2011年10月25日 19:38
仮面ライダー龍騎「魔法少女まどか☆マギカ・・・?」
36 :◆SHCpof63TI [sage saga]:2011/07/31(日) 23:41:18.04 ID:/6uPXajo0
転校して初めての土曜日。
この日真司はほむらから『家に来てほしい』というメールが来たのでほむらの家に来ていた。
真司「それで言われたとおりに来たけど、一体何の実験をするんだ?」
ほむら「厳密に言うとあなたじゃなくてあなたの持っているアドベントカードに用があるの。」
ほむら「今すぐカードデッキからすべてのアドベントカードを抜き取って並べてくれるかしら?」
真司「ああ、分かったよ。」
懐からカードデッキを取り出し言われたとおりにすべてのアドベントカードをテーブルの上に並べる。
ほむら「それじゃあ今日の間このアドベントカードをすべて私が預かるわ。」
真司「はぁ!?いきなりそれかよ。カードデッキがないと魔女と戦えないじゃないか。」
ほむら「約束は約束よ。」
真司「そんなこと言ったってもしこうしている間にも魔女が人々を襲っているかもしれないんだぞ!なんでそんなに急ぐんだよ。」
ほむら「…少なくとも私には急ぐ理由があるわ。」
そういうと二人がいるアパートの一室に立体映像を展開する。
映像に大量の魔女と使い魔の画像を映し出す。
真司「うおっ!なんだよこれ。」
ほむら「立体映像よ。少し大きめな会議みたいなことをするときはこれを展開してやっているわ。」
真司「魔法って本当にすげぇな、でこの画像に映っている魔女は?」
ほむら「この中央の画像の魔女は『ワルプルギスの夜』と呼ばれる強力な魔女よ。」
真司「ワルプルギスの夜?なんかお祭りの名前みたいですね。ワッショイワッショイって感じで」
ほむら「あながち間違っていないわ。こいつの巨大な魔女の周りにそこに映っている大量の使い魔が現れるの。」
真司「あれが全部出てくるんですか!?なんて数だよ、まるであの白いヤゴのミラーモンスターみたいだな…」
ほむら「こいつは昔からさまざまな場所に出現して破壊活動をしてきた魔法少女の中では知らない人はいない魔女よ。」
真司「おっかない魔女ですね。で、そいつがどうしたんですか?」
ほむら「あと一カ月近くたったらこいつが見滝原に現れるわ。」
真司「えぇ!?それって大変じゃないですか!」
ほむら「だから対策を練っているのよ。」
ほむら「そこで話が最初に戻るのだけどその対策の一環であなたのアドベントカードを研究したいのよ。」
真司「事情は分かりましたけど今のさぼっている魔女も野放しにはできませんよ。」
ほむら「それじゃあこの契約のカードとサバイブのカードだけデッキに入れなさい。この2枚だけあればその辺の魔女に対してはどうにかなるでしょう。」
真司「まぁ、確かにどうにかなるかもしれないけどさ。じゃあ魔女退治に行ってくるよ。」
ほむら「日没までには帰りなさいよ。」
真司「おばさんみたいなことを言うなよ…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
真司「ただいまっと。」
ほむら「おかえりなさい、カードは返すけどまた連絡をしたら貸してもらうわよ。」
真司「分かりましたよ。それじゃあまた学校で。」
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36 :◆SHCpof63TI [sage saga]:2011/07/31(日) 23:41:18.04 ID:/6uPXajo0
転校して初めての土曜日。
この日真司はほむらから『家に来てほしい』というメールが来たのでほむらの家に来ていた。
真司「それで言われたとおりに来たけど、一体何の実験をするんだ?」
ほむら「厳密に言うとあなたじゃなくてあなたの持っているアドベントカードに用があるの。」
ほむら「今すぐカードデッキからすべてのアドベントカードを抜き取って並べてくれるかしら?」
真司「ああ、分かったよ。」
懐からカードデッキを取り出し言われたとおりにすべてのアドベントカードをテーブルの上に並べる。
ほむら「それじゃあ今日の間このアドベントカードをすべて私が預かるわ。」
真司「はぁ!?いきなりそれかよ。カードデッキがないと魔女と戦えないじゃないか。」
ほむら「約束は約束よ。」
真司「そんなこと言ったってもしこうしている間にも魔女が人々を襲っているかもしれないんだぞ!なんでそんなに急ぐんだよ。」
ほむら「…少なくとも私には急ぐ理由があるわ。」
そういうと二人がいるアパートの一室に立体映像を展開する。
映像に大量の魔女と使い魔の画像を映し出す。
真司「うおっ!なんだよこれ。」
ほむら「立体映像よ。少し大きめな会議みたいなことをするときはこれを展開してやっているわ。」
真司「魔法って本当にすげぇな、でこの画像に映っている魔女は?」
ほむら「この中央の画像の魔女は『ワルプルギスの夜』と呼ばれる強力な魔女よ。」
真司「ワルプルギスの夜?なんかお祭りの名前みたいですね。ワッショイワッショイって感じで」
ほむら「あながち間違っていないわ。こいつの巨大な魔女の周りにそこに映っている大量の使い魔が現れるの。」
真司「あれが全部出てくるんですか!?なんて数だよ、まるであの白いヤゴのミラーモンスターみたいだな…」
ほむら「こいつは昔からさまざまな場所に出現して破壊活動をしてきた魔法少女の中では知らない人はいない魔女よ。」
真司「おっかない魔女ですね。で、そいつがどうしたんですか?」
ほむら「あと一カ月近くたったらこいつが見滝原に現れるわ。」
真司「えぇ!?それって大変じゃないですか!」
ほむら「だから対策を練っているのよ。」
ほむら「そこで話が最初に戻るのだけどその対策の一環であなたのアドベントカードを研究したいのよ。」
真司「事情は分かりましたけど今のさぼっている魔女も野放しにはできませんよ。」
ほむら「それじゃあこの契約のカードとサバイブのカードだけデッキに入れなさい。この2枚だけあればその辺の魔女に対してはどうにかなるでしょう。」
真司「まぁ、確かにどうにかなるかもしれないけどさ。じゃあ魔女退治に行ってくるよ。」
ほむら「日没までには帰りなさいよ。」
真司「おばさんみたいなことを言うなよ…」
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真司「ただいまっと。」
ほむら「おかえりなさい、カードは返すけどまた連絡をしたら貸してもらうわよ。」
真司「分かりましたよ。それじゃあまた学校で。」

~数日後の放課後~
ほむら「いきなりで済まないけど今日は私に同行してもらうわ。」
真司「いいですけど、なんでまた。」
ほむら「行けば分かるわ。」
そう言ってほむらは歩きだし真司はそれについて行く形になった。
二人がついたところは薄暗い雰囲気の廃ビルだった。
真司「ここで一体
キィィィンキィィィン
真司「魔女か!?とりあえず変身しないと。」
ほむら「下手したらそろそろ終わるかもしれないけど。」
真司「それってどういう…あれ、耳鳴りが止まった?」
ほむら「やっぱりね、行くわよ。」
またほむらは真司を引き連れて廃ビルの上にあがって行く。
そこにはまどかとさやかと見たことのない金髪の女の子がいた。
真司「あれ、まどかちゃんとさやかちゃんとそっちの子もいったい何でこんなところに?」
真司「まさか3人とも魔女に狙われたんじゃ!体の方は大丈夫?」
あたふたする真司を見てまどかとさやかはきょとんとしてほむらと金髪の子は呆れて溜息をついていた。
マミ「ここの魔女は私が倒したのよ。」
真司「へ?ってことはあんたも魔法少女ってわけか。」
マミ「そうよ、私は巴マミ。あなたのことは鹿目さんたちから聞いているわ城戸真司君。そして、あなたもね暁美ほむらさん。」
そういうとマミはここで倒した魔女のものと思われるグリーフシードをほむらに投げつける。
マミ「このグリーフシードは後一回くらい使えるし、せっかくだから使ったら?」
ほむら「…遠慮するわ。」
そう言うとほむらはグリーフシードを投げ返す。
真司「ちょ、ちょっとまってよほむらちゃん、いくらなんでも無愛想過ぎない?」(ボソッ
ほむら「このグリーフシードは巴マミが手に入れたものよ。私が使う義理はないわ。」(ボソッ
真司「かーっ、初めて会ったときから思ったけどお前本っ当に蓮みたいだな!」(ボソッ
ほむらに文句を言うと真司はマミに警戒されないように笑顔になり近寄った。
真司「ごめんごめん、マミちゃん。俺の連れはご覧のとおりに実に照れくさい奴なんですよ、後でしっかり言っておきますから。」
そう言いながらマミに向かってぺこぺこお詫びのお辞儀をする。
マミ「別にいいわよ。あなたはそっちの人とは違って話が分かりそうだしね。」
真司「ありがとう、マミちゃん。ところでなんでまどかちゃんとさやかちゃんも一緒にいるの?」
マミ「ああ、それはね…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
真司「魔法少女体験コースか…」
マミ「暁美さんと一緒のあなたなら分かるかもしれないけど魔法少女は楽しいことだけじゃないのよ。」
マミ「だから私が魔女と戦うところを見てもらって実際になるかどうするか判断するわけ。」
真司「なるほど確かに戦いは辛いことが多いですもんね」
ほむら「それだったら鹿目まどか達を助けた後に詳細を説明せずに立ち去れば魔法少女たちのことを知らずにすんだんじゃないのかしら?」
マミ「!それは…」
真司「ほむらちゃん、また…」
ほむら「あなたはただ傷を舐め合う相手がほしいだけじゃないのかしら?」
マミ「…あなたに私の何が分かるっていうのよ!行くわよ二人とも。」
二人を連れて帰る際にマミは真司達の方を振り向いた。
その時のマミの目はかつて真司が北岡と屋内プールで永遠の命の話をしていたときに動揺した北岡の目によく似ていた…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
真司とほむらがアパートに帰るときに真司の頼みでいったんほむらの家に寄ることになった。
二人がほむらの部屋に入って座ったとたん真司はテーブルをバンッと大きな音を立てて叩いた。
真司「どういうつもりだよほむらちゃん!」
ほむら「何がどういうつもりなのかしら?城戸真司。」
真司「マミちゃんに向かってあんな口を言ったことだよ、いくらなんでもひどすぎだろ!」
ほむら「まどかが魔法少女になってもらうのは私にとって困ると言ったでしょう?」
ほむら「だから巴マミには悪いけどまどかには彼女のマイナスイメージを埋めつけておこうと思ってね。」
真司「そんなことをしたら逆効果だろ!マミちゃん、すごい怒ってたぞ!」
ほむら「そうね、次に会ったら殺し合いになるかもね。」
真司「分かってるならやめろよ!俺はもう人を襲うものを倒すもの同士で戦ってほしくないんだよ!」
怒りながら真司は席を立ってほむらの家を出て行ってわざと大きな音が出るように乱暴にドアを閉めた。
ほむら「…私だって魔法少女同士で戦いたくはないわよ。だけど残酷にならないとまどかを救えないのよ…」
一人残されたほむらはテーブルにうずくまり疲れ果てて寝るまでずっとすすり泣いていた…
~数日後~
真司「っと、今日はゴミの日だったな。通学途中にゴミ出しをするか。」
ゴミ袋を持ち真司がドアを開けると同時にほむらの家のドアも開いてゴミ袋を持ったほむらが出てきた。
二人は黙りながら階段を降りようとするだが二人同時に階段を降りるので幅が狭くなる。
真司「何で一緒に降りるんだよ、急いでいるんだよ俺は。」
ほむら「私も急いでいるわ。」
階段を降りた二人は徒歩10秒の二つ並んでいるボックス状のゴミ捨て場に着き同じタイミングで蓋をあけゴミを捨てこれまた同じタイミングで蓋を閉める。
その後二人は不本意ながら二列に並びながら学校に向かう。
真司「何で俺の隣を歩くんだよ。」
ほむら「行き先があなたと同じ学校だからよ。それに二日に一回は一緒に登下校しているでしょう?」
真司「そうだけど今日は一緒に登校したい気分じゃないんだよ。」
そうこうしているうちに二人が同じタイミングで学校に着き教室に入り同時に着席し鞄をドンと置いた。
ちなみに、この二人の様子を見て一部の生徒は二人の仲が恋人に近い何かだと誤解していたが。
真司「あと、今日も言うけど魔法少女同士の戦いなんて絶対に認めないからな。」
ほむら「本当に毎日のように言っているわねそれ。」
真司「このくらい釘をさしておかないと、ほむらちゃん本当に戦いをしちゃいそうなんだよ。」
ほむら「可能な限り善処するわ。」
真司「頼むよ、本当に。」
~放課後~
真司「今日はまどかちゃんの見張りはほむらちゃんがするみたいだから俺は魔女退治に行くかな。」
真司「せっかくだから今まで言ったことのない場所に行ってみるかな。別に観光気分じゃないからな。」
そんな独り言をつぶやいている時ほむらは見滝原病院に展開されている結界にいた。
ほむら「今回の魔女は危険よ。私も連れて行った方がいいわ。」
マミ「あなた、一体どの面下げて私のところに来たの?数日前に私に行ったことを思い起こしてみなさい。」
ほむら(やはり信用してくれないか。こうなったら真司に助けを…)
ほむらは懐から携帯電話を取り出して真司に救援メールを送ろうとした。
しかし、その瞬間ほむらの体をマミの魔法が形作ったリボンが縛り携帯も下に落ちる。
ほむら(しまった!?)
マミ「そんな分かりやすい隙を私が見逃すと思って?」
ほむら(まさか巴マミの洞察力がこれほどなんて。)
ほむら(彼女の戦闘能力はよく分かっていたはずなのに、私の見くびりすぎだったわ。)
ほむらのループによる統計ではこの魔女相手にマミが生存出来る確率は10%近くだ。
彼女は魔法少女の中ではトップクラスの戦闘能力を持っている。だから、出来るだけ死なせたくはない。
何度もループしているほむらはこのように束縛されるシチュエーションに何度か遭遇し殺されかけたこともあった。
とはいえ、真司と一緒に来て二人仲良く縛られてしまったら水の泡だ。
そこでその対策であらかじめ真司への救援メールを既に作成しておき画面を送信準備画面にしたまま携帯を閉じ後は送信すればOKの状態にしておいた。
しかし、マミはほむらが携帯を開き送信ボタンを押す1~2秒の時間で事を終えてしまった。
マミ「行くわよ、鹿目さん。」
まどか「は、はい。」
ほむら(こうなったら真司がすぐに駆けつけてくれるのを祈るだけね…)
しかし、彼女の祈りもむなしく真司がその病院にたどり着いたのはそれから1時間後であった。
彼が通り過ぎなかったのが唯一の救いだっただろうか?
真司「へぇ、こんなところに病院があるんだ。出来れば世話になりたくないけどな。」
キィィィンキィィィン
真司「っ、魔女か!」
病院のガラス部分に真司は近寄りカードデッキをかざす。
真司「変身!」
多くの残像が重なり真司は龍騎に変身する。
真司「っしゃあ!」
龍騎は病院のガラスから結界に入る。
龍騎が結界の中を走るとリボンに縛られたほむらを見つけた。
真司「ほむらちゃん、それどうしたの!?」
ほむら「遅いわよ、真司!早く先に行きなさい!」
真司「えぇ!?でもこんなほむらちゃんを放っておけないよ。」
ほむら「私はどうにかするわ、いいからあなたは先に行きなさい!取り返しがつかなくなる!」
あまりのほむらの鬼気迫る形相に半分押される形で龍騎は承諾する。
真司「わ、わかった。帰りに解放するからそれまで待ってて。」
龍騎は走り出したが使い魔が邪魔をする。
真司「あぁ、もう!何で結界にはライドシューターが用意されてないんだよ!」
少しだけ龍騎はイラつきながらカードデッキからカードを取り出しベントインをする。
『ADVENT』
その時どこからともなくドラグレッダーがやってくる。
真司「頼む俺が通れる道を作ってくれ!」
「ガオオォォン!」
ドラグレッダーは火球を吐き使い魔を倒し道を作っていく。
倒し漏らして突破の邪魔になっている使い魔は龍騎が殴り倒す。
そうして龍騎は結界の最深部にたどり着いた。
結果から言おう、彼は間に合わなかった。
龍騎の目に飛び込んできたのは口の周りが血だらけの魔女シャルロッテとその下に転がっているマミのものと思われる服の着れ端と肉片だった。
この光景を見た瞬間に龍騎の頭は真っ白になった。
真司「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
龍騎は絶叫し、魔女の方に走りながらカードをベントインする。
『FINAL VENT』
真司「はあぁぁぁぁ、だりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
龍騎は怒りのままドラゴンライダーキックをシャルロッテにぶちかます。
真司「はぁはぁ、はぁ…」
今、龍騎の目の前にはまどかとさやかがいた。
二人は人が化け物に捕食される現場を見たせいか全身が震えていた。
しかし、今の二人の震えはそれだけが原因ではなかった。
まどか「う、後ろ…」
ギリギリ聞こえそうな声でガクガクに震える指で龍騎の後ろを指した。
龍騎が振り返るとそこにはファイナルベントを食らったはずのシャルロッテがぴんぴんして今にも龍騎に襲いかかろうとしていた。
真司「ウソだろ、おい!」
龍騎が再び臨戦態勢をとったと同時にシャルロッテは爆発した。
その爆風の向こうからほむらが歩いて来た。
ほむら「あなた、一時の感情に身を任せすぎて油断してたわよ。ミイラ取りがミイラになる気?」
真司「ほむらちゃん、どうして?」
ほむら「巴マミが死んだ瞬間に私を束縛していた魔法が解けたの。」
ほむら「それより魔女には稀にこういう風に再生するタイプもあるのよ。」
ほむら「だから倒したと思ってもグリーフシードを落とすまで油断しちゃいけないのよ。」
爆風が晴れるとまだシャルロッテは何事もなかったかのように二人に襲いかかって来た。
ほむら「行くわよ。」
真司「あぁ、分かった。」
ほむらはバックラーから爆弾を取り出す。
同時に龍騎は新しいカードをベントインする。
『STRIKE VENT』
龍騎の右腕にドラグクローが装備される。
シャルロットはほむらを襲い大きな口をあける。
ほむらは時間を止めてシャルロッテの内部に侵入し爆弾を数個設置する。
口の外に出るとほむらは再び時間を動かす。
ほむら「真司!」
真司「ああ!はぁぁぁぁ、たりゃあ!」
爆弾の爆発に会わせるようにドラグクローファイヤーをシャルロッテに当てこれまでの比ではない大爆発を起こす。
それと同時に上空からグリーフシードが落ちて来て結界が解除され二人の変身も解除される。
まどかとさやかは龍騎の正体が真司であることを突っ込む余裕がないほど愕然としていた。
その様子を見た真司とほむらが二人に近寄る。
ほむら「目に焼き付けなさい。魔法少女になるってことはこういうことよ。」
真司「その通りだよ。戦うってことはただ単にかっこいいってだけじゃない、怪我したら痛いし下手をしたら死んじゃう。」
真司「俺は戦ってきて死んでいった人をいっぱい見てきた。」
真司「だからお願いだからまどかちゃん達にはそんな人たちと同じ道を歩んでほしくないんだ。」
その言葉を聞いてもまどかとさやかの体の震えが止まることはなかった。
ほむら「…行きましょう、これ以上彼女たちのそばにいても意味はないわ。」
真司「でも!…分かりましたよ。」
その日の帰り道はいつもの真司の性格からは考えられないくらい静かな帰り道となった。
そして、家に帰った真司は中学生の女の子が戦いに巻き込まれているという事実の深刻さを改めて受け止めた。
それと同時に真司はまともに会話をせずに死んでいった佐野のことを思い出しマミと重ねやるせない思いを抱いた。
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ほむら「いきなりで済まないけど今日は私に同行してもらうわ。」
真司「いいですけど、なんでまた。」
ほむら「行けば分かるわ。」
そう言ってほむらは歩きだし真司はそれについて行く形になった。
二人がついたところは薄暗い雰囲気の廃ビルだった。
真司「ここで一体
キィィィンキィィィン
真司「魔女か!?とりあえず変身しないと。」
ほむら「下手したらそろそろ終わるかもしれないけど。」
真司「それってどういう…あれ、耳鳴りが止まった?」
ほむら「やっぱりね、行くわよ。」
またほむらは真司を引き連れて廃ビルの上にあがって行く。
そこにはまどかとさやかと見たことのない金髪の女の子がいた。
真司「あれ、まどかちゃんとさやかちゃんとそっちの子もいったい何でこんなところに?」
真司「まさか3人とも魔女に狙われたんじゃ!体の方は大丈夫?」
あたふたする真司を見てまどかとさやかはきょとんとしてほむらと金髪の子は呆れて溜息をついていた。
マミ「ここの魔女は私が倒したのよ。」
真司「へ?ってことはあんたも魔法少女ってわけか。」
マミ「そうよ、私は巴マミ。あなたのことは鹿目さんたちから聞いているわ城戸真司君。そして、あなたもね暁美ほむらさん。」
そういうとマミはここで倒した魔女のものと思われるグリーフシードをほむらに投げつける。
マミ「このグリーフシードは後一回くらい使えるし、せっかくだから使ったら?」
ほむら「…遠慮するわ。」
そう言うとほむらはグリーフシードを投げ返す。
真司「ちょ、ちょっとまってよほむらちゃん、いくらなんでも無愛想過ぎない?」(ボソッ
ほむら「このグリーフシードは巴マミが手に入れたものよ。私が使う義理はないわ。」(ボソッ
真司「かーっ、初めて会ったときから思ったけどお前本っ当に蓮みたいだな!」(ボソッ
ほむらに文句を言うと真司はマミに警戒されないように笑顔になり近寄った。
真司「ごめんごめん、マミちゃん。俺の連れはご覧のとおりに実に照れくさい奴なんですよ、後でしっかり言っておきますから。」
そう言いながらマミに向かってぺこぺこお詫びのお辞儀をする。
マミ「別にいいわよ。あなたはそっちの人とは違って話が分かりそうだしね。」
真司「ありがとう、マミちゃん。ところでなんでまどかちゃんとさやかちゃんも一緒にいるの?」
マミ「ああ、それはね…」
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真司「魔法少女体験コースか…」
マミ「暁美さんと一緒のあなたなら分かるかもしれないけど魔法少女は楽しいことだけじゃないのよ。」
マミ「だから私が魔女と戦うところを見てもらって実際になるかどうするか判断するわけ。」
真司「なるほど確かに戦いは辛いことが多いですもんね」
ほむら「それだったら鹿目まどか達を助けた後に詳細を説明せずに立ち去れば魔法少女たちのことを知らずにすんだんじゃないのかしら?」
マミ「!それは…」
真司「ほむらちゃん、また…」
ほむら「あなたはただ傷を舐め合う相手がほしいだけじゃないのかしら?」
マミ「…あなたに私の何が分かるっていうのよ!行くわよ二人とも。」
二人を連れて帰る際にマミは真司達の方を振り向いた。
その時のマミの目はかつて真司が北岡と屋内プールで永遠の命の話をしていたときに動揺した北岡の目によく似ていた…
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真司とほむらがアパートに帰るときに真司の頼みでいったんほむらの家に寄ることになった。
二人がほむらの部屋に入って座ったとたん真司はテーブルをバンッと大きな音を立てて叩いた。
真司「どういうつもりだよほむらちゃん!」
ほむら「何がどういうつもりなのかしら?城戸真司。」
真司「マミちゃんに向かってあんな口を言ったことだよ、いくらなんでもひどすぎだろ!」
ほむら「まどかが魔法少女になってもらうのは私にとって困ると言ったでしょう?」
ほむら「だから巴マミには悪いけどまどかには彼女のマイナスイメージを埋めつけておこうと思ってね。」
真司「そんなことをしたら逆効果だろ!マミちゃん、すごい怒ってたぞ!」
ほむら「そうね、次に会ったら殺し合いになるかもね。」
真司「分かってるならやめろよ!俺はもう人を襲うものを倒すもの同士で戦ってほしくないんだよ!」
怒りながら真司は席を立ってほむらの家を出て行ってわざと大きな音が出るように乱暴にドアを閉めた。
ほむら「…私だって魔法少女同士で戦いたくはないわよ。だけど残酷にならないとまどかを救えないのよ…」
一人残されたほむらはテーブルにうずくまり疲れ果てて寝るまでずっとすすり泣いていた…
~数日後~
真司「っと、今日はゴミの日だったな。通学途中にゴミ出しをするか。」
ゴミ袋を持ち真司がドアを開けると同時にほむらの家のドアも開いてゴミ袋を持ったほむらが出てきた。
二人は黙りながら階段を降りようとするだが二人同時に階段を降りるので幅が狭くなる。
真司「何で一緒に降りるんだよ、急いでいるんだよ俺は。」
ほむら「私も急いでいるわ。」
階段を降りた二人は徒歩10秒の二つ並んでいるボックス状のゴミ捨て場に着き同じタイミングで蓋をあけゴミを捨てこれまた同じタイミングで蓋を閉める。
その後二人は不本意ながら二列に並びながら学校に向かう。
真司「何で俺の隣を歩くんだよ。」
ほむら「行き先があなたと同じ学校だからよ。それに二日に一回は一緒に登下校しているでしょう?」
真司「そうだけど今日は一緒に登校したい気分じゃないんだよ。」
そうこうしているうちに二人が同じタイミングで学校に着き教室に入り同時に着席し鞄をドンと置いた。
ちなみに、この二人の様子を見て一部の生徒は二人の仲が恋人に近い何かだと誤解していたが。
真司「あと、今日も言うけど魔法少女同士の戦いなんて絶対に認めないからな。」
ほむら「本当に毎日のように言っているわねそれ。」
真司「このくらい釘をさしておかないと、ほむらちゃん本当に戦いをしちゃいそうなんだよ。」
ほむら「可能な限り善処するわ。」
真司「頼むよ、本当に。」
~放課後~
真司「今日はまどかちゃんの見張りはほむらちゃんがするみたいだから俺は魔女退治に行くかな。」
真司「せっかくだから今まで言ったことのない場所に行ってみるかな。別に観光気分じゃないからな。」
そんな独り言をつぶやいている時ほむらは見滝原病院に展開されている結界にいた。
ほむら「今回の魔女は危険よ。私も連れて行った方がいいわ。」
マミ「あなた、一体どの面下げて私のところに来たの?数日前に私に行ったことを思い起こしてみなさい。」
ほむら(やはり信用してくれないか。こうなったら真司に助けを…)
ほむらは懐から携帯電話を取り出して真司に救援メールを送ろうとした。
しかし、その瞬間ほむらの体をマミの魔法が形作ったリボンが縛り携帯も下に落ちる。
ほむら(しまった!?)
マミ「そんな分かりやすい隙を私が見逃すと思って?」
ほむら(まさか巴マミの洞察力がこれほどなんて。)
ほむら(彼女の戦闘能力はよく分かっていたはずなのに、私の見くびりすぎだったわ。)
ほむらのループによる統計ではこの魔女相手にマミが生存出来る確率は10%近くだ。
彼女は魔法少女の中ではトップクラスの戦闘能力を持っている。だから、出来るだけ死なせたくはない。
何度もループしているほむらはこのように束縛されるシチュエーションに何度か遭遇し殺されかけたこともあった。
とはいえ、真司と一緒に来て二人仲良く縛られてしまったら水の泡だ。
そこでその対策であらかじめ真司への救援メールを既に作成しておき画面を送信準備画面にしたまま携帯を閉じ後は送信すればOKの状態にしておいた。
しかし、マミはほむらが携帯を開き送信ボタンを押す1~2秒の時間で事を終えてしまった。
マミ「行くわよ、鹿目さん。」
まどか「は、はい。」
ほむら(こうなったら真司がすぐに駆けつけてくれるのを祈るだけね…)
しかし、彼女の祈りもむなしく真司がその病院にたどり着いたのはそれから1時間後であった。
彼が通り過ぎなかったのが唯一の救いだっただろうか?
真司「へぇ、こんなところに病院があるんだ。出来れば世話になりたくないけどな。」
キィィィンキィィィン
真司「っ、魔女か!」
病院のガラス部分に真司は近寄りカードデッキをかざす。
真司「変身!」
多くの残像が重なり真司は龍騎に変身する。
真司「っしゃあ!」
龍騎は病院のガラスから結界に入る。
龍騎が結界の中を走るとリボンに縛られたほむらを見つけた。
真司「ほむらちゃん、それどうしたの!?」
ほむら「遅いわよ、真司!早く先に行きなさい!」
真司「えぇ!?でもこんなほむらちゃんを放っておけないよ。」
ほむら「私はどうにかするわ、いいからあなたは先に行きなさい!取り返しがつかなくなる!」
あまりのほむらの鬼気迫る形相に半分押される形で龍騎は承諾する。
真司「わ、わかった。帰りに解放するからそれまで待ってて。」
龍騎は走り出したが使い魔が邪魔をする。
真司「あぁ、もう!何で結界にはライドシューターが用意されてないんだよ!」
少しだけ龍騎はイラつきながらカードデッキからカードを取り出しベントインをする。
『ADVENT』
その時どこからともなくドラグレッダーがやってくる。
真司「頼む俺が通れる道を作ってくれ!」
「ガオオォォン!」
ドラグレッダーは火球を吐き使い魔を倒し道を作っていく。
倒し漏らして突破の邪魔になっている使い魔は龍騎が殴り倒す。
そうして龍騎は結界の最深部にたどり着いた。
結果から言おう、彼は間に合わなかった。
龍騎の目に飛び込んできたのは口の周りが血だらけの魔女シャルロッテとその下に転がっているマミのものと思われる服の着れ端と肉片だった。
この光景を見た瞬間に龍騎の頭は真っ白になった。
真司「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
龍騎は絶叫し、魔女の方に走りながらカードをベントインする。
『FINAL VENT』
真司「はあぁぁぁぁ、だりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
龍騎は怒りのままドラゴンライダーキックをシャルロッテにぶちかます。
真司「はぁはぁ、はぁ…」
今、龍騎の目の前にはまどかとさやかがいた。
二人は人が化け物に捕食される現場を見たせいか全身が震えていた。
しかし、今の二人の震えはそれだけが原因ではなかった。
まどか「う、後ろ…」
ギリギリ聞こえそうな声でガクガクに震える指で龍騎の後ろを指した。
龍騎が振り返るとそこにはファイナルベントを食らったはずのシャルロッテがぴんぴんして今にも龍騎に襲いかかろうとしていた。
真司「ウソだろ、おい!」
龍騎が再び臨戦態勢をとったと同時にシャルロッテは爆発した。
その爆風の向こうからほむらが歩いて来た。
ほむら「あなた、一時の感情に身を任せすぎて油断してたわよ。ミイラ取りがミイラになる気?」
真司「ほむらちゃん、どうして?」
ほむら「巴マミが死んだ瞬間に私を束縛していた魔法が解けたの。」
ほむら「それより魔女には稀にこういう風に再生するタイプもあるのよ。」
ほむら「だから倒したと思ってもグリーフシードを落とすまで油断しちゃいけないのよ。」
爆風が晴れるとまだシャルロッテは何事もなかったかのように二人に襲いかかって来た。
ほむら「行くわよ。」
真司「あぁ、分かった。」
ほむらはバックラーから爆弾を取り出す。
同時に龍騎は新しいカードをベントインする。
『STRIKE VENT』
龍騎の右腕にドラグクローが装備される。
シャルロットはほむらを襲い大きな口をあける。
ほむらは時間を止めてシャルロッテの内部に侵入し爆弾を数個設置する。
口の外に出るとほむらは再び時間を動かす。
ほむら「真司!」
真司「ああ!はぁぁぁぁ、たりゃあ!」
爆弾の爆発に会わせるようにドラグクローファイヤーをシャルロッテに当てこれまでの比ではない大爆発を起こす。
それと同時に上空からグリーフシードが落ちて来て結界が解除され二人の変身も解除される。
まどかとさやかは龍騎の正体が真司であることを突っ込む余裕がないほど愕然としていた。
その様子を見た真司とほむらが二人に近寄る。
ほむら「目に焼き付けなさい。魔法少女になるってことはこういうことよ。」
真司「その通りだよ。戦うってことはただ単にかっこいいってだけじゃない、怪我したら痛いし下手をしたら死んじゃう。」
真司「俺は戦ってきて死んでいった人をいっぱい見てきた。」
真司「だからお願いだからまどかちゃん達にはそんな人たちと同じ道を歩んでほしくないんだ。」
その言葉を聞いてもまどかとさやかの体の震えが止まることはなかった。
ほむら「…行きましょう、これ以上彼女たちのそばにいても意味はないわ。」
真司「でも!…分かりましたよ。」
その日の帰り道はいつもの真司の性格からは考えられないくらい静かな帰り道となった。
そして、家に帰った真司は中学生の女の子が戦いに巻き込まれているという事実の深刻さを改めて受け止めた。
それと同時に真司はまともに会話をせずに死んでいった佐野のことを思い出しマミと重ねやるせない思いを抱いた。

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