魔法少女まどか☆マギカ AGITΩ ~最初で最後の約束~ 第5話「魔法少女のことを知りたいの!」

2011年05月12日 11:11

まどか「仮面ライダーアギト?」翔一「魔法少女まどか☆マギカ?」

520 :◆vbVOcxusrc [saga]:2011/03/29(火) 02:18:05.70 ID:HOWE+q+G0

翔一「――あれ? ここはどこだ?」

 沢野翔一は、気がつくと見知らぬ場所に立っていた。
 自分以外は何も存在しない。闇が支配する完全なる『無』の世界――
 いつの間に自分はこんな所に足を踏み入れてしまったんだ、と自問してみるが、その答えは出なかった。

翔一「……というか、俺さっきまで何やってたんだっけ?」

 つい先程までの記憶を呼び覚まそうとするが、それも何故か出来ない。
 ほんの数分前までの記憶まで脳裏に浮かばないというのは、さすがに変だ。

翔一「いったいどうなって――ん?」


 ――気がつくと、翔一の目の前にうっすらと光が灯っていた。


 その光は、最初は微々たるものだったが、徐々に大きくなり、やがて、ひとつのカタチをなしていった。

翔一「……えっ?」

 その姿を見たとき、翔一は一瞬我が目を疑いたくなった。


 ――女の子だ。

 一糸まとわぬ長い髪をした少女が、目の前に立っていた。


翔一「――ッ!」

 思わす顔を真っ赤に染め目線を顔ごと横に反らす翔一。
 そんな翔一の行動を気にとめることもなく、少女は口を開いた。


???「こんにちは、翔一さん」

翔一「えっ?」

 何故、目の前の少女は自分の名前を知っているのか――
 瞬時に疑問が浮かび、目線を再び少女へと戻す翔一。
 少女は相変わらず素っ裸だったが、今更気にしてはいられない。
 ――見ていて恥ずかしいことに変りないが――

翔一「君は……?」

???「あぁ、“この私”と出会うのは初めてでしたね? 『はじめまして』の方が良かったですか?」

翔一「? 俺は君とどこかで会ったことあるの?」

???「はい。厳密に言うと『“私”になる前の私』とですが……」

翔一「……君の名前を教えてもらえないかな?」

???「私は――」

翔一「――!?」

 その時、翔一は目の前の少女の顔をはっきりと見ることができた。
 そして、その少女の正体が、自分のよく知っている女の子であることもわかった。
 なぜなら、目の前の少女は――



まどか「クリームヒルト・グレートヒェン。キュゥべえと契約した鹿目まどかの成れの果てにして、この世界で“最初に生まれるはず”のAGITΩです」



 昨日、出会ったばかりの少女、鹿目まどかだったからだ。




OP
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(目覚めた心は走り出した♪ 未来を描くため♪)

翔一「……ん~?」

 ――枕元で五月蝿く鳴り響く携帯電話のアラームで翔一は目を覚ました。

(難しい道で♪ 立ち止まっても空は――♪)

 ピッ――

翔一「…………」

翔一「……」

翔一「……夢……?」

翔一(あの女の子は確かに鹿目さんだった……。でも、どういうことだ? 『最初に生まれるはずのアギト』って……?)

翔一「…………」

翔一「……まぁ、夢の話をいちいち気にしていても仕方が無いか。とりあえず、朝食と今日のお昼のお弁当作らないと……」



翔一「行ってきま~す。……といっても、俺以外いないんだけどね……」

 苦笑いを浮かべながら玄関の鍵をかける翔一。
 どうやら、昨日も姉は家に帰ってこなかったようだ。

翔一(そういえば、この間も『私の職場は猫の手も借りたいほど忙しい』とか言ってたな、姉さん……)

 鍵がかかったことをきちんと確認すると、翔一は足元に置いていた鞄と風呂敷に包まれた重箱を掴む。

翔一「さてと、今日も一日頑張っ……」

ほむら「沢野翔一」

翔一「てえっ!?」

 翔一が振り返ると、そこにはいつの間にか暁美ほむらの姿があった。

翔一(あれ? デジャヴ?)

翔一「お、おはよう、暁美さん」

ほむら「……おはよう……」

翔一「ど、どうしたの? こんな朝早くから?」

ほむら「あなたに話しておきたいことがある」

翔一「話?」

ほむら「えぇ」

翔一「ん~……。別に学校に行ってからでも良いんじゃ……?」

ほむら「それは出来ないわ。学校に行ってからでは、鹿目まどかや巴マミたちの耳にも入ってしまう可能性があるから……」

翔一「それはつまり、話の内容が俺だけにしか言えないものだから?」

ほむら「…………」

 ほむらは黙って軽く頷いた。

翔一「なるほど……。要するに……」


???「アギトに関する話ってことだね?」


ほむら「――!?」

翔一「えっ!?」

 突然、ほむらの後方から発せられた第三者の声。
 翔一とほむらが声の方に目を向けると――


キュゥべえ「おはよう、暁美ほむら。そして、沢野翔一」


 白い不思議な生き物――キュゥべえがそこにはいた。


翔一「きゅ、キュゥべえ……」

ほむら「…………」

キュゥべえ「もしそうなら、是非僕にも教えてもらえないかなぁ?」

翔一「……なんで、俺と暁美さんが2人きりの時にしか話せないことがアギトに関する話だって思ったんだい?」

キュゥべえ「そりゃあ、君がアギトだからだろう、沢野翔一?」

翔一「――!?」

ほむら「…………」

キュゥべえ「……やっぱりね。魔法少女の候補者――ましてや女の子でもない君が僕を視覚できる時点でおかしいと思ったよ」

ほむら「用があるのは沢野翔一だけ。あなたに話すことは何も無いわ、消えなさい」

キュゥべえ「やれやれ……。何故かはわからないけど、随分と僕を敵対視しているようだね、君は?」

ほむら「当たり前よ……!」

キュゥべえ「……しかし、僕も黙って帰るわけにはいかないんだよね……」

 チラリと目線を空へと向けるキュゥべえ。
 それにつられて、翔一も空を見上げる。

キュゥべえ「――マミ」

翔一「えっ?」

ほむら「――!?」

 すると、突然翔一たちの周囲の地面から黄色いリボンが伸び、次の瞬間には翔一とほむらはそれによってその場に縛り付けられてしまう。

翔一「これは……!」

ほむら「――ッ!」

マミ「…………」

翔一「巴さん……!?」

 気がつくと翔一たちの目の前には、キュゥべえの他に魔法少女の装束姿の巴マミの姿があった。

マミ「おはよう、沢野くん。いえ、今はアギトと呼んだほうがいいかしら?」

翔一「……やっぱり、バレちゃいました?」

 状況が状況でありながらも、まるで余裕であるかのように苦笑いを浮かべる翔一。

マミ「えぇ。前からもしかしたらと思っていたけど、昨日キュゥべえから話を聞いて確信したわ」

ほむら「…………」

マミ「さて……」

 マミはほむらの方へ目を向ける。

マミ「さっきあなたが沢野くんに言おうとしていたこと……私もとっても興味があるわ。話してもらえないかしら、暁美ほむらさん?」

ほむら「…………」

マミ「それとも、おいしい話は商売敵に話すつもりはないのかしら?」

翔一「商売敵?」

マミ「沢野くん、魔法少女が魔女退治をすると、見返りとしてグリーフシードを得ることがあるというのは昨日教えたわよね?」

翔一「あ、ハイ……」

マミ「暁美さんはね、あなたを――厳密にはあなたの持つアギトの力を利用して、この街のグリーフシードを独占するつもりなのよ」

翔一「えっ――!?」

マミ「鹿目さんたちを魔法少女にさせたくないのも、魔法少女が増えると手に入るグリーフシードの数が減ってしまうから……そうでしょう、暁美さん?」

ほむら「…………」

マミ「……沈黙は肯定と受け取っていいのかしら?」

ほむら「…………」

 ほむらは何も言わず、ただマミを睨み続ける。

マミ「……まぁ、いいわ。話は後でゆっくり聞かせてもらうとして……」

 マミは再び翔一の方へ目を向ける。
 そして、翔一を拘束していたリボンを解いた。

翔一「? 何で、俺だけ……?」

マミ「沢野くん、あなたにお願いしたいことがあるの」

翔一「お願い……?」

キュゥべえ「鹿目まどかを魔法少女にするために、僕たちに協力してほしいんだ!」

ほむら「――!」

翔一「へっ? 鹿目さんを魔法少女にすることと俺にどういう関係が?」

キュゥべえ「さっきマミが言っていただろう? 暁美ほむらが君に協力を求めたのは、この街に出現する魔女の持つグリーフシードの独占を目論んでいるからだって」

マミ「このままだと、あなたは彼女に利用されるだけ利用されて、やがて切り捨てられるのがオチよ?」

キュゥべえ「マミは別に、意地でも鹿目まどかを魔法少女にしたいと思っているわけじゃない。ただ、彼女が魔法少女になるかならないかを選択する権利を与えてあげたいだけなんだ」

ほむら「…………!」

キュゥべえ「だけど、暁美ほむらは自身の目的のために、それすらも与えようとしない。さすがにそれは、許せないと思うだろう?」

翔一「…………」

マミ「だから沢野くん、彼女に協力するのだけは……」

翔一「ちょっと待ってください」

マミ「?」

翔一「暁美さんがグリーフシードの独占を目論んでいるっていうのは本当のことなんですか?」

ほむら「…………」

キュゥべえ「? いきなり何を言い出すんだい? 現に彼女は、さっきマミが問い詰めた時に否定していなかったじゃないか?」

翔一「でも、肯定もしなかったよね?」

マミ「……沢野くん、まさか彼女を擁護するつもり?」

翔一「だって、おかしいんですもん」

マミ「おかしい?」

翔一「はい。仮に巴さんたちが言っているように、暁美さんがグリーフシードの独占を目的としているなら、暁美さんは巴さんがグリーフシードを手に入れることだって良しとしないはずですよね?」

マミ「!?」

キュゥべえ「…………」

翔一「実はおととい、俺がアギトになって魔女と戦っている巴さんのもとへ駆けつけることが出来たのは、暁美さんのおかげなんです」

マミ「えっ!?」

翔一「巴さんが葦川さんの病室からいなくなった後に、暁美さんが僕の前に現れて、巴さんが魔女と戦っていることを教えてくれたんです」

ほむら「…………」

翔一「暁美さんの目的がグリーフシードを手に入れることなら、普通は巴さんを助けるようなことはしないはずです」

マミ「――っ」

キュゥべえ「君とマミに魔女を倒させて、グリーフシードを奪おうとしていた可能性だってあるんじゃないかい?」

翔一「それだったら、勝負がついた瞬間には俺達の前に暁美さんが姿を現しているはずだよ。巴さんが大量のヒトデ魔女を網で拘束した瞬間に……」

キュゥべえ「…………」

マミ「……確かに、その通りだわ……」

ほむら「…………」

マミ「…………」

 マミは再びほむらへと目を向ける。

マミ「……でも、わからない。グリーフシードが目的じゃないなら、何故あなたは鹿目さんたちを魔法少女にすることを阻止しようとしているの……?」

ほむら「…………」

翔一「……鹿目さんたちを助けたいから……」

マミ「えっ?」

翔一「昨日、鹿目さんが言っていました。暁美さんには予知能力があって、鹿目さんたちが魔法少女になって、その後どうなってしまうのかも知っていたからじゃないかって……」

マミ「予知能力……」

ほむら「…………」

翔一「暁美さん、そろそろ答えてくれないかな? 君は……」

ほむら「……そうね……。どっちみち、あなたには今話すつもりでいたし、話してもいいわ……」

 ほむらは一呼吸おくと再び口を開き、そして答えた。

ほむら「――確かに、私は鹿目まどかたちの未来をある程度知っているわ。私は“未来が欲しかった”から魔法少女になったんだもの」

翔一「……どういうこと?」

キュゥべえ「魔法少女は叶えた願いの内容によって能力にも違いが現れるんだ」

 例えば、『怪我を治したい』という願いで契約した魔法少女は高い治癒能力を得る、と付け加えるキュゥべえ。

マミ「なるほどね……。じゃあ、一応聞いてみるけど……暁美さん、あなたはいったいどれだけ先の未来のことが分かっているの?」

ほむら「……今のところ分かっているのは一ヶ月ほど先のことまでよ。それと、分かるのは私とその周囲で『起きるかもしれない出来事』だけ」

翔一「簡単に言えば、『よく当たる占い』みたいなものってこと?」

ほむら「そうね。そう思ってくれれば構わない」

キュゥべえ「…………」

ほむら「……だけど、ほぼ確実に起きることが分かっているものもあるわ」

マミ「何?」

ほむら「数週間後、この見滝原に『ワルプルギスの夜』が来る」

マミ「なんですって!?」

翔一「『ワルプルギスの夜』?」

キュゥべえ「この世界でも類をみない超弩級の魔女のことさ」

マミ「私もそのキュゥべえから名前と存在くらいは聞いたことがあったけど……。まさか、実在していたなんて……」

翔一「……強いの?」

ほむら「ええ。大きさも強さも私たちが知っている魔女の比でもない程よ」

マミ「おまけに、普通の魔女とは違って、結界に隠れて身を守る必要がないらしいの」

翔一「つまり、出現する時は現実世界に直接現れるってこと?」

キュゥべえ「そういうことになるね。おまけに魔女だから普通の人間にはその姿を見ることができない」

マミ「一説では、普通の人には大災害として認識されるみたいよ。大嵐とか……」

翔一「……そうか、暁美さんが俺に言ってた『倒したい存在』っていうのはソイツのことなんだね?」

ほむら「ええ……」

翔一「なるほど、暁美さんが鹿目さんたちを魔法少女にさせたくない理由がわかったよ」

 確かに、いきなりそんなヤツと命掛けの戦いをさせるなんて真似させたくないもんね、と言いながら、翔一はうんうんと納得する。

キュゥべえ「……でも、それはちょっとおかしいんじゃないかなぁ?」

マミ「そうね。『ワルプルギスの夜』がこの街に現れるのが本当なら、戦力は1人でも多いほうがいいはずよ」

キュゥべえ「少なくとも、僕には君と沢野翔一だけで確実に『ワルプルギスの夜』を倒すことが出来るとは思えないなぁ」

ほむら「……!」

マミ「あぁ、勘違いはしないでね。だからといって鹿目さんと美樹さんに契約を迫るような真似だけはしないから……」

キュゥべえ「…………」

翔一「……そういえば、この街には暁美さんと巴さん以外に魔法少女っていないんですか?」

キュゥべえ「数年前までは、マミの他にももう1人いたよ」

マミ「えぇ。でも、色々とワケがあって……今はこの街を離れてしまったの」

翔一「そうか~……。他にも既存の魔法少女がいれば協力を要請できたかもしれないけど……」

ほむら「……戦力は少しでも多いほうが良いことは確かだけれど、あまりお勧めはしないわ」

翔一「えっ?」

マミ「どういうこと? まさか、グリーフシードの分け前が減るからなんて言うんじゃ……」

ほむら「違うわ」

マミ「じゃあ、どうして?」

ほむら「……『ワルプルギスの夜』を倒した魔法少女がどうなってしまうのか知っている?」

マミ「そんなの……知っているわけ無いでしょ」

ほむら「でしょうね……」

翔一「暁美さんは知っているの? その……未来を見たから?」

ほむら「えぇ」

マミ「……それなら教えて。魔法少女が『ワルプルギスの夜』を倒すとどうなってしまうの?」

ほむら「…………」

翔一「あ、暁美さん……?」

ほむら「……『ワルプルギスの夜』を倒した魔法少女は、『第2のワルプルギスの夜』になる」

マミ「えっ!?」

翔一「はい?」

キュゥべえ「…………」

ほむら「言葉どおりの意味よ。『ワルプルギスの夜』はこの世界でも類をみない超弩級の魔女。それ故に、その存在を構成している『呪い』自体も計り知れるものじゃない」

マミ「…………」

ほむら「そんな存在と戦うのだから、現れた瞬間、速攻で片をつけるなんてまず不可能よ」

マミ「……つまり、『ワルプルギスの夜』と戦えば戦うほど、私たちもその『呪い』の影響を受けてやがてその身に呪いを宿す……と言いたいの?」

ほむら「ええ。ソイツも言っていたでしょ? 魔法少女は希望を振り撒く存在で、魔女は呪いを撒き散らす存在だって……」

キュゥべえ「…………」

ほむら「希望と絶望は言ってしまえば表裏一体。影響を受けないはずがないわ」

マミ「……キュゥべえ、今暁美さんが話していたことは本当なの?」

キュゥべえ「『ワルプルギスの夜』を倒したなんて前例自体がないから、僕は今の話に肯定することも否定することも出来ない。でも、あり得ない話ではないことは確かだ」

ほむら「…………」

キュゥべえ「『ワルプルギスの夜』は僕たちが知る限りでもトップクラスで最悪の魔女だ。仮に倒せる存在がいるとすれば、それは見方によっては最悪すらも上回る最悪でしかないわけだし……」

マミ「…………」

翔一「……あの、巴さん」

マミ「……何?」

翔一「とりあえず、今は学校に行きませんか? この話は昼休みくらいにまた続きをってことで……」

ほむら「そうね。私もそろそろ開放してほしいところだし……」

 転校早々遅刻というのもあれだもの、と付け加えながら未だに自身を拘束しているマミのリボンを見やるほむら。

マミ「…………」

マミ「……そうね。そうしましょう……」

 そう言うと、マミはほむらを拘束から開放し、自身も魔法少女としての姿から制服姿へと戻った。






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