まどか「名護さんは最高です!」 第0話『その命神に返しなさい』

2011年10月15日 19:28

まどか「名護さんは最高です!」

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/19(日) 20:13:25.00 ID:hNhtP7r1o
>>1による初SS

スレタイに名護さんが入ってるけど詳しくは
魔法少女まどか☆マギカ×平成ライダーシリーズのクロスです

ライダー側は本編終了後からそれぞれ2012年に進んだ状態(設定の関係上)

>>1が見てない作品や、既にクロスしているものは出てきません(あと絡ませにくい555)

見てない…龍騎、響鬼、電王

既にクロスしている…アギト、カブト、DCD(VIP)、W&OOO

台本形式と地の文両方ありです

日本語もおかしいこともあるので指摘していただければありがたいです

キャラ崩壊あり

遅筆です。でも一週間に一回はできるように頑張ります

最後に、


名護さんは最高です!


―また、駄目だった…

「ん…」
病院のベッドで寝ていた少女『暁美ほむら』が目を覚ます。

見慣れた景色。
ほむらが入院している病室。

「また、救えなかった」
彼女は『鹿目まどか』を救うためにいくつもの時間を彷徨ってきた。

鹿目まどかを救えた事は一度もないが…

前回の時間軸ではインキュベータにまどかを契約されるのは阻止した。
だが、『ワルプルギスの夜』との戦闘の余波に巻き込まれ、まどかは死んでしまった。

「一体何が駄目なの…?」

前回の時間軸でワルプルギスの夜との戦闘までに生き残った魔法少女はほむら一人のみ。

巴マミが生き残ったまま美樹さやかが上条恭介の為に契約。

しかしその後魔法少女の秘密がバレると巴マミが発狂。
それに追い討ちをかけるかのように美樹さやかが魔女化。

巴マミに殺される前に佐倉杏子が巴マミを殺害。
その後、魔女となった美樹さやかと心中。

いつも通りの最悪のパターン。
時間軸によっては美樹さやかが契約する前に
巴マミが死んでいるか否かの違いはあれど、大体同じようなものだった。

「一体何が駄目なの…?」
彼女は最早両手足では数えきられないほどの時間軸を廻ってきた。

「この世界では必ず救ってみせる」
一番最初に必ず自分にそう言い聞かせる。

そうでもしなければ、自分を支えているものが崩れ落ちてしまいそうな気がして。
実際、彼女を支えているのは『鹿目まどかを助ける』
その気持だけで彼女の心を支えている。

「…」
ほむらはベッドから降りて鏡の前に立ち、
三つ編みをしていた髪をほどき、メガネを外して、
魔翌力を使って目を矯正した。

この行動も既に何回も繰り返している。

「必ず救ってみせるわ、まどか」
誰に言うわけでもなくそう呟き、夜の見滝原に駆け出した

まず、一番最初にこの世界で活動するためにグリーフシードを集めることにした。

今までの統計から、この時期で何処にどのような魔女が現れるかは大体把握していた。
多少のランダム要素はあれど、ほぼ確実だった。

「ここね」
ソウルジェムの反応を追って、魔女の結界を見つけた。

魔法少女に変身し、魔女の結界の中へ飛び込んだ。



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――魔女の結界内――

結界の中で銃声が鳴り響く。

(あまり強い魔女ではないわね。特別弱いという訳でもないけど)
できれば弱い魔女と戦って、消費する魔力を極力抑えたかった。

それでも十分一人で対処できるレベルだった。

ほむらが使い魔を倒しながら進んでいると、結界の入り口に何か反応があった。

(まさか、巴マミ?)
ここで巴マミに会いたくはなかった。
彼女は自分の計画の障害となるものだ。

(ここで出会って変に警戒されると後々面倒なことになる)

だが結界内に入ってきたのは巴マミでもなく他の魔法少女でもなかった。

(男…?)

普通魔女の結界は、魔法少女か、魔法少女と一緒にいた者、
もしくは魔女の結界に閉じ込められたものだけが入ることの出来る場所だ。

そこに普通の人間、ましてや男が入ってくるなどありえない。

男はほむらを見て口を開いた。
「マミちゃんでも杏子ちゃんでもない魔法少女?」

(マミ?杏子?それに魔法少女?どうしてこの男がそのことを知っているの?)

男が口にした言葉について考えていると再び男が口を開いた。

「誰だかわからないが魔女を倒すために共に戦ってくれ」

共に戦ってほしいと頼み込んできた。

「無理よ」
ほむらはそう返した。

「グリーフシードなら君に譲ろう。俺には必要のないものだ」

「普通の人間に戦えるほど、魔女は弱くない。だからお断りするわ」

そう、普通の人間にはけっして魔女を倒すことはできない。

「俺は戦士だ。素晴らしき青空の会のな。だから大丈夫だ」

そう言うと男は懐から、何かのハンドルのような、カイザーナックルにも見えるものを取り出した。

右手に持ったハンドルを胸の前で左手に押し付けた。

すると、
『レ・ディ・イ』
と電子音が発せられ、重低音が鳴り響く。
今度は右腕を大きく横に広げ、肘を曲げた状態で再び胸の前に持ってきた。

「変身!」
右手のハンドルを腰に巻いていたベルトに取り付けた。

『フィ・ス・ト・オ・ン』
再び電子音が発せられ、ホログラムのようなものが空中に浮かび上がり

それがパワードスーツのようなものに変わり、男の体に装着された。

顔のバイザーのが開かれ、赤い目を持つ、白い戦士が爆現した。

「あなたは…一体…」

何者?そう聞く前に白い戦士が

「その命、神に返しなさい」
拡声機を使って発せられたような声を出した。

そこからは圧倒的だった。

戦士が手に持った銃で使い魔を撃ち抜き、
近づいたものは銃を剣に変形させ、切り払う。

ほむらも負けじど数々の使い魔を倒してゆく。

そしてついに魔女がいる場所までたどり着いた。

「君の魔法はどのようなものなんだ?」
戦士がそうほむらに問いかける。

「教えると思っているの?」
そう返した。そして見せつけるように左腕の盾の中から、新たな銃を取り出した。

「それが君の能力か」

「どんな風に捉えても構わない。ただし邪魔だけはしないで」

「俺も全力で行く。むしろ君が付いてこられるかな?」
男がそういった。

男の挑発に言い返しそうな衝動を抑え前に進んだ。

(この男、勘が鋭そうね。能力を使うのはよした方が良さそうね)

そう思いながら前へ前へと進みついに魔女と対峙した。

(ちゃんとグリーフシードを孕んでそうね)

自作の爆弾を盾から取り出し、ピンを抜こうとすると、戦士がそれを止めた。

「何をするの」

「俺にやらせてほしい。見たところ君が使っているのはすべて現代兵器。
 無限にあるという訳ではないのだろう?」

よく見ているとほむらは思った。
たしかにほむらが使うものはすべて自作か盗んできたものだ。

できるだけ物資の消費も抑えるため、ここは任せることにした。

「わかったわ」
そう言ってほむらは引き下がった。

「良い判断だ。65点といったところだな」

訳のわからないことを言われたがほむらは気にしない。

(ここでこの男の戦力を見極めたい。いい戦力になりそうなら計画の一部に組み込もうかしら)

ほむらがそう思っていると戦士は、ベルトの右側についている
笛のようなものを取り出した。

「一気に決めさせてもらう!」

それをベルトに挿し込みハンドルを押しこむと
『イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ』
と電子音が発せられた。

ほむらは戦士の背後にまるで太陽があるかのような錯覚を感じた。

戦士は飛び上がり、上からまっぷたつに魔女を切り裂いた。

魔女が爆発し、魔女のいなくなった結界が崩壊する。

キンという音がし、グリーフシードが地面に落ちた。

男は変身を解除して、グリーフシードを拾い上げほむらの方へ投げ渡した。

「これは君が目をつけた魔女の報酬だ。受け取りなさい」

「元からそういうモノだったでしょう」
そう言いながらもほむらはしっかりと受け取った。

「ところであなたは何者なの?どうして魔女の結界に入り込めたの?
 魔法少女のことをなぜ知っているの?そしてあなたの使っていたあれは何?」
ほむらは目の前にいる男にそう問いただした。

「人に名前を聞く場合はまずは自分からではないか」
テレビなどでよくある返しをしてきた。

「暁美ほむら。分かっていると思うけれど魔法少女よ」

「そうか、俺は名護啓介。イクサに変身する素晴らしき青空の会の戦士だ」

「そのイクサとは何?素晴らしき青空の会は?他の質問にも答えて」
とにかく気になる事柄をすべて目の前にいる『名護啓介』と名乗った人物にぶつけた。

「今日はもう遅い。そのことについては明日話そう。君は夕方は時間があるか?」
名護がそう聞いてきた。

「ええ」
短く肯定で返した。

「そうか、ならこの地図に書いてある場所へ明日の夕方4時半頃に来てくれ。
 君の質問はそこで答えよう。それに俺からも君に聞きたいことや話したいことがあるからな」
そういって一枚のメモ用紙を渡された。

「じゃあ、また明日会おう」
そういってバイクに乗ってどこかへ行ってしまった。


――見滝原市の何処か――

Prrrr Prrrr

???「名護さんから?急用かしら」

???「もしもし。何か用ですか名護さん」

名護『マミちゃん、明日の夕方、研究所の方に来てほしい。
   君に…というより君達に紹介したい人物がいる』

マミ「わかりました。学校が終わったらすぐに行きます」ッピ

???「名護啓介からかい?マミ」

マミ「あら聞いていたのキュゥべえ。趣味が悪いわよ」

QB「僕は君のすぐそばにいるんだ。聞こえて当然だよ」

マミ「ちょっとした冗談よ」

QB「それより僕達に紹介したい人物って誰だろうね?」

マミ「『私達』の中には佐倉さんや橘さんたちのことも入っているでしょうし、
   魔法少女候補を見つけたとかかしら?」

QB「それはないよ。なんて言ったって僕が見つけてないんだから。
  普通の人間に魔法少女の素質が有るか無いかなんて見分けられないよ」

マミ「それもそうね。でもほんとに誰なのかしら、その紹介したい人っていうのは」


――とある研究所――

Prrrr Prrrr

???「ん?名護さんから電話だ。もしもし。こんな時間に何か用ですか名護さん」

名護『その声は睦月君か。橘さんと杏子ちゃんに伝えておいてくれ。
   君達に会わせたい人物がいる、と』

睦月「わかりました、伝えておきます。
   時間はマミちゃんのことを考えて夕方ですか?」

名護『もちろんだ。ちなみに会わせたい人物というのには4時半頃に来てくれと言っている』

睦月「はい、わかりました。明日の夕方4時半頃ですね。2人にもしっかり伝えておきます」ガチャ

???「どうした?誰からの電話だ」

睦月「あ、橘さんいいところに。さっき名護さんから電話がありました。
   僕達に会わせたい人物がいる、ということです」

橘「それは、杏子ちゃんにも伝えておくのか?」

陸月「はい。彼女にも伝えておいてくれって言ってましたよ」

橘「あの子はもう寝たぞ。まあ、明日の朝にでも伝えればいいか。それで時間は?」

睦月「夕方4時半頃です」

橘「わかった。それまでに部屋の準備をしないとな」

睦月「ですね」


―名護と別れたほむら―

ほむらは名護に渡されたメモ用紙を見ていた。

(建物の地図…みたいね)

メモには地図が描かれていた。

(場所は…大体この町と隣町のちょうど間ぐらい)

自分の家から近すぎることもなく、遠すぎることもない、
その上、見滝原中からも歩いていける距離だった。

(罠…とは思いづらいわね。こちらに敵対するつもりなら
共闘をするとは思えないし、グリーフシードをこちらへ渡す意味が無い)

もちろん、後から奪い返しに来るという可能性もあったが、
ほむらはそれをありえないものとして判断した。

(明日の4時半…ここに行けばあの男の正体がわかる。
それにある程度信頼関係を築けば計画に組み込めるはずでしょうし)

ひとまずほむらは当初の目的を果たしたので帰ることにした。

もしかすると、今度こそ、この地獄から抜け出せるかもしれないと思いながら。


―翌日 AM6:25―

(ドアが開く音)

???「おーい、橘に陸月、朝だぞー。飯もそろそろできるぞー」

橘・睦月「う…ん…」

???「早く起きろって。あたしが全部食っちまうぞ」

橘「ああ、わかってる。おい起きろ睦月」

睦月「ふぁあい。おはようございます」

???「おはよう。2人とも」

橘・睦月「おはよう、杏子ちゃん」

杏子「早くしないと飯が冷めちまう。食い物は大事にしないとな」

橘「だな。朝食にしよう」


―AM6:30 食事中―

杏子「お前ら何やってったんだ?その様子だとえらく遅くまで起きてたみたいだけど」

橘「ちょっと部屋の掃除をな」

睦月「今日、名護さんが夕方に来るんだよ。それで」

杏子「名護が?何の用だ?」

橘「俺達に紹介したい人物がいるらしい。マミちゃんも呼んである」

杏子「マミのやつまでってことは、魔法少女に関することか?」

橘「おそらくな」

睦月「でもなんでしょうね。その紹介したい人ってのは」

杏子「新しい魔法少女だったりしてな」

橘「可能性としてはあるだろうな」

杏子「じゃあ今日はここでゆっくりしとくか。夜は魔女探しに行くけど」

睦月「夕方の4時半頃にいてくれたら構わないよ」

杏子「わかった。とりあえず…」

「「「ごちそうさま」」」


―巴マミ宅 AM6:30―

マミ「~♪~~♪」

QB「かなりご機嫌だね、マミ」

マミ「新しい魔法少女、私達の後輩ができるんだもの。
   うれしくなるのは当然よ」

QB「魔法少女と限ったわけではないだろう?」

マミ「でも、名護さんがみんなを集めるぐらいですもの、きっと魔法少女よ♪」

QB「僕すら、把握していない魔法少女か。もしそうだったとしたらそれはとても興味深い話だ」

マミ「あなたもそう思うでしょ。それを考えると嬉しくて
   その子が魔法少女だったとしたらその子は名護さんの弟子になってくれるかしら?」

QB「僕にそれを聞くかい?生憎だけどそういったものはわからないよ」

マミ「たしかに人の考え方は人それぞれ。でも、できるだけ仲間は多いほうがいいでしょ?」

QB「一概にそうとは言えないんじゃないかな?人は簡単に他人の気持ちを裏切る。
  それがたとえ、最高の親友や、自分の両親であっても」

マミ「あなたの言い分も一理あるわ。あなたの言う通り醜い部分もある。
   でも私は信じたい。その子が私達の仲間になってくれると」

QB「でも、その魔法少女があくまでも一人で戦い続けるといったら?」

マミ「その子がひとりで戦うと言っても、人は決して一人では生きていけないの。
   たとえ、孤独で生きようとしても、いつかはそれが崩れてしまう。
   かつての私や佐倉さんのように。
   だから、誰かと一緒にいたい。その気持ちがいつまでもあり続けるのよ」

QB「やっぱりはまだまだ人間は理解出来ない部分が多いね。でも…」

マミ「それが逆にあなたの興味をひく。というわけね」

QB「そういうことさ」

マミ「ところでキュゥべえ。今何時かしら?」

QB「7時30分だね。そろそろ学校にいくかい?」

マミ「ええ。いつもの時間に家を出て、いつもの時間に学校につく。
   規則正しい生活は、ちゃんと生きて行く中で大切よ」

QB「そんなものなのかい?」

マミ「そんなものよ」

マミ「それじゃ、出かけるわよ」


―名護家 AM6:30―

???「あなた。起きなさい」

名護「ああ。よいしょっと。おはよう恵」

恵「おはよう、啓介。朝食、できてるわよ」


―AM6:35 食事中―

恵「昨日も魔女退治してたの?」

名護「ああ。それと新しい魔法少女を見つけた」

恵「てことは、また誘拐するの?」

名護「保護と言いなさい。保護と」

恵「どっちでもいいじゃないそんなこと。
  で、新しい魔法少女を見つけたって事は、研究所で話し合い?」

名護「ああ。とりあえず夕方の4時半頃とみんなに伝えてある」

恵「ふーん。その後はいつも通り魔女探しってところ?」

名護「とりあえずな。あくまで予定だから変わるかもしれないが。
   あと、ごちそうさま。今日もうまかったよ」

恵「ありがとう」


―AM7:00 朝食後―

恵「それで、あなたはこれからどうするの?」

名護「約束の時間までは時間がある。まあ、時間の30分前ぐらいには
   向こうに着いておくつもりだ」

名護「とりあえず午前中は特に何もしないでおく。
   戦士にも休息は必要だからな。
   午後からはジムにでも行ってこようかと思っている」

名護(あの娘について少し考えておきたいこともあるしな)

恵「私も付いて行っていい?久々に二人でトレーニングといきたいし」

名護「わかった。だがたしかに久しぶりだな」

恵「二人でトレーニングと言ったら、あの時のことを思い出すわね。
  あの時のあなたの弱気ぶりったら。普段からは考えられなかったわよ」

名護「そんな事もあったな」

恵「そんな事とは何よ」

名護「でも、あの時のおかげで今こうして君と暮らせている。
   そのことには感謝してるよ。ビショップを倒せたのも君のおかげだ」

名護「あの時、君が俺にガツンと言ってくれなかったら、
   俺は間違いなくあの場から逃げていた。
   戦士として、イクサとして戦えたのも君の存在あってのことだった」

恵「ちょっと、何そんなに昔の話に浸ってるのよ//恥ずかしいじゃない///」

名護「俺もなんだか恥ずかしくなってきた、少し外に出てくる」ガタ



(それにしてもあの娘は何者だ?あの町で新しく契約した魔法少女?)

名護啓介は昨夜出会った魔法少女『暁美ほむら』について考えていた。

(だが、それならキュゥべえが伝えなくとも、マミちゃんが俺達に伝えるはずだ)

キュゥべえがマミや杏子に教え、彼女達が名護達に伝える。もしくはこちらから彼女たちに伝えることもあった。
魔法少女に関することは、大体いつも同じだった。
だから、今回の『暁美ほむら』の登場はかなり不自然に感じた。

(それに、戦い方が素人の戦い方ではなかった。あの魔女の対処法もかなり分かっていた。
まるでなんどもあの魔女と戦っているように…)

戦い方は歴戦の戦士。名護がうけた印象はそうだった。

(ん?何度も戦っている?)

彼女の戦い方に違和感があった。

(もしかすると、彼女の魔法は時間遡行?)

といってもまだまだ憶測に過ぎないことだった。

(彼女と二人きりになったときに少し尋ねてみるか)

そうして名護は再び家に戻った。


―Side ほむら AM6:30―

「…ん…」

自宅のベッドから目を覚ましたほむら。
昨日は結局家に帰ってきてすぐにシャワーを浴びそのままベッドに倒れこむようにして眠っていたらしい

「おはよう。まどか」

写真に写る『鹿目まどか』に向かって挨拶をする。

彼女は初めて自分から思いを伝えられた相手。

当時魔法少女ではなかった自分の命の恩人。

そして今は、何があっても必ず救わなければいけない大切な友達。


―AM6:45―

「いただきます」

ほむらが食べているのは近くのコンビニで買ってきたパンなどだ。

普段なら、普通に自分で料理をするのだが、昨夜のこともあり、その時間すら惜しく感じた。

(あの男の正体…普通の人間だったけれど…)

やはり疑問は絶えない。昨日と同じような疑問が繰り返される。

(あの『イクサ』というものは、鎧みたいなものかしら)

この時のほむらはまだ知らないが間違いではない。

『IXA』正式名称『Intercept X Attacker(未知なる驚異=ファンガイアに対する迎撃戦士)』

かつて人間がファンガイアに対抗するために作られたパワードスーツである。

だが、現代のファンガイアのキング=登太牙の意思によりファンガイアと人間の共存関係が
築かれている今となっては、対魔女用パワードスーツとして扱われている。

(対魔女兵器としては破格の強さね。あのベルトを奪ってでも私の戦力にしたい)

ワルプルギスの夜を倒すのに必要な戦力はできるだけ確保したい。
それが、ほむらの目的でもあった。

(ただ、奪ったとしてもあれを誰が使うかが問題ね)

やはり、あの男に協力してもらうしか方法は…

そう考えようとしたが、ほむらはその考えを振り払った。

(いいえ、ワルプルギスの夜は私の力で必ず倒す)

最高の友達との約束を必ず果たすために…

―トレーニングジム PM1:15―

名護「久しぶりに来るな、このジムも」

恵「そうねー。特にあなたはここ2年は研究所でトレーニングしてたもんね」

名護「そっちのほうが都合が良かったからな」

恵「あ、あそこ見て」

名護「あの後ろ姿は…」


???(フィットネスバイクを漕いでいる)


なごめぐ「お久しぶりです。嶋さん」

嶋「名護君に恵君か。久しぶりだな。1年ぶりぐらいか?」

名護「それぐらいになりますね。それより、現在もこちらの支援に回っていただき
   ありがとうございます」

嶋「そのことはいい。ファンガイア、ネオファンガイアの驚異はなくなった。
  君達が魔女という化物を倒しているのならまだ力を貸すつもりだ」

名護「そのことですが昨晩、新しい魔法少女を見つけました」

嶋「新しい魔法少女と言うことは、まだ契約したてか?」

名護「はっきり言いますと、わかりません」

嶋「わからない?なぜだ」

名護「契約したてにしてはかなりの戦闘能力です。そこらにいるものより段違いに強いです」

嶋「一緒に戦ったのか?腕は?」

名護「はい。明らかに素人の戦い方ではなかったです。
   それに使っている武器、ハンドガンなど、どこかの軍事基地から盗んできたようなものばかりでした」

恵「それってちょっとマズくない?」

嶋「ここ最近、そういったものが盗まれたという話は聞かないな
  ほんとに通常兵器だったのか?それがその少女の能力ではないのか?」

名護「魔力を使って威力を強化していたようですが、間違いなく普通の物でした」

名護「それに彼女は左腕の盾のようなものから銃を取り出したししていました。
   彼女の魔法はそれに似た類かと思います」

嶋「特定の場所に、物を収納することのできる魔法少女か…
  にわかには信じられんな」

名護「我々が接触した魔法少女は極少数です。他にも色々な能力を持った魔法少女がいるはずです。
   それに、事例がないからと言って、可能性を0と判断するには早すぎます」

嶋「君に言われるとはな。だが君の言う通りだ。
  我々が知っている魔法少女は名護君が出会った者を合わせてまだ3人だ」

名護(だがあの『暁美ほむら』と名乗った魔法少女。盾に物を収納する…
   それは、能力の一部に過ぎないのではないだろうか…やはり時間遡行が有力か?)

恵「どうしたの?なんかえらく考えてるみたいだけど」

名護「いや、なんでもない。では嶋さん、俺達はこの辺で失礼します」

嶋「わかった。これからも出来る限りの支援はする。何か新しい情報が入ったら教えてくれ」

名護「わかりました。では」


――――1時間半後 PM2:45

名護「ここら辺にしておくか。汗もかいたしシャワーも浴びて研究所に行きたい」

恵「私も久々にこんなに体動かしたから、かなりくるわ。筋肉痛になりそう」

名護「じゃあ、30分後このジムの前に集まろう」

恵「おーけー。それじゃ、お先に」


―PM3:15 ジム前―

恵「ごめん。待った?」

名護「たしかに少し待ったが、時間通りに来てるんだ問題はない」

恵「じゃあ、帰ろっか」


―帰り道―

恵「家についたらすぐに出かけるの?」

名護「この調子だと少し早めにつくが、どのみちすぐに出かけなければいけないな」

恵「夜はどうするの?」

名護「話し合いが終わった後に決まると思うから、遅くなりそうでもなりそうでなくとも連絡する」

恵「わかった。でも、できるだけ早く帰ってきてね。危ないことをしているのは昔から変わってないんだから」

名護「マミちゃんたちには負けていられないさ。
   それに魔法少女とはいえ、彼女たちは肉体的にも、精神的にもまだまだ子供だ。
   俺達大人がしっかりと見守ってあげなければならない」

恵「成長したといえば渡君よね。なんか短い間に急にたくましくなっちゃって」

名護「そして今は兄の登太牙君と共に人間とファンガイアが共存できる社会を作っているしな」

恵「なんだか知らない間に成長していく。子どもがいたらこんな感じなのかな」

名護「知らない間に成長していく…それが寂しくもあり、嬉しくもある。そういったものじゃないか?」

恵「そうね。それも楽しみの一つね。それより、そろそろつくわよ」

名護「わかっている」


「ただいま」 「おかえり」


―研究所 AM11:50―

杏子「お前ら昼飯はどうするんだ?」

橘「一応食うよ」

杏子「それじゃあ、昨日とか今朝の余り物でなんか作っとく。食いたくなったらいつでも食べといてくれ」

睦月「わかった。とりあえず一区切りついたら食べるよ」

橘「それと、金を渡すから名護達が来るまでに何かお菓子などを買ってきてくれないか?」

杏子「あーわかった。どうせ今日はやることないし、それぐらい行ってやるよ
   自分の分は自分で確保しておいて構わないかい?」

橘「よほど買い過ぎなければ問題ない。どうせ普通に買いすぎても君が殆ど食べるだろう?」

杏子「マミがケーキ買ってくる可能性もあるし、いつもより少なめにはするよ。
   じゃあ、あたしは今から昼飯作るから」

橘「期待してるよ」

杏子「まかせとけ」


―PM1:00―

睦月「橘さん、これここでいいですかね?」

橘「そこじゃなくて、机の上に置いてくれ」

睦月「わかりました。よいしょっと。はぁー、これで終わりですかね?」

橘「まあ、こんなモノだろ。腹も減ったし飯にしよう」

<おーい

杏子「お前らまだ飯食ってなかったのか?」

睦月「丁度片付けが終わったから、今から食べるよ」

杏子「そうか。じゃあ、あたしはなんか買ってくるよ」

橘「寄り道したりせずに、ちゃんと帰ってくるようにな」

杏子「あんたはあたしの親父か。いってきます」

橘・睦月「いってらっしゃい」


ナカナカウマイ イツモドオリデスネ コレ、クッテモイイカナ チョ、タチバナサン、ソレオレノデス


―PM1:05 近所のスーパー―

杏子「これと、これと、あとついでにこれも入れて」

杏子「これはあたしが食べる分だろ。これはみんなで食べる分だから…こんなもんかな」

杏子「精算お願いしまーす」

ヒャクゴエンガイッテン ニヒャクジュウエンガイッテン…
オカイケイ3154ニナリマス 4000エンオアズカリシマス 846エンノオカエシニナリマス アリガトウゴザイマシター

杏子「買うもんは買ったし、さっさと帰ってこれからのことも考えて、昼寝でもしよっかな」


―PM1:25 研究所―

杏子「ただいまー」

睦月「おかえり」

杏子「買ったもんはここに置いとくよ。あと中にもう一つ袋が入ってるけど
   それはあたしの分だから置いといてくれ」

橘「わかった。これからどうすつつもりだ?」

杏子「昼寝。起きるとは思うけど4時頃には起こしてくれよ」スタスタ

睦月「わかった。そのぐらいに起こしにいくよ」

―杏子の部屋―

杏子「寝る前にイクササイズでもしとこう」


―PM3:55 市立見滝原中学校校門前―

マミ「家まで、10分。そして研究所まで歩いて20分。
   学校から直接研究所までは15分程度。
   家に帰ってる暇はなさそうね」

QB「そのまま行くのかい?」

マミ(そうなるわね)テレパシー中

QB(なんでテレパシーで話すんだい?)

マミ(周りから見たらあなたの姿や声は識別できないけど、
   私は周りに聞こえるの。ブツブツ独り言を言ってるみたいに見えるでしょ)

QB(僕はそんなことは気にしないのだけれど)

マミ(あなたはそうでも私は違うの。それより早く行くわ。
   結構時間も押してるし。
   でもケーキ屋さんにはよるわよ。美味しい物を食べながら話を聞く。
   私の楽しみの一つでもあるしね)

QB(わかったよ。でも遅れないようにしなよ)


―PM4:05 研究所―

<ピンポーン

睦月「はいはーい。いまでますよ」ガチャ

名護「少し早かったが上がっても構わないかな?」

睦月「いいですよ。マミちゃんはまだ来てませんけど」

名護「彼女は今学校が終わったばかりだろうから、もう少し後だろう」

睦月「それじゃあ、いつもの部屋まで行きましょうか」

名護「ああ」

~移動中~
睦月「それで俺達に紹介したい人っていうのは?」

名護「まあそうあせるな。といっても君達には全員に聞かれるんだろうな」

睦月「やっぱり魔法少女の関係者ですか?」

名護「ああ。詳しいことはあとでその娘も交えて話すよ」


―客室―

杏子「おっす、名護」

名護「君は相変わらずだな。敬語を使いたまえ。仮にも君の師匠だぞ俺は」

杏子「でもこれがあたしだからなぁ。ところで今日の紹介したいやつっていうのは?」

名護「睦月君にも聞かれたぞ。あとでいっぺんに話すんだ。今聞かなくてもいいだろう」

橘「だが俺も気になるな。お前の紹介したい人物が」

名護「あなたまで…では、一言で言えば魔法少女」

杏子「やっぱりか。てことはあの事教えるんだな」

名護「当たり前だ。まだまだ魔法少女には秘密がたくさん潜んでいる」

橘「俺達がしているのはそれの究明と、魂の戻し方だ」

杏子「ほんと、あの野郎、肝心な部分を教えてこねえからな」

橘「俺達が聞いても曖昧な返事しかしないからな。こちらも骨が折れるよ」

名護「そのためのここの研究所だろう。それにここでも特訓ができる。
   魔法少女を保護するのには最適だ」

睦月「保護、育成、説明。結構色んな物が集まっていますからねここ」

杏子「飯にもありつけるし、屋根のある寝床があるしでいい場所なんだよな」

橘「そのかわり、ある程度の研究の手伝いや家事ぐらいはやってもらうがな」

<ピンポーン

橘「マミちゃんかな?」

睦月「俺が出てきます」

名護「よろしく頼むよ」


―PM4:20 研究所玄関―

睦月「マミちゃん?」

マミ「こんにちは睦月さん。お邪魔します」

睦月「名護さんは来てるよ。マミちゃんが来たから後一人だね」

マミ「名護さんの言う紹介したいって人は?」

睦月「一言で言うと魔法少女、だって」

マミ「ほらねキュゥべえ、言った通りでしょ」

QB「参ったね。マミの言う通り魔法少女だったなんて」

睦月「そこにキュゥべえがいるのかい?」

マミ「いますよ。私の予想が当たったんでそのことに悔しがってます」

睦月「だけど無表情なんだろう」

QB「僕には君達人間のような"感情"がないからね」

マミ「自分たちには私みたいに感情がないからっていってます」

睦月「俺は意思疎通が出来ればそれでいいよ。俺はキュゥべえ声が聞けないし、姿も見えないしね」

マミ「仮面ライダーでも変身しなければただの人間ですからね」

睦月「俺は人間として生きて人間として死んでいく。
   でも君達はそれができないかもしれない。ま、それを救うために俺達が頑張ってるんだけど」

マミ「分かってますよ。いつか、元に戻ることができる日が来ることを信じてますから」

睦月「きっと救ってみせるよ。君達を」

マミ「ありがとうございます。でも無理はしないでくださいね」

睦月「わかってるよ」

ガチャ

杏子「来たかマミ」

マミ「こんにちは、みなさん」

橘「ようこそ」

名護「あとは呼んである彼女だけだな」

マミ「睦月さんに聞きました。魔法少女なんですよね」

名護「ああ。昨日初めて出会ったんだ。何か知らないか?」

QB『僕はこのあたりでは最近契約してないから僕は知らないよ』テレパシー

名護「キュゥべえが知らないのならこれ以上は分からないな」

橘「とりあえずその子を待とう」


―PM4:28 研究所前 暁美ほむら―

(地図に書いてあるのはここよね)

見た目は何かの研究施設のようだ。

玄関に取り付けてある呼び鈴を鳴らす。

少しの間があり中から一人の青年が出てくる。

「君が名護さんの言ってた最後の一人かな?」

「名護啓介が他に呼んでいないのならそうね」

「とりあえず、入りなよ。中で他の人も待ってるから」
そう言われ、ほむらは研究所の中に入った。

「あなたは誰なの?」
ほむらは目の前を歩いている男に問いかけた。

「俺も含めてみんな後で自己紹介するよ。…ここだよ」
男が部屋の扉を開ける。

部屋の中には4人いた。

「巴マミに佐倉杏子…」
部屋にいた4人の中に巴マミと佐倉杏子がいた。

「マミちゃんに杏子ちゃん、知り合いか?」
名護が2人に尋ねる。

「私は知らないぜ。こんなやつ」「私も知らないのだけど」
2人はそう答えた

「とりあえず、立ち話もなんだ。席に座らないか」
名の知らない男がそう促してきた。
年齢は20代後半から30代前半だろうか。そう考えながらもほむらは言われたとおり椅子に座った。

「まずは自己紹介と行こうか。俺から行こう」

「俺は、橘。橘朔也だ」
男、橘がそう名乗った。

「俺は昨日会ってるから知ってるだろうが、名護啓介だ」

「俺は上城睦月。よろしく」

「私は巴マミよ」

「あたしは佐倉杏子だ」
それぞれ順番に名を名乗っていく。

「暁美ほむらよ」
最後にほむらが名乗った。

その次の瞬間

「やあ、僕はキュゥべえ。聞くところによると、君は魔法少女の力を持ってるらしいね。
 何処でその力を手に入れたんだい?」
邪悪の根源がほむらの目の前に現れた。

この場で、何かしてやりたいという衝動を抑え、

「お前には関係ない」
そう返した。

「君はキュゥべえと話ができるのか。まあ魔法少女なら当たり前か」
名護がそう言った。

「あなたこいつのことまで知ってるの?」

「姿は見えないし、声も聞こえないが知ってる。ただテレパシーを使ってもらえれば
 キュゥべえの言いたいこともわかる」

「なるほどね。じゃあ昨日の約束果たしてもらおうかしら」
そう、此処に来たのは昨晩聞けなかった質問に答えてもらうためだ。

「質問って?」
杏子が尋ねる。

「昨日約束してたんだ。ここに来たら彼女の質問に答えると」
名護が答える。

「早くして頂戴」
ほむらが急かす。

「まあまあ、暁美さん紅茶でもどうかしら」
巴マミがほむらの前に紅茶を出してきた。

「みなさんの分もありますよ」
マミがそれぞれに紅茶を配る

「それじゃあ、暁美ほむらちゃん、君の質問に答えようとしよう」

ようやく、話が動き出した。

「じゃあ聞くわ。まず貴方は、いや貴方達は何者なの」
最初は相手の正体を探ることにした。

「俺は素晴らしき青空の会所属の戦士だ」

「それは昨日聞いたわ」

「俺と睦月はこの人類基盤史研究所、BOARDの研究員だ」

「私と佐倉さんは魔法少女よ。この見滝原市を拠点にしてるね」

「あたしは隣町だけどな」
マミと杏子は今までの時間軸と同じように別々の町を拠点にしているらしい。

ただ、二人の中が良好に見えるということを除けば。

ほむらは新しい疑問をぶつけた。

「名護啓介、貴方の言う素晴らしき青空の会とは?
 そっちの2人は人類基盤史研究所とは何?」
3人の男の言葉について尋ねた。

「素晴らしき青空の会は今は魔女と戦っている組織だ。
 かつてはファンガイアと戦っていた、がこの話は長くなるからこれ以上聞かないでくれ」

「人類基盤史研究所って言うのは
 『ヒトが地球を制した背景には、進化論では説明できない理由が存在する』
 という仮定を元に人類の歴史について研究していたところだけど、
 今はどうすれば、人外になってしまったものをもとに戻せるか研究しているところだよ」
上城睦月と名乗った男が答える。

「その研究と魔法少女に何の関係があるというの?」

「それもあとで話そう。俺達と魔法少女の関係についてもな。君にとっても重要な話だ」
橘がそう言って遮った。

「わかったわ。じゃあ次の質問をするわ。どうして魔女の結界に入り込めたの?」
一番の疑問をぶつけた。ありえないことを平然とやってのけたのだこれが一番引っかかる。

「それも魔法少女との関係があるからあとでいっぺんに話そう」
名護がそう返す。

「えらく答えてくれないわね」
ほむらは苛立っていた。こちらの質問に殆ど答えていない。

目の前にいる名護啓介に怒りをこめてそういった。

「話が長くなるからな。いっぺんに話すぐらいがちょうどいい」

「仕方が無いわね。最後の質問よ。イクサとは何」

「イクサは俺の妻、旧姓麻生恵の祖母がさっき言ったファンガイアに対抗するために作った
 ライダーシステムだ。わかりやすく言えばパワードスーツだな。
 といっても今はファンガイアの脅威はなくなったから魔女退治用に使っているが」

ほむらの立てた仮説はほとんどあっていた。

「ちなみにこっちの2人もライダーシステムを持っている。
 俺とは役割や、根本的なシステムが違うがな」

「名護が使うのは敵を倒すための物。
 俺達はどうやっても殺せない不死生物を封印するのが目的で作られたからな」

「バックルだけでも見せてやれないか?」

「わかった」
そう言うと橘が立ち上がり、机の中から、ベルトのバックルを2つ取り出した。

「これが俺の使っているライダーシステム。
 第1号のギャレンだ」

「それでこっちは俺が使ってる、最後のライダーシステム。
 第3号のレンゲル」

橘と睦月がそれぞれのベルトの紹介をする。

「それは魔女に対して通用するものなのかしら」
ほむらはそう問いかけた。

といってもイクサが通用したのだ、これも通用するはずだろうとほむらは考えていた。

「もちろんだ。ただしこいつは誰にでも簡単に使えるわけじゃない」

「変身するためにはこれとは別に、ラウズカードっていう物が必要なんだ。こういったね」

そう言うと睦月はポケットの中から一枚のカードを取り出した。

カードの見た目はトランプのようだった。
カードには1を表すAが左上に書かれていて、絵柄は、金色を背景とした蜘蛛の絵が描かれていた。

「このカテゴリーAとの適合率が高ければ、それぞれのライダーに変身できる」
橘がそう言った。

「適合率が中途半端に高くてもだめだ。下手をすれば四肢を失う可能性だってある」
そう付け加えた。

その証拠に、最初のギャレン適格者とされていた桐生豪がテスト中の事故により右腕を失った。

「あなた達二人が持ってるベルトは1号機と3号機で合ってるわね?」

「ああ。それがどうかしたか」

「2号機は何処にあるの?」
橘のライダーシステム1号と陸月のライダーシステム3号。

なら間のライダーシステム2号は何処にあるかと、そういった意味でほむらは尋ねた。

「第2号はベルトとラウズカードはこの研究所にある。
 変身者は、今何処にいるのかわからない」

「行方不明ってこと?貴方達の仲間ではないの?」
システムは置いてあるのに変身する者がいない。

なぜそんな状態でいるのか、その質問に橘たちは口をつぐんだ。

「これには深いわけがある。彼らが話したくないのなら俺が話そう。
 話はある程度聞いてある」

そう言うと名護はなぜそうなったかについて話しだした。


ほむらは黙って話を聞いた。

その話を聞くと、『ジョーカー』という化物が最後に残ってしまった。

ジョーカーは世界を滅ぼす存在。最後の一体に残してはならない存在であった。

そのせいで、各地で大量の化物が発生。

ジョーカーは人間の心を持っていて世界が滅ぶことを望んでいなかった。

当時、ライダーシステム2号…仮面ライダーブレイドに変身していた『剣崎一真』は
ジョーカーを救うために、自らが封印したアンデットと融合を続け、最終的には2体目のジョーカーが生まれることになった。

そのため、アンデッドが2体存在することになり、世界の滅亡が止まった。

だが、剣崎一真は、ジョーカー…『相川始』を人間の中で生かすために、戦わないようにどこかへ行ってしまった。

その後の足取りは掴めていないらしい。

ただ、世界の紛争地帯で人とも獣ともつかない、怪物が戦場の子供たちを逃がしているという話が出てくるらしい。


「これが俺が2人から聞いた話だ。2人は、特に橘さんは彼を人間に戻す方法を探す為に今も研究を続けている。
 そのついでとして、魔法少女をもとに戻す方法も一緒に探しているところだ」

ほむらはその話を聞いて、なんとも言えない気持ちになった。

(人の心を持った化物を救うために、自らが化物に…?)

魔法少女の中にも、似た境遇にある者もいる。

誰かの為に、奇跡を願う。

そして、魔女との戦いで死ぬか、絶望し、魔女になる。

例として挙げるなら、美樹さやか、佐倉杏子がそうだろう。

剣崎一真と魔法少女の違い。

それは、剣崎は救えないのに対し、魔法少女は救われない。

この差はとても激しいだろう。それ故にほむらはどうしようもない運命があるのだと認識してしまう。

「だが…」
橘が口を開いた。

「剣崎は言った。『俺は運命と戦う。そして勝ってみせる』と」

(運命と戦う…そして勝ってみせる…私もどうしようもない運命と戦っている。
その運命に勝つために色々なものを利用してきた。でも勝てない…)

運命と戦う。そして勝つ。それがどれだけ難しいことかほむらは身を持って実感していた。

彼女もまた、自分の力では到底抗えないような運命と戦っていた。

その中からたった一つの可能性を探す為に何度も何度もやり直した。

未だにその可能性は見えてこない。

「それで、新しい質問はあるか?」
名護が聞いてきた。

「後は貴方達の知ってる魔法少女のことについてだけよ」

「わかった。これはとても重要な話だ。しっかり聞いてくれ」

「ええ」

「君はソウルジェムを持っているだろう。そのソウルジェムは君の魂だ」

「!?」

「驚くのも無理もない。これはほとんどの魔法少女が知らないことだ。

その事実ともう一つ魔法少女にとっての最大の秘密をほむらは知っているが、なによりマミが動揺していないのが驚きだった。

(自分がすでに人間とは違うということに気づいているのに巴マミはなんとも思っていない?)

名護がさらに続けた。

「キュゥべえの話によると君達の体とソウルジェムはせいぜい100メートル以上離れると
 肉体の制御が出来なくなるらしいな」

「なぜ…貴方達がそのことを…」
ほむらはそう口にした。

「知っていたのか…なら話は早い。俺達に協力してくれないか?」
名護がそう提案してきた。

「俺達は一人でも多くの少女たちを救いたい。君は既に契約してしまっているようだが、
 さっきも言ったように、俺達は人でなくなった者をもとに戻す研究をしている。
 そのためにも君にも協力してもらえれば助かる」

「もちろんただでとは言わない」
橘が言った。

「協力してくれれば、俺達が君の援護に回ろう」

「話は大体わかったわ。貴方達に協力するわ」

ほむらにとってとても魅力的な提案だった。

魔女と対等に渡り合える人材を、マミと杏子の他に3人も確保することができた。

問題はワルプルギスの夜までに何人残っているかだが。

「それじゃ、これからよろしくね。暁美さん」
巴マミが手を差し伸べてきた。

「…ええ」
少し戸惑いながらもほむらはその手を握る。

「それであんたはこれからどうするんだ?」

「約一週間後、私は見滝原中学校に転校することになっているわ。
 それまでは、この町の魔女を狩りつつグリーフシードを集めるわ」

当分の目的を話した。
もちろん口には出さないが、キュゥべえとまどかをで合わせないようにするのも目的の一つだ。

「ここにいるのは魔法少女3人に、ライダー3人だちょうど2人ずつで行動ができるな」
橘が言った。

「なら俺はほむらちゃんと行動しよう」
名護はほむらと行動すると言ってきた。

「ということは私はしばらく、睦月さんか橘さんと行動することに?」

「そういうことになる」

どうやらマミは今まで名護啓介と一緒に行動していたらしい。

「俺がマミちゃんの援護に回りますよ」
睦月がそういった。

「俺は杏子ちゃんと組むことになるが、たまに出てこれない時があるぞ」

「その辺は心配いらねえよ。だが油断もしねえ」
杏子が言った。

「何時までもお前らに頼ってるわけにもいかねーしな」

「本当に大丈夫か?」
名護が心配そうに聞いた。

「言ったろ。油断はしねえ。ただ全力で魔女を叩き潰す」

「俺もできるだけ時間を空けよう。だが無茶はするなよ」

橘も杏子に言った。

「佐倉さんなら大丈夫ですよ。出会った頃とはまるで別人ですから」

「ちょ、マミそのことは言うな。あたしにだって言われたくないことだってある」

杏子が慌てたようにして、マミに飛びかかる。

といっても本気ではなく、あくまで友達同士がじゃれ合ってる、そのようにしか見えなかった。

「遊びはそのへんにして、そろそろ魔女を探索に行くか」

名護が場を空気を切り替えるようにして言った。

「この時間だと魔女も活発になり始める頃だしな。ちょうどいい」

杏子がマミから離れ、外に出ようとする。

「それじゃ、解散だな。また何かあったら連絡してくれ」
橘が杏子の後を追う。

「俺達も行くとするか。それじゃ、陸月くんマミちゃん」
名護が部屋を出ようとし、ほむらはその後ろを付いていく。

「俺達も行こう。マミちゃん」

「よろしくお願いしますね。睦月さん」
最後に睦月とマミが部屋をでた。



ほむらは名護と夜の見滝原市を歩いていた。

「そういえば聞きそびれていたけれど、貴方達はどうやって結界を探しているの?」

剣崎の話がかなり印象に残ったせいで、ちゃんと聞けてなかった質問があった。

「その答えはコレだ」

名護が手に持った携帯端末をみせる。

「コレは橘君がソウルジェムの仕組みをある程度解明して作った、魔女探知機だ」

ソウルジェムを科学を持って解明。ありえなさそうな話だが、事実なのだろう。とほむらは思った。

「こいつを使えば魔女の結界をさがすことができる。
 と言っても潜んでいる魔女なら1km程度、戦闘中の魔女でも3kmが限界だ」

だが、ソウルジェムを使わず、魔女を探せる。このことはかなりのメリットだった。

「探し終えて見つけた後は、どうやって中へ」

「コレを使えば、そのまま魔女の結界に入ることができる。かなり電力を食うから、1日1回ぐらいが限度だがな」

これで、なぜ名護が魔女の結界に入り込めたか納得した。

「それじゃ、俺のほうからも質問していいか」

「かまわないわ」

質問にはほとんど答えるつもりがないからだ。

「質問というよりは、推測だが君の能力。
 ある一定期間を遡る事ができる。つまり時間遡行。それが君の能力ではないか」

ほむらはキュゥべえが周りに居ないのを確認し、

「…当たってるわ」

名護の質問に答えた。

「やはりそうか」

「いつ気づいたの?」

自分の能力がたった一回一緒に戦っただけで見破られた。そのことが不思議でたまらなかった。

「昨晩の魔女との戦闘。君の戦い方は初めてあの魔女とやるようには見えなかった。
 そして今日、君はソウルジェムの秘密についてすでに知っていた。あえてあげるならその2つだ」

「たったその二つだけでよくその結論に至ったわね」
素直に感心した。

「今朝の時点では、まだ曖昧だったが、今日の君の反応を見て確信した」

もの凄い判断能力である。ある意味化け物に近かった。

「私の能力については、黙っていてほしい。特にあのキュゥべえには知られたくない」

「何か複雑な理由があるみたいだな。なら深くは聞くまい」

「…ありがとう」

そうしているとほむらのソウルジェムが強く輝いた。

「ここだな」

名護も探知機を確認した。

「いくわよ」

2人は結界の中へ侵入した。

―結界内―

「この結界は魔女ではないわね。手下の使い魔のものよ」

一目みれば魔女の結界か、使い魔の結界かはすぐわかる。

「無駄な魔力を消費したくないのなら戦わなくてもいい。グリーフシードも無限ではないしな」

「なら、今回は貴方に任せるわ。貴方だけの実力がどんなものか知りたいしね」
使い魔に手こずるようなら、用はない。そんな者はほむらの計画にとって邪魔でしかないからだ。

「いいだろう。言葉を失わないようにな」

「変身!」
そして名護は昨晩と同じように変身した。

勝敗は一瞬で決まった。

イクサカリバーガンモードで牽制。そこに一気に近づきソードモードで真っ二つにする。

「見極められたか?俺の実力を」
名護が変身を解き、そう言ってきた。

「今回はたまたま使い魔だった。だから完璧にとは言いづらいけど、なかなかのものね」

戦い方には無駄がない。さすがは自己評価しているだけはある。

「今度魔女と戦うときには完璧に見極めさせてもらうわ」

「それじゃ、さよなら」
そう言って別れを告げ、自分の家に帰るほむら。

名護はほむらが見えなくなるのを見届けた。

その直後に電話がかかってきた。

『名護、今から研究所に来てくれないか』

「何か緊急の用が?それに明日で全員を呼んでではなく?」

『できればこのことは魔法少女である3人には秘密にしておきたい』

「…わかった。とても重要な話のようだ。今から行こう」
携帯を切り、名護はもう一度研究所へ向かった。


―BOARD―

名護「それで話というのはなんだ?」

睦月「俺達3人にしか呼んでないのはなにか意味があるんでしょ?」

橘「まずはこのグラフを見てくれ」

名護「これは?」

橘「魔法少女のソウルジェムと、グリーフシードの放出する微弱な魔力をグラフにしたものだ」

睦月「特に変わったようには見えませんけど」

名護「いや、これはかなり似てる」

橘「名護は気づいたようだな。そうだ、ソウルジェムとグリーフシード。
  両方の魔力の波がかなりそっくりだ」

睦月「このことから挙げられる可能性は…」


「魔女はかつて魔法少女だった」


睦月「でもまだ可能性があるって話ですよね」

橘「だが、この似方はそう思わざるをえないだろう」

名護「いままでソウルジェムが濁りきったらどうなるか分かっていなかったが、
   これが真実ならば、ソウルジェムはやがてグリーフシードになり魔女となる」

橘「もちろん、使い魔から魔女になるものもいるが、土台となっているのはそれだろう」

睦月「その事実を彼女たちに隠すというわけですね?」

橘「まだ結論を出すには早いものがある、というのも含めてまだ黙っておいてくれ」

名護「わかった。じゃあ俺はこれで失礼する」


―帰り道 Side:名護―

(今日出た新しい真実も合わせて、魔法少女を纏めると)
名護は新しい真実を含め、魔法少女についてもう一度考えていた。

(魔法少女は願いを叶えてもらう代わりに、魔女と戦うことになる。
契約時に、魂はソウルジェムにされ、100メートル以上離れると、体を制御することが出来なくなる。
半分偶然で見つけたようなものだが、魔法少女への見方を変えた真実であった)

そう、本当に偶然。その偶然がなければ今こうしているのかも怪しかった。

(そして今日の、魔女は元々魔法少女で、魔法少女はやがて魔女になる)

まだ予測の段階ではあるが、BOARDで出た結果だ。

ほぼ当たっていると見て間違いないだろう、と名護は考えた。

(3人には秘密にしておくといったが、暁美ほむら。彼女は既に知っているだろう)

その通りだった。彼女は今までの時間軸でその事実をなんども聞かされている。

故に、このことを知らないのは、『マミ』と『杏子』この二人になる。

(いずれは話さなければいけない。だが彼女たちがその事を受け入れられるか…)

ただそれだけが心配であった



39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/26(日) 20:26:47.90 ID:hVsIf1z+o
とりあえずここまで。

投下中にIDが変わったけど>>28から全部自分です。

一応、今のところの全員の設定でも出す。

魔法少女Side

暁美ほむら…一応、このSSの魔法少女側の主人公。
      まどかを助ける。そのためだけに動いているので、利用出来るものは利用する。
      この世界では、名護さん達を利用し、ワルプルギスの夜と戦おうとしている。

巴マミ…ほむらの計画の障害その1。
    他の世界ではメンタルが豆腐だけど、この世界では名護さんの洗n…特訓のおかげで
    結構アレ。厨二病は相変わらずのはず。あとぼっちじゃない。

佐倉杏子…マミと同じく、名護さんに特訓され、精神的に言えば、さやかに出会った後ぐらいの
     正義の味方。ただし、面倒という理由で魔女退治したりしなかったり。
     普段は、橘や陸月の研究所に居候。
     お菓子は基本的に買い溜め。金はすべて、橘達がだしている。
     その代わりとして、研究所の家事をするのは基本的にこの子。
     服装は見た目変わらないように見えるが、パーカーの下は常に753Tシャツ弟子Ver

キュゥべえ…正式名称インキュベーダー。
      他に説明がめんどくさい。


仮面ライダーSide

名護啓介…仮面ライダー側の主人公。仮面ライダーイクサ
     キバを見たなら言わずと知れた、最高の人。
     本編終了から3年後(ネオファンガイアとの戦いを1年と設定)経っていて
     恵と結婚したおかげか、性格はかなり丸くなった。
     マミ達との出会いは本編でマミ達が語る予定

橘朔也…本編終了後の橘さん。一応ギャレンに変身する。
    BOARDを再発足後、剣崎の体をもとに戻す為に、研究を続けている。
    魔法少女に協力しているのは、研究の一つ。

上城陸月…元自称・最強の仮面ライダー、レンゲル。
     このSSでは大学卒業後、BOARDに就職(?)して、橘さんの研究を手伝っている。
     精神的には、剣終盤とあまり変わってない。
     基本的に空気。

名護恵…旧姓:麻生。名護さんの性格が丸くなった要因。
    結婚3年目でなお、名護さんとはラブラブ。
    あと、魔法少女についても、ある程度は知っている。

嶋護…素晴らしき青空の会会長。
   名護さんとめぐみんの上司。
    ネオファンガイアとの戦いの後もよくジムに来てる。
    めぐみんと同じである程度は魔法少女のことを知っている。
    名護さんや橘さん達への協力もしたりしてる。


次回、第1話『753…どういう意味?』


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