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唯「だいにじ!」なのは「スーパー!」夕映「ロボット」シャロ「大戦です!」  第二十三話 接近! 信頼への限界時間

2011年09月26日 19:52

唯「だいにじ!」なのは「スーパー!」夕映「ロボット」シャロ「大戦です!」

110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/05/18(水) 17:06:45.78 ID:1b1hdwhT0

 第二十三話

 ジオン軍ザンジバル級機動巡洋艦ラグナレク

 ジャブロー陥落に失敗したジオン軍の一部は地球を離脱してソロモン、ア・バオア・クー、本国など、各本部長がいる区域へ撤退している。
 その中で〝赤い彗星〟のシャナは独立部隊としての地位を利用して独自にホワイトベースを追っていた。

ララァ「まあ、それで中尉はガルマ様に計算のヒントを差し上げたのですね」

 専用の個室でソファに腰掛けてララァは楽しげに話しかけている。
 その視線の先には誰もいない。
 しかし、ララァ・スンの目は確かに何かを見つめて笑い声をあげている。

ララァ「ガルマ様はプライドの高いお方でしょう? 中尉はガルマ様とどのようにお話ししてらしたのですか――あら?」

シャナ「ララァ」

 不意に瞳が小さくなるララァはほぞのくすぐったさに視線を下ろした。
 やわらかな香りを抱いていたシャナはララァのももから上半身を起こして緑深い目を見つめる。

シャナ「また話をしていたのね」

ララァ「はい、大佐」

シャナ「記憶なら私も持っているわ。わざわざ本人に訊くこともないでしょ」

ララァ「それでも、感じ方は人によって異なりますわ」

シャナ「どちらにしても、もう少し静かに話してほしいわ。まだ二十分も時間が余ってる」

 ソファから立ち上がってバスローブを脱ぐ。
 小柄だが、均整の取れた肢体にララァの薄い手が乗った。

ララァ「何かお飲みになりますか?」

シャナ「自分で取るからいい」

 備え付けの冷蔵庫から瓶ジュースを取り出す。
 ザンジバルにも後付だが重力ブロックが設置されている。
 実際には、地球の重力に適応した身体が宇宙に酔わないための措置だが、無重力用のチューブ食事が嫌いなシャナは居住区では常に作動させていた。

ララァ「大佐、近づいています」

シャナ「……本当に?」

 休憩時間はあと十数分残っている。
 木馬との接触はそれからまた十六分先のはずであるが、ララァは確かに感じ取っているようだった。

 シャナはすぐに艦橋と回線を繋いで戦闘態勢を命令した。


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 ホワイトベース 居住ブロック

アリサ「――ッ! シャアが来る」

 すずかの部屋の前で体育座りで眠っていたアリサが急に起き上がった。

なのは「シャア?」

 起きていたなのはが首を傾げると、アリサは慌てて口を手で塞いだ。

アリサ「えっ? あっ、いや、間違えっ! 間違えた! シャナよ! あのいけすかない赤い彗星が来るのよ!」

なのは「へっ、へっ? どうして?」

アリサ「な、なんとなく……」

なのは「それよりアリサちゃん、Gパーツの整備の時間だよ」

アリサ「あ、ホントだわ。それじゃあ、行ってくるからね、すずか」

 インターフォンを通して言うと、中からはハロの声が返ってきた。
 あれから閉じこもったかと思うと、泣きつかれて寝てしまったようだ。

 アリサとなのはは居住ブロックを走っていく。
 途中からムービング・グリップで移動する。
 重力があるのはベッドルームや食堂、レクリエーションルームなどがある居住ブロックだけだ。

アムロ「あっ、アリサさん、お疲れ様です」

アリサ「うん、Gパーツは?」

アムロ「良好です。あの、すずかさんは……?」

 マチルダが籍に入ったことを機に補給部隊は編成が変わった。
 そこにいたアムロ・レイは整備の腕を見込まれてホワイトベースの勤務となっている。
 彼はガンダムの専任ということもあり、何かとすずかを気にかけているようだった。

アリサ「今は眠っちゃってるだけよ。起きてきたらきっと出てくるわ」

アムロ「そ、そうですか」

 アリサはGアーマーに乗り込んだ。
 この手のことは当人同士でやらせるべきだと考えているし、なによりもアリサはすずかの乗らなくなったガンダムのことで頭をいっぱいにしなければならないのだ。

 あの黒翼の機体の炎でほとんどの機体は装甲が剥離してしまい、大々的な修理が必要となっているのだ。
 ガンダムも損傷が激しいが、Gパーツを使えば重爆撃機として使用できる。
 GアーマーはGパーツを全て使ってガンダムを覆い、露出している腰部も盾を備え付けることで強度を増す。

アリサ「あっちには負けてられないわね」

 隣りのスペースでは、コア・ファイターに大型ブースターを装着したコア・ブースターが待機している。
 こちらには、二時間前に喧嘩した氷坂アレイが乗る予定だ。 


 ホワイトベース ブリッジ

シノン「修理は順調なようね」

ミユリ「航行もね。作戦時間にはギリギリになっちゃうけど」

シノン「そこはレビル将軍に取り成してもらいましょう」

 一貫校からの親友と相槌を打ち合いながらシノンは自分の椅子<キャプテン・シート>に座った。
 便宜上、ホワイトベースは機動兵器の運用を前提に設計された強襲揚陸艦だが、第一艦橋は必要以上に広い。
 設置されている機材は常時十人程度で動かせる配備だが、余剰電源差込口から推測するに、三十人以上での運用も考えられているはずだ。
 艦橋でそれだけの人員を必要とするのは艦隊旗艦の規模になる。

 だが〝火力は戦艦以下、速力は高速艇以下、物資輸送能力は輸送機以下〟と全領域型万能艦と名乗らざるを得なかったホワイトベースの使い道は前線司令塔以外に無いのかもしれない。

シノン「あるいは、単艦任務かしらね……」

ミユリ「どうしたの、シノン?」

 暗黙的に艦長の独り言に反応していいのは、その副官程度である。
 宇宙が、人の独り言を増やしたからだ。

シノン「どうして私が、艦長任務を続けることになったのかしらね」

 副官など就いていないシノンの話し相手をするのは中学校からの親友である秋里ミユリの役割になっている。

シノン「昇進したからって、私は成り行きで乗り続けていただけなのに」

ミユリ「でも、あの子たちをまとめられるなんてシノンくらいしかいないんじゃないかな」

シノン「あはは……まあ、現場は海晴さんに任せてるしね……ミユリ?」

 自分のシートを下げてシノンの近くに来ていた主任観測員の気配がなくなって振り返る。

シノン「どうしたの、ミユリ?」

ミユリ「うん……ペガサスが何か見つけたみたい」

 〝ペガサス〟はメインコンピューターにつけられた名称<あだ名>だ。
 とはいえ、連邦内にもペガサス級という艦級の分類はあるし、どちらが先に名称されたのかは技術屋以外には謎である。

 ミユリの主な任務はペガサスが観測している宇宙空間で敵を見つけることである。
 実際には、敵を見つけて報告するところまでペガサス自身がやってくれるので、ミユリの仕事はそれをシノンに口頭で伝えるだけである。

ミユリ「うん……ジオンのザンジバル級。まっすぐこっちに向かってる」

シノン「さっきの戦闘の痕跡を見つけられたのかもしれないわね」

 小さく舌打ちをした。
 あるいはもっと早くから追跡されていたのかもしれない。
 このタイミングを取られたのは、おそらく敵艦がこちらを墜とせると踏んだからだろう。

シノン「時間はどれくらいある?」

ミユリ「あと二十分で射程内に入る」

シノン「第一種戦闘配置。格納庫と回線を繋いで」

ミユリ「了解。モニタに映します」

 訓練どおりのしっかりした口調で会話する。
 まだ若い親友同士だからこそ、公私のケジメをつけようと約束した。

 本来、通信はアレイの役目だが、今は代わりにミユリが担当している。

海晴『はいは~い。こちら格納庫の海晴中尉で~す』

 頭上のメインモニタには、正規軍でありながら公私ぐっちゃぐちゃな人が首に角度をつけた敬礼をしていた。


 ホワイトベース 格納庫

シノン『使える機体はどれだけありますか?』

海晴「う~ん、万全なのはダイアナンA、コア・ブースター、Gアーマー、D-3の四機になのはちゃんってとこかしらね」

律「コラーッ! ボスボロットだって出られるぜー!」

澪「数に入れんなそんなもん!」

シノン『一応、五機ということにしましょう。ホワイトベースはこのままE4地点の暗礁空域にまぎれるように前進して、その後に回頭して敵艦を迎え撃ちます』

海晴「出せる子は全部出しちゃって、回頭の間の防御を任せるってことでいいかしら?」

シノン『はい。接触まであと十六分と見ましょう。修理はその間に終わるものを最優先して、出せるようになったら出してください。それ以外の人は機銃をお願いします』

海晴「了解よん。ところで、すずかちゃんはどうするの?」

 まじめくさった顔をしてモニタ越しに向かい合っていた香月艦長は海晴が使っていた以上の営業スマイルをした。

シノン『あの子にも、やってもらうことはありますので、A5は空けておいてください』

海晴「はぁい、了解よ」

 一瞬だけ見せた真剣な目つきは隊長としての海晴を信頼させてくれるものだということをシノンは学んでいた。

シノン『それでは、よろしくお願いします』

 それで通信モニタとの接続は切れた。
 警鐘がなってからすぐに集まってきた少女たちに振り返ると、海晴は唇の裏側を舐めてしまう。

海晴(本当に良い子たちね)

 不安と使命感がないまぜになって緊張した表情に海晴はパンパンと手を叩いた。

海晴「みんな、ダンスのお相手はジオンのザンジバルさんよ。出られない人は機銃についてもらうわ」

唯「きじゅうって、ホワイトベースからばばばば~って撃つやつ?」

 銃座から撃つ真似をした唯に海晴はお天気お姉さん時代に見せていた正解ポーズで応える。

海晴「そうよ。使い方は銃座ごとにマニュアルが置いてあるからよく読んでね」

アレイ「アタシらはホワイトベースの直掩でいいのかい?」

海晴「えぇ、ホワイトベースが回頭するまでの時間稼ぎをお願いしますね」

アレイ「了解した」

 一七二センチと隊員の中でも頭一つ抜け出ているアレイの敬礼は無重力帯でもぴたりと止まって見える。
 その彼女に刺すように注がれている視線はまろぶような金髪をヘルメットにしまって、Gアーマーに向かっていった。


 宇宙 ジオン軍ザンジバル周辺

シャナ「頼むから、出てこないでよ……」

 敵がいると思われる宙域を睨みつけて呟くと、ザンジバルからの発進の合図を見る。
 ザンジバルからザクの頭をひし形に広げて二つのカニのようなハサミをつけた兵器が出てきた。

シャナ「ビグロ……ね……」

アラストール『モビルアーマーだな。使用は限定的な条件下だが、出力、性能はモビルスーツ以上だ』

 ビグロに遅れてドムを宇宙戦仕様にしたリック・ドムが二機出てくる。

シャナ「各機、全速で木馬に接近。ザンジバルは五秒後からビーム砲撃開始」

ザンジバル兵『了解!』

シャナ「攻撃開始! 逃がしちゃダメよ!」

 赤い彗星、ビグロ、リック・ドム二機が一斉に発進する。
 その後ろから黄色のビーム砲が間を抜いていってデブリを蒸発させる。

 露わになった戦艦と周囲に浮かぶ機影にシャナは勝利を確信した。

シャナ「やはり木馬は相当に疲弊しているわね」

 ドシューッ! ミサイルが一斉に発射されるが、シャナはひらりとかわして先頭にいる二つの戦闘機に突っ込んでいく。

シャナ「まずはお前からよ!」

アレイ「くっ!」

 ひゅおっ! 肉迫し、刀を頭上から振り下ろすが、その間に桜色の光りが割り込む。

なのは「シャナちゃん!」

 ガキィッ! 展開される魔法障壁が砕けて、シャナは舌打ちした。

シャナ「またお前! いつも邪魔ばっかりして!」

アレイ「――ふっ!」

 ぐぉっ――! 通り越していく寸前にアレイは機体を捻らせ、翼をシャナにぶつけようとする。

シャナ「こいつ!」

 逃げていくコア・ブースターを捕まえようとするが、目前で二つの光球がちらついて前へ進めなかった。

シャナ「お前……そんなに死にたいか!」

なのは「そんな考え方間違ってるよ! だから――きゃっ!」

レイジングハート『Flash move.』

シャナ「うるさいうるさいうるさい! お前はしつこいんだよ! ここで墜ちろ!」

 ひゅん、びゅおっ! 斬撃と回避――紅の刃と桜色の翼がかすめ合って、なのはは破壊されたボールの陰に隠れる。

シャナ「逃げたつもりか!」

 ごぉっ! 刀身が炎を纏い、作業用ポッドにキャノン砲とワイヤーをつけただけのような丸い塊りを斬りつけた。

なのは「――ッ!」

レイジングハート『Protection.』

 ドゴォンッ! 作業用ポッドが爆発し、煽られたなのはが吹き飛んでいく。

なのは「きゃぁぁーっ!」

シャナ「はぁぁーっ!」

 ぎゅぉっ――! まるで瞬間移動でもしたかのようにシャナはなのはの背中に現れた。

 バリンッ! またもやレイジングハートが展開した障壁で刃を逸らされてしまう。

 しかし、フレイムヘイズと呼ばれた女がこれほどの優位に立って同じ失態を繰りかえすはずもないのだ。

シャナ「せぇぇい!」

 ひゅっ――炎の力場を踏む右足を軸にシャナは左の足を白の衣装に引き寄せていった。

なのは「っあ!」

 どがっ! 秀麗なミドルキックをまともに受けてなのはは呻き、また無重力の海に沈んでいく。

シャナ「これで……!」

 柄を逆手に握りなおし、シャナは腕を振りかぶる。

シャナ「終わりよ!」

 ぎゅんっ! 投槍のように投げられた贄殿遮那がバリアジャケットの脇を貫き、その奥で漂っていたマゼラン級戦艦の残骸に磔にした。

なのは「うくっ……」

シャナ「いいザマね。終わらせてあげるから往生なさい!」

なのは「させない! レイジングハート!」

レイジングハート『Alllight my muster.』

 杖の赤い宝石が光りの文字を映し出した。

 鋭敏なシャナの勘が突発的に上へ跳ばせなければ、彼女の背中にはディバイン・シューターが直撃していただろう。

シャナ「いつの間に――!」

 握り直した贄殿遮那で光球を叩き落しながら、シャナはいつ相手がそれを飛ばしたのか、考え――

シャナ「さっきの爆発の隙ね……やってくれるわね」

 高機動試験型ザクの頭に降りると、魔導師は既に収束リングを発動させていた。

なのは「ディバイーン……」

レイジングハート『Divine buster.』

なのは「バスターッ!」

シャナ「ふっ!」

 ドシューッ! 収束砲がザクの頭を消し飛ばし、炎髪が揺れて落下していく。

シャナ「たぁぁーっ!」

なのは「えぇーいっ!」

 ギャリィィィィィッ!! レイジングハートの柄と贄殿遮那の鍔が火花を散らした。

 ジオン軍で初めて実戦投入となるモビルアーマー・ビグロのパイロットは大尉のトクワンである。

トクワン「こいつなら、連邦の奴らが相手でもやれるぜ」

 ビグロは腕をクローアームに換え、クチバシに似た先端にメガ粒子砲を備えている。

トクワン「ちっ、モビルスーツじゃねぇのか」

 Gアーマーと接近してトクワンは舌打ちした。
 ただ、Gアーマーはガンダムを内部に搭載しての重戦闘機形態である。

アリサ「なんでこうジオンってのはビックリドッキリメカばっかり作るのかしらね!」

 ビシューン! ビシューッ! 射程に捉えるやすぐにアリサはビームキャノンを撃ちまくった。

トクワン「へへっ、このビグロのスピードをよけられるか!」

 ビグロは熱核エンジンを二基採用し、戦闘機以上の推力を発揮する。

 ブォビューッ! Gアーマーのビームをかいくぐり、ビグロがメガ粒子砲を返す。

アリサ「くぉんの! こっちだってやられっぱなしじゃないのよ!」

 ドシュドシュゥッ! Aパーツの機首が折れ曲がり、大型ミサイルが二基射出される。

トクワン「当たるかよ、それっ!」

アリサ「きゃぁっ!」

 ガシッ! ミサイルもよけたビグロがクローアームをGアーマーのビームキャノンにひっかけた。

トクワン「このままパワーで気絶させてやるぜ!」

アリサ「ああーっ!」

 仰向けで引きずられる形になったアリサはビグロの強力なGを身体に浴びて、目の前が暗くなっていく。

アリサ「す、すずか……うっ」

 ドガァッ! 胴体下部がデブリにぶつかり、アリサは気絶してしまった。

トクワン「へっ、まずはこいつをザンジバルに連れてってやるぜ」

 動かなくなったGアーマーを二本のクローアームでしっかりと持ち上げたビグロだが、すぐに新しい反応に備えなければならなかった。

澪「スカーレットビーム!」

 スラスターモジュールを背負ったダイアナンAがスケートリンクを滑るようにビグロに迫り、赤いビームで牽制すると拳を固めて殴りかかる。

澪「倒れろーっ!」

 ドドォンッ! ダイアナンAのパンチを受けてビグロが離れていく。

トクワン「ちっ!」

澪「無事か、アリサちゃん!?」

 接触回線で呼びかけるが、反応がない。
 サブモニターを介してアリサが気絶しているだけだと確認して、澪はひとまず安堵の息を吐いた。

澪「ホワイトベース! アリサちゃんを収容するぞ」

 了解の返信が来ると、すぐに澪はGアーマーを抱きかかえてデブリから跳ぶ。

トクワン「そうはさせるかよ!」

 体勢を立て直したビグロがダイアナンAを狙って突進してくる。

シノン「澪さんの帰還を援護してください」

唯「よいしょぉ!」

 ババッ! ババババッ! ホワイトベースから機銃が一斉にビグロへ集中する。

トクワン「クソッ、ドムは援護に回れないのか!」

 通信で怒鳴るが、返事がない。

トクワン「クソォ、ジャミングされているのか!」

 二機のリック・ドムはビグロから離れたところで、ドラグナー3型と戦っているのだ。

ドム兵A「このぉ!」

スズ「射撃ってのは、正確にやるから意味があるの!」

 ガガガガガガガガッ! ジャイアント・バズーカを降下してよけたスズは敵機の股下にハンドレールガンを連射していった。

ドム兵B「こいつ!」

 姿勢を崩されてさかさまになった味方機の背後から滑るように横へ出てきた別のリック・ドムがヒートサーベルを振り下ろす。

スズ「マギー、冷チャフ!」

 相対距離を詰められないように独楽のように回りながらスズは会話型コンピュータに命令を下した。

 ドラグナー3型の特徴的なレドーム型頭部から白い粒子が散布されていく。

ドム兵B「なんだ!? えぇい!」

 ガツン! 粒子に構わずヒートホークを振り下ろしたが、受け止めたドラグナー3型の前腕を引き裂いただけであった。

 D-3がばらまいたのは簡単に言えば粉状にした接着剤である。
 モビルスーツに付着すると熱で一気に溶け、それ以上に冷たい宇宙の冷気で再凝固する。
 そしてすぐに剥がれてなくなるが、D-3が苦手な接近戦で0.3秒程度のタイムラグを発生させることができるのだ。

スズ「そこっ!」

 ガガガガッ! 至近まで寄ってきたリック・ドムのカメラアイに弾丸をぶち込む。

 ビューンッ! 後方からのメガ粒子砲がドラグナー3型をかすめていった。

スズ「ザンジバルが来たのね!」

 二機のリック・ドムはビームが飛んできた方向へ後退していく。

 スズもホワイトベースへ退避していった。

ミユリ「敵艦接近! 距離、230!」

シノン「本格的な艦対戦は始めてね……まずはアリサちゃんの収容を最優先にして」

 簡単な指示だけを出すとシノンは艦長席から降りて、ブリッジを出て行く。

ミユリ「艦長、どこに行くの!?」

シノン「戦況はなるべく不利なように、それでいて派手に運んでね」

ミユリ「わ、わかった、了解!」

 ホワイトベースには既にスズを追いかけて二機のリック・ドムが来ている。

スズ「律先輩、お願いします!」

律「よぉーし、まっかせろーっ!」

 カタパルトにドラグナー3型が着地し、その隣りにボスボロットが立っている。

律「よっしゃー! ゲッターチームに借りたマシンガンの出番だぜー!」

 馬鹿でかいノーマルスーツのようなものを着ているボスボロットが持ち上げたのは、ゲッタードラゴンが使っている巨大な機関砲だった。
律「バァァァァルカンッ!」

 ガガガガガガッ! 弾丸の雨がリック・ドムに襲い掛かる。

ドム兵A「う、うぉぉぉっ!」

ドム兵B「そ、そんなっ!」

 機械獣には歯が立たなかった武器だが、モビルスーツ相手なら不足はなかった。
 瞬く間に二機のリック・ドムは胴体を残してばらばらになった。

律「へっへーんだ! アタシだってやるときゃやるんだぜー!」」

 一方で、なのはとシャナの戦闘は廃艦の中に舞台を移していた。

シャナ「そこだ!」

 シュバッ! 贄殿遮那がドアを切り裂き、溶け落ちる隙間から白いバリアジャケットが飛び出す。

レイジングハート『Divine shouter.』

なのは「シュートッ!」

 ドドォンッ! シャナのいた場所で光球が爆発した。

 シャナは跳び、なのはが降りて、射線を平行にする。

なのは「いくよ!」

レイジングハート『Protection.』

 魔法障壁を盾にしてなのはがシャナへ突っ込んでいく。

シャナ「あまいっ!」

 手首を立てて、柄頭をぶつけ、シャナは肩からぶつかった。

なのは「きゃっ!」

シャナ「とどめ!」

 床を蹴って加速し、贄殿遮那をぶつけるが、寸前にくるりと回ったレイジングハートに阻まれてしまう。

シャナ「こんのぉぉぉぉ!」

なのは「くぅぅぅぅ!」

 二人は鍔迫り合い、視線で火花を散らした。

シャナ「お前がいなければジャブローは落とせたのに!」

なのは「戦争なんて方法は間違ってるから私は……!」

シャナ「なら今すぐジオンと交渉のテーブルを用意してみなさいよ!」

なのは「レビル将軍が動いているの! 和平の交渉をするために!」

シャナ「そしてギガノスを潰すのか! ジオンも同じように滅ぼすのだろ!」

なのは「それは……!」

シャナ「ギガノスの勧告を無視しているのは誰だ! 一方的に弾圧をしているのはどっちか! 答えてみろ!」

 返せる言葉がなのはには浮かばなかった。
 彼女の言うことが真実であることはなのはだって理解しているのだ。

なのは「だからって……! 戦争を起こしてコロニーを落としていいはずなんかないんだよ!」

レイジングハート『Lestrict rock.』

シャナ「!?」

 バシッ! シャナの両手両足が魔法の輪で拘束された。

シャナ「くっ!」

 身動きが取れなくなって身体を震わせるシャナになのははゆっくり近づいていく。

なのは「おとなしくしててね……」

レイジングハート『Caution.』

なのは「えっ――ッ!」

 ズバァァッ! 警告は一歩遅く、なのはの脇に鋭い衝撃が走った。

なのは「こ、これって……!」

 砕かれた魔法障壁を再構築している間に、シャナはバインドを解いて大きく距離を取っていた。

 雷光の矢が飛来してきた方から現れる目の醒めるような金髪になのはの声も上ずった。

なのは「フェイトちゃん!」

 思わず駆け寄ろうとしたなのはだが、相手の隣りに立つ背の高い娘にストップさせられる。
 同時に更に注意深く周囲を探る。
 あの黒翼の機体がいたとしたら、また恐ろしいことが起きてしまう――

アルフ「安心しなよ。アイツはいない。アタシたちだけさ」

 背の高い娘――アルフに言われてなのははひとまず胸を撫で下ろした。
 だが、なのはとフェイトから結んで三角形の頂点に移動したシャナは警戒をあらわにして叫んだ。

シャナ「何だお前は!? こいつの味方か!?」

フェイト「――ッ!?」

アルフ「そんな訳ないに決まってんだろ! アタシたちはアンタたちには用はないんだよ!」

なのは「もしかして、この近くにジュエルシードが――!」

フェイト「バルディッシュ……!」

 魔方陣を展開したなのはに対してフェイトも手の甲に収めている斧型のデバイスを召喚した。

バルディッシュ『Yes sir.』

アルフ「アイツらはアタシが抑えるよ!」

 無重力の床に手をつけてアルフはうなりをあげる。

 体毛と同じ色の魔力が溢れると、その姿は巨大な狼に変わっていた。

なのは「変身した!?」

シャナ「チッ、これ以上は時間の無駄ね」

 おそらく、連邦の白い魔女はこの第三の勢力に妨害されるだろう。
 そう判断したシャナは素早く身を翻す。

なのは「シャナちゃん――ッ!」

アルフ「余所見をしているヒマがあるのかい!」

 天井を切り抜いて脱出したシャナを追いかけようとしたなのはに獣化したアルフが突撃してくる。

 どがっ! 障壁で頭突きの直撃は免れたが、ふっ飛んで壁に激突した。

なのは「あぅっ!」

アルフ「アンタはそこでおとなしくしてなよ!」

 ジャァァァァッ! アルフの裂けた口から魔方陣が展開し、鎖がなのはの身体を壁に縫いつけた。

なのは「うぅっ……!」

 今度は自分が身を繋がれて、為す術がないままジュエルシードにデバイスを向ける少女を見るしかない。

なのは「どうして……フェイトちゃん!?」

 唯一動かせる口で呼び止める。
 封印による大量の情報処理で発した熱を放出するデバイスを撫でて、フェイト・テスタロッサは視線を泳がせた。

なのは「理由だけでも……お話だけでも聞かせて! どうしてジュエルシードを集めるの!?」

アルフ「そんなの決まってるじゃないか。必要だからさ」

 狼の姿のまま、警戒を解くことなくアルフは主の代わりに応えた。

なのは「でも、それはとっても危険なものだって……使い方を間違えちゃうと、大変なことが起きるって言うんだよ!」

フェイト「心配しないで」

 目を閉じて金色の魔力を放つ少女が小さくうなずく。

フェイト「私たちは、間違った使い方はしないから……母さんは立派な魔導師だから……」

なのは「おかあ、さん……?」

フェイト「私も……君と戦いたい訳じゃない」

なのは「それなら……それなら教えて! ジュエルシードを使って、フェイトちゃんのお母さんは何をするの!?」

フェイト「……っ!」

 名前を呼ばれるたびに僅かに上下するまぶたが、何かを振り払うように固く閉じられ、フェイトはまた背中を向ける。

なのは「フェイトちゃん!」

アルフ「うるさいよっ!」

 再び呼ぶなのはに狼が牙を剥いた。
 全身の毛を逆立たせて威嚇して身をすくめた敵に吼える。

アルフ「フェイトが邪魔するなって言ってんだ! アンタもアタシらのことなんか諦めりゃいいんだよ! またさっきみたいな目に遭いたいのかい!!」

 数時間前の黒い炎を想起させて哀しげに眉を下げた。

なのは「あの人は、フェイトちゃんたちの仲間の人なの……?」

アルフ「知らないよ、知ったことじゃない。アンタたちはただアタシらを忘れてくれりゃいいのさ」

 鼻息を立てて、アルフもなのはに背を向けてフェイトの隣に歩み寄った。
 フェイトは使い魔の頭を撫でてあげると、すぐにその場から離れていった。

なのは「フェイトちゃん……」


 ホワイトベース ベッドルーム

 また艦が揺れた――使用できる機動兵器が少ない今、艦を主力として迎撃しているのだろう。

 すずかが目を覚ましたのはほんの数分前だ。
 戦闘の衝撃で叩き起こされたというのが正しい。
 夢の中で警報を聞いて、本当ならそこでパッと起きられるはずが、ずるずると夢にいることを望んだが、身体が先に覚醒してしまってはどうしようもない。

ハロ「スズカ、テキダ、テキダ」

 ベッドの傍でハロが転がる。
 重力が働いているので、床に脚をつけて止まると、飛び跳ねてすずかのベッドに飛び乗る。

ハロ「スズカ、スズカ」

すずか「うん……」

 耳を開閉させるペットロボを小さな胸元に抱き寄せてすずかはモニターをつけた。
 通信兵とミユリの応酬が聞こえてきて、すずかは不思議に思った。

すずか「シノンさんは……」

 いつも聞こえてくる落ち着いた声がなくて、体を起こす。
 映っている艦橋で本来艦長席に座っているはずの香月シノンがいない。
 ボタンを操作して艦内カメラを切り替えていると、ノック音が部屋に響いた。

すずか「し、シノンさん……?」

 思わずすずかは飛び起きて寝るときにひっかけるだけの簡単な服しか着ていないので、開けられる前にインターフォンに応える。

シノン「よかった。起きていたわね」

 モニターに移ったのはやはり艦長の香月シノンだった。
 どんなときでも冷静で今も絵に描いたような微笑みを整った顔立ちに浮かべている。

シノン「気分はどうかしら、出てこられる?」

すずか「えっと……」

 言い淀んでしまうのも無理はない。
 命令を無視した挙句にごねて閉じこもっているのだ。
 立夏みたいにぱっと出て行けるほど前向きな性格はしていない。

シノン「今は戦闘中なのはわかっているわね」

 口調はやさしいが言葉遣いはすずかも戦力として考えている風だった。
 きゅっと胸の辺りを掴んで喉を震わせる。

すずか「はい……ごめんなさい……」

 何に対して謝っているのか自分でもわからない。
 だがシノンはしっかりと聞き流して必要なことだけを告げた。

シノン「あなたにもやってほしいことがあるの、お願いできるかしら?」

すずか「で、でも、私なんて……」

 何もできない。何の役にも立てない。
 ただちょっと姉の影響で機械の扱いがうまいだけで、ホワイトベースに乗っているだけの自分にできることなんて……

シノン「あなたにしかできないことなの」

 やはりシノンの声は機械的で、飾ることをしないが、はっきりとすずかの胸に雫を落としていった。

シノン「一番、ガンダムに乗ってきたあなただからお願いしたいの。ホワイトベースを預かる艦長として、一任したいの」

すずか「わたしが……?」

 モニターに顔を上げると、たおやかな笑顔が浅く揺れて決めの言葉を打った。

シノン「ちゃんとみんなわかっているのよ。すずかちゃんが一番、ガンダムを上手に扱えるんだって」

アレイ「これで止める!」

 ズドォンッ! 死角から接近することに成功したアレイがビームを撃ち、ビグロの右腕に命中させた。

トクワン「ぐぉっ! やろぉ……!」

 モビルアーマーは構造上、素早く向きを変えることができない。
 コア・ブースターはぴったりとビグロの真後ろについている。

トクワン「それなら振り切ってやるぜ!」

 ギューン……! 最大戦速を出して逃げ切りを図るが、ブースターユニットで推力の上がっているコア・ブースターも追いすがってくる。

アレイ「逃がさない、ジオンは……!」

トクワン「ちっ、やるな。だがな、戦ってのはやり方があんだよ!」

 ぐんっ! 大きく左回りをするビグロを追いかけるアレイはレーダーの音など聞いてはいなかった。

アレイ「!」

 気がついたときには、彼女はザンジバルの前に曝されていたのだ。

トクワン「よし、撃て!」

 ビシューッ! ドシューッ! ドドドド……! メガ粒子砲、ミサイルが一斉にコア・ブースターへ発射される!

アレイ「ぐっ、うっ……あぁーっ!」

 もてる限りの技術を加速に絡み合わせて回避するが、ついに弾頭の一つがブースターユニットで爆発した。

アレイ「畜生ッ!」

 ブースターユニットを切り離してコア・ファイターで発進する。
 元々は単体での航続力に難がある戦闘機の予備燃料とメガ粒子砲を搭載する為の追加パーツだったため、速度が落ちることはない。
 ザンジバルからの追撃からは逃れられるはずだ。

トクワン「ビグロから逃げられると思うなよ!」

 だが、既に体勢を立て直していたビグロは違かった。
 一つだけになったクローアームを伸ばし、メガ粒子砲を撃ってくる。

アレイ「ホワイトベースまでもつか……!?」

 オートパイロットで帰還するが、ビグロもしつこい。

トクワン「落ちろってんだよ!」

 ズジャァァァァァッ! ついにメガ粒子砲がコア・ファイターの上部をかすめていって、尾翼とコクピットの天井を奪ってしまった。

 途端、コア・ファイターはバランスを崩してあらぬ方向に旋回していく。

アレイ「きゃぁぁーっ!」

 真空に引っ張られるのをシートベルトで強烈に押さえつけられ、アレイは生来のクールさには似つかない悲鳴をあげて意識を手離した。

トクワン「へへっ……」

 傷のついた顔を歪ませてトクワンは制御を失ったコア・ファイターにとどめを刺そうと近づいていく。

 だが、そのために彼は前に出すぎてしまったようだ。
 さきほど、アレイが誘い込まれたように、ホワイトベースがビグロの前に現れていた。

トクワン「ちっ、深追いしすぎたか……」

 無数の機銃がビグロに向けられるが、まるでビグロの動きを追いきれていない。

トクワン「この程度なら、ザンジバルを待つまでもねぇな」

 艦からの砲撃は届いているが、まあ当たることはない。

 ならばここでビグロのメガ粒子砲で落としたほうが手っ取り早い。
 トクワンはビグロの機首を返して木馬に向かっていったが、主砲の動きにまでは注意を払っていなかった。

すずか「おなじだ……ガンダムのビームライフルと……」

 本来、艦対戦に用いられる主砲の操縦桿を握ってすずかは呟く。

すずか「アリサちゃん……アレイさん……」

 動き続ける照準線を追いかけて、すずかは機敏に走るモビルアーマーを見つめる。
 あの機体がアリサとアレイを落とした。

 もしかしたら、それは自分だったのかもしれない。
 そう思うと身震いがして、照準線がブレた。

 だいたいが、戦艦の主砲を機動兵器に向けることは誤りなのだ。
 シノンが与えた役割も威嚇射撃をしているザンジバルに向けて撃つことのはずなのに、すずかはビグロを円に捉え続けている。

 だが、すずかは既にビグロとそれを追う照準線を見ていなかった。
 鋭いモノアイの目の光りだけがすずかの網膜に焼きつき、そこに全く別の――すずかだけの十字線があった。

 トリガーが汗ばむ。だが、決して心は揺れていなかった。

すずか「……――そこっ!」

 祈るように握っている手に力を込め、次の瞬間にはビームライフルより二回りもある光線がビグロを覆い尽くしている。

トクワン「うわぁぁぁぁーっ!」

すずか「――ッ!?」

 聞こえるはずのない叫喚がすずかの三半規管を突き抜けた。

ハロ「スズカ、メイチュウ、ヤッタナ、スズカ」

 ハロが飛び跳ねて勝利を告げる。
 だが、すずかは倒れるようにトリガーから手を離して無重力を泳ぎ、背中をぶつけた。

ハロ「スズカ、ドウシタ、スズカ」

すずか「な、なに……いまの……」

ハロ「スズカ、ミャクハク、バイタル、ミダレテル、スズカ、スズカ」

 呆然としているすずかの耳には、かろうじて敵艦が撤退したと言うことだけが認識できた。


 ホワイトベース 医務室

アレイ「くっ……」

 簡素なベッドに寝かされているアレイが目を覚ます。

シノン「あっ、起きたかしら?」

 傍で声をかけた女性士官に自分がどうなっていたのか思い出す。

アレイ「ホワイトベースは……無事なようだな」

 艦長がここにいることが何よりの証拠だ。

シノン「代わりに、ブースターユニットが回収できなくなっちゃったけれどね」

アレイ「……すまない、艦長」

シノン「いいわ、あなたが生きていたんだから」

 そこに必要以上の感情がないことは、視線がクリップボードとアレイを行き来していることからもわかる。
 宇宙世紀でもデータメモリではない紙の資料もバックアップとして多く使われている。
 たとえば、カルテなどがそうだ。

アレイ「艦長、それは……!」

 めくられて裏返しになっているカルテから透けてみえた自分の名前にアレイは血相を変えて立ち上がった。

アレイ「!?」

 その瞬間、アレイはめまいに似た何かを感じた。
 気分が悪くなったわけではない。
 ただ、視界という額縁に黒い枠が乗っかっているような不機嫌な症状――

シノン「アレイ、あなたは当然、このことは自覚していたわよね?」

アレイ「…………」

シノン「報告義務を怠ったことを今さら咎めるつもりはないわ。だけど、あなたをこのまま戦闘に出すことはできない」

 アレイは言葉を返さなかった。
 クリップボードを裏返して見せ付けられるアレイの医療パーソナルデータについている大きな赤いサインは――

シノン「先天性遺伝子欠陥――あなたは宇宙線で傷ついた細胞を修復する遺伝子が正常に機能しない可能性が高いわ」

アレイ「それだけじゃない。本来ならば人間に無害な宇宙線があたしの目を痛めつける」

シノン「それによってあなたは視野狭窄に似た症状に陥ることになる――あなたは船外に出ないことを条件にホワイトベースに乗艦した。もちろん、事前に把握していなかった私にも責任はあるけれど……」

アレイ「もう、わかっている――あたしはこれからは通信士に専念するよ」

 話すことはもう無い――アレイは沈み込む自分を叱咤して長い足をベッドから下ろした。

アレイ「切れ者らしい香月艦長のことだ。もう月村を説得したんだろう?」

シノン「えぇ、たぶん、彼女はまたガンダムに乗るわ……だけど」

 一緒に立ち上がったシノンの背はアレイよりやや低い。
 だが、見上げる形になっても胸を張るシノンの唇はまるでいたずらを思いついた子どものみたいに笑っている。

シノン「あなたをこのまま通信士に埋もれさせておくつもりも私にはないわよ」

アレイ「艦長……?」

 その微笑が何を考えているのか、氷坂アレイには見当がつかなかった。


 第二十三話 接近! 信頼への限界時間 完



126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/05/18(水) 17:15:24.26 ID:1b1hdwhT0
 アレイの設定は原作通りです。
 スタオペはいわゆるエヴァ枠の放送でしたが鳴かず飛ばずで残念に思っていました。
 まあ、当時はエヴァなんて全く知らず、スターオーシャンあたりからの6時アニメ習慣で観ていましたが、初めて観た本格的なSF作品で妙に思いいれがあります。
 原作ラノベも図書館にあったので全部読みましたが、初心者向けでかなりおもしろいですよ~。

 あと、コアブとGパーツが同居してますが、こまけぇことは(ry

 また、今回のステージは見覚えのある方もいる思います。ヒントはサブタイトル。

 今回、三つ巴したサイズSSSの三人を紹介。

 共通技能
  魔法障壁(贄殿遮那) 受けるダメージをゼロにする。ENを20消費。
  地形移動コスト低下無視 名称はそれぞれフラッシュムーブ、赤い彗星、ブリッツアクション。

 高町なのは
  移動力/8 運動性/130 装甲/100 照準値/150
  特殊技能:Eセーブ 武器消費ENが80%になる。

 シャナ
  移動力/9 運動性/140 装甲/100 照準値/145
  特殊技能:フレイムヘイズ サイズ差補正無視+戦意高揚
        再攻撃 攻撃時、相手との技量差が20以上で自分に援護攻撃。
        連続行動 気力120以上で敵機撃墜時、もう一度行動できる。

 フェイト・テスタロッサ
  移動力/9 運動性/145 装甲/100 照準値/150
  特殊技能:疾風 加速使用時、移動力+1
        迅雷 毎EP、加速を使用する。


 ただし、今回のエースはドム二機を落としたりっちゃん。
 ボスボロットだって平和を守れるんだ!
 

 運転免許は合格して本格的に就活を再開していきます。
 点数は94点でした。本番の直前までボーダーは95かと思っていました。

 この後は前回搭乗したSCCSの補講。
 要は、組み立て式コクピットブロックです。


 シンプル・カスタマイズ・コクピットブロック・システム=SCCS

 吹雪が開発したコクピット構造。
 コア・ブロック・システムを参考に発展させたコクピット。
 コクピットを本体から独立して作り、脱出、通信機能を格段に飛躍させた。

 外壁は僅かに傾斜させた鉄板を何重にも乗せて実弾攻撃の衝撃を減らす。
 吹雪曰く「直角三角形からヒントを得た」
 鉄板は層ごとに凹凸があったり、様々な兵器への効果を実施する。

 外壁の第一層は中が空洞になっており、高濃度のミノフスキー粒子が充満してIフィールドを展開する。
 この対ビーム層は脱出後、内部から剥離させることが可能。

 機体とはケーブルやソケットでつなげて制御する(第一層は上下がビーム層ではない)
 この装置には機体損傷時に破損する欠点があるが、むしろ被弾する練度の低い兵士の戦意を喪失させる役割がある。
 
 コクピットの上下には熱切断機能があり、万一、脱出機能が働かない場合に物理的に切り離すことができる。

 他にも兵士の生存確率を格段に上昇させる要素が満載。
 食料、水、酸素も豊富で海晴言うには「一ヶ月くらいはこの中で暮らせる」

 以上が南極条約の際に美夜がジオン・ギガノスに提供したコクピットブロック・システム。

 これを改良したものがシンプル・カスタマイズ・コクピットブロック・システム。

 要約すると、コクピットを個人の戦闘思考ごとに扱いやすくカスタマイズできるようにする設計思想。

 例えば、敵の攻撃に対して防御か回避かの選択は個人で大きく異なる。
 また利き腕でも技量そのものに差が出ることもあり、機能装置の配置には不満が出続けている。

 それらを解消したのが内部を部品ごと入れ替えられるようにしたSCCSである。

 簡単な例としては右利き用に配置されている部品を鏡写しのように左利き用にゴッソリ入れ替えることができるのだ。

 入れ替えの過を外部メモリにバックアップさせる事で別機に異動してもメカニック知識のない兵士でもカスタムすることが出来る。

 尚、SCCS技術は連邦が占有し、ジオン、ギガノスに渡る事はなかった。
 ただし、パイロットの操縦パターンに合わせて部品さえ入れ替えてしまう操縦システムは作業効率を下げてしまう。
 そのため、管理受けせずエースパイロット以外に実装される事は少なかった。


 しかも吹雪自身がフルオーダーメイドしたヒカルのコクピットはもはや別物である。
 ゲシュペンストとヒカルの腕の動きを直結させる為、シートを球状に包むように回転する円形レールを二つ付け、その上を二本のアーム

レバーが走るようにする。

 また、円形レールは床にある前後レールとも繋がって直線的な動きも可能。

 ただし、この装置だと、円形レールがヒカルの下――つまりシート部分にぶつかる。
 それを回避するために床とシートを繋ぐ部分を8×8マスのシャッターで開閉するようにして円形レールの軌道を確保。

 ペダルパーツもヒカルが踏ん張りやすいように位置をスライドできるように変更。

 言葉じゃ絶対に伝わらない。しかし絵心もクラフト技術もありません。
 どうにかイメージしていただくために試行錯誤した結果ですが、とりあえず輪ゴムを二つ用意してください。

 その輪ゴムで球を作ってください。一つをつまんで持ち上げてその上にもう一つを重ねるような形がラクです。
 それが円形レールです。その中にシートがあってヒカルが座っています。

 その円形レールの内側に操縦桿があって、腕の動きと直結します。

 こうやって説明している間にもどんどんボロが出てきますが、それら全ての回答は一つです。


 吹雪ががんばりました。


 このように、座っているのに立っているような感覚で立ち回りができるように吹雪ががんばりました。

 他にもおバカな立夏でも扱いやすいようにR-1の操作構造を簡単にしたり、吹雪ががんばしました。

 全部、吹雪のおかげです。
 ありがとう吹雪! 茅原補正は伊達じゃない!

 なんで素直にモビルトレースシステムにしなかったのか理解に苦しみます。
 映像作品ではモビルト(ryは安易に使用すると〝逃げ〟と言われたりますが、そうする義理はどこにもない訳だし……
 ぶっちゃけた話、ヒカルのコクピットをこの形にするのに免許の勉強以上に時間をかけてしまってしかも収拾ついてないとかいう……

 ただ、このコクピットを実現させられたら、映像的には相当映えると思います。やたらギミックあるし。

  一応、パイロットというのは両利きが条件(というかそうなる)です。
 コクピットももちろん、それを考慮して作られているはず。
 それでもやっぱり使い勝手は千差万別でしょう、きっと。

 教官クラスから言わせれば配置が云々なんてのは甘ったれだ!
 だけどそんな教官こそカスタムコクピットというオチ。

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