まどか「名護さんは最高です!」 第3話『王の判決を言い渡す…死だ』

2011年10月18日 19:10

まどか「名護さんは最高です!」

204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/27(水) 21:20:04.99 ID:pQmVYrdNo


時間は遡る。


―ほむらが転校した翌日―

一人の男が見滝原市を歩いていた。

男の格好は普通だった。ただ、左手だけに手袋をしているということ以外は。

その男の近くには蝙蝠のようなものまでいる。

「この町は雰囲気がおかしい。太牙、わかるか」

蝙蝠もどきが男に話しかける。

「ああ、話には聞いていたがここまでとは」

『太牙』と呼ばれた男が返事をする。

男の名前は『登太牙』ファンガイアのキングであり、闇のキバを受け継ぎし者。
歴代最強のキングとしてファンガイアを統括している。
現在は人間とファンガイアの共存のために日夜苦労している。

蝙蝠もどきの名は『キバットバットⅡ世』
闇の鎧を封印しているキバット族の一匹である。

しばらくすると太牙達は迷路のような場所に入り込んでいた。

「なるほど、ここが魔女の結界か」

「太牙、あそこを見ろ」

キバットに言われた方を見ると、なにやら妙なものが向かってくるのが分かった。

「あれが魔女の使い魔か。いいだろう、相手してやる。キバット!」

そう言うとキバットが太牙に近づく。

「ありがたく思え、絶滅タイムだ」

太牙がキバットを手に持ち、キバットが口を開く。

そして太牙はキバットに手を噛み付かせる。

「ガブリッ」

太牙の顔にステンドグラスに似た牙のような模様が浮かび上がる。

「変身」

その声の後、太牙の姿が変わった。

『闇の鎧』を纏いし姿『仮面ライダーダークキバ』へ変身した。

「王の判決を言い渡す…死だ!」

ファンガイアの王である証とも言えるダークキバが魔女を倒すためにその力を見せる。

―――――――――

――――――

―――

ダークキバは魔女と戦っていた。

と言ってもかなり一方的にダークキバが殴っているだけにも見えた。

「これで決まりだ!」

腰のフエッスルを取り出し、キバットに咥えさせる。

咥えさせた後、キバットの顎を1回押す。

「ウェイクアップ・1」

ダークキバは高く飛び上がり、落下しながら魔女を殴った。

魔女が地面に叩きつけられると、その地面に強大なキバの紋章が浮かび上がる。

魔女が爆散し、結界が消滅する。

グリーフシードが落ちる。

太牙はそれを拾い上げた。

「なんだこれは」

「わからん」

そしてそれを握りつぶした。

魔法少女にとってはかなり重要なものだが太牙達はそんなことはまだ知らない。

なので訳もわからずとりあえず、破壊しておいた。

「無駄な時間を過ごしてしまった。行くぞ、太牙」

「『上条恭介』という少年の自宅だな。それならもうそろそろだ」

登太牙が『上条恭介』に会うために、見滝原市にやってきた。

しかしなぜ、上条恭介に会うためにこの町にやってきたのかというと…



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―時間はさらに遡り、数日前―

太牙は嶋に呼ばれ、『カフェ・マル・ダムール』に来ていた。

2人と、店長である木戸明以外に人はいない。

よほど重要な話のようだ。

「それで、話というのは?」

「太牙、君にこの少年の腕を治してほしい」

そういって嶋が差し出したのは1枚の少年の写真。

「これは?」

「この少年はバイオリニストだったが事故により、腕が動かなくなってしまった」

「つまりこの少年の腕を動かせられるようにしろってわけですね」

嶋に確認する太牙。

「しかし、何故こんなモノを」

当然疑問に思う太牙。

「次狼を知っているな?」

「ウルフェン族、最後の1匹ですよね」

「ああ、その次狼が頼んできたんだ。少年の名は上条恭介」

「でもなぜ、突然こんなことを頼んできたんだ」

ウルフェン族が人間の腕を治してほしいなどと頼むなど極めて異質だ。

「わからない。だが次狼は『未来を変えるためだ』と言っていた」

次狼の言った意味が分からない2人。

「ま、行きますよ」

「ありがとう太牙。場所は見滝原市だ」

見滝原市という言葉に反応する太牙。

「そこは確か、名護啓介がいる場所ですよね」

「ああ、彼は今魔法少女についての研究をしている。少し前にも私に新しい魔法少女を見つけたと言ってきた」

「ついでといっては何だが太牙、名護君たちに協力してやってくれ」

名護達がいる見滝原市に行くついでに、名護達と協力してもらいたい嶋。

「いいですよ、俺も魔法少女について少し知りたかったですし、丁度いいですよ」

「ありがとう、太牙」

嶋の頼みを快く引き受けた大河。

これが、太牙が見滝原市に来たわけである。


―キャッスルドラン内部―

次狼…ガルルは一枚のタロットカードを見つめていた。

「これで未来が変わるな…ただ、どう変わるかはわからんがな」

独り言を言う次狼。

すると、

「何、何、何、何やってるの?」

ラモン…バッシャーが次狼に近づいてきた。

「なーんだ、またそれかー」

興味を無くしたように次狼から離れるラモン。

「人間の未来を変えるなんて勝手にやっていいの?」

ラモンは次狼のやっていることに疑問を感じる。

「音也との、約束には、入ってない」

今度は力…ドッガが入ってきた。

「ああ。だが、最悪の結末を辿るよりはいいだろう」

今回は音也との約束とは別に、独断で動いた次狼。

音也の息子である『渡』ではなく、1人の人間を救うための行動。

「ま、次狼が決めたなら僕は文句は言わないよ」

「俺も」

この中では一番の権限を持っている次狼にはあまり何も言わない2人。

「そうか」

次狼は軽く一言で返す。

「こいつが吉と出るか、凶と出るか」

そう言って、次狼はタロットカードに映っている、1体の化物に目を向けた。

化物は元は人間であった。

人間の時の名を『美樹さやか』という。

ほむらの知らないところで、事態はさらにいい方向に向かっていた。

「後はキングがうまく動いてくれればいい」

そしてタロットカードを片付ける次狼。

それから、3人でトランプを使いポーカーを始めた。

「俺の勝ちだな」

次狼が手札を見せる。

カードは、『スペード10 J Q K A』

最強の役、ロイヤルストレートフラッシュであった。

「今日はとてつもなく運がいい。きっと成功するはずだ」

次狼はそう言って、外を見つめる。

「もういっかいだ」

ビリだった力がそう言ってくる。

次狼達は再びポーカーを続けた。


―時間は戻り、太牙の視点へ―

「これからどうするつもりだ、太牙」

キバットが太牙に聞く。

「まずは、上条恭介の両親に話をつける。そして明日、上条恭介本人に伝え、考えてもらう」

今のところの予定をキバットに告げる太牙。

「なるほど、では、俺は少し身を潜めておこう」

キバットのような物がいるだけで普通の人間はパニックになるだろう。

そう考え、キバットは自ら身を潜めると言ってきた。

「そうしてくれ」

そう言って、地図を確認し、上条家の前についた太牙。

「太牙、俺は近くにいる。お前がこの家から出てきたら戻ってくる」

「わかった」

そう約束し、呼び鈴を押す太牙。

『はい、何の用でしょうか』

上条恭介の母親であろう人物が返事に出た。

「お宅の息子さん…上条恭介君の腕のことについて話があります」

単刀直入に伝える太牙。すると、

『…わかりました。少々お待ち下さい』

と返ってきた。

しばらくすると、先ほど太牙と会話していた上条恭介の母が出てきた。

「どうぞ、お入りください」

上条家の敷地に足を踏み入れる太牙。

客室に案内された太牙はまずは名刺を渡した。

「D&P?何か用があるのですか?」

「ええ、貴方達の息子さん…恭介君の腕が治る見込みは?」

そう聞かれ、黙りこむ恭介の両親。

「やはりそうでしたか…では、貴方達は1%でも可能性があるのならその可能性にかけてみようと思えますか?」

「…え?」

太牙の言った言葉に顔を上げる両親。

「私の方で開発した新しい医療技術なら恭介君の腕を治せるかもしれません」

「是非お願いします!あの子が元気な姿でバイオリンを弾いてくれるならいくらでも出します!」

だから…!と両親が言ったところで太牙が止めた。

「お金は要りません。我々も最善を尽くします」

ファンガイアの技術を使えば、嶋の体を治したように、人の腕を治すことなど簡単だろう。

すると両親は

「ありがとうございます!」

その場で土下座をし、太牙に頭を下げた。

「頭を上げてください。私は明日恭介君に会いに行きます。そこで彼にも確認します」

「あの子もきっと喜びます!」

両親の許可を得た。

「どうだ太牙?」

上条家の敷地から出てきた太牙にキバットが話しかける。

「完璧だ。予定通り明日彼と接触する」

キバットにそう言い、予約してあるホテルへ向かう太牙。

そしてこの出来事が上条恭介と美樹さやかの運命を大きく変えることになる。


―翌日 PM2:00 上条恭介の入院している病院―

「ちょっといいかな?」

「誰ですか、貴方?」

突然やって来た人物に質問をする恭介。

「俺は登太牙。君の腕について話があるんだ」

「僕の…腕…?」

「君自身気づいているはずだ。自分の腕はもう動かないと」

心の中でずっと否定し続けていたことを言われる。

「…はい。分かってますよ、僕の腕が動かないなんて。
 貴方は一体何をしに来たんです!腕の動かない僕を虐めに来たんですか!」

病院であることを忘れ、大声を張り上げる。

「君は、自分の腕が治るのなら、1%の希望に賭ける勇気はあるかい?」

「え…?」

自らの両親と同じような反応をする。

「俺の会社で開発した、新しい医療技術なら君の腕を治せるかもしれない」

「…本当ですか?」

恭介が太牙に聞く。

「可能性はある。君の両親にも許可は貰ってある。まあ、ゆっくり考えてくれ、明日また来る」

そう言って、部屋をでる太牙。

一人部屋に取り残された恭介は、医者に頼みこみ、面会をすべて断ってもらい、
太牙の言っていたことを考えていた。

「もう一度、バイオリンが弾けるように…」

目を瞑り、自分がホールで演奏している姿を思い浮かべる。

観客席は大勢の人で埋め尽くされている。

一番前の席には両親やさやかの姿が浮かぶ。

「さやか…?」

目の前に幼馴染の姿が浮かぶ。

思えば、いつも自分を見ていてくれた者の一人だった。

もう一度、彼女に笑ってもらいたい。

そう思うと、こんなところで悩んでなどいられない。

上条恭介は、もう一度バイオリンを弾くために、さやかの笑顔を作るために決意した。


彼自身気づいてないが、美樹さやかに対する恋だった。


―Side:太牙―

「さて、これからどうしようかな」

上条と別れた太牙は、これからの予定が決まっていなく、暇だった。

「魔女も動いていないだろうし、ほんとにやることがないなあ」

まだ午後3時を少し回ったところだ。

普通の人は会社に勤務していたり、学校に行っていたりと人もかなり少ない。

「そうだ、良い事を思いついた」

太牙はそう言うと、ポケットから携帯を取り出した。

そして電話帳を開き、電話をかける。

『兄さん?何か用ですか?』

目的の男、『紅渡』が電話に出た。

「近いうちに君に会わせたい子がいる」

上条恭介と、渡を会わせてみる。

それが太牙の考えだった。

『どんな子なんです?』

「バイオリニストだ」

渡はバイオリニストであり、バイオリン職人でもある。

渡の弾くバイオリンはとても素晴らしい。

兄である太牙の誇りの一つでもあった。

『わかったよ』

渡は引き受けてくれた。

「そうか、なら詳しい日時が決まったらまた連絡する」

そう言って、電話を切る太牙。

同じバイオリニストである渡なら、きっと恭介の話を親身になって聞いてやれる。

そう思い、行ったことだった。

「いいのか、太牙。人間を簡単に紹介してしまって」

どうやらキバットは恭介を渡に会わせるのは反対らしい。

「あいつなら、今のあの少年を癒してくれる。そう考えてやったことだ」

かつては思想の違いから対立していたこともあったが、今は兄弟として生きている。

「そうか…なら俺からは何も言うことはない」

キバットも渋々納得してくれたようだ。

「じゃ、これからこの街の探索とでも行きますか」

そう言って、まだ日の高い見滝原市を歩き始める太牙。


この数時間後、太牙は名護に接触することになる。


―Side:名護―

自宅の近くまで行くと、見知った顔の男が見えた。

「やあ、名護啓介」

手を上げて挨拶してくる男。

「太牙か。なぜこんなところにいる」

太牙がこのような場所にいることを不思議に思う名護。

「ちょっと、野暮用でね。それでついでに君達に協力しようかなと思って」

その用がなんなのかは名護は知らないが、

「そうか、なら家に来なさい。話はそこでしよう」

とりあえず、悪い奴ではないので家まで連れていくことにした。


―名護家宅―

「あら、太牙君じゃない、久しぶり」

自宅にやってきた、太牙に挨拶する恵。

「俺達に協力したいらしい」

そう言って、家に上がる二人。

椅子に座る2人。

太牙が話題を切り出した。

「魔法少女について教えてほしい」

「いいだろう…」

太牙に魔法少女についてのこと、そして自分達が今何をしているのか話す名護。

話し終えると、

「なるほど、魂を元の体に戻す…ね」

「以前嶋さんをファンガイアにした後、元に戻したことがあったろう。その技術を応用できないか?」

以前、嶋が重傷を負った時、ファンガイアにした後、それを分離させたことがあった。

その技術の応用として、ソウルジェムから魂を再び肉体に融合できないかと聞く。

「わからないな。あれはファンガイアを知っていたからできたことだ。
 それが未知なる力を持つ魔法少女となると…」

「資料なら、研究所にかなりの数がある。明日案内する」

橘達に太牙を紹介することにした名護。

ファンガイアの技術を応用すればさらに研究がはかどるだろう。

「わかった。こちらからも出来る限りの技術提供はする」

太牙は名護の要求を受け入れた。

「ありがとう。これで彼女達を救う道がまた一歩進んだ」

太牙に礼を言う名護。

「じゃあ、俺はこのあたりで」

「わかった。明日は朝から大丈夫か?」

「ああ」

「なら、明日の朝、此処に来てくれ。それから研究所に案内する」

約束を交わす2人。

そして2人は別れた。


―翌日 AM8:00 名護家宅―

「来たな、では案内しよう」

車に乗り、BOARDまで太牙を連れて行く名護。

橘達にはすで連絡はしてあった。

橘達もこれでさらに研究が進むと喜んでいた。

(ここで太牙が来てくれて本当によかった…)

心から感謝する名護。

そして、車を走らせた。


―BOARD―

自己紹介を終えた名護達。

「まずはこれを見てくれ」

そう言って資料を出す橘。

太牙はそれを手にとって目を通す。

「なるほど、たしかにファンガイアの技術を応用すれば、なんとかなるかもしれないな…」

「なら…」

「ええ、協力しますよ」

ファンガイアとBOARD、二つの技術が重なりあい、魔法少女の研究が次々と進むであろう。
ただ、それは今の話とはまた別の話だが。

「では、俺はもう少しでこの町から離れます。他にやるべきことがあるので」

太牙は上条恭介の腕を治すためにこの街に来た。

「そうか。ではこれからよろしく頼む」

「ええ」

手を握り合う橘と太牙。


絶望からまた一歩遠ざかった。


―病院―

上条恭介は昨日来た登太牙が来るのを今か今かと待っていた。

「やあ、昨日の答えを聞きに来たよ」

来た。

昨日心に決めた。

どんなに低い可能性であっても、その可能性に賭けると。

「お願いします。僕の腕を…治してください」

「そうか、なら今から準備してくれ。既に転院許可は出てるよ」

「今の僕には持ち物なんてこの体だけです」

できれば今すぐにでもここで治してほしかった。

「じゃあ、案内するよ」

こうして恭介は知らずのうちにファンガイアと接触し、そのファンガイアに助けてもらうことになった。

が、今の恭介にはそんなことはどうでもいい。

「…さやか」

幼馴染の名前を呼んで、病院を出た。


―D&P医療病院―

「今すぐ始められるがどうする?」

病院に着き、太牙がそう聞いてくる。

「始めてください」

一刻も早く、腕を直したかった。

「そうか、じゃあ始めることにする」

ファンガイアによる上条恭介の腕の手術が始まった。


―数時間後―

「ん…」

恭介が目を覚ます。

ベッドの中から腕を取り出し、動かしてみる。

まだ、麻酔が効いていて少し動かしづらいが、完全だ。

すると、病室のドアが開いた。

「気分はどうだい?」

太牙が聞いてきた。

「あ…」

うまく喋れない。

「まあ、無理はしなくてもいい。そして結果的に言うと手術は成功だ」

成功と告げられ、涙が出てきた。

「あ…りがと…ござい、ます」

なんとか感謝の言葉を口にできた恭介。

「とりあえず、今日一日はゆっくりしてくれ」

そう言われると再び眠気が押し寄せてきた。

そしてそのまま恭介は眠りについた。


―同時間 見滝原市―

「ええ!?恭介が転院!?」

上条恭介が今日、転院したと聞いた美樹さやかは驚いていた。

「はい、腕が治るかもしれないと言う事で別の病院で手術をうけることになりました」

看護師がさやかに告げる。

そんな話は聞いていなかった。と思うさやか。

「でも、治るかもしれないってことは…」

また彼の弾くバイオリンが聴ける。

その姿を想像し、嬉しくなるさやか。

「ありがとうございました」

看護師に礼を言い、病院を後にする。

外ではまどかが待っていた。

「あれ?さやかちゃん、今日も会えなかったの?」

昨日と同じく、かなり早く病院から出たため、まどかに聞かれる。

「なんかねー、恭介の腕、治るかもしれないんだって」

「へぇ、そうなんだぁ」

まどかはあまり上条恭介の状態を知らないから反応が薄い。

「今日はなんか、名護さん達について行ってる場合じゃないかも」

うれしくてたまらないさやか。

「それじゃあ、名護さん達には連絡しておくから、さやかちゃん帰ってもいいよ」

「お、サンキューまどか」

「バイバイ」

そして別れる2人。

さやかと別れた後、名護達に連絡し、待ち合わせ場所に向かっていたまどか。

すると、見慣れた顔をした一人の人物を見つけた。

「仁美ちゃん?」

それにしては様子が変だ。

人気のない方向へと向かっている。

「仁美ちゃーん」

仁美に近づいたまどかはすぐに異変に気づいた。

仁美だけではなく、多くの人達が同じ方向に向かって進んでいた。

全員首筋に同じ紋章。魔女の口づけだ。

「あら、鹿目さん、ごきげんよう」

まどかに気がついた仁美。

「これから、とても素晴らしいところに行くのですけど鹿目さんもご一緒しませんか?」

腕を掴まれるまどか。

すぐに振り払おうとするが普段の仁美からは考えられないような力で押さえつけられていた。

「あなたも私もきっと楽になれますわ」

そして、無理やりまどかを連れて行く仁美。

と、その時まどかの携帯が鳴る。

それを片方の手で取ろうとするが、仁美に奪われてしまった。

「こんなモノは必要ないですから」

そう言って仁美は電源を切り、まどかの携帯を投げ捨てた。

「そんな…」

唯一の解決法が閉ざされてしまった。

結局、まどかは仁美に引きずられて着いて行ってしまった。


―Side:ほむら―

まどかが待ち合わせ場所に来ないことを不審に思ったほむらは電話をかけた。

が、4コールほどした後で、電話を切られてしまった。

「しくじったわ…」

ボソリと言う。

このまま行くと、まどかは魔女に殺される。

いつもなら、この時期にさやかが契約し、間一髪で助かるのだが今回はそうもいかない。

(なんとかして、まどかを助けないと…)

せっかくここまで順調に進んできたのに、ここでまどかが死んでしまっては全て水の泡だ。

ほむらは何とかできないかと考えた。

具体的な解決方法が浮かばない。

こうなれば自分が行ってまどかを助けるしか方法はない。

そう思い、ほむらは名護とマミに気付かれないようにその場を離れた。


―Side:まどか―

仁美に連れてこられてやって来たのは廃工場だった。

「そうだよ…俺は、駄目なんだ…」

一人の男がうずくまっている。

ここを切り盛りしていた工場長みたいだ。

しかし、経営がうまくいかず潰れてしまったようだった。

一人の女性がバケツを置き、その中に液体を注ぐ。

まどかはそれを見て母、絢子が言っていたことを思い出した。

絶対に混ぜてはいけない薬品。

混ぜればここにいるものは全員死ぬだろう。

「ダメ…!それはダメ!」

走ろうとするまどか。

だが、仁美がそれを止める。

「邪魔をしてはだめです。あれは神聖な儀式ですもの」

「だって、あれ危ないんだよ!ここにいる人たち皆死んじゃうよ!?」

そう仁美に訴えかけるまどか。

しかし、仁美は聞く耳を持たない。

「そう、私達は今からもっと素晴らしい世界に旅に出ますの」

「それが、どんなに素晴らしいことかわかりませんか?生きている身体なんて邪魔なだけですの」

操られてしまって正気では無くなっている仁美達。

「あなたもすぐに分かりますから」

もうダメかと思っていたとき、閉まっていた工場のシャッターが開いた。

「ここか?祭りの場所は」

入ってきたのは杏子、それと橘だった。

「どうやら間に合ったようだな」

その場に居た者が突然入ってきた橘達の方を見る。

「魔女の口付けだ。みんな操られてやがる」

杏子が全員の首筋を見て言う。

「ここにいる人を全員逃がせ。魔女は俺が倒す」

「あいよ。油断すんなよ!」

杏子はそう言うと、それぞれの者の後ろに回り込み、気絶させてゆく。

「まどかちゃん!君も早く逃げるんだ!」

橘に言われ、工場の外へ走りだすまどか。

そして、なんとか逃げ切れた。

後ろを振り返ると、橘は結界に飲み込まれたようで既にそこにはいなかった。

「橘さん…」

心配そうに橘が居た場所を見つめるまどか。


―結界内部 Side:橘―

カードをギャレンバックルに入れる。

腰にベルトが巻かれ、変身ポーズをとる。

「変身!」

掛け声と共に右手でバックルのレバーを引く。

『Turn Up』

バックルの一部が回転し、オリハルコンエレメントが出現する。

橘の体がそれを通ると、橘にギャレンアーマーが装着され、仮面ライダーギャレンが現われた。

「ハァ!」

橘は近づく使い魔を一掃する。

一発たりとも外さない。動体視力はかなりの物だ。

すると、橘は体に異変を感じた。

脳内にかつてのトラウマが蘇ってくる。

(これは…俺の記憶?)

小夜子を守れなかったときの記憶。

剣崎を救えなかった記憶。

橘が後悔している出来事が一つ一つ鮮明に浮かび上がってくる。

「ガァっ!」

頭を抱える橘。

すると、使い魔達がギャレンの腕と足を持ち、それぞれ別の方向へ引っ張った。

体に激痛の走る橘。

いくらギャレンの装甲が固くとも、これほどの力で引っ張られば長くは持たないだろう。

橘の頭の中では未だに小夜子と剣崎、二人の姿が見えている。

(小夜子…!剣崎…!)

愛する者と、仲間。救えなかったもののことが頭で繰り返される。

(俺は…俺は…!)

「うおぉおおおおおお!」

(そうだ、俺は救わなければならない!剣崎を!)

右手に持ったギャレンラウザーで一体の使い魔を撃ち落とす。

右腕が自由になり、他の使い魔も次々と倒してゆく。

完全に自由になった橘の前に箱のような形をしたものが現われた。

この結界の魔女だ。

「貴様か!貴様がぁああああああああ!」

怒りの矛先が魔女に向いた。

この魔女を殺すことでしか、橘の怒りは収まらない。


―BOARD―

橘が魔女と戦っている頃、一台のパソコンの画面が表示されていた。

画面には、『GARREN』と表示されており、ある数値が映っていた。

最初は700程度だった数値が爆発的に上昇していく。

800…900…1000…

そしてようやく数値が止まった。

画面に表示されている数値は『2200』


怒りと特殊な状態にある橘の体。

その2つが重なりあい、融合係数を上昇させていた。

現在、キングフォームでないに関わらず彼はかなりアンデッドに近づいていた。


ある意味、それは魔法少女よりもひどい体をしていた。


―Side:橘―

体に力がみなぎってくる。

以前もこのようなことがあったが、今回はそれの比ではない。

ギャレンラウザーを連射し、魔女の動きを止める。

ラウザーのオープントレイを開く。

その中から『5』『6』『9』のラウズカードを取り出す。

そしてそれをギャレンラウザーにラウズする。

『FIRE』『DROP』『GEMINI』
『BURNING DIVIDE』

「ウオォオオおオオオオオ!」

『ファイア・フライ』『ドロップ・ホエール』『ジェミニ・ゼブラ』の3枚のカードをラウズし、
コンボ技である『バーニングディバイド』が発生した。

ギャレンが分身し、飛び上がる。

空中で体を捻り、2体のギャレンがドロップキックを魔女に喰らわせる。

魔女が吹き飛び爆発する。

そして結界が消え、グリーフシードが落ちる。

「大丈夫ですか、橘さん!」

まどかが近づいてくる。が橘は返事をしない。

「橘?」

杏子も心配して声を掛けてきた。

「…なんでもない」

変身を解除した。

「悪いが、先に帰っててくれないか」

「あ、ああ」

いつもとは違う橘の雰囲気に飲まれそうになる杏子。

そしてまどかと杏子はその場を後にした。

「…剣崎…!」

魔女に見せられたビジョンは今でも頭に残っていた。


―とある場所 魔女の結界―

こちらの結界でも仮面ライダーが戦っていた。

具体的に言えば仮面ライダーではないが、システムの基礎になったものだ。

間違いではないだろう。

ライダーの名は『カリス』

ジョーカーアンデッド、相川始の変身する仮面ライダーであった。

ベルトのバックルを外し、カリスアローに付ける。

3枚のカードを取り出しカリスラウザーにラウズさせる。

『TORNADO』『DRILL』『FLOAT』
『SPINING DANCE』

カリスの体が浮かび上がり激しい竜巻が発生する。

そしてカリスは魔女にドリルキックを打ち込んだ。

魔女が消えたことで結界も消える。

『SPIRIT』

カテゴリー2『スピリット』を使い、相川始に戻る。

(それにしてもさっきのあの感じはなんだったんだ)

始は魔女との交戦中、少しの間だが微かにアンデッドの気配を感じた。

(剣崎ではない…まさか、橘…?)

橘の体のことは薄々感づいていたが、アンデッドの気配を感じたのは初めてであった。

(無理しすぎだ…剣崎を救っても今度はあいつがアンデッドに…)

そうすれば、剣崎はきっと橘を救うために何でもするだろう。

(俺も剣崎をどうにかしなければな…)

そう思い、グリーフシードを踏みつぶしてハカランダへ向かった。


―世界の何処か 戦場―

(アンデッド…?)

戦場でジョーカーの姿になっていた剣崎は別のアンデッドの気配を感じた。

しかし、その気配はすぐに消え何があったのかわからなくなった。

(何があったんだ…仕方ない。日本へ戻るか…)

真相を確かめるべく、剣崎は反応があった方へ向かうことにした。

が、突然妙な空間に入り込んでしまった。

魔女の結界だ。

「はぁ…またか…」

そう言いつつも右手に持った大剣『オールオーバー』を振り、一撃で魔女を倒す。

結界が消滅し、元の場所へ戻ってくる。

「よし、行くか」

剣崎は日本へ向かって歩き出した。


―Side:ほむら―

ほむらが結界があった場所についたときには既に魔女は倒された後であった。

(まどかはどこ…)

此処に来る途中でまどかの携帯を拾った。

直前の着信履歴には『ほむらちゃん』と映っていたので、あの時に捨てられたと見て間違いないだろう。

まどかを探して、あたりを見渡していると、人が一人うずくまっていた。

「橘…朔也…?」

ここ最近よく合わせる顔。

そして橘がここにいるということはかなり遠くの方まで来ていたらしい。

そして、ほむらは橘に近づく。

近づいてみて分かったことがある。

橘が泣いている。

(そういえば、この魔女は精神攻撃を仕掛けてくる魔女だったわね)

橘の記憶で何かあったのだろうと推測するほむら。

ここで話しかけずに帰ろうかと思ったが、結局、声を掛けた。

「橘朔也。泣いてるの?」

「あ…。ほむら…ちゃん…」

ようやくこちらに気づいた。

こちらを見つめる橘の顔を見ると、目から涙が出ているのが分かった。

それに長いこと泣いていたのか、目が真っ赤に腫れている。

「なにがあったの?まどかがここにいたでしょう。あの子はどうしたの」

橘の心配より、まどかのことを優先するほむら。

「いや、なんでもない」

服の袖で涙を拭う橘。

「まどかちゃんと杏子ちゃんならもう帰してある。2人とも無事だ」

「そう…」

(まどかが無事でよかった…)

魔法少女のリスクを既に知っているまどかは契約していない。

その為、彼女は無力だ。

彼女が無事で本当によかったと思うほむら。

「君ももう帰りたまえ。俺ももう少ししたら帰る」

橘に早く帰れと言われた。

「ええ、そのつもりよ」

その場で180度回転し、自分の自宅へ向かうほむら。

約束の休日は明後日だ。

その日のうちに、インキュベーダーに仲間はいなくなるだろう。

その時が待ち遠しかった。


―Side:橘―

ほむらを帰らせた後も橘はその場で呆然としていた。

いまだに頭から離れない小夜子と剣崎の顔。

小夜子のことに関してはもう割り切ったつもりだった。

しかし未だにその事を引きずっているのが今回の魔女との戦いで分かってしまった。

剣崎のことに関しても、本当に救えるのかと考えてしまう。

(いや…絶対に助けてみせる。あいつこそ、人間の中で生きるべきだ)

ようやく橘は立ち上がった。

「遅くなってしまったな…睦月達も心配してるだろう」

そして、橘は研究所に向かって動き出した。


次回4話『バイオリンの名はブラッディ・ローズ』



256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/03(水) 21:54:11.29 ID:BKFGDoW9o

投下終了。ついでに3話もこれで終わり

ギャレンの綴りが『GARREN』なのか『GALLEN』なのかよくわからなかったので前者にしました。
あとラウズカードについても綴り違うかもしれないけど脳内補完でよろしくお願いします。

剣崎ジョーカーは剣を持っている以外は始ジョーカーと同じです

キャラ設定

登太牙…現代のファンガイアの王。
      歴代最強のファンガイアの王とも言われる。
      以前は人間は餌だと考えていたが、渡の説得により、
      現在では人間とファンガイアの共存を目指して頑張っている。

次狼…またの名をガルル。
    キャッスルドラン内部に住んでいるアームズモンスターの1人。
    キバに呼ばれることでガルルセイバーへ変化し、キバをガルルフォームへ変身させる力を持つ。
    3人(匹)のアームズモンスターの中では、一番の権限を持っている。

ラモン…またの名をバッシャー。
     次狼と同じくキャッスルドランの内部に住んでいるアームズモンスターの1人。
     キバに呼ばれることでバッシャーマグナムに変化し、キバをバッシャーフォームへ変身させる力を持つ。
     次狼や力とは26年前からの知り合い。
     キバTV本編では唯一フィーバ技がなかった。

力…またの名をドッガ。
   他2人と同じくキャッスルドラン内部に住んでいる。
   キバに呼ばれることでドッガハンマーに変化し、キバをドッガフォームへ変身させる力を持つ。
   音也との約束を、3人で何時までも守っている。


相川始…ハカランダで働きながら、剣崎のことも気にかけている。
      栗原家の2人には自分が普通の人間ではないとばれているが、
      2人がその事に触れないことに感謝している。

剣崎一真…最終回でジョーカー化した後、世界中を旅している。
        もちろん不法入国が殆ど。
        戦場にいる子供たちを外に逃がしてたりもする。


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