唯「なんで借金しちゃったの?」 カイジ「……!!!」

2011年09月03日 19:57

唯「なんで借金しちゃったの?」 カイジ「……!!!」

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/05/21(土) 13:49:06.71 ID:dTwIesDE0


ざわ・・・ ざわ・・・ しないための注意点

・けいおん×カイジのクロスssです
・基本的にカイジが主人公です
・福本作品における高度な頭脳戦や
 手に汗握る心理描写はほとんどありません


朝――


その日は朝から太陽が活発で、ジリジリとアスファルトを焼き付ける


そのアスファルトのそばに植えてある木の上では
生き延びるためにこれでもかと鳴き続ける蝉たち


そして彼もまた生き延びるために
泣き続けながら走り続けていた。


「待ちやがれ!! 伊藤カイジ!!」


3人の借金取りが一人の男を追いかける


カイジ「うっ…ぐぅ…はぁはぁ……」


彼は目に涙を浮かべながら懸命に借金取りから振り切ろうとする


カイジ「あんな奴らに… こんな所で捕まるかっ… 死にたくない… 死にたくないんだっ」


「てめぇ、逃げきろうなんて考えるなよ!!」


カイジ「くそっ…… しつこい奴らだっ……!!」


ふと目をやると公園が視界に入る


カイジ「しめたっ!! 公園の茂みに隠れれば奴らを撒けるっ!!」


そそくさと公園の茂みに身を隠す――


「くそっ!! 公園に入っていくとこまでは確認したんだがアイツ何処に行きやがった!?」

「手分けして探すんだ!!」

「はっ!!」



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唯「よし!! これだ!!」


ギターを背負った少女がくじ箱からくじを引く


店員「えっと、チャレンジ賞ですね」


店員は少女にティッシュを渡す


唯「ちぇっ、はずれかぁ……」


肩を落としながら店を後にする


唯「あ~あ、あのコンビニくじの特賞『デラックス1/1羊もふもふぬいぐるみ』」

唯「欲しかったな~ 次こそは当てたいよ」

そう呟きながらコンビニで買ったジュースを傾ける


唯「んぐっ、んぐっ。ぷはぁ。やっぱり今日みたいな暑い日は炭酸だよね~」

唯「炭酸が火照った体に染みる染みるっ……!!」

唯「……ありゃ? もうなくなっちゃった。」

唯「やっぱり暑いとすぐ飲んじゃうな~ えっとゴミ箱はと……」


当たりを見回す――


唯「あっ、あの公園にごみ箱があったはず!! あそこに捨てようっと」


~~~~~~


唯「あったあったゴミ箱。これでよしっと」

カイジ「……まずいっ。声が聞こえた。あいつらが来たかっ……!!」


カイジ慌てるっ――!!


ガサガサ――


唯「んっ? 何だろ? 茂みからガサゴソ音がする。もしかして野良犬かな?」


ひょいと茂みに顔だけ突っ込み覗いてみる――


唯「あっ」

カイジ「いっ!!」



目と目が合う。
見つめあう瞬間――


カイジ「うっ……!! まずいっ!!」

唯「え~と、お兄さん……何やってるの?」

カイジ「おっ、俺は……」

「お嬢さん、ちょっといいかな?」


後ろから声が聞こえ、唯は茂みから首を引っ込める


「この伊藤カイジって男を見なかったか?」


借金取りが唯に写真を見せる


カイジ「まずいっ……!!」


カイジの額にさらに汗が流れる


唯「あっ!! この人!!」

「知っているのか!?」

唯「たった今、会いました!!」

カイジ「終わった……」

「本当か? そいつは何処にいたんだ?」

唯「駅の方ですれ違いました!!」

カイジ「……!!!」

「駅か!! そんなところまで移動してやがったか……くそっ」

「教えてくれてありがとう。お嬢さん」

「急ぐぞ」

「はっ」

借金取りは早々と公園を後にする

唯「お兄さん。もう大丈夫だよ」

カイジが茂みから出てくる

カイジ「……なぜ助けた?」

唯「えっ?」

カイジ「なぜ見知らぬ俺を助けた?」

唯「だって、なんか追われている感じだったし」

唯「助けてあげた方がいいかなぁって」

カイジ「ならない……」

唯「えっ?」

カイジ「俺を助けても一文にもならないぞ」

唯「別にお礼が目当てじゃないよ~」

カイジ(お礼が目当てじゃない? そんな自分に得がないのに助けたというのか!?)

唯「?」

カイジ(いくら可愛い顔をしているからって、そんな天使みたいなことが……)

唯「伊藤カイジさんだっけ? 私平沢唯って言います!! よろしくね!!」

カイジ「あっ…その…よ…よろしく」

唯「照れてるの?」

カイジ「ばっ、馬鹿野郎…そん、そんなわけねーだろ!!!」

唯「あはは、カイジさんって面白いね!!」

カイジ「面白い? おちょくるのもいい加減に……」

唯「カイジさんって言いにくいからカーくんって呼んでいい?」

カイジ「カッ、カー…カー」わなわな

唯「そんなカラスじゃないんだから」

カイジ「お、お前なぁ」


怒りとあきらめが入り混じった何とも奇妙な感情になるカイジ


唯「なんで怖いおじさん達から追われているの?」

カイジ「そ、それは、えっと……」

唯「あ~!!!!!」

カイジ「な、何だよ!?」

唯「もうこんな時間!! 学校に遅れちゃう!!!」

カイジ「それだったら、早く、学校に……」

唯「カーくんも一緒にきなよ!!」

唯「私があのおじさん達に見つからない、とっておきの場所を教えてあげるよ!!」

カイジ「本当か!?」

唯「はら、早くっ!!」

そう言ってカイジの手を引き、共に走る

カイジ「ちょ、また走るのかよ… もう少し休みた……」

唯「遅刻~ 遅刻~!!」


~~~~~~~~~


唯「着いたよ。ここならおじさん達も来れないよ」

カイジ「……ここって」

唯「桜が丘高校だよ!!」ふんす

カイジ「女子高じゃねーか!! こんなところに俺が入れるわけねーだろっ」

唯「だいじょーぶ!! 裏から入れば誰にも気づかれないよ」

カイジ「そんなこと言っても……っておい!!」


カイジの手を引き、裏口に回る


唯「よ~し、とりあえず侵入成功だね」

唯「え~と次は」

カイジ「俺をどこに連れていくつもりだ」

唯「こっちだよ」

カイジ「ちょっ、引っ張るなって!!」

唯「ここなら安全だよ」

カイジ「ここは?」


唯「私たちの部室。さぁどうぞ!!」


中へと通されるカイジ――


唯「でもここだともしかしたら人が来る可能性も考えられるから」

唯「この奥の物置場に隠れているといいよ」

カイジ「この中にか?」

唯「ちょっと狭いかもしれないけどここなら100%安全だよ」

カイジ「わ…わかった。すまないな……」

唯「いいえ~ 困った時はお互い様だよ」

唯「そしたら私はこれから授業があるからもう行くね」

唯「放課後になったら、迎えに来るから」

カイジ「あぁ、わかった」

唯「じゃーねー カーくん!!」

手を振りながら物置場のドアを閉める

カイジ「とりあえず助かった…… 借金取りの奴らはさずがにここまで探しには来ない」

カイジ「時間をおいて夕方頃までここにいれば奴らも今日の捜索は諦めるだろう」

カイジ「危ないところだった。唯ちゃんのおかげで助かったぜ……」

カイジ「おまけに隠れる場所まで提供してくれるとは」

カイジ「天使っているんだな……」


思わぬラッキーが続くカイジだったが
これから起きる不測事態にカイジはまだ気付かないのだった――


カイジが物置場に身を隠してから3時間が経過した


カイジ「はぁ、はぁ、暑い……」

カイジ「何℃あるんだこの部屋……」


それもそのはず
今日はアスファルトを焼き付けるような真夏日――


クーラーもない、閉め切ったこの部屋では
新鮮な風も通らず気温は上昇する一方である


カイジ「40℃はあるんじゃないのか? あつい……暑い」

カイジ「おまけに喉がカラカラだ」

カイジ「朝から走り回って、まだ水分を一滴もとってねぇ」


それに関わらず汗だけは体から出続ける


カイジ「だ…脱水症状で死んじまう……」

カイジ「くそっ、もう我慢できねぇ。ここから出ちまおう」


カイジがドアノブに手をかける


だが――

カイジ「だが、このまま出て大丈夫か?」

カイジ「もし、ここの生徒や先生に見つかったらどうなる?」


『21歳無職 私立女子高に不法侵入!!』


カイジ「なんて見出しで新聞の一面を飾っちまうだろうな……」

カイジ「俺はこの学校の地形を把握していない」

カイジ「誰にも見つからず、外に出るのは難しすぎるか……」

カイジ「くそっ!! 新聞の一面だけは嫌だ」

カイジ「おとなしく、唯ちゃんが帰ってくるまで待つしかないのか……」

カイジ「俺の体力が持てばいいけど……」


それからさらに3時間が経過――


梓「純~ 早くしなよ。次体育で移動だよ」

純「行きたくないよ~ この暑い中、外で走りこみなんて御免だよ」

憂「今日、今年で一番暑い日らしいからね」

純「そうなの!? 余計行く気なくした~」

梓「もう暑いのはみんな同じだよ。我慢しなよ」

純「嫌だ~ 死んじゃう~」

梓「大丈夫、ちゃんと水分補給して自己管理すれば死にはしないよ」

梓「暑さで死ぬなんて大げさすぎ。そんなの甘えだよ」



一方物置部屋では――


カイジ「……し、死ぬっ」

カイジ「ほ、本当にはぁ…はぁ…やばっ…みっ…水」




純「むっ!! 私は甘くなんかないもん。自己管理ぐらい出来るし」

梓「ははっ、わかったわかった。そしたら二人とも行こう」


三人は教室を出ていく――


物置部屋に戻り――


カイジ「唯ちゃん…いつ…戻るんだ?…早…早く……」

カイジ「……」



それからさらに時間は進み一時間後――


ガヤガヤ――

澪「さて、今日も部活を始めようか」

律「その前にお茶の準備だ。ムギ!!」

紬「アイアイさ~」

梓「れ、練習はどうなるんです律先輩?」

律「お茶の後でってことで」

梓「もう……」

澪「それが終わったら練習するからな」

律「わかった、わかった」


三人が部室に入り、それぞれの席に着く――


カイジ「……」

意識が朦朧とする――


カイジ(誰か……誰か来たのか……?)

カイジ(まずいっ……見つかったら……)


梓「唯先輩はどうしたんです?」

澪「掃除当番だよ。もうすぐ来るんじゃないかな?」

紬「あれぇ~?」

律「どうした? ムギ?」

紬「今日のお菓子であるクリームぜんざいの器が見当たらないの」

律「おぉ!! 暑かったからぜんざいはうれしいぜ!!」

澪「器なら確か…」


澪「物 置 部 屋 に あ っ た は ず だ よ」


カイジ(……!!!!!)

カイジ(ヤバい……こっちに来るっ……!!!)

紬「そうだったの。ありがとう澪ちゃん~」


紬が物置部屋のドアノブに手をかける――


カイジ(馬鹿野郎っ……開けるなっ……開けちゃっ……)


カイジ絶体絶命っ――!!


ガチャ――



紬「えっ!?」


ドアを開けた瞬間、カイジが紬に飛びかかる


紬「むぎゅ!!」

カイジ「頼むから、黙ってくれっ!!」


紬の口に手を覆う


律「いっ!?」

梓「む、ムギ先輩」

澪「きっ……」

カイジ「頼むから、みんな黙ってく……」

澪「きゃっあぁあぁああぁあぁぁあああぁ!!!!!!!!!!」


カイジ「ばっ、声を出すなって!!」


水も飲まず、枯れた声でカイジが叫ぶ


律「ムギを離せよ!! 変態!!」

梓「けい、警察を……」

カイジ「だめ、ダメだ。警察なんか呼んだらダメッ―!!」

紬「んー、んー」

カイジ「いいから大人しく……」

澪「嫌―、誰か助けてっ」ガタガタ


目をそらしながらその場にうずくまる澪


カイジ「俺はただ、ここで待てと……」


ガッ――

律「ムギを離せ!!」

カイジに飛びかかる

カイジ「うわっ!!」


カイジはバランスを崩し、ムギを離す


律「大丈夫か!? ムギ!?」

紬「ありがとう、りっちゃん!」

律「ムギ、この変態を押さえるのを手伝ってくれ」

ムギ「わかったわ」


二人はカイジを押し倒し、拘束する


律「梓、早く警察を!!」

梓「はっ、はい!!」


鞄から携帯を取り出す――


カイジ「やめ、やめろーー!!!!!!!」


ガチャ――


唯「みんな~ 遅くなってごめんね~」

唯「って、あれ?」

唯「さすがカーくん!! もうみんなと打ち解けているんだね!!」

カイジ「……女子高生と仲良くするのって命がけなんだな」

律「どゆこと?」

紬「唯ちゃん。この人と知り合いなの?」

梓「だとしてもなぜ物置部屋に?」

唯「へへっ、実はね~」




~~~~~~~~




紬「はいっ、お水」

カイジ「す、すまねぇ」んぐっ、んぐっ

カイジ「はぁ、はぁ、生き返った……」

律「なるほどな、そういうことがあったのか」

梓「唯先輩も、そんな見知らぬ人とあんまり関わっちゃだめですよ!!」

唯「カーくんは面白くて、いい人だから大丈夫だよ!!」

律「唯が言うには大丈夫らしいぜ。だからもっとこっちに来いよ。澪」

澪「うう、本当に?」

唯「本当だよ~」

カイジ「さっきは取り乱して悪かった。反省する」

澪(でもあの人顔に傷あるし、怖いよ。本当に大丈夫かなぁ)

澪(いきなり、ガッと襲ったりしないよね……)

カイジ「みんな悪かったな。もう夕方だし、俺はこの辺で失敬する」

カイジ「唯ちゃん。帰りの案内頼めるか?」

唯「えっ~ もう帰っちゃうの?」

唯「カーくんもみんなと一緒にお茶していこうよ!!」

カイジ「へっ!?」

唯「ねぇ、いいでしょう?」

カイジ「俺は、そんなつもりは……」

唯「ねぇねぇ、むぎちゃん。今日のお菓子は何?」

紬「今日はクリームぜんざいよ」

カイジ「……!!」

カイジ(クリームぜんざいだとっ!? このくそ暑い日にぴったり過ぎるだろっ!!)

カイジ(そんなの卑怯だろっ……!! 卑怯っ……!!)

カイジ(くそっ、くそっ!! 食べたいっ!!)

唯「ねっ、ねっ、一緒に食べようよ!!」

カイジ「……ぐっ、いいのか?」

唯「もちろん!!」

唯「よーし、お茶の準備だよ!! ムギちゃん!!」

梓「お茶の時間は輝きますね。唯先輩」

カイジ(馬鹿野郎っ、唯ちゃんはいつも輝いてるっ!!)


~~~~~~


唯「今日のお茶会はいつもと違うね~」

いつもの席に一人、長髪の顔が尖った男が混じる
その光景は実に奇妙――


カイジだけ圧倒的に浮いている
それはまるで住む世界が違う住人が紛れ込むように――

カイジ(……///)

カイジ「なぁ、俺浮いてないかな?」

唯「大丈夫!! まるで最初からいたかのような馴染み具合だよ!! ねっ、りっちゃん?」

律「えっ、あぁ、そ、そうだなっ」

梓「……」

澪(なんか気まずい……)

カイジ(……なんか変に緊張するな)

カイジ(でも逆に考えればこれはいい経験かも)

カイジ(俺の人生、ほとんど女の子と出会っていないからな)

カイジ(そして、おそらくこれからも……)

カイジ(良く見ると、みんな可愛らしい美女ばっかりだしな)

カイジ(美少女5人組の女子高生とお茶が出来る)

カイジ(どんなに世の男性がうらやむかっ……!!)

カイジ(これを逃したら、こんな経験二度とできないだろう)ニヤニヤ


カイジ、今の状況に優越を覚える
そして一人キモチワルイ笑みをこぼす――


紬「さぁ、みんな~ おまたせ!! クリームぜんざいよ」


皆にぜんざいが行き渡る


カイジ(こっ、これはう、うまそうだぁっ)

律「おー!! いいなぁ」

梓「今日みたいな真夏日にはぴったりですね!!」

澪「暑かったからな。これはおいしそうだ」

唯「いただきまーす!!」

皆が、器に手を取る――

カイジ(うっ…!! ううっ…!!)

カイジ(キンキンに冷えてやがるっ……!!)

カイジ(あっ、ありがてぇっ……!)

スプーンで一口すくい、口に入れる――

カイジ(うわぁ……!!)

カイジ(涙が出るッ……!!)

カイジ(犯罪的だっ……!!)

カイジ(今日一日走り回った後に)

カイジ(窮屈で熱気のこもった物置部屋に7時間っ……!!)

カイジ(汗まみれの中、体力も削られ、熱を帯びたこの体に)

カイジ(冷たくて甘いこのクリームぜんざい……!!)

カイジ(染み込んできやがる… この体にっ……!!)


その手は止めることなくスプーンを口に運び続ける


カイジ(本当にっ… 溶けてしまいそうだっ… ううっ)

カイジ(い、いまなら、やりかねない……)

カイジ(おかわりだってっ……)

唯「カーくんもう食べちゃったの?」

律「早っ!!」

梓「別に急いで食べなくても逃げないのに」

カイジ「……あぁ、確かにそうだな///」

カイジ(女の子の前なのに少し大人げなかったか?)


気づけば、カイジは誰よりも早く且つ最も旨そうに食べていた――


紬「おかわりいかが?」

カイジ「えっ!? いいのか?」

紬「お客さんですもの」

紬「どう?」

カイジ「……///」コクコク


カイジ、黙って首を縦に振る


紬「はいどうぞ~」

カイジ(うまっ、うまっ!!)


カイジ二杯目突入――


~~~~~~~~~


やがて全員が食べ終わり、一息ついていた。

唯「ムギちゃんのお茶はおいしいねぇ」

律「あぁ、癒しだな」

カイジ「確かに……」


カイジ(普段、自分でお茶なんて入れないからな……)

カイジ(これはいい……///)

紬「うふふ、カイジさんも喜んでくれてうれしいわ」

唯「そういえば、カーくん」

カイジ「何だ?」

唯「まだ何で今朝、怖い人たちに追われているか理由を聞いてなかったよね?」

カイジ「……確かにな」

唯「何で追われていたの?」


無邪気に笑顔で問いかける唯


カイジ(あまり言いたくはないが)

カイジ(助けてもらっておいて嘘は流石につけない。いくら俺でも……)

カイジ「あ、あいつらは借金取りなんだ」

カイジ「俺は借金をしているんだよっ……!!」

澪(借金……)

紬(可愛そう……)

律(おいおい、ホントにこの人と関わって大丈夫かぁ)

唯「なんで借金しちゃったの?」

カイジ「……!!!」

カイジ「そ、それは… ギャンブルとかいろいろ……」

梓(……)

唯「いくら借金しているの?」

カイジ「…1000万ぐらい」


答えるたびに声が弱弱しくなるカイジ


唯「逃げるってことは返せないの?」

カイジ「うん……」

唯「何で?」

カイジ「……そ、それは、えっと……」

唯「お仕事は何してるの?」

カイジ「……」

唯「どうしたの?」

カイジ「俺、む、無職だから」

カイジ「返せねぇんだよ……」

紬(……)

澪(……)

律(……)

梓(……)


場の空気がクリームぜんざいの如く、キンキンに冷えていく――


唯「なんで働かないの?」

カイジ「俺は、まだ途中なんだよ」

カイジ「今は悪い状況だけど、最終的には良くなるっ!!」

カイジ「必ず成功するんだ!!」

カイジ「そ、それにただ働くだけじゃ、そこらへんのリーマンと同じ!!」

カイジ「死ぬまで、社会に使われ、大した高揚もなく日々を消費する毎日だっ!!」

カイジ「そんなの生きてるっていわねぇ!!」

カイジ「精神が高揚し、額から汗を流すような日々を送ることこそ」

カイジ「生きるってことじゃねぇのかよ!?」

カイジ「はぁ…はぁ…」

唯「カーくんさぁ」

カイジ「あっ?」

唯「カーくんはどういう時に生きてるって感じるの?」

カイジ「……俺はギャンブルだ」

カイジ「ギャンブルこそ、精神を研ぎ澄まし、血が沸騰するような熱い感情が生まれる」

カイジ「そして勝てた時にはこれ以上のない喜びが待っているんだっ!!」

梓(……)

律(……)

澪(……)

紬(……)

唯「なるほどね~ でもそのような感情なら私たちもなるよ!!」

カイジ「何!?」

カイジ「唯ちゃんもやるのか? ギャンブル?」

唯「違うよ~ 私たちがその感情になるのは軽音部としてライブをしたときかな」

唯「私たちもライブをしてる時は集中して、それこそ全身が沸騰しそうなくらい」

唯「演奏や歌を頑張るんだよ!!」

唯「その時、私たちはとっても生き生きしてるよ!!」

唯「そしてね。ライブが終わった後、お客さんに歓声をもらうの」

唯「それがまた、嬉しいんだ~」

カイジ(馬鹿な、ギャンブル以外にそのような感情になるわけが……)

律「確かに唯の言う通りだよな~」

紬「そうね~」

澪「私たちも演奏や歌には全力だもんな」

カイジ(そ、そうなのかっ)

カイジ(まさかギャンブル以外にもあるとはっ……!!)

唯「でも、カーくんがギャンブルが好きだったらやり続けてもいいんじゃない?」

カイジ「へっ?」

唯「だってさ、ギャンブルやってる時が生きてるって感じるんでしょ?」

唯「その生きてる時間を禁止するのは辛いよね」

唯「私も軽音やめろって言われたら辛いもん」

唯「だからさ、好きなだけギャンブルやってみたら?」

カイジ「……」

唯「借金については私もお金持ちじゃないから」

唯「代わりにお金を払うとかはできないけど」

唯「また、怖いおじさん達に追われたら、この部室に逃げてくればいいよ」

カイジ「そんなこと……」

唯「困った時はお互い様だよ~」

カイジ「な、なんでこんな俺をかばってくれるんだよっ」

唯「なんかね~ カーくんと私って似てる気がするんだ」

唯「私も運動とか勉強も特に出来るわけでもないし、部活も何もやってこなかったんだ」

唯「でも、軽音っていう好きなことを続けていったらこのメンバーにも出会えたし」

唯「どんどん毎日が楽しくなってきてるもん」

唯「だからカーくんもその生きてる時間を大事にするべきだよ!!」

カイジ(まさかギャンブルやってることを肯定してくれる人がいるとは……)

唯「そうだ!! 私たちの演奏聞いていってよ!!」

カイジ「えっ、あっ、あぁ」

唯「よーし!! みんな準備だよ!!」

律「いきなりだな」

唯「早く~ 早く~」

澪「わかった、わかった」

唯「みんな準備できた~? じゃあ始めるよ~」


~~~~~~~~~


唯「どうだった? カーくん?」

カイジ「いや、なんていうか。その、すごかったよ」

カイジ(すごいっ…)

カイジ(俺には、音楽の良し悪しなんてわからないが)

カイジ(彼女らが、一生懸命且つ心から楽しんでいるということは)

カイジ(嫌というほど伝わった)


カイジこれには感服せざるおえない――


カイジ「いいものを見せてもらったよ」

カイジ「本当にみんな今日はありがとな」

律「よーし一応演奏もしたし、今日はこの辺にして帰るかぁ」

唯「ねぇねぇ、帰る時さ、コンビニ寄っていかない?」

律「なんだぁ、唯。まだあのコンビニの特賞狙ってるのかぁ?」

唯「もちろんだよ。りっちゃん!! 絶対この手でもふもふするんだ!!」

律「わかった。わかった。じゃあ行くかぁ」


~~~~~~~~~


店員「こちらチャレンジ賞ですね」

唯「はうっ、またティッシュ……」

律「諦めろって」

梓「300円ごとのお買いもので引換券が1枚もらって、それを5枚集めて」

梓「やっと一回のくじが引ける権利が得られるんですか……」

紬「中々厳しいのね」

澪「しかもティッシュのチャレンジ賞と」

澪「特賞の『デラックス1/1羊もふもふ ぬいぐるみ』の二つの賞しかないとは」

梓「唯先輩、このくじ割に合いませんよ」

梓「特賞のぬいぐるみもたった一つしかないんですよ」

梓「1500円の買い物でやっと一回引けてさらに一つしかない特賞を狙うなんて」

梓「お金の無駄遣いですよ」

唯「あずにゃん、ひど~い」

唯「あの羊ちゃんぬいぐるみに顔を突っ込んでもふもふしたくならないの?」

梓「なりません」

唯「いけず~」

カイジ(あんなでっかいぬいぐるみ邪魔なだけだろ……)

カイジ(コンビニの通路、明らかに封鎖しちゃってるし)

律「唯、もう飽きらめて帰るぞ」

唯「うぅ~」


ありがとうございました――


6人は店を後にする


律「そしたらカイジさんはここでお別れかな」

カイジ「あぁ、そうだな」

紬「お元気で」

梓「唯先輩がご迷惑をおかけしました」

澪「今度学園祭でライブがあるので見に来てください」

唯「カーくん。また遊びに来てね。今日は楽しかったよ!!」

カイジ「あぁ、ありがとう」


唯「じゃーねー!!」


5人と別れるカイジ――


カイジ(良い子たちだったな)

カイジ(ぜんざい御馳走になったし、演奏も聞かせてもらったし)

カイジ(特に唯ちゃんには世話になりっぱなしで……)

カイジ(……本当に、俺って……)

カイジ(……俺は何をやっているんだ)


カイジの目から涙があふれる――


カイジ(いい大人が借金取りから追われて、女子高生に助けられて)

カイジ(ぜんざいとお茶まで頂いて、さらに欲をかいておかわりまでっ……)ポロポロ

カイジ(そのうえ、今はまだ途中だとかむきに力説して)

カイジ(女子高生に今のままでいいよなんて宥められる始末っ……!!)

カイジ(そんな唯ちゃんたちに俺を何をしてやった……?)

カイジ(助けてもらって菓子食って、茶飲んで、演奏聞いただけ)

カイジ(何もしてねぇ、お礼の一つすらもっ……!!)ポロポロ

カイジ(このままじゃ、だめっ!! 何か俺が唯ちゃんたちにしてやれることは……)


腕で涙をぬぐう――

まだ少し視界がぼやけたままある場所を見つける


カイジ(行くしかねぇっ!! 唯ちゃんがダメなら俺がやってやるっ……!!)



カイジの激闘が今幕を挙げる――


いらっしゃいませ――


店員(あれ、あの人さっき女子高生達に紛れ込んでた長髪さん……)

カイジ「おい」

店員「あっ、はい」ビクッ

カイジ「聞きたいことがある」

店員「何でしょう?」

カイジ「何枚だっ……?」

店員「えっ?」

カイジ「今、くじ箱に入っているくじは残り何枚だと聞いているっ……!!」

店員「えっ、そんなこと聞いて……」

カイジ「いいから答えろっ!!」

店員「はっ、はい」

店員「1……2……3……」


店員がくじ箱の中身を確認していく――


店員「の、残り18枚です」

カイジ「18枚か……」


ポケットから財布を取り出す


カイジ(全財産ちょうど1万8000円かぁ)

カイジ(くじにして12回分)

カイジ(……くそっ、あの時パチンコで負けてなければっ)


乱暴に店のかごを取り、次々にお菓子やジュース類を入れていく


カイジ「会計頼む」

店員「ありがとうございます。168円が一点、200円が一点――」

店員「合計で1万8000円になります」

カイジ「ほらよ」

店員「ちょうど1万8000円お預かりします」

店員「レシートとくじの引換券60枚になります」

店員「ではこちらからくじを12枚お引きください」


くじ箱をカイジの前に差し出す――


カイジ「今はいい……」

店員「えっ?」

カイジ「後でまた引かせてもらう」


そう言って両手に買い物袋を持ち、本コーナーに立ち寄る


カイジ(今はまだ出るときじゃねぇ)

カイジ(今は待機っ!!他の人がくじを引くのを待って残りが12枚になった時 )

カイジ(ここで一気に攻める)

カイジ(それまでに特賞が引かれちまったら終わりだが、他に手はねぇ)

カイジ(ここからは戦略もくそもねぇが運否天賦だっ……!!)

カイジ(先にすべて引いて出なかった時のどうしようもなさに比べれば)

カイジ(他の人が引いてくれた方がギャンブルとして潔いっ……!!)

カイジ(さぁ、ここからは長期戦だっ!!)


雑誌を読むふりをしながらレジを見つめ続ける――


客1「くじ1枚お願いします」

店員「はい、どうぞ」

カイジ(引くなッ、引くなッ)ドキドキ

店員「はい、チャレンジ賞ですね」

カイジ(ふう)


こんなやり取りを5時間――


客6「くじをひきたいんですけど」

店員「はいどうぞ」

カイジ(こいつだっ……!!)

カイジ(こいつが引かなければくじの残りは12枚っ……!!)

カイジ(残りのくじ箱の中のくじはすべて俺が引けるっ……!!)

客6「そしたら、6回分お願いします」

店員に30枚の引換券を渡す――

カイジ(……何っ!!)

カイジ(こいつ蓄えてやがったっ……)

カイジ(今まで一人1枚しか引いてこなかったのに)

カイジ(まずいっ…… 一度に6枚なんて引かれたらっ)

カイジ(ほぼ、2分の1の確率で特賞を引かれちまうじゃねーかっ……!!)


カイジにとって不測の事態が起きる――


カイジ(くそっ、くそっ、ふざけるなっ……!!)

カイジ(何のために全財産はたいて60枚も引換券を手に入れたと思ってるんだっ……)

カイジ(引くなっ、絶対にだっ!!!)

客6「え~と、これと、これと、これと……」


次々とくじが引かれ、レジの上に置かれる


カイジ(はずれろっ、はずれろっ!!)


持っている雑誌が強く握られ、しわになってしまうほどの
緊張ぶり――


店員「じゃあくじを開けてみますね」


ぺりっ――


店員「チャレンジ賞ですね」


ペりっ――

ペりっ――

ペりっ――

ペりっ――


店員「今のところ、全部チャレンジ賞です」

店員6「これが最後っ!!」


最後のくじを店員に渡す


カイジ(頼む、頼む、引くなっ!!)

カイジ(これさえ外れれば俺の勝ち!! 勝利っ!!)


額に今日にして何度流れたかわからない汗がまた流れる


ぺりっ――


カイジ(ごくっ……)

店員「残念。チャレンジ賞です」

カイジ(やっ、やったぁ)

カイジ(勝った!! 勝ったぞ!!)

客6「くそっ、全部チャレンジ賞かよっ」

客6「もう、金ないしなぁ。ちくしょうっ」


客6が渋々店を出る


と同時にカイジ出撃――
レジの前に移動

カイジ「おいっ」

店員「はい」

カイジ「俺もくじを引かせてもらう」

店員「はい、どうぞ」

カイジ「悪いが行かせてもらうぜっ……!!」

店員「えっ!?」

カイジ「ここからは遊びじゃねぇ」

カイジ「引かせてもらうぜっ……!! 限界を超えてっ……!!」


くじの残りに合わせて、35枚の引換券をレジに叩きつける


カイジ「残り7枚全て、底が見えるまでかっさらうっ!!」


くじ箱に手を突っ込み全てのくじをつかむ


カイジ「さぁ、開けろっ!!」

店員「はっ、はい」

カイジ(待ってろ唯ちゃんっ!! もうすぐ手に入るからな)

ぺりっ――

ぺりっ――

ぺりっ――

ぺりっ――

ぺりっ――

店員「今のところ、全部チャレンジ賞です」

カイジ(残りは二枚っ!! どちらかが特賞……)

店員「いきますよ」

ぺりっ――

カイジ「けっ、チャレンジ賞かぁ」

カイジ「結局最後まで粘りやがって」

店員「最後くじ開けますね」

カイジ(あの、でかいぬいぐるみどうやって持って帰るかな……)

ペりっ――

店員「あっ!!」




店員「残念。チ ャ レ ン ジ 賞 で す ね」




カイジ「……」

カイジ「はっ……!?」

店員「また挑戦してくださいね」

カイジ「いや、いや特賞だろ?」

店員「チャレンジ賞です。ほら」


くじを開いて見せる


カイジ「えっ、なっ、何で? 」

カイジ「くじ箱の中身すべて引いたのに特賞がないってどういうことだっ!?」

店員「いや、継ぎ足す暇なくお客さん一度に7枚も引いちゃうんですもの。」

カイジ「継ぎ足す?」


そう言って店員はバックヤードから新たにくじを持ってきた――


店員「オーナーからくじが少なくなってきたら足してくれって言われていたのに……」


そう言いながら空箱になったくじ箱にくじを継ぎ足していく


カイジ「そっ、そんな…馬鹿な…」

カイジ「あ、あり得ないっ!!」ぐにゃあぁあぁ


店員「お客さん、顔が歪んでますよ」

カイジ「あ…あわ…あわ」


カイジ、言葉も出ない――


店員「見たところ、まだ引換券を持っているみたいですけど」

店員「続けますか?」

カイジ「くっ…あと5回で特賞を引けっていうのかっ……!!」

カイジ「いや……」

カイジ「これくらいの逆境… 俺は乗り越えてきた」

カイジ「それも一度だけではなく、何度もっ!!」

カイジ「俺は引けるっ…!!」

カイジ「どうせなら最後の灯が消えるまで足掻いてやるよ」

カイジ「蝋燭だって消える直前こそ輝くんだっ!!」

店員(目つきが変わった!?)


カイジ――
残り5枚に全てを懸けるっ……!!

狙うは特賞『デラックス1/1羊もふもふぬいぐるみ』!!!!!!!


~~~~~~~~~~~


店員「そしたら全部で12枚分のティッシュになります」

店員「はい、どうぞ」

カイジ「……」ショボーン

店員「ありがとうございましたー」



カイジ落胆し、店を出る――



カイジ(くそっ、結局12枚すべてチャレンジ賞のティッシュ……)

カイジ(あれから5枚引いてもまだ30枚近くあった……)

カイジ(くそっ!! こんなコンビニくじでも負け組かよっ!!)

カイジ(俺は、俺は結局何もできねぇ男なのかよっ)

カイジ「くそぉぉおぉおぉぉ」


雄叫びを上げながらコンビニのゴミ箱を蹴り飛ばす


ガッシャーン――!!


ゴミ箱がひっくり返り一面にごみが広がる


カイジ「くそっ、くそっ!!」

店員「ちょっとお客さんやめてください」


店員が慌てて、取り押さえる


店員「ちゃんと散らかったゴミを片付けてから帰ってくださいよ」


カイジ(……)


カイジ渋々ゴミを拾おうとする、がっ

その時、カイジに電流が走るっ――!!


カイジ「こ、これって……」

カイジ「そ、そうか必ずしもみんなが……」

カイジ「ってことは……」


カイジに圧倒的閃きっ――!!

カイジ「そうだ!! これなら急げば、まだ間に合うっ」

カイジ「他の人にぬいぐるみを取られる前になるべく早くっ!!」


両手を買い物袋でいっぱいにし、彼は夜の街へと走り出した――


~~~~~~~


それからかれこれ5時間が経過し、太陽が徐々に顔をのぞかせ始めていた


店員「いらっしゃいませー」

カイジ「はぁ…はぁ…」

店員「???」

カイジ「よかった。まだあった……」


羊ぬいぐるみは他の人にまだとられず相変わらず通路をふさいでいた。


カイジ「くじを引かせてくれ」

店員「あっ、はい」

店員(なんだ? この人朝早くから……)


カイジがポケットから次々と引換券を出していく


店員「えっ!? えっ!!」


店員も唖然とする
なんとその数150枚――!!


店員「ど、どうしたんですかっ!! この数はっ!!」


カイジが冷静にゆったりとした口調で話す


カイジ「……割に合わないんだよ」

店員「えっ!?」

カイジ「このくじは特賞とチャレンジ賞しかない」

カイジ「1500円の買い物でわざわざティッシュを狙うやつはいない」

カイジ「となれば狙いは特賞」

カイジ「だが、全ての人がこの特賞に魅力を持つとは限らない」

カイジ「さらに引換券は一枚ではなく、5枚集めてやっと一回くじをひける」

カイジ「引換券一枚でくじが引けるなら、興味のない人でもやってみるかという」

カイジ「感情が湧くかもしれないが、興味ない人に5枚集めるのはきつすぎる」

カイジ「つまり、よっぽど特賞が欲しい人以外はこのくじをやるには割に合わないんだよ」

カイジ「となれば、興味のない人にとってその引換券は価値がないよな」

店員「……」

カイジ「価値を感じない人にとって引換券は同時に渡されるレシートと同じようなもの」

カイジ「……捨てるんだよ」

カイジ「興味がなければレシートと一緒に引換券もっ!!」

店員「……つまりあちこちのコンビニのゴミ箱から券を拾ってきたということですか」

カイジ「そうさ、一晩中かけてだ」

カイジ「多くの人が大抵300円以上の買い物をするから予想より早く集まったけどな」

カイジ「さぁ、引かせてもらうぜ!!」

店員「そ、そんな拾った引換券なんて、ダメですよ」

カイジ「ダメじゃねぇ。引換券は引換券だ。引かせろよっ!!」

店員「そ、そんなぁ」

カイジ「どうなんだよっ!!? あっ!? はっきりしろよっ!!」

店員「わ、わかりました」


くじ箱を差し出す――


カイジ「この瞬間を待っていたっ……!!」


カイジはさっそうと手を伸ばす――
ついに届いた希望の光


そしてつかみ取るっ――!!


~~~~~~~~


カイジ「じゃあ、このティッシュ21個と羊のぬいぐるみは貰っていくからな」

店員「はっ、はい。ありがとうございました」


カイジ22枚目にしてやっとぬいぐるみを手に入れ、店を出る


カイジ「重いぬいぐるみだなぁ。はぁ、はぁ……」

カイジ「でも急がねぇと…… 生徒や先生が来る前に……」


カイジは桜が丘高校の前に来ていた――


カイジ「確か、こっちに裏口が……」

カイジ「まだ早朝で人がいなくて助かった」


ガチャッ――
なんとか部室にたどり着く――


カイジ「よし、これでOKだ」

カイジ「つ、疲れた…… 昨日から寝てないし、体力が限界だ」

カイジ「それにしても俺の体力ってけっこう持つんだな」

カイジ「体力仕事もいけるかも」

カイジ「……下らねぇこと言ってないで帰るか」


最後に部室を見渡す――


カイジ「ありがとうな、唯ちゃん。昨日の事は絶対に忘れねぇよ」

カイジ「たとえ地の獄に行ったとしてもな」

カイジ「悪いがこれぐらいのことしか出来ない俺を許してほしい……」

カイジ「もし、また会えるなら…今度は貸し借り無しで会おうな」

バタン―
カイジは部室を後にする


~~~~~~~~


朝――

唯「えぇ~!! 特賞なくなちゃったの!?」

店員「すいません。今日の早朝で出ちゃいまして」

唯「そ、そんなぁ… あの羊ちゃんのために一万円近く使ったのに」

店員「気の毒に……」

唯「うぅ…うっ…わぁ…うわぁぁぁん」ポロポロ

店員「特別にチャレンジ賞のティッシュを差し上げますから」

店員「これで涙を拭いてください」

唯「いいよぉぉ…いっ…いっぱいもってるしぃぃ」ポロポロ

店員「……」


学校っ――!!


唯「みおちゃぁあん、りっちゃぁああん、むぎちゃああぁあん、聞いてよぉおお」ポロポロ

律「唯っ!! ちょっと部室に来てくれっ!!」

唯の手を引っ張る――

唯「えっ、なに、何なのぉ」ポロポロ

澪「泣いてる場合じゃないんだ」

紬「大変なことになってるのよ」

唯「ひっく、ひっく、ど、どういうことぉ?」


3人に連れられ、部室のドアを開ける
中には梓が控えていた


梓「唯先輩、こ、これ見てください」

唯「えっ、これって」


唯の涙が止まる――



そこにはお菓子やジュースが入った大袋4つ分が机に置かれ
そして唯の席の隣にはあの特賞『デラックス1/1羊もふもふ ぬいぐるみ』が置かれていた



唯「あっ、あぁ」


思わず息をのむ――

唯「羊ちゃんだぁぁぁぁぁぁああぁぁ!!!」


思わずぬいぐるみに飛びつく唯

梓「これってやはりプレゼントってことですかね?」

澪「た、たぶん」

紬「だとしたらやっぱり……」

律「唯がこのぬいぐるみを欲しがっていたことを知っているのは」

律「私たち4人ともう一人だけ……」

梓「私ちょっとあの人のこと見直しました」

澪「確かに、見た目は怖くて危険な感じがしたけど」

紬「やっぱり唯ちゃんの言っていた通りだったわね」


唯「だから言ったでしょ!?」







羊に抱きつき、もふもふさせながら言う――








唯「カーくんは良い人だって♪」




終わり





110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/05/23(月) 03:53:55.30 ID:kTeQGIt70
以上で終わりです

見てくださった方、コメントくださった方
本当にありがとうございました


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