まどか「名護さんは最高です!」 第5話『その命、あたしがもらう』

2011年10月20日 19:21

まどか「名護さんは最高です!」

322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/08/17(水) 21:41:26.99 ID:0z1elG10o

「五代さんの戦う理由を聞いて思いついたんだけど、マミさんや杏子が契約した理由や
 名護さん達と一緒にいる理由って?」

さやかは今まで聞いていなかったことを聞いた。

「ちょっと昔話になるわねえ」

少し遠い目をするマミ

「契約した順番で行ったらマミが先だな」

杏子が言う。

「そうねぇ、あれは2年前の事だったわ。私事故に巻き込まれてね…」


~2年前~

「ううっ…」

身体が動かない。

何があったの?お母さん?お父さん?大丈夫なの?

「やあ大丈夫かい?巴マミ」

突然目の前に現われた白い獣。

「どうして…私の名前を…?」

当然の疑問が浮かぶ。

が、体中に激痛が走る。

「かなり危険な状態だね。ねえマミ、僕と契約して魔法少女になってよ!君の願いを1つ叶えてあげるからさ」

「私は…生きたい…」

「それが君の願いだね。君の願いはエントロピーを凌駕した」

「それが私の契約した理由よ」

生きたい。それがマミの願いだった。

「で、親御さんは…」

さやかが聞く。

「助からなかったわ。助かったのは魔法少女になった私だけ」

「すいません…わかってたことなのに…」

落ち込むさやか。

「大丈夫よ。その事に関しては今は名護さん達がいるし、名護さんの奥さんの恵さんにもいろいろお世話になったしね」

「恵さんって誰ですか?」

名護の妻である恵のことはまどか達は知らない。

「それは名護さんとの出会いからになるわね。私が魔法少女になって1ヶ月ぐらいたった時かしら…」

~2年前~

魔女の結界だ。

「マミ、準備はいいかい?」

「え、ええ」

この時のマミはまだ現実を受け止めきれていなく、戦い方も危なっかしかった。

「当たって!」

マスケット銃を撃つが素早く動きまわる使い魔には全く当たらない。

「きゃっ」

使い魔の攻撃で尻餅を付いたマミ。

「マミ!危ない!」

使い魔の攻撃が向かっていた。

もう、間に合わないと思ったとき、急に使い魔が横から来た何かに吹き飛ばされた。

「危なかったな。そこの君大丈夫か?」

何かが飛んできた先にいたのは一人の男。

「なんだか知らないが下がっていなさい。俺がやる」

そう言って、ハンドルを手のひらに当てる。

『レ・ディ・イ』「変身!」『フィ・ス・ト・オ・ン』

男の姿が変わる。

「その命、神に返しなさい」



「まあそれが名護さんだったわけ」

当時のことを思い出しクスリと笑う。

「凄いですね名護さん」

まどかが名護の方を見る。

「そういえば俺が魔法少女と魔女を知ったのもそれが最初だったな」

「昔から知ってたわけじゃあないんですね」

さやかが言う。

「ああ。あれはネオファンガイアとの戦いの直後だった」

ネオファンガイア。19年後に現われた新たな脅威である。

しかし、それらは名護達によって完全に倒された。

「それで、その魔女を後した後に私が名護さんの弟子になったの」

「あの時はなにか独り言言ってるみたいで妙な感じがしたな」

インキュベーターは名護には見えていないので、傍から見ると、マミが独り言を言ってるようにも見えるだろう。

「その時のことも覚えてますよ」

~2年前~

「すいません」

突然出てきて魔女を倒した男に話しかけるマミ。

「何だ?」

男が振り向く。

「あの、えっと、私を強くしてください。私は魔女…さっきのと戦わなくてはいけないんです」

「まあ落ち着きなさい。君の名前は?」

「巴マミです」

「そうか。俺は名護啓介」

「魔女というのは?」

名護がマミに聞く。

「えっとキュゥべえ説明してあげて」

「何に話しかけてるんだ?」

名護は何もいない方に話しかけるマミを不審に感じる。

「マミ。僕の姿や声は魔法少女にしか認知できないんだよ」

「あ、そうだったの?」

「君は何を言ってるんだ?」

とその時、名護の頭に声が響いた。

『やあ、僕はキュゥべえ。ダメもとでやってみたけど案外いけるものなんだね』

「!?俺の頭に直接話しかけているのか」

頭に響く声…キュゥべえに聞く。

『そうだよ。で、魔女って言うのは……』


「なるほど、マミちゃん。君の言いたいことは分かった。俺の元で身体を鍛えなさい」

「ありがとうございます!」

マミが名護に向かって頭を下げる。


これがマミが名護の弟子になった理由だった。



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「それから、名護さんの奥さんの恵さんにお世話になったりしたのよ。
 ちなみに佐倉さんも後からある程度お世話になったわ」

「名護さんの奥さん?見てみたいなあ」

名護と結婚しているのだ、美人に間違いないと思うまどか。

「実際美人なのよ。モデルもやってたらしいし」

「モデル…恵…マミさん、その人の旧姓って麻生ですか?」

「あら美樹さん知ってるの?」

まさかさやかが麻生恵のことを知っているとは思わなかった。

「前に雑誌で見たことがあるんですよ。で、かなり美人だなーって思っていて今でも頭に残ってるんです」

母親が読んでいた雑誌に載っていた記憶がさやかにあった。

「まあそんなことは置いといて、私は遠い親戚しかいなかったから、
 恵さんに家事とか教えてもらいながら、身体を鍛えたのよ」

マミの料理は恵に教えてもらい、培ったものだ。

「それからちょっとして、橘さん達に出会ったの。この前言ったでしょ。ソウルジェムのこと」

「あーそういえば」

つい先日話したばかりで、その上杏子に真実を見せられたのだ。
しっかりと頭にのこっている。

「で、橘さん達にも鍛えてもらって、今の私があるのよ」

その特訓のおかげで、マミのメンタルはとても鍛えられた。

「それで鍛えてもらってる時にね、名護さんに君のは遊び心が足りないって言われたのよ」

「と言ってもかつて俺がある人に言われた言葉だ。俺の言葉じゃない」

名護は青空の会の危機に次狼に導かれ26年前、1986年に飛び、ある人物を救った。

名護は1986年にある人物を救うためにその男の護衛をしていた。

そこで1986年のイクサに変身する男に出会った。

男の名前を名護は知らないが『紅音也』という。

知らずのうちに名護を変えたのは紅親子だった。

「俺とその人では力では俺のほうが上だっただろう。
 だが俺はその人には勝てないと言われた。何故だと思う?」

名護はまどか達に尋ねる。

「それが、遊び心が足りないってことですか?」

話の流れからそう答えを出した。

「ああ。あの時の俺は戦士として、ただ敵を倒せばいい。そう考えていた。
 だがあの人はこう言った。『お前には遊び心がない。心の余裕が無い。張り詰めた糸はすぐ切れる』と」

その一言や真夜への恋で名護啓介は大きく変わった。

心に余裕ができ、それまで自分のことだけを考えていた名護が誰かのことを考えてやれるようになった。

そして後に渡や嶋、健吾のことを気にかけ、彼らを救おうと名護なりに頑張った。

だからこそ、今の名護がいるわけである。

「あの時のマミちゃんはただ倒さなくてはいけないから倒す。
 心に余裕がなく、常に張り詰めた状態で戦っていた。だからこそあんな事を言ったんだ」

「うふふ、確かに名護さんの言う通りです。あの頃の私はただ魔女を倒してただけ。
 いくら体を鍛えようとも、心が全く変わってなかった」

「それで考えついたのが必殺技だ」

「必殺技?」

「ああ、マミちゃんが魔女を倒すときに口にする言葉があるだろう?」

巨大な銃を出し、その弾丸を魔女に撃ち込むマミの必殺技。その名も

「『ティロ・フィナーレ』でしたっけ?」

さやかが言った。

『ティロ・フィナーレ』
その意味は『最後の銃撃』

その名の通り、マミが魔女に向けて放つ止めの一撃だった。

「ええ。正義の味方といえばこう、なにか一つぐらいは必殺技を持ってるじゃない?」

この世界では平行世界ではあるが、スーパー戦隊はそれぞれが必殺技を持っており、
その見た目や技の特性も数多くある。

「それで、そのぐらいから心に余裕ができるようになったの」

「ああ、あの頃から今に到るまでは必殺技があってのことだ」

その頃からマミは成長し、多少強い魔女も一人で対処できるようになった。

「まあ、そんなところかしらね。次は佐倉さんの番ね」

ついに杏子の番が回ってきた。

「あたしが契約した理由か…」

「何か嫌な思い出があるの?」

表情が暗くなる杏子にまどかが聞く。

「いや…まあ、話すよ」

そして話し始めた。

「あたしの親父はな、とある教会の神父で、正直すぎて、優しすぎる人だった」

「それと何の関係が…?」

さやかが口をはさむ。

「まあ聞けよ。毎朝新聞読むたびに真剣に悩んでるような人でさあ」

そう笑いながらはなす杏子。

「新しい時代を救うには、新しい信仰が必要だ。それが親父の言い分だった」

「だからある時、教義にないことまで信者に説教し始めた。もちろん信者の足はぱったり途絶えたよ」

思っていたことと違うことが起きれば人間はそれなりの対応をする。

それを考えれば当たり前のことだった。

「本部からも破門された。誰も、親父の話を聞こうとはしなかった」

巨大な輪を乱す存在は見放される。

「当然だよね、傍から見れば胡散臭い新興宗教さ」

「どんなに正しいことを、当たり前の事を話そうとしても、世間じゃ鼻つまみ者さ」

一度居た場所から離れると、同じ場所に戻るのは難しい。

杏子の家族はそれを身を持って知らされた。

「あたし達家族は食い物にも事欠く始末だった」

「納得いかなかったよ。親父は間違ったことは言ってなかった」

自分が一番近くに居た身だ。それぐらいのことは簡単に分かった。

「5分でもいい。ちゃんと話を聞いてもらえれば誰にでも分かったはずなんだ」

「なのに…誰も相手をしてくれなかった…」

「難しいよね、人間って。ちょっとの話の行き違いでその人を取り巻く環境が大きく変わっちゃう。
 輪が乱れれば、必ずそれを排除する」

五代は世界の色々な場所を旅してきた。

もちろん、宗教上の見解の違いから、同じ国同士で戦争を起こしている国にも行った。

杏子の家族はそれの規模を小さくしたものだった。

「五代は分かってるなぁ…流石、世界を旅してることだけある」

「悲しいことだよね。何かを攻撃することでしか、自分の意見を主張できないなんて」

五代自身、グロンギとは殴り合い、殺しあった相手だ。

暴力が意味を持たないことはあの戦いで嫌というほど思った。

「綺麗事ね…」

ほむらが五代の言うことに言った。

「そうだよ、綺麗事だよ。でもだからこそ、現実にしたいじゃない。
 だってほんとは皆、綺麗事が一番いいんだもの」

かつて朝比奈奈々に言ったことを繰り返す。

朝比奈奈々はその後無事友人と和解することができた。

「ちょっと、話がそれたな。続けるぞ」

話を元に戻す杏子。

「悔しかった、許せなかった。誰もあの人の話を聞かないのがあたしには我慢できなかった」

杏子が唇を噛み締める。

「そんな時に出会ったのがあいつ…キュゥべえだった」

「あたしは願ったよ『みんなが親父の話を聞いてくれますように』って」

「翌日には親父の協会は大勢の人でごった返していた。
 毎日おっかなくなるぐらいの勢いで信者が増えていった」

当時のことを思い出す。あの頃は本当によかったと杏子は思う。

「あたしはあたしで晴れて魔法少女の仲間入りさ。
 いくら親父の説法が正しくったってそれで魔女が倒せるわけじゃない」

「だからそこはあたしの出番だって思って、馬鹿みたいに意気込んでいたよ」

今まで倒した魔女の姿を思い出す。

「あたしと親父で表と裏からこの世界を救うんだって」

顔が多少明るくなる。

「でも、」

だがそこに否定の言葉が入る。

「ある日親父にからくりがバレた。
 信者が集まってるのはあたしの力で集まってきたと知ったとき、親父はブチ切れたよ」

「娘のあたしを『人の心を惑わす魔女だ』って言ったよ」

「ひどい…」

まどかはそんなことは考えられなかった。

自分の娘に対して、そんな酷い言葉を浴びせるなんてありえないと思った。

「ひどくないよ、当たり前の事だ。自業自得さ」

自虐する杏子。

「笑っちゃうよね。あたしは毎晩、本物の魔女と戦い続けてたっていうのに」

「それで親父は壊れちまった。最後は呆気なかったよ。
 酒に溺れて、頭がイカレて、とうとう家族を道連れに無理心中さ」

「あたし一人を置き去りにしてね…」

もう一度杏子の表情が暗くなる。

「あたしの祈りが、家族を壊しちまったんだ…」

今更後悔しても遅い。

頭では分かっているのだが、未だにその事を振りきれない。

「他人の事を知りもせず、勝手な願い事をしたせいで、結局誰もが不幸になった」

「その時決めたんだ。もう他人のために魔法を使ったりしない。この力は総て自分のためだけに使い切るって…」

その時は心に誓った。

だが杏子の意思を変える存在が現われた。

「そう決めてから1ヶ月もしないうちにキュゥべえに聞いたんだ。
 見滝原には魔女がたくさん出る。でももう魔法少女がいるから問題ないってね」

杏子はまだマミのことは殆ど知らなかった。

「噂には聞いてたよ。魔法を自分の為に使わず、誰かの為に使う、正義の魔法少女が居るってね」

「それが私だった、ってわけ。まあ、正義の魔法少女って言われてたのは全然気づかなかったけれど」

マミが説明をする。

「まあその魔法少女…マミの事を知りたかったってのもあったけどもう一つの噂が気になったんだ」

「もう一つの噂…?」

まどかが不思議そうに聞く。

「ああ、その正義の魔法少女と行動してる、白い鎧が歩いてるって噂があったんだ」

「白い鎧…?それって…」

「さすがに分かるか。そうだよ、名護…仮面ライダーイクサの事さ」

だが当時の杏子にとってそんなことはどうでも良かった。

獲物が大量にいる場所を力づくで奪うつもりでいた。

「それで見滝原に来て、マミ達に出会ったんだ」

「懐かしいな…初めてあった君は近寄るものはすべて殺す。そういった雰囲気が出ていたからな」

「元々そのつもりで挑んだんだ。でも結果は完敗。具体的に言うならあたしは攻撃を食らってない。
 でもマミ達も一発も攻撃を受けてない。いや、マミ達には攻撃する意思がなかった」

「当たり前じゃない。初めて出会った、他の魔法少女だもの。
 すぐに真実を教えようとしたわ」

ソウルジェムは魔法少女の魂である。

その事を杏子に伝えようとしたが、最初はうまくいかなかった。

「まあ、結局あたしが折れて、こいつらが話したいことがあるって言ったから仕方なく聞いてやったんだ」

「そしたらあたしは既に死んでて、魂はソウルジェムに変換されたって言うからさ、最初は信じられなかったよ」

当初は杏子もマミと同じような反応をしていた。

「それでキュゥべえの野郎に聞いたらそれが真実だって言われて、あたしは暴走状態さ」

信じられない、そんな一心で町を駆けまわったことを覚えている。

「そんなあたしを知ってか知らずか、ちょうど魔女が現れたよ。
 といってもそんな状態で戦えるわけもなく、あっという間に槍を飛ばされた」

発狂状態にある頭で魔女と戦って勝てわけがなかった。

「ああ、あたしここで死ぬんだ…って思ったよ。
 けどな、あたしが死を覚悟した瞬間、それを全て吹き飛ばした存在が現われたよ」

「それってやっぱり…」

「ああ、イクサだ。あの時のあたしにとって救世主だったよ。
 こいつならあたしを闇から引き上げてくれる、そう思った存在だった」

「あの時はギリギリだった。あと少し遅ければ君はここにはいなかったぞ」

本当にギリギリだった。

魔女の攻撃が当たる寸前、イクサの放ったイクサカリバーの弾丸が魔女の動きを止めた。

そしてその後は流れるように魔女を倒した。

「分かってるって。それで、あたしは名護達の仲間になって、今に至るってわけさ」

「あら、あの時の貴方の泣きっぷりは見ててとても微笑ましかったわよ」

「え?どういう事です、マミさん?」

さやかが尋ねる。

「ちょっと!マミ、その事は!」

「いやその魔女を倒した後にね、佐倉さん泣きじゃくりながら名護さんに抱きついてたのよ」

「うわあああああぁぁぁぁぁあああああああああああ!」

杏子が叫ぶ。

恥ずかしそうに机に突っ伏し、腕に顔を埋めて足をバタバタさせていた。

「へえ~、それでそれで~?」

さやかがニヤニヤしながら尋ねる。

「もう大泣きよ。名護さんがそれを慰めて、親子みたいだったわ」

「佐倉杏子にもそんなことがあったのね」

クスリと笑うほむら。

杏子はまだ突っ伏している。

そしてそのまま、

「恥ずかしいから黙っとこうと思ったのに…なんで言うんだよぉ…」

本人にしてはかなり恥ずかしかったらしい。

声も涙声になっていた。

「ごめんなさいね」

全く悪びれる様子がない。

「許さない」

杏子はまだ怒っている。

「許してよ」

マミもこれにはさすがに罪悪感を感じた。

「ヤダ」

「じゃあケーキ買ってあげるから」

杏子の好きな物で釣ってみる。

「だめだ」

「じゃあ2つ買ってあげる」

数を増やしてみた。

「……無理」

少しの間があった。

もう一押しだ。

「2つだけじゃなくて今なら5つにしちゃうわよ?」

一気に3つ増やし5つにしてみた。

「ほんとだな…?」

釣れた。

杏子は食べ物に弱い。

1年半以上共に居たマミだから分かることだ。

「本当よ。私は嘘をつかないわ」

「分かった。それで許してやる」

ようやく杏子が顔を上げる。

「ありがとう、佐倉さん」

周りから見ると仲の良い姉妹のようだった。

「あれ?そういえば杏子ちゃんの遊び心って?」

聞いてなかった事をまどかが聞く。

「ああそれなら、お菓子だ。お前らは見てないだろうけど、あたしは戦いの最中も食べてるし、
 戦いの後のお菓子を食べるのが楽しみなんだ」

「そう言われてみれば、あんたよくなにか食べてるわね」

初めてあった時も、その次の時も常に口には何かを含んでいた。

「まあそれがあたしの心の余裕だ。ちなみに今も持ってるぞ」

そう言ってポケットから飴玉を取り出す。

一体どれだけ入っているのかと思うほど大量にあった。

「すごいわね…」

ほむらも思わず一言。

「私の持ってくるお菓子も佐倉さんの楽しみの一つなのよ」

そう言って微笑むマミ。

やっぱりこの2人は姉妹に見える。

「あ、そういえばあたしらがイクサになったときのこと話してないだろ」

「え?マジで?」

まさか名護ではなく、マミや杏子がイクサに変身しているなどとは思わなかった。

「そういえばね…あれは、佐倉さんと出会ってどれぐらいの頃かしら…」


―1年と少し前―

「マミちゃん、杏子ちゃん。たまには別の戦い方もしてみないか?」

魔女を倒し終えた後、名護がいきなりそう言い出した。

「どういう事だ?あたしらが武器の交換でもしろって言うのかい?」

名護の言っている意味が分からない。

それはマミも同じだった。

「ほんとにどういう意味ですか?」

「いや、君達もイクサに変身してみないか?」

「「え?」」

マミと杏子、2人が口をそろえていう。

「これを手に押し付けてくれ」

言われるがままに、まずはマミがイクサナックルを手に押し付けた。

すると『レ・ディ・イ』とイクサナックルがマミを装着者として認識した。

「半分冗談のつもりだったんだが…まあいい、次の魔女との戦いはイクサでやってみなさい」

「でも名護さんはどうするんですか?」

さすがに名護でもイクサがなければただの人間。

と言っても、名護は60キロほど出している車を走って追いかけたり、
車の前に立ち、足で車を止めたりしているので普通の人間とは思いづらい。

だがマミ達はそんなことは知らないので心から名護を心配する。

「俺にはこいつがある」

そう言って新たに取り出したのは、ハンドガンのようなものと、剣のような物。

イクサより前に、人間が少しでもファンガイアに抵抗するために作られた
『ファンガイアバスター』と『ファンガイアスレイヤー』だ。

「使い魔程度ならこいつで捌ける。どうしてもカバーできないところはイクサに変身していない方に任せる」

「てことは結界の最深部に居る魔女とはイクサだけで戦うのか?」

「そういう事になるな」

最初は冗談だったが本気にそう考えている名護。

「分かりました。次は私がイクサに変身します」

「仕方ねえなぁ…あたしは名護のフォローに回るよ」

マミが承諾し、杏子も渋々それに合わせる。

「じゃあ、次は頼んだぞ」


―翌日―

「それじゃあ行きます」

魔女を探し始めてすぐ、結界を見つけられた。

マミは深呼吸をしイクサナックルを構えた。

まずは名護と同じように手のひらにイクサナックルを当てる。

『レ・ディ・イ』という音声が鳴り、重低音が鳴り響く。

マミはイクサナックルを持った手を左側に突き出し、その腕を回転させるように上に上げる。

「変身!」

腕を頭の上まで持って行き、その後は名護と同じく胸の前に持って行きベルトに装着させる。

『フィ・ス・ト・オ・ン』の音声と共にマミにイクサが装着される。

「よし、行こう!」

そして名護達は走りだした。

「ハッ!」

マミが正確に使い魔を撃ちぬく。

普段の戦い方から考えて、マミにはこの戦い方が一番あっていた。

一方の名護も、ファンガイアバスターとファンガイアスレイヤーを使い魔を倒していた。

「お前、あたしの援護いらないだろ!」

名護の戦いっぷりに杏子は驚きを隠せない。

イクサに変身していない名護の戦い方を見るのは初めてだった。

それ故に、使い魔を確実に倒していく名護は何処かおかしい。

「そうでも!ないぞ!こう見えてかなりしんどい!」

そう言いながらも、また使い魔を倒す。

しかし、名護の背後に一匹の使い魔が忍び寄る。

「名護さん!伏せて!」

その言葉に従い名護はその場で伏せ、イクサが使い魔を撃ちぬく。

「ナイスショットだ!」

賛美の言葉をマミに向ける。

「おい、そろそろ魔女の居るところだぞ」

杏子に言われてみてみると、いつの間にか結界の最深部まで来ていた。

「よし、ここからはマミちゃん。君だけで戦うんだ」

予定通り、マミのイクサだけが魔女と戦う。

「分かりました。見ててください。私の戦い」

まずは先制攻撃でイクサが魔女に攻撃を仕掛ける。

魔女もただやられるわけにもいかず、イクサに反撃する。

しかし、イクサはその攻撃を華麗に避け、イクサカリバーで接近戦に持ち込む。

「ハア!」

魔女の腕に見える部分が切り落とされる。

すると、

「今だ!ライジングになりなさーい!」

名護の声が聞こえてきた。

イクサライザーを外し、『1』『9』『3』を押す。

『ラ・イ・ジ・ン・グ』

イクサの装甲がはじけ飛び、ライジングイクサになる。

そしてすぐにライザーフエッスルを読み込ませた。

ライジングイクサのパワーがイクサライザーに集まる。

「イクサ・ライジングブラスト!」

こんな時にも心の余裕である必殺技は忘れない。

そしてエネルギーが放出され、それに当たった魔女の動きが止まる。

そして飛び上がり、空中から魔女を踏みつぶした。

魔女の結界が消えグリーフシードが落ちる。

「ふぅ…」

イクサの変身を解き、ほっと一息をつく。

「初めてにしてはよくやった」

名護がマミの頭を撫でる。

「わ、ありがとうございます」

頭を撫でられながらマミが礼を言う。

杏子はそれをほっぺたを膨らませながら見ていた。

「これ、どうするんだ?」

グリーフシードを拾い上げ、杏子が聞く。

「まあ、君が持ってていいんじゃないか」

今回のマミは魔力を消耗していない。

ならグリーフシードを杏子が持つのは当然のことだ。

「イクサってすごい力ですね。制御するのに苦労しますよ」

「俺がイクサを扱えるのも基礎が出来ているからだ。君も頑張りなさい」

「はい!」

嬉しそうに返事をするマミ。

「じゃあ次はあたしの番だな」

「ええ。はい、これ」

そう言ってマミの手にあるイクサナックルを今度は杏子が持つ。

「マミには負けねえぞ」

そう意気込む。

「頑張ってね。佐倉さん」


―翌日―

先日に比べて少し歩いたが運良く2日連続で魔女の結界を見つけた。

3人は結界の中へ入る。

「よし、いっちょやるか」

杏子がイクサナックルを構える。

『レ・ディ・イ』とイクサナックルが認識した。

重心を左足に置き、右手を前にする。

そして、重心を右に移しながら力強く振りかぶる。

「変身!」

後は名護と同じように胸の前に持って行きベルトに装着する。

『フィ・ス・ト・オ・ン』

杏子の身体にイクサが装着された。

「っしゃあ!」

イクサに変身した杏子は声を出し、使い魔を倒しながら一人で進んでいった。

「ちょっと!佐倉さん!」

「全く…俺達も急ごう」

名護とマミも杏子の後を追った。

「おりゃあ!」

マミとは違い、イクサカリバーで接近戦を主体にする杏子のイクサ。

やや名護に近い戦闘スタイルだった。

だが、イクサに変身してまだ一回もイクサカリバーをガンモードとして使っていない。

いつもの戦い方的にもこの方が杏子にはあっているだろう。

「名護さん、佐倉さんの戦い方はどうですか?」

マミが杏子の戦い方を見て名護に聞く。

「よくやってる方じゃないか?一体一体確実に倒せている」

杏子が引き付けているおかげか、名護たちの方には使い魔が寄ってこなかった。

「おーい!そろそろ最深部に付くぞー!」

意外と早く結界の最深部まで来た。

「佐倉さん、頑張ってね」

「当たり前だ」

「その命あたしがもらう!」

「俺のセリフだ!」

かつて名護がキバに対して放ったセリフとほぼ同じ事を杏子が言った。

もちろん名護はそれにツッコミを入れる。

「だあ!」

イクサカリバーで魔女の身体を素早く切り刻む。

そしてすぐさまイクサライザーを取り出しライジングイクサに変身した。

そしてライザーフエッスルを使い、此処で初めて飛び道具を使った。

と言っても、魔女の真上から零距離に近い形で撃ったためなんとも言いづらい。

魔女の動きが止まった後は踵落としで魔女を倒した。

魔女の結界が消える。

「ま、こんなもんかな」

変身を解除した杏子が言った。

「かなり滅茶苦茶に動いたな…君らしいといえば君らしいが。だがよくやった」

杏子の戦い方に若干の不安を感じるがなんだかんだ言っても頭はしっかり撫でる。

「へへ」

頭を撫でられ杏子が笑う。

「じゃあこれは私がもらうわよ」

マミがグリーフシードを拾い上げる。

「ああ。あたしは昨日もらったしな」

前日は杏子がもらったので、今度はマミがもらう番だ。

「よし、今日はもう帰るとしよう」

そうして3人はそれぞれ自分の住んでいる場所へ帰った。

――――――――――――

―――――――

―――

名護「まあそんなことがあってな」

さやか「いいな~私もイクサになってみたい!」

マミ「あれは結構体に来るわよ。実際私は3日後に体中が痛み出したわ」

杏子「あたしも次の日から1週間ぐらいは痛みでまともに動けなかったからなぁ」

橘「見せてもらった資料ではプロトイクサはもっと体に負担がかかっていたみたいだがな」

まどか「でも名護さんはちゃんと制御してるんですよね?」

名護「体の鍛え方が違うからな。それに2人はまだまだ子供だ。よくやったほうだと思う」

さやか「へえ~、じゃあ私もイクサになれるぐらい特訓してみたいなぁ」

睦月「なんなら今からやったらどうかな?」

ほむら「!?」

マミ「でも、私や暁美さん達の服がないですよ?」

ほむら「そ、そうよ。というより私は弟子じゃないわ」

名護「フッ、こんな事もあろうかと」ヒョイ

名護「ちゃんと持ってきてある。サイズは分からないのは3着ずつ入れてきた」

杏子「抜かりねーな。流石名護だ」

名護「さあ、男は外に出よう。彼女たちが着替えられない」

五代「カーテンも閉めれるよ」

橘「着替え終わったら呼んでくれ」


―数分後―

杏子「おーい着替えたぞー」

名護「分かった」

まどか「似あってますか?」

名護「ああ。じゃあまず特訓を始める前に周りにぶつかるような危ないものがないか、確かめなさい」

ほむら「………」

名護「まずは軽く、イクササーイズ!」

―――――――――――――――

――――――――

――――

名護「その命、神に返しなさい」

さやか「ハアー、ハアー、これ結構疲れますね」

まどか「ほむらちゃん、大丈夫?」

ほむら「大丈夫じゃないわ」ゼエーハアー

名護「相変わらず体力がないな。どれ、早過ぎるくらいだが休憩にしよう」

―――――――――――――――

――――――――

――――

睦月「これからどうします?」

橘「このまま、帰してもいいくらいだがな」

名護「…ちょっと待ってくれ」

睦月「どうしたんですか?」

名護「なあ、ほむらちゃん、本当のことを話してくれないか?」


次回、第6話『仮面ライダー』



356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/21(日) 21:55:53.04 ID:4ELXsci5o
投下終了

クロスSSだからこれぐらいのことは許されるはず
というか許して下さい

書き始めた頃からずっと考えてたんですよね
マミと杏子のイクサ

ちなみに二人にはモチーフになった変身ポーズがあります
特に理由はないですけど


あとこのSSの進み具合にもよるけど九月に入ったら555本編終了後のクロスを建てようと思ってるんですよ
そこで皆さんに相談です

―ほむらの性格をどうするか
IfルートとしてこのSSからループしたほむらか
普通にアニメ基準のほむらか

前者は準主役、後者はあまり活躍なし

まあ、皆さんのご意見お待ちしてます


さて次回から第6話『仮面ライダー』に入ります
今更ですけどね仮面ライダー


忘れてた五代君のキャラ設定

五代雄介…前は冒険家だったが、おやっさんのこともあり、現在はポレポレで働いてる。
       ちなみにダグバ戦以降は変身してないが、一応変身はできる。
       あと、ポレポレカレーのウマさに磨きがかかった。


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