唯「だいにじ!」なのは「スーパー!」夕映「ロボット」シャロ「大戦です!」  第二十話  出撃! ゲッターとマジンガー、新たな力

2011年09月23日 19:37

唯「だいにじ!」なのは「スーパー!」夕映「ロボット」シャロ「大戦です!」

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/04/24(日) 22:42:49.69 ID:UoK4+8VG0
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 このスレッドは、美少女キャラクターアニメとスーパーロボット大戦のクロスオーバーSSの第二段です。

 前スレ
 唯「まじーん、ごー!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1287900930/

 Wiki
 http://ss.vip2ch.com/ss/%E5%94%AF%E3%80%8C%E3%81%BE%E3%81%98%E3%83%BC%E3%82%93%E3%80%81%E3%81%94%E3%83%BC%EF%BC%81%E3%80%8D

 参戦作品
 けいおん!×マジンガーZ
 魔法少女リリカルなのは×灼眼のシャナ×機動戦士ガンダム
 魔法先生ネギま!×ゲッターロボ
 生徒会役員共×涼宮ハルヒの憂鬱×機甲戦記ドラグナー
 BUMBOO BLADE×聖戦士ダンバイン
 Rozen Maiden×超電磁ロボ コン・バトラーV
 かみちゅ!×勇者ライディーン
 らき☆すた×銀河旋風ブライガー
 ミルキィホームズ×破邪大星ダンガイオー
 Baby Princess×バンプレストオリジナル


 これまでのあらすじ

 宇宙世紀0079――人口爆発した地球人類はその大半が幾多のスペースコロニーに移住して幾十年が経過していた。
 地球の日本の桜ヶ丘高校に通うけいおん部員の平沢唯は隣り突如侵略してきたドクター・ヘルの野望を打ち砕くスーパーロボット・マジンガーZを譲られ、戦いに身を投じることになる。
 同時期――スペースコロニー、サイド7で連邦軍のV作戦が始動した。
 サイド3で独立宣言したジオン公国・月でクーデターを起こしたギガノス帝国に対して、モビルスーツ・ガンダムとメタルアーマー・ドラグナーを開発していた。
 しかし、無数の偶然が重なり、ガンダムには11歳の少女、月村すずかが乗り、三機のドラグナーには、天草シノ以下、桜才学園の生徒会がパイロットとして登録されてしまった。
 異世界の遺失物<ロスト・ロギア>ジュエルシードを集める高町なのはは、ジオン公国の赤い彗星、炎髪灼眼フレイムヘイズのシャナに好敵手と狙われ、黒衣の魔導師フェイト・テスタロッサとジュエルシードを奪い合っている。
 地球を狙う侵略者はそれだけではない。
 キャンベル星人、バイストン・ウェルのドレイク・ルフト、妖魔帝国……
 それらの侵攻はローゼンメイデンが乗るコン・バトラーV、ゴラオン艦隊に所属する聖戦士・川添珠姫、勇者ライディーンに選ばれた中学生神様・一橋ゆりえによって食い止められている。

 だが、奴らがこのまま引き下がるはずはない……

 ギガノス帝国の蒼き鷹・涼宮ハルヒは息を潜め、宇宙海賊バンカーのギル・バーグはダンガイオーを駆るミルキィホームズを執拗に追い続ける。
 姿を見せない二体のローゼンメイデンのうち、水銀燈は人間の憎悪を煽り、バーン・バニングスを黒騎士に堕としてしまった。
 ジオン公国はコロニー・学園都市の科学力を利用して着々と戦力を増強して、ドクター・ヘルは新たな作戦を立てている。

 地球連邦には、新型パーソナルトルーパーの開発者、天使美夜の娘達、早乙女研究所のスーパーロボット・ゲッターロボ、アステロイドベルトのJ9、銀河旋風ブライガーが協力しているが、戦いは厳しいものに変わりはない。

 今、香月シノンが艦長を務めるホワイトベースがジャブローから宇宙へ飛び立った。

 全ては、この地球<ほし>の、明日のために――


けいおん!                ネギま!
平沢唯    豊崎愛生         綾瀬夕映     桑谷夏子
秋山澪    日笠陽子         早乙女ハルナ   石毛佐和
田井中律   佐藤聡美         宮崎のどか    能登麻美子
琴吹紬    寿美菜子
中野梓    竹達彩奈         生徒会役員共
山中さわ子  真田アサミ        天草シノ      日笠陽子
平沢憂    米沢円          七条アリア     佐藤聡美
真鍋和    藤東知夏         萩村スズ       矢作紗友里
                       畑ランコ        新井里美

リリカルなのは              Rozen Maiden
高町なのは       田村ゆかり    真紅    沢城みゆき
フェイト・テスタロッサ 水樹奈々     翠星石   桑谷夏子
アルフ          桑谷夏子    蒼星石   森永理科
月村すずか      清水愛      雛苺     野川さくら
アリサ・バニングス  釘宮理恵    金糸雀   志村由美
                       水銀燈   田中理恵
灼眼のシャナ               JUM    真田アサミ
シャナ         釘宮理恵

涼宮ハルヒの憂鬱            らきすた
涼宮ハルヒ     平野綾       泉こなた    平野綾
キョン         杉田智和      柊かがみ    加藤英美里
古泉一樹      小野大輔        柊つかさ     福原香織
朝比奈みくる     後藤邑子       高翌良みゆき  遠藤綾
長門有希      茅原実里
                       各原作作品登場キャラ
かみちゅ!                リュウ・ホセイ       飯塚昭三
一橋ゆりえ     MAKO        アムロ・レイ        古屋徹
四条光恵       峯香織       シャア・アズナブル    池田秀一
三枝祀       森永理科      ドルチェノフ        飯塚昭三
                       ギルトール         大木正司
BAMBOO BLADE            ドクター・ヘル        富田耕生
千葉紀梨乃    豊口めぐみ     あしゅら男爵       柴田秀和 北浜晴子
川添珠姫      広橋涼        プリンス・シャーキン    市川治
宮崎都       桑島法子      ガルーダ         市川治
桑原鞘子      小島幸子      トッド・ギネス       逢坂秀実
東聡莉       佐藤利奈      バーン・バニングス   速水奨
                       アレン・ブレディ      若本規夫
ミルキィホームズ             ドレイク・ルフト       大木正司
シャロ     三森すずこ        ショット・ウェポン     田中正彦
ネロ      徳井青空          ミュージィ・ボー      横尾まり
エリー     佐々木未来       エレ・ハンム        佐々木るん
コーデリア 橘田いずみ          チャム・ファウ       川村万梨阿
                        ギル・バーグ       千葉繁


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 第二十話

 ゴラオン 医務室


 ここには、ジャブローの決戦で人質にとられていた真鍋和が運ばれてようやく起きたところだった。

和「そう……私はミネルバXに乗せられて……ありがとう、唯」

唯「うぅん。私は何もしてないよ。助けてくれたのはヒーローのお兄さんだから」

和「それじゃあ、その人にもいつかお礼を言わなくちゃね」

律「だけどさ、何で和がミネルバXに乗せられていたんだ?」

和「簡単な話よ。私がミネルバXのテストパイロットをしていたからよ」

唯「和ちゃんが!?」

和「えぇ、琴吹さんにお願いされてね」

澪「ムギが……?」

紬「ごめんなさい、和ちゃん……私……」

和「いいのよ、唯ががんばっているのに、私も何かしたいと思っていたから」

唯「和ちゃん……」

和「いきさつを説明するとね。唯たちがジャブローに向かう前に、琴吹さんと澪のお父さんから相談されたの」

澪「パパ……お父さんが?」

和「ドクター・ヘルの機械獣と戦うわけではなく、壊されてしまった街の復興に完成したばかりのミネルバXのテストを兼ねて使っていたのよ」

律「そこをあしゅら男爵に捕まったって訳か」

和「不幸中の幸いはまだミネルバXに武器が搭載されていなかったことね」

唯「そういえば、がしがし叩いてくるしかなかったね」

紬「本当はマジンガーZみたいにロケットパンチやブレストファイヤーを使えるようにする予定なの」

唯「おぉ~」

澪「なるほど、だからマジンガーZのパートナーロボットなんだな」

律「ま、ヒーローの兄ちゃんのおかげでどてっ腹に穴空いちゃったけどな」

紬「それは光子力研究所で修理するから、大丈夫よ」

和「私も、唯を助けることができるわ」

唯「ありがとうっ、和ちゃん!」

和「ところで、憂と……あと、梓ちゃんは? 確か一緒にいたはずだと思うけど……」

律「あ、梓なら、なんか腹が痛いとか言って、部屋にいるぜ!」

澪「そうだな、大変そうだったけど、呼んでくるか?」

和「いや、それならいいけど……憂はどうしたの?」

紬「憂ちゃんは……」

唯「憂はね、レビル将軍と一緒に宇宙に行ったよ」

和「宇宙に……? どうして? 憂は光子力研究所に戻る予定じゃ……」

紬「ジオンとの和平交渉での、親善大使に選ばれたの……」

和「憂が……そう、わかったわ……お別れは言ったの、唯?」

唯「やだなー、和ちゃん。ずっと会えないって訳じゃないんだから。戦争が終われば、ちゃんと帰ってこれるって、憂も言ってたもん」

和「そうね……」



氷柱「へぇ、ゲッターロボってすごいのね。ロボットなのに自己再生ができるなんて」

夕映「正確には、ゲッターロボ自体が再生機能を持っているのではなく、ゲッター合金にゲッター線を照射することにより、金属の構成分子が増殖して柔軟に伸縮するゲッター合金同士が融合して繋ぎあうのです」

 赤い彗星に切断されたゲットマシンを補修用の小型ゲッター光線銃を当てている夕映が対放射線マスクを外して補足する。

夕映「ゲッターロボの動力でもあるゲッター線は宇宙から無限に降り注ぐ一種の放射線で、人類には無害で、むしろ成長を促す効果を持っていると早乙女博士は推測され、その研究に半生を費やしてきたのです。近年になってようやくゲッター線を採取、貯蓄してゲッターエネルギーに変換することに成功して博士は宇宙開発用ロボットのゲッターロボを開発されたのです」

翠星石「ゲッターゲッターうるせーですぅ! デコチビ人間はとんだゲッター馬鹿ですぅ!」

夕映「ふふ、わかりますか? 宇宙から飛来し、我々人間を進化させたゲッター線は存在そのものがとても哲学的で興味深いのですよ」

ハルナ「夕映は学校の勉強は全然しないけど、神仏ものとかにはやたらのめりこむもんね」

のどか「うんうん」

夕映「陰陽道や魔術といったもののいくつかは、ゲッター線が関わっている可能性もあります。私は早乙女博士の後を継いでゲッター線を研究するつもりですよ」

ハルナ「アタシから見たら、ただの変態でマッドなクソオヤジなんだけどねぇ……」

のどか「そ、それは言い過ぎじゃー……」

夕映「ふむ、そうなるとやはりハルナは早乙女博士の立派な娘ということになるですね」

ハルナ「それ、どういう意味かな?」

氷柱「あら? 梓さん……?」

 ふと眼を他へやった氷柱が中野梓を見つけ、その様子がおかしいことに気付いた。

梓「……くぅっ」

 苦しそうな表情で腹を抱える梓に、氷柱は駆け寄って訊ねた。

氷柱「どうしたんですか、梓さん? 何か、悪いものでも食べたんですか?」

梓「そんな……唯先輩みたいなことしませんよ……うっ」

氷柱「梓さん!?」

 互いにしっかりもので奔放な仲間に手を焼いている者同士で気が合う先輩が膝を折って倒れそうになるのを慌てて支える。

氷柱「……!」

 梓が抱えている腹に置いた手のひらの感触に、氷柱の面持ちが硬くなった。

氷柱「梓さん……まさか……」

梓「おねがい……唯先輩達には……まだないしょにしていて……」

氷柱「つ、紬さんにもですか……?」

梓「そうだね……たぶん、知らないはずだから……」

氷柱「どうしてこんなことに……いえ、いつから……」

梓「それは……よく覚えてないかな……少なくとも、生まれつきじゃ、ないはずだけど……」

 ごごぉっ……梓を助け起こす氷柱の後ろで、早乙女研究所に向かうゲッターチームを乗せた小型シャトルが発射される音が聞こえた。

 ゲッターチームが出た後で、マジンガーチーム、バトルチームに霙と氷柱も一つにシャトルで光子力研究所に向かう。

紬「それでは、エレ様、ここまでありがとうございます」

エレ「本当はわたくしたちも日本までお送りしたいのですが……」

紬「ドレイク軍のこともありますから、エレ様はエレ様のなずべきことをお願いします」

エレ「えぇ、ありがとうございます。ツムギさん」

 二人は握手をして、紬はシャトルへ入っていく。
 シャトルには既に全員そろっていて、すぐに出発した。

唯「あずにゃん、おなかは大丈夫になったの?」

梓「はい、ご心配をおかけしてすみません」

律「しっかし、梓に常備薬があるなんて始めて知ったぜ」

澪「律は常備薬って言葉もつい今まで知らなかったけどな」

律「ぶすー」

唯「あずにゃんって、おなか弱かったんだね」

梓「唯先輩がおちゃらけだから、私の胃に穴が空いちゃったんですよ」

唯「えぇぇっ、ホントに!?」

梓「ウソです」

唯「和ちゃ~ん、あずにゃんがいぢめるよ~」」

和「はいはい」

紬「ふふ……和ちゃんも梓ちゃんもすっかり本調子ね」

翠星石「まったく、ジュンも暇人ヤローですぅ。光子力研究所に来てるなんてねぇ」

蒼星石「翠星石が電話で怒鳴るからでしょ」

翠星石「そ、そんなことはねーですぅ」

真紅「あれはもはや脅迫といっても言い内容だったわ」

雛苺「なのー」

金糸雀「かしらー」

翠星石「う、うるせーですぅ!」

霙「やれやれ……シャトルが壊れなければいいがな……」

氷柱「…………」

霙「どうした、氷柱? 本が逆さまだぞ」

氷柱「へっ!? えっ、え……?」

霙「ウソだ。だが妙に慌てているな、何かあったか?」

氷柱「別に……何にもないわよ、霙姉様……」

霙「そうか」

 特に霙は追求しなかった。
 姉妹同士で隠し事はよくないと天使家のルールがあるが、秘密はオッケーである。
 氷柱は、自分が知ってしまったことを持ち前の回転の速い頭脳で、引き出しの奥にしまうことにした。

 そんな彼女の秘密も、光子力研究所に到着した時には吹き飛んでしまった。

梓「そ、そんな……あれは……」

唯「ドクター・ヘルの機械獣!?」

 光子力研究所は、四体の新たな機械獣に包囲されていたのだ。
 光子力研究所を包囲している機械獣はトロスD7、キングタンX10、ゴーストファイヤーV9、バルガスV5であった。

 そして、それらを率いる飛行要塞グールに乗っている司令官は自らの首を脇に抱えるドイツ軍人ブロッケン伯爵だ。

ブロッケン「くくく……我輩をあしゅらごときとみくびってくれるなよ……平沢唯」

 彼の周囲で飛行要塞グールを動かすのは鉄十字軍団、その規模は一個師団に匹敵し、一人一人が一騎当千の力を持つ精鋭達である。

ブロッケン「さぁ、やれぃ! ドクター・ヘル様の機械獣達よ! 光子力研究所を叩き潰すのだ!!」

トロスD7「ぎゅおぉぉぉぉぉぉぉん!」

 頭部に巨大な角を持つ機械獣トロスD7が突進を始め、

キングタンX10「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!」

 大きな剣を持つ機械獣キングタンX10が大地を踏み鳴らし、

ゴーストファイヤーV9「ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!」

 両手が鉄球になっている機械獣ゴーストファイアーV9が両腕を振り上げ、

バルガスV5「がおぉぉぉぉぉぉん!」

 巨大な鉄甲冑に似たバルガスV5が大空に吼え猛った!

唯「マジィィィィン・ゴーッ!」

 グォォーン……! ジェットスクランダーを噴かして唯の乗るマジンガーZがトロスD7に体当たりした!

トロスD7「ぎゅぁぁぁぁぁっ!」

ブロッケン「現れおったな、マジンガーZ! 平沢唯!」

 マジンガーZの姿を確認して、ブロッケン伯爵はグールの高度を下げ、自ら甲板に姿を曝した。

ブロッケン「なるほど! その雄姿、まさに鉄の城と呼ぶに相応しい!!」

唯「いったい誰!? 光子力研究所を壊そうとするなんて!!」

ブロッケン「よくぞ訊いた! 我輩はブロッケン伯爵!! 偉大なるドクター・ヘル様の忠実なる僕!!」

唯「やっぱりドクター・ヘルの仲間だったんだね。目的は何!?」

ブロッケン「決まっておろう! 光子力研究所を我らが手に収め、光子力と超合金Zの全てを偉大なるドクター・ヘル様の世界征服に役立てるのだ!」

氷柱「相変わらず自分勝手な連中ね――」

 シャトルの上からゲシュペンストの中で聞いていた氷柱は嫌悪感を露わにして、スナイパーライフルの狙いを定めた。

氷柱<狙撃>「大ッ嫌いよ!!」

 バシュゥンッ! 長距離から実弾が飛ぶ。直撃すれば脚と胸が二つに分かれるはずだが――

鉄十字兵「ぐぅっ!!」

氷柱「えっ!?」

唯「伯爵を……かばった?」

 ブロッケン伯爵はその場を動かず、代わりに後ろに控えていた鉄十字兜の兵士が射線上に割り込んでライフル弾を喰らっていた。

鉄十字兵「ご無事でしたか、ブロッケン伯爵」

 胴をふっ飛ばされながら鉄十字兵は呼吸一つ変えずに主の安否を訊ねている。

ブロッケン「うむ、キサマの階級を一つ特進させよう。安心して治療を受けるが良い」

鉄十字兵「ありがとうございます、ブロッケン伯爵!」

ブロッケン「うむ、全ては我らがドクター・ヘル様の為に! 我らを復活していただいたドクター・ヘル様のために! ハイル・ドクター・ヘル!!」

鉄十字兵「「「「ハイル・ドクター・ヘル!!」」」」

 両腕を広げるブロッケン伯爵の号令で、鉄十字兵が一斉に唱和した。
 その熱狂に唯たちは驚いて言葉を失っていた。

律「な、なんなんだ、こいつら……」

澪「まるで、全員が熱い火の玉みたいだ……」

霙「ジオンのザビ家崇拝と似たようなものだ。厄介だぞ、奴らは信念から主のために戦う。あしゅら男爵の鉄兜で操られている兵士とは根本から違う」

ブロッケン「その通り! あしゅらが如き軟弱な奴と我輩を同列に扱ってくれるな! 我らはかつてアドルフ・ヒットラーと共に第二次世界大戦を戦い抜いた本物の鋭士達だ!!」

紬「ひ、ヒットラーですって……」

律「誰だ、それ?」

真紅「西暦時代の独裁者よ」

蒼星石「問題は何故、その彼らがここにいるか、だ」

ブロッケン「全てはドクター・ヘル様の御力! 最強無敵の頭脳によって生み出された科学力で、バルト海に沈んだ我々を救い出してくださったのだ!!」

霙「文字通りの英雄、という訳だな」

翠星石「単純な奴らですぅ」

梓「ですけど、それ故に強くもあります」

ブロッケン「この世に最強の頭脳は一人で充分! ドクター・ヘル様がライバルと認めた兜十蔵のマジンガーZを破壊し、光子力の全てを奪ってやるわ!!」

唯「何おう! そんなことのためにマジンガーZはやらせないぞ!」

ブロッケン「やれぃ! トロスD7、自慢の角でマジンガーZを串刺しにしてしまえ!」

トロスD7「ぎゅおぉぉぉぉぉっ!!」

 ドドドドドドドドドドド……! 唸り声をあげてトロスD7は突進を再開した。

唯「やるぞ、マジンガーZ!」

トロスD7「ぎゅおぉぉぉぉぉぉぉん!!」

 バガーンッ!! 巨大な角がマジンガーZの腹に突っ込んだ!

唯「うわぁっ!」

トロスD7「ぎゅぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 びゅぅっ! ドスーン……! 持ち上げられて投げ飛ばされたマジンガーZの腹には大きな穴が空いていた。

唯「ま、マジンガーのおなかが!」

紬「そんな……超合金Zを破るなんて……」

ブロッケン「さすがはドクター・ヘル様だ! 超合金Zに劣る金属でも、その力を一点に集中すれば、何百倍もの威力を発揮する!! マジンガーZ恐るるに足らず!!」

霙「くっ……平沢君を援護するぞ!」

澪「はい!」

翠星石「了解ですぅ!」

 戦域に到達したシャトルからアルトアイゼン、ダイアナンA、バトルマシンの五機が発進した。

「「「「「レェェェッツ・コンバイィィィィン!!」」」」」

 バトルマシンが超電磁の力で合体し、コン・バトラーVになる!

翠星石「コン・バトラーV! ですぅ!!」

ブロッケン「来たか……キングタンX10、ゴーストファイヤーV9、バルガスV5、やれぃ!」

 号令で三体の機械獣がアルトアイゼンの前に立ちはだかった。

霙「氷柱!」

氷柱「わかってるわ! 海晴姉様とのコンビネーション……私が代わりに!」

 バシュゥッ、バシュゥンッ!
 スナイパーライフルから放たれる弾丸が先頭で剣を持つキングタンX10に当たって動きを止めさせた。

霙「打ち貫く……!」

 ズゴォッ! リボルビングステークを突き刺し、そのまま殴り飛ばす。

キングタン「ぐおぉぉぉぉぉっ!」

霙「道を開けろ……スクエア・クレイモア!」

 ズドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!
 視界一杯に鉄球が乱れ飛び、接近していた三体の機械獣を叩き伏せた!

ブロッケン「ぬぅぅ!」

霙「駆け抜けるぞ、アルト!」

 ドォンッ! 爆発的な瞬発力をフル稼働してアルトアイゼンがマジンガーZへと近づいていく。

ブロッケン「やらせるな! ショックビーム発射!」

 ギュビィンッ! ギュビィンッ! ギュビィンッ……! 飛行要塞グールから波動光線がアルトアイゼンを襲う。

霙「くっ……! 私とアルトを止めるとは……」

ブロッケン「さぁ、やれぃ! トロスD7、マジンガーZにとどめを刺せ!」

トロスD7「ぎゅおぉぉぉぉぉん!」

 ドドッ、ドドッ! トロスD7が角の先を正面に向けてマジンガーZへ走り始める。

唯「くぅぅっ、ブレストファイヤー!」

 まだ立ち上がれない状態でも胸部を前に出せた唯が反撃を開始した。

ブロッケン「馬鹿めが! 同じような手が何度も通用すると思うな!」

 ひゅぅぅぅ……ずどん! 

唯「えぇっ!」

 ゴバァァァァァァァァァァァァッ!!
 なんと、マジンガーZの30000度の熱線が全てトロスD7の前に落ちてきた鉄板に遮られてしまった。

ブロッケン「ドクター・ヘル様の立てた戦略は完璧だ! 今度こそマジンガーZに風穴を開けてやれ、トロスD7!」

トロスD7「ぎゅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 ドガガァッ! 熱に溶けていく鉄板を盾にトロスD7がマジンガーZに角を根元までぶち込んだ!

唯「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!! マジンガーゼットォ!」

トロスD7「ぎゅおぉぉぉぉっ!!」

 ドドッ! ドドッ! トロスD7は頭にマジンガーZを乗せたまま更に突進して光子力研究所に激突した!

 ドガガァッン……!

唯「う、うぅぅ……」

澪「唯ーっ!」

律「ちくしょう! 機械獣が邪魔だぜ!」

氷柱「あんなに組み合ってちゃ下手に狙撃もできない……!」

翠星石「さっさとこいつら片付けるですよぅ! Vレーザー!」

 ドカァンッ!
 至近距離からコン・バトラーV頭部のVの字からレーザー光線が手近なゴーストファイヤーV9に直撃して、よろめかせた。

ブロッケン「ふん、その程度でゴーストファイアーがやられるものか」

ゴーストファイアー「ごぁぁぁぁぁ!!」

ブロッケン「お前の本気を見せてやれ! ゴーストファイアーV9!!」

ゴーストファイアー「ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!」

 ぶぉんぶぉん……!
 右腕を高く振り上げたゴーストファイアーV9の鉄球が手首から落ちたと思うと、鎖で繋がった鉄球を頭上で回して勢いをつけていく。

翠星石「や、やばげですぅ!」

ゴーストファイアーV9「ごがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」

 どがぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!! 途轍もない威力の鉄球がコン・バトラーVの肩にぶつかる!

ブロッケン「まだだ、ゴーストファイアーV9!」

ゴーストファイアーV9「ぐごぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 ずごぉっ!! 

雛苺「やー!」

金糸雀「かしらー!」

 ずずぅん……! 左手の鉄球が撃ち出されてコン・バトラーVを倒した。

ブロッケン「お前達も気張れぃ! キングタンX10、バルガスV5!」

キングタンX10「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!」

バルガスV5「がおぉぉぉぉぉぉん!」

 二体の機械獣がそれぞれダイアナンAとボスボロットを標的にしている。

澪「スカーレットビーム!」

キングタンX10「ぐおぉぉぉぉ!」

 ぶぉんっ! ダイアナンAの眼から発せられた光線はキングタンX10の剣で堰き止められてしまう。

律「ちっくしょーっ! このままやらせるか、光子力爆弾だ!」

 どたどたどた……! ボスボロットが両手でバレルを持ってバルガスV5に突撃していく。

ブロッケン「くくく、お前の真の姿を見せてみろ、バルガスV5!」

バルガスV5「がおぉぉぉぉぉぉっ!」

 バカッ! ブロッケン伯爵の指示でバルガスV5のボディがバラバラに分離してボスボロットの体当たりを避けた!

律「げぇぇ~っ!」

バルガスV5「がおぉぉぉぉぉんっ!」

 首についたブースターでバルガスV5の頭部がボスボロットの背中に頭突きをしてすっ転ばせた。

律「や、やばっ!」

 転んだ拍子に光子力爆弾のスイッチが起動してしまった。

律「ひぇぇぇぇぇぇぇ~っ!」

 どたどたがしゃがしゃ!
 遮二無二なって爆弾を投げ捨ててボスボロットが機体のあちこちでスクラップという楽器を鳴らしながら逃げる。

 チュドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!
 TNT火薬300トンにも値する超威力爆弾が大きな火柱をあげ、周囲の機体をまとめて吹き飛ばした。

ブロッケン「あっ! バルガスV5!」

バルガスV5「……!?」

 バラバラになっていたのが仇となっていたバルガスV5の各部位が爆風でそれぞれ見当違いな方向へ飛んでいく。

律「ひぃー、ひぃー」

 ボスボロットもバラバラのボロボロになってほうほうのていで律が光子力研究所へ駆けこんでいく。

 その近くで唯とマジンガーZは腹に突き刺さっているトロスD7の角を掴んで睨みあいをしていた。

唯「う、うぅ……この距離なら、ルストハリケーンだぁ!」

 ぶおぉぉぉぉぉぉぉ……! マジンガーZの口から猛烈な風が吹き出し、トロスD7に当たっていくが――

トロスD7「ぎゅおぉぉぉぉぉっ!」

唯「こ、効果がないっ!? 何で!?」

 マジンガーZから発せられる強風に酸が乗っていない。
 その原因は胴体にあるルストハリケーン用の強酸貯蔵タンクとのパイプがトロスD7の角によって抉られていたからだ。

ブロッケン「くくく、この隙にとどめを刺してやるぞマジンガーZ!」

 飛行要塞グールのショックビーム発射口がマジンガーZへと向けられる。

ブロッケン「さぁ! これがキサマの最後だ! 平沢唯!!」

鉄十字兵「ブ、ブロッケン伯爵! 何者かが急速に接近してきます!」

ブロッケン「何だと!?」

 今しもショックビームのスイッチを押そうとしていたブロッケン伯爵の手が止まり、鉄十字兵の報告に耳を傾ける。

鉄十字兵「と、途轍もないスピードです! 二時の方向! マッハ4を計測!!」

ブロッケン「どういうことだ!」

 伝えられた方角へ顔を向けたブロッケン伯爵の目には既にその真っ赤な機影が飛び込んできていた。

ブロッケン「あ、あれはまさか……ゲッターロボか!?」

夕映「ゲッターロボGです!!」

ブロッケン「何ぃ! 新たなゲッターロボだというのか!?」

夕映<熱血直撃>「ゲッタァァァァァァァァァビィィィィィィィィィィム!!」

 ズギャァァァァァァァァァッ!! 旧型よりシャープで流線型の形状になったゲッターロボの空戦形態ゲッタードラゴンの額から超威力のゲッター線が照射され、ショックビームの発射口がどろどろに溶けて潰されてしまった!

 トーリノーコサレー オイーテーカレー ユクアテナドナクシーテシーマエ
 アーイソーワーライー シテールーヨリー ヒトリキリガイイトキモーアル
 オーチコムーホドー イヤーナコトー ヤメテシマエカワリーハイールサ
 ゼーンブステテー オリールナラー ダレモジャマヲスルハズナーイシ
 チュウトハンパデー オワリニシタクーナイ!
 ウラギラレテェ! キズツイテモォ! ツーヨークナレル change your heart!
 ココマデキタンダ I can't stop!
 カタナキャクヤシイ no way out!
 ワカレミチ モドリミチ フリムケバ ヨルノアメデミエナイーィー!
 ナニカガタリナイ I can't stop!
 モヤモヤカカエチャ no way out!
 ススマナキャ ミエテクル コタエマデ
 Never never mind!



のどか「チェェンジ・ライガー! スイッチ・オーン!」

 空中で三機の新型ゲットマシンが分離、再合体して青く細いフォルムのゲッターライガーにチェンジした瞬間、それは地中へ消えていった。

のどか「ゲッタードリール!」

キングタンX10「ぐおぉぉぉぉぉぉぉっ!」

 ギュルリィィィィィィィッ!!
 キングタンX10の股間から頭頂部までが、ライガーの左手のドリルに貫かれて破壊された!

ブロッケン「うぉぉ! キングタンX10の仇を取れ、バルガスV5!」

バルガスV5「がおぉぉぉぉ!」

 バカッ! ビビュンッ! 分離して各部位に分かれたバルガスV5が一斉にゲッターライガーへ飛んでいく。

ハルナ「チェェンジ・ポセイドン! スイッチ・オーン!」

 バシュッ! ガシュンッ!
 今度はゲッター3にあたるゲッターポセイドンに変形し、大砲のような頭部をバルガスV5に向ける。

ハルナ「ゲッター・サイクロン!」

 ぶぉぉぉぉぉぉぉぉ……!
 ルストハリケーンよりも強烈な突風がポセイドン頭部から発生し、竜巻となってバルガスV5をまとめて巻き込んでいく。

バルガスV5「がおぉぉぉぉぉぉぉ……」

ブロッケン「何ということだ! バルガスV5のハイテクエンジンがまるで歯が立たぬ!」

氷柱「よし、やるわよ、スラッシュリッパー、行きなさい!」

 ビシュッ! ギュイィィィィ! 二基の回転刃がバルガスV5の連結部位を攻め立て、引き裂いていく!

ブロッケン「おのれ! あいつをやれ! 殺せ!」

 ドシューッ! ドドッ! 大量のミサイルがゲシュペンストに襲い掛かる!

翠星石「やらせねーですぅ!」

 ドドドォン! ゲシュペンストの前に出たコン・バトラーVがミサイルを全て叩き落とした!

真紅「大丈夫かしら?」

氷柱「はい、いけます!」

霙「撃ち洩らしは私が貰おうか」

 ズドドドドドドドドドドドドドドドッ!! 炸裂弾をばら撒いてバルガスVの残った部位が破砕して落下していった。

ブロッケン「くっ……ゴーストファイヤーV9! フルパワーで奴らをやれぃ!」

ゴーストファイヤーV9「ぐごぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ぶぉんぶぉんぶぉん……! 二つの鉄球を同時に振り回すゴーストファイヤーV9。

 ひゅぼぉっ! ゴーストファイヤーV9の頭部で燃えている炎に鉄球が触れると、炎が移り、炎の鉄球と変わった。

霙「これは……近寄りがたいな」

夕映「新しいゲッターには、こんな装備もあるですよ!」

 ゲッタードラゴンにチェンジしていた夕映が、その巨大な手に機関砲を構えた。

夕映「バァァァルカンッ!!」

 ガガガガガガガガガガガガガッ!! 

ゴーストファイヤーV9「ぐごぉぉぉぉぉ!」

 弾丸はほとんどゴーストファイヤーV9に傷をつけることなく弾かれていた。

ハルナ「効果はいまひとつのようね」

夕映「ま、そんなに期待はしていなかったですよ」

 がらん、と機関砲を投げ捨て、夕映はドラゴンを高く飛翔させた。

ブロッケン「ふざけおってぇ! ゴーストファイヤーV9、ぶちのめせぇ!」

ゴーストファイヤーV9「ぐごぉぉぉぉぉぉん!!」

夕映「こっちが本番ですよ、ダブルトマホゥゥゥゥク・ブゥメランッ!!」

 炎の鉄球を同時に投げたゴーストファイヤーV9に対し、ゲッタードラゴンは両刃の手斧をそれぞれの手に持って、投げつけた!

 ズバンッ! ズザッ! 手斧は鉄球を繋ぐ鎖を切り裂き、鉄球は更に高く舞い上がるドラゴンの下を通り過ぎていった。

澪「よし、今だ、スカーレットビーム!」

 ビィィィィィィィィィ!!
 ダイアナンAから発射された光線がゴーストファイヤーV9の腰に命中し、下半身を溶かして倒す。

翠星石「とどめですよぅ、超電磁スパーク!」

 ズババババババババババババッ!!
 コン・バトラーVの頭部の磁極から放たれた電磁波に追い討ちをかけられ、ゴーストファイヤーV9は爆発した!

ブロッケン「ぐぐぐ……おのれスーパーロボットどもめ……」

 作戦の要である機械獣を三体も失ってしまったブロッケン伯爵は歯軋りした。

ブロッケン「だが、トロスD7がマジンガーZを倒すことまでは、邪魔をさせんぞ!」

 ぐぉぉぉぉ……!
 飛行要塞グールを一挙に降下させ、ブロッケン伯爵は光子力研究所とマジンガーZを、アルトアイゼンたちから隠してしまった。

氷柱「くっ……大回りしていかないと……!」

ブロッケン「させんぞ! いざ出でよ鉄十字軍団!!」

鉄十字兵「「「「おぉ!」」」」

 グールから一斉に鉄十字兵と戦車が飛び出し、氷柱たちを塞ぐ防衛網を形成した。

鉄十字兵「撃てーっ!!」

 ドォンッ! ドドォンッ! 無数の大砲や銃が火を噴き、進路を砂塵で包んだ。

夕映「うっ、これでは……」

ハルナ「のどか! ゲッターライガーよ!」

のどか「うん! チェンジ・ライガー! スイッチ・オーンッ!」

 ゲッターライガーが地中を潜り進む間、唯とマジンガーZはトロスD7の猛進に耐えていた。

トロスD7「ぎゅぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!」

唯「うぅっ……ここでやられちゃったら……光子力研究所が……!」

 背中を突き破られた状態で角を握る手が徐々にパワーダウンしているのがわかる。

唯「こうなったら……いちかばちか……ブレスト……ファイヤー!」

 ゴァァァァァァァァァァァ!! 胸のVマークから熱線が放出され、トロスD7を覆っていく――が、

唯「しゅ、出力がぜんぜんちがう! 落ちてる!」

 ブレストファイヤーまでパワーダウンしていた。
 光子力エネルギーを熱光線に変える機関まで故障しているのだ。

唯「何を……何を使えばいいの!? どうすれば倒せるの! おじいちゃん!?」

 光子力エンジンと直結している機関と繋がっているボタンを唯はめったやたらに押している。
 エネルギー自体は下がっていない。光子力エネルギーをそのまま攻撃力に替える武器を探し続ける。

唯「こ、光子力ビーム……これだけ……でも、パワーが全然足りないよ……おじいちゃん……」

 操縦桿をぐっと握りしめる。少しだけ前に押されてマジンガーZも前に傾く。

唯「いいや、そんな訳ない……! おじいちゃんの造ったマジンガーZがドクター・ヘルなんかに負けるはずないんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ぐぉん……! 唯の声に呼応したかの如く、マジンガーZの眼が光子力の光りを発した。

唯「マジンガーZ……?」

 そしてモニターに赤い文字が浮かび上がった。

 Ισχύς του Δία

 次に、唯の足の間に円筒状の台座がせり上がってきた。

唯「な、なにこれ……おじいちゃん……」

 台座にあるのはダイヤルのようだった。
 赤いダイヤルを指で掴むと、それはすごく重かった。

唯「こ、これを上げればいいのかな……」

 力を込めてカチリとダイヤルの目盛りを変えた瞬間、コクピット内の熱気が上昇した。

唯「ふおゎっ!」

 カチカチ……ダイヤルを上げていくごとにマジンガーZのボディの熱がパイルダーにまで伝わってきていた。

唯「すごい……! すごいエネルギーだよ!!」

 グオォォォォォォォ……!

唯「いけるね、マジンガーZ! 光子力ビィィィィィィィィィム!!」

 キィン――全身を駆け巡る光子力エネルギーで金色に光るマジンガーZの眼からエネルギー波動のリングが生まれた。

 ズドォォォォォォォォォォォォォォォ!!
 その中心から通常とは比べ物にならない光線が射出され、トロスD7に正面から直撃した!

トロスD7「ぎゅぉぉぉぉぉぉ……っ!!」

ブロッケン「トロスD7!? どうした! 耐えるんだ!!」

唯<熱血/マジンパワー>「これが……マジンガーのフルパワーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!! トロスD7を乗せたまま、光子力ビームは地平線に向かって進み、飛行要塞グールにまで到達した。

ブロッケン「ぬ、ぬおぉぉ!!」

 規格外の衝撃に巨大な要塞も揺らぎ、地面を抉っていく。

ブロッケン「うぐぐ、マジンガーZにこれほどのパワーがあったとは! あしゅらめ、役立たずのデータを送りおって! 撤退するぞ!!」

 ずぉぉ……飛行要塞グールが浮上を開始し、光子力ビームから逃れていく。

ブロッケン「全速で離脱せよ! マジンガーZ、平沢唯! 次は覚えておれ!!」

 飛行要塞グールが大空の向こうへ逃げていく下で鉄十字軍団もまたそれぞれに散って姿を消していった。

唯「おじいちゃん……マジンガーZは……本当に無敵なんだね……!」

 光子力ビームが突き抜けていった地平線を見つめて、唯はぽろりと涙をこぼしていた。


 光子力研究所

唯「えぇーっ、すぐに宇宙に上がれないの!?」

紬「そうねぇ……ロケットの用意は既にできているんだけど、マジンガーZがちょっとね……」

唯「マジンガーZがどうしたの?」

紬「今回、マジンガーZの一時的なパワーアップ能力が発見できたのはいいんだけど、今の超合金Zだと疲労しすぎていてオーバーパワーに耐えられなくなったことがわかったの」

梓「つまり、大々的なメンテナンスが必要だということです」

唯「そっかぁ、マジンガーZも休憩しなくちゃいけないんだね」

梓「あと、さきほど唯先輩が音がおかしいって言って預けてくれたギターなんですけど」

唯「あっ、そうだよ、それも何か音が歪むというか変なんだよ」

梓「唯先輩がこれを全然手入れしていないことが発覚しました」

唯「へっ? ギターってお手入れするものなの?」

澪「そこからかよ!」

唯「りっちゃんはドラムのお手入れなんかしてないよね?」

律「してるわい! なんでアタシはしてなくて当たり前みたいに訊くんだよ!」

梓「ちょうどいい機会ですし、私がメンテナンスの仕方を教えます」

唯「ふぇぇ~……あずにゃん、自分のついででいいから私のもお手入れしてよ~」

梓「ダメです! こうなったらギターの扱い方というものをイチから説明してやるです!」

唯「あ~う~……」

紬「それで、こちらの新しいゲッターロボですけど……」

夕映「はい、宇宙開発用ロボットであった旧型ゲッターロボと違い、最初から戦闘用として開発されたゲッターロボGと言います」

ハルナ「エネルギー出力はゲッター線増幅装置を搭載したことにより、従来のなんと10倍よ!」

のどか「乗っている私たちの負荷も大変なんですけど……」

紬「装甲は新開発されたゲッター合成鋼G……これは大きな戦力になりますね」

律「オヤジのケチーッ!」

紬「りっちゃん?」

律「ムギー、聞いてくれよー、オヤジもおじさんもひどいんだよー!」

紬「あらあら、どうしたの?」

澪「まともに聞かなくていいぞ、ムギ。ボロットで宇宙に出たいなんてバカな話だから」

紬「ボロットで……宇宙に……? ぷっ」

律「あー! 笑いやがった、ムギも澪もみんなひでぇよー!」

紬「だ、だっていくらなんでも……ふふふ……」

澪「はあ……和からも言ってやってくれ」

和「見れば見るほど驚くわねボスボロット……だって内部に畳が敷いてあってちゃぶ台に電気ポットとカップラーメンがあるんだもの……」

澪「マンガとテレビもな。っていうか律の部屋とほぼ変わらなくなってるぞ」

和「まあ、でも律の普段のめちゃくちゃな操縦があれば、ノーマルスーツとバーニアをつけるだけでいけそうな気がしないでもないわ」

律「うわーん!!」


 バードス島

ドクター・ヘル「もうよい……顔を上げよ、あしゅら男爵、ブロッケン伯爵」

あしゅら「は、ははぁーっ!」

ブロッケン「申し訳ありませぬ、ドクター・ヘル様!」

ドクター・ヘル「お主たちは貴重なワシの部下だ……それを失わずに済んだことをまずは喜ぼう」

あしゅら「ど、ドクター・ヘル様……ありがたき御心……あしゅら、とことんまで感服いたしましたーっ!」

ブロッケン「わたくしも! この失態は必ずや次の機会に……!」

ドクター・ヘル「マジンガーZの真の力……天空神ゼウスの力……今の機械獣では足りぬか……」

あしゅら「ま、まさか、ドクター・ヘル様!」

ドクター・ヘル「これまで、危険だと判断し、開かずにおいた地獄の扉を、開く時が来たようだ……」

ブロッケン「い、いかにドクター・ヘル様といえども! あの扉の向こうに行くことは!」

ドクター・ヘル「そのために、貴様たちがいるのだ、あしゅら! ブロッケン!」

あしゅら・ブロッケン「「!!」」

ドクター・ヘル「これからの戦いにはあれの力が必要なのだ! なればこそ、貴様たちと共に、このバードスの奥深くへゆくぞ!」

あしゅら「ははぁーっ!」

ブロッケン「必ずや、ドクター・ヘル様をお守り致します!!」

ドクター・ヘル「くくく……平沢唯よ……その時まで、命は預けておいてやるわ……」


 日本 南部のとあるビルの屋上

 黒衣を纏った少女フェイト・テスタロッサは、手に有名なケーキショップのファミリーパックを持ってヘリポートに立っている。

アルフ「甘いお菓子ねぇ……あの人が、それで喜ぶとは思えないけど……」

 風になびく金髪についてきたアルフが不安を隠さずに言うと、フェイトは控えめな微笑を作った。

フェイト「こういうのは、気持ちだから……」

アルフ「そうだよね、ちょっと邪魔が入ったけど、こんな短い間にジュエルシードを四つも集めたんだから、褒められることはなくても怒られることはないよね」

フェイト「うん……いくよ、アルフ」

 ヘリポートの中央に立ってフェイトは目を瞑り、愛機のバルディッシュに魔方陣を形成させた。

フェイト「――次元転移 次元座標 876C 4419 3312 E699 3583 A 1413 779 F 3125――開け誘いの扉 時の庭園 テッサロッサの主の下へ」

 天使家の夜は早い。
 小さい子どもたちはみんな八時までには眠ってしまうし、その子たちを起こさないように年長の姉たちも九時までには自分の部屋に入ってしまう。

 ただ、最近の夜だけは弱い明かりでダイニングに二人のお姉さんが教科書を広げていた。

蛍「えぇっと、慣性に対してバーニアの向きをこうすることで……」

春風「そうよ。うん、無重力での軌道法則にも慣れてきたみたいね」

蛍「でも、本当に宇宙に出て、こんなこと考えてる余裕ないような……」

春風「それでも、全く勉強しないよりはちょっとでも頭の片隅に入れておくほうがいいのよ」

蛍「でも、この教本だけでこんなに分厚いのよ。読み終わるだけで一日終わっちゃいそう」

春風「これでも、吹雪ちゃんが編集してくれたんだけどね」

 その時、パッとダイニングの明るくなった。

春風・蛍「「!」」

氷柱「何してんのよ?」

蛍「つ、氷柱ちゃん……?」

氷柱「ホタ姉は、PTの講習なんて受けてないでしょ」

蛍「こ、これはね……」

氷柱「何のために私が乗ったと思ってるの!?」

 バンッ! 鋭い怒りと共に振り下ろされた手が教本を強く叩いた。

氷柱「やめてよ! この家の中でこんなもの広げないで! ホタ姉までママの言いなりになることなんかないのよ!」

 あぁ、またやってしまった――氷柱は回転の速い頭ですぐに反省した。
 こんなことを言うために帰ってきたわけではないのに……廊下の方でカチャカチャとドアが開く音がする。

春風「氷柱ちゃん、落ち着いて……みんな起きてきちゃう……」

氷柱「春風姉様だってそうよ! どうして教えてくれなかったの!?」

春風「つ、氷柱ちゃん……」

氷柱「吹雪から聞いたわよ……春風姉様の事故のこと……」

綿雪「氷柱お姉ちゃん……?」

氷柱「――ユキッ!?」

 背中からかけられた声に弾けたように氷柱の顔が青褪める。

氷柱「ダメよ、ユキ! こんな時間に起きてきちゃ……」

青空「あー! つららおねーちゃんだー!」

 綿雪の後ろからぴょんと跳んできたのは一歳の青空だ。
 わんぱくでお昼寝もたくさんする青空はたまに夜中に目が覚めてお姉ちゃんたちの部屋に来たりするのだ。

青空「おかえりなさーい!」

氷柱「わっ! ちょっと青空!」

 青空に抱きつかれて氷柱がたじろいでいると夜中の天使家がにわかに騒がしくなってくる。

虹子「つららちゃんおかえりなさーい!」

真璃「つららお姉ちゃま。よく無事で帰ってきた。マリーが癒してあげる」

さくら「氷柱お姉ちゃんにあえてクマちゃんも嬉しいって言ってるの」

夕凪「にしし、ゆうなのマホウの力だよー」

星花「ホントに夕凪ちゃんの占いどおりだったね」

麗「なんてことないわよ、今日夕凪がママと電話していただけなんだから」

あさひ「ばっぶー! だぁだー!」

小雨「あぁぁ……あさひちゃんまで起きてきちゃってる……せっかくだから、ミルクの用意しますね」

春風「そうね、お帰りなさいのミッドナイト・パーティーでもしましょうか」

氷柱「……はあ、さっきまでのどっかいっちゃった……」

蛍「ごめんね、氷柱ちゃん……」

 機動兵器の操作手引きの教本をしまった蛍が起き抜けでぽわぽわしてるさくらを撫でるが、氷柱の目はきつく尖がっていた。

氷柱「許したわけじゃないからね」

蛍「えっ……?」

氷柱「ホタ姉が乗るなんて、ママが許しても私が許さないわよ」

蛍「…………」

氷柱「そりゃ、立夏をあのままにしても仕方ないし、誰かがあれに乗らなくちゃいけない訳だけど……」

観月「やぁ、今宵はお月さまがとんがっておるの。まるで氷柱姉じゃそっくりじゃ」

 いつの間にかお茶と団子を用意して落ち着いていた観月がほぅっと四歳児とは思えないため息を吐いた。

観月「蛍姉じゃのことは心配おらぬぞ、氷柱姉じゃ」

氷柱「み、観月……あなた……」

 キュウビの狐が守護霊で見えざるものが見えるという謎めいた十五女の訳知った物言いに氷柱だけでなく蛍も驚く。

観月「蛍姉じゃだけでない。海晴姉じゃも、霙姉じゃも、ヒカル姉じゃも、立夏姉じゃも……みんなわらわとキュウビのご加護がついておる。もちろん、氷柱姉じゃもじゃ……心配など何もいらぬぞ」

氷柱「ねぇ、観月……それじゃあ春風姉様はどうして……」

観月「…………」

 今ごろキッチンでホットミルクやお菓子の用意をしている三女の話題で観月は一度お茶をすすった。
 それから、思いつめた表情で呟いていった。

観月「春風姉じゃを襲ったものは……この世ならざる者がもたらしたものじゃ……それを用いてしまったママさまにも責はある。せめて、わらわがきちんと祈祷しておればあれほどのことはおこらなんだ……」

氷柱「観月……」

春風「はーい、みんなクッキーとミルクですよー! 氷柱ちゃんおかえりなさいミッドナイト・パーティーの始まりですよー」

 朗らかな笑顔でダイニングに戻ってきた春風にチビたちがわめき立つ。

 その母性溢れる姿はとても悲惨な事故を受けたとは思えないもので、氷柱はもう何を思えばいいのかわからなくなっていた。

青空「おかえりなさーい!」

氷柱「わっ! ちょっと青空!」

 青空に抱きつかれて氷柱がたじろいでいると夜中の天使家がにわかに騒がしくなってくる。

虹子「つららちゃんおかえりなさーい!」

真璃「つららお姉ちゃま。よく無事で帰ってきた。マリーが癒してあげる」

さくら「氷柱お姉ちゃんにあえてクマちゃんも嬉しいって言ってるの」

夕凪「にしし、ゆうなのマホウの力だよー」

星花「ホントに夕凪ちゃんの占いどおりだったね」

麗「なんてことないわよ、今日夕凪がママと電話していただけなんだから」

あさひ「ばっぶー! だぁだー!」

小雨「あぁぁ……あさひちゃんまで起きてきちゃってる……せっかくだから、ミルクの用意しますね」

春風「そうね、お帰りなさいのミッドナイト・パーティーでもしましょうか」

氷柱「……はあ、さっきまでのどっかいっちゃった……」

蛍「ごめんね、氷柱ちゃん……」

 機動兵器の操作手引きの教本をしまった蛍が起き抜けでぽわぽわしてるさくらを撫でるが、氷柱の目はきつく尖がっていた。

氷柱「許したわけじゃないからね」

蛍「えっ……?」

氷柱「ホタ姉が乗るなんて、ママが許しても私が許さないわよ」

蛍「…………」

氷柱「そりゃ、立夏をあのままにしても仕方ないし、誰かがあれに乗らなくちゃいけない訳だけど……」

観月「やぁ、今宵はお月さまがとんがっておるの。まるで氷柱姉じゃそっくりじゃ」

 いつの間にかお茶と団子を用意して落ち着いていた観月がほぅっと四歳児とは思えないため息を吐いた。

観月「蛍姉じゃのことは心配おらぬぞ、氷柱姉じゃ」

氷柱「み、観月……あなた……」

 キュウビの狐が守護霊で見えざるものが見えるという謎めいた十五女の訳知った物言いに氷柱だけでなく蛍も驚く。

観月「蛍姉じゃだけでない。海晴姉じゃも、霙姉じゃも、ヒカル姉じゃも、立夏姉じゃも……みんなわらわとキュウビのご加護がついておる。もちろん、氷柱姉じゃもじゃ……心配など何もいらぬぞ」

氷柱「ねぇ、観月……それじゃあ春風姉様はどうして……」

観月「…………」

 今ごろキッチンでホットミルクやお菓子の用意をしている三女の話題で観月は一度お茶をすすった。
 それから、思いつめた表情で呟いていった。

観月「春風姉じゃを襲ったものは……この世ならざる者がもたらしたものじゃ……それを用いてしまったママさまにも責はある。せめて、わらわがきちんと祈祷しておればあれほどのことはおこらなんだ……」

氷柱「観月……」

春風「はーい、みんなクッキーとミルクですよー! 氷柱ちゃんおかえりなさいミッドナイト・パーティーの始まりですよー」

 朗らかな笑顔でダイニングに戻ってきた春風にチビたちがわめき立つ。

 その母性溢れる姿はとても悲惨な事故を受けたとは思えないもので、氷柱はもう何を思えばいいのかわからなくなっていた。


 第二十話 出撃! ゲッターとマジンガー、新たな力 完



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