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デスティニーギアス・反撃のシン STAGE7「二人の皇女」

2009年09月15日 15:57

シンをコードギアス25話直後の世界に放り込んでみる

STAGE6へ

名前: ◆ozOtJW9BFA mailto:sage [2007/09/09(日) 20:27:58 ID:???]


STAGE7「二人の皇女」


俗に言うオレンジ事件の翌日シンは租界の町を歩いていた。
そこはあまりに平和で本当にゲットーと同じ国かと疑ってしまうほどだった。

「本当にのどかだ・・・これが勝者と敗者の差か・・・・」

考えてしまう・・・イレブンとブリタニアの違い。
しかしそこに違いと呼べるものはないと思った。
ブリタニアもイレブンも同じ人間、そんなの当たり前なこと・・・だと思ってた。

「でもC.Eの世界もそうだ・・・ナチュラルだからとかコーディネーターだからと違いにこだわって、何度も戦争をしてきた・・・・」

そのせいで自分は一度全てを失った。
友も・・・家族も・・・そして最愛の妹をも・・・・あの時の事を考えるとまだ寒気がする。


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「俺もまだ・・・割り切れていないんだな・・・」

シンは自らを嘲るように言い放った。そして目的地である花屋の前に到着した。

「すいません、適当に花包んでください」

「はい、かしこまりました。では少々お待ちください」

男はシンの注文に笑顔で答える。
ふとシンが店の外を見ると3~4人の男が別の店の店員に文句をつけてるのがみえた。

「あいつら・・いったいなにやってんだ・・・・」

シンが近づいていこうとすると一人の男が腕を掴んだ。

「やめてくれ!!ブリタニアに睨まれたら彼らはここで商売ができなくなっちまう」

「そんな・・・無茶苦茶な」

「仕方が無いだろ・・・俺らイレブンはどんなに虐げられようとブリタニアに従わなきゃいけないんだ。」

男の静止をふりきりシンが向かおうとすると文句をつけられている店員の前に一人の少女が立ちはだかった。

「おやめなさい!!あなたたちには恥という心がないのですか!!!」

その少女は臆することも怯えることもなく男たちに叫んだ。

「なんだてめー?」

男が少女をにらみつけるが少女は微動だにしなかった。

「お怪我は大丈夫ですか?」

少女が店員のほうを向くと男が腕を掴んだ。

「無視してんじゃねーぞ!!ああ!?」

「痛っ!」

少女が痛がったその瞬間腕を掴んでいた男が視界から消えていた。

「なにやってんだよ、あんたたち!!」

シンに殴られた男を見て他の男たちがたじろぎ後ろに下がる。

「たった一人の女の子をこんな大勢で囲んで、恥ずかしくないのかよ!!」

「ちぃっ!おい行くぞ!!」

そう言うと男たちは逃げていった。

「あんた、大丈夫?」

シンが少女のほうを振り向くが、彼女は帽子とサングラスをしていたので表情は見えなかった、しかし彼には微笑んでいたように見えた気がした。

「えぇ、ありがとう。あなた強いのね」

「いや、そんなことはないけど」

シンがその子から離れようとすると急に腕を掴まれた。

「お願いっ!!一緒に来て!」

「は?何言って・・」

強引に引っ張っていく少女はシンを連れてどんどん走っていってしまった。
その後ろを二人組みの男女が追っていた。

「しまった・・見失ったぞ・・・・」

「まずいな、もしユーフェミア様になにかあったら・・・・」

二人組みはまた走っていった。

「はぁ・・・はぁ・・・ここまでくればだいじょうぶかな・・・」

少女が息を切らしながらつぶやく。

「あの・・・すいません、いきなり引っ張っちゃって」

「いや別にいいんだけどさ・・・急にどうしたんだよ?」

「あの・・・その・・・・ちょっと追っかけられててまして・・・・」

「それで・・なんで俺も引っ張ってったわけ?」

「・・・・あなた強そうだったから」

「それだけ!?」

「そうだけど」

シンがあきれた様にため息をつく。

「・・・まぁ、いいや・・・君名前は?」

「私?私は・・・ユーフェ・・・じゃなくって!!・・・・ユフィ!」

「ユフィね・・俺はシン、とりあえずよろしく」

二人は近くにある椅子に腰をかける。

「一つ聞いてもいいかな?」

「なんですか?」

一呼吸ためて話を始める。

「なんで・・あの時あのイレブンを助けたんだ?」

「えっ・・・、なんでって言われても・・・困っている人を助けるのに理由がいるのですか?」

「そうじゃない・・・あんたはブリタニア人だろ?なんでわざわざ危険をおかしてまでイレブンをってことだ」

「だって・・・そんなの人として当たり前のことじゃないですか」

「ブリタニア人のくせにそんなこというのかよ!!」

思わず椅子から立ち上がり声を大きくする。

「そうやって・・・イレブンを哀れむくらいなら!最初っから侵略なんかするなよ!!」

自分が無茶苦茶なことを言っているのは十分理解していた・・・・
ユフィに言っても仕方が無いのに言葉は止まらなかった・・・・

「俺は昔のエリア11を知らない・・・でも!侵略されて大切な者を失う悲しみは知ってる!!」

言える事全てを言い切ってシンは後悔した、自分は一体何をやっているんだと・・・

「・・・・・ごめん、君に言っても・・・・どうしようもないことなのに・・・・」

「いえ・・・気にしないでください、でもブリタニア人の中にだってイレブンを差別しない人もいます・・・」

「それは分かってる・・・・でも!・・・でも!!あいつらがシンジュク事変でやったことを許す事はできない!!」

「もしかして・・・シンジュクにいたのですか?」

「あぁ・・・そこで俺の親代わりだった老夫婦も、優しかった親子も皆殺されたよ・・・・」

「なら・・・今あなたは一人ぼっちなのね・・・・」

「一人のほうがいいんだ・・・仲間をもう失いたくないから・・・」

「でも、人は一人では生きてはいけないの・・・誰かのぬくもりが必要なのよ」

そう言ってユフィはシンを抱きしめた。
シンは最初状況が理解できなかったが自分の状態を理解した瞬間顔をふせていた。

「ほら、あなたこんなに冷たいじゃない」

まるで子供に諭す母親のような口調でユフィは喋る、シンは黙って聞いていた。

「失う事を恐れてちゃだめ・・・自分から踏み出さないと、自分の居場所無くなっちゃうよ?」

シンは思い出していた、かつての仲間たちを・・・
確かにあそこに自分の居場所はあった、そして暖かかった。

「ね!だからがんばろうよ」

ユフィがシンから離れ椅子から立ち上がる。

「私・・・そろそろ行かないと」

「待って!!」

今度はシンが腕を掴む。

「ありがとう・・・俺は、俺のできる事をやってこの国のあり方を変えていくよ」

「うん!それでいいと思うよ、私も私にできるやり方で変えていけるようがんばるから!!」

ユフィが手を差し伸べてくる、シンはそれに笑顔で応えた。

「それじゃあね!!シン君!!」

走っていくユフィをシンは見続けたが見えなくなると握手をした手を見つめた。

「俺にできることは戦うことしかない・・・でもやれる事をやると決めた!最後まで戦い抜くって決めたんだ!!」

「ユフィ様!!ご無事でしたか!!」

男が周りを気にしつつ駆け寄ってくる。

「ごめんなさい、でも大丈夫よ・・何もなかったから」

「さぁあ、政庁にもどりますよ、総督も心配されます」

「そうね、行きましょう」

歩き出すユフィに二人組みも急いでついてくる。

(シン・・・見ていて、私もこのエリアの副総督として、この国を皆が住みやすいようにしてみせるから・・・・!!)

この二人の決意は最終的な形は一緒でもそこに至るまでの過程が全く違っていた。
シンは戦うことで、ユフィは政治的にきちんとした手段を使うことを選んだのだった・・・・


 次回STAGE8「横浜の小さな戦争」



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