 全機、展開しろぉ!」

マリーダ(やはりあの男もいるのだろうか……ロックオン・ストラトス)

マリーダ「いや、いたとしても叩くのみ! ガンダム!」

ピキィィィン

マリーダ「ッ! 全機散開! 何かが来るぞ!」

ジョシュア「何ッ!」

ダリル「馬鹿な、敵との相対距離はまだかなり……!」

アレルヤ「元々大気圏内運用のパーツだったとしても、やれるだけはやってみせるさ!」

刹那「エクシア、目標に突撃する!」

ズバァァァッ

マリーダ「ちぃっ!」ヒュンッ

アレルヤ「避けられたか、でも編隊は崩す!」

マリーダ「羽根付きにこれだけの火力があるとは……!」

ギュンッ

ヤザン「来たなガンダム! 楽しませろよ!」ヴンッ

刹那「でやぁぁぁぁぁ!」ジャコンッ

マリーダ「! ヤザン大尉、ソイツは近接戦闘に強い! 距離を取って……!」

ガキィンッ

ーーその時、ユニットにより加速したエクシアの一撃を、ヤザンは受け止めた

刹那「何ッ!?」

ヤザン「へっ……」

加速した一撃は、例え受け止めたとしても重みで機体を弾かれかねない
それを理解していたのか、はたまたただの勘か。
GNーXの一撃の方向をエクシアの腕の一点にのみ向け、GNーXの全身で無理やり相殺して見せたのだった

刹那「くッ!」

刹那の反応は早かった。左脚部GNクローを展開しての蹴撃、的確に側面を狙って一撃を見舞う
しかし宇宙に弧を描いた蹴りは虚空を舞い、敵には当たらない

刹那「馬鹿な……ッ」

ヤザン「はっはっはぁ!」

上に離脱したGNーXからビームライフルが浴びせられる。
デタラメに撃つように見えて、粒子ビームの軌跡は的確にアヴァランチユニットを穿っていった
高速ユニットによる攪乱というスメラギの作戦は、開始十分足らず、たった一人の男の手により無に帰したのだった

スメラギ「……!」

ロックオン「こいつか……違和感の原因は……!」

刹那「コイツは……何者だ!」

ヤザン「こんなもんじゃねえだろうガンダム……」

ヤザン「往くぜェェエ!!」ギュォッ

現在、戦況は圧倒的不利


TO BE CONTINUED...


グラハム「……」

ガチャンッ

グラハム「……今日は、何時もより早いな?」

黒服「それどころではない、さっさと出ろ」

グラハム「……?」

黒服「外部からの情報でお前の嫌疑が晴れたんだ。釈放だとよ、ライセンサー」


次回『真』

超兵、野獣の牙を砕けるか



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