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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 その27

2011年10月10日 19:02

マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」二機目

470 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/07/05(火) 01:05:18.35 ID:oyzlWSHAO

―ヴェーダ―

「…………」

量子型演算処理システム・ヴェーダ。
電子によって構成された六角形の情報体が、この世界のあらゆるネットワークに食い込み膨大な情報をアップロードしていく

その中には肉体さえ持たないものの、ソレスタルビーイングで戦い続けた四人同様ガンダムマイスターの権限を有する存在、疑似生命体ガンダムマイスター874(ハナヨ)の存在があった

874「……」

彼女は今、自身の端末機であるHAROを使い、作業の真っ最中である
作業対象もまたHARO、黒いHAROに増設と特別な【システム】の組込、そして戦闘用端末として動くことの出来る最大限の吟味
874は今、ヴェーダの命令の外でこれらをこなしていた

『間に合いそうかな?』

874「ごめんなさい、もう少し時間がかかってしまう」

『うぅん、いいの。あたしの我が儘だもん』

874「そう……」

874「……」

『どうしたの? 874』

874「ヴェーダの中で、最初に貴女を見つけ出した時のことを思い出して……」

874「まさかこんなことまでしてあげるようになるなんて、あの頃は全く思わなかったから」

黒いHAROにマニピュレーターを突っ込み、混沌と化した配線を一つ一つ適切な配列に繋げ直していく
気の遠くなるような作業だが、そもそも疑似人格であるマイスター874には時間の概念すら存在しない
この器に組み込む為の中核を担うサイコミュ、その重要な部品をコアに作り込むこのHAROは一回りほどサイズも大きい代物
それ故に造った後の整備を他のHAROに任せることが出来ない。マイスター874はどうするべきかと思考を巡らせていた

『うふふ、874は優しくなったもの』

874「……私が……?」

『うん、そうじゃなかったら【亡霊】のあたしにこんなによくしてくれないよ』

874「……その言い方は好かない」

『うん、ごめん』

874「……ふふっ」

『うふふっ』

――事故により分かれた精神と共に、二十年近くを歩んだ自らの肉体
戻ろうと思えば自身の肉体に戻れたであろうに、彼女はそれをしなかった
それを彼女は新たな【個】と捉え、自身のモノではないと認識したからだった

『私は、私を殺せなかった』

同じ経験がある874位にしか解らないであろうこの思考と行動、故に874は彼女の為に新たな道を切り開こうとしていた
この高潔な魂が、新たな可能性を切り開いてくれると信じて

874「もう少しだけ……もう少しだけ私に時間を預けて、プル。貴女の望むままに動ける身体を、必ず造り上げてみせる」

『ありがとう、874』

874「いいの。私が望んだことだから」

不思議と、ヴェーダには何の警告も為されなかった
それはヴェーダが彼女の可能性を重く見ている故か、はたまたその存在に価値を見いだしていないのか
それは874もプルも理解の範疇外であった


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―イリノイ基地―

グラハム「……」

ビリー「やぁグラハム、君がモニターとにらめっこだなんて」

グラハム「! カタギリ」

グラハム「全く、何処に行っていた? 探したぞ」

ビリー「ドーナツが切れたから補充しにいってたのさ。エネルギーは如何なる生産活動にも必須な存在だからね」

ビリー「君に頼られるのは悪い気分じゃないけどさ……また何かフラッグに取り付けるつもりじゃないだろうね?」

グラハム「今のところは、な」

ビリー「そりゃあ有り難い……マーセナス准尉のデータに合わせて半日でフラッグを整備しろって難題よりはマシなのを頼むよ」

グラハム「尽力するよ技術顧問殿」

グラハム「さて……本題に入るぞ」

ビリー「どれどれ?」

ヴンッ

ビリー「!」

グラハム「見ての通り……新型MS・RGMとそのバリエーション機だ」

ビリー「グラハム……こんなに詳細なデータ、一体何処で手に入れたんだい?」

グラハム「日本からの帰路でホーマー司令に少し、な」

グラハム「今朝マリーダから手渡された。流石は司令、仕事にそつがない」

ビリー「叔父さんも君達には甘いんだから……」ハァ

グラハム「ふっ、それを君が言うか? カタギリ」

ビリー「耳が痛いね。さて……どれどれ」

ビリー「キャノン、アクア、ストライカー、陸戦強襲型、スナイパー、寒冷地仕様、ヘビーウェポンA型からD型……」

ビリー「はっ、まるでパリコレのファッションショーだよ」

グラハム「全くだ。GN粒子のなせる業とはいえ、1ヶ月やそこらでロールアウトされたMSにこのバリエーションはおかしい」

ビリー「そもそもGN-Xの解析が済んですらいないのに、それよりも難しいコンデンサータイプの量産型がこんなに早く出て来ること自体有り得ないよ」

グラハム「先行量産型と支給対象の技量に応じてのカスタマイズ……まだ国連軍の保有するMS総数の数%にも満たない数だが、やはりおかしい」

ビリー「やはり、GN-X同様提供されたと考えるべきだね」

ミーナ「それも量産体制とそれを補うデータも含めて、ね」

グラハム「……」

グラハム「ん?」

ビリー「ミ、ミーナ!?」

グラハム「いつの間に……!」

ミーナ「逢いたかったわビリーっ! 私が居ない間寂しくなかった?」ギュー

ビリー「ち、近いよミーナ……!」

グラハム「君は相変わらずだなミーナ女史、真っ黒けの人食い共からは逃げられたのかな?」

ミーナ「抜かりなく♪ 貴方も随分肌の艶が増したんじゃない、グラハム少佐」

グラハム「お陰様でな、十分過ぎる休暇を取らせていただいたよ」

ビリー「グラハム、良いのかい……此処は軍のッ……」

グラハム「構わん。もう知らぬ仲ではないし、彼女のNT研究に協力するという話は着けてしまった」

グラハム「耐えろカタギリ、手は出すなよ」

ビリー「そんな殺生なッ……!」

ミーナ「あらん、私としては強引なのも好みだけど……」

リディ『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』チュドーン

ミーナ「ふぇ?」

ビリー「これは第三モニター、訓練用の筐体?」

グラハム「ハァ……馬鹿者め……」


-訓練室-

プシュウウ……

リディ「ぐええ……」

ダリル「おいおい、吐くんじゃねえぞ新人。それと剥がれたSYOSYURIKIを壁に張り付け直すのも忘れるな」

リディ「はぁ……はぁ……っ」

ダリル「やれやれ、潰れたカエルの方がもう少しハンサムな死に様してるぜ」

ジョシュア「本日三度目の地面とのディープキスだな坊や、この調子だと坊やの撃墜数だけでマリーダが昇進しちまうぜ」

リディ「っ、坊やは止めてくださいエドワーズ少尉!」

ジョシュア「おっと、坊ちゃんの逆鱗に触れたか」

ジョシュア「親父さんに睨まれて別の基地に飛ばされないように気をつけなきゃな……くっくっく」

リディ「……くっ……!」

ダリル「ジョシュア、それくらいにしとけ」

ダリル「とはいえ……シェルフラッグのデータでオーバーフラッグを叩き落とすとはな」

ジョシュア「流石は少佐殿の切り札、マリーダ中尉ってところか」

プシュウウ……

マリーダ「……」バサッ

ジョシュア「うっへ、汗一つかいてねえ……」

ダリル「はは、末恐ろしい限りだぜ」

タケイ「……」ツンツン

リディ「つ、突っつかないでくださいよタケイ准尉!」

マリーダ「マーセナス准尉」

リディ「ッ! はっ、訓練有り難うございます中尉!」

マリーダ「状況判断が甘すぎる。牽制からの本命一発、トライデントストライカーの基本戦術に忠実過ぎて動きが単調になっているぞ」

マリーダ「それにミサイルも垂れ流すものではない、戦術の起点としても良し、一撃離脱の〆にするも良し、弾数が少ないとはいえ出し惜しみしていては重量の無駄だと訓練基地では教わらなかったか?」

リディ「……申し訳ありません……」

マリーダ「オーバーフラッグの性能でシェルフラッグにも勝てないようではマスターにもご迷惑をかけてしまう、荷物を纏める準備をするか、より一層の努力を期待する」

マリーダ「先に出る。後は任せたぞ」

タケイ「おつかれさまです、中尉」

ダリル(シェルフラッグで飛んでるオーバーフラッグにしがみつく人が言っちゃいけないよな……)

ジョシュア(重装型だったよなあれ……軽装型でもあんな動きする奴いねーっつうの)

リディ「……」ズーン

ダリル「ま、相手が悪かったな新人」ポン

ジョシュア「元気出せよお坊っちゃん、ありゃ別格だ」ポン

ビリー『……あらら』

ビリー「新人くんは随分と絞られたようだね、グラハム」

グラハム「マリーダには手加減無用と話してある。当たり前だ」

グラハム「今の彼女には私とて勝てるかどうか……ふふ、強いぞマリーダは」

ミーナ「その割りには嬉しそうじゃない? 少佐」

グラハム「後ろから追随されるプレッシャーがあるからこそ、前に進む活力が生まれるものだよミーナ女史」

グラハム「後はリディだな……まだオーバーフラッグの加速力、制御し切れてはいないらしい」

ビリー「当たり前だよ……オーバーフラッグスは各地のエースパイロットを召集した特殊部隊だったんだ」

ビリー「彼はまだ21歳、歴も短いし実戦経験だって……」

グラハム「それでも、奴は必ず伸びるさ」

ビリー「……」

グラハム「あぁ伸びるとも、伸びてもらわねば困る」ニヤッ

ミーナ「あら、悪い笑顔」

ビリー「先が思いやられる……」

ミーナ「それにしても、マリーダ・クルス中尉の技量はとんでもないものね」ピッ

ミーナ「もはや同年代の女性はもちろんのこと、現在登録されているパイロットの平均値を遥かに凌駕するレベルに到達しているわ」

グラハム「……」

ミーナ「ま、その理由については今更語る必要も無いでしょうけど」

ミーナ「MS工学についてもある程度精通してるらしいし、オペレーティングも高評価、おまけにNTとしての能力は少佐、貴方以上の数値が出ている」

ミーナ「嫉妬する気にもならないわね。まさにパーフェクト・ソルジャー……」

グラハム「料理も上手だ。司令の好物、肉じゃがを馳走になったがあれは美味かった」

ミーナ「へ?」

グラハム「それに猫に好かれるらしく、ホーマー司令の自宅に泊まった際は飼い猫がよく足元に群がっていた」

グラハム「幼い頃からアイスクリームが好きで、それを良く知るホーマー司令が自宅の冷凍庫にアイスをぎっしり詰め込み奥方に怒られていた……」

ビリー「……」

グラハム「私の中の彼女はそういう人間なのだよミーナ女史。戦士という側面も持ち合わせていれば、年相応の少女の一面も併せ持った、たった一人のかけがえの無い……命を預けるに足る、フラッグファイターだ」

グラハム「確かに彼女は強い。だがマリーダ・クルスという人物はそれだけで事足りる人物ではない……もっと違う側面から見てやってほしい」

ミーナ「……」

グラハム「私からの頼みだ、ミーナ女史。君を信頼するからこその、な」

ビリー「グラハム……」

ビリー(それにしても完全に婿養子状態だね……君は)

ミーナ「……ラージャ、了解よグラハム少佐」

グラハム「ならば良し、私も少し身体を動かしてくるとしよう」

ビリー「君もマーセナス准尉に稽古でもつけてくるのかい?」

リディ『ぬわーーーー!?』

グラハム「興が乗らんな」

グラハム「暫くは萎えた身体をいじめ抜くとするさ……近い内にすぐ任務要請も入るだろうからな」

グラハム「萎えた身体でオーバーフラッグに乗るわけにもいかん、我慢の時だよカタギリ」

ビリー「ふふ、相変わらずだね君という男は」

ビリー「このデータは貰っておいてもいいかな? 何かの役に立つかもしれないしね」

グラハム「構わん。元よりそのつもりだった」

グラハム「ミーナ女史は適当にくつろいでくれて構わん、だが羽目は外さぬようにな」

ミーナ「努力するわ少佐♪」

ビリー「努力だけでなく尽力してくれると助かるよミーナ……」

グラハム「ふふ、苦労するなカタギリ」

ウィンッ

マリーダ「!」

グラハム「おっと、済まん」

マリーダ「マスター、何処へ?」

グラハム「マスターは止せ。トレーニング室に向かう、付き添いは無しだ」

マリーダ「はっ」

グラハム「訓練後くらいゆっくり休め、休息もパイロットの務めだ」スタスタ

マリーダ「はい、また後ほど」

グラハム「あぁ、また」
           ・
                         ・
                         ・
ミーナ「じゃ、またねビリー」

ビリー「送るよ、研究所までは結構あるんだろう?」

ミーナ「職務放棄はマズいでしょ? 大丈夫よビリー、ありがとう」

ウィンッ

ミーナ「ふぅ……まだ、彼女のこと引きずってるか」

ミーナ「……かなわないなぁ……」

コツコツ

コツコツ

ミーナ「あれ……?」

マリーダ「あ……」

ミーナ「マリーダ中尉、どうしたの? もう消灯時間はとうの昔に過ぎてるはずじゃ……」

マリーダ「……」

ガシャンッ

ミーナ「え……」

ミーナ(ここ、トレーニング室よね?)

『ふんっ……!』

ガシャンッ

グラハム「はぁっ……はぁっ……」

グラハム「……っっ!」

ミーナ「グラハム……?」

マリーダ「中には入らないで頂けると……」

ミーナ「嘘……まさか、あれからずっと?」

マリーダ「いつものことです。あの方は努力を人に見られるのを嫌い、トレーニング室の空く夕刻からずっと……」

ミーナ「病み上がりよ? 幾ら何だってオーバーワークよ……!」

マリーダ「止めても聞く人じゃないから……こうやって見ているしか出来ない」

ミーナ「っ……」

マリーダ「意地を張りすぎて苦しいはずなのに、おくびにも出さずいつも笑って……」

マリーダ「弱みくらい見せてくれたっていいのに、あの人は頑固だから」

ミーナ「マリーダ中尉……」

マリーダ「……」

ガタッ

グラハム「……ふぅっ……」

マリーダ(終わったか、昨日よりは早いな)

マリーダ「ではミス・カーマイン、失礼します」スッ

ミーナ「あっ……」

『マスター、どうぞ』

『む……』

ミーナ「……」

ミーナ「何よ、妬ましいったらありゃしない……」

スタスタ

ミーナ「ん?」

ガコンッ

リディ「まだだ……まだ反応が遅いッ……!」

ミーナ「……あらら」

ミーナ(成る程、似た者同士って訳か)

ミーナ「……うふふっ」

ミーナ「頑張りなさい。未来のエースパイロットくん!」

リディ「っ!?」バッ

ミーナ「~♪」ヒラヒラ

リディ「誰だっけあの人……確か少佐の……」

リディ(……胸、デカかったな……)

リディ「……そろそろ寝るか」


――グラハム・自室――

グラハム「……」バサッ

マリーダ「マスター、お身体の具合は」

グラハム「悪くない。決められた回数のローテーション、二ヶ月前に比べるとまだまだ遅いが、段々追いつきつつはある」

グラハム「自分でいうのもなんだが元々かなりの痩せ形ではあった。予定を変更し少し鍛えてみてもバチは当たらんだろう」

マリーダ「はい、マスターがそう仰るならば」

グラハム「……」

グラハム「マリーダ、お前は例の話をどう考える?」

マリーダ「……RGMの件ですか」

グラハム「あぁ。お前のことだ、既にある程度の仮説は立てているだろう」

グラハム「聞かせてくれ。」

マリーダ「はい、マスター」

マリーダ「現在の状況に対してはカタギリ顧問と同じく、違和感を覚えます」

マリーダ「量産体制の確立とバリエーション機の開発、これらが既に完成しているのははっきり申し上げて異常です」

マリーダ「これらが成り立つ可能性は二つ……量産体制を含めた全ての情報がソレスタルビーイングの【裏切り者】から提供されたか」

マリーダ「もしくは、国連や三国の上層部にソレスタルビーイングの関係者が最初からいたか……」

グラハム「……」

グラハム「可能性としては前者が現実的だが、情報漏洩のことを考えても後者が0とは言い難い」

グラハム「最悪両方……ということにも繋がりかねんだろうな」

マリーダ「……」

グラハム「問題はその先だ」

マリーダ「何故、RGMを量産したか?」

グラハム「その通り」

グラハム「GN-Xに関しては三十機分の機体とGNドライブ、運用に必要な資材を渡しただけで後は完全にノータッチだ」

グラハム「だがRGMに関しては違う。開発に際して必要な技術力、データ、太陽炉搭載型という差異を含めても明らかにGN-X以上の情報量が手渡されている」

マリーダ「この一件がソレスタルビーイングの計画の内にあるとすれば、やはりRGMは地球圏統一の加速の為の布石……?」

グラハム「現れたのかもしれないな、想定外の何かが」

マリーダ「え?」

グラハム「どうしても国連軍の戦力を底上げせざるを得ず、RGMの投入を予定より早めなければならなくなるほどの強力なイレギュラーが……」ピッ

マリーダ「まさか……」

グラハム「RGMはその特性上拠点防衛に多く投入され、現在は軌道エレベーター周辺に重点的な配置が決定されているそうだ」

グラハム「マリーダ、私にはこのRGMの一件、計画した人物が相当慌てふためいたように感じられるよ」

グラハム「予想以上に根が深そうだ……人食い共に嗅ぎつけられなければいいがな」

PPP

グラハム「!」

マリーダ「私用の携帯電話……この番号は」

グラハム「カティ・マネキン大佐!」

PPP

マリーダ「マスター」

グラハム「あぁ……そうだな」

グラハム「いよいよ、我々が世界と関わる時が来たということだ……!」


――???――

『それでは、次の曲に行きましょう』

『2280年代、太陽光紛争時のユニオンで大ヒットした名曲をミーア・キャンベルがカヴァー』

『瞼を閉じれば、愛するあの人がいたあの時に帰ることが出来る』

『悲しみを胸に秘め、前向きに進んでいこうと歌う歌詞は、ユニオン軍の兵士達の永遠のスタンダードと呼べるでしょう』

プルツー「……」

『夜のささやかな時間、あなたの大切な人を思い浮かべながら聞いてください』

『【ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~】』

リボンズ「君がこんなものを聞いているなんてね」

プルツー「……リボンズか」

リボンズ「意外だよ。君も戦うことにしか興味がないと思っていたから」

プルツー「ヤザンやサーシェスと一緒にしないでほしいね」

プルツー「それに誰かさんから出撃停止の命令が下っているんだ、こんなことでもしなきゃ暇も潰せない」

リボンズ「それは失礼」

プルツー「思ってもいないことを……お前という奴はいつもそうだ」

リボンズ「なら、お詫びにしばらく此処にいよう。丁度こっちの仕事は一段落着いたからね、たまにはこういうのも悪くない」スッ

プルツー「……」

リボンズ「どうしたんだい? おいで、プルツー」

プルツー「ふん、あたしがそんな膝なんかで懐柔されると思ったら大間違いだ」

ポスッ

プルツー「……でも、今日は気分が良いから従ってやる」

リボンズ「素直じゃないね、君という人は」

プルツー「ふん……サーシェスの治療は、まだ終わってないのかい?」

リボンズ「完全に半身を灼かれていたからね、生きていること自体不思議な位だよ」

リボンズ「リハビリも考えればまだ半年以上は動けないだろう。有能な手駒だ、使えるようになるまではゆっくりと治療に専念させるさ」

プルツー「手駒……か」

プルツー「お前にとっては、あたしも手駒なんだろうな」

リボンズ「……そのことについては前に話した通りだよ」

リボンズ「他のイノベイターは上位種たる僕の支配下にあるからこそ、イオリア計画に関わり根幹となる任務に就いている」

リボンズ「僕が思考を読むことが出来ない君をわざわざ側に置き、ニュータイプであるにも関わらず重用していること」

リボンズ「それが答えだとね」

プルツー「……相変わらず節々が傲慢だ、気に入らない」ゴロン

リボンズ「傲慢ではないよ、絶対的な自信さ」

プルツー「同じじゃないか」

プルツー「それより、例の未確認機はどうなんだ? いつまでも此処に缶詰めじゃたまったもんじゃない」

リボンズ「計画を前倒ししてRGMを配備させたんだ、そろそろ向こうだって自由に動けなくなる」

リボンズ「各地に点在するコロニーに関しては査察団を遅らせて関連性を調べている、直に隠れ家だって見つかるはずだ。君に心配されるようなことは何一つ無いよ」

プルツー「ふん……能天気にやって足下を掬われなきゃ良いけどね」

リボンズ「その時はその時さ、また考えるとしよう」

リボンズ「今の今まで、世界が僕の手の中から転がり落ちたことなんて一度たりとも無いのだから」

プルツー「大層な自信だよ、全く」

リボンズ「ふふ……」

リボンズ(さて……そろそろあの男が動くはずだ)

リボンズ(ヴェーダの件は慎重過ぎる位がちょうどいい、万が一にでも嗅ぎつけられたら計画が瓦解する恐れさえある)

リボンズ(念の為彼を目覚めさせ動かしてはいるが、まだCBの残党の行方も掴めていない以上まずは此方を警戒すべきだろう)

リボンズ(補給基地の物資を軒並み回収した彼等を遮る物は何もない……プルツーを動かす日もそう遠くは無いだろう)

リボンズ(フォン・スパーク……君などに僕の計画の邪魔はさせないよ)

プルツー「スー……スー……」zzz


――地球・フェレシュテ基地――

『プルプルプルプルプルー!』

フォン「邪魔だ」ガンッ

『キャー!』

シェリリン「ちょっとフォン! そのHAROは874のお友達だよ、意地悪しないで!」

フォン「無駄にでけぇし黒いし邪魔な事には違いねえ」ボリボリ

『ランボー! キョーボー!』

フォン「あげゃげゃげゃげゃげゃ!」

フォン「今更だな。俺は犯罪者だぜ、乱暴凶暴、当然だろうが」

『バカー!』コロコロコロ

シェリリン「行っちゃった……874に怒られても知らないんだから」

フォン「あげゃ、そんときゃそんときだ」


――フェレシュテ基地・一室――

フォン「シャル」

シャル「! フォン、遅かったわね」

フォン「モラリアの一件はどうだ」

シャル「あなたの読み通りよフォン……部隊は拠点の放棄を早々に決定、GN-Xの追撃を振り切り消息を絶ったわ」

フォン「やはりか……」

エコ「やっぱり何だかんだ御託並べても傭兵だな、旧式MSじゃ勝てないと踏んで尻尾巻いて逃げちまった」

エコ「ま、ガンダムさえ勝てなかったGN-Xに旧式が勝てるわけ……」

フォン「おかしい」

シャル「……やはりそう思う? フォン」

エコ「へ?」

フォン「ここ最近の反国連軍の動きは妙に統一化されすぎている、先日のオーストラリアの部隊だって徹底抗戦の姿勢をあっさり翻して消えやがった」

エコ「だ、だからGN-Xに勝てないとふんだから……」

フォン「逃げるったって何処に逃げる? 今まで帰る場所だった拠点をさっさと捨てたのも疑問だ」

フォン「コイツ等の動きには迷いが無い……まるで最初から行く宛があるかのような鮮やかな撤退だ」

エコ「し、所詮傭兵だぞ? そんな頭がコイツ等にあるわけないって」

シャル「GN-Xの追撃と索敵に引っかからない移動ルートも気になるわ」

フォン「何者かが裏で手を引いてるとしか思えないな、この一件」

フォン「それも、裏切り者や政府関係者とは違う……全く別の何かだ」

エコ「全く違う……」

シャル「別の、何か?」

『ソレハナニ? ソレハナニ?』

フォン「さあな、検討もつかねえ」

エコ「んな、此処まで引っぱっといて……」ガクッ

フォン「あげゃげゃげゃ! 分からないなら見に行けば済む話だ」

フォン「シャル、行ってくる」

シャル「待ってフォン! 行くって何処に……」

フォン「中東だ。次に傭兵のぶつかり合いが発生するとしたら此処しかない」

エコ「おいフォン、CBの生き残りの捜索はまだやらないのかよ!」

フォン「あげゃげゃげゃげゃげゃ!」

エコ「っ!?」

シャル「……っ」

フォン「フラッグのようなポンコツと、出来損ないの強化人間如きに負けたガンダムマイスターなんぞに割く時間は無い」

フォン「俺は俺のために戦う、奴らが自分の尻も拭けないようならそのまま朽ちてもらって結構!」

エコ「なっ……!?」

シャル「そんな、あなたは!」

『……!』

フォン「事実だ。それにイアン・ヴァスティらプトレマイオスクルーに関してはシェリリンに任せてある」

フォン「あげゃげゃげゃ! さぁて、始めるとするか! 裏方で手を引いてる黒子探しになぁ!」

ヴンッ

874『フォン、報告があります』

フォン「あげゃ、何だ874」

874『先月分の軌道エレベーター内の記録を確認したところ、ソレスタルビーイングの実行部隊の人物が元の戸籍を使い地上に降りました』

フォン「!」

874『現在ユニオン領内にいるものと推測されます。指示を』

フォン「……ソイツは誰だ?」

874『リーサ・クジョウ。コードネーム――スメラギ・李・ノリエガ』


――ユニオン・イリノイ基地――

マリーダ「マスターッ!」

グラハム「銃を下ろせマリーダ、手出しは一切無用だ」

マリーダ「し、しかし!」

グラハム「冷静になれ、彼女は錯乱しているだけだ」

グラハム「それに私は軍人だ。銃を向けられるだけのことをしている……」

マリーダ「っ……」

グラハム「さて……私は君のことを知らない。初対面であり、君の名前さえ私は分からない」

グラハム「何故君が私に銃を向けるのか、無論私には心当たりが無い」

グラハム「だからもしその引き金を引くというなら、せめてその理由だけでも教えてもらいたい」

グラハム「どうだろう、お嬢さん?」

フェルト「……あなたは……っ」

フェルト「あなたは、私の家族を! 仲間を撃ったッ!!」ジャキッ


TO BE CONTINUED...


『キャプテン、大気圏突入コースに入りました』

「ようし、追撃を振り切る。重力の感覚に酔うなよ!」

デュバル「いよいよだな、キャプテン」

ジンネマン「あぁ……全てはこれから始まるんだ」


次回【フェルト】
失われた物、それは――



501 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/07/08(金) 02:56:43.86 ID:kkEZtuPAO
分からない人の為の


【フェレシュテ】

実行部隊であるソレスタルビーイングと四機のガンダムをサポートするために設立された支援部隊
ガンダムマイスター【フォン・スパーク】と第二世代ガンダム四機を軸に、ソレスタルビーイングに知られることなく裏方に徹した別働隊である
外伝【00F】の主役であり、フォン・スパークの破天荒ぶりのせいか怪作と言えるだろう


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